説明

カルシトニンおよび副甲状腺ホルモン処置の有効性に関するバイオマーカー

対象に対するサケ・カルシトニンまたは副甲状腺ホルモン類似体の投与結果の多器官遺伝子プロファイリング分析は、カルシトニンの処置有効性および副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体の処置有効性のバイオマーカーを提供する。これらのバイオマーカーとしては、Yボックス結合タンパク質、BMP、FGF、IGF、VEGF、α−2−HS糖タンパク質(AHSG)、OSF、核レセプター(ステロイド/甲状腺ファミリー)その他の遺伝子の発現プロフィールがある。得られた結果は骨代謝に対するサケ・カルシトニンの同化作用の裏付けとなる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は一般に、組織サンプルの分析試験、より詳しくは、カルシウム調節に関する遺伝子発現プロフィールの態様に関する。
【0002】
背景技術
カルシウムは身体の多くの細胞プロセスに不可欠であり、特に骨代謝にとって重要である。身体のカルシウムレベルは内分泌制御系によって注意深く維持されている。この内分泌制御系におけるホルモンのうちの2つが、カルシトニンと副甲状腺ホルモンである。
【0003】
カルシトニンは約32個のアミノ酸からなるポリペプチドホルモンであって、カルシウムホメオスタシスの内因性レギュレーターであり、低カルシウム血症関連疾患の処置のための再吸収阻害薬として使用できる。カルシトニンは甲状腺の傍濾胞(C細胞)で生産される。例えばサケおよびウナギ・カルシトニンをはじめとする種々のカルシトニンが市販されており、一般に、例えば、パジェット骨病、悪性低カルシウム血症および閉経後骨粗鬆症の処置に用いられている。Pondel M, Intl. J. Exp. Pathol. 81(6): 405-22 (2000)。カルシトニンの一形態(Miacalcin(登録商標))は鼻腔スプレーとして利用できる。
【0004】
副甲状腺ホルモン(PTH)は84個のアミノ酸からなるポリペプチドである。副甲状腺ホルモンは骨の再構成およびCa2+ホメオスタシスを調節する。副甲状腺ホルモンはまた、破骨細胞の分化および活性の傍分泌アクチベーターとしても知られている。PTS893[SDZ PTS 893;Leu8、Asp10、Lys11、Ala16、Gln18、Thr33、Ala34ヒトPTH1−34[hPTH(1−34)]]は、骨量と生物物理特性を増強する34個のアミノ酸の副甲状腺類似体である。Kneissel M et al., Bone 28: 237-50 (March 2001); Stewart AF et al., J. Bone. Miner. Res. 15(8): 1517-25 (August 2000); Thomsen JS et al., Bone 25(5):561-9 (November 1999)。
【0005】
カルシトニンおよび副甲状腺ホルモンは複雑な相互依存様式で相互作用することが知られているが、カルシトニンと副甲状腺ホルモンがどのように相互作用するかということは完全には理解されていない。破骨細胞の再吸収活性と腎臓管のカルシウム再吸収に対するカルシトニン阻害作用については十分な記載がある。しかし、骨芽細胞および他の骨格代謝関連因子との相互作用に対するカルシトニン作用の可能性についてはまだ議論中である。
【0006】
多器官遺伝子プロファイリング分析により、その生物全体に対する、化合物により引き起こされた変化のよりよい像が得られ、ホルモンの薬理学についての理解に新たな展望も得られる。ゲノミクス技術は、今、生物医学の研究者に力を与える新仮説を立てる能力の源である。創薬に関しては、それらは薬物の薬理学の理解に対する新たな展望をもたらす。よって、当技術分野では、カルシトニンおよび副甲状腺ホルモンの活性化についての生物界で広い理解が必要である。
【0007】
発明の概要
本発明は当技術分野での必要に応じたものを提供する。多器官遺伝子プロファイリング分析により、生物全体に対する、化合物により引き起こされた変化の完全な像が得られ、薬物の薬理学の理解に対する新たな展望が得られる。一実施形態において、本発明では、遺伝子プロファイリング分析により、ホルモンを媒介とする、サケ・カルシトニンによる骨再構成の分子的作用機序が初めて記載される。カルシトニンの再吸収阻害剤としての既知の作用機序が分子レベルで再構築できる。骨再構成活性に関連するエフェクターおよび経路に対する作用−BMP、IGF、細胞外マトリックス成分およびVEGF−も見られた。これらの結果は、カルシトニンの蛋白同化剤としての役割を支持する。別の態様において、本発明は、カニクイザルの骨においてサケ・カルシトニンまたは副甲状腺ホルモン類似体PTS893によって引き起こされた遺伝子発現変化を評価して、それらの作用を媒介する分子的作用機序を解明することで、完全な霊長類動物モデルにおいてその標的組織の1つに対する薬理学的因子の分子的作用機序が初めて再構築される。遺伝子プロファイリング分析により、サイクリンにおいて観察された変化により示される通りの、Gタンパク質結合レセプター刺激および細胞周期におけるおよびそれらの影響により誘発される、カルシトニンシグナル導入に関与する経路の再構築が可能となる。また、in vivo遺伝子プロファイリング発現研究により、薬理学的作用の基礎にある分子機構の同定が可能になる。
【0008】
一実施形態において、本発明は、蛋白同化剤による処置が指示される症状の処置のための薬剤の製造におけるカルシトニンの使用を提供する。一実施形態において、その症状はアテローム性動脈硬化症である。
【0009】
本発明はまた、カルシトニンが投与される患者によるカルシトニン有効性の指標となる遺伝子発現プロフィールに基づいて選択された患者集団のカルシウム代謝障害の処置用薬剤の製造におけるカルシトニンの使用を提供する。一実施形態において、このカルシトニンはサケ・カルシトニンである。本発明はさらに、患者集団が、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体が投与される患者による副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体有効性の指標となる遺伝子発現プロフィールに基づいて選択され、その選択された患者集団のカルシウム代謝障害の処置用薬剤の製造における、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体の使用を提供する。一実施形態において、このホルモン類似体はPTS893である。一実施形態において、この薬剤は、患者による遺伝子発現プロフィールを判定する前に治療用量で投与される。別の実施形態では、この薬剤は、患者による遺伝子発現プロフィールを判定する前に治療用量より低い量で投与される。
【0010】
本発明はまた、対象において、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せの投与が指示される症状を処置する方法を提供する。この方法は、まず、対象(例えば、霊長類対象)に目的の化合物を投与すること、次に、その化合物の投与後の対象の遺伝子発現プロフィールを得ることを含む。この対象の遺伝子発現プロフィールがバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと比較される。このバイオマーカー遺伝子発現プロフィールは、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せによる処置の有効性の指標となる。一実施形態において、このバイオマーカー遺伝子発現プロフィールは、化合物の投与前の対象の基準遺伝子発現プロフィールである。別の実施形態において、このバイオマーカー遺伝子発現プロフィールは、カルシトニン(例えば、サケ・カルシトニン)または副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体(例えば、PTS893)が投与された脊椎動物の遺伝子発現プロフィールまたは平均遺伝子発現プロフィールである。化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールとバイオマーカー遺伝子発現プロフィールとの類似性が、その化合物による処置の有効性の指標となる。
【0011】
よって、本発明は、カルシトニン、副甲状腺ホルモンまたはその組合せが指示される症状の処置の有効性に関するバイオマーカーを提供する。バイオマーカーとしては、Yボックス結合タンパク質、骨形成タンパク質(BMP)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、α−2−HS糖タンパク質(AHSG)、破骨細胞刺激因子(OSF)、核レセプター(ステロイド/甲状腺ファミリー)およびその他の遺伝子の発現プロフィールがある。
【0012】
本発明は、処置される対象で発現されるバイオマーカーの分析に基づき、臨床試験に含めるための対象を判定する方法を提供する。供試化合物がその対象に投与される。一実施形態において、この供試化合物は治療用量より低い量で投与される。次に、化合物投与後の対象の遺伝子発現プロフィールを得る。化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せによる処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと類似している場合には、その対象は臨床試験に含め得る。その対象の遺伝子発現プロフィールが処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと類似していない場合には、その対象は臨床試験から除外され得る。このような類似している、または類似していないは当業者にとって観測し得るものである。
【0013】
本発明はまた、カルシトニン、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体の投与が指示される症状の処置有効性を判定するための臨床アッセイ、キットおよび試薬も提供する。一実施形態において、これらのキットは、ハイブリダイゼーションによりバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現を判定するための試薬を含む。別の実施形態では、これらのキットは、ポリメラーゼ連鎖反応によりバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現を判定する試薬を含む。
【0014】
発明を実施するための最良の形態
本発明はカルシトニン(例えば、サケ・カルシトニン;配列番号1)または副甲状腺ホルモン(配列番号2)もしくはその類似体(例えば、PTS893;配列番号3)の対象への投与の作用についての理解に基づくものである。サケ・カルシトニンまたは副甲状腺ホルモン類似体の対象への投与の結果の多器官遺伝子プロファイリング分析により、カルシトニン処置有効性および副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体処置有効性のバイオマーカーが得られる。本明細書において、対象は脊椎動物である。一実施形態において、この脊椎動物は哺乳類である。より詳しい実施形態では、この対象は霊長類、例えばカニクイザルまたはヒトである。
【0015】
本明細書で提供される分析によれば、霊長類の多器官遺伝子プロファイリング分析により、種々の器官におけるリボ核酸(RNA)含量の変化におけるサケ・カルシトニンおよびPTS893の分子的作用機序が包括的に示される。細胞のRNA含量、すなわち「トランスクリプトーム」は、細胞の機能と状態を反映するものである。個々の細胞または器官の内部で、トランスクリプトームの種々のエレメントの発現は独立のものではない。発現レベルの変化は、最終的に別のトランスクリプトーム修飾に至る一連の事象を誘発し得る。これらの相互依存事象が経路の点から表される。細胞内の種々の機能の変化は強固に相互連絡しているので、生物体内の種々の器官の変化も連関している。遺伝子プロファイリングを同じ処置を受けた種々の器官へ適用すると、生理学的状態の結果および改変の全体像の向上が得られる。本明細書で示すように、これは特に、カルシトニンなどの多面的化合物の多器官プロファイリング分析が行われる状況である。実際に、カルシトニンに関して記載されている全体的な徴候は主要な標的器官(すなわち、骨)において反映されるだけでなく、本明細書で分析される他の器官においても反映される。
【0016】
この多器官遺伝子プロファイリング分析では、再吸収阻害剤としてのカルシトニンおよび破骨細胞の分化と活性の傍分泌アクチベーターとしての副甲状腺ホルモンPTS893の既知の作用機序を分子レベルで再構築することができる。破骨細胞に対するカルシトニンの阻害作用は、とりわけ、PU.1(SPI1;SpiB;配列番号4)、コロニー刺激因子(CSF−1(配列番号6);分化および生存)炭酸脱水酵素(配列番号8)、H−ATPアーゼ、カテプシンK(再吸収活性)チューブリン、PAK4(運動性)の遺伝子に影響を及ぼす変化を伴って再構築することができる。骨再構成活性に関連するエフェクターおよび経路(骨形成タンパク質(BMP)、繊維芽細胞増殖因子(FGF、インスリン様増殖因子(IGF)、細胞外マトリックス成分、ステロイドホルモン、血管内皮増殖因子(VEGF)およびα−2−HS糖タンパク質(AHSG))に対する作用も見られ、多くの場合、サケ・カルシトニンとPTS893の双方で共通であった。興味深いことに、サケ・カルシトニンはまた、破骨細胞刺激因子(OSF)およびシスタチンをコードする遺伝子の発現も調節している。また、興味深いことに、PTS893はまた、破骨細胞の分化と生存に関連のある遺伝子(SPI1、CSF−1、単球マクロファージ分化関連タンパク質(MMD))も調節している。PTS893はまた、核レセプター(ステロイド/甲状腺ファミリー)に対して強いアップレギュレーションももたらした。よって、これらの結果はカルシトニンの同化剤としての役割を裏付けるものである。
【0017】
カルシトニンは、骨形成(同化)と骨再吸収との間の不均衡(前者が優勢)の結果である骨量の高さを特徴とする全身性の骨格疾患の処置に現在用いられている。カルシトニンは骨形成タンパク質−2(BMP−2)の合成を促進し、強力な同化剤として知られている。カルシトニンを骨細胞に与えた場合、それらはBMP−2産生の増加によって同化作用を有し得るという証拠は強い。このように、カルシトニンは対象の骨の無機質密度を調整すべく個体に処置する方法において使用できる。
【0018】
これは、遺伝子発現プロファイリングによって、骨代謝に対するカルシトニンの作用をin vivoモデルで特徴づける初めての試みである。破骨細胞に対するカルシトニンの阻害作用は炭酸脱水酵素、H−ATPアーゼおよびカテプシンKのような遺伝子に影響を及ぼす変化を伴って再構築され得る。サケ・カルシトニンはまた、シスタチンをコードする遺伝子の発現も調節すると思われ、この作用は本明細書に初めて記載されるものである。サケ・カルシトニンはまた、プレイオトロピン、ペリオスチン、繊維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)、インスリン様増殖因子/結合タンパク質(IGF/IGFBP)、骨形成タンパク質(BMP)、血管内皮増殖因子(VEGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、ニューロコンドリン、フォリスタチン様3、または副甲状腺ホルモンレセプターなどの間葉細胞機能の直接調節、自己分泌調節、傍分泌調節および内分泌調節に影響を及ぼす遺伝子に対する作用も調節している。それはまた、細胞外マトリックス成分(コラーゲン、オステオポンチン、オステオカルシン、デルマトポンチン、コンドロアドヘリン、グリピカンまたはシンデカン)および酵素の合成と分解も調節する。サケ・カルシトニンはまた、デンチンにおける変化が見られたことから、骨の石灰化のいくつかの側面にも影響を及ぼしていた。
【0019】
本明細書で提供されるように、カルシトニンはまた、同化作用または組織成長が治療上望ましい他の症状の処置においても蛋白同化剤として使用できる。このような症状としては、アテローム斑が繊維症およびカルシウム沈着により悪化するアテローム性疾患であるアテローム性動脈硬化症がある。
【0020】
さらに、本発明は、カルシトニンまたは副甲状腺ホルモン処置の有効性のバイオマーカーを提供する。本明細書において、遺伝子発現プロフィールは、遺伝子発現の増強または低下が、その化合物を投与した後の基準遺伝子発現からの増強または低下(例えば、少なくとも1.5倍の違い)である(すなわち、バイオマーカー遺伝子発現プロフィールは、化合物を投与する前の対象の基準遺伝子発現プロフィールである)場合、処置の有効性を判定するための診断法となる。あるいは、またはそれに加えて、遺伝子発現プロフィールは、処置された対象の遺伝子発現プロフィールが標準バイオマーカー遺伝子発現プロフィールと比較される場合、カルシトニン(例えば、サケ・カルシトニン)または副甲状腺ホルモンもしくは副甲状腺ホルモン類似体(例えば、PTS893)の処置と比較した際の処置の有効性を判定するための診断法となる。一実施形態において、この標準バイオマーカー遺伝子発現プロフィールは、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せが投与された脊椎動物の遺伝子発現プロフィールまたは平均遺伝子発現プロフィールであり、このプロフィールは、投与後の対象からの結果が比較される標準となる。このようなアプローチは治療法および診断法の側面を含み、当業者の多くは「セラノスティック(theranostic)」と呼ぶ。
【0021】
一実施形態において、この対象は脊椎動物である。特定の実施形態では、この脊椎動物は哺乳類である。より詳しい実施形態では、この哺乳類はカニクイザルまたはヒトなどの霊長類である。本明細書において、薬剤または薬物の対象または患者への投与は自己投与および他者による投与を含む。
【0022】
本明細書において、遺伝子発現プロフィールは、遺伝子発現の増強または低下が、カルシトニンまたは副甲状腺ホルモン、もしくは類似体の投与後の基準遺伝子発現からの増強または低下(例えば、少なくとも1.5倍の違い)である場合、カルシトニンまたは副甲状腺ホルモン処置の有効性の診断法となる。本明細書において、遺伝子発現パターンは、遺伝子発現(例えば、処置された対象からのサンプルにおける)が基準サンプルに比べて発現レベルに1.5倍の差を示す(すなわち、高い)場合、「通常よりも高い」。遺伝子発現パターンは、遺伝子発現(例えば、処置された対象からのサンプルにおける)が基準サンプルに比べて発現レベルに1.5倍の差を示す(すなわち、低い)場合、「通常よりも低い」。
【0023】
本発明により記載される遺伝子の遺伝子発現の検出のための技術としては、限定されるものではないが、ノーザンブロット、RT−PCT、リアルタイムPCR、プライマー伸張、RNアーゼ保護、RNA発現プロファイリングおよび関連技術が挙げられる。本発明により記載される遺伝子によってコードされるタンパク質産物の検出による遺伝子発現の検出のための技術としては、限定されるものではないが、それらのタンパク質産物を認識する抗体、ウエスタンブロット、免疫蛍光、免疫沈降、ELISAおよび関連の技術が挙げられる。これらの技術は当業者に周知のものである。Sambrook J et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition (Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, 2000)。一実施形態において、遺伝子発現を検出するための技術として、遺伝子チップの使用が挙げられる。遺伝子チップの構築および使用は当技術分野で周知のものである。米国特許第5,202,231号;同第5,445,934号;同第5,525,464号;同第5,695,940号;同第5,744,305号;同第5,795,716号および同第5,800,992号参照。また、Johnston, M. Curr Biol 8:R171-174 (1998); Iyer VR et al., Science 283:83-87 (1999)およびElias P, “New human genome 'chip' is a revolution in the offing” Los Angeles Daily News (October 3, 2003)も参照。
【0024】
遺伝子発現プロフィールとしては、酸性ホスファターゼ1イソ型a;アクチビンAレセプターII型様1;アクチビンAIIB型レセプター前駆体;アクチビンβC鎖;α2HS糖タンパク質;アメロゲニン;アネキシンV;アリールスルファターゼE前駆体;液胞型ATPアーゼH(+);液胞型ATPアーゼH(+)サブユニット;H+輸送性リソソームATPアーゼ;H+輸送性リソソームATPアーゼ;H輸送性リソソームATPアーゼ;ビグリカン;骨形成タンパク質1;骨形成タンパク質10;骨形成タンパク質2A;骨形成タンパク質5;骨形成タンパク質6前駆体;カルシウム結合タンパク質1(カルブレイン);カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMキナーゼ)IIγ;カルレティキュリン;cAMP応答エレメントモジュレーター(CREM);炭酸脱水酵素I;炭酸脱水酵素II;軟骨オリゴマー基質タンパク質前駆体;カテプシンK;カテプシンW;CDC様キナーゼ1;CDC様キナーゼ2イソ型hclk2/139;コンドロイチン硫酸プロテオグリカン2(バーシカン);コンドロイチン硫酸プロテオグリカン3(ニューロカン);絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン1;キモトリプシンC(カルデクリン);1型コラーゲンおよびPDGFB融合転写物;II型コラーゲンα1;III型コラーゲンα1;IV型コラーゲンα2;IX型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα2(AA570998);XI型コラーゲンα1;XI型コラーゲンα2;XI型コラーゲンα2;I型コラーゲンα2;IV型コラーゲンα1;IX型コラーゲンα2;V型コラーゲンα2;VI型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα1前駆体;XVI型コラーゲンα1;XVI型コラーゲンα1;コラゲナーゼ3(マトリックスメタロプロテイナーゼ13);結合組織増殖因子;サイクリンA2;サイクリンB1;サイクリンD2;サイクリンE2;サイクリン依存性キナーゼ5;サイクリン依存性キナーゼ5調節サブユニット1(p35);サイクリン依存性キナーゼ6;サイクリン依存性キナーゼインヒビター1A(p21、Cip1);シスタチンB(ステフィンB);サイトカイン誘導性キナーゼ;細胞死関連プロテインキナーゼ1;細胞死関連プロテインキナーゼ3;デンチンマトリックス酸性リンタンパク質1(DMP1);二重特異性ホスファターゼ9;筋緊張性ジストロフィープロテインキナーゼ;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1;内皮分化Gタンパク質共役レセプター6前駆体;エストロゲンレセプター;エストロゲンレセプター;エストロゲンレセプター関連タンパク質;エストロゲン応答性Bボックスタンパク質(EBBP);繊維芽細胞活性化タンパク質;繊維芽細胞増殖因子1(酸性);繊維芽細胞増殖因子18;繊維芽細胞増殖因子4;繊維芽細胞増殖因子レセプター;フォリスタチン様1;フォリスタチン様1;代謝型グルタミン酸レセプター1;GPI1 Nアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ成分Gpi1;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(CSF1);増殖停止およびDNA傷害誘導性α;増殖因子レセプター結合タンパク質10;ヘパラン硫酸プロテオグリカン2(ペルレカン);イノシトール1,4,5三リン酸レセプター1型;イノシトール1,4,5三リン酸レセプター1型;イノシトール1,4,5三リン酸レセプター2型;
【0025】
イノシトール1,4,5三リン酸(trisphosphate)3キナーゼイソ酵素;イノシトールポリリン酸4ホスファターゼI型β;イノシトールポリリン酸5ホスファターゼ;イノシトール(ミオ)1(または4)モノホスファターゼ1;イノシトール(ミオ)1(または4)モノホスファターゼ2;インスリン様増殖因子(IGF II);インスリン様増殖因子2(ソマトメジンA);インスリン様増殖因子結合タンパク質;インスリン様増殖因子結合タンパク質2;インスリン様増殖因子結合タンパク質3;インスリン様増殖因子結合タンパク質5;インスリン様増殖因子結合タンパク質2;インスリン様増殖因子II前駆体;インスリン様増殖因子II前駆体;インテグリンα10サブユニット;インターロイキン1関連キナーゼ;Janusキナーゼ3;LIMタンパク質(ラットプロテインキナーゼC結合enigmaに類似);リシルオキシダーゼ様タンパク質;MAD,mothers against decapentaplegic homolog 3;MAGUK(膜関連グアニル酸キナーゼホモログ;MAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MTK1);MAPK13:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ13;MAPK8IP1:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ8相互作用タンパク質1;MEKキナーゼ;メタロプロテイナーゼ;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ8;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ3;MMD:単球・マクロファージ分化関連;ニューロコンドリン;細胞質カルシニュリン依存性活性化T細胞の核因子1;OS 4タンパク質(OS 4);OSF 2os骨芽細胞特異的因子2(ペリオスチン);破骨細胞刺激因子(OSF);
【0026】
PAK4;PDGF関連タンパク質;ホスファチジルイノシトール4キナーゼの触媒βポリペプチド;クラスLホスファチジルイノシトールグリカン;ホスファチジルイノシトールポリリン酸5ホスファターゼイソ型b;ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼイソ型C(1);I型ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼβ;II型ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼβ;クラスCホスファチジルイノシトールグリカン(PIG C);cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4A;cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4D(dunce(ショウジョウバエ)ホモログホスホジエステラーゼE3);カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼIB;ホスホイノシチド3キナーゼ;ホスホイノシチド3キナーゼの触媒γポリペプチド;クラス3ホスホイノシチド3キナーゼ;ホスホリパーゼCb3;ホスホリパーゼCβ4;ホスホリパーゼD;ホスファチジル(phosphotidyl)イノシトール輸送タンパク質;PKD2プロテインキナーゼD2;I型プレプロコラーゲンα2;I型プレプロコラーゲンα1;II型プロコラーゲンα1;プロコラーゲンリシン5ジオシゲナーゼ;プロコラーゲンプロリン2オキソグルタル酸4ジオシゲナーゼ(プロリン4ヒドロキシラーゼ)αポリペプチドI;プロゲスターゲン関連子宮内膜タンパク質(胎盤タンパク質14、妊娠関連子宮内膜α2グロブリン、α子宮タンパク質);プロリダーゼ(イミドジペプチダーゼ)PEPD;増殖細胞核抗原;プロリル4ヒドロキシラーゼβ;セリンプロテアーゼ11(IGF結合型);プロテアソーム(prosome, macropain)サブユニットβ型10;活性化STAT Xのタンパク質インヒビター;プロテインキナーゼ1 PCTAIRE;プロテインキナーゼC基質80K H;プロテインキナーゼCα;cAMP依存性プロテインキナーゼの触媒γ;cAMP依存性プロテインキナーゼI型の調節β;cAMP依存性プロテインキナーゼII型の調節α;Gタンパク質共役型プリンレセプターP2Y 11;RAC2 Ras関連C3ボツリヌス菌毒素基質2(rhoファミリー、小GTP結合タンパク質Rac2);レセプターチロシンキナーゼDDR;レチノイドXレセプターγ;リボゾームタンパク質S6キナーゼ;リボゾームタンパク質S6キナーゼの90kDポリペプチド3;SCAMP1:分泌型担体膜タンパク質1(小胞輸送);分泌型リンタンパク質1(オステオポンチン、骨シアロタンパク質I、初期Tリンパ球活性化1);セリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードH(熱ショックタンパク質47)メンバー2;セリン/トレオニンキナーゼ38;セリン/トレオニンプロテインキナーゼ;SF1;ステロイド合成因子1;シグナル伝達・転写活性化因子1;シグナル伝達・転写活性化因子2、113kD;シグナル伝達・転写活性化因子5A;シグナル伝達・転写活性化因子5A;シグナル伝達・転写活性化因子6(STAT6);Smad 3;レセプター活性化のためのSmadアンカーイソ型1;Smad5;SMAD6(BMP/Smad1(MADH1)を阻害);SNF 1関連キナーゼ;Spi B転写因子(Spi 1/PU.1関連);Stat5b(stat5b);Ste20関連セリン/トレオニンキナーゼ;TEIG;TGFB誘導性初期増殖応答;TGFB誘導性初期増殖応答;TIEG;TGFB1誘導型抗アポトーシス因子1;TGFβ誘導型アポトーシスタンパク質12;TGFβ前駆体;TGFβスーパーファミリータンパク質;Tob;tousled様キナーゼ1;トランスフォーミング増殖因子βレセプターIII(βグリカン、300kD);トランスフォーミング増殖因子β3(TGFβ3);TRIO:三官能性ドメイン(PTPRF相互作用);チューブリンα1;チューブリンα3;チューブリンαイソ型H2α;チューブリンβ2;チューブリンβ3;チューブリンβ4;チューブリンβ補因子D;VI型コラーゲンα2鎖前駆体;ユビキチン担体タンパク質E2C;血管内皮増殖因子;血管内皮増殖因子;血管内皮増殖因子B;およびYボックス結合タンパク質1の群から選択される1以上の遺伝子を含み得る。
【0027】
本明細書において、薬剤または薬物の対象または患者への投与は、自己投与および他者による投与を含む。
【0028】
カルシトニン
「カルシトニン」とは、天然に存在するカルシトニンだけでなく、それらの医薬上活性な誘導体および類似体、例えば、天然に存在する産物に存在する1以上のペプチド残基が置換されているもの、またはそのN末端またはC末端が修飾されているものを含む。本発明に従って用いるのに好ましいカルシトニンとしては、サケ、ヒトおよびブタ・カルシトニンおよびエルカトニン(Elcatonin)がある。これらの化合物は全て市販されており、文献にそれらの薬理特性とともに包括的に記載されている。米国特許第5,733,569号および同第5,759,565号参照、なお、これらの内容は出典明示により本明細書の一部とされる。
【0029】
本発明の方法に従って投与されるカルシトニンの量、およびしたがって本発明の組成物中の有効成分の量は、選択される特定のカルシトニン、処置される症状、所望の投与頻度およびその作用によって異なる。
【0030】
カルシトニン、特にサケ・カルシトニンのバイオアベイラビリティは、鼻腔投与後の血漿濃度について測定したところ、一般に、筋肉注射時に達成されるレベルの約50%のオーダーと高い。よって、本発明に従う投与は、体壁内投与、例えば筋肉内投与による処置に必要とされる投与率の2倍以上のオーダー、例えば、約2〜4倍の投与率となるように達成するのが適当である。ミアカルシン(Miacalcin)(登録商標)(サケ・カルシトニン)鼻腔スプレーの投与に関する情報は、Miacalcin(登録商標)Prescribing Information (Novartis, November 2002)で得ることができる。
【0031】
筋肉内注射では、1回用量約50〜100MRC単位を、1日に約1回〜1週間に約3回の割合で適用する。本発明に従う鼻腔投与では、従って処置は約50〜約400MRC単位、より好ましくは約100〜約200MRC単位の用量で、1日に約1回〜1週間に約3回の頻度で投与することを含むのが適切である。便宜には、前記のような用量は1回の適用で投与され、すなわち、処置は、約50〜約400MRC単位、好ましくは約100〜約200MRC単位のカルシトニンを含む1回の鼻腔用量の投与を含む。あるいは、このような用量は1日のうちに間隔をおいて、例えば2回〜4回などと一連の分割をしてもよく、そうすると、各適用の用量は約10〜約200MRC単位、好ましくは約25〜約100MRC単位を含む。
【0032】
各鼻腔適用において投与される総組成物量は好適には、約0.05〜0.15ml、一般には約0.1ml、例えば0.09mlを含む。よって、使用組成物は好適には、1ml当たり約150〜約8,000、好ましくは約500〜約4,000、より好ましくは約500〜約2,500、最も好ましくは約1,000〜約2,000MRC単位のカルシトニン、例えばサケ・カルシトニンを含む。
【0033】
「カルシトニン」とはまた、例えば米国特許第5,719,122号、同第5,175,146および同第5,698,6721号に記載のような活性ペプチド類似体および模倣体も包含する。米国特許出願2003015815も参照。「カルシトニンスーパーファミリー」はカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、およびアミリンからなる。ヒトにおいて、カルシトニンおよびCGRPはCT/CGRP遺伝子に由来するものである。一次RNA転写物の選択的スプライシングにより、CGRPおよびCTペプチドの翻訳が組織特異的に起こる。CGRP(37個のアミノ酸のニューロペプチド)およびそのレセプターは体内に広く分布している。アミリン(37個のアミノ酸のペプチド)は第12番染色体(第11番染色体の進化倍加であると考えられる)に位置する遺伝子から生じ、CGRPと46%のアミノ酸配列相同性を有し、ヒト・カルシトニンと20%のアミノ酸配列相同性を有する。「カルシトニン遺伝子関連ペプチド」または「CGRP」とは、天然CGRP、好ましくはヒトCGRP、およびその活性類似体を含む。CGRPは骨形成において種々の役割を有することが知られている。「アミリン」とは、天然アミリン、一般にはヒト供給源由来のもの、およびその医薬上活性な類似体を含む。このホルモンは種々の機序によって骨量の形成を誘導することが知られている。「カルシトニン様薬剤」としては、「カルシトニン」、「CGRP」および「アミリン」を含む。米国特許出願003015815参照。
【0034】
副甲状腺ホルモン
「副甲状腺ホルモン」とは、骨形成を刺激し、骨量を高める骨副甲状腺ホルモン、その断片または代謝産物およびその構造類似体をさす。また、副甲状腺ホルモン関連ペプチドならびに副甲状腺関連ペプチドの活性断片および類似体も含む。米国特許第4,086,196号、同第5,001,223号、同第6,541,450号および同第6,649,657号ならびに公開PCT特許出願WO94/01460およびWO93/06845参照。副甲状腺ホルモン機能活性は、当業者により標準的なアッセイに従って容易に測定される。これらの種々の化合物は下記に記載、参照されるが、他の副甲状腺ホルモンも当業者に知られている。副甲状腺ホルモンの例は米国特許第6,541,450号および同第6,649,657号に挙げられている参照文献で開示されており、これらの全内容は出典明示により本明細書の一部とされる。副甲状腺ホルモンの、哺乳類において低骨量を呈する症状(例えば、骨粗鬆症)の処置における医薬としての有用性は、in vivoアッセイ、レセプター結合アッセイ、環状AMPアッセイおよび骨折治癒アッセイをはじめとする従来のアッセイにおける副甲状腺ホルモン活性によって実証される。
【0035】
PTS893は、特定の残基において適当なアミノ酸置換を行って、安定かつ生物学的に活性なヒト副甲状腺ホルモン断片を作り出すことで、N末端副甲状腺ホルモン断片内の化学的に不安定な特定の部位が除去されている内因性副甲状腺ホルモンの類似体である。ヒト副甲状腺ホルモンのN末端断片としては、hPTH(1−34)OHムテインおよびhPTH(1−38)OHムテインが挙げられる。PTS893は副甲状腺ホルモンの、少なくとも最初の27個のN末端アミノ酸単位を含む。好ましい副甲状腺ホルモン誘導体は、副甲状腺ホルモン配列の次の位置:8〜11、13、16〜19、21、22、29〜34、特に、8〜11、16〜19、33および/または34の1以上において少なくとも1つのアミノ酸単位が置換されているものである。これらの化合物はin vivoおよびin vitroの双方で、天然PTHおよびそのN末端断片と同等またはそれを超える、所望の骨形成特性を示す。欧州特許EP0672057;公開PCT特許出願WO94/02510;Kneissel M et al., Bone 28: 237-50 (March 2001); Stewart AF et al., J Bone Miner Res 15(8): 1517-25 (August 2000); Thomsen JS et al., Bone 25(5):561-9 (November 1999)参照。
【0036】
キット
本発明のキットはキット容器上または容器内の表示物を含み得る。この表示物には、キットに含まれている試薬の使用方法、例えば、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せが指示される症状の処置に用いられる化合物に対して患者が有効に応答しているかどうか、または有効に応答できるかどうかを判定する方法が記載されている。いくつかの実施形態では、これらの試薬の使用は本発明の方法に従い得るものである。一実施形態において、この試薬は関連遺伝子の遺伝子発現を判定するための遺伝子チップである。
【0037】
以下の実施例は本発明の好ましい実施形態をより詳しく説明するために示されるものである。この実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0038】
サケ・カルシトニンおよびPTS893、サルにおけるファーマコゲノミクス診断研究;マイクロアレイ遺伝子発現分析
緒論および概要。本実施例の目的は、サケ・カルシトニン(sCT)50μg/動物/日およびPTS893 5μg/動物/日による2週間の皮下処置後のカニクイザルにおける遺伝子発現変化を評価し、それらの作用を媒介する作用機序を解明すること、ならびに治療適応のバイオマーカーを同定することであった。本実施例は、霊長類における多器官遺伝子プロファイリング分析によるサケ・カルシトニンおよび副甲状腺ホルモン類似体の分子的作用機序を包括的に表す初めての分析であると考えられる。これはまた、サケ・カルシトニンおよびPTS893によるホルモン介在性の骨再構成の分子的作用機序を表す初めての遺伝子プロファイリング分析であると考えられる。
【0039】
本実施例では、サケ・カルシトニンおよびPTS893は双方とも、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、インスリン様増殖因子(IGF)、骨形成タンパク質(BMP)および血管内皮増殖因子(VEGF)などの間葉細胞機能の直接調節、自己分泌調節、傍分泌調節および内分泌調節に影響を及ぼす遺伝子に対して調節作用を有することが判明した。両化合物はまた、細胞外マトリックス成分の合成および分解も調節する。サケ・カルシトニンはまた、エストロゲンレセプターおよびステロイド合成因子も調節し、一方、PTS893はステロイド/甲状腺レセプターファミリーの核レセプターに対して強力なアップレギュレーションをもたらした。従ってこれらのデータは、蛋白同化剤としてのカルシトニンの役割を裏付けるものである。
【0040】
さらに、サケ・カルシトニンおよびPTS893はまた、アメロゲニン、デンチンおよびエクトヌクレオチドピロホスファターゼにおける変化が見られたことから、細胞外マトリックスの石灰化のいくつかの側面にも影響を及ぼしていた。
【0041】
さらに、PTS893は、サイトカインおよびRANKリガンドを介して破骨細胞の分化と活性の傍分泌活性化を媒介する作用を示した。
【0042】
単剤療法に対し、サケ・カルシトニンとPTS893を組合せて投与する事実が原因である遺伝子発現プロフィールにおける有意差はなかった。
【0043】
このように、本実施例における遺伝子プロファイリング分析により、Gタンパク質結合レセプター刺激、およびサイクリンにおいて見られる変化によって示されるような細胞周期に対するそれらの影響によって誘発される、カルシトニンおよび副甲状腺ホルモンのシグナル変換に関与する経路の再構築が可能となった。
【0044】
動物
サケ・カルシトニン(sCT)、PTS893または両者の組合せを用い(各々、9%自己血清を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解した)、2週間の皮下処置を行った。対照群には、ビヒクルとして溶媒を用いた。
【0045】
この分析に用いた動物は、Centre de Recherches Primatologiques, Port Louis, Mauritiusによって供給されたカニクイザル(Macaca fascicularis)であった。各群、各性別当たり2匹の動物を用いた。処置期間の最初の時点では、動物は少なくとも24ヶ月齢であり、体重約3kgであった。動物は動物福祉に沿った標準的な条件下で維持した。動物の死亡率、食物摂取量、および臨床所見を毎日調べた。体重は1週間に1回記録した。用量は0μg/動物/日(対照)、サケ・カルシトニン50μg/動物/日およびPTS893 5μg/動物/日とした。
【0046】
以下に示すように、本実施例において行った臨床所見および分析、ならびに組織病理学的検査は、50μg/動物/日の用量で皮下投与されたサケ・カルシトニンはカニクイザルにより十分許容されたことを示した。
【0047】
in vivo検査。有意な組織病理学的変化は見られなかった。サケ・カルシトニン群で体重減少が8〜12%の範囲であったこと以外、関連のある変化は見られなかった。食物摂取量の低下も見られたが、体重低下と常に一致しているわけではなかった。
【表1】

【0048】
サケ・カルシトニンが投与された動物は8〜12%の範囲の体重低下を示したが、これは食物摂取量の低下に帰すことができる。食欲低下作用はこれまでに、アミリンレセプターを介して作用するサケ・カルシトニンに関して記載されている。Eiden S et al., J. Physiol. 541(pt3): 1041-1048 (2002); Lutz TA et al., Peptides 21 (2): 233-8 (2000)。しかしながら、ここでは毒性の徴候は見られなかった。本実施例で見られるホルモンおよび脂質の変化はおそらく結果として生じた代謝順応に関連しているものと思われる。
【0049】
心電図(ECG)にも血圧にも関連する変化は見られなかった。
【表2】

【0050】
採血
採血前の一晩、動物を絶食させたが、水は自由に摂らせた。末梢静脈から採血を行った。試験前と処置期間の終了時に一度、標準的な血液検査と臨床化学分析を行った。臨床化学検査に関して記載されているものと同じ間隔で各動物から採血した。これらの血液サンプルは、ホルモン測定分析まで冷凍保存した(約−80℃)。
【0051】
臨床化学検査およびホルモン測定
対照を含めて全ての供試動物に軽度の貧血が見られた。これは採血の繰り返しによるものと思われ、試験に関連するものとは思われなかった。
【表3】

【表4】

【0052】
【表5】

【表6】

【0053】
実施した標準臨床化学検査のうち、サケ・カルシトニンおよびPTS893を投与した群では、リンおよび/またはマグネシウムの軽度〜中度の低下およびトリグリセリドの中度〜顕著な低下が見られた。
【表7】

【表8】

【表9】

【0054】
【表10】

【表11】

【表12】

【0055】
実施した標準的な尿検査において関連のある変化は見られなかった。
【表13】

【表14】

【表15】

【0056】
【表16】

【表17】

【表18】

【0057】
サケ・カルシトニン群は血清ソマトメジンに中度の低下を示した(表9および10のS.MED参照)。
【表19】

【表20】

【表21】

【0058】
【表22】

【表23】

【表24】

【0059】
組織のサンプリング。動物をペントサール(登録商標)の静注により誘導した深麻酔とその後の放血により屠殺した。組織病理学および遺伝子発現プロファイリングのために全ての関連組織をサンプリングした。分析のため次の組織サンプルを処理した:肝臓、腎臓、脳下垂体、筋肉、骨、十二指腸、脾臓および気管。組織病理学用のサンプルはリン酸緩衝10%ホルマリン中で固定した。骨の脱塩を10%ギ酸で行った。ヘマトキシリンとエオシンで染色するため、組織サンプルをParaplast(登録商標)に包埋し、4ミクロンの切片とした。遺伝子発現プロフィール用のサンプルは、摘出直後に液体窒素中で急速冷凍し、ドライアイス上で保存し、その後、冷凍庫にて約−80℃でさらなる使用まで保存した。遺伝子発現プロフィール用の全ての選択組織を組織病理学的に調べた。
【0060】
組織病理学
遺伝子プロファイリング分析用に選択した組織の組織病理学的検査では、正常範囲の偶発的病変を示し、それらは病変の重篤度および分布に関しては全ての処置群で対照と違いはなかった。
【0061】
サケ・カルシトニンを投与された雌の腎臓における炎症および再生変化について若干高い罹患率が見られた。これらの変化は、40年間のカルシトニンの治療的使用の後でも腎臓毒性が記録されていないことから、関連のあるものとは認められなかった。
【0062】
骨切片をオステオネクチン、オステオポンチンおよびオステオカルシンに関して染色し、組織病理学的に評価した。骨組織の組織形態計測を、骨の再吸収と合成(類骨形成)のパラメーターに関して行った。
【0063】
脛骨のオステオネクチン、オステオポンチンおよびオステオカルシン染色によれば、群1(対照)と群2(サケ・カルシトニン)の間に差は認められなかった。オステオネクチンは、処置とは無関係の重篤な病態(重度の亜急性骨端離開)のために、動物番号2553の骨端成長板の著しい肥大と変質を示した。
【0064】
骨組織の組織形態計測を行い、骨再吸収と骨合成(類骨形成)に関連するパラメーターを測定した。
【0065】
結果(表11および12参照)は、サケ・カルシトニンが脛骨で約17%、小柱体積と厚さを増したが、椎骨ではそれが見られなかったことを示した。PTS893は脛骨(T)では皮層厚を薄くし(18%)、かつ、皮層孔隙率を増した(54%)が、椎骨(V)ではそうではなかった。対照的に、PTS893は、脛骨および椎骨の双方でそれぞれ、類骨体積率(37%T、213%V)と表面積率(49%T、37%V)の上昇を誘導するとともに、骨芽細胞表面積率(40%T、24%V)の上昇を誘導した。
【表25】

【0066】
【表26】

【0067】
組織形態計測によれば、PTS893によって誘導される類骨合成の上昇以外には、脛骨と椎骨の間に一貫した結果は示されなかった。この作用は、副甲状腺ホルモンを断続的に投与した場合に関して十分報告されている。
【0068】
RNAの抽出および精製
遺伝子発現プロファイリング用に組織セットを選択した。これらのセットは腎臓、骨、筋肉、十二指腸、脳下垂体および肝臓からのサンプルを含んだ。特に、大腿骨および脛骨からの骨幹を遺伝子発現プロファイリング向けに処理した。要するに、各凍結組織切片から酸性チオシアン酸グアニジン−フェノール−クロロホルム抽出液(Trizol(登録商標), Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, Calif. USA)によって全RNAを得た後、製造者の説明書に従ってアフィニティーレジン(Rneasy(登録商標), Qiagen)で全RNAを精製した。全RNAをλ=260nm(A260nm)での吸光度によって定量し、純度をA260nm/A280nm比で評価した。RNA分子の完全性を非変性アガロースゲル電気泳動によって確認した。RNAを分析まで約−80℃で保存した。個々の各RNAサンプルの一部分をリアルタイムPCRによる重要遺伝子の分析のために維持した。
【0069】
ハイブリダイゼーションアッセイ
Genomics Factory Euの実験室にて、GeneChip(登録商標)システム(GeneChip Expression Analysis Technical Manual, Affymetrix Inc., Santa Clara, Calif. USA)の製造者によって推奨されているようにしてGeneChip(登録商標)発現プローブアレイによる転写物プロファイリングを行った。HG-U95Av2 GeneChip(登録商標)発現プローブアレイ(Affymetrix, Santa Clara Calif. USA)を用いた。T7−(dT)24DNAオリゴヌクレオチドプライマーの存在下、Superscript Choice System (Invitrogen Life Technologies)を用い、開始量約5μgの全長全RNAを用いて二本鎖cDNAを合成した。合成後、そのcDNAをフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール抽出およびエタノール沈殿によって精製した。次に、精製cDNAを、ビオチン標識cRNA由来のビオチニル化リボヌクレオチドの存在下、BioArray(登録商標)High Yield RNA Transcript Labelling Kit (ENZO)を用いてin vitroで転写した。次に、この標識cRNAをアフィニティーレジン(Rneasy(登録商標), Qiagen)で精製し、定量し、断片化した。約10μg量の標識cRNAを、45℃で約16時間、発現プローブアレイとハイブリダイズさせた。その後、アレイを洗浄し、GeneChip Fluidics Workstation 400 (Affymetrix)を用い、ストレプトアビジン−フィコエリトリン(Molecular Probes)で2回染色した。次に、このアレイを、共焦点レーザースキャナー(GeneArray(登録商標)Scanner, Agilent)を用いて2回スキャンし、1つのスキャン画像を得た。得られたこの「.date-file」をMicro Array Analysis Suiteバージョン4(MAS4)プログラム(Affymetrix)を用いて処理し、「.cel-file」とした。この「.cel file」をキャプチャーしてAffymetrix GeneChip Laboratory Information Management System (LIMS)にロードした。このLIMSデータベースを、全てのプローブセル(CEL file)の平均強度をオラクルデータベースにダウンロード可能とするネットワークファイリングシステムを介して、UNIX Sun Solarisサーバーに接続した。生データを「ターゲット強度」150を用いて発現レベルに変換した。表示される数値は、与えられた転写物配列のプローブセットに含まれるプローブ対のシグナル強度の加重平均である(AvgDiff値)。このデータのクォリティーを確認し、解析のためGeneSpring(登録商標)ソフトウエアバージョン4.2.4および5(Silicon Genetics, Calif. USA)にロードした。
【0070】
データ解析
データ解析はSilicon GeneticsソフトウエアパッケージGeneSpringバージョン4.2.1および5を用いて行った。20以下の様々な平均値は20に設定した。これらのプログラムの種々のフィルターツールおよびクラスタリングツールを用いてデータセットを検索し、細胞機能および組織機能の変化を知らせ、化合物の作用様式に対する実行力のある仮説を立てるのに使用できる転写物レベルの変化を同定した。
【0071】
アップレギュレーションまたはダウンレギュレーションとみなす閾値範囲を、実施例の生物学的解釈の範囲内で決定する。
【0072】
これらのデータセットの情報は数値的変化と生物学的情報を組み合わせたものである。特定の遺伝子が関連するとみなす決定は、比較および統計アルゴリズムによって同定される数値変化と一般的な生物学的テーマを指し示す他の調節された遺伝子との関係の組合せに基づいた。このような関係の重要さは関連する科学文献の総説から解析者が評価した。
【0073】
特に断りのない限り、本明細書で報告される増加および低下は、転写物の存在量をさす。
【0074】
遺伝子発現プロファイリング サケ・カルシトニン50μg/動物/日を投与した群で多器官比較遺伝子プロファイリング分析を行った。分析のために選択した器官は肝臓、腎臓、脳下垂体、骨格筋、骨、十二指腸、脾臓および気管であった。
【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【0075】
さらに、PTS893の作用を骨において評価した。
【表40】

【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【0076】
リアルタイムPCR
DNAマイクロアレイデータに基づき、リアルタイム−PCR(RT−PCR)による定量分析のために転写物セットを選択した。
【0077】
要するに、この方法では、二本鎖DNAに取り込まれるSyBr Green色素を利用する。PCR産物の蓄積を、SyBr Green色素の蛍光の増強をモニタリングすることで直接検出する。一定回数のサイクル後に蓄積されたPCR産物の量ではなく、PCR産物の増幅が最初に検出されるサイクル中の時点によって反応を特徴づける。核酸標的の最初のコピー数が多いほど、早い時点で蛍光の有意な増強が見られる。
【0078】
各RNAサンプルから、製造者の推奨に従ってApplied Biosystemキット(Applied Biosystems # N808-0234)を用い、cDNAを作製した。PCR混合物はSyBr Green Universal PCR Master Mix (Applied Biosystems # 4309155)を用い、次のように調製した:5μlのcDNA鋳型、400nMの各プライマー、0.2mMのデオキシヌクレオチド三リン酸、1mMのMgCl2および0.5UのTaq DNAポリメラーゼ、5μlのSyBr Green PCRバッファーおよびRNアーゼフリー水を最終用量が50μlになるまで。PCRはABI Prism 7700 Sequence Detection Systemを用いて行い、95℃10分の工程の後、95℃30秒、60℃1分の全40サイクルでステップサイクルプログラムを行った。PCR反応混合物にcDNAサンプルの代わりに水を用いた陰性対照を含めた。
【0079】
最初の鋳型濃度をサイクル閾値に基づいて求めた。サイクル閾値とは、バックグラウンドを超える蛍光が最初に検出されるPCRサイクルであり、サンプル中に存在する標的のコピー数に反比例することが示されている。定量化は、絶対的標準に対して未知の標的濃度を算出し、ハウスキーピング遺伝子(β−アクチン)などのバリデートされた内部対照に対してノーマライズすることによって行った。対象遺伝子の分子数をβ−アクチンの分子数で割った割合が算出されれば、結果は対象のパーセンテージとして表される。
【0080】
DNAマイクロアレイデータに基づき、RT−PCRによる定量的分析のために次の転写物セットを選択した:接着レセプターCD44、アンギオポエチン、骨形成タンパク質5、炭酸脱水酵素II、軟骨オリゴマー基質タンパク質、カテプシンK、オステオポンチン、プレ−プロ−α−2 I型コラーゲン、Spi−BおよびY−ボックス結合タンパク質。
【表50】

【0081】
RT−PCRによれば、骨形成タンパク質5、炭酸脱水酵素II、カテプシンK、軟骨オリゴマー基質タンパク質、プレ−プロ−α−2I型コラーゲン、Spi−BおよびYボックス結合タンパク質の場合のようにほとんどの場合において遺伝子プロファイリング分析で変化が確認された。しかしながら、接着レセプターCD44、アンギオポエチン−1およびオステオポンチンの発現レベルには変化は検出されなかった。
【0082】
分析
カルシトニンは破骨細胞の分化、生存および再吸収活性に対する作用を発揮し、破骨細胞活性の低下をもたらすことが知られている。Pondel M, Intl. J. Exp. Pathol. 81(6): 405-22 (2000)。これらの作用は多器官遺伝子プロファイリングにより再構築することができる(表16)。
【表51】

【0083】
サケ・カルシトニンは、表17に示されるように、骨芽細胞におけるシスタチン発現を介して破骨細胞再吸収活性の傍分泌調節を示すものと思われる。
【表52】

【0084】
PU.1は破骨細胞形成の最初の段階に関与する。Tondravi MM et al., Nature 386(6620): 81-4 (1997)。CSF−1はマクロファージの成熟に不可欠であり、それは初期の破骨細胞前駆体上のそのレセプターc−fmsと結合し、それらの生存および増殖に必要なシグナルを生成する。Teitelbaum SL, Science 289(5484):1504-1508 (2000)。
【0085】
興味深いことに、PTS893はまた、破骨細胞の分化および生存に関与する遺伝子SPI1、CSF−1およびMMDを調節する。この破骨細胞調節はこれまでには記載されたことはなかった。
【0086】
サケ・カルシトニンは、破骨細胞の形成および骨再吸収を間接的に誘導する破骨細胞によって産生される細胞内タンパク質である破骨細胞刺激因子(OSF)をコードする遺伝子の発現を調節することが示されている。Reddy S et al., J. Cell Physiol. 177 (4): 636-45 (1998)。これは破骨細胞機能の調節におけるサケ・カルシトニンの自己分泌作用を意味し、このことは本明細書に初めて記載されるものである。
【0087】
さらに、サケ・カルシトニンは、骨芽細胞におけるシスタチン発現の調節を介して破骨細胞再吸収活性の傍分泌調節を示すものと思われる。炭酸脱水酵素I、II、H−ATPアーゼおよびカテプシンKは骨無機質の溶解および基質の分解の主要なエフェクターである。Blair HC et al., Biochem. (2002)。チューブリンおよびPAK4遺伝子の調節は破骨細胞運動性PAK4に対するカルシトニンの作用に関連がある可能性がある。Zaidi M et al., Bone 30(5): 655-63 (2002); Jaffer ZM & Chernoff J, Intl. J. Biochem. Cell Biol. 34(7): 713-7 (2002)。
【0088】
これらの結果は骨芽細胞機能の直接調節、自己分泌調節、傍分泌調節および内分泌調節に影響を及ぼす遺伝子に対するカルシトニンの調節作用を示している(表18)。これらのデータは、骨の同化作用をカルシトニンに帰する仮説を裏付けるものである。
【表53】

【0089】
本実施例の結果は、骨芽細胞機能の直接調節、自己分泌調節、傍分泌調節および内分泌調節に影響を及ぼす遺伝子に対するカルシトニンの調節作用を示している。これらのデータは、骨の同化作用をカルシトニンに帰する仮説を裏付けるものである。
【0090】
増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)、インスリン様増殖因子(IGF)および骨形成タンパク質(BMP)の3つのファミリーが骨形成の主要な局部レギュレーターであると考えられている。骨形成タンパク質は初期前駆体の骨細胞複製および骨芽細胞の傾倒に対して主要な作用を有すると考えられる。これに対し、TGB−βは傾倒した骨細胞の複製および骨芽細胞基質の生産の最も強力なインデューサーであると考えられるが、IGFは両因子の作用を統合し、拡大するものと思われる。McCarthy TL et al., Crit. Rev. Oral Biol. Med. 11(4): 409-22 (2000)。これらの結果は、サケ・カルシトニンおよびPTS893の両者は骨代謝に関連するこれらの局部的および全身性因子を調節することができるということを裏付けるものである。
【0091】
また、サケ・カルシトニンは、骨芽細胞においてTGF−β依存性のシグナル伝達を阻害するα2−HS糖タンパク質(AHSG)を調節するということもこの役割の裏付けとなる。AHSG欠損マウスは成長板の欠損、加齢による骨形成の増加、およびサイトカイン依存性の骨形成の増強を示す。Szweras M et al., J. Biol. Chem., 277(22): 19991-19997 (2002)。
【0092】
サケ・カルシトニンおよびPTS893はまた、血管内皮増殖因子(VEGF)をコードする遺伝子の発現を調節することも示されている。VEGFは正常な脈管形成および病的な脈管形成に重要な役割を果たすということが知られている。内軟骨性骨化中の骨形成の成功にとっての脈管形成の重要な役割については十分報告されている。VEGFは、内皮細胞の骨同化増殖因子産生を刺激することで、骨芽細胞の増殖と分化を間接的に誘導する。Wang DS et al., Endocrinology 138(7): 2953-62 (1997)。さらに、VEGFはヒト一次骨芽細胞の走化性を刺激するが、このことは骨の形成と再構成における機能的な役割を示唆している。Mayr-Wohlfahrt U et al., Bone 30 (3): 472-7 (2002)。
【0093】
骨の再吸収と形成の双方を媒介するための骨芽細胞に対する副甲状腺ホルモンの作用は広く記載されている。Swarthout JT et al., Gene 282(1-2):1-17 (2002)。ここでは破骨細胞の分化と活性の傍分泌活性化を媒介するインターロイキン6(IL−6)様のサイトカインに対するPTS893の作用を確認することができた。Greenfield EM et al., Life Sci. 65:1087-102 (1999)。PTS893はまた、核レセプター(ステロイド/甲状腺ファミリー)に対する強力なアップレギュレーションをもたらした。
【表54】

【表55】

【0094】
カルシトニンおよび副甲状腺ホルモンレセプターは両者ともGタンパク質レセプタースーパーファミリーに属す。レセプター刺激後、シグナル変換は、カルシトニンの場合にはアデニル酸シクラーゼ/cAMP/プロテインキナーゼ、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD、およびMAPK(後期エフェクターとして)経路により、副甲状腺ホルモンの場合にはアデニル酸シクラーゼおよびホスホリパーゼCにより媒介される。遺伝子プロファイリング分析により、処置によって調節され、かつ、種々のレベルのシグナル変換経路に位置する遺伝子を示すこれらの経路の再構築が可能となった。
【表56】

【0095】
サケ・カルシトニンはまた、表21に示されるように、サイクリンおよびサイクリン関連タンパク質における変化も観察できたことから、細胞周期に対しても直接的影響を示すものと思われる。
【表57】

【表58】

【0096】
骨形成タンパク質(BMP)は、Smadタンパク質を介して骨芽細胞の増殖と分化を制御する。抗増殖性のタンパク質の新たなファミリーのメンバーであるTobは、骨芽細胞におけるBMP/Smadシグナル伝達の負のレギュレーターである。Smad経路ならびにそれらのレギュレーターの1つとしてのTobはまた、sCTおよびPTS893処置によって調節される遺伝子としても同定され、骨再構成のBMP調節に対する両化合物の仮定される作用と一致していた。本明細書の範囲内では、両化合物は、サイクリンおよびサイクリン関連タンパク質における変化も観察できたことから、細胞周期に対しても直接的影響を示すものと思われる。
【0097】
両化合物は細胞外マトリックス成分の合成と分解もまた調節する(表22)。
【表59】

【0098】
サケ・カルシトニンはまた、表23に示されるように、細胞外マトリックス成分の合成と分解も調節する。
【表60】

【表61】

【0099】
両処置によって、そして、サケ・カルシトニン群において分析された6つの器官のうちの4つで調節されると思われるYボックス結合タンパク質(YB−1)の調節が特に着目される。YB−1は、コラーゲンα1(I)遺伝子の遠位領域においてTGF−β応答エレメントと相互作用するタンパク質である。YB−1タンパク質はコラーゲンプロモーターを活性化し、繊維芽細胞に対するTGF−βの添加の際に核へ転流するが、このことはTGF−βシグナル伝達におけるこのタンパク質の役割を示唆するものである。Sun W et al., Matrix Biol. 20(8): 527-41 (2001)。
【0100】
さらに、サケ・カルシトニンおよびPTS893は、アメロゲニン、デンチンおよびエクトヌクレオチドピロホスファターゼにおける変化が見られたことから、骨細胞外マトリックスの石灰化のいくつかの側面を調節した。
【表62】

【0101】
本明細書引用された全ての参照文献は、あらゆる目的で、個々の各刊行物または特許もしくは特許出願があらゆる目的で出典明示によりそのまま本明細書の一部とされることが具体的かつ個々に示されている場合と同じように、出典明示によりそのまま本明細書の一部とされる。さらに、本明細書に引用された全てのGenBank受託番号、Unigene Cluster番号およびタンパク質受託番号は、あらゆる目的で、このような各番号があらゆる目的で出典明示によりそのまま本明細書の一部とされることが具体的かつ個々に示されている場合と同じように、出典明示によりそのまま本明細書の一部とされる。
【0102】
本発明は、本発明の個々の態様の一例として意図される、本願に記載される特定の実施形態に限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本発明は、その精神および範囲から逸脱せずに多くの改良および変更をなし得る。本明細書で列挙されたものの他、本発明の範囲内にある機能的に等価の方法および装置は、当業者には以上の記載および添付の図面から明らかであろう。このような改変および変更は添付の特許請求の範囲内にあるものとする。本発明は、このような特許請求の範囲が権利を与える等価物の全範囲を含む、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛋白同化剤による処置が指示される症状の処置用薬剤の製造におけるカルシトニンの使用。
【請求項2】
前記症状がアテローム性動脈硬化症である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記カルシトニンがサケ・カルシトニンである、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
カルシトニンが投与される患者によるカルシトニン有効性の指標となる遺伝子発現プロフィールに基づいて選択される、患者集団のカルシウム代謝障害の処置用薬剤の製造におけるカルシトニンの使用。
【請求項5】
前記カルシトニンがサケ・カルシトニンである、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記カルシトニンが、患者による遺伝子発現プロフィールを判定する前に治療用量で投与される、請求項4または5に記載の使用。
【請求項7】
前記カルシトニンが、患者による遺伝子発現プロフィールを判定する前に治療用量より低い量で投与される、請求項4または5に記載の使用。
【請求項8】
患者集団が、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体が投与される患者による副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体有効性の指標となる遺伝子発現プロフィールに基づいて選択され、その選択された患者集団のカルシウム代謝障害の処置用薬剤の製造における、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体の使用。
【請求項9】
副甲状腺ホルモン類似体がPTS893である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体が、患者による遺伝子発現プロフィールを判定する前に治療用量で投与される、請求項8または9に記載の使用。
【請求項11】
副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体が、患者による遺伝子発現プロフィールを判定する前に治療用量より低い量で投与される、請求項8または9に記載の使用。
【請求項12】
対象において、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せの投与が指示される症状を処置する方法であって、
(a)対象に化合物を投与するステップ;
(b)対象の遺伝子発現プロフィールを得るステップ、この遺伝子発現プロフィールは1以上の遺伝子の遺伝子発現パターンを含み、その1以上の遺伝子の発現パターンは前記化合物の投与の結果である、および
(c)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールを、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せによる処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと比較するステップ
を含み、化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールにおけるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールとの類似性が前記化合物による処置の有効性の指標となる、方法。
【請求項13】
前記症状が、サケ・カルシトニンが指示されるものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記症状が、PTS893が指示されるものである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
投与される化合物がカルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せである、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記カルシトニンがサケ・カルシトニンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記副甲状腺ホルモン類似体がPTS893である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
対象が哺乳類である、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記哺乳類が霊長類である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記霊長類がカニクイザルまたはヒトである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記バイオマーカー遺伝子発現プロフィールが、化合物の投与前の対象の基準遺伝子発現プロフィールである、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記バイオマーカー遺伝子発現プロフィールが、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せが投与された脊椎動物の遺伝子発現プロフィールまたは平均遺伝子発現プロフィールである、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記遺伝子発現プロフィールが、酸性ホスファターゼ1イソ型a;アクチビンAレセプターII型様1;アクチビンAIIB型レセプター前駆体;アクチビンβC鎖;α2HS糖タンパク質;アメロゲニン;アネキシンV;アリールスルファターゼE前駆体;液胞型ATPアーゼH(+);液胞型ATPアーゼH(+)サブユニット;H+輸送性リソソームATPアーゼ;H+輸送性リソソームATPアーゼ;H輸送性リソソームATPアーゼ;ビグリカン;骨形成タンパク質1;骨形成タンパク質10;骨形成タンパク質2A;骨形成タンパク質5;骨形成タンパク質6前駆体;カルシウム結合タンパク質1(カルブレイン);カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMキナーゼ)IIγ;カルレティキュリン;cAMP応答エレメントモジュレーター(CREM);炭酸脱水酵素I;炭酸脱水酵素II;軟骨オリゴマー基質タンパク質前駆体;カテプシンK;カテプシンW;CDC様キナーゼ1;CDC様キナーゼ2イソ型hclk2/139;コンドロイチン硫酸プロテオグリカン2(バーシカン);コンドロイチン硫酸プロテオグリカン3(ニューロカン);絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン1;キモトリプシンC(カルデクリン);1型コラーゲンおよびPDGFB融合転写物;II型コラーゲンα1;III型コラーゲンα1;IV型コラーゲンα2;IX型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα2(AA570998);XI型コラーゲンα1;XI型コラーゲンα2;XI型コラーゲンα2;I型コラーゲンα2;IV型コラーゲンα1;IX型コラーゲンα2;V型コラーゲンα2;VI型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα1前駆体;XVI型コラーゲンα1;XVI型コラーゲンα1;コラゲナーゼ3(マトリックスメタロプロテイナーゼ13);結合組織増殖因子;サイクリンA2;サイクリンB1;サイクリンD2;サイクリンE2;サイクリン依存性キナーゼ5;サイクリン依存性キナーゼ5調節サブユニット1(p35);サイクリン依存性キナーゼ6;サイクリン依存性キナーゼインヒビター1A(p21,Cip1);シスタチンB(ステフィンB);サイトカイン誘導性キナーゼ;細胞死関連プロテインキナーゼ1;細胞死関連プロテインキナーゼ3;デンチンマトリックス酸性リンタンパク質1(DMP1);二重特異性ホスファターゼ9;筋緊張性ジストロフィープロテインキナーゼ;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1;内皮分化Gタンパク質共役レセプター6前駆体;エストロゲンレセプター;エストロゲンレセプター;エストロゲンレセプター関連タンパク質;エストロゲン応答性Bボックスタンパク質(EBBP);繊維芽細胞活性化タンパク質;繊維芽細胞増殖因子1(酸性);繊維芽細胞増殖因子18;繊維芽細胞増殖因子4;繊維芽細胞増殖因子レセプター;フォリスタチン様1;フォリスタチン様1;代謝型グルタミン酸レセプター1;GPI1 Nアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ成分Gpi1;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(CSF1);増殖停止およびDNA傷害誘導性α;増殖因子レセプター結合タンパク質10;ヘパラン硫酸プロテオグリカン2(ペルレカン);イノシトール1,4,5三リン酸レセプター1型;イノシトール1,4,5三リン酸レセプター1型;イノシトール1,4,5三リン酸レセプター2型;イノシトール1,4,5三リン酸(trisphosphate)3キナーゼイソ酵素;イノシトールポリリン酸4ホスファターゼI型β;イノシトールポリリン酸5ホスファターゼ;イノシトール(ミオ)1(または4)モノホスファターゼ1;イノシトール(ミオ)1(または4)モノホスファターゼ2;インスリン様増殖因子(IGF II);インスリン様増殖因子2(ソマトメジンA);インスリン様増殖因子結合タンパク質;インスリン様増殖因子結合タンパク質2;インスリン様増殖因子結合タンパク質3;インスリン様増殖因子結合タンパク質5;インスリン様増殖因子結合タンパク質2;インスリン様増殖因子II前駆体;インスリン様増殖因子II前駆体;インテグリンα10サブユニット;インターロイキン1関連キナーゼ;Janusキナーゼ3;LIMタンパク質(ラットプロテインキナーゼC結合enigmaに類似);リシルオキシダーゼ様タンパク質;MAD,mothers against decapentaplegic homolog 3;MAGUK(膜関連グアニル酸キナーゼホモログ;MAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MTK1);MAPK13:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ13;MAPK8IP1:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ8相互作用タンパク質1;MEKキナーゼ;メタロプロテイナーゼ;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ8;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ3;MMD:単球・マクロファージ分化関連;ニューロコンドリン;細胞質カルシニュリン依存性活性化T細胞の核因子1;OS 4タンパク質(OS 4);OSF 2os骨芽細胞特異的因子2(ペリオスチン);破骨細胞刺激因子(OSF);PAK4;PDGF関連タンパク質;ホスファチジルイノシトール4キナーゼの触媒βポリペプチド;クラスLホスファチジルイノシトールグリカン;ホスファチジルイノシトールポリリン酸5ホスファターゼイソ型b;ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼイソ型C(1);I型ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼβ;II型ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼβ;クラスCホスファチジルイノシトールグリカン(PIG C);cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4A;cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4D(dunce(ショウジョウバエ)ホモログホスホジエステラーゼE3);カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼIB;ホスホイノシチド3キナーゼ;ホスホイノシチド3キナーゼの触媒γポリペプチド;クラス3ホスホイノシチド3キナーゼ;ホスホリパーゼCb3;ホスホリパーゼCβ4;ホスホリパーゼD;ホスファチジル(phosphotidyl)イノシトール輸送タンパク質;PKD2プロテインキナーゼD2;I型プレプロコラーゲンα2;I型プレプロコラーゲンα1;II型プロコラーゲンα1;プロコラーゲンリシン5ジオシゲナーゼ;プロコラーゲンプロリン2オキソグルタル酸4ジオシゲナーゼ(プロリン4ヒドロキシラーゼ)αポリペプチドI;プロゲスターゲン関連子宮内膜タンパク質(胎盤タンパク質14、妊娠関連子宮内膜α2グロブリン、α子宮タンパク質);プロリダーゼ(イミドジペプチダーゼ)PEPD;増殖細胞核抗原;プロリル4ヒドロキシラーゼβ;セリンプロテアーゼ11(IGF結合型);プロテアソーム(prosome、macropain)サブユニットβ型10;活性化STAT Xのタンパク質インヒビター;プロテインキナーゼ1 PCTAIRE;プロテインキナーゼC基質80K H;プロテインキナーゼCα;cAMP依存性プロテインキナーゼの触媒γ;cAMP依存性プロテインキナーゼI型の調節β;cAMP依存性プロテインキナーゼII型の調節α;Gタンパク質共役型プリンレセプターP2Y 11;RAC2 Ras関連C3ボツリヌス菌毒素基質2(rhoファミリー、小GTP結合タンパク質Rac2);レセプターチロシンキナーゼDDR;レチノイドXレセプターγ;リボゾームタンパク質S6キナーゼ;リボゾームタンパク質S6キナーゼの90kDポリペプチド3;SCAMP1:分泌型担体膜タンパク質1(小胞輸送);分泌型リンタンパク質1(オステオポンチン、骨シアロタンパク質I、初期Tリンパ球活性化1);セリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードH(熱ショックタンパク質47)メンバー2;セリン/トレオニンキナーゼ38;セリン/トレオニンプロテインキナーゼ;SF1;ステロイド合成因子1;シグナル伝達・転写活性化因子1;シグナル伝達・転写活性化因子2、113kD;シグナル伝達・転写活性化因子5A;シグナル伝達・転写活性化因子5A;シグナル伝達・転写活性化因子6(STAT6);Smad 3;レセプター活性化のためのSmadアンカーイソ型1;Smad5;SMAD6(BMP/Smad1(MADH1)を阻害);SNF 1関連キナーゼ;Spi B転写因子(Spi 1/PU.1関連);Stat5b(stat5b);Ste20関連セリン/トレオニンキナーゼ;TEIG;TGFB誘導性初期増殖応答;TGFB誘導性初期増殖応答;TIEG;TGFB1誘導型抗アポトーシス因子1;TGFβ誘導型アポトーシスタンパク質12;TGFβ前駆体;TGFβスーパーファミリータンパク質;Tob;tousled様キナーゼ1;トランスフォーミング増殖因子βレセプターIII(βグリカン、300kD);トランスフォーミング増殖因子β3(TGFβ3);TRIO:三官能性ドメイン(PTPRF相互作用);チューブリンα1;チューブリンα3;チューブリンαイソ型H2α;チューブリンβ2;チューブリンβ3;チューブリンβ4;チューブリンβ補因子D;VI型コラーゲンα2鎖前駆体;ユビキチン担体タンパク質E2C;血管内皮増殖因子;血管内皮増殖因子;血管内皮増殖因子B;およびYボックス結合タンパク質1からなる群から選択される1以上の遺伝子を含む、請求項12〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記遺伝子発現プロフィールが、骨形成タンパク質5;軟骨オリゴマー基質タンパク質;カテプシンK;プレ−プロ−α−2 I型コラーゲン;およびY−ボックス結合タンパク質(骨および腎臓)からなる群から選択される1以上の遺伝子の増加を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
骨における遺伝子発現プロフィールが、炭酸脱水酵素II;Spi−B;およびY−ボックス結合タンパク質(筋肉)からなる群から選択される1以上の遺伝子の低下を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
骨における遺伝子発現プロフィールが、PU.1(SPI1;Spi−B);顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(CSF1)および単球・マクロファージ分化関連(MMD)からなる群から選択される1以上の遺伝子を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
骨における遺伝子発現プロフィールが破骨細胞刺激因子(OSF)の発現の変化を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
骨における遺伝子発現プロフィールが血管内皮増殖因子(VEGF)の発現の変化を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
骨における遺伝子発現プロフィールが、インテグリン;コラゲナーゼ;マトリックスメタロプロテイナーゼIおよびII;プロコラーゲンエンドペプチダーゼ/プロテイナーゼ;リシルヒドロキシラーゼ;アグレカン;軟骨オリゴマー基質タンパク質前駆体;I型、II型、III型、IV型、V型、VI型、IX型、X型、XI型、XIII型、XIV型、XV型およびXVI型コラーゲン;コンドロイチン硫酸プロテオグリカン;デルマトポンチン;ヘパラン硫酸プロテオグリカン;およびシンデカンからなる群から選択される遺伝子の発現の変化を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
骨における遺伝子発現プロフィールがアメロゲニン;デンチン;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ;およびVEGFからなる群から選択される遺伝子の発現の変化を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せの投与が指示される症状の処置の有効性に関する化合物の有効性を判定するための臨床試験に含める対象を選択する方法であって、
(a)化合物を対象に投与するステップ;
(b)対象の遺伝子発現プロフィールを得るステップ(この遺伝子発現プロフィールは1以上の遺伝子の遺伝子発現パターンを含み、これら1以上の遺伝子の発現パターンは化合物の投与の結果である);
(c)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールをバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと比較するステップ;および
(d)その後、
(i)その、化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せによる処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと類似している場合には、その対象を臨床試験に含め;または
(ii)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体またはその組合せによる処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと類似していない場合には、その対象を臨床試験から除外するステップ
を含む、方法。
【請求項32】
前記化合物が対象に治療用量より低い量で投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
化合物がカルシトニンに類似の治療有効性を有するかどうかを判定する方法であって、
(a)化合物を対象に投与するステップ;
(b)対象の遺伝子発現プロフィールを得るステップ(この遺伝子発現プロフィールは1以上の遺伝子の遺伝子発現パターンを含み、これら1以上の遺伝子の発現パターンは化合物の投与の結果である);
(c)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールを、カルシトニンによる処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと比較するステップ;および
(d)その後、
(i)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、カルシトニンが投与される対象のバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと類似している場合には、その化合物はカルシトニンと類似の治療有効性を有するものと判定し;または
(ii)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、カルシトニンが投与される対象のバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと異なっている場合には、その化合物はカルシトニンとは異なる治療有効性を有するものと判定するステップ
を含む、方法。
【請求項34】
前記カルシトニンがサケ・カルシトニンである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記対象が哺乳類である、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記哺乳類が霊長類である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記霊長類がカニクイザルまたはヒトである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記化合物が対象に治療用量より低い量で投与される、請求項33〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
化合物が副甲状腺ホルモン類似体に類似の治療有効性を有するかどうかを判定する方法であって、
(a)化合物を対象に投与するステップ;
(b)対象の遺伝子発現プロフィールを得るステップ(この遺伝子発現プロフィールは1以上の遺伝子の遺伝子発現パターンを含み、これら1以上の遺伝子の発現パターンは化合物の投与の結果である);
(c)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールを、副甲状腺ホルモン類似体による処置の有効性の指標となるバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと比較するステップ;および
(d)その後、
(i)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、副甲状腺ホルモン類似体が投与される対象のバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと類似している場合には、その化合物は副甲状腺ホルモン類似体と類似の治療有効性を有するものと判定し;または
(ii)化合物が投与された対象の遺伝子発現プロフィールが、副甲状腺ホルモン類似体が投与される対象のバイオマーカー遺伝子発現プロフィールと異なっている場合には、その化合物は副甲状腺ホルモン類似体とは異なる治療有効性を有するものと判定するステップ
を含む、方法。
【請求項40】
前記副甲状腺ホルモン類似体がPTS893である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記対象が哺乳類である、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記哺乳類が霊長類である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記霊長類がカニクイザルまたはヒトである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物が対象に治療用量より低い量で投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
カルシトニン、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体の投与が指示される症状の処置有効性を判定する際に用いるためのキットであって、
(a)カルシトニン、副甲状腺ホルモンまたは副甲状腺ホルモン類似体の投与が指示される症状の処置有効性のバイオマーカーを検出するための試薬;
(b)その試薬の容器;および
(c)その症状の処置方法を決定する際のバイオマーカーの使用について記載した容器上または容器内の表示物
を含む、キット。
【請求項46】
前記試薬が遺伝子チップである、請求項45に記載のキット。
【請求項47】
前記試薬がハイブリダイゼーションプローブである、請求項45に記載のキット。
【請求項48】
前記試薬が遺伝子増幅試薬である、請求項45に記載のキット。
【請求項49】
前記バイオマーカーが、酸性ホスファターゼ1イソ型a;アクチビンAレセプターII型様1;アクチビンAIIB型レセプター前駆体;アクチビンβC鎖;α2HS糖タンパク質;アメロゲニン;アネキシンV;アリールスルファターゼE前駆体;液胞型ATPアーゼH(+);液胞型ATPアーゼH(+)サブユニット;H+輸送性リソソームATPアーゼ;H+輸送性リソソームATPアーゼ;H輸送性リソソームATPアーゼ;ビグリカン;骨形成タンパク質1;骨形成タンパク質10;骨形成タンパク質2A;骨形成タンパク質5;骨形成タンパク質6前駆体;カルシウム結合タンパク質1(カルブレイン);カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMキナーゼ)IIγ;カルレティキュリン;cAMP応答エレメントモジュレーター(CREM);炭酸脱水酵素I;炭酸脱水酵素II;軟骨オリゴマー基質タンパク質前駆体;カテプシンK;カテプシンW;CDC様キナーゼ1;CDC様キナーゼ2イソ型hclk2/139;コンドロイチン硫酸プロテオグリカン2(バーシカン);コンドロイチン硫酸プロテオグリカン3(ニューロカン);絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン1;キモトリプシンC(カルデクリン);1型コラーゲンおよびPDGFB融合転写物;II型コラーゲンα1;III型コラーゲンα1;IV型コラーゲンα2;IX型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα2(AA570998);XI型コラーゲンα1;XI型コラーゲンα2;XI型コラーゲンα2;I型コラーゲンα2;IV型コラーゲンα1;IX型コラーゲンα2;V型コラーゲンα2;VI型コラーゲンα1;VI型コラーゲンα1前駆体;XVI型コラーゲンα1;XVI型コラーゲンα1;コラゲナーゼ3(マトリックスメタロプロテイナーゼ13);結合組織増殖因子;サイクリンA2;サイクリンB1;サイクリンD2;サイクリンE2;サイクリン依存性キナーゼ5;サイクリン依存性キナーゼ5調節サブユニット1(p35);サイクリン依存性キナーゼ6;サイクリン依存性キナーゼインヒビター1A(p21,Cip1);シスタチンB(ステフィンB);サイトカイン誘導性キナーゼ;細胞死関連プロテインキナーゼ1;細胞死関連プロテインキナーゼ3;デンチンマトリックス酸性リンタンパク質1(DMP1);二重特異性ホスファターゼ9;筋緊張性ジストロフィープロテインキナーゼ;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1;エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1;内皮分化Gタンパク質共役レセプター6前駆体;エストロゲンレセプター;エストロゲンレセプター;エストロゲンレセプター関連タンパク質;エストロゲン応答性Bボックスタンパク質(EBBP);繊維芽細胞活性化タンパク質;繊維芽細胞増殖因子1(酸性);繊維芽細胞増殖因子18;繊維芽細胞増殖因子4;繊維芽細胞増殖因子レセプター;フォリスタチン様1;フォリスタチン様1;代謝型グルタミン酸レセプター1;GPI1 Nアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ成分Gpi1;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(CSF1);増殖停止およびDNA傷害誘導性α;増殖因子レセプター結合タンパク質10;ヘパラン硫酸プロテオグリカン2(ペルレカン);イノシトール1,4,5三リン酸レセプター1型;イノシトール1,4,5三リン酸レセプター1型;イノシトール1,4,5三リン酸レセプター2型;イノシトール1,4,5三リン酸3キナーゼイソ酵素;イノシトールポリリン酸4ホスファターゼI型β;イノシトールポリリン酸5ホスファターゼ;イノシトール(ミオ)1(または4)モノホスファターゼ1;イノシトール(ミオ)1(または4)モノホスファターゼ2;インスリン様増殖因子(IGF II);インスリン様増殖因子2(ソマトメジンA);インスリン様増殖因子結合タンパク質;インスリン様増殖因子結合タンパク質2;インスリン様増殖因子結合タンパク質3;インスリン様増殖因子結合タンパク質5;インスリン様増殖因子結合タンパク質2;インスリン様増殖因子II前駆体;インスリン様増殖因子II前駆体;インテグリンα10サブユニット;インターロイキン1関連キナーゼ;Janusキナーゼ3;LIMタンパク質(ラットプロテインキナーゼC結合enigmaに類似);リシルオキシダーゼ様タンパク質;MAD,mothers against decapentaplegic homolog 3;MAGUK(膜関連グアニル酸キナーゼホモログ;MAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MTK1);MAPK13:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ13;MAPK8IP1:マイトジェン活性化プロテインキナーゼ8相互作用タンパク質1;MEKキナーゼ;メタロプロテイナーゼ;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ8;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ3;MMD:単球・マクロファージ分化関連;ニューロコンドリン;細胞質カルシニュリン依存性活性化T細胞の核因子1;OS 4タンパク質(OS 4);OSF 2os骨芽細胞特異的因子2(ペリオスチン);破骨細胞刺激因子(OSF);PAK4;PDGF関連タンパク質;ホスファチジルイノシトール4キナーゼの触媒βポリペプチド;クラスLホスファチジルイノシトールグリカン;ホスファチジルイノシトールポリリン酸5ホスファターゼイソ型b;ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼイソ型C(1);I型ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼβ;II型ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼβ;クラスCホスファチジルイノシトールグリカン(PIG C);cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4A;cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4D(dunce(ショウジョウバエ)ホモログホスホジエステラーゼE3);カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼIB;ホスホイノシチド3キナーゼ;ホスホイノシチド3キナーゼの触媒γポリペプチド;クラス3ホスホイノシチド3キナーゼ;ホスホリパーゼCb3;ホスホリパーゼCβ4;ホスホリパーゼD;ホスファチジルイノシトール輸送タンパク質;PKD2プロテインキナーゼD2;I型プレプロコラーゲンα2;I型プレプロコラーゲンα1;II型プロコラーゲンα1;プロコラーゲンリシン5ジオシゲナーゼ;プロコラーゲンプロリン2オキソグルタル酸4ジオシゲナーゼ(プロリン4ヒドロキシラーゼ)αポリペプチドI;プロゲスターゲン関連子宮内膜タンパク質(胎盤タンパク質14、妊娠関連子宮内膜α2グロブリン、α子宮タンパク質);プロリダーゼ(イミドジペプチダーゼ)PEPD;増殖細胞核抗原;プロリル4ヒドロキシラーゼβ;セリンプロテアーゼ11(IGF結合型);プロテアソーム(prosome、macropain)サブユニットβ型10;活性化STAT Xのタンパク質インヒビター;プロテインキナーゼ1 PCTAIRE;プロテインキナーゼC基質80K H;プロテインキナーゼCα;cAMP依存性プロテインキナーゼの触媒γ;cAMP依存性プロテインキナーゼI型の調節β;cAMP依存性プロテインキナーゼII型の調節α;Gタンパク質共役型プリンレセプターP2Y 11;RAC2 Ras関連C3ボツリヌス菌毒素基質2(rhoファミリー、小GTP結合タンパク質Rac2);レセプターチロシンキナーゼDDR;レチノイドXレセプターγ;リボゾームタンパク質S6キナーゼ;リボゾームタンパク質S6キナーゼの90kDポリペプチド3;SCAMP1:分泌型担体膜タンパク質1(小胞輸送);分泌型リンタンパク質1(オステオポンチン、骨シアロタンパク質I、初期Tリンパ球活性化1);セリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードH(熱ショックタンパク質47)メンバー2;セリン/トレオニンキナーゼ38;セリン/トレオニンプロテインキナーゼ;SF1;ステロイド合成因子1;シグナル伝達・転写活性化因子1;シグナル伝達・転写活性化因子2、113kD;シグナル伝達・転写活性化因子5A;シグナル伝達・転写活性化因子5A;シグナル伝達・転写活性化因子6(STAT6);Smad 3;レセプター活性化のためのSmadアンカーイソ型1;Smad5;SMAD6(BMP/Smad1(MADH1)を阻害);SNF 1関連キナーゼ;Spi B転写因子(Spi 1/PU.1関連);Stat5b(stat5b);Ste20関連セリン/トレオニンキナーゼ;TEIG;TGFB誘導性初期増殖応答;TGFB誘導性初期増殖応答;TIEG;TGFB1誘導型抗アポトーシス因子1;TGFβ誘導型アポトーシスタンパク質12;TGFβ前駆体;TGFβスーパーファミリータンパク質;Tob;tousled様キナーゼ1;トランスフォーミング増殖因子βレセプターIII(βグリカン、300kD);トランスフォーミング増殖因子β3(TGFβ3);TRIO:三官能性ドメイン(PTPRF相互作用);チューブリンα1;チューブリンα3;チューブリンαイソ型H2α;チューブリンβ2;チューブリンβ3;チューブリンβ4;チューブリンβ補因子D;VI型コラーゲンα2鎖前駆体;ユビキチン担体タンパク質E2C;血管内皮増殖因子;血管内皮増殖因子;血管内皮増殖因子B;およびYボックス結合タンパク質1からなる群から選択される1以上の遺伝子を含む、請求項45〜48のいずれか一項に記載のキット。


【公表番号】特表2007−522100(P2007−522100A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540372(P2006−540372)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013347
【国際公開番号】WO2005/053731
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】