説明

カラー電子写真画像形成装置

【課題】転写位置と着脱位置とをとり得る画像形成ユニットにおいて、前記着脱位置以外でもって、垂直方向において最上位に設けられている装着部に対して、前記カートリッジの着脱を行うことのできるカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成ユニット200の最上位に設けられているカートリッジ装着部に対して、2方向の装着ガイド32l1・32l2を設け、その装着部に装着されるカートリッジに関しては前記着脱位置以外で着脱可能な構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、カラー電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体にカラー画像を形成するものである。そして、カラー電子写真画像形成装置の例としては、例えばカラー電子写真複写機、カラー電子写真プリンタ(例えばカラーレーザビームプリンタ、カラーLEDプリンタ等)、カラーファクシミリ装置及びカラーワードプロセッサ等が含まれる。また、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、OHTシート等が含まれる。
【0003】
また、カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着された状態で、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。従って、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての現像手段と、電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されるものも含まれる。また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものも含まれる。電子写真感光体ドラムと現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂一体型と称する。また、電子写真感光体ドラムと現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。即ち、現像手段をプロセスカートリッジとは別の現像ユニットに設けて、この現像ユニットと対になって画像を形成するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。プロセス手段は、電子写真感光体ドラムに作用するものである。
【0004】
また、現像カートリッジとは、現像ローラを有し、現像ローラによって、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するのに用いられる粉体現像剤(トナー)を収容しており、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。現像カートリッジの場合には、電子写真感光体ドラムは装置本体或いはカートリッジ支持部材に取り付けられている。或いは、電子写真感光体ドラムは、前記の所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。現像カートリッジも、使用者自身によって前記本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0005】
そこで、カートリッジとしては、前記の所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、電子写真感光体ドラムが装置本体或いはカートリッジ支持部材に固定して取り付けられており、電子写真感光体ドラムに作用可能に現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。
【0006】
前述したとおり、従来、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置が知られている。この電子写真画像形成装置においては、前述したプロセスカートリッジ方式が知られている。或いは、感光体ドラムとは別体で、前述した現像ユニットのみで構成される現像カートリッジ方式が知られている。前述したプロセスカートリッジ方式、現像カートリッジ方式を含めてカートリッジ方式とする。前述したプロセスカートリッジ及び現像カートリッジは、静電潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収容する現像剤収容部を有している。
【背景技術】
【0007】
特許文献1には、カラー画像形成可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、複数のカートリッジを搭載した引き出し部材としてのカートリッジトレイを、各カートリッジが隣接する隣接方向と同方向に引き出すことによって、カートリッジの交換作業を容易に行うことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−213018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述した従来の構成を更に発展させたものである。
【0010】
本発明の目的は、カートリッジを装置本体に着脱する際の着脱操作性を向上させたカラー電子写真画像形成装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、次のようなカラー電子写真画像形成装置を提供することである。即ち、転写位置と着脱位置とをとり得る画像形成ユニットにおいて、前記着脱位置以外でもって、垂直方向において最上位に設けられている装着部に対して、前記カートリッジの着脱を行うことのできる装置である。
【0012】
本発明の他の目的は、次のようなカラー電子写真画像形成装置を提供することである。即ち、画像形成ユニットにおいて、垂直方向において最上位に設けられている装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第1の経路を有する。そして、前記第1の経路とは異なった経路でもって前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第2の経路を有する装置である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明に係るカラー電子写真画像形成装置の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置であって、(a)電子写真感光体ドラムに形成された現像剤画像を前記記録媒体に転写する転写体と、垂直方向に沿って複数設けられた、カートリッジを取り外し可能に装着する装着部と、を有して、前記装着部に取り外し可能に前記カートリッジを装着した状態で、前記電子写真画像形成装置の装置本体において、前記転写体から前記記録媒体に前記現像剤画像を転写する転写位置と、前記転写位置とは異なる位置であって、前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う着脱位置と、の間を移動可能な画像形成ユニットと、(b)前記画像形成ユニットに設けられた、複数の前記装着部の内、前記垂直方向において最上位に設けられている前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第1の経路と、前記第1の経路とは異なった経路でもって前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第2の経路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カートリッジを装置本体に着脱する際の着脱操作性を向上させることができた。
【0015】
また、本発明によれば、転写位置と着脱位置とをとり得る画像形成ユニットにおいて、前記着脱位置以外でもって、垂直方向において最上位に設けられている装着部に対して、前記カートリッジの着脱を行うことができた。
【0016】
また、本発明によれば、画像形成ユニットにおいて、垂直方向において最上位に設けられている装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第1の経路を有する。そして、前記第1の経路とは異なった経路でもって前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第2の経路を有するカラー電子写真画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は実施例の画像形成装置の外観斜視図、(b)はその縦断左側面図。
【図2】図1の(b)の画像形成ユニット部分の拡大図。
【図3】(a)は感光体ユニットの左側斜視図、(b)は(a)のユニットから、ドラム等を取り外した感光体ケースの斜視図。
【図4】(a)は図3の(b)の感光体ケースの右側斜視図、(b)は感光体ケースの除去現像剤排出部の拡大縦断面図。
【図5】(a)はカートリッジの右側斜視図、(b)は左側斜視図。
【図6】(a)は画像形成ユニットの左側斜視図、(b)は右側斜視図。
【図7】(a)はカバーを開いた状態の装置本体の左側斜視図、(b)は右側斜視図。
【図8】規制部と被規制部の説明図。
【図9】メンテナンスボタンの説明図。
【図10】装置本体に対する画像形成ユニットの装着説明図。
【図11】(a)は装置本体に対する画像形成ユニットの装着の説明図、(b)は廃現像剤容器の右側斜視図。
【図12】(a)は廃現像剤容器の左側斜視図、(b)は図11の(b)の切断線(12)−(12)に沿う断面図。
【図13】画像形成ユニットに対する廃現像剤容器の着脱説明図。
【図14】前記ユニットに対するカートリッジの着脱説明図。
【図15】前記ユニットに対するカートリッジの着脱説明図。
【図16】前記ユニットに対するカートリッジの着脱説明図。
【図17】前記ユニットに対するカートリッジの着脱説明図。
【図18】前記ユニットに対するカートリッジの着脱説明図。
【図19】前記ユニットに対するカートリッジの着脱説明図。
【図20】前記ユニットとカートリッジの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
[実施例]
《カラー電子写真画像形成装置例の全体的な構成》
図1の(a)は本実施例におけるカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)100の外観斜視図である。(b)は画像形成装置100の縦断左側面図である。画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。即ち、画像形成装置100は、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(用紙)Sにフルカラーの画像を形成する。
【0020】
以下の説明において、画像形成装置100に関して、前側(正面側)とは、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19を装置本体100Aの内側から外側へ引き出す側である。後側とは、それとは反対側である。上側とは、メンテナンスカバー10を開放する側である。前後方向とは、画像形成装置を後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。長手方向とは電子写真感光体ドラム又は現像ローラの軸線方向である。装置本体100Aとは、カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)、及び画像形成ユニット200を除いた画像形成装置部分である。本実施例の画像形成装置は右側が駆動側であり、左側が非駆動側である。
【0021】
画像形成装置100は載置台・机・床等のほぼ水平な設置面Fに載置されている。装置本体100A内の中央部には、画像形成ユニット200が配設されている。図2は図1の(b)における画像形成ユニット200部分の拡大図である。ユニット200は、複数個のカートリッジ、本実施例では第1から第4の4つの現像カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)を取り外し可能に装着するカートリッジ装着部(装着ガイド)32lと単一の中間転写体(転写体)34を有する。装着部(装着ガイド)32lは、現像ローラ(現像部材)33bを有するカートリッジ33を取り外し可能に装着する。尚、現像ローラ33bは、感光体ドラム32aに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像するものである。転写体34は、各感光体ドラム32aから転写された現像剤画像を記録媒体Sに転写するためのものである。感光体ドラム32aは、装着部32lに装着されたカートリッジ33の有する現像ローラ33bに対向するようにユニット200に取り付けられる。尚、装置100が設置面Fに設置された状態で、装着部32lは、垂直方向に沿って複数設けられている。本実施例においては、各現像カートリッジ33がそれぞれ対応する電子写真感光体ドラム32aは帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cと共に感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)としてユニット200に取り付けられている。帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cはプロセス手段である。装置100は複数個のカートリッジ33を本体100A(ユニット200)に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成する。ユニット200のより詳しい構成については後述する。本実施例において、各現像カートリッジ33は、収容された粉体現像剤(トナー)の色が異なる以外は、互いに同様の構成である。但し、これに限定されるものではない。例えば、黒色の現像剤を収納している現像カートリッジ33Kは、他の色の現像剤を収納している現像カートリッジ33よりも現像剤収納部33cの容量を大きくしても良い。また、本実施例では、カートリッジとして現像カートリッジを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施例ではユニット200に取り付けられているドラム32a、帯電ローラ32b、及び、クリーニングブレード32cを、現像カートリッジ33に取り付けても良い。このように構成した場合には、カートリッジは、現像カートリッジではなくプロセスカートリッジと称する。なぜならば、ドラム32aとプロセス手段としての帯電ローラ(帯電部材)32b、現像ローラ(現像部材)33b、及び、クリーニングブレード(クリーニング部材)32cを一体的にカートリッジ化して、装置本体100Aに取り外し可能に装着されるからである。
【0022】
(感光体ユニット)
各ユニット32(32Y・32M・32C・32K)は、画像形成ユニット200のサブフレーム31に固定される。各ユニット32は、ドラム32aを有する。また、ドラム32aに作用するプロセス手段としての、帯電ローラ32bと、ドラム32aの表面残った現像剤を除去するクリーニングブレード32cを有する。また、クリーニングブレード32cによって除去された現像剤をドラム32aの軸線方向に搬送する搬送スクリュー(搬送部材)32eを有する。そして、ドラム32a、帯電ローラ32b、クリーニングブレード32c及び搬送スクリュー32eはケース32dに対して所定の配置関係で組み付けられている。
【0023】
図3の(a)は、ユニット32Mについて、それを左側から見た斜視図である。(b)は(a)のユニット32Mから、ドラム32a、帯電ローラ32b、クリーニングブレード32cを取り外した感光体ケース32dの斜視図である。図4の(a)は図3の(b)のケース32dを右側から見た斜視図、(b)はケース32dの除去現像剤排出部32fの拡大縦断面図である。他のユニット32Y・32C・32Kに関しては、ほぼ同構成のため、感光体ユニット32の説明にはユニット32Mを例にとって説明する。ケース32dの右端側と左端側にはそれぞれ貫通穴で構成される軸受部32d1・32d2があり、ドラム32aを回転可能に支持している。また、軸受部32d1・32d2の内側には、ドラム32aと当接する端部シール部材32k1・32k2と、ドラム32aの軸線方向に延びるシート状のシール部材32hが設けられている。シール部材32k1・32k2・32hの各々がドラム32aの表面に当接し、ケース32d内の現像剤が外部に漏れ出るのを防止している。ケース32dの内部には、長手方向に渡って搬送スクリュー32eが設けられている。スクリュー32eの右端側には搬送ギア32iが設けられ、アイドラギア32jを介してドラム32aの右端側に設けられたドラムギア32a1より駆動力を受ける。スクリュー32eはその回転動作によって、ケース32d内の除去現像剤を矢印X7の方向(左方向)に搬送するように構成されている。スクリュー32eによって搬送された除去現像剤は、スクリュー32eの左端側にある除去現像剤排出部32fに運ばれる。排出部32fはケース32dの左端側から外側に突出した形状を有している。スクリュー32eによって搬送された除去現像剤は排出部32fに設けられた開口32g1を介して外部に排出される。開口32g1は回動可能なシャッタ32gが設けられている。シャッタ32gは回動されることで、開口32g1を開放した開放位置と、開口32g1を閉ざした閉じ位置との間を移動する。シャッタ32gは後述する廃現像剤容器40(図12、図13)のユニット200に対する装着動作によって開放位置に移動する。これにより、ケース32d内の除去現像剤を容器40内に排出することが可能になる。容器40が装着されていない時には、シャッタ32gはバネ(不図示)により閉じ位置に付勢されているので、外部に現像剤がもれることは無い。
【0024】
各ユニット32の右端側と左端側には、それぞれ、ドラム32aの軸線と直交する方向に延びた、カートリッジ33を装着する為の装着部32lがある。装着部32lの一部には、カートリッジ33の被ガイド部(被規制部)33e1・33e3(図5)を受け入れる為の凹部32laが設けられている。また、凹部32laに隣接し、カートリッジ33の位置を規制するための規制部材36、及び規制部材36を付勢する付勢部材37が設けられている。
【0025】
以上、各ユニット32に、除去した現像剤を外部に搬送する搬送スクリュー32eを設けた。これによって、ユニット32内部に除去現像剤を収容するスペースを必要としない。よって、ユニット32の小型化を達成できる。本実施例では、ユニット32をユニット200に固定する例に関して説明した。従って、ドラム32a等が消耗した場合には、ユニット200ごと交換する。しかし、ユニット32をユニット200に着脱可能な構成とし、ユニット32のみを交換できるようにしても良い。
【0026】
(カートリッジ)
図2に示すように、各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は、ケース33aと、ドラム32aに現像剤を供給する、即ちドラム32aに形成された静電潜像を現像剤画像として現像するため現像ローラ33bを有する。また、カートリッジ33は、静電潜像の現像に用いられる現像剤を収納する現像剤収納部33cと、現像ローラ33bに現像剤収納部33cの現像剤を供給する供給ローラ33dを有する。また、現像剤収納部33cには内部の現像剤を供給ローラ33dに搬送する為の搬送部材33fが設けられている。第1のカートリッジ33Yは、現像剤収納部33cにイエロー(Y)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にY色現像剤画像を形成する。第2のカートリッジ33Mは、現像剤収納部33cにマゼンタ(M)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にM色現像剤画像を形成する。第3のカートリッジ33Cは、現像剤収納部33cにシアン(C)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にC色現像剤画像を形成する。第4のカートリッジ33Kは、現像剤収納部33cにブラック(K)色の現像剤を収納されていて、対応するドラム32aの面にK色現像剤画像を形成する。従って、複数の装着部32lには、互いに色の異なった現像剤を有するカートリッジ33が装着される。
【0027】
図5の(a)はカートリッジ33Yについてそれを右側から見た斜視図、(b)は左側から見た斜視図である。各カートリッジ33の説明を、このカートリッジ33Yを例にとって説明する。カートリッジ33Yはユニット200の装着部32lに対して矢印X10の方向に装着される。また、カートリッジ33Yは矢印X10とは逆の矢印X11の方向にユニット200の装着部32lから取り外される。カートリッジ33Yは装着方向の先端側に現像ローラ33bを有する。ここで、矢印X10、矢印X11は、現像ローラ33bの長手方向(軸線方向)と交差(直交)する方向である。現像ローラ33bの右端側にはギア50が設けられていて、ドラムギア32a1より駆動力を受け、現像ローラ33bを回転させる。ギア50は更にギア列(不図示)を介して、供給ローラ33d、搬送部材33eに駆動力を伝えている。カートリッジ33Yの右端側と左端側には、それぞれ、カートリッジ33Yがユニット200に装着される際にユニット200にガイドされるための被ガイド部33e1・33e2、33e3・33e4が設けられている。被ガイド部33e1・33e3は、それぞれ、円柱形状であり、カートリッジ33Yの一端側の外側と他端側の外側に突出している。ここで、一端側とは、現像ローラ33bの長手方向の一端側である。また、他端側とは、前記長手方向の一端側とは反対側である。被ガイド部33e2・33e4は、それぞれ、略直方体形状であり、カートリッジ33Yの一端側の外側と他端側の外側に突出していて、カートリッジ33の長手方向と直交する方向に延びている。被ガイド部33e1と33e3は、それぞれ、被ガイド部33e2・33e4よりもカートリッジ33Yの装着方向X10の下流側に位置している。また、カートリッジ33Yにはカートリッジ33Yを把持するための第1把持部38が設けられている。第1把持部38は、上側把持部38aと下側把持部38bとを有している。把持部38は、現像ローラ33bの前記長手方向の中央部分であって、前記装着方向X10の上流側に設けられている(図2、図5(a)(b))。即ち、把持部38は、現像ローラ33bが設けられた側とは反対側に設けられている。尚、装着方向X1は、カートリッジ33Yを装着部32lに進入させる進入方向と同じである。把持部38aは、カートリッジ33Yが装着部32lに装着された状態で、カートリッジ33Yの上面33a1から上方に突出して設けられている。把持部38aは、上面33a1(図2、図5)から上方に立ち上がり上面33a1と平行な平面部38a1を有している。上面33a1と平面部38a1との間には間隙38cを有している。また、把持部38bは、ケース33aの底板を凹ませて設けられている。使用者がカートリッジ33Yを持つ際には、平面部38a1と把持部38bとを把持すれば良い。また、後述するように、使用者が、ユニット200を回動(移動)させる際には、使用者は平面部38a1を掴んで、ユニット200を回動させれば良い。尚、使用者は、間隙38cに手を入れて、上面33a1と把持部38bとを把持する。これによって、ユニット200に対するカートリッジ33Yの着脱を行っても良い。尚、上側把持部38aには、上面33a1も含まれる。装着部32lは、装置100が設置面Fに設置された状態で、ユニット200に垂直方向に沿って、複数箇所に設けられている。はユニット200に設けられている。以上のように、カートリッジ33Yは第1把持部38を有している。また、他のカートリッジPM・PC・PKに関しては、下側把持部38bのみを有している。カートリッジPM・PC・PKは、使用者が、把持部38bとケース33aの上面33a1を把持することでユニット200に対する着脱を行うことができる。
【0028】
本実施例においては、中間転写体34は、回転軸(回転中心)34aの軸線を左右方向にして、その軸線を中心にして回転可能に水平に配設された円柱状のドラムである。そして、転写体34は、円筒の基体の周面に弾性体を被覆されている。各カートリッジ33は、転写体34の前面側において、装置本体100Aの設置面Fに対してほぼ水平の姿勢で、かつ上から下に順に垂直方向に隣接して並べられて配列されている。本実施例においては、第1のカートリッジ33Yが最上段であり、第2のカートリッジ33Mがその下に位置している。第3のカートリッジ33Cが更にその下に位置している。そして、第4のカートリッジ33Kが最下段である。各カートリッジ33の現像ローラ33bは、接触現像方式として、ドラム32aに対して当接していても良い。また、現像ローラ33bは、非接触現像方式として、ドラム32aに対して所定の僅少な間隙(一定距離)を存して離間していても良い。
【0029】
(スキャナユニット)
図1を参照して、各カートリッジ33の前面側(前方部)には、画像露光装置としてのレーザースキャナユニット(画像露光装置)11が配設されている。ここで、前記前面側とは、使用者がカートリッジ33の着脱操作を行う側である。ユニット11は、装置本体100A内において、装置本体100Aの骨格となるメインフレーム110の前側フレーム110aと各カートリッジ33との間に配設されている。ユニット11は、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、Fθレンズ、反射ミラー等を有する。そして、ユニット11は、外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力するY・M・C・Kの各色の画像情報に対応して変調したレーザービームL(LY・LM・LC・LK)を出力して対応色のカートリッジ33におけるドラム32aを走査露光する。尚、ユニット11は、前側フレーム110aに固定されている。
【0030】
(記録媒体搬送機構)
画像形成ユニット200の下方部には、給送ユニット18が配設されている。ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。カセット19は、前記前面側から出し入れ(挿脱)自由である(フロントローデング)。また、本体100A内において、転写体34と、本体100Aの後側フレーム110bとの間には、給送ローラ20から装置本体100A内の後側の上部に至る記録媒体搬送路Zが配設されている。そして、搬送路Zを下から上に沿って、レジストローラ対18a、二次転写ローラ22、定着装置23、排出ローラ対24が配設されている。定着装置23は定着フィルムユニット23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bである。装置本体100Aの上面には画像形成済みの記録媒体Sを受ける排出トレイを兼用させたメンテナンスカバー10が配設されている。カバー10は本体100Aの上面に設けられた開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。開口部100Bは、後述するように、本体100Aに対してカートリッジ33を着脱可能な着脱位置B(図10の(b)、図14)に位置したユニット200に対してカートリッジ33を着脱するための開口である。
【0031】
図1の(b)は装置100が画像形成動作可能となっている状態を示している。この状態において、カバー10は開口部100Bを閉じる閉じ位置Gに位置している。ユニット200は、各カートリッジ33が装着されていて、本体100Aに対して画像形成を行う画像形成位置Aに位置している。尚、画像形成位置Aは、転写体34に形成された現像剤画像を記録媒体Sに転写するための位置である。ユニット200が有する転写体34のギア(駆動入力部)34b(図6)には装置本体100A側に設けられた駆動出力部(不図示)が連結している。また、各ユニット32とカートリッジ33の電気接点(不図示)に対して本体100A側に設けられた給電系統(不図示)が導通化している。ここで、前述した駆動系及びバイアス印加系については、煩雑をさけるために図には省略したが、通常の画像形成装置の場合と同様の構成を採用することができる。
【0032】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。図1(b)、図2を参照して、各ドラム32aが矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ32bはドラム32aが回転駆動されることで、ドラム32aに従動して回転する。また、転写体34も矢印の時計方向(ドラム32aの回転に順方向)で、ドラム32aの速度に対応した速度で回転駆動される。また、現像ローラ33bと供給ローラ33dがそれぞれ矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで各帯電ローラ32bに対して所定の帯電バイアスが印加される。これにより、各ドラム32aの表面が帯電ローラ32bによって所定の極性・電位に一様に帯電される。スキャナユニット11は各ドラム32aの表面を対応するY・M・C・Kの各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光L(LY・LM・LC・LK)で走査露光する。これにより、各カートリッジPのドラム32aの表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。そして、各ドラム32aの表面に形成された静電潜像が対応するカートリッジ33の現像ローラ33bにより現像剤画像として現像される。各現像ローラ33bには所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジ33Yが対向したドラム32aにはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと転写体34との当接部である一次転写ニップ部34b(図1、図2)において、転写体34上に一次転写される。カートリッジ33Mが対向したドラム32aにはフルカラー画像のM色成分に対応するM色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ニップ部34bにおいて、転写体34上に既に転写されているY色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Cが対向したドラム32aにはフルカラー画像のC色成分に対応するC色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ニップ部34bにおいて、転写体34上に既に転写されているY色+M色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Kが対向したドラム32aにはフルカラー画像のK色成分に対応するK色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ニップ部34bにおいて、転写体34上に既に転写されているY色+M色+C色現像剤画像に重畳されて一次転写される。かくして、転写体34上にはY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤画像が合成形成される。なお、転写体34上に順次に重畳転写する現像剤画像の色順は上記の順序に限られるものではない。各ドラム32aにおいて、転写体34に対する現像剤画像の一次転写後のドラム面に残留した転写残現像剤は、クリーニングブレード(クリーニング部材)32cにより除去される。そして、除去された現像剤は、搬送スクリュー32eを介して廃現像剤容器(現像剤収納部)40(図13の(b))に送られる。
【0033】
一方、所定の制御タイミングで給送ローラ20が回転する。これにより、給送ローラ20と分離パッド21との協働で、給送カセット19内に積載収納されているシート状の記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。そして、その記録媒体Sがレジストローラ対18aにより所定の制御タイミングで、転写体34と転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部34c(図1)に導入される。転写ローラ22には現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、記録媒体Sが二次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で転写体34上の4色重畳の現像剤画像が記録媒体Sの面に順次に二次転写される。二次転写ニップ部を通過した記録媒体Sは、転写体34の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色の現像剤画像の混色及び記録媒体Sへの定着がなされる。そして、記録媒体Sは定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対24により排出トレイ兼用のカバー10上に排出される。転写体34からの記録媒体Sの分離後に転写体34の表面に残留した二次転写残トナーは除去される。本実施例の場合には、前記トナーは、ユニット32Yのドラム32aと転写体34との一次転写ニップ部34bにおいて、ドラム32aの表面に静電的に付着して、クリーニングブレード32cにて除去される。
【0034】
転写体34はドラム形状の回転体である。転写体34には各ドラム32aに形成された、異なった色の現像剤画像が重ねて転写される。そして、転写体34は、重ねて転写された現像剤画像を一括して記録媒体Sに転写する。これによって記録媒体Sにカラー画像が形成される。モノクロ画像を形成する場合は、転写体34にはカートリッジ33Kが対向したドラム32aに形成されたK色現像剤画像が転写される。そして、転写体34は、転写されたK色現像剤画像を記録媒体Sに転写する。記録媒体SにK色画像が形成される。転写ローラ22は、本実施例においては、シフト機構(不図示)により、転写体34に当接して二次転写ニップ部34cを構成する第1位置と、転写体34から非接触に離れた第2位置とに移動可能である。そして、転写ローラ22は画像形成装置100の画像形成動作時には第1位置に移動され、非画像形成時には第2位置に移動される。転写ローラ22を転写体34に対して常時当接させる構成にすることもできる。
【0035】
《画像形成ユニット》
図6を参照してユニット200の構成を説明する。(a)はユニット200を左側から見た斜視図、(b)は右側から見た斜視図である。ユニット200は、装置本体100Aのメインフレーム110に対して着脱可能なサブフレーム31を有する。フレーム31は、転写体34を回転可能に支持している。転写体34は、フレーム31の左側板31Lと右側板31Rとの間に中心軸(回転中心)34aの左端部と右端部が回転可能に軸受されて支持されている。左側板31Lと右側板31Rの外面側には、それぞれ、転写体34の中心軸34aと同軸線上に、左軸部45Lと右軸部45Rが側板31L・31Rに対して一体に固定されて配設されている。転写体34の右端側には、各ドラム32aに駆動力を伝えるギア34bが設けられていて、装置本体駆動源(不図示)より伝達された駆動力をドラムギア32a1に伝達する。転写体34の周囲には、前述した各感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)が各ドラム32aを転写体34に当接させた状態で配置されている。ユニット32の各々は、位置決め構成(不図示)によりフレーム31に対して位置決めされてビス等により固定されている。これにより、各ユニット32のドラム32aと転写体34は、高精度にお互いの位置決めをすることができる。また、各ドラム32aは転写体34に対して所定の押圧力で当接している。各ユニット32はフレーム31に対して矢印X1の方向より挿入されて固定される。この際、各ユニット32の左端側に設けられた除去現像剤排出部32fは、サブフレーム31の左側板31Lに設けられた対応する開口部31kを通ってフレーム31内に挿入される。排出部32fは左側板31Lより外側に突出することによって、フレーム31に設置される。開口部31kを設けることで、ドラム32aの軸線方向に突出した排出部32fであっても、ドラム32aの軸線と直交する方向に取り付けることができる。フレーム31の右側板31Rには、装置本体100A内でのユニット200の回転規制を行う被規制部31lが設けられている。ユニット200は、左軸部45L、右軸部45R、被規制部31lによって、本体内100Aに位置決めされる。詳細は後述する。転写体34の本体100A内での位置決め部である左軸部45Lと右軸部45R、及び回転被規制部31lを、同一の部材であるフレーム31に設けた。これにより、転写体34の本体100A内での位置が高精度に決まる。ユニット200を所定の角度範囲で回動させるために、把持部(第2把持部)31mがフレーム31の上部に設けられている。使用者は把持部31mを把持することで、ユニット200を、画像形成を行う画像形成位置(転写位置)A(図1の(b)、図2)と、カートリッジ33を着脱するための着脱位置B(図10の(b)、図14)との間で回動(移動)することができる。尚、画像形成位置Aは、転写体34上の現像剤画像を、記録媒体Sに転写する位置である。ユニット200は、回転軸(回転中心)34aを中心にして、回動(移動)することができる。ここで、把持部31mは、回転軸34aの長手方向の中央部に、且つ、ユニット200の上面(天板31C上)に設けられている(図6)。また、サブフレーム31の右側板31Rの一部には、ユニット200が所定の角度上方に回動(移動)した際に、その回転位置を規制するための回転被規制部31nが設けられている。被規制部31nは、本体100A側の後述する規制部46(図7・図8)と係合して位置を規制される。被規制部31nは断面形状が三角形状の貫通穴(凹部)である(図8)。また、被規制部31nに至る右側板31R上には、回転規制部46をガイドするためのガイド部31oが設けられている。ガイド部31oは、規制部46を被規制部31nにガイドする。規制部46は、断面形状が三角形状の突部(凸部)であって、被規制部31nの貫通穴と嵌合可能である。ここで、ガイド部31oは右側板31Rの外表面に設けられた、細長形状の溝であって、かつ、上方が開放している。規制部46は、前記溝に侵入して、前記溝の端部で被規制部31nと係合する。カバー10に設けられた後述するユニット付勢バネ(弾性部材)35の弾性力によって押圧され、ユニット200を装置本体100A内で位置決めする為の被押圧部31pが設けられている。被押圧部31pは、左側板31Lと右側板31Rを繋いでいる天板31Cに設けられている。先述したように、フレーム31に固定された各感光体ユニット32には、カートリッジ33を取り外し可能に装着する為のカートリッジ装着部32lが設けられている。カートリッジ33Yの装着部32lについては、第1装着部(装着ガイド)32l1と、第2装着部(装着ガイド)32l2に分かれている。装着部32l1と32l2は、ユニット32Yの装着部32lと、左側板31Lと、右側板31Rで構成される。各装着部の機能に関しては後述する。
【0036】
(画像形成ユニット装着部)
図7に示すように、本体100Aのフレーム110Lの内側には左側ガイド板80Lが固定して設けられ、フレーム110Rの内側には右側ガイド板80Rが固定して設けられている。両ガイド板80L・80Rは、対向している。ガイド板80L・80Rは、それぞれ、フレーム31の左右の軸部45L・45Rを回転可能に軸受して支持する位置決め部80aと、軸部45L・45Rを位置決め部80aへガイドするガイド部80bとを備えている。ガイド板80Rには、ガイド部80bと連続した回転規制部80cが設けられており、先述のユニット200に設けられた回転被規制部31lが当接する。これによって、規制部80cは、ユニット200の回転規制を行う。ガイド板80Rの上部には、被規制部31nを介してユニット200の回転角度位置を規制する規制部46が進退自在に設けられている。規制部46の先端は、図8の(a)に示すように、テーパ面46aを有している。規制部46は、付勢部材47の付勢力によって装置本体100Aの内側に向けて矢印Y0の方向に付勢されている。規制部46にはフランジ部46bが設けられていて、ガイド板80Rからの脱落を防止している。即ち、本体100Aには、ユニット200に設けられた被規制部31nと離脱可能に係合する規制部46が設けられている。ユニット200は、被規制部31nが規制部46と係合することによって、使用者が手を離した状態で、着脱位置Bにおいて位置を維持することができる。被規制部31nは凹部、かつ、規制部46は前記凹部に嵌合する凸部であって、使用者が、第1把持部38又は第2把持部31mを把持して、ユニット200を画像形成位置(転写位置)Aから着脱位置Bに向かって回動する。そして、ユニット200が着脱位置Bに到達した状態で、前記凸部はバネ(弾性部材)47の弾性力によって前記凹部に嵌合する。これによって、ユニット200を着脱位置Bに維持する、この際に、使用者は、クリック感によって、前記凸部が前記凹部に嵌合したことを認識することができる。使用者が、第1把持部38又は第2把持部31mを把持してユニット200を着脱位置Bから画像形成位置(転写位置)Aに向かって回動する際には、ユニット200の回動に連動して、規制部46は前記弾性力に抗して被規制部31nより離脱する。そして、ユニット200は画像形成位置(転写位置)Aに向かって回動する。本実施形態では、被規制部31nは、穴の内面にテーパ面31pが設けられている。また、規制部46の周面にテーパ面46aが設けられている。従って、被規制部31nが規制部46に円滑に嵌合することができ、また、円滑に離脱することができる。
【0037】
(画像形成ユニットの装着)
続いて、ユニット200の装置本体100A内への装着に関して説明する。カバー(開閉部材)10は本体100Aに対してヒンジ軸10aを介して回動可能に連結されている。カバー10は、開口部100Bを閉じる閉じ位置G(図1の(b))と、開口部100Bを開放する開放位置H(図7)と、を取り得る。即ち、カバー10はヒンジ軸10aを中心に本体100Aの上方において回動されて、開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。カバー10の閉じ位置(閉鎖位置)は次のようにして維持される。即ち、図9の(a)のように、本体100Aの前面に配設されたメンテナンスボタン36側に設けられている係止爪部(本体側係止部)36aとカバー10側に設けられている係止爪部(開閉部材側係止部)10bとの係合(ラッチ係合)により維持される。カバー10の閉鎖解除はボタン36を押すことでなされる。ボタン36を戻しバネ(不図示)に抗して後方に押すと、ボタン36側の爪部36aが2点鎖線示のようにカバー10の係止爪部10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる(図9(a))。これにより、カバー10をヒンジ軸10aを中心に開放位置Hに回動させて、開口部100Bを大きく開放することができる。本実施例では、爪部36aと爪部10bとが弾性的に、解除可能に係止している。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、一方に設けられている穴(係止部)に他方に設けられている爪(係止部)が弾性的に、解除可能に係止していても良い。
【0038】
ユニット200の本体100A内への装着は、図10の(a)に示すように、使用者がカバー10を開放位置Hに回動して開口部100Bを大きく開放する。そして、使用者が、開口部100Bからユニット200を本体100A内へ挿入することでなされる。ユニット200は、左側軸部45L・右側45Rを、それぞれ、ガイド部80bに係合させて挿入して本体100A内に装着される。ガイド部80bは、ガイド板80L・80Rに設けられている。その後、ガイド部80bの延長線上に設けられた位置決め部80aに軸部45L・45Rを当接させる(図10の(b))。この時、転写体34の一端側に設けられたギア34b(図6)は、本体100A内に設けられた駆動ギア(不図示)と連結する。その後、使用者は、把持部31mを把持して、ユニット200を矢印X2(図11の(a))の方向に回動させる。本体100A内の矢印X2方向の下側には、メインフレーム110の下部ステー110cの上面にバネ(弾性部材)48が設けられている。バネ48は、ユニット200が回動してきた際に、ユニット200のフレーム31の下面に当接し、弾性力によって、ユニット200の回動動作による衝撃を緩和する。矢印X2方向に回動されたユニット200は、バネ48の弾性力によって、上方向に付勢された状態で回動動作を停止する。その後、カバー10を閉じ位置Gに回動して、ユニット200の装置本体100A内への装着が完了する。ユニット200は、装置本体100A内の左右のガイド板80L・80R間において、軸部45L・45R、即ち転写体34の回動中心34aを中心として回動可能に配設されている。これにより、ユニット200は、画像形成を行う画像形成位置A(図1の(a)、図2)と、カートリッジ33を着脱するための着脱位置B(図10の(b))と、を取り得る。これについては後述する。尚、画像形成位置Aとは、スキャナユニット11から発せられたレーザー光Lが、各ドラム32aに照射される位置である。また、着脱位置Bとは、画像形成位置Aから退避した位置であって、スキャナユニット11に邪魔されずに、ユニット200に対してカートリッジ33を着脱することのできる位置である。本実施例においては、画像形成位置(転写位置)Aは、ユニット200がスキャナユニット11と向い合っている位置である。また、着脱位置Bは、ユニット200がスキャナユニット11に対して、上方に退避した位置である。
【0039】
(廃現像剤容器)
図11の(b)は廃現像剤容器(除去現像剤収納部)40の右側斜視図、図12の(a)は左側斜視図、(b)は図11の(b)の切断線(12)−(12)における断面図である。前述したように、各感光体ユニット32(32Y・32M・32C・32K)において、ドラム32aの表面上に残留した現像剤をクリーニングブレード(清掃部材)32cによって除去する。そして、除去された現像剤は、搬送スクリュー(現像剤搬送部材)32eによって搬送方向に搬送される。搬送された廃現像剤(除去現像剤)は、スクリュー32eの搬送方向下流側であるユニット200の左端側に着脱可能に設けられた容器40に収容される。容器(除去現像剤収納部)40は、収納容器部(収納部)41と蓋42とを溶着等で一体化したものである。容器部41には、各ユニット32に対応した除去現像剤受け入れ開口41aが設けられている。各開口41aは、容器41に設けられた凹部41b内に位置している。凹部41bは、ユニット32の除去現像剤排出部32fの通過を許容する大きさを有している。各開口41bの周囲には排出部32fと当接して、外部へ現像剤が飛散するのを防止するシール部材43が設けられている。シール部材43は、容器部41に両面テープ等で固定されている。シール部材43には、開口41aと略同一な大きさの開口が設けられている。開口41aの下側には収納部41cが設けられており、開口41aを通して受け入れた除去現像剤を収容する。容器部41の右側部には、容器40をユニット200に装着する為の被ガイド部41d〜41fが設けられている。容器40は被ガイド部41d〜41fを介してユニット200に装着され、位置決めされる。蓋42には、容器40をユニット200に着脱する為の把持部42aが設けられている。把持部42aは、蓋42に凹みを設けたものである。容器40内に、規定量以上の除去現像剤が収容された際には、使用者は把持部42aを把持してユニット200から容器40を取り外す。そして、新品の容器40と取り替える。或は、容器40内の除去現像剤を廃棄した後、その容器40を再度使用することも可能である。
【0040】
(除去現像剤容器の画像形成ユニットへの装着)
容器40は、ユニット200が着脱位置B(図10の(b))に位置する状態で着脱される。サブフレーム31の左側板31Lの外表面には、図6の(a)や図13の(a)のように、ガイド部31m1〜31m3が設けられている。各ガイド部31m1〜31m3に、容器40に設けられた被ガイド部41d〜41fを矢印X3の方向に挿入していく。ガイド部31m2内には板バネ(付勢部材、弾性部材)49が設けられている。バネ49は、被ガイド部41eを受け入れた後、矢印X4の方向に被ガイド部41eを弾性的に付勢する。被ガイド部41eは、バネ49に付勢されることで、ガイド部31m2の後端に設けられた位置決め部31m4に、その被位置決め部41e1(図11の(b))を当接させる。これによって、被ガイド部41eは、前後方向の位置決めがなされる。また、被ガイド部41eの上下方向の幅は、ガイド部31m2の上下方向の幅と略同一である。これによって、被ガイド部41eは、上下方向の位置決めも同時になされる。更に、被ガイド部41eは、バネ49の弾性力により矢印X3の方向とは逆方向への移動を規制される。その為、容器40は、ユニット200の回動動作中にユニット外に抜け出ることが無い。以上のように、容器40はユニット200に着脱される(図13の(b))。この一連の装着動作により、容器40はアクチュエータ(不図示)で各ユニット32に設けられたシャッタ32gを開放位置に移動させる。装着が完了すると、容器40に設けられた開口41aが、ユニット32に設けられた開口32g1と対向する。そして、容器40は、開口32g1・41aを介して、搬送スクリュー(搬送部材)32eによって搬送されてくる除去現像剤を受け入れる。
【0041】
容器40を交換する際には、前述のように、使用者が把持部42aを把持してユニット200から取り外す。ユニット200を着脱位置Bに位置させた状態で、後述するカートリッジ33の着脱位置Bと同位置で容器40も交換することができる。容器40を取り外す動作に応じて、ユニット32の開口はシャッタ32gのバネ部材(弾性部材)による移動により閉ざされる。一方、容器40の開口41aには、コストを抑える為にシャッタ等の部材を設けていない。しかし、容器40の着脱方向(図13の(a)のX3方向及びその逆方向)では、開口41aが重力方向下側を向くことがない構成としたので、シャッタ等を設けずとも内部の除去現像剤が外部に漏れることを極力抑えることができる。容器40をユニット200に着脱できるようにしたことで、使用者はカートリッジ33の交換と容器40の交換とを同一の方法により行うことが可能となった。これによって、ユーザビリティ性を向上させた。また、容器40の着脱方向と、後述するカートリッジ33の着脱方向とを同一方向に設定しているので、使用者は両者の操作を容易に行うことができる。ここで、同一方向とは、ユニット200の位置を変えなくとも、容器40とカートリッジ33の着脱が行えれば良く、多少方向がずれていても構わない。容器40を取り付けるユニット200のガイド部31m1〜31m3は、サブフレーム31の外表面に設けてある。従って、容器40を収納する為の収納空間をサブフレーム31内に設ける必要が無く、装置の小型化を達成できる。また、容器40の取り付け位置は、ドラム32aの軸線方向で、ドラムギア32a1、搬送ギア32f等の駆動系(駆動力伝達部)が設けられている駆動側とは反対側の非駆動側に設けた。従って、駆動系の配置に自由度を与えることができ、結果的に装置の小型化が可能となった。
【0042】
(カートリッジの装着)
ユニット200に対する各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)の着脱はユニット200が着脱位置B(図10の(b))に位置する状態でなされる。先ず、カバー10を、開口部100Bを閉じる閉じ位置から、開口部100Bを開放する開放位置へと移動する(図11の(a))。次に、使用者が、ユニット200に設けられた把持部31mを把持してユニット200を着脱位置Bに回動させる(図10の(b))。上記回動動作によって、ユニット200を規定の角度上方に回転させる。これによって、装置本体100Aに設けられた規制部46が、フレーム31に設けられた被規制部31nに係合する。この時点で、ユニット200は着脱位置Bに規制部46によってその位置を規制される。つまり、ユニット200は、着脱位置Bに仮固定され、画像形成位置Aの方向への移動を規制された状態となる。ユニット200が着脱位置Bに規制されるので、使用者は把持部31mを離した状態で、カートリッジ33の着脱作業を行うことができる。したがって、ユーザビリティ性が良い。尚、規制部(凸規制部)46は山形形状の突部(凸部)であって、山形形状の凹部である被規制部(凹被規制部)31nと係合する。これによって、着脱位置に到達したユニット200は、使用者が手を離した状態でも、下方に移動するのを規制される。即ち、ユニット200が、着脱位置Bに到達した状態で、凸形状の規制部46がバネ47の弾性力によって、凹形状の被規制部31nと嵌合する。これによって、ユニット200は、使用者が手を離したとしても、着脱位置Bを維持する。しかしながら、ユニット200を下方に移動させる(着脱位置B⇒画像形成位置A)際には、使用者が、ユニット200を下方に軽く力を加えると、円滑に嵌合が外れる。これによって、規制部46は被規制部31nから外れて、ユニット200は下方に移動する。即ち、使用者が、把持部38又は把持部31mを把持して、ユニット200を画像形成位置Aに向かって回動する際には、ユニット200の回動に連動して、バネ47の弾性力に抗して、規制部46は被規制部31nから離脱する。これは、規制部46と被規制部31nとの係合部分が、テ−パ面となっているからである(図8)。テーパ31pは被規制部31nのテーパ面、テ−パ46aは規制部46のテーパ面である。
【0043】
初めに、使用者が、カートリッジ33(33M、33C、33K)に設けられた第1把持部39(図2)と、現像器ケース33aの一部を把持する。カートリッジ33Yに関しては、使用者は、第1把持部39と第2把持部38の平面部38a(図5)とを把持する。或は、使用者は、第2把持部38のみを把持する。そして、各カートリッジ33をユニット200の対応する装着部32lに対して装着する。装着方向は、現像ローラ32bの回転軸線方向と直交する方向(装着方向)である。即ち、図14の(a)、図18の(a)に示すように、カートリッジ33側の被ガイド部33e1・33e3をユニット200側の装着部32lに挿入する。図14の(a)、図18の(a)はカートリッジ33Yの装着の場合を示している。カートリッジ33Yの装着の場合は第1の装着部32l1に挿入する。続いて、被ガイド部33e2・33e4を挿入する。被ガイド部33e1〜33e4は装着部32lにガイドされ、ドラム32aの方向に向かって内部に挿入されていく。被ガイド部33e1・33e3は、装着部32lに設けられた規制部材36に当接する。本実施例における規制部材36は山形形状部材あり、被ガイド部33e1・33e3はその山形形状部に当接する。規制部材36は自由状態においては、付勢部材37の付勢力によって押し上げられて山形形状部が装着部32lの凹部32la内に進入している。そして、規制部材36の上面が凹部32laの天井面に付き当たって受け止められている(図18)。この時の規制部材36の押し上げ位置を規制位置Dとする。更にカートリッジ33の挿入を進めると、被ガイド部33e1・33e3は規制部材36を付勢している付勢部材37の付勢力に抗して押し下げる作用をする。これにより、規制部材36が矢印X5の方向に押し下げられる。そして、被ガイド部33e1・33e3が規制部材36の上面と凹部32laの天井面との間に進入する(図18の(b))。」この時の規制部材36の押し下げ位置を許容位置Eとし、カートリッジ33の着脱を許容する位置とする。それによって、被ガイド部33e1・33e3は規制部材36を越えて凹部32la内の奥側に進入する。また、被ガイド部33e2・33e4も装着部32lの凹部32la内に進入する(図18の(c))。これにより、カートリッジ33のユニット200内への装着を完了する。規制部材36は被ガイド部33e1・33e3が通過するとバネ(付勢部材、弾性部材)37の付勢力(弾性力)によって、矢印X5の方向とは逆の方向である再び矢印X6方向に移動する。そして規制部材36は、元の規制位置Dに戻る。使用者は規制部材36を付勢部材37の付勢力に抗して押し下げて、更に規制部材36が元の規制位置Dに戻り付勢力が解除される。これによって、使用者は適度のカートリッジ装着感を得ることができる。この状態で、被ガイド部33e1・33e3は規制部材36によって装着方向上流側への移動を規制される状態となる。従って、カートリッジ33は、万一、装着方向上流側へ移動しようとしたとしても、規制部材36によってその移動を規制される。したがって、カートリッジ33は、ユニット200外に脱落することはない。規制部材36がカートリッジ33の装着を許容する際の規制部材36の位置を許容位置E(規制部材36が矢印X5方向に押し下げられた位置)とする。また、カートリッジ33の移動を規制する際の位置を規制位置D(図14の(a)に示す位置)とする。即ち、規制部材36は、ユニット200が画像形成位置Aと着脱位置Bとの間を移動する際に、装着部231に装着されているカートリッジ33がユニット200の外方へ移動するのを規制する。また、規制部材36は、カートリッジ33がユニット200の外方へ移動するのを規制する規制位置Dと、カートリッジ33を装着部32lに対して着脱するのを許容する許容位置Eと、の間を移動可能である。そして、規制部材36は、ユニット200が、画像形成位置Aと着脱位置Bとの間を移動する際には、規制位置Dに位置する。また、カートリッジ33は、規制部材36に規制される被ガイド部(被規制部)33e1・33e3を有する。ユニット200は、規制部材36を規制位置Dに付勢するバネ(付勢部材)37を有する。規制部材36によって、被ガイド部33e1・33e3を規制する状態で、規制部材36と被ガイド部33e1・33e3とが当接しないように、規制部材36と被ガイド部33e1・33e3との間には隙間G(図18、図19)を有する。カートリッジ33は隙間Gの範囲内でユニット200に対する移動を規制されている。従って、カートリッジ33は、規制部材36によって干渉されることがないから、規制部材36の弾性力の影響を受けることなく、付勢部材(弾性部材)51の弾性力で、現像ローラ33bに押圧される。また、本実施例によれば、被ガイド部33e1・33e3が、規制部材36によって規制される被規制部を兼ねているから、装着部32lに対するカートリッジ33の着脱を円滑に行うことができる。また、カートリッジ33がユニット200の外側に、所定の範囲以上移動しようとするのを、規制部材36によって、確実に規制することができる。また、バネ(付勢部材)37の弾性力は、200ユニットが画像形成位置Aと着脱位置Bとの間を移動する際には、規制部材36を規制位置Dに維持することのできる値である。また、前記弾性力は、使用者がカートリッジ33を装着部32lに対して着脱する際には、規制部材36が許容位置Eに移動するのを許容することのできる値である。また、規制部材36は、カートリッジ33が装着部32lに装着される装着方向X10に対して上昇する第1の上昇斜面36aと、装着方向X10(Y6)とは反対方向の取り出し方向X11(Y5)に対して上昇する第2の上昇斜面36bとを有する。そして、その斜面36aと、斜面36bとを、装着方向X10においてこの順番に設けている(図18、図19)。即ち、装着方向X10(Y6)において、上流側に斜面36a、下流側に斜面36bを設けている。このような構成とすることによって、カートリッジ33(被ガイド部33e1・33e3)の所定範囲以上の移動を、斜面36bでもって、確実に規制することができる。また、装着部32lに対して、カートリッジ33を取り出す、及び、取り付けることを円滑に行うことができる。なぜならば、被ガイド部33e1・33e3が、斜面36a、36bと確実に係合して、斜面36a、36bを押し下げることができるからである。尚、被ガイド部(被規制部)33e1・33e3は、現像ローラ33bの長手方向の一端外側に設けられた突起である。尚、本実施例では、前記突起を前記長手方向の一端外側と他端外側とに設けられている。また、規制部材36及びバネ37は、カートリッジ33が装着部231に装着される装着方向と直交する方向において、ユニット200の一端側と他端側とに設けられている。カートリッジ33は前記長手方向の前記一端側と前記他端側とでもって、ユニット200の外方へ移動するのを規制される。カートリッジ33は、凹部32la内で被ガイド部(被規制部)33e1・33e3が移動可能な状態でユニット200に装着される。これによって、使用者はユニット200内へカートリッジ33を装着する際に、ラフに装着するだけで良い。つまり、カートリッジ33は着脱位置Bにおいて、ユニット200に対して位置決めしなくても良い。よって、ユニット200に対するカートリッジ33の装着操作が簡単である。尚、本実施例では規制部材36をユニット200に設ける例を示した。しかし、ユニット200外に規制部材を設けてもよい。つまり、カートリッジ33がユニット200の外に脱落するのを防止できれば、規制部材36は適宜の箇所に設けられていれば良い。
【0044】
(画像形成ユニットの画像形成位置への移動)
図14の(b)に示すように、各カートリッジ33のユニット200に対する装着が完了すると、使用者はユニット200を画像形成位置Aの方向へ回動させる。先ず、使用者は、ユニット200の最上段に設けられたカートリッジ33Yの第2把持部38を把持する、若しくはユニット200のサブフレーム31に設けた把持部(第2把持部)31mを把持して、ユニット200に対し矢印X8の方向へ力を加える。力を付与されたユニット200は、その位置(着脱位置)Bを規制していた規制部46が被規制部31nより離脱し、回動可能な状態となる。規制部46と被規制部31nは、図8の(b)に示すように、ユニット200の回動方向である矢印X8に対して傾斜した面を有している。そして、図8の(c)に示すように、ユニット200は矢印X8方向への回動動作により被規制部31nが規制部46を矢印Y1方向に退避させる。これによって、ユニット200は回動する。規制部材46を矢印Y0方向に付勢しているバネ(弾性部材)47を一定以上の弾性力(付勢力)に設定しておく。これによって、ユニット200の着脱位置Bにおけるカートリッジ33の着脱動作では、被規制部31nが規制部46より外れないようにする。一方、使用者による回動動作ではその規制が解除されるような付勢力に設定しておくと良い。ユニット200は左軸部45Lと右軸部45Rを中心にして位置決め部80aに支持された状態で回動する。
【0045】
ユニット200は、使用者により、第1把持部38、或は把持部(第2把持部)31mを把持されて矢印X8の方向に移動する。この際に、使用者は把持部(第1把持部)38、或は把持部(第2把持部)31mのどちらを把持しても構わない。本実施例においては、カートリッジ33Yに設けられた把持部38がユニット200の外側にある構成のため、把持しやすく、また認識しやすい。つまり、第2把持部38は把持部31mよりもユニット200の回転半径方向で外側に位置している。即ち、カートリッジ33の装着方向において、把持部38は把持部31mよりも上流側に位置している。従って、把持部38は把持部31mよりも、使用者がカートリッジ33の着脱を行う操作よりに位置している。ユニット200にカートリッジ33(カートリッジ33Y)が装着されていない場合には、使用者は把持部31mを把持して、ユニット200の回動を行うことができる(図20)。また、ユニット200にカートリッジ33Yが装着されている場合には、使用者は、把持部38、或は、把持部31mのいずれか、操作を行い易い方を把持して、ユニット200を回動させればよい。ユニット200にカートリッジ33Yが装着されている場合には、ユニット200の後端からカートリッジ33Yの後端が突出している場合があるので、この場合には、把持部31mよりも把持部38の方が操作が行い易い。把持部38には、使用者が手を挿入できる間隙38cを有している。隙間38cはユニット200の半径方向外側に開口しているので、使用者がユニット200を移動する際に操作しやすい。第1把持部38は、複数のカートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)の中で、から着脱位置Bへ向かう回動方向(矢印X9の方向)で最下流側に設けられたカートリッジ33Yに設けられている。仮にカートリッジ33Yが装着されていない場合には、使用者は、把持部31mを把持すれば良い。
【0046】
使用者が把持部38を把持してユニット200を回動操作する際に、被ガイド部(被規制部)33e1・33e3は規制位置Dに位置している規制部材36で移動を規制されている。従って、仮に把持部38を把持してユニット200を移動させる際に、カートリッジ33Yに対してユニット200外に抜ける力が多少働いたとしても、カートリッジ33は規制部材36によって規制されている。従って、カートリッジ33がユニット200の外側にずれることを抑制できる。つまり、規制部材36は、ユニット200を着脱位置Bから着脱手前位置C、或は画像形成位置Aに回動する時、またその反対方向に回動する時に、カートリッジ33Yが外部に脱落するのを規制する。この時、規制部材36は規制位置Dに位置している。規制部材36を付勢している付勢部材(弾性部材)37の付勢力(弾性力)は、把持部38を把持してユニット200を回動させる際には、被ガイド部33e1・33e3が前記装着方向とは反対側へ移動しようとするのを規制する。かつ、着脱位置Bにおいては、使用者の着脱動作に応じて被ガイド部33e1・33e3が規制部材36を許容位置Eに移動させて規制部材36を乗り越えることが可能な付勢力に設定する。他のカートリッジ33(33M、33C、33K)に関しても、被ガイド部33e1・33e3が規制部材36により規制されている。よって、カートリッジ33がユニット200外へ脱落することを防止できる。また、被ガイド部33e1・33e3の上下は、装着部32lにも規制されている。よって、使用者が第2把持部38を把持してユニット200を矢印X8・X9の方向に移動させても、カートリッジ33Yが外部に抜け出ることを防止できる。
【0047】
装置本体100Aにおいて、メインフレーム110の下側ステー110cの上面にはバネ(付勢部材)48が設けられている。使用者が、ユニット200を図14の(b)の着脱位置Bから画像形成位置Aの方向へ回動していく。すると、図15の(a)に示すように、画像形成位置Aよりも手前の位置Cにおいて、ユニット200のフレーム31の下面がバネ48に当接する。図16の(b)は図15の(a)のユニット200部分の拡大図である。従って、使用者がユニット200をある程度強い力で下方向に回動させたとしても、バネ(弾性部材)48の弾性力によりその力を受け止めることができる。ユニット200の重量によって下方向に生じる力よりも、バネ48の弾性力が十分に大きいので、ユニット200はバネ48に弾性力を受けた状態で静止する。この時、ユニット200の回転被規制部31l(図6の(b))は、ガイド板80Rに設けた回転規制部80c(図7の(a))に当接していない。そして、ユニット200は、画像形成位置Aよりも手前の位置に位置する。この位置を着脱手前位置Cとする。バネ48を設けたことで、使用者がユニット200を回動させる際に、衝撃等でユニット200、カートリッジ33、感光体ユニット32、及び本体100A内の部材を損傷するのを防止できる。バネ48は、ユニット200と装置本体100Aとの間に設けられていれば良く、ユニット200に設けても良い。つまり、ユニット200を着脱位置Bから画像形成位置Aに移動する際に、ユニット200と本体100Aの両者に挟まれるように当接する構成にしておけばよい。尚、本実施例ではバネ48として、板状のバネを用いたが、コイルばね等で構成しても良い。ユニット200とそこに挿入されているカートリッジ33等の重量によっては、バネ48を省略しても構わない。図17はバネ48を省略した場合の図である。この場合には、ユニット200は、着脱手前位置Cを経ずに、サブフレーム31の下面がメインフレーム110の下側ステー110cの上面に直接受け止められる。そして、ユニット200は、画像形成位置Aに位置することとなる。図15の(a)に示すように、ユニット200が着脱手前位置Cに位置した状態で、使用者は第2把持部38、或は把持部31mの把持を止めて、カバー10を開放位置Hから閉じ位置Gへと移動させる(図15の(b))。カバー10は、閉じ位置Gよりも手前の位置まで回動すると、カバー10の内面側に設けられた付勢バネ(押圧部材)35が着脱手前位置Cに位置しているユニット200のフレーム31の天板31Cに設けた被押圧部31p(図6)に当接する。その後も、バネ35及びバネ48の付勢力(弾性力)に抗してカバー10を閉じ方向に回動させる。バネ35の付勢力は、バネ48の付勢力(弾性力)よりも大きい。したがって、ユニット200はバネ48の付勢力に抗して、その軸部45L・45Rを位置決め部80aへ当接させる。更に回転被規制部31lをガイド板80Rに設けた回転規制部80cに当接させる。これにより、ユニット200が本体100Aに対して画像形成位置Aに位置決めされる。また、図9の(b)に示すように、カバー10側に設けられている係止爪部10bがメンテナンスボタン136側に設けられている係止爪部136aに対応する。そして、更なるカバー10の閉じ方向への回動により、カバー10が閉じ位置Gに十分に移動する。すると、カバー10側の係止爪部10bがボタン136側の係止爪部136aと係合(ラッチ係合)する(図9の(a))。これにより、カバー10が閉じ位置Gに係止される。カバー10は、バネ35とバネ48の圧縮反力(弾性力)により、カバー10は開き方向へ付勢される。しかしながら、上記のように係止爪部10b・136aの係止により、カバー10は本体100Aに固定される。そのため、ユニット200は、バネ35により本体100Aに押圧されて画像形成位置Aに位置決めされた状態で静止する(図1の(b)、図16の(a))。即ち、ユニット200は、カバー10、カバー側の係止爪部10b、ボタン136側の係止爪部10b、バネ35、回転被規制部31l、及び、回転規制部80cの協働によって、画像形成位置Aにロックされる。尚、本実施例ではバネ35をカバー10に取り付けた例に関して説明した。しかし、ユニット200にバネを設け、カバー10の一部をその付勢バネに当接させても良い。つまり、カバー10の閉じ動作に連動し、ユニット200とカバー10の両者に挟まれて当接する構成であれば良い。
【0048】
装置本体100Aは、ユニット200が画像形成位置Aに位置している状態において、各カートリッジ33を対応する感光体ユニット32に向かって弾性的に付勢するカートリッジ付勢部材(弾性部材)51(51a〜51d)を有している。付勢部材51は、カートリッジ33の長手方向(左右方向)において、一端側と他端側とに設けられている。即ち、付勢部材51は、カートリッジ33毎に2個ずつ設けられている。付勢部材51は、ユニット200の画像形成位置Aに向かう回動動作に従って、各カートリッジ33の後端部に順次当接していく。付勢部材51をカートリッジ33に対して、順次当接させる方式としたことで、装着性を向上することができた。つまり、付勢部材51の全てを一度に当接させる方式と比べ、付勢部材51により発生する負荷を分散できる。したがって、使用者がユニット200を回動させる操作時の負荷を軽減できる。図1の(b)に示すように、ユニット200が画像形成位置Aに位置すると、カートリッジ33は付勢部材51により矢印Y2の方向に弾性的に付勢される。カートリッジ33が収容する現像ローラ33bは、その両端部に設けられた規制コロ60(図5)をドラム32aに当接させることによって、ドラム32aに対して一定の付勢力で当接する。尚、コロ60を設けたことにより、現像ローラ33bとドラム32aは間隙を有した状態で、現像ローラ33bがドラム32aに付勢する。尚、コロ60を設けなかった場合には、現像ローラ33bとドラム32aが長手方向に沿って接触した状態で、現像ローラ33bがドラム32aに付勢する。付勢部材51による付勢力(弾性力)は、現像ローラ33bとドラム32a間の当接状態(或は離間状態)を良好に維持する。尚、付勢部材(弾性部材)51としては、例えば、板バネ、コイルスプリング、ゴム部材等を用いることができる。
【0049】
カートリッジ33が装着されているユニット200が画像形成位置Aに位置する際に、カートリッジ33に設けられた被ガイド部33e1・33e3は、図16の(a)のように、規制部材36により付勢力を受けない位置に位置している。つまり、被ガイド部33e1・33e3は、規制部材36に当接しない位置に位置している。この時、被ガイド部33e1・33e3と規制部材36の間には隙間gが設けられている。従って、カートリッジ33のユニット32に対する付勢力に、規制部材36を付勢する付勢部材37の付勢力が影響しないような構成となっている。従って、カートリッジ33の付勢力を高精度に維持できる。また、隙間gの大きさを、カートリッジ33が着脱位置Bから画像形成位置Aに移動する際(或はその反対方向への移動時)に、装置本体100Aの部材(カートリッジ付勢部材51a〜51dは除く)等に当接しないような大きさに設定すると良い。それにより上述したカートリッジ33のドラム32aに対する付勢力の高精度化と、安定したユニット200の操作を共に実現できる。
【0050】
以上の操作により、装置100は画像形成動作(プリント動作)可能な状態になっており、画像形成開始信号(プリントスタート信号)に基づいて、前述のような画像形成動作がなされる。即ち、画像形成位置Aに位置しているユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34bに対して本体100A側の駆動出力部(不図示)が連結している。また、各感光体ユニット32のドラムギア32a1がギア34bに対して連結している。また、各カートリッジ33の現像ローラ33bのギア50が連結している。また、各感光体ユニット32と各カートリッジ33の電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化している。これにより、画像形成装置100は画像形成動作可能な状態になっている。
【0051】
本実施例は、図1の(b)に示すとおり、設置面Fに対して水平方向にほぼ並んで、スキャナユニット11、カートリッジ33、ドラム32a、転写体34、及び、記録媒体Sの搬送路Zが配置されている。そして、装置100の上方には、排出トレイを兼用したカバー10、及び、装置100の下方には、カセット19が配置されている。そして、スキャナユニット11からのレーザー光L(LY・LM・LC・LK)がカートリッジ33の後方からドラム32aに照射される。また、各ドラム32aから転写体34に転写された各色の現像剤画像は、転写体34を挟んで各ドラム32aが配置されているのとは反対側でもって記録媒体Sに転写される。さらに本実施例によれば、ユニット200にドラム32aを取り付け、また、ユニット200(装着部32l)に取り外し可能にカートリッジ33を装着した状態で、ユニット200を画像形成位置Aと着脱位置Bとの間を回動することができる。そして、ユニット200を画像形成位置Aから着脱位置Bに回動することによって、ユニット200に対するカートリッジ33の着脱を行う。このような構成によって、装置100を小型化できる。尚、ユニット200は、使用者が手動でもって、回転軸(回転中心)34aを中心にして、回動させることができる。回転軸34aは、転写体34の軸線と同軸線上に設けられている。
【0052】
(カートリッジ、廃現像剤容器の交換)
各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は画像形成に使用されるにつれて、カートリッジ33の現像剤収納部33cに収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、各カートリッジ33の現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部300において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジ33については、画像形成装置100の操作部101に設けられた表示部102(図1の(a))そのカートリッジ33についての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。或いは外部ホスト装置400の表示部(不図示)に、そのカートリッジ33についての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、或いはカートリッジの交換を促す。また,廃現像剤容器(除去現像剤収納部)40に関しても、容器40内に規定以上の廃現像剤(除去現像剤)が収容されたことを検知する。そして、その検知結果に基づいて、表示部102等に表示して使用者に容器40の交換を促す。
【0053】
本実施例においては、ユニット200に装着されている各カートリッジ33の交換、及び容器40の交換は、カバー10を開けて開口部100Bを開放することによりなされる。図1の(b)のように閉じ位置Gに係止されているカバー10の閉鎖解除は、本体100Aの前面に配設されているメンテナンスボタン36を図9の(a)の2点鎖線示のように使用者が押すことでなされる。使用者がボタン36をバネ(不図示)に抗して後方に押すと、ボタン36側の係止爪部(第一係止部)36aが2点鎖線示のようにカバー10側の係止爪部(第二係止部)10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる。これによって、カバー10は、バネ35及びバネ48の圧縮反力(弾性力)により押し上げられる。カバー10は、ヒンジ軸10aを中心にバネ35・バネ48の作動長分(自由長への復元長さ分)に対応する角度だけ装置本体100Aから開き方向へ回動する。即ち、カバー10がバネ35とバネ48の弾性力によって自動的に半開き状態になる。図9の(b)と図15の(b)は、カバー10の半開きの状態を示している。ボタン36は、その後使用者が指を離すことで、付勢バネ(不図示)の力(弾性力)により元の位置に復帰した状態となる。この時、係止爪部10bはカバー(開閉部材)10の上記の半開き移動により上方に位置しているから、復帰した係止爪部36aとは係合しない(図9の(b))。使用者は半開き状態となっているカバー10の取手部10dに手指を掛けてカバー10を図15の(a)に示すように開放位置Hまで手動操作によって開く。カバー10は開放位置Hまで十分に開かれることで、装置本体側のストッパ部に受け止められて爾後手を離しても開き状態が安定に維持される。或いは、クリック止め機構やキャッチ機構により係止されて爾後手を離しても開き状態が安定に維持される。これにより、開口部100Bが十分に大きく開放された状態になる。また、ユニット200は、カバー10の閉じ位置Gに対する係止が解除されることでバネ35による付勢力(押圧、弾性力)が解除される。これにより、ユニット200は、バネ48の付勢力により画像形成位置Aから着脱手前位置Cに移動する。カバー10が開けられて開放された開口部100Aには着脱手前位置Cに移動したユニット200が露呈している。使用者は着脱手前位置Cに移動しているユニット200を視認して、その後ユニット200を操作する方向を示唆される。つまり、ユニット200に装着されたカートリッジ33が着脱位置方向へと移動(矢印X9方向への移動)しているのを視認する。これによって、使用者は直感的に次の動作であるユニット200の矢印X9方向への操作を認識することができる。その為、使用者がユニット200を操作することを補助することができる。また、カートリッジ33Yの第2把持部38、及びサブフレーム31の把持部31mが、ユニット200の回動方向(開口部100B方向)に突出してくる。したがって、使用者は第2把持部38、及び把持部31mの位置を認識し易い。よって、その後の操作を実行し易い。使用者は第1把持部38、及び把持部31mのどちらかを把持して、ユニット200を矢印X9方向に回動(移動)して、ユニット200を着脱位置Bに位置させる(図14の(b))。尚、バネ48を用いない場合(図17)は、画像形成位置Aに位置しているユニット200を、第2把持部38或は把持部31mを把持して着脱位置Bに移動する。着脱位置Bに位置したユニット200は、前述したように装置本体100A側の規制部46がユニット200側の被規制部31nに係合する。これによって、ユニット200は着脱位置Bに仮固定(軽ロック)され、画像形成位置Aの方向への移動を規制された状態となる。即ち、ユニット200は、使用者が手を離しても下方に回動しない。この状態において、カートリッジ33及び容器40、或いはカートリッジ33又は容器40を、前述した取り付け作業と逆の方向に取り外す作業を行う。つまり、カートリッジ33及び容器40は、ユニット200が着脱位置Bに位置する際に、ユニット200に対して着脱可能である。尚、ユニット200が着脱位置Bに仮固定されるとは、ユニット200が下方に回動することは規制されているけれども、使用者が下方に力を加えると、ユニット200を画像形成位置Aの方向へ移動させることができることである。
【0054】
ここで、ユニット200が画像形成位置Aから着脱位置Bへ向かう回動方向X9で最下流側に位置しているカートリッジ33Yに関しては、着脱手前位置Cにおいても着脱操作が行えるようになっている。この操作について、図16の(b)と図19を用いて説明する。前述したように、カートリッジ33Yの装着部32lhは、第1装着部(第1の経路)32l1と、第2装着部(第2の経路)32l2とに分かれている。そして、カートリッジ33Yは、着脱位置Bにおいては第1装着部32l1を用いることによりユニット200に対して着脱可能である(図14の(a)、図18)。また、着脱手前位置C(或は着脱位置B)においては、第1装着部32l1と第2装着部・32l2のいずれか一方を用いることにより、カートリッジ33Yをユニット200に対して着脱可能である。即ち、図14の(a)の2点鎖線で示すように、カートリッジ33Yを矢印Y3の方向と矢印Y4の方向よりユニット200に対して着脱可能な構成となっている。また、図17に示すように、バネ48を省略した場合には、画像形成位置Aにおいてカートリッジ33Yの着脱作業を行うことができる。尚、第1装着部(第1の経路)32l1は、経路32lcを有している。経路32lcは、設置面Fに対して略水平に設けられており、カートリッジ33Yの装着方向Y6において、規制部材36の上流側から下流側にわたって設けられている。また、第2装着部(第2の経路)32l2は、経路32ldと経路32leとを有している。経路32ld、32leは、経路32lcに対して垂直方向に交差している。経路32ldは、装着方向Y6において、規制部材36よりも下流側でもって、経路32lcと交差している。経路32leは、装着方向Y6において、規制部材36よりも上流側でもって、経路32lcと交差している。具体的には、カートリッジ33Yの装着は、第1と第2装着部32l1・32l2の上側において、カートリッジ33Yの被ガイド部33e1・33e3を第2装着部32l2(経路32ld)に対応位置させる。また、被ガイド部33e2・33e4を第1装着部32l1(経路32le)に対応位置させる(図19の(a))。そして、カートリッジ33Yを矢印Y3の方向に移動させる。これにより、被ガイド部33e1・33e3を、第2装着部32l2の凹部32la内(規制部材36の位置よりも奥側の凹部(本体側位置決め部)32la内)に進入させる。即ち、被ガイド部33e1・33e3を、経路32ldを経て、凹部32laに到達させる。また、被ガイド部33e2・33e4を、経路32leを経て、経路32lcに到達させて、経路32lc内を前記装着方向に進入させる(図19の(b))。更にカートリッジ33Yを矢印Y6の装着方向下流側へ移動する。これにより、カートリッジ33Yがユニット200に装着される(図19の(c))。尚、被ガイド部33e1・33e3は、現像ローラ33bの一端側と他端側とに、現像ローラ33bと同軸線上に配置されている。従って、カートリッジ33Yは、現像ローラ33bを中心にして、ユニット200に位置決めされる。他のカートリッジも同様である。逆に、カートリッジ33Yを着脱手前位置B(或は画像形成位置A)においてユニット200から取り外す際には、使用者が、第1把持部38を把持してカートリッジ33Yを矢印Y5の装着方向上流側へ移動させる。その後、カートリッジ33Yを矢印Y4方向に持ち上げる。これによって、被ガイド部33e1・33e3が経路32ldを通過して、第2装着部32l2から外れ、被ガイド部33e2・33e4が経路32leを通過して、第1装着部32l1から外れる。これにより、カートリッジ33Yがユニット200から上方に取り外される。第1装着部32l1(経路32lc)と第2装着部32l2(経路32ld、32le)はその経路が途中で交差しているので、異なる2方向にカートリッジ33Yの着脱操作を行うことができる。また、フレーム31には、カートリッジ33Yの上方に切欠き部31q(図6、図20)が設けられている。従って、第2装着部32l2(経路32ld、32le)を用いてカートリッジ33Yを上方に取り外すことができる。また、第2装着部32l2を用いてカートリッジ33Yを下方に移動させて装着することができる。切欠き部31qは、側板31L、31Rと、天板31Cによって構成される凹形状の部分である。以上のような構成を取ることで、カートリッジ33Yは、ユニット200を着脱位置Bに移動させる操作をしなくとも、着脱作業を行うことができる。その為、使用者にとってのメリットは大きい。前述した通り、ユニット200は、複数の装着部32lの内、垂直方向において最上位に設けられている装着部32lh(図2)に対してカートリッジ33Yの装着及び取り外しを行う第1の経路32lcを有する(図19)。また、ユニット200は、第1の経路32lcとは異なった経路でもって装着部32lhに対してカートリッジ33Yの装着及び取り外しを行う第2の経路32ld、32leを有する(図19)。これによって、カートリッジ33Yは、装着部32lhに対して、着脱位置B及び画像形成位置(転写位置)Aにおいて着脱可能である。即ち、カートリッジ33Yは、着脱位置Bにおいては、第1の経路32lc及び第2の経路32ld、32leのいずれの経路によっても装着部32lhに対して着脱可能である。また、カートリッジ33Yは、画像形成位置Aにおいては、第2の経路32ld、32leのみによって装着部32lhに対して着脱可能である。ユニット200と本体100Aとの間にはバネ(付勢部材)48が設けられている。そこで、ユニット200は、バネ48の弾性力によって、上方に移動する。そして、ユニット200は、画像形成位置Aと着脱位置Bとの間に位置する着脱手前位置Cを取り得る。そして、カートリッジ33Yは、最上位に設けられている装着部32lhに対して、着脱位置B及び着脱手前位置Cにおいて着脱可能である。カートリッジ33Yは、着脱位置Bにおいては、第1の経路32lc及び第2の経路32ld、32leのいずれの経路によっても装着部32lhに対して着脱可能である。また、カートリッジ33Yは、着脱手前位置Cにおいては、第2の経路32ld、32leのみによって装着部32lhに対して着脱可能である。第1の経路32lcは、カートリッジ33Yをカートリッジ33Yの長手方向(現像ローラ33bの長手方向)と直交する方向に移動させて装着部32lhに対して着脱する経路である。また、第2の経路32ld、32leは、カートリッジ33Yを前記方向と交差する方向に移動させて装着部32lhに対して着脱する経路である。また、カートリッジ33Yは、現像ローラ33bの長手方向の一端と他端とに被ガイド部33e1〜33e4を有する。そして、ユニット200は、第1の経路32lcとして、装着部32lhに対して前記カートリッジを着脱するために被ガイド部33e1〜33e4をガイドする経路を有する。また、ユニット200は、装着部(本体側ガイド部)32l1に対して垂直方向にカートリッジ33Yを進入及び退避させる第2の経路32ld、32leを有する。また、ユニット200は、第1の経路32lcとして、装着部32lhに対してカートリッジ33Yを着脱するために被ガイド部33e1〜33e4を水平方向にガイドする経路を有する。また、ユニット200は、第2の経路32ld、32leとして、被ガイド部33e1〜33e4を第1の経路32lcに対して垂直方向に進入及び退避可能な経路を有する。
【0055】
上記のような画像形成装置の構成により、スキャナユニット(画像露光装置)11を退避させることなく、カートリッジ33の交換が可能になる構成を実現できる。これにより、使用者が比較的容易に現像カートリッジ33の交換を行うことができる。また、転写体34を円柱状のドラムとし、ユニット200をその転写体34の中心軸周りに回転する構成とした。これにより、ユニット200の、画像形成位置Aと着脱位置Bと間の移動において、本体100A内の部材を必要以上に退避させる必要が無い。また、ユニット200を本体1010A外に引き出さなくても内部のカートリッジ33を交換できる構成である。そのため、装置100の小型化に寄与する。また、本実施例では転写体として、ドラム32aから記録媒体Sに間接的に転写するための中間転写体34を例にとって説明した。しかし、直接ドラム32aから記録媒体Sに転写する方式でもよい。この際、転写体34は記録媒体S上にドラム32a上の現像像を直接転写する役目を果たす。また、本実施例では、交換を行うカートリッジが分離型のプロセスカートリッジにおける現像カートリッジ33である構成を示した。交換を行うカートリッジを感光ユニット32と現像カートリッジ33を一体として交換する一体型のプロセスカートリッジとする構成も可である。
【0056】
前述した実施形態によれば、カートリッジ33を装置本体100Aに着脱する際の着脱操作性を向上させることができた。
【0057】
また、前述した実施形態によれば、カートリッジ33の着脱を行う着脱位置Bと、転写体34から記録媒体Sに現像剤画像を転写する転写位置Aとをとり得る画像形成ユニット200の回動操作性を向上させることができた。
【0058】
また、前述した実施形態によれば、カートリッジ33の着脱を行う着脱位置Bと、転写体34から記録媒体Sに現像剤画像を転写する転写位置Aとをとり得る画像形成ユニット200に対してカートリッジ33を着脱する際の着脱操作性を向上させることができた。
【0059】
また、前述した実施形態によれば、カートリッジ33の交換に際してレーザースキャナユニット(画像露光装置)11を退避させることなく、カートリッジ33の交換操作が可能である。また、前述した実施形態によれば、ユニット200において、着脱位置B以外でもって、垂直方向において最上位に設けられている装着部321hに対して、カートリッジ33の着脱を行うことができた。
【0060】
また、前述した実施形態によれば、ユニット200において、垂直方向において最上位に設けられている装着部32lhに対してカートリッジ33の装着及び取り外しを行う第1の経路32lを有する。そして、第1の経路32lcとは異なった経路でもって装着部321hに対してカートリッジ33の装着及び取り外しを行う第2の経路32ld、32leを有するカラー電子写真画像形成装置を提供することができた。
【符号の説明】
【0061】
100・・カラー電子写真画像形成装置、100A・・装置本体、200・・画像形成ユニット、S・・記録媒体、32a・・電子写真感光体ドラム、32l(32lh)・・カートリッジ装着部、33(33Y・33M・33C・33K)・・カートリッジ(現像カートリッジ)、34・・転写体、31m・・第2把持部、38・・第1把持部、被ガイド部33e2・33e4・・被ガイド部(被規制部)、A・・転写位置(画像形成位置)、B・・カートリッジ着脱位置、31n・・被規制部、46・・規制部、36・・規制部材、32lc・・第1装着部(第1の経路)、32ld、32le・・第2装着部(第2の経路)、D・・規制位置、E・・許容位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成するカラー電子写真画像形成装置であって、
(a)電子写真感光体ドラムに形成された現像剤画像を前記記録媒体に転写する転写体と、垂直方向に沿って複数設けられた、カートリッジを取り外し可能に装着する装着部と、を有して、前記装着部に取り外し可能に前記カートリッジを装着した状態で、前記電子写真画像形成装置の装置本体において、前記転写体から前記記録媒体に前記現像剤画像を転写する転写位置と、前記転写位置とは異なる位置であって、前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う着脱位置と、の間を移動可能な画像形成ユニットと、
(b)前記画像形成ユニットに設けられた、複数の前記装着部の内、前記垂直方向において最上位に設けられている前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第1の経路と、前記第1の経路とは異なった経路でもって前記装着部に対して前記カートリッジの装着及び取り外しを行う第2の経路と、
を有することを特徴とするカラー電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記最上位に設けられている前記装着部に対して、前記着脱位置および前記転写位置において着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記着脱位置においては、前記第1の経路及び前記第2の経路のいずれの経路によっても前記装着部に対して着脱可能であり、また、前記カートリッジは、前記転写位置においては、前記第2の経路のみによって前記装着部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成ユニットと前記装置本体との間には付勢部材を有し、前記画像形成ユニットは、前記付勢部材の付勢力により移動して、前記転写位置と前記着脱位置との間に位置する着脱手前位置を取り得て、前記カートリッジは、前記最上位に設けられている前記装着部に対して、前記着脱位置および前記着脱手前位置において着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、前記着脱位置においては、前記第1の経路及び前記第2の経路のいずれの経路によっても前記装着部に対して着脱可能であり、また、前記カートリッジは、前記着脱手前位置においては、前記第2の経路のみによって前記装着部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項4に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の経路は、前記カートリッジを前記カートリッジの長手方向と直交する方向に移動させて前記装着部に対して着脱する経路であり、前記第2の経路は、前記カートリッジを前記方向と交差する方向に移動させて前記装着部に対して着脱する経路であることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像することによって、前記現像剤画像を形成するための現像ローラを有し、前記現像ローラの長手方向の一端と他端とに被ガイド部を有し、また、前記画像形成ユニットは、前記第1の経路として、前記最上位に設けられている前記装着部に対して前記カートリッジを着脱するために前記被ガイド部を水平方向にガイドする経路を有し、また、前記画像形成ユニットは、前記第2の経路として、前記被ガイド部を前記第1の経路に対して前記垂直方向に進入および退避可能な経路を有することを特徴とする請求項1に記載のカラー電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記カートリッジは、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像剤を用いて現像することによって、前記現像剤画像を形成するための現像ローラを有し、前記現像剤を収納していることを特徴とする請求項1又は請求項7に記載のカラー電子写真画像形成装置。

【図8】
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【図12】
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【図17】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−250285(P2010−250285A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32416(P2010−32416)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【特許番号】特許第4569978号(P4569978)
【特許公報発行日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】