説明

カラーフィルターおよびこれを用いた液晶表示装置

【課題】本発明は、スペーサー部が、表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れスペーサーフィルターを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材の上記遮光部により区画された開口部を覆うように形成された着色層と、上記遮光部および上記着色層を覆うように形成された透明電極層と、上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成された範囲内に形成された枠状の隔壁部と、上記隔壁部の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするカラーフィルターを提供することにより上記課題を解決するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターおよびこれを用いた液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶表示装置の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶表示装置の市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶表示装置は大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
【0003】
一般的な液晶表示装置は、カラーフィルターと液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入することによって薄い液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御してカラーフィルターの透過光または反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行うものである。
【0004】
このような液晶表示装置には、スタティック駆動方式、単純マトリックス方式、アクティブマトリックス方式など種々の駆動方式があるが、近年、パーソナルコンピューターや携帯情報端末などのフラットディスプレーとして、アクティブマトリックス方式又は単純マトリックス方式の液晶パネルを用いたカラー液晶表示装置が急速に普及してきている。
【0005】
図7は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置パネルの一例である。一般的に液晶表示装置101は、カラーフィルター11と液晶駆動側基板であるTFTアレイ基板12とを対向させて1〜10μm程度の間隙部13を設け、この間隙部13内に液晶Lを充填し、その周囲をシール材14で密封した構造をとっている(例えば特許文献1等)。カラーフィルター11は、基材15上に、着色層17間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成された遮光部16と、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)を所定順序に配列した着色層17と、オーバーコート層18と、透明電極層19とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構成を有するものである。
【0006】
一方、TFTアレイ基板12は、透明基板上にTFT素子を配列し、透明電極層を設けた構造をとっている(図示せず)。また、カラーフィルター11及びこれと対向するTFTアレイ基板12の内面側には配向膜20が設けられる。そして、着色層の背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
【0007】
ところで、このような液晶表示装置においては、色ムラやコントラストムラといった表示ムラを防止し、均一な表示、高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能をカラー液晶表示装置に付与するために、上記液晶層の厚みに相当するセルギャップを一定に、かつ、均一に維持する必要がある。
このようなセルギャップを維持する方法としては、例えば、上記液晶層中にスペーサーとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子のビーズをランダムに多数散在させる方法が知られている。
このような方法は、位置を問わず上記液晶層中にビーズをランダムに散在させることにより上記セルギャップを維持できるため、液晶表示装置の製造工程を簡略できるという利点を有することから、現在、広く用いられるに至っている。
しかしながら、このような方法により上記セルギャップを維持した場合、カラーフィルターの全面にビーズが散布されることになるため、着色層上にもビーズが散布されてしまい、上記スペーサーが無色透明な場合、遮光状態では輝点となり、また上記スペーサーが黒色の場合、透過状態で黒点となってしまうという問題があった。
【0008】
このような問題に対し、インクジェット法を用いてビーズを含有するスペーサー部形成用塗工液を所望の位置に塗布することにより、ビーズを含有するスペーサー部を形成する方法が検討されている。このようなインクジェット法によれば、予め決められた位置にビーズを塗布することができるが、一般的に、ビーズが形成される透明電極層の表面は親液性が高いため、スペーサー部形成用塗工液が濡れ拡がり、上記ビーズが形成される位置を高精度で制御することができないことが指摘されており、結果として表示品質に優れたカラーフィルターを得ることが困難であるという問題点がある。
【0009】
【特許文献1】特許公開平8−194216号公報
【特許文献2】特許公開2001−159707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、スペーサー部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材の上記遮光部により区画された開口部を覆うように形成された着色層と、上記遮光部および上記着色層を覆うように形成された透明電極層と、上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成された範囲内に形成された枠状の隔壁部と、上記隔壁部の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするカラーフィルターを提供する。
【0012】
本発明によれば、上記ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部が、枠状の隔壁部内に形成されていることから、スペーサー部が形成される際に、上記ビーズが隔壁部を越えて透明電極層上に濡れ広がってしまうことを防止できるため、所望の位置に精度良くスペーサー部を形成することができる。
また、上記隔壁部は、上記透明電極層であり、かつ上記遮光部が形成された範囲内に形成されていることから、上記スペーサー部が形成されることにより表示品質が低下することがなく、本発明のカラーフィルターを液晶表示装置に用いた際に、着色層の輝度低下等が生じることが少ないものとすることができる。
このようなことから、本発明によれば、スペーサー部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができる。
【0013】
本発明においては、上記透明電極層上に液晶配向制御用突起部が形成されており、かつ、上記隔壁部が、上記液晶配向制御用突起部と同一の材料からなることが好ましい。これにより、上記隔壁部と液晶配向制御用突起部とを同時に形成することができるため、本発明のカラーフィルターの製造工程を簡略化することができるからである。
また、上記液晶配向制御用突起部が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターをMVA方式の液晶表示装置に好適に用いられるものにできるからである。
【0014】
また本発明においては、前記隔壁部と、前記液晶配向制御用突起部とが一体に形成されていることが好ましい。これにより、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部と同時に形成できることに加えて、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部の形状を簡略化することができるため、本発明のカラーフィルターの製造工程をより簡略化することができるからである。
【0015】
さらに本発明においては、前記隔壁部の表面にフッ素が含有されていることが好ましい。これにより、上記隔壁部の表面を撥液性にすることができるため、例えば、上記スペーサー部がインクジェット法により形成される際に、隔壁部の内側に塗布されたスペーサー部形成用塗工液が隔壁部を越えて濡れ拡がることをより確実に防止することができるからである。
【0016】
また本発明は、上記本発明に係るカラーフィルターを用いたことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0017】
本発明によれば、上記本発明に係るカラーフィルターが用いられていることにより、表示品質に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、スペーサー部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、カラーフィルター、および、これを用いた液晶表示装置に関するものである。
以下、本発明のカラーフィルターおよび液晶表示装置について詳しく説明する。
【0020】
A.カラーフィルター
まず、本発明のカラーフィルターについて説明する。本発明のカラーフィルターは、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材の上記遮光部により区画された開口部を覆うように形成された着色層と、上記遮光部および上記着色層を覆うように形成された透明電極層と、上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成された範囲内に形成された枠状の隔壁部と、上記隔壁部の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするものである。
【0021】
このような本発明のカラーフィルターについて図を参照しながら説明する。図1は本発明のカラーフィルターの一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルター10は、基材1と、上記基材1上にパターン状に形成された遮光部2と、上記基材1上であって、上記遮光部2により区画された開口部を覆うように形成された着色層3と、上記遮光部2および着色層3を覆うように形成された透明電極層4と、上記透明電極層4上であり、かつ、上記遮光部2が形成された範囲a内に形成された枠状の隔壁部5と、上記隔壁部5の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部6とを有するものである。
【0022】
本発明によれば、上記ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部が、枠状の隔壁部内に形成されていることから、例えば、上記スペーサー部をインクジェット法によりスペーサー部形成用塗工液を隔壁部内側に塗布することによって形成する場合に、塗布されたスペーサー部形成用塗工液が隔壁部を越えて濡れ拡がらないものとすることができる。このため、本発明によれば、上記スペーサー部が上記着色層上に形成されることに起因して、カラーフィルターの表示品質が低下することを抑制することができる。
したがって、本発明によれば、セルギャップを調整するためのスペーサー部が、表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができる。
【0023】
本発明のカラーフィルターは、基材、遮光部、着色層、透明電極層、隔壁部、および、スペーサー部を有するものであり、必要に応じて他の構成を備えても良いものである。以下、このような本発明のカラーフィルターの各構成について詳細に説明する。
【0024】
1.隔壁部
まず、本発明に用いられる隔壁部について説明する。本発明に用いられる隔壁部は、後述するスペーサー部を形成する位置を決定する機能を有するものであり、枠状の形状を有し、後述する透明電極層上であって、かつ、後述する遮光部が形成された範囲内に形成されたものである。
本発明のカラーフィルターは、このような隔壁部の内側にスペーサー部が形成された構成を有することから、表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができるのである。
以下、このような隔壁部について詳細に説明する。
【0025】
本発明に用いられる隔壁部が形成される位置としては、後述する透明電極層上であり、かつ、後述する遮光部が形成された範囲内であれば特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターの用途や、カラーフィルターと対向して配置される液晶駆動側基板の構造等に応じて任意に決定することができる。なかでも本発明のカラーフィルターにおいては、通常、複数の隔壁部が規則的に配列するように配置されることが好ましい。
【0026】
図2は、本発明のカラーフィルターにおいて上記隔壁部が形成される態様の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明のカラーフィルター10においては、通常、複数の隔壁部5が、透明電極層(図示せず)上であり、かつ、上記遮光部2が形成された範囲内に、規則的に配置されることが好ましい。
【0027】
本発明に用いられる隔壁部の個数としては、本発明のカラーフィルターを液晶表示装置に用いた場合に、セルギャップを一定に維持できる範囲内であれば特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターが用いられる液晶表示装置の画面サイズ等に応じて任意に決定することができる。なかでも本発明においては、上記隔壁部の個数が、1cmの範囲内に、90個〜3500個の範囲内であることが好ましく、特に250個〜2000個の範囲内であることが好ましく、さらには800個〜1700個の範囲内であることが好ましい。このような範囲内で上記隔壁部が形成されることにより、本発明のカラーフィルターが液晶表示装置に用いられた際に、液晶表示装置に外圧が加わった場合においてもカラーフィルターと液晶駆動側基板とのギャップを一定に維持することが可能となるからである。
【0028】
また、本発明に用いられる隔壁部の高さとしては、後述するスペーサー部に用いられるビーズの大きさ等に応じて、上記スペーサー部を上記隔壁部よりも高くできる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明においては、0.5μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましく、特に1.0μm〜1.6μmの範囲内であることが好ましく、さらには1.2μm〜1.4μmの範囲内であることが好ましい。隔壁部の高さが上記範囲よりも高いと、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製した際に、ビーズでセルギャップを制御することができなくなる可能性があるからである。また、上記範囲よりも低いと、例えば、後述するスペーサー部をインクジェット法で形成する際に、隔壁部の内側に塗布されたスペーサー部形成用塗工液が隔壁部の外側に漏出してしまう恐れがあるからである。
【0029】
さらに、本発明に用いられる隔壁部の内側の面積としては、後述するスペーサー部に用いられるビーズの直径等に応じて、所望の数のビーズを内包できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、200μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に300μm〜1200μmの範囲内であることが好ましく、さらには500μm〜800μmの範囲内であることが好ましい。内側の面積が上記範囲よりも狭いと、所望数のビーズを内包できない可能性があり、また、上記範囲よりも広いと、隔壁による配向の影響が画素上部まで及んでしまう可能性があるからである。
【0030】
本発明に用いられる隔壁部の形状としては、所定量のビーズを内包することができる枠状であり、外周が上記遮光部が形成された範囲内に収まる形状であれば特に限定されるものではない。
このような形状としては、例えば、隔壁部を上面からみた外周の形状が、円形状であってもよく、多角形状であってもよい。なかでも本発明においては、本発明のカラーフィルターが、後述する液晶配向制御用突起部が形成されたものである場合においては、上記隔壁部の形状が、上記液晶配向制御用突起部の長手方向と平行な辺を少なくとも1辺有する多角形の枠状であることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、上記液晶配向制御用突起部は、そのパターンに沿って液晶分子を配列する機能を有するものであるところ、上記隔壁部の形状が、上記液晶配向制御用突起部の長手方向と平行である辺を少なくとも1辺有する多角形の枠状であることにより、上記液晶配向制御用突起部の作用により制御された液晶分子の配列が、上記隔壁部の存在によって損なわれてしまうことを防止できるからである。
【0031】
図3は、本発明のカラーフィルターが、後述する液晶配向制御用突起部が形成されたものである場合においては、上記隔壁部の形状が、上記液晶配向制御用突起部の長手方向と平行な辺を有する多角形の枠状である態様の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本発明のカラーフィルターが、液晶配向制御用突起部9が形成されたものである場合においては、上記隔壁部5の形状は、上記液晶配向制御用突起部9の長手方向(図中、AおよびBで示す方向)と平行な辺を有する多角形の枠状であることが好ましい。
【0032】
上記隔壁部の形成材料としては、所望の形状の隔壁部を形成できる材料であれば特に限定されるものではない。本発明においてはこのような材料として、無機材料および有機樹脂材料等のいずれの材料であっても好適に用いることができるが、なかでも本発明においては、有機樹脂材料を用いることが好ましい。有機樹脂材料を用いることにより、例えば、後述するフッ素化合物を導入ガスとしてプラズマ照射により隔壁部に撥液性を付与することが容易になるからである。
【0033】
上記有機樹脂材料としては、硬化型樹脂が好適に用いられる。このような硬化型樹脂としては、例えば、所定の波長の光を照射することにより硬化する光硬化性樹脂や、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂等を挙げることができる。なかでも本発明においては光硬化性樹脂がより好適に用いられる。光硬化性樹脂は、フォトリソ法等によりパターニングを行うことができるため、所望の形状を有する隔壁部を容易に形成することができるからである。
【0034】
また、本発明のカラーフィルターが、後述する液晶配向制御用突起部が形成されたものである場合、上記隔壁部の形成材料は、上記液晶配向制御用突起部と同一の材料であることが好ましい。これにより、上記液晶配向制御用突起部と上記隔壁部とを、例えば、フォトリソ法等によって一括形成することが可能となるため、本発明のカラーフィルターの製造工程を簡略化することができるからである。
なお、液晶配向制御用突起部に用いられる材料については、後述する「7.カラーフィルター」の項において詳しく説明するのでここでの説明は省略する。
【0035】
また、上記隔壁部が上記液晶配向制御用突起部と同一の材料からなる場合、上記隔壁部は、上記液晶配向制御用突起部と別個に形成された態様であっても良く、または、上記液晶配向制御用突起部と一体に形成された態様であっても良い。なかでも本発明においては、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部とが一体に形成された態様が用いられることが好ましい。これにより、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部とを同時に形成できることに加えて、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部との形状を簡略化することができるため、本発明のカラーフィルターの製造工程をより簡略化することができるからである。
【0036】
図4は、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部とが一体に形成された態様の一例を示す概略図である。図4に例示するように、本発明のカラーフィルターにおいて、上記隔壁部5が上記液晶配向制御用突起部9と同一の材料からなる場合は、隔壁部5と液晶配向制御用突起部9とが一体に形成されていることが好ましい。
【0037】
なお、上記隔壁部と上記液晶配向制御用突起部とが異なる材料からなる場合は、通常、両者は別個に形成される。
【0038】
また、本発明に用いられる隔壁部は、表面が撥液性を有するものであることが好ましい。上記隔壁部の表面が撥液性を有することにより、例えば、上記スペーサー部がインクジェット法によって形成される際に、隔壁部の内側に塗布されたスペーサー部形成用塗工液が隔壁部を越えて濡れ拡がることをより確実に防止することができるからである。
【0039】
このような表面が撥液性を有する隔壁部としては、所望の程度の撥液性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、本発明においては、表面にフッ素を含有するもの好適に用いることができる。フッ素を含有する隔壁部は表面の撥液性が高いからである。
また、フッ素を含有する隔壁部は、例えば、樹脂材料を用いて形成された隔壁部に、フッ化炭素(CF)、窒化フッ素(NF)、フッ化硫黄(SF)、CCl、C、C等フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射する方法により容易に形成することができるからである。上記プラズマの照射方法としては、例えば、大気圧プラズマ照射法を好適に用いることができる。
【0040】
なお、上記隔壁部がフッ素を含有するものとする場合、上記フッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、隔壁部表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
【0041】
2.スペーサー部
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。上記スペーサー部は、ビーズおよび樹脂を含有し、上述した隔壁部の内側に形成されているものであって、本発明のカラーフィルターが液晶表示装置に用いられる際、カラーフィルターと液晶駆動側基板とのギャップを一定に保つためのスペーサーとして機能するものである。
以下、このようなスペーサー部について説明する。
【0042】
まず、上記スペーサー部に用いられるビーズについて説明する。上記スペーサー部に用いられるビーズとしては、所望の強度を有する材料からなり、本発明に用いられるスペーサー部を所望の高さに形成できる程度の大きさを有するものであれば特に限定されるものではない。このようなビーズとしては、例えば、ガラス、シリカ、金属酸化物(MgO、Al23)などの無機化合物の多孔質体や非多孔質体、中空体等からなるものや、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロン、シリコーン樹脂などのプラスチック類からなるもの等、一般的なカラーフィルター用のビーズを用いることができる。
【0043】
また、本発明に用いられるビーズの表面は、スペーサー部中に含有される樹脂との接着性を良好なものとするため、表面処理が施されたもの等であってもよい。
【0044】
本発明に用いられるビーズの形状についても、スペーサー部を所望の高さに形成できる程度の大きさを有するものであれば特に限定されるものではない。このような形状としては、例えば、棒状および球状等の一般的なカラーフィルター用のビーズと同様の形状を有するものを用いることができる。なかでも本発明においては上記ビーズとして球状のものを用いることが好ましい。球状のビーズを用いることにより、上記ビーズが隔壁部内に配置される方向によって、スペーサー部の高さが変化することがないため、高さが均一な複数のスペーサー部を形成することが容易になるからである。
【0045】
本発明に用いられるビーズとして球状のビーズを用いる場合、その直径としては所望の高さのスペーサー部を形成できる範囲であれば特に限定されないが、通常、1.0μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも2.5μm〜5.5μmの範囲内であることが好ましい。
【0046】
また、本発明に用いられるスペーサー部は、大きさが異なる複数のビーズが用いられたものであっても良い。大きさが異なる複数のビーズが用いられる態様としては、各スペーサー部に大きさの異なる複数のビーズが含有されている態様であっても良く、または、それぞれ大きさの異なるビーズを含有するスペーサー部が複数用いられた態様であっても良い。
【0047】
本発明に用いられる各スペーサー部に含有されるビーズの数は、通常、1個〜25個の範囲内であることが好ましく、なかでも3個〜15個の範囲内であることが好ましく、さらには5個〜10個の範囲内であることが好ましい。
【0048】
次に、上記スペーサー部に用いられる樹脂について説明する。上記スペーサー部に用いられる樹脂としては、上記ビーズを固定することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、硬化性樹脂が好ましく用いられる。このような硬化性樹脂としては、例えば、光を照射することにより硬化する光硬化性樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂を挙げることができる。本発明に用いられる樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
【0049】
また、本発明に用いられる樹脂は、1種類のみであっても良く、または、複数の樹脂が混合されて用いられていても良い。
【0050】
さらに本発明に用いられるスペーサー部における樹脂の含有量としては、上記ビーズを所望の強度で固定できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記スペーサー部の固形分中に75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも85質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、上記ビーズを強固に固定することができ、例えば、カラーフィルター上に形成された配向膜をラビングする際に、ビーズが脱着してしまうことを防止できるからである。
【0051】
本発明に用いられるスペーサー部の高さは、本発明のカラーフィルターが用いられる液晶表示装置の表示方式等に応じて所定の規格に合致するように適宜決定されるが、通常、1.0μm〜8μmの範囲内であることが好ましく、さらには2μm〜6μmの範囲内であることが好ましい。
【0052】
また、本発明に用いられるスペーサー部が上記隔壁部の内側に形成される態様としては、本発明のカラーフィルターが液晶表示装置に用いられた際、カラーフィルターと液晶駆動側基板とのギャップを一定に保つことが可能な態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、図5(a)に例示するように、ビーズ7と樹脂8とからなるスペーサー部6が隔壁部5と接している形態であってもよく、または、図5(b)に例示するように、ビーズ7と樹脂8とからなるスペーサー部6が隔壁部5と接していない態様であっても良い。
【0053】
なお、本発明に用いられるスペーサー部は、透明なものであっても良く、また着色されているものであっても良い。
【0054】
3.透明電極層
次に、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層は、後述する遮光部および着色層を覆うように形成されるものである。
【0055】
本発明に用いられる透明電極層としては、透明性および導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、金属酸化物の薄膜が用いられる。このような金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫等が挙げることができる。
【0056】
4.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、後述する基材上であって、遮光部により区画された開口部内に形成されるものである。
本発明に用いられる着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。また上記着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
なお、本発明に用いられる着色層の具体的態様については、一般的なカラーフィルターに用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0057】
5.遮光部
次に、本発明に用いられる遮光部について説明する。本発明に用いられる遮光部は、後述する基材上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルターに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
【0058】
このような遮光部としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等によって、厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングしたもの等であってもよく、また、例えば、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をフォトリソ法、印刷法等により形成した方法等であってもよい。
【0059】
本発明においては、上述したように、上記隔壁部にフッ素を導入する際に、プラズマ照射が行われるため、遮光部が絶縁性を有していることが装置等の面から好ましく、上記の中でも特に樹脂バインダを用いて形成された遮光部であることが好ましい。
【0060】
6.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、通常カラーフィルターに用いられるものであれば特に限定されるものではなく、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
【0061】
7.カラーフィルター
本発明のカラーフィルターは、上記基材、遮光部、着色層、透明電極層、隔壁部およびスペーサー部を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。このような他の構成としては、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて任意の構成を採用することができる。なかでも本発明においては、上記他の構成として、本発明のカラーフィルターを液晶表示装置に用いた場合に、液晶分子の配列状態を制御する液晶配向制御用突起部が形成されていることが好ましい。このような液晶配向制御用突起部が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターをMVA方式の液晶表示装置に好適に用いられるものにすることができるからである。
また、本発明においては、このような液晶配向制御用突起部と上記隔壁部との構成材料を同一とすることにより、単一の工程で上記液晶配向制御用突起部と上記隔壁部とを形成することができるという利点を有するからである。
【0062】
本発明に用いられる液晶配向制御用突起部としては、本発明のカラーフィルターを液晶表示装置に用いた場合に、液晶分子の配列状態を制御できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にMVA方式の液晶表示装置に用いられるカラーフィルターに採用されているものと同様のものを用いることができる。
【0063】
このような、上記液晶配向制御用突起部に用いられる材料としては、一般的なカラーフィルターにおける液晶配向制御用突起部に使用されるものと同様とすることができる。上記液晶配向制御用突起部形成に用いられる感光性樹脂としては、ポリメチルメタクリラート等の光分解型、光二量化型等の光架橋型、アジド・ノボラック系等の光変性型、エポキシ系やアクリル系などのラジカル重合型等の光重合型等を挙げることができる。
【0064】
8.カラーフィルターの製造方法
次に、本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルターの製造方法としては、上記構成を備えるカラーフィルターを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記基材上に上記遮光部が形成されたカラーフィルター用基板を用い、上記遮光部の開口部内に着色層を形成する着色層形成工程と、上記着色層および遮光部を覆うように透明電極層を形成する透明電極層形成工程と、上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成された範囲内に上記隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、上記隔壁部の内側に上記スペーサー部を形成するスペーサー部形成工程とを用いる方法を挙げることができる。
【0065】
ここで、上記着色層形成工程において着色層を形成する方法としては、カラーフィルターの着色層を形成方法として公知の方法を用いることができる。このような方法としては、具体的には、インクジェット法やフォトリソ法等を挙げることができる。
また、上記透明電極層形成工程において透明電極層を形成する方法としては、例えば、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等を挙げることができる。
また、上記隔壁部形成工程において隔壁部を形成する方法としては、通常、フォトリソ法が用いられる。
さらに、上記スペーサー部形成工程においてスペーサー部を形成する方法としては、例えば、上記樹脂およびビーズを、適宜溶媒等と共に混合してスペーサー部形成ビーズ分散液を作製し、インクジェット法によりこのスペーサー部形成用ビーズ分散液を塗布して硬化させる方法が用いられる。
【0066】
B.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明のカラーフィルターは、上記本発明に係るカラーフィルターを用いたことを特徴とするものである。
【0067】
このような本発明の液晶表示装置の代表的な構成について参照しながら説明する。図6は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図6に例示するように本発明の液晶表示装置30は、カラーフィルター10に基材15等が積層された構成を有するカラーフィルター側基板31と、TFTアレイ基板等を有する駆動側基板32と、上記カラーフィルター側基板31と上記駆動側基板32との間に形成された液晶層33とを有するものである。
このような例において本発明の液晶表示装置30は、上記カラーフィルター10として上記本発明に係るカラーフィルターが用いられていることを特徴とするものである。
【0068】
本発明によれば、上記本発明に係るカラーフィルターが用いられていることにより、上記カラーフィルターの着色層上にスペーサーが配置されること等に起因して上記着色層の輝度が低下することを防止することができる。
このようなことから、本発明によれば表示品質に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0069】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも上記本発明に係るカラーフィルターが用いられているものである。
以下、本発明の液晶表示装置について説明する。
【0070】
本発明の液晶表示装置は、上記本発明に係るカラーフィルターが用いられていることを特徴とするものである。したがって、本発明に用いられるカラーフィルターとしては、上記「A.カラーフィルター」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0071】
本発明の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定されるものではなく一般的に液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、および、MVA方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができるが、なかでも上記本発明に係るカラーフィルターとして、上記液晶配向制御用突起部が形成されている態様のカラーフィルターを用いた場合は、MVA方式が好適に用いられる。
【0072】
図6に示すように本発明の液晶表示装置は、通常、上記カラーフィルターが用いられたカラーフィルター側基板と、上記駆動側基板と、上記液晶層とを有するものとされるが、本発明の液晶表示装置はこのような構成に限られるものではなく、一般的にカラーフィルターが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
【0073】
また、本発明の液晶表示装置が、図6に例示したようなカラーフィルター側基板と、駆動側基板と、液晶層とを有する構成である場合、上記カラーフィルター側基板としては、上記本発明に係るカラーフィルターが用いられていること以外は、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、一般的に液晶表示装置に用いられているカラーフィルター側基板として公知の構成を有するもの適宜選択して採用することができる。
また、上記駆動側基板についても同様に、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、一般的に液晶表示装置に用いられている駆動側基板として公知の構成を有するもの適宜選択して採用することができる。
さらに、上記液晶層に用いられる液晶化合物についても、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて特定の配列形態を実現することが可能な液晶化合物を適宜選択して用いることができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0075】
以下、実施例を示すことにより本発明についてさらに具体的に説明する。
【0076】
(1)実施例1
(カラーフィルター用基板の準備)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成されて遮光部と、上記遮光部により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光部及び着色層を覆うように形成された透明電極層とを有するカラーフィルター用基板を準備した。
【0077】
(液晶配向制御用突起部及び隔壁部形成工程)
上記カラーフィルター用基板の透明電極層上に液晶配向制御用突起部及び隔壁部形成用の光硬化型樹脂物を含む塗工液をダイコート法により塗布し、次に、ホットプレート上で乾燥させ、続いて、液晶配向制御用突起部及び隔壁部に相当する部分が遮光された露光用フォトマスクを用いて、紫外線照射をし、更にアルカリ水溶液にて紫外線が照射された部分を溶解し、その後熱風循環式オーブンで熱硬化し、膜厚が約1.2μmの上記液晶配向制御用突起部及び隔壁部を得た。このとき、上記隔壁部は上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成されている範囲内に形成した。なお、上記隔壁部は図4に示すパターンとなり、その内部面積は約500μm(22.5μm×22.5μmの正方形)であった。
【0078】
(スペーサー部形成工程)
上記隔壁部内に以下の組成を有するビーズ分散液を、1滴ずつ(15pl)塗布し、ホットプレートで80℃、10分乾燥させ、その後オーブンにて230℃、30分熱した。その結果、上記隔壁内に平均5個のビーズが含有されたスペーサー部を得た。
【0079】
このようにしてカラーフィルターを作製したところ、隔壁外にビーズがはみ出したものは無かった。
【0080】
<スペーサ形成用ビーズ分散液>
・熱硬化型樹脂:アクリル樹脂
(主成分グリシジルメタクリレート) 3.0wt%
・希釈溶剤 :ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合 95.8wt%
・ビーズ :ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.5μm)
1.2wt%
【0081】
(2)実施例2
上記実施例1と同様の工程にて、液晶配向制御用突起部及び隔壁部を有するカラーフィルター用基板を準備し、続いて、上記隔壁部表面に下記の条件で大気圧プラズマ照射することにより、撥液化処理を行った。
【0082】
<プラズマ照射条件>
・導入ガス :CF4‥‥15l/min
:N2‥‥‥25l/min
・電極−基板間距離 :2mm
・電源出力 :160V − 5A
【0083】
上記隔壁部の線幅が約10μmと狭いため、接触角測定器を用いての純水との接触角は測定できなかったが、隔壁部を含むようにして、マイクロシリンジで上記スペーサ形成用ビーズ分散液を滴下したところ、隔壁部表面では液のはじきが見られた。
【0084】
その後、実施例1と同様の工程にて、スペーサ部を形成した。その結果、上記隔壁内に平均5個のビーズが含有されたスペーサ部を得た。
【0085】
このようにしてカラーフィルターを作製したところ、また隔壁外にビーズがはみ出したものは無かった。
【0086】
(3)比較例
(カラーフィルター用基板の準備)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記遮光部により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光部及び着色層を覆うように形成された透明電極層とを有するカラーフィルター用基板を準備した。
【0087】
(液晶配向制御用突起部形成工程)
上記カラーフィルター用基板の透明電極層上に液晶配向制御用突起部のみを実施例1と同様の工程にて形成した。
【0088】
(スペーサー部形成工程)
実施例1と同様のスペーサ形成用ビーズ分散液を1滴(15pl)ずつ、上記透明電極層上の上記遮光部が形成されている範囲内であり、かつ、上記液晶配向制御用突起部の屈曲点の内角側に塗布したところ、ビーズが着色層上に濡れ拡がってしまった。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明のカラーフィルターの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルターにおいて隔壁部が形成される位置を説明するための説明図である。
【図3】本発明のカラーフィルターに用いられる隔壁部の一態様を説明するための説明図である。
【図4】本発明のカラーフィルターに用いられる隔壁部の一態様を説明するための説明図である。
【図5】本発明のカラーフィルターに用いられるスペーサー部について説明するための説明図である。
【図6】本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。
【図7】従来のカラーフィルターを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1 …基材
2 …遮光部
3 …着色層
4 …透明電極層
5 …隔壁部
6 …スペーサー部
7 …ビーズ
8 …樹脂
10 …カラーフィルター
30 …液晶表示装置
31 …カラーフィルター側基板
32 …駆動側基板
33 …液晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、
前記基材の前記遮光部により区画された開口部を覆うように形成された着色層と、
前記遮光部および前記着色層を覆うように形成された透明電極層と、
前記透明電極層上であり、かつ、前記遮光部が形成された範囲内に形成された枠状の隔壁部と、
前記隔壁部の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするカラーフィルター。
【請求項2】
前記透明電極層上に液晶配向制御用突起部が形成されており、かつ、前記隔壁部が、前記液晶配向制御用突起部と同一の材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター。
【請求項3】
前記隔壁部と、前記液晶配向制御用突起部とが一体に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のカラーフィルター。
【請求項4】
前記隔壁部の表面にフッ素が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルター。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターを用いたことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−272149(P2007−272149A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101010(P2006−101010)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】