説明

カードコネクタ

【課題】
カードコネクタの高さや基板専有面積を大きくすることなく確実にカードをハウジング内に固定することができるカードコネクタの提供。
【解決手段】
所定の押し込み位置でカードAを固定するロック機構を備え、ロック機構は、ハウジング1に回動可能に支持された回動駒10と、一端を回動駒に回動可能に枢支させ、他端にスライダー8と互いに係合する係合部14を有するロックピン11とを備え、回動駒10は、抵抗部21を有するとともに、ロックピン11が枢支される枢支穴13を回動駒10の支持軸10aから距離を隔てた位置に設け、所定の押し込み位置において、係合部14がスライダー8と係合することにより復帰バネ9による付勢力がロックピン11を介して回動駒10に伝えられ、回動駒10が抵抗部21のカードの抜け出し方向の移動に抗する力が増大する方向に付勢されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードやSIMカード等のカードを基板に接続するためのカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のカードコネクタにおいては、同一方向の操作力の繰り返しによって押し込み動作と押し出し動作がなされるプッシュイン・プッシュアウト機構等により所定の押し込み位置でカードを固定することができるものが広く知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなカードコネクタでは、カードが挿入されるカード挿入部が前面に開口されたハウジングと、ハウジングに支持された複数のコンタクトとを備え、カード挿入部に挿入されたカードの片面に形成された端子部にコンタクトの弾性接触部が弾性的に接触することにより、コンタクトを介してカードと基板とを電気的に接続させるようになっている。
【0004】
また、このカードコネクタのカード挿入部の側部には、カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネとを備え、プッシュイン・プッシュアウト機構により最初のカード押し込み動作により所定の押し込み位置でスライダーの移動が規制されるようにし、再度押し込むことにより規制が解除されるようになっている。
【0005】
スライダーの移動が規制された場合には、カードが押し出されず、コンタクトの接触圧により所定の押し込み位置にカードが固定されるようになっている。一方、当該規制が解除されると復帰バネにより付勢されたスライダーによりカードがハウジングより押し出されるようになっている。
【0006】
また、この種のカードコネクタにおいては、ハウジングの開口部の前面側に抜け止め防止手段を設けたものも知られている(例えば、特許文献2)。
【0007】
この抜け止め防止手段は、例えば図8に示すように、ハウジング101の開口部102の端部に配置され、開口部を横切る方向にスライド可能な抜け止め用スライダー103を有し、この抜け止め用スライダー103が押し出しバネにより点線にて示す位置まで押し出されることによりハウジング101内に挿入されたカード104が抜け出ないようになっている。一方、カード104を出し入れする際には、押し出しバネに抗して抜け止め用スライダー103を解放側に移動させることによりなされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−251025号公報
【特許文献2】特開平08−7980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の如き従来のカードコネクタでは、カードをコンタクトの接触圧で固定している場合には、落下等によりコネクタに衝撃が加わるとそれによりカードが脱落してしまう虞があるという問題があった。
【0010】
一方、開口部の前面側にロック機構を有するものでは、ロック機構を有する分コネクタの高さが大きくなり、基板専有面積も大きくなるという問題があり、また、それにより設計における制約が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、カードコネクタの高さや基板専有面積を大きくすることなく確実にカードをハウジング内に固定することができるカードコネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、該スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネと、前記カードを挿入した際に所定の押し込み位置で前記カードを固定するロック機構とを備えてなるカードコネクタにおいて、前記ロック機構は、前記ハウジングに支持軸を介して回動可能に支持された回動駒と、一端を前記回動駒に回動可能に枢支させ、他端に前記所定の押し込み位置において前記スライダーと互いに係合する係合部を有するロックピンとを備え、前記回動駒は、前記カードに対して該カードの抜け出し方向の移動に抗するように接触する抵抗部を有するとともに、前記ロックピンが枢支される枢支穴を前記回動駒の支持軸から前記ロックピンの軸線と直交する方向に距離を隔てた位置に設け、前記所定の押し込み位置において、前記係合部がスライダーと係合することにより前記復帰バネによる付勢力が前記ロックピンを介して前記回動駒に伝えられ、前記回動駒が前記抵抗部のカードの抜け出し方向の移動に抗する力が増大する方向に付勢されるようにしたことにある。
【0013】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、抵抗部は、前記回動駒のカード側縁部に突設された係止用凸部を以て構成され、該係止用凸部が前記カードの側縁部に形成された切欠部と互いに係合するようにし、前記カードを前記スライダーと係止用凸部の間に挟持してなることにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るカードコネクタは、上述したように、カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、該スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネと、前記カードを挿入した際に所定の押し込み位置で前記カードを固定するロック機構とを備えてなるカードコネクタにおいて、前記ロック機構は、前記ハウジングに支持軸を介して回動可能に支持された回動駒と、一端を前記回動駒に枢支させ、他端に前記所定の押し込み位置において前記スライダーと互いに係合する係合部を有するロックピンとを備え、前記回動駒は、前記カードに対して該カードの抜け出し方向の移動に抗するように接触する抵抗部を有するとともに、前記ロックピンが枢支される枢支穴を前記回動駒の支持軸から前記ロックピンの軸線と直交する方向に距離を隔てた位置に設け、前記所定の押し込み位置において、前記係合部がスライダーと係合することにより前記復帰バネによる付勢力が前記ロックピンを介して前記回動駒に伝えられ、前記回動駒が前記抵抗部のカードの抜け出し方向の移動に抗する力が増大する方向に付勢されるようにしたことにより、所定の押し込み位置においてカードに作用するハウジングより抜け出す方向の力に対して高い反力が得られ、落下等の衝撃によるカードの脱落等を抑止することができる。また、このカードコネクタでは、ロックピンが枢支される枢支穴と回動駒の支持軸とのロックピン軸線と直交する方向の距離を適宜変更することでカードの抜け出し方向の移動に抗する力(ロック力)を調整することができる。
【0015】
また、本発明において、抵抗部は、前記回動駒のカード側縁部に突設された係止用凸部を以て構成され、該係止用凸部が前記カードの側縁部に形成された切欠部と互いに係合するようにし、前記カードを前記スライダーと係止用凸部の間に挟持してなることにより、より安定した状態で所定の押し込み位置においてカードを保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るカードコネクタの一例を示す分解斜視図である。
【図2】(a)は図1中のカードを示す平面図、(b)は同底面図である。
【図3】図1に示すコネクタのロック機構部分を示す平面図である。
【図4】図3中のA−A線断面図である。
【図5】同上のB−B線断面図である。
【図6】同上のピンガイド溝部を示す平面図である。
【図7】図1に示すコネクタのロック機構部分の他の実施例を示す平面図である。
【図8】従来のカードコネクタの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係るカードコネクタの実施の態様を、図面に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号AはSIMカード等のカードである。
【0018】
このカードコネクタは、カードAをハウジング1に挿入することにより、カードAの片面に配置された端子部2,2...がハウジング1内に支持されたコンタクト3,3...と弾性的に接触し、コンタクト3を介してカードAをハウジング1が設置された基板に電気的に接続させるようになっている。
【0019】
カードAは、図2に示すように、端部の一方の側縁に斜辺4aにより切り欠いた挿入方向確認用切欠部4が形成されている。
【0020】
ハウジング1は、絶縁樹脂製のモールドケース5と、シールドケース6とを組み合わせて構成され、前面に開口したカード挿入部7を有している。
【0021】
このカード挿入部7の側部には、カードAの出入り方向に移動可能なスライダー8と、モールドケース5に反力をとってスライダー8を押し出し方向に付勢する復帰バネ9とを備え、カードAと共にスライダー8が出入り方向に移動するようになっている。
【0022】
スライダー8は、矩形状に形成され、そのカード挿入部側端部側縁にカードAの前縁部が当接される受け用凸部8aが突設されている。
【0023】
また、このハウジング1の側部には、所定の押し込み位置でカードAを固定するロック機構を備えている。
【0024】
ロック機構は、ハウジング1に回動可能に支持された回動駒10と、回動駒10と連動するロックピン11とを備えている。
【0025】
ロックピン11は、図4に示すように、一端に下向きに折り曲げた形状の駒側枢軸部12を備え、この枢軸部12が回動駒10の枢支穴13に挿入され、ロックピン11の回動中心軸を構成している。また、ロックピン11の他端部には、下向きに折り曲げた形状の係合部14が形成されており、この係合部14が後述するスライダー8に形成されたピンガイド溝15内に挿入されている。
【0026】
また、ロックピン11は、シールドケース6に打ち抜きにより形成された押し下げバネ6aによってピンガイド溝15の底部側に付勢され、係合部14がピンガイド溝15の底部より浮き上がらないようにしている。
【0027】
ピンガイド溝15は、図6に示すように、スライダー8の表面にハートカム式のループ状に形成され、ハートカム16の両側部に配置された往路部15A及び復路部15Bと、ハートカム16のくぼみ側に配置されたロック部15Cとにより構成されている。尚、図中符号15Dは、往路部15Aと復路部15Bとが合流する往復共通部である。
【0028】
このピンガイド溝15にロックピン11の先端の係合部14が挿入されて、往路部15A、ロック部15C及び復路部15Bに沿って順次循環するようになっており、係合部14が循環中逆戻りしないように、往路部15A、ロック部15C及び復路部15Bの底部は、移動方向の終端側が高くなるように傾斜して形成され、各部の繋ぎ目部分に移動方向規制用の段部17,18,19,20が形成され、所謂プッシュイン・プッシュアウト機構を構成している。
【0029】
段部17は、往路部15Aの終端部に配置され、終端部をカードA側とロック部側15Aaとに二分する配置に形成されている。
【0030】
係合部14が往路部15AのカードA側を移動する際には、段部17から落ち込むことなく底部上を移動でき、往路部15Aのハートカム側を移動する際には、往路部15A底部より低い往路ロック部側15Aaに落ち込むようになっている。
【0031】
段部18は、往路ロック部側15Aaに落ち込んだ係合部14が、往路部15A側には戻らずにロック部15Cのハートカム16の窪み部である戻り止め停止位置dに移動するように設けられている。
【0032】
段部19は、戻り止め停止位置dから復路部15Bに進むロックピン11の係合部14が戻り止め停止位置dに戻らないように設けられている。
【0033】
段部20は、ハートカム16の先端部で復路部15Bの末端から往復共通部15Dに移動したロックピン11の係合部14が復路部15Bに戻らないように設けられている。
【0034】
ロックピン11の係合部14は、押し出し状態、即ちカードAが引き出し方向に移動されている状態では、押し出し停止位置aにあり、カードA押し込み動作の際、回動駒10に連動してロックピン11がスライダー8に対して規制を解除した位置に切り替えられて往路部15AのカードA側を移動し、押し込み操作力を解除すると復帰バネ9により押し出し停止位置a側に戻るようになっている。往路部15Aの末端位置において、回動駒10に連動してロックピン11がスライダー8に対してその移動を規制する位置に切り替えられた場合は、ロック部側15Aaに落ち込み動作末端停止位置cに移動し、その位置で押し込み操作力を解除することにより戻り止め停止位置dに移動する。
【0035】
戻り止め停止位置dに係合部14が位置することにより、ハートカム16を介して係合部14がスライダー8と互いに係合され、それによりロックピン11が突っかい棒の役割を担いスライダー8の移動を規制する。
【0036】
一方、係止解除のために再度のカードA押し込み動作、即ちプッシュアウト動作によって動作末端停止位置eに移動し、その位置で押し込み操作力を解除することにより復路部15Bを通って押し出し停止位置aに復帰するようになっている。
【0037】
回動駒10は、矩形状に形成され、その中心より側縁側、即ちカード側に片寄せた位置に支持軸が突設されており、この支持軸10aがモールドケースに形成された枢支穴5aに挿入されて回動駒10がハウジング1に回動可能に支持されている。
【0038】
また、回動駒10の出入方向奥側端部には、ロックピンの枢軸部12が挿入される枢支穴13が形成されており、その枢支穴13の位置は、ロックピン11の係合部14がスライダー8と互いに係合する位置において、ロックピンの軸線方向と直交する方向で両軸10a,12間に間隔xが生じる配置となっている。
【0039】
また、回動駒10には、スライダー側が開口してロックピン11の端部が収容される押し付け凹部24が形成されている。
【0040】
この押し付け凹部24は、枢支穴部を要としてスライダー8側に広がる扇型状に形成され、回動駒10の回動に伴い凹部24の内側部に押されてロックピン11を移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動させるようになっている。
【0041】
尚、押し付け凹部24の形状は、上記扇型状の他、図7に示すU字型状、その他、四角形状等であって回動駒10の回動に伴い凹部24の内側部(内側面又は開口側角部等)に押されてロックピンを移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動させることができる形状であればよい。また、押し付け凹部24の形状は、凹部内でロックピン11が回動駒10に対し回動できるようにしてもよく、両内側面でロックピン11の端部を挟み込み回動駒10に対しロックピン11の回動を規制するようにしてもよい。
【0042】
更に、この回動駒10には、カードに対しカードの抜け出し方向の移動に抗するように接触する抵抗部を有している。
【0043】
抵抗部は、回動駒10の出入方向手前側のカードA側部に突設された係止用凸部21をもって構成されている。係止用凸部21は、三角形状に形成され、開口側の斜辺はカード側面と鋭角を成す形状とし、奥側の斜辺はカードの挿入方向確認用切欠部4と互いに係合するような形状に形成されている。
【0044】
この係止用凸部21は、カード側の斜辺が挿入方向確認用切欠部4の傾斜辺4aと互いに当接するとともに、回動駒10に時計回りの回動力が加わることにより、カードに傾斜辺4aと直交する方向の反力、即ち、カードの抜け出し方向の移動に抗する力を作用させるようになっている。
【0045】
また、出入方向奥側のカードA側部には、カードA挿入時に規制が解除された位置側(反時計回り)に回動できるようにするための傾斜した逃げ部22が形成されている。尚、図中符号23は押し出しバネであり、操作用凸部21がカードA側に突出する向きに回動駒10を付勢するようになっている。この押し出しバネ23は、シールドケース6の側部に切り出し加工により形成されている。
【0046】
このように構成されたカードコネクタでは、カードAが挿入されると、まず、係止用凸部21がカードAの側縁に押されて回動駒10を規制が解除された位置側、即ち反時計回りに回動させ、それに伴い押し付け凹部24の内側面24aに押されてロックピン11を往路部15AカードA側に付勢する。そして、所定の押し込み位置に到達すると、その位置で係止用凸部21が挿入方向確認用切欠部4と互いに係合し、回動駒10が移動を規制する位置側、即ち時計回りに回動し、それに伴い凹部24内側面24bに押されてロックピン11をロック部側に付勢し、ロックピン11の係合部14が往路ロック部側15Aaに落ち込み動作末端停止位置cを経て戻り止め停止位置dに移動する。
【0047】
この戻り止め停止位置dにおいては、図3に示すように、ロックピン11の係合部14がハートカム16を介してスライダー8と係合されたことにより、復帰バネ9による付勢力がスライダー8を介してロックピン11に伝わってロックピン11には長軸方向の圧縮力が作用する。それに伴い、回動駒10には、枢軸部12を介してロックピン11より長軸方向に向けた反力が作用する。
【0048】
このとき、回動駒10の支持軸10aとロックピン11の枢軸部12が挿入される枢支穴13とは、ロックピン11の長軸方向と直交する方向で間隔xを隔てて配置されているので、回動駒10には、支持軸5a周りに時計回りのモーメントが生ずる。
【0049】
このモーメントにより回動駒10は、カードAの抜け出し方向の移動に抗する力が増大する方向、即ち時計回りに付勢され、カードAは、係止用凸部21とスライダー8の受け部8aとの間に挟持されて固定される。
【0050】
尚、カードAの抜け出し方向の移動に抗する力(ロック力)は、回動駒10の支持軸10aとロックピンの枢軸部12との間のロックピン11の長軸方向と直交する方向の間隔xを適宜変更することにより調整することができ、間隔xを大きくとるとロック力は大きくなり、間隔xを小さくとるとロック力も小さくなる。
【0051】
また、上述の実施例では、斜辺により切欠いた形状の挿入方向確認用切欠部を有するカードについて説明したが、係止用凸部をカード後縁部に係合させるようにしてもよく、カード側縁部に係止用凸部と互いに係合する係合凹部を設けたものであってもよい。
【0052】
更に、上述の実施例では、ハートカム式のプッシュイン・プッシュアウト機構を備えたものについて説明したが、所定の押し込み位置において復帰バネの付勢力によりロックピンに圧縮力を付与する構造、即ち、スライダーは、所定の押し込み位置においてロックピン端部と互いに係合する構造を有するものであればその他の機構を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
A カード
1 ハウジング
2 端子部
3 コンタクト
4 挿入方向確認用切欠部
5 モールドケース
6 シールドケース
7 カード挿入部
8 スライダー
9 復帰バネ
10 回動駒
11 ロックピン
12 枢軸部
13 枢支穴
14 係合部
15 ピンガイド溝
15A 往路部
15Aa 往路ロック部側部
15B 復路部
15C ロック部
15D 往路復路共通部
16 ハートカム
17〜20 段部
21 係止用凸部
22 逃げ部
23 押し出しバネ
24 押し付け凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、該スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネと、前記カードを挿入した際に所定の押し込み位置で前記カードを固定するロック機構とを備えてなるカードコネクタにおいて、
前記ロック機構は、前記ハウジングに支持軸を介して回動可能に支持された回動駒と、一端を前記回動駒に枢支させ、他端に前記所定の押し込み位置において前記スライダーと互いに係合する係合部を有するロックピンとを備え、
前記回動駒は、前記カードに対して該カードの抜け出し方向の移動に抗するように接触する抵抗部を有するとともに、前記ロックピンが枢支される枢支穴を前記回動駒の支持軸から前記ロックピンの軸線と直交する方向に距離を隔てた位置に設け、
前記所定の押し込み位置において、前記係合部がスライダーと係合することにより前記復帰バネによる付勢力が前記ロックピンを介して前記回動駒に伝えられ、前記回動駒が前記抵抗部のカードの抜け出し方向の移動に抗する力が増大する方向に付勢されるようにしたことを特徴としてなるカードコネクタ。
【請求項2】
抵抗部は、前記回動駒のカード側縁部に突設された係止用凸部を以て構成され、該係止用凸部が前記カードの側縁部に形成された切欠部と互いに係合するようにし、前記カードを前記スライダーと係止用凸部の間に挟持してなる請求項1に記載のカードコネクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−119067(P2012−119067A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264849(P2010−264849)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】