説明

カーテン塗布方法及び装置

【課題】カーテン膜塗布液端部の周りの空気による不安定な揺らぎを抑制し、カーテン膜
の切れ上がりを抑制することができるカーテン塗布装置およびカーテン塗布方法を提供す
ること。
【解決手段】少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布方法において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新する。この方法を実施する装置では、前記爪部のカーテン液膜接液面を更新する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン塗布方法及び装置に関し、詳しくは、少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布方法及びカーテン塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーテン塗布方法は、写真フィルム等の写真感光材料等の製造によく用いられている塗布方法であり、図1に示すように、塗布液をカーテン塗工ヘッド1のノズルスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイド2で自由落下させ、形成されたカーテン膜3を連続走行するウェブ5上に衝突させながら塗布膜を形成させる方法や、図2に示すように、塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をスライド面7上で移動させ、その塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイド2で自由落下させ、形成されたカーテン膜3を連続走行するウェブ5上に衝突させながら塗布膜を形成させる方法がある。また、多層塗工においては、各々の機能の違う塗布液を各々のノズルスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、形成されたカーテン膜を連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させる方法や、各々の機能の違う塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をスライド面上で積層し、その積層した塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、形成されたカーテン膜を連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させる方法がある。
【0003】
ところで、このような塗布膜形成方法では、塗布液がスライド面を流れる際に、該スライド面の両端部で塗布液の流れが遅い部分が発生し、その流速差により、端部の液が中心側に縮流する現象を起こす。このため、前記塗布液を自由落下させ、形成されたカーテン膜を連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させると、該塗布膜における幅方向端部での前記塗布液の付着量が多くなるといった欠点がある。このため、前記塗布膜の乾燥時に未乾燥部分が生じて、製品巻き取り時にブロッキングが発生したり、端部が盛り上がることにより、巻き取り時にウェブが切れたりして、生産効率が低下する。これに対し、乾燥温度を高くすることも考えられるが、例えば、感熱紙の塗工では、塗膜の温度が高くなると発色し、製品不良を生じるという問題があり、乾燥温度上昇という手段は使えない場合が多い。
【0004】
このような塗工端部における前記塗布液の付着量が多くなる現象を防止するために、スライド面両端のエッジ部に沿って補助液を流し、該スライド面両端における塗布液の流速を中心流速に近づける方法が多く知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。そして図3に示したように、前記補助液9はカーテンエッジガイド゛2下端で吸引し、回収している。
【0005】
しかしながら、この補助液の回収時に塗布液も少し回収されることで、図4に示したように、爪部10及び吸引口11に液粕(S)が溜まる。これは、補助液9の回収時に爪部10の塗布液接液面のカーテン膜のウェブ進行方向側及びその反対側の気液界面で吸引により、空気の流れが速い部分ができることで、爪部接触部分の流れが遅くなった塗布液が乾燥する為に生じる現象である。そして、連続生産時にカーテンエッジガイド2の下端爪部10で時間と共に液粕(S)が溜まり、爪部10先端で保持していたカーテン膜3が液粕(S)により保持できなくなり、カーテン膜3が切れ上がることで塗布膜の幅方向の端部付着量が多くなるといった欠点がある。その為、生産時に塗布膜幅が均一で無いことにより、製品ロスが大きくなる。また、塗布膜の幅方向の端部付着量が多くなることにより、製造時に乾燥不良により、未乾燥部分が生じて、製造中にウェブの搬送ロールに塗布液が付着し、その後のウェブ塗膜表面を汚したり、製品巻き取り時にブロッキングが発生したり、端部が盛り上がることで巻き取り時にウェブが切れたりすることが起こり、生産効率が低下する。
【0006】
カーテン塗布方法に於けるカーテン膜の揺れ防止、および、切れ上り防止の為に、特許文献6(Troller Schweizer Engineering)には、カーテンエッジガイド゛に多孔質材を使用し、カーテン塗布液との接液面に均等に補助液を流すカーテン塗布方法、また特許文献7(三菱製紙株式会社)には、カーテンエッジガイド゛のカーテン塗布液との接液面に板ガラスを使用するカーテン塗布方法が記載されている。しかし、これら特許文献6及び7にはカーテンエッジガイド゛下端の塗布液・補助液の液粕の除去に関してまでは、記載されていない。
【0007】
なお、図18は前記“切れ上り”がない状態と、“切れ上り”がある状態とを模式図的に表したものである。
【0008】
【特許文献1】特開2000−513号公報
【特許文献2】特開2000−218209号公報
【特許文献3】特開2001−104856号公報
【特許文献4】特表2005−512768号公報
【特許文献5】特開2008−93656号公報
【特許文献6】特開平11−188299号公報
【特許文献7】特開2001−46939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、カーテンエッジガイド下端爪部及び吸引口での液粕の溜まりを極力阻止して、カーテンエッジガイドでのカーテン膜の切れ上がりを抑制するカーテン塗布方法、及びカーテン塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係るカーテン塗布方法およびカーテン塗布装置、具体的には下記(1)〜(36)に記載の技術的特徴を有する。
【0011】
(1)少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布方法において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新することを特徴とするカーテン塗布方法。
(2)前記爪部を少なくとも一定期間の塗布後、移動させ、往復させて該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする上記(1)に記載のカーテン塗布方法。
(3)前記爪部を連続往復運動させながら塗布を行うと共に、該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする上記(1)に記載のカーテン塗布方法。
(4)前記爪部の往復運動の速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のカーテン塗布方法。
【0012】
(5)前記爪部を円板状とし、少なくとも一定期間の塗布後、該円板状爪部を回転させて該円板状爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする上記(1)に記載のカーテン塗布方法。
(6)前記爪部を円板状とし、該円板状爪部を連続回転させながら塗布を行うと共に、該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする上記(1)に記載のカーテン塗布方法。
(7)前記円板状爪部の半径を10〜50mmとすることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のカーテン塗布方法。
(8)前記円板状爪部の回転速度が0.0001〜0.05m/secであることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【0013】
(9)前記爪部の先端に傾斜角をもたせて塗布を行うことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
(10)前記爪部先端の傾斜角を0°〜45°とすることを特徴とする上記(9)に記載のカーテン塗布方法。
【0014】
(11)前記カーテンエッジガイドが磁性体物質を備え、かつ前記爪部の一部及び全体を磁性体物質または該カーテンエッジの磁性体物質と引き合う物質にすることで、該爪部の取り付けを可能にしたことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【0015】
(12)前記爪部を帯状とし、少なくとも一定期間のカーテン塗布後、該帯状爪部を帯状として移動させて該帯状爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする上記(1)に記載のカーテン塗布方法。
(13)前記帯状爪部を帯状とし、該帯状爪部を帯状として連続移動させながら塗布を行うと共に、該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする上記(1)に記載のカーテン塗布方法。
(14)前記帯状爪部の移動速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載のカーテン塗布方法。
【0016】
(15)前記爪部の塗布液接液面の表面を、疎水性機能を有する部材とすることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【0017】
(16)前記爪部に溜まる液粕を清掃することを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
(17)前記液粕の清掃にブラシが使用されることを特徴とする上記(16)に記載のカーテン塗布方法。
(18)前記液粕の清掃にスクレパーブレードが使用されることを特徴とする上記(16)に記載のカーテン塗布方法。
【0018】
(19)少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布装置において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新させる機能を備えたことを特徴とするカーテン塗布装置。
(20)前記爪部を移動させ往復させる機能を備えたことを特徴とする上記(19)に記載のカーテン塗布装置。
(21)前記爪部を連続往復運動させる機能をことを特徴とする上記(19)に記載のカーテン塗布装置。
(22)前記爪部の往復運動の速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする上記(20)又は(21)に記載のカーテン塗布装置。
【0019】
(23)前記爪部を円板状爪部とし、該円板状爪部を回転させる機能を備えたことを特徴とする上記(19)に記載のカーテン塗布装置。
(24)前記爪部を円板状爪部とし、該円板状爪部を連続回転させる機能を備えたことを特徴とする上記(19)に記載のカーテン塗布装置。
(25)前記円板状爪部の半径を10〜50mmとしたことを特徴とする上記(23)又は(24)に記載のカーテン塗布装置。
(26)前記円板状爪部の回転速度が0.0001〜0.05m/secであることを特徴とする上記(23)〜(25)のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【0020】
(27)前記爪部の先端に傾斜角をもたせたことを特徴とする上記(19)〜(26)のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
(28)前記爪部先端の傾斜角を0°〜45°としたことを特徴とする上記(27)に記載のカーテン塗布装置。
【0021】
(29)前記カーテンエッジガイドが磁性体物質を備え、かつ前記爪部の一部及び全体を磁性体物質または該カーテンエッジの磁性体物質と引き合う物質にして該爪部を取り付ける機構としたことを特徴とする上記(19)〜(28)のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【0022】
(30)前記爪部を帯状とし、該帯状爪部を帯状として移動させる機能を備えたことを特徴とする上記(19)に記載のカーテン塗布装置。
(31)前記帯状爪部を帯状とし、該帯状爪部を帯状として連続移動させる機能をことを特徴とする上記(19)に記載のカーテン塗布装置。
(32)前記帯状爪部の移動速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする上記(30)又は(31)に記載のカーテン塗布装置。
【0023】
(33)前記爪部の塗布液接液面の表面に、疎水性機能を有する部材を備えたことを特徴とする上記(19)〜(32)のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【0024】
(34)前記爪部に溜まる液粕を清掃する手段を有することを特徴とする上記(19)〜(33)のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
(35)前記液粕の清掃手段としてブラシを使用したことを特徴とする上記(34)に記載のカーテン塗布装置。
(36)前記液粕の清掃手段としてスクレパーブレードを使用したことを特徴とする上記(34)に記載のカーテン塗布装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、カーテンエッジガイド下端爪部での液粕の溜まりが極力阻止されて、カーテンエッジガイドでのカーテン膜の切れ上がりを抑制するカーテン塗布方法、及びカーテン塗布装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、(A)少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布方法において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新することを特徴とするカーテン塗布方法、及び、(B)少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布装置において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新させる機能を備えたことを特徴とするカーテン塗布装置である。
【0027】
即ち、本発明は、カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新させることで、爪部カーテン液膜接液面及び吸引口に液粕が溜まりカーテン膜が切れ上がる前に、爪部カーテン液膜接液面及びその近傍を液粕が無い状態にすることでカーテンエッジガイドでのカーテン膜の切れ上がりを抑制でき、そして、そのカーテン液膜接液面から外れた爪部の液粕を清掃することで、常時カーテン膜を切れ上がらないように出来るカーテン塗布方法、及びカーテン塗布装置を提供するものである。
【0028】
上記のように、本発明のカーテン塗布方法及び装置においては、カーテン膜安定化のために、カーテンエッジガイドでのカーテン膜と接する面から補助液を流しながら塗布液の塗布を行うものである。補助液としては液体で流動性が有ればよく、特に限定されるものではないが、例えば、塗布液が水系液の場合、水や、水に樹脂、界面活性剤等を混合した調合液が好ましく、溶剤系液の場合、その塗布液に含有する溶媒や、その溶媒に樹脂、界面活性剤等を混合した調合液を用いるのが好ましい。
【0029】
爪部はカーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持し、かつ流下してきた補助液を留めることができるものであれば形状は任意であるが、一般には、平面的なものが採用される。また、爪部の材質は、塗布液及び補助液に侵されないものであれば任意に選択できるが、一般には、(ステンレス、黄銅、アルミニウム、鉄、ガラス、PET)などが用いられる。
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明(カーテン塗布方法及び装置)についてさらに詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0031】
(第1の実施の形態)
爪部を平板形状にしてカーテン塗布を行う形態である。
このカーテン塗布方法では、図5に示すように、カーテンエッジガイド2の下端の爪部(往復運動される爪部)101を塗布の一定期間後、移動させ、往復させて爪部カーテン液膜接液面を更新し、或いは、塗布の当初から又は塗布の一定期間後、爪部101を連続往復運動させながら塗布すると共に常に爪部カーテン液膜接液面を更新し、爪部カーテン液膜接液面の液粕を溜めないようにすることが好ましい。特に、爪部101を連続往復運動させながら塗布するようにした場合には、カーテンエッジガイド2でのカーテン膜の切れ上がりをさらに抑制できるようになる。このため、このカーテン塗布装置では、前記の爪部を往復させる機能を備えている。なお、液粕は図示されていない液粕吸引バキュウム装置等で吸引除去される。
前記の往復運動速度は、0.00005〜0.005m/secとする。0.00005m/sec未満であると爪部カーテン液膜接液面に液粕が溜まり、カーテン膜が切れ上がる。また、0.005m/secより大きいと、カーテン膜が爪部の先端部で保持できず、カーテン膜が切れ上がるようになる。
【0032】
(第2の実施の形態)
爪部を円板形状にしてカーテン塗布を行う形態である。
図10(a)は、円板状爪部102が回転できる様子を示している。図10(b)は、カーテンエッジガイド2の下端には円板状爪部102が配置されていることを示している。補助液はカーテンエッジガイド2における塗布液と接する面から多孔質部材13を通して流すようになっている。
【0033】
カーテンエッジガイド2の下端の爪部102を塗布の一定期間後、回転させて爪部カーテン液膜接液面を更新し、或いは、塗布の当初から又は塗布の一定期間後、爪部102を連続回転させながら塗布すると共に常に爪部カーテン液膜接液面を更新し、爪部カーテン液膜接液面の液粕を溜めないようにすることが好ましい。特に、爪部102を連続回転させながら塗布するようにした場合には、カーテンエッジガイド2でのカーテン膜の切れ上がりをさらに抑制できるようになる。このため、このカーテン塗布装置では、前記の爪部を回転させる機能(連続回転させる機能を含む)を備えている。なお、液粕は図示されていない液粕吸引バキュウム装置等で吸引除去される。
【0034】
円板状爪部102の半径は、10〜50mmが適当である。10mm未満では、爪部でのカーテン膜を保持する部分での曲率が大きく、塗布時にカーテン膜が揺れ、塗布幅が不安定になる。また、50mm以上では、装置がコンパクトにならない。
また、爪部102の回転速度は、周速0.0001〜0.05m/secとする。0.0001m/sec未満だと爪部カーテン液膜接液面に液粕が溜まり、カーテン膜が切れ上がる。また、切れ上がりをさらに抑制できるようになる。回転速度は、周速0.0001〜0.05mより大きいと、カーテン膜が爪先端部で保持できず、カーテン膜が切れ上がるようになる。
【0035】
(第3の実施の形態)
爪部を帯状にしてカーテン塗布を行う形態である。
図15(a)は、カーテンエッジガイド2の下端には帯状爪部103が配置されていることを示している。図15(b)は、帯状爪部103が一方向に移動できる様子を示している。図中、14は駆動ゴムロールである。
この実施の形態では、塗布の少なくとも一定期間後、帯状爪部103を移動させて爪部カーテン液膜接液面を更新させ、爪部カーテン液膜接液面に液粕が溜まりカーテン膜が切れ上がる前に、爪部カーテン液膜接液面の液粕が無い状態にすることでカーテンエッジガイド2でのカーテン膜の切れ上がりを抑制できる。また、カーテンエッジガイド2の下端の帯状爪部103を連続移動させながら塗布することで常に爪部カーテン液膜接液面を更新し、その爪部カーテン液膜接液面の液粕を溜めないようにすることで、カーテンエッジガイド2でのカーテン膜の切れ上がりをさらに抑制できるようになる。なお、液粕は図示されていない液粕吸引バキュウム装置等で吸引除去される。このため、このカーテン塗布装置では、前記の爪部を帯状として移動させる機能(連続移動させる機能を含む)を備えている。
【0036】
帯状爪部103の移動速度は、0.00005〜0.005m/secとする。0.00005m/sec未満だと爪部カーテン液膜接液面に液粕が溜まり、カーテン膜が切れ上がる。また、0.005m/secより大きいと、カーテン膜が爪先端部で保持できず、カーテン膜が切れ上がるようになる。
【0037】
(第4の実施の形態)
前記爪部(往復運動される爪部)101の先端部及び前記円板形状爪部102の先端部(周縁部)に、傾斜角θをもたせてカーテン塗布を行うものである。
図6は爪部101の先端部の一方端が傾斜角θをもって上方にもちあげられている状態を示しており、図11は爪部102の周縁部が傾斜角θをもって上方にもちあげられている状態を示している。
このように、爪部101、102の先端部に傾斜角θを有することでカーテン膜がウェブ塗布時に爪部に接触しやすくすることができ、カーテン膜端部の保持力(接液面積:大)が大きく、爪部カーテン液膜接液面の液粕による切れ上がりをより抑制できるようになる。
その角度θは、0°〜45°とするのが好ましく、10°〜35°とするのがより好ましい。0°未満であるとカーテン膜端部の保持力が十分でなく、爪部カーテン液膜接液面に液粕が少し付着するとカーテン膜が切れ上がったりする。また、45°より大きくなると爪部101、102の裏側に塗布液が回り、塗布幅方向の端部付着量が多くなることにより、製造時に乾燥不良により、未乾燥部分が生じて、製造中にウェブの搬送ロールに塗布液が付着し、その後のウェブ塗膜表面を汚したり、製品巻き取り時にブロッキングが発生したり、端部が盛り上がることで巻き取り時にウェブが切れたりする。
【0038】
(第5の実施の形態)
カーテンエッジガイド2に磁性体物質15を備え、爪部(往復運動される爪部)101、円板形状爪部102の一部及び全体を磁性体物質またはカーテンエッジガイドの磁性体物質15と引き合う物質12として、カーテン塗布を行うものである。
図7は、こうした構成が採られたことにより、爪部101が往復運動できる様子を示している。また同様にして、図12は爪部102が回転運動できる様子を示している。
これにより図7(b)に示すように、爪部101のスライドが容易となり、爪部カーテン液膜接液面を液粕の無い状態に容易にすることができ、カーテンエッジガイド2でのカーテン膜の切れ上がりを抑制できるようになる。また、図12(b)に示すように、円板形状の爪部102の回転が容易となり、爪部カーテン液膜接液面を液粕の無い状態に容易にすることができ、カーテンエッジガイド2でのカーテン膜の切れ上がりを抑制できるようになる。
【0039】
前記の磁性体物質としては、好ましくは、磁鉄鉱(マグネタイト)、KS鋼、MK鋼、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ネオジム磁石、サマリウム鉄窒素磁石、白金磁石、プラセオジム磁石、プラスチック磁石、マンガンアルミ磁石、鉄-クロム-コバルト磁石、ボンド磁石、分子磁石等があげられ、また、前記の磁性体物質15と引き合う物質としては、好ましくは、鉄、ステンレス等があげられる。
【0040】
(第6の実施の形態)
爪部の塗布液(カーテン液膜)接液面の表面を疎水性機能を有する部材にして、カーテン塗布を行うものである。
上記爪部の塗布液(カーテン液膜)接液面の表面を疎水性機能を有する部材で構成することにより、爪部は塗布液及び補助液の水分を弾くようになり、爪部カーテン液膜接液面の液粕を抑制し、カーテン膜切れ上がりを防止することができる。疎水性機能を有する部材としては、テフロン(登録商標)系樹脂、シリコン系樹脂等が好ましい。
【0041】
(第7の実施の形態)
爪部に溜まる液粕を清掃し、又は清掃しながらカーテン塗布を行うものである。
液粕の清掃にはブラシ、スクレーパーブレード等が用いられる。また、ブラシ、スクレーパーブレード等の近傍には液粕吸引のための液粕吸引バキュウム装置が配置される。
【0042】
図8及び図9は、爪部101のカーテンエッジガイド2下端の爪部カーテン液膜接液面を連続往復運動させながら、爪部101に付着した液粕汚れを洗浄する装置を設けたことを示している。図8は液粕の清掃にブラシ16が用いられ、図9は液粕の清掃にスクレーパーブレード18が用いられた例である。図中、17は液粕吸引のための液粕吸引バキュウム装置である。これによれば、液粕がブラシ、スクレーパー等で掻き取られながら、その汚れをバキュウム装置で吸引するので、連続生産時に常に爪部接液面の液粕を防止でき、カーテン膜切れ上がりを防止することができる。
図13及び図14は、円板形状爪部102を連続回転させながら、その爪部に付着した液粕汚れを洗浄する装置を設けることで、連続生産時に常に爪部接液面の液粕を防止でき、カーテン膜切れ上がりを防止することができることを示している。図13は液粕の清掃にブラシ16が用いられ、図14は液粕の清掃にスクレーパーブレード18が用いられた例である。
また、図16及び図17は、帯状爪部103を一方向に移動させながら、その爪部に付着した液粕汚れを洗浄する装置を設けることで、連続生産時に常に爪部接液面の液粕を防止でき、カーテン膜切れ上がりを防止することができることを示している。図16は液粕の清掃にブラシ16が用いられ、図17は液粕の清掃にスクレーパーブレード18が用いられた例である。
【実施例】
【0043】
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「部」とあるのはすべて質量部を意味する。
【0044】
〔実施例1〕
図2に示すスライドカーテン塗布装置のカーテンエッジガイドの下端に、図10に示す円板状爪部102を円板中心に軸を付けて回転できるように取り付け、ウェブ(紙)に塗工速度400m/min、塗工幅250mm、ノズルスリット吐出塗布液流量3000g/minで下記の感熱記録層塗工液を塗工した。この時の円板(材質:ステンレス):半径20mm×厚み0.18mm、カーテンエッジガイドに沿って流れる補助液(水)量:30cc/min、補助液回収バキュウム装置吸引圧力:−8kpaとした。また、爪部102の出量を多孔質部材13(セラミック:平均細孔径50μm、気孔率52%)のカーテン膜接液面から2mmとした。その結果を表1に記す。
【0045】
(感熱記録層塗工液:粘度150mPa・s、静的表面張力38mN/m)
※静的表面張力:FACE自動表面張力計CBVP−A3型(協和界面科学(株)製)で測定
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 4部
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン 12部
・シリカ 6部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 16部
・水 41部
【0046】
〔実施例2〕
円板状爪部102の半径を20mmから5mmに変更した以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0047】
〔実施例3〕
図5に示すスライドカーテン塗布装置を用い、平板状爪部101(材質:ステンレス、厚み:0.18mm、移動長さ60mm×幅30mm)を駆動ゴムロール14で挟み、往復運動(0.005m/sec)するようにした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0048】
〔実施例4〕
図15に示すスライドカーテン塗布装置を用い、帯状爪部103(材質:ステンレス、厚み:0.01mm、移動長さ80mm×幅30mm)を駆動ゴムロール14で支持し、該爪部を移動(0.005m/sec)するようにした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0049】
〔実施例5〕
実施例1で用いた円板状爪部102の周縁部を図11に示すように傾斜角30°とした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0050】
〔実施例6〕
実施例1で用いた円板状爪部102の周縁部を図11に示すように傾斜角45°とした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0051】
〔実施例7〕
実施例1で用いた円板状爪部102の周縁部を図11に示すように傾斜角50°とした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0052】
〔実施例8〕
実施例1で用いた円板状爪部102の周縁部を図11に示すように傾斜角5°とした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0053】
〔実施例9〕
実施例3で用いた平板状爪部101の一方の先端部を図6に示すように傾斜角30°としたとした以外は実施例3と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0054】
〔実施例10〕
実施例3で用いた平板状爪部101の一方の先端部を図6に示すように傾斜角45°としたとした以外は実施例3と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0055】
〔実施例11〕
実施例3で用いた平板状爪部101の一方の先端部を図6に示すように傾斜角50°としたとした以外は実施例3と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0056】
〔実施例12〕
実施例3で用いた平板状爪部101の一方の先端部を図6に示すように傾斜角5°としたとした以外は実施例3と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0057】
〔実施例13〕
図12に示すスライドカーテン塗布装置を用い、カーテンエッジガイド2に磁性体部材15(磁石)を取り付け、円板状爪部102を前記磁性体部材(磁石)に引っ付くステンレス(SUS 420)とし、該円板状爪部(半径20mm×厚み0.18mm)の回転速度を周速0.01m/secとした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0058】
〔実施例14〕
図7に示すスライドカーテン塗布装置を用い、カーテンエッジガイド2に磁性体部材(磁石)15を取り付け、平板状爪部101を前記磁性体部材(磁石)に引っ付くステンレス(SUS 420)とし、該平板状爪部(厚み:0.18mm、長さ60mm×幅30mm)の往復運動速度を0.005m/secとした以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0059】
〔実施例15〕
実施例1の円板状爪部102の塗布液(カーテン液膜)接液面の表面上に、厚さ100μmのテフロン(登録商標)シートを貼り付けた以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0060】
〔実施例16〕
実施例3の平板状爪部101の塗布液(カーテン液膜)接液面の表面上に、厚さ100μmのテフロン(登録商標)シートを貼り付けた以外は実施例3と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0061】
〔実施例17〕
実施例4の帯状爪部103の塗布液(カーテン液膜)接液面の表面上に、厚さ100μmのテフロン(登録商標)シートを貼り付けた以外は実施例4と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0062】
〔実施例18〕
図13に示すスライドカーテン塗布装置を用い、実施例1の円板状爪部102を駆動モーターで、周速0.0001m/secに回転させ、カーテンエッジガイド2と反対側に、丸ブラシ16を該円板状爪部102の回転方向に逆らうように連続回転(周速0.05m/sec)させ、該円板状爪部の液粕を液粕吸引バキュウム装置17で吸引(−0.01MPa)した以外は実施例1と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0063】
〔実施例19〕
実施例18の円板状爪部102の周速を0.1m/secとした以外は実施例18と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0064】
〔実施例20〕
図14に示すスライドカーテン塗布装置を用い、実施例1で使用したのと同じ円板状爪部102を駆動モーターで周速0.0001m/secに回転させ、カーテンエッジガイド2と反対側に、スクレーパーブレード18(材質:ポリエチレン、厚さ0.4mm)を円板回転方向に逆らうように傾けて取り付け、その円板形状爪部の液粕を液粕吸引バキュウム装置17で吸引(−0.01MPa)した。その結果を表1に記す。
【0065】
〔実施例21〕
図8に示すスライドカーテン塗布装置を用い、実施例3で使用したのと同じ平板状爪部101を移動距離100mmと長くし、これを駆動ゴムロール14で挟み、該駆動ゴムロール14を駆動モーターにより回転させて該爪部101を移動速度0.0005m/secで往復運動制御させ、その爪部のカーテンエッジガイド2と駆動ゴムロール14間に、丸ブラシ16を該爪部の移動方向に逆らうように連続回転(周速0.05m/sec)させ、該爪部の液粕を液粕吸引バキュウム装置17で吸引(−0.01MPa)した。その結果を表1に記す。
【0066】
〔実施例22〕
実施例21の爪部101の移動速度を0.01m/secで往復運動制御させた以外は実施例21と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0067】
〔実施例23〕
図9に示すスライドカーテン塗布装置を用い、実施例3で使用したのと同じ平板状爪部101を移動距離100mmと長くし、これを駆動ゴムロール14で挟み、該駆動ゴムロールを駆動モーターにより回転させて該爪部101を移動速度0.00005m/secで往復運動制御させ、その爪部のカーテンエッジガイドと駆動ゴムロール間に、スクレーパーブレード18(材質:ポリエチレン、厚さ0.4mm)を移動方向に逆らうように傾けて取り付け、該爪部の液粕を液粕吸引バキュウム装置17で吸引(−0.01MPa)した。その結果を表1に記す。
【0068】
〔実施例24〕
図16に示すスライドカーテン塗布装置を用い、実施例4で使用したのと同じ帯状爪部103を駆動ゴムロール14で支持し、該駆動ゴムロールを駆動モーターにより回転させて該爪部を移動速度0.00005m/secで一方向に移動させ、丸ブラシ16を該爪部103の移動方向に逆らうように連続回転(周速0.05m/sec)させ、該爪部の液粕を液粕吸引バキュウム装置17で吸引(−0.01MPa)した。その結果を表1に記す。
【0069】
〔実施例25〕
実施例24の爪部103の移動速度を0.01m/secとした以外は実施例24と同様にして、感熱記録層塗工液を塗工した。その結果を表1に記す。
【0070】
〔実施例26〕
図17に示すスライドカーテン塗布装置を用い、実施例4で使用したのと同じ帯状爪部103を駆動ゴムロール14で支持し、該駆動ゴムロールを駆動モーターにより回転させて該爪部103を移動速度0.00005m/secで一方向に移動させ、該爪部の液粕移動方向に逆らうように、スクレーパーブレード18(材質:ポリエチレン、厚さ0.4mm)を傾けて取り付け、その爪部の液粕をバキュウム装置17で吸引(−0.01MPa)した。その結果を表1に記す。
【0071】
〔比較例1〕
図2に示すように、スライドカーテン塗布装置のカーテンエッジガイドの下端を固定し、実施例1と同様な塗工を行った。その結果を表1に記す。
【0072】
〔比較例2〕
実施例1の爪部を回転させないこと以外は実施例1と同様にして塗工を行った。その結果を表1に記す。
【0073】
〔比較例3〕
実施例3の爪部を往復運動させないこと以外は実施例3と同様にして塗工を行った。その結果を表1に記す。
【0074】
〔比較例4〕
実施例4の爪部を移動させないこと以外は実施例4と同様にして塗工を行った。その結果を表1に記す。
【0075】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来のカーテン塗布装置の構成例を示す斜視図である。
【図2】従来のカーテン塗布装置の他の構成例を示す断面斜視図である。
【図3】従来のカーテン塗布装置における塗布液カーテン膜端部周辺の構成を示す概略図である。
【図4】カーテン膜切れ上がりが生じることを説明するための概略図である。
【図5】(a)はカーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部101が設けられたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(b)はその正面概略図である。(c)はその側面概略図である。
【図6】爪部101の一方端が傾斜角を有したカーテン塗布装置の構成例を示す正面概略図である。
【図7】(a)はカーテンエッジガイド2に爪部101の取り付けが容易にしたカーテン塗布装置の構成例を示す正面概略図である。(b)はその斜視概略図である。
【図8】(a)は爪部101の溜まる液粕を清掃する手段を設けたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(b)はその正面概略図である。
【図9】(a)は爪部101の溜まる液粕を清掃する他の手段を設けたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(b)はその正面概略図である。
【図10】(a)は爪部が回転する円板形状爪部102であり、これとカーテンエッジガイドとの位置関係を示す図である。(b)はカーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部102が設けられたカーテン塗布装置の構成例を示す正面概略図である。
【図11】爪部102の一方端が傾斜角を有したカーテン塗布装置の構成例を示す正面概略図である。
【図12】(a)はカーテンエッジガイド2に爪部102の取り付けが容易にしたカーテン塗布装置の構成例を示す正面概略図である。(b)はその斜視図である。
【図13】(a)は爪部102の溜まる液粕を清掃する手段を設けたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(b)はその正面概略図である。
【図14】(a)は爪部102の溜まる液粕を清掃する他の手段を設けたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(b)はその正面概略図である。(c)はその側面概略図である。
【図15】(a)はカーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部103が設けられたカーテン塗布装置の構成例を示す正面概略図である。(b)はその側面概略図である。(c)はその上面概略図である。
【図16】(a)は爪部103の溜まる液粕を清掃する手段を設けたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(c)は正面概略図である。
【図17】(a)は爪部103の溜まる液粕を清掃する他の手段を設けたカーテン塗布装置の構成例を示す上面概略図である。(c)は正面概略図である。
【図18】カーテン膜の“切れ上り”がない状態と、“切れ上り”がある状態とを模式図的に表したものである。
【符号の説明】
【0077】
1 カーテン塗工ヘッド
1’ スライドカーテン塗工ヘッド
2 カーテンエッジガイド
2’ カーテンエッジガイド
3 塗布液
4 バキュウム装置
5 ウェブ
6 バックアップロール
7 スライド面
8 スライド部エッジガイド
9 補助液
10、101、102、103 爪部
11 吸引口
12 磁性体物質、又は磁性体物質と引き合う物質
13 多孔性部材
14 駆動ロール
15 磁性体物質
16 ブラシ
17 液粕吸引バキュウム装置
18 スクレバーブレード
S 液粕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布方法において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新することを特徴とするカーテン塗布方法。
【請求項2】
前記爪部を少なくとも一定期間の塗布後、移動させ、往復させて該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする請求項1に記載のカーテン塗布方法。
【請求項3】
前記爪部を連続往復運動させながら塗布を行うと共に、該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする請求項1に記載のカーテン塗布方法。
【請求項4】
前記爪部の往復運動の速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする請求項2又は3に記載のカーテン塗布方法。
【請求項5】
前記爪部を円板状とし、少なくとも一定期間の塗布後、該円板状爪部を回転させて該円板状爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする請求項1に記載のカーテン塗布方法。
【請求項6】
前記爪部を円板状とし、該円板状爪部を連続回転させながら塗布を行うと共に、該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする請求項1に記載のカーテン塗布方法。
【請求項7】
前記円板状爪部の半径を10〜50mmとすることを特徴とする請求項5又は6に記載のカーテン塗布方法。
【請求項8】
前記円板状爪部の回転速度が0.0001〜0.05m/secであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【請求項9】
前記爪部の先端に傾斜角をもたせて塗布を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【請求項10】
前記爪部先端の傾斜角を0°〜45°とすることを特徴とする請求項9に記載のカーテン塗布方法。
【請求項11】
前記カーテンエッジガイドが磁性体物質を備え、かつ前記爪部の一部及び全体を磁性体物質または該カーテンエッジの磁性体物質と引き合う物質にすることで、該爪部の取り付けを可能にしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【請求項12】
前記爪部を帯状とし、少なくとも一定期間のカーテン塗布後、該帯状爪部を帯状として移動させて該帯状爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする請求項1に記載のカーテン塗布方法。
【請求項13】
前記帯状爪部を帯状とし、該帯状爪部を帯状として連続移動させながら塗布を行うと共に、該爪部のカーテン液膜接液面を更新させることを特徴とする請求項1に記載のカーテン塗布方法。
【請求項14】
前記帯状爪部の移動速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする請求項12又は13に記載のカーテン塗布方法。
【請求項15】
前記爪部の塗布液接液面の表面を、疎水性機能を有する部材とすることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【請求項16】
前記爪部に溜まる液粕を清掃することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
【請求項17】
前記液粕の清掃にブラシが使用されることを特徴とする請求項16に記載のカーテン塗布方法。
【請求項18】
前記液粕の清掃にスクレパーブレードが使用されることを特徴とする請求項16に記載のカーテン塗布方法。
【請求項19】
少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、かつ該カーテンエッジガイドにおける該塗布液と接する面全体から補助液を流し出し、該塗布液を連続走行するウェブ上に塗布するカーテン塗布装置において、該カーテンエッジガイド下端のカーテン膜を保持する爪部のカーテン液膜接液面を更新させる機能を備えたことを特徴とするカーテン塗布装置。
【請求項20】
前記爪部を移動させ、往復させる機能を備えたことを特徴とする請求項19に記載のカーテン塗布装置。
【請求項21】
前記爪部を連続往復運動させる機能をことを特徴とする請求項19に記載のカーテン塗布装置。
【請求項22】
前記爪部の往復運動の速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする請求項20又は21に記載のカーテン塗布装置。
【請求項23】
前記爪部を円板状爪部とし、該円板状爪部を回転させる機能を備えたことを特徴とする請求項19に記載のカーテン塗布装置。
【請求項24】
前記爪部を円板状爪部とし、該円板状爪部を連続回転させる機能を備えたことを特徴とする請求項19記載のカーテン塗布装置。
【請求項25】
前記円板状爪部の半径を10〜50mmとしたことを特徴とする請求項23又は24に記載のカーテン塗布装置。
【請求項26】
前記円板状爪部の回転速度が0.0001〜0.05m/secであることを特徴とする請求項23〜25のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【請求項27】
前記爪部の先端に傾斜角をもたせたことを特徴とする請求項19〜26のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【請求項28】
前記爪部先端の傾斜角を0°〜45°としたことを特徴とする請求項27に記載のカーテン塗布装置。
【請求項29】
前記カーテンエッジガイドが磁性体物質を備え、かつ前記爪部の一部及び全体を磁性体物質または該カーテンエッジの磁性体物質と引き合う物質にして該爪部を取り付ける機構としたことを特徴とする請求項19〜28のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【請求項30】
前記爪部を帯状とし、該帯状爪部を帯状として移動させる機能を備えたことを特徴とする請求項19に記載のカーテン塗布装置。
【請求項31】
前記帯状爪部を帯状とし、該帯状爪部を帯状として連続移動させる機能をことを特徴とする請求項19に記載のカーテン塗布装置。
【請求項32】
前記帯状爪部の移動速度が0.00005〜0.005m/secであることを特徴とする請求項30又は31に記載のカーテン塗布装置。
【請求項33】
前記爪部の塗布液接液面の表面に、疎水性機能を有する部材を備えたことを特徴とする請求項19〜32のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【請求項34】
前記爪部に溜まる液粕を清掃する手段を有することを特徴とする請求項19〜33のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
【請求項35】
前記液粕の清掃手段としてブラシを使用したことを特徴とする請求項34に記載のカーテン塗布装置。
【請求項36】
前記液粕の清掃手段としてスクレパーブレードを使用したことを特徴とする請求項34に記載のカーテン塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−22947(P2010−22947A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188154(P2008−188154)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】