説明

カーボンナノ複合金属材料の製造方法

【課題】カーボンナノ材料が飛散する心配が無く、酸化物が介在する心配が無い複合材料の製造技術を提供することを課題とする。
【解決手段】図(a)に示すように、上部が開いている耐熱容器28の底にカーボンナノ材料13を入れる。次に、図(b)に示すように、カーボンナノ材料13の上に、固相のマトリックス金属材料29を載せる。図(c)に示すように、耐熱容器28に蓋30を被せて密閉し、加熱を開始する。すると、マトリックス金属材料29が軟化し、流れて耐熱容器28の内壁に到達する。
【効果】カーボンナノ材料13は、マトリックス金属材料29で密閉されたことになる。耐熱容器28内には微量の酸素が残存しているが、マトリックス金属材料29で密閉された後には、残存酸素がカーボンナノ材料13又はSi被覆カーボンナノ材料25に到達する心配はなく、酸化等の心配が少なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリックス金属材料にカーボンナノ材料を分散させた複合材料の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金属に非金属材料を分散させることで、金属固有の特性を維持しつつ金属が有しない特性(さらなる熱伝導性向上や機械的強度向上など)を付与する技術が実用化された。
金属に非金属材料を分散させて得られる材料は、複合材料と呼ばれ、非金属材料がカーボンナノ材料である場合には、カーボンナノ複合金属材料と呼ばれる。
【0003】
従来、溶融状態のマトリックス金属材料に、カーボンナノ材料を投入して、撹拌しながら分散させる製法が提案されている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0004】
特許文献1の図1において、液相状態の金属材料(1)(括弧付き番号は、特許文献に記載されている符号を示す。以下同様)に、上からカーボンナノ材料(2)が投入され、撹拌手段(51)で撹拌される。
【0005】
ところで、カーボンナノ材料(2)は、次に説明するように、超微細であり、非常に軽い。
すなわち、カーボンナノ材料の代表例であるカーボンナノファイバは、六角網目状に配列した炭素原子のシートを筒状に巻いた形態のものであり、直径が1.0nm(ナノメートル)〜150nmであり、ナノレベルであるため、カーボンナノファイバ(又は、カーボンナノチューブ)と呼ばれる。なお、アスペクト比は100以上である。
【0006】
また、カーボンナノ材料(2)は金属との濡れ性がよくない。濡れ性が悪く且つ非常に軽いカーボンナノ材料(2)は、不可避的に、金属材料(1)から分離し、浮き上がる。
【0007】
対策として、特許文献1の改良技術が、提案されている(例えば、特許文献2(図2)参照。)。
特許文献2の図2に示されるように、パイプ(25)の下端を半溶融状態の金属材料(24)に沈入させ、このパイプ(25)を介してカーボンナノ材料(28)を金属材料(24)へ投入する。
【0008】
金属材料(24)が、粘性に富む半溶融状態であり且つパイプ(25)を用いて、カーボンナノ材料(28)を投入するため、カーボンナノ材料(28)の浮き上がりは、解消することができる。
【0009】
しかし、カーボンナノ材料(28)が超微細で超軽量であるために、投入速度を早めると浮き上がりや飛散の問題が起こる。飛散は作業環境の悪化を招く。
そのために、投入は慎重に行う必要があり、結果として投入作業時間が、長時間化し、生産性が低くなる。
【0010】
また、投入作業中にカーボンナノ材料(28)と共に少量ではあるが酸素が持ち込まれる。作業時間が長くなると、酸素の持ち込み量が比例的に増加し、複合材料に酸化物が介在するようになり、複合材料の品質低下を招く。
【0011】
そこで、酸化物が介在する心配が無く、生産性を高めることができる複合材料の製造技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−136363公報
【特許文献2】特開2008−223049公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、カーボンナノ材料が飛散する心配が無く、酸化物が介在する心配が無く、生産性を高めることができる複合材料の製造技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に係るカーボンナノ複合金属材料の製造方法は、
上部が開いている耐熱容器の底にカーボンナノ材料を入れる工程と、
このカーボンナノ材料に載せるようにして前記耐熱容器にマトリックス金属材料を入れる工程と、
前記耐熱容器に蓋を被せて密閉し、前記耐熱容器内に不活性ガスを吹込み、前記マトリックス金属材料の半溶融温度まで、前記耐熱容器を加熱する工程と、
半溶融状態のマトリックス金属材料を、前記カーボンナノ材料がマトリックス金属材料上に浮き上がる速度より遅い撹拌速度で、撹拌する第1撹拌工程と、
この第1撹拌工程を所定時間実施したら、第1撹拌工程での撹拌速度より高速の撹拌速度で、半溶融状態のマトリックス金属材料を撹拌する第2撹拌工程と、を実施することで、マトリックス金属材料にカーボンナノ材料を分散させた複合材料を得ることを特徴とする。
【0015】
請求項2に係るカーボンナノ複合金属材料の製造方法では、カーボンナノ材料は、予めSiコーティグされたSi被覆カーボンナノ材料であることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係るカーボンナノ複合金属材料の製造方法では、マトリックス金属材料は、Mg又はMg合金であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、カーボンナノ材料を下にして、上にマトリックス金属材料を載せる。この状態でマトリックス金属材料を半溶融させると、マトリックス金属材料の一部が耐熱容器の内壁面まで流れる。すなわち、マトリックス金属材料が蓋の役割を果たして、以降のカーボンナノ材料の飛散及び酸化を防止する。
【0018】
撹拌はカーボンナノ材料が浮上しないようにして行う(第1撹拌工程)。ただし、低速撹拌のままでは、撹拌時間が延び、カーボンナノ材料の分散性も向上しない。そこで、カーボンナノ材料がある程度分散した段階から、高速撹拌に切り替える(第2撹拌工程)。カーボンナノ材料がある程度分散していれば、浮上、飛散は起こらない。第2撹拌工程により、撹拌時間を短縮することができると共に、カーボンナノ材料の分散性も向上させることができる。
【0019】
したがって、請求項1によれば、カーボンナノ材料が飛散する心配が無く、酸化物が介在する心配が無く、生産性を高めることができる複合材料の製造技術を提供することができる。
【0020】
請求項2に係る発明では、カーボンナノ材料は、予めSiがコーティングされている。
Siは、金属との濡れ性がよいと共にカーボンナノ材料との濡れ性もよい。
したがって、Siが、カーボンナノ材料とマトリックス金属材料とを結合する作用を発揮し、カーボンナノ複合金属材料の強度向上に寄与する。
【0021】
請求項3に係る発明では、マトリックス金属材料は、Mg又はMg合金である。Mg又はMg合金は軽量であるため、得られるカーボンナノ複合金属材料は軽量となる。
すなわち、カーボンナノ複合金属材料は、カーボンナノ材料を複合させたので高強度や高熱伝導性を有すると共に軽量であり、高機能材料として広く産業界に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】出発材料の一つであるSi被覆カーボン材料の作成方法を説明する図である。
【図2】Si被覆カーボン材料の模式図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】本発明に係る材料投入から加熱工程までを説明する図である。
【図5】本発明に係る第1撹拌工程からカーボンナノ複合金属材料を得るまでを説明する図である。
【図6】試験片を製作する手順を説明する図である。
【図7】実験1と実験3との引張強さを示すグラフを示す図である。
【図8】実験2と実験4との引張強さを示すグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0024】
本発明の出発材料に一つであるカーボンナノ材料は、普通のカーボンナノ材料(Siが被覆されていない材料)と、次に説明するSi被覆カーボン材料とがある。
普通のカーボンナノ材料は、従来の技術の項で説明したように、直径が1.0nm(ナノメートル)〜150nmで、アスペクト比100以上の超微細な炭素系材料である。
【0025】
一方、Si被覆カーボン材料は、例えば図1(a)〜(d)の手順で製造される。
(a):混合用容器10に、有機溶媒(例えば1リットルのエタノール)11を入れる。この有機溶媒11へ、炭化物形成微粒子(例えば10gのSi)12とカーボンナノ材料(例えば10g)13とを入れる。そして、撹拌機14にて、十分に撹拌する(例えば、毎分750回転で2時間)。撹拌が終了したら、吸引濾過し、高温(例えば100℃)の空気中で十分に乾燥させる(例えば3時間)ことで、(b)に示される混合体15を得る。
【0026】
(c):得られた混合体15を、ジルコニウム製容器16に入れ、ジルコニウム製蓋17を被せる。この蓋17は非密閉蓋を採用することで、容器16の内部と外部との通気を可能にする。
【0027】
(d):密閉炉体18と、炉体18内部を加熱する加熱手段19と、容器16を載せる台21、21と、炉体18内部を真空にする真空ポンプ22とを備える真空炉23を準備し、この真空炉23に容器16を入れる。
【0028】
真空炉23では、真空中で例えば1200℃で20時間の加熱を実施する。真空下で加熱することで、混合体15中のSi粉末が蒸発する。蒸発したSiがカーボンナノ材料の表面に接触し、化合物を形成し、Siの微粒子となって付着する。(c)〜(d)が真空蒸着工程である。
得られたSi被覆カーボンナノ材料(Siがコーティングされたカーボンナノ材料)の構造は次図で説明する。
【0029】
図2はSi被覆カーボンナノ材料の模式図、図3は図2の3−3線断面図であり、Si被覆カーボンナノ材料25は、カーボンナノ材料13の表面全体が、Si炭化物層26で被覆されている。
【0030】
すなわち、カーボンナノ材料13表面にSi微粒子を付着させると、界面にSiCの反応層が形成し、カーボンナノ材料13にSi炭化物層26を強固に付着させることができる。したがって、炭化物層26がカーボンナノ材料13から脱落する心配はない。さらには、炭化物層26は、カーボンナノ材料13に比較してマトリックス金属との濡れ性が格段に良い。
【0031】
以上に説明したカーボンナノ材料13、好ましくはSi被覆カーボンナノ材料25を出発材料の一つとしたカーボンナノ複合金属材料の製造方法について詳しく説明する。
図4(a)に示すように、上部が開いている耐熱容器28の底にカーボンナノ材料13又はSi被覆カーボンナノ材料25を入れる。耐熱容器28は坩堝(るつぼ)が望ましい。
【0032】
次に、図4(b)に示すように、カーボンナノ材料13又はSi被覆カーボンナノ材料25の上に、固相のマトリックス金属材料29を載せる。このマトリックス金属材料29は、マグネシウム合金、純マグネシウム、アルミニウム合金、純アルミニウムが好適である。
【0033】
続いて、図4(c)に示すように、耐熱容器28に蓋30を被せて密閉し、耐熱容器28内にガス容器31からの不活性ガス(例えばアルゴンガス)を吹込み、ヒータ32で加熱を開始する。すると、マトリックス金属材料29が軟化し、流れて耐熱容器28の内壁に到達する。
【0034】
これで、カーボンナノ材料13又はSi被覆カーボンナノ材料25は、マトリックス金属材料29で密閉されたことになる。耐熱容器28内には微量の酸素が残存しているが、マトリックス金属材料29で密閉された後には、残存酸素がカーボンナノ材料13又はSi被覆カーボンナノ材料25に到達する心配はなく、外からの酸素に起因する酸化の心配がなくなる。
【0035】
なお、蓋30には、撹拌機33及びこの撹拌機33を昇降させる昇降機構34が設けられている。撹拌機33の回転軸35は蓋30を貫通していると共に蛇腹管36で囲われている。この蛇腹管36は外気が耐熱容器28へ侵入することを防止する役割を果たす。
【0036】
マトリックス金属材料29の半溶融温度まで、ヒータ32による加熱を継続する。
半溶融温度に到達するとマトリックス金属材料29は、さらに流動性が増し、図4(d)に示すように、半溶融状態のマトリックス金属材料37となる。そこで、昇降機構34を作動させ、撹拌機33を下げ、羽根38を半溶融状態のマトリックス金属材料37に入れる。
【0037】
図5(a)に示すように、撹拌機の羽根38が半溶融状態のマトリックス金属材料37に没したら、撹拌のために回転を開始する。ただし、このときの回転速度は、カーボンナノ材料がマトリックス金属材料上に浮き上がる速度より遅い撹拌速度で実施する(第1撹拌工程)。
この第1撹拌工程の目的は、凝集し勝ちなカーボンナノ材料又はSi被覆カーボンナノ材料を、機械的に解(ほぐ)すことにある。
【0038】
第1撹拌工程を所定時間実施したら、図5(b)に示すように、第1撹拌工程での撹拌速度より高速の撹拌速度で、半溶融状態のマトリックス金属材料37を撹拌する(第2撹拌工程)。第1撹拌工程でカーボンナノ材料又はSi被覆カーボンナノ材料の分散が適度に行われているため、その後に撹拌速度を上げても、カーボンナノ材料又はSi被覆カーボンナノ材料がマトリックス金属材料37の上に浮上する虞はない。
高速の撹拌により、撹拌時間を短縮することができると共に、カーボンナノ材料の分散性も向上させることができる。
【0039】
第2撹拌工程が終了したら、蓋30を外し、ヒータ32から耐熱容器28を外す。そして、図5(c)に示すように、耐熱容器28を水槽39へ移動し、先ず、耐熱容器28の底面を冷却水41に接触させる。その後、ゆっくりと耐熱容器28を冷却水41中に沈める。マトリックス金属材料37が、冷却し凝固したら耐熱容器28から取り出し、図5(d)に示すカーボンナノ複合金属材料42を得る。
【0040】
以上の工程を経て製造したカーボンナノ複合金属材料42の特性を確認することは重要である。特性を調べるためには試験片(テストピース)を作製する必要がある。そこで、試験片の作製手順を次に説明する。
図6(a)に示すように、カーボンナノ複合金属材料42を、加熱炉43に入れて、軟化温度又は半溶融温度まで加熱する。
【0041】
次に、図6(b)に示すように、温めたカーボンナノ複合金属材料42を、ダイ44に入れ、パンチ45で圧縮する。これで、圧縮済みのカーボンナノ複合金属材料46が得れる(図6(c))。このカーボンナノ複合金属材料46から切り出すことで、図6(d)に示す試験片47が作製できた。この試験片47を用いて引張試験などを行うことができる。
【0042】
以上の手順に従って、試験片47の作製から引張試験までを実験したので、その内容を次に説明する。
【0043】
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○実験1:
実験1では、図4(a)に示す耐熱容器28に、直径が150nmで且つ1.5質量%相当分のカーボンナノチューブ13を入れ、図4(b)に示すマトリックス金属材料29として、マグネシウム合金(AZ91D)を載せた。
そして、図4〜図6の工程と、次図に示す温度条件、撹拌条件で実施して試験片を得た。
【0044】
【表1】

【0045】
すなわち、Si被覆を施していないカーボンナノ材料を出発材料とした場合には、引張強さは135.98MPa(ただし、n=4の平均値)であった。
【0046】
○実験2:
実験2では、図4(a)に示す耐熱容器28に、直径が150nmで且つ1.5質量%相当分のSi被覆カーボンナノチューブ25を入れ、図4(b)に示すマトリックス金属材料29として、マグネシウム合金(AZ91D)を載せた。
そして、図4〜図6の工程と、次図に示す温度条件、撹拌条件で実施して試験片を得た。
【0047】
【表2】

【0048】
すなわち、Si被覆カーボンナノ材料を出発材料とした場合には、引張強さは194.25MPa(ただし、n=4の平均値)であった。
【0049】
○実験3:
実験1の対照実験として、実験3を実施する。
実験3では、図4(a)に示す耐熱容器28に、マトリックス金属材料29として、マグネシウム合金(AZ91D)のみを入れる。そして、半溶融温度である585℃まで昇温する。続く、第1撹拌工程では、半溶融状態のマグネシウム合金(AZ91D)を800rpm(毎分当たりの回転数)で撹拌しながら、直径が150nmで且つ1.5質量%相当分のカーボンナノチューブ13を投入する。投入が完了し、20分が経過したら、更に第2撹拌工程を40分間実施する。諸条件は次表に示す。
【0050】
【表3】

【0051】
実験3で得られた引張強さは125.10MPa(ただし、n=4の平均値)であった。
【0052】
○実験4:
実験2の対照実験として、実験4を実施する。
実験3では、図4(a)に示す耐熱容器28に、マトリックス金属材料29として、マグネシウム合金(AZ91D)のみを入れる。そして、半溶融温度である585℃まで昇温する。続く、第1撹拌工程では、半溶融状態のマグネシウム合金(AZ91D)を800rpm(毎分当たりの回転数)で撹拌しながら、直径が150nmで且つ1.5質量%相当分のSi被覆カーボンナノチューブを投入する。投入が完了し、20分が経過したら、更に第2撹拌工程を40分間実施する。諸条件は次表に示す。
【0053】
【表4】

【0054】
実験4で得られた引張強さは172.32MPa(ただし、n=4の平均値)であった。
【0055】
図7は実験1と実験3との引張強さを示すグラフを示す図であり、本発明に係る実験1は、比較例としての実験3より、引張強さで約8%の向上が認められた。
【0056】
図8は実験2と実験4との引張強さを示すグラフを示す図であり、本発明に係る実験2は、比較例としての実験4より、引張強さで約11%の向上が認められた。
【0057】
尚、実験結果は省略するが、出発材料を純マグネシウム、アルミニウム合金、純アルミニウムに代えても、同様の効果が認められた。また、出発材料をカーボンナノファイバに代えても、同様の効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、マトリックス金属材料にカーボンナノ材料を分散させた複合材料に好適である。
【符号の説明】
【0059】
13…カーボンナノ材料、25…Si被覆カーボンナノ材料、28…耐熱容器、29…固相のマトリックス金属材料、30…蓋、31…ガス容器、32…ヒータ、33…撹拌機、37…液相のマトリックス金属材料、42…カーボンナノ複合金属材料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開いている耐熱容器の底にカーボンナノ材料を入れる工程と、
このカーボンナノ材料に載せるようにして前記耐熱容器にマトリックス金属材料を入れる工程と、
前記耐熱容器に蓋を被せて密閉し、前記耐熱容器内に不活性ガスを吹込み、前記マトリックス金属材料の半溶融温度まで、前記耐熱容器を加熱する工程と、
半溶融状態のマトリックス金属材料を、前記カーボンナノ材料がマトリックス金属材料上に浮き上がる速度より遅い撹拌速度で、撹拌する第1撹拌工程と、
この第1撹拌工程を所定時間実施したら、第1撹拌工程での撹拌速度より高速の撹拌速度で、半溶融状態のマトリックス金属材料を撹拌する第2撹拌工程と、を実施することで、マトリックス金属材料にカーボンナノ材料を分散させた複合材料を得ることを特徴とするカーボンナノ複合金属材料の製造方法。
【請求項2】
前記カーボンナノ材料は、予めSiコーティグされたSi被覆カーボンナノ材料であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノ複合金属材料の製造方法。
【請求項3】
前記マトリックス金属材料は、Mg又はMg合金であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカーボンナノ複合金属材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−202940(P2010−202940A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51091(P2009−51091)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000227054)日精樹脂工業株式会社 (293)
【Fターム(参考)】