説明

カーボンナノチューブとポリマーマトリックスとをベースにした複合材料と、その製造方法

【課題】カーボンナノチューブが分散したポリマーマトリックスをベースにした複合材料と、この複合材料の製造方法。
【解決手段】本発明では相溶化剤として、酸および/または酸無水物の官能基を有する少なくとも一種のブロックを有する、制御されたラジカル重合で得られるブロックコポリマーを使用する。この相溶化剤を用いることで、界面の相互作用を制御、最適化でき、使用に適した特性を有する安定な複合材料が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーボンナノチューブ(carbon nanotubes)に関するものである。
発明は特に、カーボンナノチューブの安定な分散体に関するものであり、特に、有機溶剤または水溶性溶剤中、または、ポリマーマトリックス中にカーボンナノチューブを安定に分散する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にCNTとよばれるカーボンナノチューブはsp2構造の種々の炭素アロトロピック(同素形)であり、芳香族環が互いに結合した長い単一壁チューブ、二重壁チューブ(dwCNTとよばれる)または多重壁チューブ(mwCNTとよばれる)で構成されている。
【0003】
CNTが特異な導電性、熱伝導性および機械特性を有することは知られている。CNTの発見以降、当業者はCNTを添加物として用いてCNTを添加した材料にCNTと同じ特性を与えようと試みてきた。この場合、一般に下記の3つの課題に直面する:
(1)ホストマトリックス中へCNTの分散方法、
(2)CNT凝集体は破壊するのが難しい。すなわち、CNT凝集体はチューブ間の強いファンデルワールス力によって組織化して束になっているか、球になっている(製造方法に依存する)、
(3)添加材(CNT)とマトリックスとの界面の品質。
【0004】
例えば、CNTを材料中に良好に分散できないと、パーコレーション閾値(the percolation threshold)すなわち導電性や剛性等の材料特性の不連続が観察され始める添加材(充填材)のレベルに達するのに多量のCNTを用いる必要がある。そうすると、材料の他の特性、例えば透明性や流動性が損なわれてしまう。良好な分散は制御された均質性を有する材料を得るためにも必要である。
CNTを添加して得られる利点、特に、補強材または伝導助剤として使用した場合の利点はマトリックスとCNTとの界面の品質に依存する。
従って、先ず第一に解決しなければならない技術的問題は、CNTの分散を制御、最適化し、CNT/マトリックス界面を制御することであろう。
【0005】
下記文献にはポリ(ブチルアクリレート)のようなポリマーをカーボンブラックの表面にグラフトする方法が開示されている。
【非特許文献1】Matyjaszewski et al.,Langmuir(2003),19(16),6342-6345
【0006】
この方法では銅錯体で制御されるラジカル重合の開始部位の役目となる臭素化分子をカーボンブラックの表面にアンカーさせて、カーボンブラックの表面を改質する。すなわち、カーボンブラックをアクリレートの層で被覆する。このアクリレート層はポリアクリレートと相溶性のあるマトリックス中に分散できる。この方法は、銅錯体がモノマーの重合を制御できる限り、ポリ(ブチルアクリレート)以外のポリマーにも適用できることは明らかである。また、カーボンブラックの代わりにCNTを用いても上記と同じ方法が適用できる。
下記文献ではn−ブチルアクリレート鎖をCNT末端にグラフトする方法が開発されている。
【非特許文献2】Shuhui Qin(J.Am.Chem.Soc.,1,2004,pp.170-176)
【非特許文献3】Z.Yao et al.J.Am.Chem.Soc.,1,2004,pp.1-8
【0007】
しかし、上記の方法はカーボンナノチューブ表面の化学的改質を必要とする。この化学的改質には製造上の観点(コストのかかる化学的改質段階が必要)およびCNTの利用上の観点の両方で欠点がある。すなわち、下記文献に記載のように、ナノチューブ表面の改質ではその特性が変化する:
【非特許文献4】A.Garg et al. Chemical physics letters, vol.295 pp.273-278,1998、「カーボンナノチューブの機械特性に対する化学的官能化の影響」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願人は上記の技術的課題を解決するための研究を続け、マトリックスポリマー中にCNTを安定して分散する方法、安定な分散体および良好な特性を有する複合材料を得るための簡単な方法を見出した。
従って、本発明の対象はそうした安定な分散体と、その製造方法にある。
本出願人は特に、CNT/ポリマーマトリックス相溶化剤として、酸、酸無水物またはアミノのようなイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一つのブロックとマトリックスポリマーと相溶性がある少なくとも一つのブロックとを有するグラフトコポリマーまたはブロックコポリマーを用いることによって均質かつ安定で、用途に適した所望特性を有するCNT/ポリマーマトリックス材料が得られるということを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の対象は下記の(1)〜(3)を有する複合材料にある(比率は重量%):
(1) 0.01〜99%のCNT、
(2) 99.99〜0%の少なくとも一種のポリマーP1、
(3) ブロック1の全重量の少なくとも10重量%を占めるイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1の重合で得られるイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のブロック1と、このブロック1が上記ポリマーP1と相溶性がない場合に用いる任意成分のポリマーP1と相溶性にするブロック2とを有するブロックコポリマー。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好ましい実施例の複合材料は下記の(1)〜(3)を有する(比率は重量%):
(1) 0.01〜99%のCNT、
(2) 99.99〜1%の少なくとも一種のポリマーP1、
(3) ブロック1の全重量の少なくとも10重量%を占めるイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1の重合で得られるイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のブロック1とこのブロック1が上記ポリマーP1と相溶性がない場合に用いる任意成分のポリマーP1と相溶性にするブロック2とを有するブロックコポリマー。
【0011】
上記ブロックコポリマーの複合材料中でのCNT/コポリマーの質量比(α=m(CNT)/m(コポリマー)は0.001〜1000である。
【0012】
本発明では、CNTは単一壁、二重壁または多重壁のカーボンナノチューブであり、CNTは複合材料の全質量の好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.03〜10質量%を占める。
【0013】
上記ポリマーP1はエラストマー、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂にすることができる。本発明の好ましい実施例ではポリマーP1は複合材料の全重量の10〜99重量%、好ましくは50〜99重量%を占める。ポリマーP1はポリ(アルキルアクリレート)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(PVCC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート、ポリアミド、不飽和ポリエステル、ポリラクトン、ポリエポキシド、ポリイミン、ポリホスファゼン、ポリオレフィン、ポリブタジエン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリケトン、ポリウレタンおよびこれらに対応するコポリマーの中から選択される。
【0014】
上記ブロックコポリマーは上記α比が0.01〜100、さらに好ましくは0.01〜10で存在しているのが好ましい。
【0015】
ブロック1は混合物B1の全重量の少なくとも10重量%を占めるイオン性またはイオン化可能な酸、酸無水物またはアミノ官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1を含むモノマー混合物B1の重合で得られる。この混合物の残りは上記モノマーM1と共重合可能な少なくとも一種のモノマーM2から成る。モノマーM1はモノマー混合物B1の全重量の少なくとも50重量%を占めるのが好ましい。
モノマーM1は酸官能基および/または酸無水物官能基、例えばアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸を有するモノマーから成る群の中から選択するのが好ましい。
モノマーM2はビニル芳香族誘導体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、アクリレートおよびメタクリレート、そのアミド同族体、例えばアクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびアクリロニトリルの中から選択される。
【0016】
ブロック2はラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー、例えばビニルモノマー、ビニリデンモノマー、ジエンモノマーおよびオレフィンモノマーから選択される少なくとも一種のモノマーを含むモノマーの混合物B2の重合で得ることができる。
当業者はポリマーP1と同じ種類のまたはポリマーP1と相溶性にあるブロック2が得られるように混合物B2の含有率および組成を決めることができる。例えば、P1がポリ(メチルメタクリレート)、PVCまたはPVDFの場合、メチルメタクリレートをベースにしたブロック2が選択される。一方、P1がポリスチレンの場合にはブロック2はスチレンベースにすることもできる。
【0017】
本発明の複合材料は種々の方法で製造できる。例えば、混合法または重合法等の当業者に周知の一般的な方法で製造できる。これらの方法は満足のいくものではあるが、本発明者は通常の混合法よりも有効な方法を開発した。
本発明者は特に、マトリックスに導入されるCNTの存在下で酸および/または酸無水物の単位を含むブロックを調製することで相溶化剤がさらに有効になるということも見出した。これは本発明の好ましい実施例である。
【0018】
本発明の別の対象は、下記段階1〜5を含むマトリックスポリマー中にCNTを分散する方法にある:
段階1
モノマー混合物B1とアルコキシアミンを含む(必要に応じてさらに重合制御剤を含む)開始系とを含む重合媒体中にCNTを懸濁する。アルコキシアミンはモノマー混合物B1および任意成分としての溶剤S1に対して0.1〜10mol%の比率で存在する。
段階2
段階1で得られた分散体(懸濁物)を10〜100%の変換度が得られるまで40〜140℃の温度で重合する。
段階3
段階2で得られた懸濁液にモノマー混合物B2を添加し、所望の変換度が得られるまで40〜140℃の温度で重合する。
段階4
段階3で得られた生成物を回収し、乾燥する。
段階5
段階4で得られた生成物をマトリックスポリマーと混合する。
【0019】
プロセスを続ける前に段階2で反応しなかったモノマーB1を除去するのが有用なこともある。この場合は、段階2で調製した生成物を乾燥し、回収する。次いで、この生成物をモノマー混合物B2中に、必要に応じて溶剤S2および重合制御剤の存在下で、再び分散し、段階3〜5に記載のプロセスを続ける。
【0020】
段階2のモノマーの重合は下記一般式の開始剤(アルコキシアミン)を用いて開始される:
【化1】

【0021】
(ここで、R1とR’1は炭素原子数が1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、R2はLi、NaまたはKのようなアルカリ金属、NH4+、NBu4+またはNHBu3+のようなアンモニウムイオン、水素原子またはアルコキシまたはアミノ官能基を有していてもよいアルキル基を表す)
【0022】
重合は40〜140℃の温度、1〜20barの圧力で行う。この重合はモノマーM1の変換率が10〜100%に達するまで続ける。鎖の末端に下記式の官能基を有するポリマーまたはオリゴマーの存在下にCNTの分散体(懸濁物)が得られ、これによって鎖のラジカル重合が再開できる:
【0023】
【化2】

【0024】
この段階で得られた分散体を乾燥し、回収するか、そのまま次の段階で用いることができる。
【0025】
段階3のモノマーB2はこのモノマーB2の重合で得られるポリマーがマトリックスP1と相溶性にあるように選択される。従って、重合は導入されるモノマーに適した条件下で行われる。この段階では過酸化物誘導体、レドックス誘導体またはアゾ誘導体のような一般的な重合開始剤をさらに用いて、全てのビニルモノマーを変換することができる。しかし、モノマーの変換が完了する前に重合を停止するのが好ましい。この場合には材料を真空乾燥して回収する。
【0026】
段階5では、最終複合材料に所望レベルの(電気または熱)伝導性および/または所望の機械特性が得られるように、溶剤中または溶融ブレンド混合して上記材料をマトリックスポリマー中に分散する。他の方法は予め得た上記材料をモノマー溶液中に分散して、熱硬化性系の場合のように重縮合する方法がある。
【0027】
この分散方法は重合され且つポリマー鎖をナノチューブの表面にアンカーする第1モノマーが、有機媒体中でも、イオン性またはイオン化可能な基、特に酸性基でなければならない点で新規である。すなわち、このオリゴマーはナノチューブの表面と相互作用し、この相互作用は所望のマトリックスに対して相溶化剤であるブロックをナノチューブ表面に結合させるのに十分なものである。この親和力はマトリックスポリマーとの混合時にも維持され、脱着現象はない。この脱着現象が起きるとCNTが束(faggots)の形で凝集したり、分散が不十分になるためCNTが遊離し、パーコレーション閾値から遠くなる。
【0028】
第2段階で得られる乾燥または分散状態の生成物も新規化合物である。この新規化合物は重合プロセスで直接使用するか、ラテックスのような分散媒体中の添加物として用いることができる。第4段階の最後に得られるマスター材料はその伝導特性(熱伝導性または導電性)または機械特性からそのまま用いることができ、必ずしもマトリックスポリマーで希釈する必要はない。
【0029】
段階1〜5は下記に従って定義されるのが好ましい:
溶剤S1およびS2は互いに同一でも異なっていてもよく、水、環式または直鎖エーテル、アルコール、ケトン、脂肪族エステル、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンのような芳香族溶剤、ジクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロエタンのようなハロゲン化溶剤、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンまたはドデカンのようなアルカン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシドのようなアミドまたは上記溶剤の任意の混合物が好ましい。
【0030】
モノマーM1の比率は段階1で存在する全てのモノマーの少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも90重量%であるのが好ましい。
CNTは溶剤中に音波処理または機械的攪拌で分散し、CNTの量は0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%である。
溶剤中に導入される酸モノマーと化合物(I)とのモル比は20〜10,000、好ましくは50〜1000である。溶剤中の酸モノマーの濃度は最大で3mol.l-1である。
好ましい化合物(I)はR1およびR’1がメチル基で、R2が水素原子である。
第2段階での酸モノマーの変換率は好ましくは30〜80%、さらに好ましくは50〜80%である。
第4段階のモノマーはラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー、例えばビニルモノマー、ビニリデンモノマー、ジエンモノマー、オレフィンモノマー、アリルモノマー等から選択できる。
【0031】
このモノマーは特に、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレンまたは置換されたスチレン、特にα−メチルスチレンおよびナトリウムスチレンスルホナート、ジエン類、例えばブタジエンまたはイソプレン、アクリルモノマー、例えばアクリル酸またはアクリル酸塩、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキルまたはアクリル酸アリール、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、エチルヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、エーテルアルキルアクリレート、例えば2−メトキシエチルアクリレート、アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールアクリレート、例えばメトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアクリレートまたはその混合物、アミノアルキルアクリレート、例えば2−(ジメチルアミノ)アクリル酸エチル(ADAME)、アミン塩のアクリレート、例えば[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルの塩化または硫酸アンモニウム、[2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルベンジルの塩化または硫酸アンモニウム、フルオロアクリレート、シリル化アクリレートまたは燐含有アクリレート、例えばアルキレングリコールアクリレートホスフェート、メタクリルモノマー、例えばメタクリル酸またはメタクリル酸塩、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸アルケニルまたはメタクリル酸アリール、例えばメタクリル酸メチル、ラウリルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、アリルメタクリレート、メタクリル酸フェニル、ヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エーテルアルキルメタクリレート、例えば2−エトキシエチルメタクリレート、アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールメタクリレート、例えばメトオキシポリエチレングリコールメタクリレート、エトオキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトオキシポリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールメタクリレートまたはその混合物、アミノアルキルメタクリレート、例えば2−(ジメチルアミノ)メタクリル酸エチル(MADAME)、アミン塩のメタクリレート、例えば[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルの塩化または硫酸アンモニウム、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルベンジルの塩化または硫酸アンモウム、フルオロメタクリレート、例えば2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、シリル化メタクリレート、例えば3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルシラン、燐含有メタクリレート、例えばアルキレングリコールメタクリレート燐酸塩、ヒドロキシエチルイミダゾリドンメタクリレート、ヒドロキシエチルイミダゾリジノンメタクリレート、2−(2−オキソ−1−イミダゾリデイニル)メタクリル酸エチル、アクリロニトリル、アクリルアミドまたは置換されたアクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム(APTAC)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩、メタクリルアミドまたは置換されたメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタアクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム(MAPTAC)、イタコン酸、マレイン酸またはその塩、無水マレイン酸、アルキルまたはアルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールマレイン酸エステルまたはヘミ(hemi)マレイン酸エステル、ビニールピリジン、ビニルピロリジノン、(アルコキシ)ポリ(アルキレングリコール)ビニルエーテルまたはジビニルエーテル、例えばメトオキシポリ(エチレングリコール)ビニルエーテルまたはポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテルの中から選択でき、上記モノマーの単独または少なくとも2つの混合物にすることができる。
【0032】
オレフィンモノマーとしてはエチレン、ブテン、ヘキセン、1−オクテンおよびフッ素化または塩素化オレフィンモノマーが挙げられる。
ビニリデンモノマーとしては、フッ化または塩化ビニリデンが挙げられる。
ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンおよびシクロペンタジエンが挙げられる。
【0033】
CNTが分散されるポリマーP1はポリ(アルキルアクリレート)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(PVCC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリアミド、不飽和ポリエステル、ポリラクトン、ポリエポキシド、ポリイミン、ポリホスファゼン、ポリオレフィン、ポリブタジエン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリケトン、ポリウレタンまたは上記ポリマーの任意のコポリマーにすることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
下記のいずれかのCNTを用いた:
(1)単一壁ナノチューブまたは二重壁ナノチューブ(dwCNT)
dwCNTは下記文献に記載の方法に従って触媒化学蒸着で得た。
【非特許文献5】E.Flahaut, R.R. Bacsa, A. Peigney C.Laurent, Chem.Com.(2003)1442「二重壁のカーボンナノチューブのグラムスケールCCVD合成」
【0035】
透過電子顕微鏡法による統計的研究から、約80%のチューブが二重壁であり、直径が1〜3nmであり、長さが100μmに達しうることがわかった。プレスしてペレット状にしたときのこれらの導電率は25 S/cm以上である。
【0036】
(2)多重壁ナノチューブ(以下、mwCNT)
mwCNTは下記文献に従って担持触媒の存在下での蒸着法で得た。
【特許文献1】国際特許第WO03/002456A2
【0037】
透過電子顕微鏡法による統計的研究から、ほぼ100%のチューブが多重壁で、その直径は10〜50nm、長さは70μmに達することがわかった。ペレット状にプレスしたときの導電率は20 S/cm以上である。
dwCNTおよびmwCNTは予め酸性溶液(硫酸および塩酸)で洗浄し、残留無機および金属不純物を取り除いて精製した。
【0038】
実施例1
dwCNTおよびmwCNTをジオキサンに分散
0.2gの純粋なdwCNTおよびmwCNTを15gの1,4−ジオキサン中に分散し、得られた溶液を超音波浴(Fischer Bioblock Scientificタイプ、出力350W、周波数40KHz、超音波処理時間1時間)に入れる。
【0039】
実施例2
実施例1で得られた分散体を用いたアクリル酸の重合
実施例1の溶液に種々の量([表1]参照)のアクリル酸(AA)を添加し、機械攪拌(500rpm)を1時間維持してナノチューブ表面への吸着を促進する。超音波処理完了時に[AA]/[I]比=300に対応する量の化合物(I)を添加する。dwCNTにグラフトされるポリマーの寸法はアクリル酸の変換率で調節した。
こうして得られた懸濁液を脱気した後、窒素でパージし、反応媒体の温度を115℃に加熱し、分散体2a〜fを得る([表1])。重合時間によって変換率が決まるので、所望変換率の所で反応媒体の温度を30℃に急激に下げて重合を停止する。
【0040】
【表1】

【0041】
実施例3(比較例)
実施例1で得られた分散体を用いたスチレンの重合
実施例2と同様の手順に従うがアクリル酸の代わりにスチレンを用いる。分散体3a〜cが得られる。
【表2】

【0042】
実施例4
実施例2と実施例3で行った分散を繰り返し、これに各種の量のモノマーB2を添加する([表3]参照)。得られた新規な分散体の温度を115℃に上げ、所望の変換率が得られるまで重合を続け、目的とする組成物を製造する。
【0043】
【表3】

【0044】
実施例5
酸ブロックの基本的役目の証明
実施例2aのアクリル酸ポリマーのCNTへの吸着強度を比較例3aのポリスチレンと比較する。そのために各サンプルを0.1g採取する。サンプル2aは50mlのエタノールで続けて3回洗浄する。サンプル3aはトルエンを用いて同じ手順に従う。これらの溶剤はポリ(アクリル酸)およびポリスチレンを正しく溶媒和する。
【0045】
こうして洗浄したCNTを50℃で24時間真空乾燥した後、熱重量分析(窒素雰囲気下、温度勾配10℃/分の条件下、TA InstrumentsのTGA2950装置で測定)で分析する。実施例2aでは洗浄後に20.5重量%のポリ(アクリル酸)の残留量が観察される(すなわち、洗浄後も吸着したまま残る初期PAA鎖の比率が30重量%)。一方、実施例3aでは洗浄後に残るポリスチレン残留量は3.7重量%である。これは洗浄中に96重量%のポリスチレンが損失したことを示す。
【0046】
実施例6
マトリックスポリマーと相溶性のロックを固着する際の酸ブロックの基本的役目の証明
[図1]は複合材料4hおよび4nで得られる熱重量分析測定値を示している。4hの場合は重量ロスが2段階で起こることがわかる。すなわち、約450℃で90重量%が損失し、次いで、450℃〜575℃で重量が徐々に減る。一方、4nの場合はこの第2の段階が存在せず、450℃からコポリマー全体が分解した。この差は4n中ではポリマーの一定数の断片がナノチューブ表面に強く結合(約10%)していて分解が遅れることを示している。一方、4hは相互作用が4nほど強くないことを示している。このことから4n中に存在する第1のポリスチレンブロックと比べた場合の4h中に存在する第1の酸ブロックの重要性がわかる。
【0047】
実施例7
水性媒体中にナノチューブを分散する際の酸ブロックの役目の証拠
7gの水と7gのトルエンとから成る二相混合物中で0.2gのdwCNTを1時間、超音波処理した後、上側の相(トルエン相)で初期に分散したCNTが沈降して水/トルエン界面で静止することが観察される。
上記と同じ条件下で0.5gの化合物2cを超音波処理したときには、ナノチューブは水中に分散したままである。この分散体は周囲温度で数ヶ月間安定である。
【0048】
実施例8
有機媒体中にナノチューブを分散する際の酸ブロックの役目の証拠
実施例7と同じ条件下で、実施例3c(本発明ではない)および実施例4oの改質CNTを分散することを試みた。3cの場合はCNTが急速に沈降し、水/トルエン界面に位置する([図2]の写真X3c参照)。本発明の材料である4oの場合は、CNTの安定した分散がトルエン相中で数ヶ月にわたって観察される([図2]の写真X4o参照)(これは2ヶ月貯蔵後の有機相を表す)。
【0049】
実施例9
ポリマー媒体中にナノチューブを分散する際の酸ブロックの役目の証拠
トルエン(15g)を用いて調製した複合材料4o(1g)の分散体に4gの市販のポリスチレン(Lacqrene(登録商標)1160)を添加する。混合物を攪拌下に数時間維持した後、溶液をゆっくりと蒸発させて気泡を含まない薄膜を得る(70℃の換気オーブンで24時間、次いで80℃で真空(20mbar)下に24時間)。
得られた薄膜は均質で、CNTの凝集は全くみられない。
【0050】
実施例10
実施例4の複合材料の伝導率の測定
実施例9と同様な手順に従って複合材料4のジオキサン中の分散体をゆっくり蒸発させて得た薄膜の伝導性を測定する。測定は四点法として当業者に周知の方法に従って行う。
【表4】

【0051】
この実施例から材料4iおよび4kはパーコレーション閾値を超えることがわかる。複合材料4gはほぼ閾値であり、その他は閾値以下である。
以上の測定値から、本発明に従って得られる材料はCNT含有材料の伝導特性を保持することが確認された。これは第1の酸ブロックのCNT表面への結合がこれらの特性に影響しないことを示している。
【0052】
本発明の実施態様を以下に記載する。
(1)請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の温度調節材料としての使用。
(2)請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の水性または油性ペイント塗料での使用。
(3)請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の被覆材での使用。
(4)請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の静電防止材料または帯電防止用添加物としての使用。
(5)請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の機械特性強化での使用。
(6)請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の温度調節材料としての使用。
(7)請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の水性または油性ペイント塗料での使用。
(8)請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の被覆材での使用。
(9)請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の静電防止材料または帯電防止用添加物としての使用。
(10)請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の機械特性の強化での使用。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】複合材料4hおよび4nで得られる熱重量分析測定値。
【図2】実施例3cおよび実施例4oの写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(1)〜(3)からなる複合材料(重量%):
(1)0.01〜99%のカーボンナノチューブ(CNT)、
(2)99.99〜0%の少なくとも一種のポリマーP1、
(3)イオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一つのブロック1を有する少なくとも1一種のブロックコポリマー[上記ブロック1の全重量の少なくとも10重量%はイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1であり、上記ブロック1が上記ポリマーP1と相溶性がない場合、上記ブロックコポリマーは上記ポリマーP1と相溶性のあるブロック2を有していてもよく、複合材料中での上記コポリマーのCNT/コポリマー質量比(α=m(CNT)/m(コポリマー)は0.001〜1000]。
【請求項2】
下記の(1)〜(3)からなる請求項1に記載の複合材料(重量%):
(1) 0.01〜99%のカーボンナノチューブ(CNT)、
(2) 99.99〜1%の少なくとも一種のポリマーP1、
(3)イオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一つのブロック1を有する少なくとも1一種のブロックコポリマー[上記ブロック1の全重量の少なくとも10重量%はイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1であり、上記ブロック1が上記ポリマーP1と相溶性がない場合、上記ブロックコポリマーは上記ポリマーP1と相溶性のあるブロック2を有していてもよく、複合材料中での上記コポリマーのCNT/コポリマー質量比(α=m(CNT)/m(コポリマー)は0.001〜1000]。
【請求項3】
0.01〜30重量%のカーボンナノチューブと、99〜10重量%のポリマーP1とからなり、上記αが0.01〜100である請求項1に記載の複合材料。
【請求項4】
0.01〜10重量%のカーボンナノチューブと、99〜50重量%のポリマーP1とからなり、上記αが0.01〜100である請求項3に記載の複合材料。
【請求項5】
0.01〜10重量%のカーボンナノチューブと、99〜50重量%のポリマーP1とからなり、上記αが0.1〜10である請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項6】
CNTが単一壁、二重壁または多重壁のカーボンナノチューブである請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項7】
ポリマーP1がポリ(アルキルアクリレート)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(PVCC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート、ポリアミド、不飽和ポリエステル、ポリラクトン、ポリエポキシド、ポリイミン、ポリホスファゼン、ポリオレフィン、ポリブタジエン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリケトン、ポリウレタンまたは上記ポリマーの対応モノマーを含む任意のコポリマーから成る群の中から選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項8】
ブロック1がモノマー(B1)の混合物の重合で得られ、このモノマー(B1)の混合物はその全重量の少なくとも10重量%を占めるイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項9】
上記M1が酸または酸無水物のモノマーである請求項8に記載の複合材料。
【請求項10】
上記M1がアクリル酸である請求項9に記載の複合材料。
【請求項11】
上記M1が上記B1の全重量の少なくとも50重量%を占める請求項7〜10のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項12】
上記B1を構成するM1以外のモノマーがビニル芳香族誘導体、例えばスチレン、アクリレートおよびメタクリレート、そのアミド同族体、例えばアクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびアクリロニトリルの中から選択される請求項7に記載の複合材料。
【請求項13】
上記ブロック2がラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー、例えばビニルモノマー、ビニリデンモノマー、ジエンモノマーおよびオレフィンモノマーから選択される少なくとも一種のモノマーを含むモノマー(B2)の混合物の重合で得られる請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項14】
上記ブロック2がアルキルメタクリレートをベースにしたブロックで、上記ポリマーP1がPMMA、PVCまたはPVDFおよび熱硬化性樹脂、例えばポリエポキシドまたはポリウレタンの中から選択される請求項1〜13のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項15】
上記ブロック2が少なくとも50%のメチルメタクリレートを含む請求項14に記載の複合材料。
【請求項16】
上記ポリマーP1および上記ブロック2がポリスチレンを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項17】
下記段階を含む請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法:
(段階1) 上記混合物B1とアルコキシアミンおよび任意成分の重合制御剤を含む開始系とを含み、アルコキシアミンが上記混合物B1および任意成分の溶剤S1に対して0.1〜10mol%を占める重合媒体中に、CNTを懸濁し、
(段階2) 段階1で得られた分散体を10〜100%の変換度が得られるまで40〜140℃の温度で重合し、
(段階3) 段階2で得られた懸濁液に上記混合物B2を添加し、所望の変換度が得られるまで40〜140℃の温度で重合し、
(段階4) 段階3で得られた生成物を回収、乾燥し、
(段階5) 段階4で得られた生成物をマトリックスのポリマーP1と混合する。
【請求項18】
下記段階を含む請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法:
(段階1) 上記混合物B1とアルコキシアミンおよび任意成分の重合制御剤を含む開始系とを含み、アルコキシアミンが上記混合物B1および任意成分の溶剤S1に対して0.1〜10mol%を占める重合媒体中に、CNTを懸濁し、
(段階2) 段階1で得られた分散体を10〜100%の変換度が得られるまで40〜140℃の温度で重合し、
(段階3) 段階2で得られた生成物を回収、乾燥し、
(段階4) 段階3で得られた粉末を、任意成分として溶剤S2を含む上記モノマーB2の混合物中に分散し、40〜140℃の温度で重合し、
(段階5) 段階4で得られた生成物を回収、乾燥し、
(段階6) 段階5で得られた生成物をマトリックスポリマーと混合する段階。
【請求項19】
溶剤中に分散したCNTが分散体の0.01〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%である請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
上記混合物B1が、混合物の全重量の少なくとも10重量%を占めるイオン性またはイオン化可能な官能基を有する少なくとも一種のモノマーM1と、0〜90%の上記モノマM1と共重合可能なモノマーM2またはモノマーM2の混合物とを含む請求項17または18に記載の方法。
【請求項21】
上記モノマーM1が酸または酸無水物のモノマーである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
M1がアクリル酸であるのが好ましい請求項21に記載の複合材料。
【請求項23】
上記モノマーM1が上記混合物B1の全重量の少なくとも50重量%を占める請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
上記モノマーM2がビニル芳香族誘導体、例えばスチレン、アクリレートおよびメタクリレート、そのアミド同族体、例えばアクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびアクリロニトリルの中から選択される請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
アルコキシアミンが下記一般式に対応する請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法:
【化1】

(ここで、R1とR’1は炭素原子数が1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、R2はLi、NaまたはKのようなアルカリ金属、NH4+、NBu4+またはNHBu3+のようなアンモニウムイオン、水素原子またはアルコキシまたはアミノ官能基を有していてもよいアルキル基を表す)
【請求項26】
1とR’1がメチル基で、R2が水素原子である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
重合制御剤が下記式に対応する請求項17〜26のいずれか一項に記載の方法:
【化2】

【請求項28】
M1/アルコキシアミンのモル比が20〜10000、好ましくは50〜100である請求項17〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
上記モノマーB2の混合物がラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー、例えばビニルモノマー、ビニリデンモノマー、ジエンモノマーおよびオレフィンモノマーの中から選択される少なくとも一種のモノマーを含む請求項17〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
溶剤S1およびS2が互いに同一でも異なっていてもよく、水、環式または直鎖エーテル、アルコール、ケトン、脂肪族エステル、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンのような芳香族溶剤、ジクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロエタンのようなハロゲン化溶剤、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンまたはドデカンのようなアルカン、ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド、ジメチルスルホキシドまたは上記溶剤の任意の混合物の中から選択する請求項17または18に記載の方法。
【請求項31】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の温度調節材料としての使用。
【請求項32】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の水性または油性ペイント塗料での使用。
【請求項33】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の被覆材での使用。
【請求項34】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の静電防止材料または帯電防止用添加物としての使用。
【請求項35】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の複合材料の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の機械特性強化での使用。
【請求項36】
請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の温度調節材料としての使用。
【請求項37】
請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の水性または油性ペイント塗料での使用。
【請求項38】
請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の被覆材での使用。
【請求項39】
請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の静電防止材料または帯電防止用添加物としての使用。
【請求項40】
請求項17〜30のいずれか一項に記載の方法で得られた複合材料の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の機械特性の強化での使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−537313(P2007−537313A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512095(P2007−512095)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005135
【国際公開番号】WO2005/108485
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【出願人】(595040744)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シャンティフィク (88)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【Fターム(参考)】