説明

カードホルダ装置

【課題】カードホルダに指を引っ掛けるための凹部を設けることなくカードホルダを引き出すことができるカードホルダ装置の提供。
【解決手段】カードホルダ10の操作部1の押圧操作時、カードホルダ10がスライダ40と係合して挿入方向に移動し、スライダ40の押し込み位置への位置決めに伴いカードホルダ10がケース20への収納を完了する第1の位置に位置決めされ、カードホルダ10が第1の位置にあるときに操作部1を押圧操作した時、スライダ40の押し出し位置への位置決めに伴いカードホルダ10が押し出された第2の位置に位置決めされ、カードホルダ10が第2の位置にあるときに、操作部1を把持して引くと、第1爪16から第2爪41に傾斜面41aを介して力が作用して棒状部49が撓み、第1爪16と第2爪41との係合が解かれて、カードホルダ10がスライダ40との係合が解除された第3の位置に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードを保持させたカードホルダをケースに挿入することで、そのメモリカードと所定機器とを電気的に接続させるカードホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用カードホルダ装置は、メモリカードが保持されるカードホルダと、このカードホルダを挿入したり引出したりする開口を有し、運転席の前方に計器類、スイッチ類を設けるためのインストルメントパネルに設けられるケースと、メモリカードを保持したカードホルダを、ケースに収納したときにメモリカードと所定機器とを電気的に接続する接続手段とが備えられている。
【0003】
また、インストルメントパネルには、上述のケースの開口を配置する穴が形成され、この穴の縁部には、カードホルダを引出すときにカードホルダに指先を引っ掛けやすくするための凹部が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来のカードホルダ装置は、カードホルダに指先を引っ掛けて引き出す構造なので、カードホルダ装置のケースが取り付けられるパネルに凹部が必要となる。そのため、凹部の周辺には他の機材、例えば車載のインスツルメントパネルではスイッチ類などを設けることができないなど、パネルのスペースを効率よく利用できないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の現状を考慮してなされたもので、その目的は、指を引っ掛けるための凹部を設けることなく、カードホルダを引き出すことができる車載用カードホルダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本発明は、メモリカードを保持し、押圧操作部を有するカードホルダと、このカードホルダが挿入される開口を有するケースと、前記メモリカードを保持した前記カードホルダが前記ケースに収納されたとき、前記メモリカードと所定機器とを電気的に接続する接続手段と、前記カードホルダの挿入方向および引出し方向へのスライドが可能に前記ケース内に設けられ、前記ケースに挿入された前記カードホルダに係合するスライダと、前記ケース内に設けられ、前記カードホルダの前記押圧操作部の押圧操作により前記スライダを押し込み位置と押し出し位置とに位置決め可能な位置決め手段と、前記カードホルダと前記スライダとの係合および係合の解除を許容する許容部と、前記スライダが前記押し込み位置にある状態において前記許容部が前記係合の解除を許容するのを規制し、前記スライダが前記押し出し位置にある状態において前記規制を解除する規制部と、前記ケースに挿入された前記カードホルダの前記押圧操作部を押圧操作すると、前記カードホルダが前記スライダに係合して前記スライダとともに挿入方向へ移動し、前記押し込み位置への前記スライダの位置決めに伴い前記ケースへの収納が完了する第1の位置に位置決めされ、前記カードホルダが前記第1の位置にあるときに、前記押圧操作部を押圧操作すると、前記スライダが前記押し出し位置に位置決めされ、これに伴い前記カードホルダが押し出された第2の位置に位置決めされ、前記第2の位置にある前記カードホルダを引っ張ると、前記スライダとの係合が解除された第3の位置に前記カードホルダが移動することを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明では、メモリカードをカードホルダに保持させた後、このカードホルダをケースの開口に挿入して押圧操作部を押圧操作すると、カードホルダがスライダに係合してスライドとともに挿入方向へ移動し、押し込み位置へのスライダの位置決めに伴いケースへの収納が完了する第1の位置に位置決めされる。この状態では、許容部は、スライダとカードホルダとの係合の解除を許容することを、規制部により規制されているので、カードホルダをケースから引出すことができない。これにより、カードホルダに保持されたメモリカードは、所定機器に電気的に接続された状態で安定する。
【0008】
カードホルダが第1の位置にある状態において、押圧操作部を押圧操作すると、スライダが押し出し位置に位置決めされ、これに伴いカードホルダが第2の位置に位置決めされる。この状態では、規制部による許容部に対する規制が解除されているとともに、カードホルダの押圧操作部が突出している。したがって、カードホルダの押圧操作部を把持して引っ張ると、カードホルダとスライダとの係合が解除され、カードホルダが第3の位置に移動する。
【0009】
このように、押圧操作部の押圧によりカードホルダをケースに収納あるいはケースから突出させることができ、また、カードホルダがケースに収納された状態を保持することができ、また、カードホルダの押圧操作部を把持してカードホルダをケースから引き出すことができる。つまり、パネルにカードホルダに指を引っ掛ける凹部を設けることなく、カードホルダを引き出すことができる。
【0010】
上述の発明において、前記位置決め手段は、前記スライダと前記ケースの間に設けられたカム機構と、前記スライダを前記カードホルダの引出し方向に付勢するばねとから構成されたものであってもよい。この構成により、スライダを押し込み位置と押し出し位置に確実に位置決めをすることができ、カードホルダの位置決めと、許容部に対する規制部による規制と解除を確実に実現できる。
【0011】
上述の発明において、前記カードホルダには第1爪が設けられ、前記スライダには第2爪が設けられ、これら第1爪と第2爪とにより前記カードホルダと前記スライダとの前記係合が実現されるようにしてもよい。また、前記許容部は、前記第1爪または前記第2爪の少なくとも一方に付設され、付設された前記第1爪または前記第2爪を前記カードホルダの挿入方向に対する直交方向に移動可能なもの、例えば前記第1爪または前記第2爪の少なくとも一方を端部に備えた棒状部であってもよい。また、前記第2爪に対する前記第1爪の接触部と前記第1爪に対する前記第2爪の接触部の少なくとも一方に、前記カードホルダが引き出されるときに受ける力の方向に傾斜する傾斜面が設けられていてもよい。
【0012】
このように構成された発明では、カードホルダをケースに収納すると、許容部が設けられた爪は、カードホルダの引出し方向に対する直交方向への移動を規制部によって規制された状態で、第2爪と係合した状態になるので、カードホルダとスライダとが係合した状態が保持される。これにより、カードホルダの引出し方向への移動の規制を確実におこなうことができる。
【0013】
ケースに収納された状態のカードホルダを押圧操作すると、許容部が設けられた爪は、カードホルダを引出す方向に対する直交方向に移動可能な状態になる。この状態では、カードホルダに与えられる引出し方向の力が傾斜面を介して許容部の設けられた爪に作用するので、カードホルダを引っ張ると、その爪がカードホルダの引出し方向に対する直交方向に移動する。これに伴い、第1爪は第2爪に対して摺動しながら、カードホルダとともに引出し方向に移動する。これにより、カードホルダの引出し方向への移動の規制の解除を確実におこなうことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明では、カードホルダを押圧操作することによってカードホルダをケースに収納したりケースから突出させたりすることができ、カードホルダ部分を把持してカードホルダを引出すことができるので、パネルにカードホルダに指を引っ掛けるための凹部を設けることなく、カードホルダを引き出すことができる。
【0015】
本発明によれば、凹部を設けなくて済むので、パネルのスペースを効率よく利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のカードホルダ装置の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本実施形態を示す分解斜視図、図2は、本実施形態に備えられるカードホルダがケースから引出されるまでの動作を示す斜視図、図3は、本実施形態の第1爪と第2爪の動作、およびハート型カムの動作を示す断面図である。
【0018】
本実施形態は、図示しないが、運転席の前方に計器類、スイッチ類を設けるためのインストルメントパネルに設置してあり、図1に示すように、手動で押圧操作される操作部1(押圧操作部)が一体に設けられ、小型メモリカード11を保持するカードホルダ10と、インストルメントパネルに設置され、カードホルダ10が挿入される開口21を有するケース20と、小型メモリカード11を保持したカードホルダ10がケース20に収納されたとき、小型メモリカード11と所定機器とを電気的に接続にする接続手段30を備えている。
【0019】
操作部1は、図2に示すように、インストルメントパネルに設けられた他の操作ボタン2〜5と隣接させて設けてある。
【0020】
カードホルダ10は、図1に示すように、小型メモリカード11が保持されるカード保持部12と、このカード保持部12の両側部のそれぞれに設けられ、ケース20へのカードホルダ10の挿入をガイドするスライドガイド部13のそれぞれとを備えている。スライドガイド部13上面および側面のそれぞれには、ケース20内に設けられた図示しない突起部が摺動するガイド溝14,15を設けてある。
【0021】
ケース20は、上述のカードホルダ10が挿入される開口21と、ケース20の両側部のそれぞれに設けられ、ケース20を所定部位に固定する取付部22のそれぞれを備えている。また、ケース20後部には、接続手段30が配置されるコネクタカバー23と、ケース20後部に取付けられ、接続手段30等を支持する後部支持体50を取付けるための切欠き25,27および穴26を設けてある。
【0022】
接続手段30は、小型メモリカード11に設けられた図示しない端子と接続されるカードコネクタ34と、このカードコネクタ34が取付けられるPCB基板31と、このPCB基板31を介してカードコネクタ34と接続され、小型メモリカード11と所定機器とを接続する外部接続用コネクタ32とを備えている。
【0023】
特に、本施形態では、カードホルダ10がケース20に収納されたとき、カードホルダ10の引出し方向への移動を規制する規制手段と、カードホルダ10がケース20に収納された状態でのカードホルダ10に対する押圧操作に連動して、カードホルダ10の引出し方向への移動の規制を解除する解除手段と、この解除手段によって規制が解除されたとき、カードホルダ10がインストルメントパネル表面よりも突出するように、カードホルダ10を押し出す押し出し手段とを設けてある。
【0024】
規制手段は、図1,3に示すように、ケース20内にスライド可能に設けられ、カードホルダ10の引出し方向に付勢されるスライダ40と、カードホルダ10のスライドガイド部13の両方の下面のそれぞれに設けられる第1爪16のそれぞれと、スライダ40の両側部のそれぞれに設けられ、カードホルダ10がケース20に収納されると第1爪16のそれぞれと係合する第2爪41のそれぞれとを含む。
【0025】
スライダ40の両側部のそれぞれには、スライドガイド部42をそれぞれ設けてあり、このスライドガイド部42の上面および側面のそれぞれには、ケース20内に設けられる図示しない突起部が摺動するガイド溝43,44を設けてある。
【0026】
第2爪41に対する第1爪16の接触部と、第1爪16に対する第2爪41の接触部との少なくとも一方、例えば図3に示すように、第2爪41に、カードホルダ10が引出されるときに受ける力の方向に傾斜する傾斜面41aを設けてある。
【0027】
また、解除手段は、第1爪16および第2爪41の少なくとも一方、例えば第2爪41を、カードホルダ10の引出し方向に対する直交方向に移動させることが可能な許容部と、この許容部による第2爪41の移動を、カードホルダ10が収納されたときに規制する規制部とを備えている。
【0028】
すなわち、許容部は、スライダ40のスライドガイド部42の前端面に突出させて設けられ、前端に第2爪41が形成された可撓性を有する棒状部49である。ケース20の内部底面には段差を設けてあり、第2爪41が一段低い底面部分20b上に位置したときに棒状部49が撓むことが許容されるようにしてある。
【0029】
また、規制部は、上述の底面部分20bよりも一段高い底面部分20aであり、この底面部分20a上に第2爪41が位置したときに、棒状部49の撓みが規制されるようにしてある。
【0030】
そして、スライダ40には、図3(a2)〜(c2)に示すように、一方の側部の下面にハート型カム47を設け、このハート型カム47に従動するピン28を、ケース20に取付けてある。
【0031】
ピン28は、図1に示すように、コ字状の部材から成り、一端をケース20側部に回動可能に取付け、他端をハート型カム47上に配置してある。また、このピン28の中間部分には、ピン28の他端をハート型カム47に押付けるばね部材29を配置し、このばね部材29は、ケース20に取付けてある。
【0032】
ハート型カム47は、中央に形成されるハート型の突出部48と、この突出部48の周囲に形成される複数の傾斜面および複数の段差の組み合わせとによって、ピン28が一方向にのみ移動するように設定してある。
【0033】
つまり、このハート型カム47およびピン28によって、カードホルダ10がケース20に収納された状態で押圧操作されたときに、第2爪41が一段低い底面部分20b上に位置する押し出し位置にスライダ40を位置決めし、また、カードホルダ10がケース20に収納されたときに、第2爪41が、一段高い底面部分20a上に位置する押し込み位置にスライダ20を位置決めするように設定してある。
【0034】
また、スライダ40後部の両側部のそれぞれには、スライダ40をカードホルダ10の引出し方向に付勢するためのコイルばね51を取付けるばね取付部45をそれぞれ設けてある。
【0035】
また、スライダ40後部には、上述の接続手段30等を支持するための後部支持体50を取付けてある。この後部支持体50は、上述の接続手段30に設けられた切欠き33が係止される図示しない係止部と、外部接続用コネクタ32が支持される枠状の支持部54とを備える。また、後部支持体50の両側部のそれぞれには、上述のコイルばね51を収納するばね室52をそれぞれ設けてある。ばね室52の上面には、スライダ40のスライド方向に沿ってスリット53を設け、スライダ40後部上面には突起部46を設けてスリット53内に配置して、コイルばね51のばね力によるスライダ40の移動が制限されるようにしてある。コイルばね51と、ハート型カム47、ピン28およびばね部材29からなるカム機構とが、スライダ40の位置決め手段を構成している。
【0036】
後部支持体50上面には、ケース20に設けられた切欠き25,27および穴26に適合する突部55,57および係止爪58、およびケース20縁部に当接する突部56,59を設けてある。
【0037】
また、押し出し手段は、スライダ40に設けられたスライドガイド部42の前端面42aを、カードホルダ10の後端面17に当接するように設けて、上述のコイルばね51のばね力がカードホルダ10に与えられるようにしたものである。
【0038】
このように構成した本実施形態は、ケース20からカードホルダ10が引出される際、次のように操作される。
【0039】
図2(1)に示すように、カードホルダ10は、ケース20に収納されている。このとき、操作部1の前面は、隣接する操作ボタン2〜5の前面と同一面内にある。ケース20内では、図3(a1),(a2)に示すように、ハート型カム47中央の突出部48とピン28とが係合していることによって、スライダ40が押し込み位置に位置決めされており、カードホルダ10の引出し方向へ移動しないように規制されている。このときのカードホルダ10の位置を第1の位置と称する。
【0040】
カードホルダ10が第1の位置にある状態において、操作部1をD方向に押圧すると、同図2(2)に示すように、操作部1の位置は隣接する操作ボタン2〜5よりも少し凹む。このとき、ケース20内では、スライダ40がカードホルダ10に押圧され、スライダ40がコイルばね51に抗して移動する。これに伴って、図3(b2)に示すように、ハート型カム47中央の突出部48とピン28との係合が解除され、スライダ40の付勢方向への移動が許容され、図3(b1)に示すように、スライダ40がカードホルダ10とともにコイルばね51のばね力によって押し出され、押し出し位置に位置決めされる。これにより、図2(3)に示すように、操作部1がE方向に押し出され、カードホルダ10がインストルメントパネル表面よりも、すなわち隣接する操作ボタン2〜5よりも突出する。このときのカードホルダ10の位置を第2の位置と称する。
【0041】
また、このとき、ケース20内では、第2爪41が、図3(b1)に示すように、ケース20に設けられた一段低い底面部分20b上まで移動するので、第2爪41は、棒状部49の撓みに伴ってカードホルダ10の引出し方向に対する直交方向に移動可能な状態となる。
【0042】
カードホルダ10が第2の位置にある状態において、カードホルダ10が引っ張ぱられると、ケース20内では、カードホルダ10に与えられた引出し方向の力が、第2爪41に設けられた傾斜面41aを介して第1爪16から第2爪41に作用する。すなわち、第2爪41には、カードホルダ10の引出し方向に対する直交方向の力が作用し、これに伴って、第2爪41と一体の棒状部49が撓み、その撓みに応じて第2爪41が、カードホルダ10の引出し方向に対する直交方向に移動する。これにより、第1爪16が傾斜面41a上を摺動して引出し方向に移動するので、図3(c1)に示すように、第1爪16と第2爪41との係合が解ける。したがって、図2(4)に示すように、操作部1を把持してカードホルダ10を引出すことができる。このときのカードホルダ10の位置を第3の位置と称する。
【0043】
カードホルダ10が第3の位置にある状態において、操作部1をD方向に押圧操作すると、スライダ40がカードホルダ10に押圧されてコイルばね51に抗して移動する。また、カードホルダ10に与えられた押圧力により第1爪16が第2爪41に当接し棒状部49が撓んで第1爪16と第2爪41が係合する。スライダ40の移動およびカードホルダ10への押圧解除に伴いピン28がハート型カム47の中央の突出部48に係合し、スライダ40は押し込み位置に位置決めされ、カードホルダ10は第1の位置に位置決めされる。
【0044】
このように本実施形態では、操作部1を押圧操作すると、インストルメントパネル表面よりも操作部1が突出するので、突出した操作部1を把持してカードホルダ10を引出すことができる。したがって、インストルメントパネルに凹部を設けずに済む。
【0045】
また、本実施形態では、操作部1の押圧操作が、周囲に設けられる操作ボタンやツマミなどの押圧操作や回転操作にも調和するので、操作性を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、操作ボタン2〜5のように、付近にもスイッチ類などの機材を設けることができ、インストルメントパネルのスペースを効率よく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のカードホルダ装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】本実施形態に備えられるカードホルダが引出されるまでの動作を示す斜視図である。
【図3】本実施形態のカードホルダの位置と、第1爪と第2爪の動作、およびハート型カムの動作を示す断面図である。(a1)〜(c1)は、それぞれカードホルダの第1の位置、第2の位置、第3の位置を示しており、全体として第1爪と第2爪との係合状態からその係合状態が解かれるまでの動作を示す図であり、(a2)は(a1)のA矢視図、(b2)は(b1)のB矢視図、(c2)は(c1)のC矢視図である。
【符号の説明】
【0048】
10 カードホルダ
11 小型メモリカード
12 カード保持部
16 第1爪
20 ケース
21 開口
28 ピン
29 ばね部材
30 接続手段
40 スライダ
41 第2爪
47 ハート型カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードを保持し、押圧操作部を有するカードホルダと、
このカードホルダが挿入される開口を有するケースと、
前記メモリカードを保持した前記カードホルダが前記ケースに収納されたとき、前記メモリカードと所定機器とを電気的に接続する接続手段と、
前記カードホルダの挿入方向および引出し方向へのスライドが可能に前記ケース内に設けられ、前記ケースに挿入された前記カードホルダに係合するスライダと、
前記ケース内に設けられ、前記カードホルダの前記押圧操作部の押圧操作により前記スライダを押し込み位置と押し出し位置とに位置決め可能な位置決め手段と、
前記カードホルダと前記スライダとの係合および係合の解除を許容する許容部と、
前記スライダが前記押し込み位置にある状態において前記許容部が前記係合の解除を許容するのを規制し、前記スライダが前記押し出し位置にある状態において前記規制を解除する規制部と、
前記ケースに挿入された前記カードホルダの前記押圧操作部を押圧操作すると、前記カードホルダが前記スライダに係合して前記スライダとともに挿入方向へ移動し、前記押し込み位置への前記スライダの位置決めに伴い前記ケースへの収納が完了する第1の位置に位置決めされ、
前記カードホルダが前記第1の位置にあるときに、前記押圧操作部を押圧操作すると、前記スライダが前記押し出し位置に位置決めされ、これに伴い前記カードホルダが押し出された第2の位置に位置決めされ、
前記第2の位置にある前記カードホルダを引っ張ると、前記スライダとの係合が解除された第3の位置に前記カードホルダが移動することを特徴とするカードホルダ装置。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、前記位置決め手段は、前記スライダと前記ケースの間に設けられたカム機構と、前記スライダを前記カードホルダの引出し方向に付勢するばねとから構成されたことを特徴とするカードホルダ装置。
【請求項3】
請求項1記載の発明において、前記カードホルダには第1爪が設けられ、前記スライダには第2爪が設けられ、これら第1爪と第2爪とにより前記カードホルダと前記スライダとの前記係合が実現されることを特徴とするカードホルダ装置。
【請求項4】
請求項3記載の発明において、前記許容部は、前記第1爪または前記第2爪の少なくとも一方に付設され、付設された前記第1爪または前記第2爪を前記カードホルダの挿入方向に対する直交方向に移動可能とすることを特徴とするカードホルダ装置。
【請求項5】
請求項4記載の発明において、前記許容部は、前記第1爪または前記第2爪の少なくとも一方を端部に備えた棒状部であることを特徴とするカードホルダ装置。
【請求項6】
請求項4記載の発明において、前記第2爪に対する前記第1爪の接触部と前記第1爪に対する前記第2爪の接触部の少なくとも一方に、前記カードホルダが引き出されるときに
受ける力の方向に傾斜する傾斜面が設けられたことを特徴とするカードホルダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−280384(P2007−280384A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88494(P2007−88494)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【分割の表示】特願2001−364577(P2001−364577)の分割
【原出願日】平成13年11月29日(2001.11.29)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】