説明

カラー画像形成装置、及びカラー画像形成装置の色ずれ検出用検知手段の感度調整方法

【課題】 カラー画像形成装置において、特別なメモリ、回路等を設けることなく、色ずれ検出用検知手段の感度を調整して、安定した色ずれ補正を行えるようにすることにある。
【解決手段】 このカラー画像形成装置1において、レジストセンサ7は、搬送転写ベルト4の近傍に配置され、発光素子と受光素子とを有するとともに、搬送転写ベルト4に形成された調整用パッチを検知した場合に、調整用パッチの濃度に応じた出力電圧の検知信号を出力する。2値化回路11は、レジストセンサ7からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する。光量調整手段は、2値化回路11を介して検知信号が入力されるとともに、検知信号が閾値よりも小さい場合に、検知信号が2値化されるようレジストセンサ7の発光素子の光量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像形成装置、特に、色ずれ補正機能を有し、表面に転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
また、本発明は、そのようなカラー画像形成装置の色ずれ検出用検知手段の感度調整方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カラー画像形成装置では、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色の現像材ごとに用紙に画像が形成され、これらが重ね合わされることでカラー画像が得られる。そして、このようなカラー画像形成装置は、通常、各色の現像剤の転写位置のずれが生じた場合に、それを補正するための色ずれ補正機能を有している。
【0004】
色ずれ補正機能では、一般に、用紙を搬送する搬送ベルトの表面に各色の現像剤により色ずれ検出用の所定のレジストパッチが形成されるとともに、搬送ベルト近傍に配置されたレジストセンサによってレジストパッチを検知させることで、各色の間のずれ量が算出され、算出結果に応じて適宜調整される。なお、レジストセンサとしては、通常、発光素子及び受光素子を有する反射型フォトセンサが用いられ、搬送ベルトに対して照射される光のレジストパッチでの反射光を受光し、受光した光量に応じた出力電圧の検知信号を出力するようになっている。
【0005】
従来のこの種の色ずれ検出のための技術として、レジストセンサから出力される検知信号を2値化回路等によって2値化する技術が既に知られている。この技術では、検知信号の出力電圧が、2値化回路において予め設定された閾値を超えている部分とそれ以下の部分とに分かれた波形の信号が生成され、搬送ベルト上のレジストパッチの有無を把握できる。
【0006】
しかしながら、例えばレジストパッチの濃度が低かった場合は、十分な光量の反射光が得られないため、検知信号の出力電圧が閾値を超えず、その結果レジストパッチの有無を検出できなくなる。
【0007】
そこで、例えば、下記特許文献1に示されるように、各色の検知信号の波形のエッジと重心の距離の差分に応じて補正する技術(同文献の請求項5)や、各色の検知信号の波形から各色のエッジ、重心間の距離が等しくなるよう閾値を切り替える技術(同請求項6)、各色のエッジ、重心間の距離が等しくなるよう、検知信号の出力を増幅させる増幅手段のゲインを切り替える技術(同請求項7)などが既に提案されている。
【特許文献1】特開平11−212328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1において、請求項5に記載の技術では、検知信号の波形から予めエッジと重心の関係を取得し、記憶しておく必要がある。このため、記憶用のメモリが必要であるとともに、経時変化等によってエッジと重心が常に一定の関係にはなり得ない。
【0009】
また、請求項6に記載の技術では、閾値を設定するに際し、検知信号のA/D変換値を複数個記憶しておく必要があり、そのためのメモリを必要とする。
【0010】
さらに、同請求項7に記載の技術では、ゲインを調整する手段を各色について用意する必要があり、コスト的に不利である。
【0011】
本発明の課題は、カラー画像形成装置において、特別なメモリ、回路等を設けることなく、色ずれ検出用検知手段の感度を調整して、安定した色ずれ補正を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係るカラー画像形成装置は、色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えた画像形成装置であって、画像形成手段と、検知手段と、2値化手段と、光量調整手段とを備えている。画像形成手段は、搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成可能である。検知手段は、搬送部材近傍に配置され、発光素子と発光素子から照射される光の搬送部材での反射光を受光可能な受光素子とを有するとともに、搬送部材に形成された調整用画像を検知した場合に、調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する。2値化手段は、検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する。光量調整手段は、2値化手段を介して検知信号が入力されるとともに、検知信号が閾値よりも小さい場合に、検知信号が2値化されるよう検知手段の発光素子の光量を調整する。
【0013】
この装置では、まず搬送部材上に調整用画像が形成され、検知手段の受光素子がこの調整用画像での反射光を受光することにより調整用画像が検知されると、検知信号が出力される。この検知信号の波形は、調整用画像の濃度に応じたものであり、2値化手段において閾値に従って2値化され、光量調整手段に入力される。
【0014】
そして、例えば、調整用画像の濃度が低かったために検知信号の波形が小さくなり、閾値を下回った場合には、検知手段の発光素子の光量が増大され、検知信号の波形が閾値を超える。これにより、検知信号を確実に2値化させることができる。
【0015】
したがって、この装置では、調整用画像の濃度変化や、各色に依存する検知信号の波形変化に影響されることなく、安定して色ずれ検出を行える。
【0016】
また、ここでは、色ずれ補正機能を有するカラー画像形成装置において既存の構成である検知手段の発光素子の光量を調整するようにしたことから、従来のように特別なメモリ、回路等を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【0017】
なお、本発明において、カラー画像形成装置には、タンデム式のもののみでなく、1ドラム式のものも含まれる。また、搬送部材には、搬送転写ベルトのみでなく、通常の印刷時にも表面に画像が形成される中間転写ベルトも含まれる。
【0018】
請求項2に係るカラー画像形成装置は、色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えた画像形成装置であって、画像形成手段と、検知手段と、2値化手段と、閾値調整手段とを備えている。画像形成手段は、搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成可能である。検知手段は、搬送部材近傍に配置され、搬送部材に形成された調整用画像を検知した場合に、調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する。2値化手段は、検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する。閾値調整手段は、2値化手段を介して検知信号が入力されるとともに、検知信号が閾値よりも小さい場合に、検知信号が2値化されるよう閾値を調整する。
【0019】
この装置では、請求項1の装置において発光素子の光量を調整することに代えて、2値化手段の閾値を調整するようにしたことで、検知信号が確実に2値化される。
【0020】
そして、ここでも、検知信号を2値化して色ずれ検出を行うカラー画像形成装置において既存の構成である2値化手段の閾値を調整するようにしたことから、従来のように特別なメモリ、回路等を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【0021】
請求項3に係る色ずれ検出用検知手段の感度調整方法は、色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置において行われる方法であって、調整用画像形成ステップと、検知ステップと、2値化ステップと、光量調整ステップとを含む。調整用画像形成ステップでは、搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成する。検知ステップでは、搬送部材近傍に配置され、発光素子と発光素子から照射される光の搬送部材での反射光を受光可能な受光素子とを有する検知手段において、搬送部材に形成された調整用画像が検知された場合に、調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する。2値化ステップでは、検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する。光量調整ステップでは、2値化ステップを経て検知信号が入力されるとともに、検知信号が閾値よりも小さい場合に、検知信号が2値化されるよう検知手段の発光素子の光量を調整する。
【0022】
この方法では、請求項1の装置と同様の効果が得られる。
【0023】
請求項4に係る色ずれ検出用検知手段の感度調整方法は、色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置において行われる方法であって、調整用画像形成ステップと、検知ステップと、2値化ステップと、閾値調整ステップとを含む。調整用画像形成ステップでは、搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成する。検知ステップでは、搬送部材近傍に配置される検知手段において、搬送部材に形成された調整用画像が検知された場合に、調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する。2値化ステップでは、検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する。閾値調整ステップでは、2値化ステップを経て検知信号が入力されるとともに、検知信号が閾値よりも小さい場合に、検知信号が2値化されるよう閾値を調整する。
【0024】
この方法では、請求項2の装置と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、例えば、調整用画像の濃度が低かったために検知信号の波形が小さくなり、閾値よりも下回った場合には、検知手段の発光素子の光量又は2値化手段の閾値が増大され、確実に2値化させることができるので、調整用画像の濃度変化や、各色に依存する検知信号の波形変化に影響されることなく、安定して色ずれ検出を行える。
【0026】
また、本発明によれば、色ずれ補正機能を有するカラー画像形成装置において既存の構成である検知手段の発光素子又は2値化手段において、それぞれ光量又は閾値を調整するようにしたことから、従来のように特別なメモリ、回路等を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<カラープリンタの構成>
図1及び図2に、本発明の一実施形態が採用されたタンデム式カラープリンタ1を示す。
【0028】
このカラープリンタ1は、色ずれ補正機能を有しており、画像形成部2K,2Y,2C,2M(画像形成手段)と、各色のトナー容器3K,3Y,3C,3Mと、搬送転写ベルト4(搬送部材)と、各色に対応する転写ローラ5K,5Y,5C,5Mと、定着部8と、レジストセンサ7(検知手段)と、制御部9と、2値化回路11(2値化手段)と、他の入出力部とを備えている。
【0029】
画像形成部2K,2Y,2C,2Mは、用紙搬送方向の先端側(下流側)から順に並べて配置されており、それぞれブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各トナーを用いて用紙に対し画像形成を行う。画像形成部2K,2Y,2C,2Mはそれぞれ、像担持体としてのアモルファスシリコン等からなる感光層を有する感光体ドラム21を有しており、各感光体ドラム21の周囲には帯電器23、露光器25、現像装置27及びクリーニング機構29が配置されている。
【0030】
また、画像形成部2K,2Y,2C,2Mは、搬送転写ベルト4の表面に直接、各色のトナーを用いて調整用パッチ41(調整用画像)及びレジストパッチ43(共に図3参照)を形成可能である。なお、図3において、矢印は、用紙搬送方向を示す。
【0031】
搬送転写ベルト4は、駆動ローラ31と従動ローラ33との間に掛け渡されて循環駆動される無端ベルトであり、給紙機構6から給紙搬送路37を介して搬送されてきた用紙をその表面に吸着してほぼ水平方向に搬送することができる。
【0032】
転写ローラ5K,5Y,5C,5Mはそれぞれ、搬送される用紙に各色のトナー画像を転写するためものであり、搬送転写ベルト4を介して各画像形成部2K,2Y,2C,2Mに対向するように配置されている。
【0033】
定着部8は、内部にヒータを有する加熱ローラ及び加熱ローラに押圧される加圧ローラを有している。
【0034】
レジストセンサ7は、発光素子としての発光ダイオードと、受光素子としてのフォトダイオードとを有する反射型フォトセンサであり、画像形成部2Kの下流側の搬送転写ベルト4近傍の用紙幅方向両端部の2カ所に配置されている。レジストセンサ7は、発光素子から搬送転写ベルト4の表面に光を照射し、搬送転写ベルト4の表面に形成された調整用パッチ41やレジストパッチ43での反射光を受光素子で受光して、各パッチ41,43の濃度に応じた出力電圧の検知信号(図4乃至図7のSn1)を出力する。
【0035】
検知信号は、各パッチ41,43の濃度に比例するとともにレジストセンサ7に対する光量制御電圧(図4及び図5のVref)に比例する出力電圧(図5乃至図7のVout)で出力される。
【0036】
なお、調整用パッチ41は、図3に示すように、搬送転写ベルト4の用紙幅方向両端部において、トナーの色ごとに搬送方向先端側から順にブラック、イエロー、シアン、マゼンタの順に形成される。
【0037】
また、レジストパッチ43は、図3に示すように、調整用パッチ41と同様に搬送転写ベルト4の用紙幅方向両端部において、各色の斜め線4つと横線4つで1対のものとして複数対が形成される。
【0038】
制御部9は、CPU、メモリ及び他の制御回路を含むマイクロコンピュータで構成される。メモリには、外部に接続されたPC等から送られる画像データが保存されるとともに、CPUに実行される各種制御プログラム、画像処理プログラム等が格納されている。制御部9は、ここでは、光量調整手段9a及び色ずれ補正手段9bとして機能する。
【0039】
光量調整手段9aとしての制御部9は、レジストセンサ7からは2値化回路11を経由して検知信号が入力されるとともに、入力された検知信号の出力電圧の最大値が閾値電圧よりも小さい場合は、レジストセンサ7に供給される光量制御電圧を、検知信号が2値化されるよう変更することで、発光素子から照射される光の光量を制御する。例えば、入力された検知信号が閾値電圧以下であった場合は、制御部9は、レジストセンサ7への光量制御電圧を、検知信号が2値化されるまで増大させる。
【0040】
なお、制御部9は、図7に示すように、検知信号の波形のピークと閾値電圧との交点である立ち上がりエッジ位置aと立ち下がりエッジ位置bの位置を、パッチ位置として認識する。
【0041】
色ずれ補正手段9bとしての制御部9は、電源投入時や、プリンタ1内の温度が所定の温度を超えた場合、また、所定時間内に所定枚数の印刷が行われた場合に、色ずれ補正を行う。具体的には、レジストパッチ43に対する、光量調整手段9aにより調整された2値化された検知信号を基に、色ずれ量を算出し、その結果を基に補正を行う。
【0042】
色ずれ補正は、具体的に、レジストパッチ43に対する検知信号に基づいて、傾き、副走査及び主走査の3種の色ずれ量を調整することで行われる。傾き色ずれ量は、主走査方向(用紙幅方向)に並ぶ同色の横線パッチの位置を基に算出される。副走査色ずれ量は、副走査方向(用紙搬送方向)に並ぶ各色の横線パッチの間隔を基に算出される。主走査色ずれ量は、副走査方向に並ぶ同色の斜め線パッチと横線パッチの間隔を基に算出される。
【0043】
そして、これらの算出結果を基に、制御部9は、画像形成部2K,2Y,2C,2Mの各露光器25に対し、ずれ量に応じて画像データの書き込みのタイミングを変更することで、色ずれを補正する。
【0044】
2値化回路11は、レジストセンサ7からの検知信号を2値化するためのものであり、図4に示すように、制御部9とレジストセンサ7との間に配置されている。2値化回路11は、図5乃至図7に示すように、予め設定された閾値電圧(図4乃至図7のVth)に従って検知信号の出力電圧を2値化し、検知信号(図4乃至7のSn2)を制御部9に出力する。
【0045】
カラープリンタ1はまた、他の入出力部として、給紙機構6、排出部10、通信部(図示せず)等をさらに備えている。給紙機構6は、画像形成部2K,2Y,2C,2Mに用紙を給紙するための機構である。排出部10は、定着部8を通過した用紙が排出搬送路39を通ってプリンタ1の上面に排出させるものである。
【0046】
<カラープリンタの動作>
次に、図8に基づいて、カラープリンタ1の動作について説明する。
【0047】
このカラープリンタ1では、電源投入時や、プリンタ内の温度が所定の温度を超えた場合などに自動的に色ずれ補正が行われる。
【0048】
このとき、画像形成部2K,2Y,2C,2Mにより、循環駆動する搬送転写ベルト4上に、図3に示すような調整用パッチ41及びレジストパッチ43が形成される(S1)。そして、まず調整用パッチ41が、レジストセンサ7により検知されると(S2)、パッチの濃度に比例した出力電圧の検知信号が生成され、2値化回路11に入力される。
【0049】
ここで、検知信号の出力電圧において閾値電圧を超える部分があれば(S3のYes)、2値化され(S4)、次いで、レジストパッチ43が検知される(S5)。
【0050】
一方、2値化回路において、図6に示すように、検知信号の出力電圧が閾値電圧を超えない場合は(S3のNo)、制御部9において、レジストセンサ7の発光素子に対する光量制御電圧が、閾値電圧を超えるまで増大される(S6)。すると、ステップS4に移行して、図7に示すように、検知信号は2値化される。
【0051】
次いで、ステップS5において、レジストパッチが検知されたあと、制御部9において、色ずれ量が算出され(S7)、算出結果に応じて色ずれ補正が行われる(S8)。
【0052】
以上のカラープリンタ1によれば、例えば、調整用パッチの濃度が低かったために検知信号の出力電圧が小さくなり、閾値を下回った場合には、レジストセンサ7の発光素子の光量が増大され、確実に2値化させることができるので、調整用パッチの濃度変化や、各色に依存する検知信号の波形変化に影響されることなく、安定して色ずれ検出を行える。
【0053】
また、このカラープリンタ1によれば、既存の構成であるレジストセンサ7の発光素子の光量を調整するようにしたことから、従来のように特別なメモリ、回路等を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【0054】
<他の実施形態>
(a)上記実施形態において、光量調整手段に代えて、図9に示すように、2値化回路の閾値電圧を変更する閾値調整手段9cが採用されても良い。
【0055】
ここでは、発光素子の光量制御電圧Vledは固定されており、これにより、図10に示すように、レジストセンサ7から出力される検知信号Sn3の出力電圧Voutは、V2で一定であるとともに、2値化回路11から出力される検知信号Sn4の出力電圧は2種とり得るようになっている。
【0056】
そして、上記実施形態と同様に調整用パッチが検知された後、2値化回路11において、図11に示すように、検知信号の出力電圧が閾値電圧を超えない場合は、制御部9において、2値化回路の閾値電圧が、検知信号の出力電圧を超えるまで増大される。これにより、図12に示すように、検知信号は2値化される。
【0057】
ここでも、検知信号を確実に2値化させることができるので、調整用パッチの濃度変化や、各色に依存する検知信号の波形変化に影響されることなく、安定して色ずれ検出を行える。
【0058】
また、既存の構成である2値化回路11の閾値を調整するようにしたことから、従来のように特別なメモリ、回路等を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【0059】
なお、制御部は、光量調整手段及び閾値調整手段の両方を備え、両者が選択的に行われるよう構成されても良い。
【0060】
(b)検知手段は、反射型フォトセンサに限定されず、透過型フォトセンサ等、他の手段が採用されても良い。
【0061】
(c)調整用パッチの形状、模様等は、図3に示すものに限定されない。
【0062】
(d)カラー画像形成装置は、タンデム式のものに限定されず、1ドラム式のものであっても良い。
【0063】
(e)カラー画像形成装置は、プリンタ機能に代えて又は併せて、複写機、ファクシミリ装置としての機能を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたカラー画像形成装置を示す縦断面図。
【図2】前記カラー画像形成装置の構成を模式的に示すブロック図。
【図3】前記カラー画像形成装置で形成される調整用パッチ及びレジストパッチを示す平面図。
【図4】前記カラー画像形成装置での調整動作を説明する概念図。
【図5】前記カラー画像形成装置において色ずれ調整を行う際の検知信号の2値化回路の前後での波形図。
【図6】前記色ずれ調整を行う前の検知信号の波形図。
【図7】前記色ずれ調整を行った後の検知信号の波形図。
【図8】前記カラー画像形成装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図9】本発明の他の実施形態が採用されたカラー画像形成装置での調整動作を説明する概念図。
【図10】図9のカラー画像形成装置において色ずれ調整を行う際の検知信号の2値化回路の前後での波形図。
【図11】図10の色ずれ調整を行う前の検知信号の波形図。
【図12】図10の調整を行った後の検知信号の波形図。
【符号の説明】
【0065】
1 カラープリンタ(カラー画像形成装置)
2K,2Y,2C,2M 画像形成部(画像形成手段)
4 搬送転写ベルト(搬送部材)
7 レジストセンサ(検知手段)
9a 光量調整手段
9b 閾値調整手段
11 2値化回路(2値化手段)
41 調整用パッチ(調整用画像)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置であって、
前記搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成可能な画像形成手段と、
前記搬送部材近傍に配置され、発光素子と前記発光素子から照射される光の前記搬送部材での反射光を受光可能な受光素子とを有するとともに、前記搬送部材に形成された前記調整用画像を検知した場合に、前記調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する検知手段と、
前記検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する2値化手段と、
前記2値化手段を介して前記検知信号が入力されるとともに、前記検知信号が前記閾値よりも小さい場合に、前記検知信号が2値化されるよう前記検知手段の発光素子の光量を調整する光量調整手段と、
を備えたカラー画像形成装置。
【請求項2】
色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置であって、
前記搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成可能な画像形成手段と、
前記搬送部材近傍に配置され、前記搬送部材に形成された前記調整用画像を検知した場合に、前記調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する検知手段と、
前記検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する2値化手段と、
前記2値化手段を介して前記検知信号が入力されるとともに、前記検知信号が前記閾値よりも小さい場合に、前記検知信号が2値化されるよう前記閾値を調整する閾値調整手段と、
を備えたカラー画像形成装置。
【請求項3】
色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置において行われる色ずれ検出用検知手段の感度調整方法であって、
前記搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成する画像形成ステップと、
前記搬送部材近傍に配置され、発光素子と前記発光素子から照射される光の前記搬送部材での反射光を受光可能な受光素子とを有する前記検知手段において、前記搬送部材に形成された前記調整用画像が検知された場合に、前記調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する検知ステップと、
前記検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する2値化ステップと、
前記2値化ステップを経て前記検知信号が入力されるとともに、前記検知信号が前記閾値よりも小さい場合に、前記検知信号が2値化されるよう前記検知手段の発光素子の光量を調整する光量調整ステップと、
を含むカラー画像形成装置の色ずれ検出用検知手段の感度調整方法。
【請求項4】
色ずれ補正機能を有し、転写材を保持して搬送可能な搬送部材を備えたカラー画像形成装置において行われる色ずれ検出用検知手段の感度調整方法であって、
前記搬送部材の表面に、各色の現像剤を用いて所定の調整用画像を形成する画像形成ステップと、
前記搬送部材近傍に配置される前記検知手段において、前記搬送部材に形成された前記調整用画像が検知された場合に、前記調整用画像の濃度に応じた波形の検知信号を出力する検知ステップと、
前記検知手段からの検知信号を所定の閾値に従って2値化する2値化ステップと、
前記2値化ステップを経て前記検知信号が入力されるとともに、前記検知信号が前記閾値よりも小さい場合に、前記検知信号が2値化されるよう前記閾値を調整する閾値調整ステップと、
を含むカラー画像形成装置の色ずれ検出用検知手段の感度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−284663(P2006−284663A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101204(P2005−101204)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】