ガゼット型パウチ容器の製造方法
【課題】衝撃によるパウチ袋の内容物の漏れを防止し、ヒートシール部分にクレーター状の窪みやシワが生じることのないガゼット型パウチ容器の製造方法を提供する。
【解決手段】注出口が挿入されたガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールして密封する工程と、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部にシールラインを形成する工程とからなる。ストレート金型は、シールライン金型が形成するシールラインのうち注出口3とガゼット型パウチ袋の重複部分を含み、開放端とほぼ水平なシール部分の最下端のストレートシールラインより1.0mmを超えて上部をヒートシールする。これにより余熱による過剰なヒートシールを防止し、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぐことができる。
【解決手段】注出口が挿入されたガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールして密封する工程と、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部にシールラインを形成する工程とからなる。ストレート金型は、シールライン金型が形成するシールラインのうち注出口3とガゼット型パウチ袋の重複部分を含み、開放端とほぼ水平なシール部分の最下端のストレートシールラインより1.0mmを超えて上部をヒートシールする。これにより余熱による過剰なヒートシールを防止し、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ袋の左右に折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とを、ヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にスポーツドリンク、ジュース、ゼリー等の飲料用の液体を充填して用いるガゼット型のパウチ容器が知られている。このようなパウチ袋は、パウチ袋の内部から外部の上方にかけて、樹脂製の注出口を備えており、パウチ袋の使用時において、内容物を注出口の口部より吸い出す構成である。
【0003】
通常、このようなパウチ容器を製造する場合には、パウチ袋へと、予め樹脂成形により形成される注出口を挿入して、金型によりヒートシールを施すことで、パウチ袋と注出口とを一体に形成する構成である。(例えば、特許文献1)
しかしながら、パウチ袋と注出口とをヒートシールする際に、金型のヒートシールによる熱により、図15に示すように、パウチ袋2のヒートシール部分に、肉痩によってアワ状のアバタや気泡が生じやすく、クレーター状の窪みやシワ等Xが形成されるという問題があった。
【0004】
特に、ガゼット型パウチ袋2は、折込部のフィルムをも同時にヒートシールするためヒートシールする部分のフィルムが厚く、このため、注出口端部およびパウチ袋と、前後のパウチ袋との2枚のフィルムと、前後のパウチ袋および折込部との4枚のフィルムと、をヒートシールすることとなる。よって、ヒートシールする箇所のフィルムの厚みが部分的に異なり、特に、注出口端部や折込部の頂点部分のヒートシールが弱いと、この部分から液漏れを生じやすいという問題がある。
【0005】
また、強固にヒートシールすべく、金型でシールラインに対して複数回のヒートシールを施すと、シールライン以外に仮着部分Yを生じやすく、不完全なシールラインが形成されてしまうという欠点がある。更に、輸送時の衝撃や落下時に、仮着部分等の不完全なシール箇所に応力が集中しやすく、前記仮着部分Yが裂けて内容物が漏れ出すことや、パウチ袋2の破裂といった問題があった。
【特許文献1】特開平11−33950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のガゼット型パウチ容器は、パウチ袋と注出口とのヒートシールに工夫を講じることにより、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器の製造方法を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いガゼット型パウチ容器の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の請求項1記載の発明は、両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とがヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法において、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールする工程と、前記工程によるヒートシール個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成する工程とからなる、ガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、前記ストレート金型がヒートシールする位置が、前記シールライン金型によって形成されるストレートシールラインよりも1.0mm以上開放端方向であることを特徴とする、請求項1記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記ストレート金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1または2記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記シールライン金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、前記凸部の容器底側の端面が、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75°の角度の傾斜を有することを特徴とする、請求項4記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、前記シールラインが、前記ストレートシールライン端部から容器底側のシールラインに向かって15〜75°の角度の傾斜で形成されることを特徴とする、請求項4または5記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、前記シールライン金型が、前記凸部の容器底側の端面から折込部端部にかけて直線と曲線で形成されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0014】
また、請求項8記載の発明は、前記曲線の半径が、2〜24mmの範囲内であることを特徴とする、請求項7記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
また、請求項9記載の発明は、前記シールラインを形成する工程の後に、ヒートシール部を冷却金型によって冷却する工程を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1記載の発明は、両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とがヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法において、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールする工程と、前記工程によるヒートシール個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成する工程とからなるから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、前記ストレート金型が、前記シールライン金型によって形成されるストレートシールラインよりも1.0mm以上開放端方向をヒートシールすることを特徴とするから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、前記ストレート金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とするから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、前記シールライン金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とするから、注出口端部およびパウチ袋と、前後のパウチ袋との2枚のフィルムと、前後のパウチ袋および折込部との4枚のフィルムと、を強固にヒートシールすることが可能であるとともに、シールラインの仮着を防止することが可能である。
【0019】
また、請求項5の発明は、前記凸部の容器底側の端面が、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75の角度の傾斜を有することを特徴とし、請求項6の発明は、前記シールラインが、前記ストレートシールライン端部から容器底側のシールラインに向かって15〜75°の角度の傾斜で形成されることを特徴とし、請求項7の発明は、前記シールライン金型が、前記凸部の容器底側の端面から折込部端部にかけて直線と曲線で形成されることを特徴とし、請求項8の発明は、前記曲線の半径は、2〜24mmの範囲内であることを特徴とするから、パウチ袋が衝撃を受けた際の衝撃を確実に緩和することが可能であり、パウチ袋が破裂することを好適に防止することが可能である。
【0020】
また、請求項9記載の発明は、前記シールラインを形成する工程の後に、ヒートシール部を冷却金型によって冷却する工程を有することを特徴とするから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るガゼット型パウチ容器1(パウチ容器1)の一例としては、図1に示すように、ガゼット型パウチ袋2(パウチ袋2)の上部に注出口3を備えたパウチ容器1であって、特に、パウチ袋2が、両側部に内側に折り込まれた折込部5を有するガゼットタイプのパウチ容器1である。
【0022】
パウチ袋2の両側部に内側に折り込まれたフィルム(折込部5)を有するガゼット袋2に前記樹脂成形品からなる注出口をヒートシールにより固着する場合には、2組の折込部5を重ねてヒートシールするため、パウチ袋2を構成する4枚のフィルムを重ねてヒートシールする必要がある。一方、注出口近傍では2枚のフィルムと注出口とがヒートシールされる。すなわち、ガゼット袋に注出口をヒートシールによって固着する場合には、ヒートシールする箇所のフィルムの厚みが部分的に異なり、特に、注出口端部および折込部の頂点部分のヒートシールが弱いと液漏れ等を生じやすいという、ガゼット袋特有の問題が生じる。
【0023】
本発明では、パウチ袋2と注出口3とのヒートシールの工程に工夫を施すことにより、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器1を提供することが可能である。また、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みを防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器1を提供することが可能である。
【0024】
以下に、本発明のパウチ容器1の製造方法について説明する。
まず、本発明のパウチ容器1に係るガゼット型パウチ袋2の一例としては、図2に示すように、上方に開放端21を有し、左右22と底部23にヒートシールを施してなるパウチ袋2であって、特に、両側部に内側に折り込まれた折込部5を有するガゼット型のパウチ袋2である。本発明における「ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部」とは、ガゼット型パウチ袋を構成する前後2枚のフィルムに折り畳まれて挿入されたマチの折り返し部(5’)を意味する。また、「ガゼット型パウチ袋の折込部端部」とは、ガゼット型パウチ袋を構成する前後2枚のフィルムに折り畳まれて挿入されたマチの切断端部(5”)を意味する。なお、図2において、2aはガゼット型パウチ袋の前面を、2bはガゼット型パウチ袋の背面を示す。
【0025】
そして、このようなガゼット型のパウチ袋2に取り付ける注出口3は、図3(a)に示すように、注出口3の上方にキャップ4で閉封される口部31を有し、該口部31の下方には複数(3つ)のフランジ部分32を有し、該フランジ32の下方には前記パウチ袋2と接合するための、略舟型形状の接合部33と該接合部33から下方にかけて円筒状の筒部34を有する。なお、符号4は、キャップである。
【0026】
次に、このような注出口3を前記パウチ袋2へと取り付ける方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、前記パウチ袋2の開放端21へ前記注出口3の筒部34を挿入し、図4(b)に示すように、最下面のフランジ32に当接する位置まで挿入する。なお、本発明で使用する樹脂成形品からなる注出口の形状は、少なくともガゼット型パウチ袋の開放端に挿入され、かつガゼット型パウチ袋と共にヒートシールされうるヒートシール部を有するものであれば、特に限定はなく、上記に限定されるものでない。図3では、略舟型形状の接合部33の一部又は全部がヒートシール部となる。
【0027】
この状態で、前記注出口3が挿入された前記ガゼット型パウチ2の開放端21と前記注出口の接合部33とを、後記する所定形状のストレート金型6によって前記開放端の水平方向にヒートシールして密封し、次いで、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部を所定形状のシールライン金型7によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成し、本発明のパウチ容器1を製造する。なお、本発明において「ストレートシールライン」とは、シールライン金型7で形成されるシールラインのうち、前記注出口3とガゼット型パウチ袋の重複部分を含み、前記開放端と略水平なシール部分の最下端を意味する(図面では本発明を理解しやすくするためにストレートシールラインの延長線をも描く場合がある)。すなわち、ガゼット型パウチ2の開放端21がヒートシールされる場合、注出口3の略舟型形状の接合部33の上下に亘る全巾が前記ガゼット型パウチ2の開放端の最内層とヒートシールされるため、前記略舟型形状の接合部33の下端部がストレートシールラインとなる。図13及び図16では、ストレートシールラインがLで示されている。
【0028】
次に、前記パウチ袋2と注出口3とをヒートシールするストレート金型6,シールライン金型7について説明する。
前記ストレート金型6としては、図5(a)に示すように、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをヒートシールして密封するものであり、シールライン金型7とは、図5(b)に示すように、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をヒートシールして前記折込部にシールライン9を形成するものである。
【0029】
本発明では、前記ストレート金型6によるヒートシールは、ストレートシールラインより1.0mmを超えて上部をヒートシールすることが好ましい。本発明では、前記ストレート金型6によるヒートシールに次いでシールライン金型7によってヒートシールするが、ストレートシールラインを複数回に亘ってヒートシールすると、余熱でシールライン以外の個所もシールされる可能性があるが、上記ストレートシールラインより1.0mmを超えて上部のヒートシールすることで、このような過剰なヒートシールを回避することができるからである。よって、ストレート金型6もこのようなヒートシールを効率的に実施できるように、ストレート金型6のシール巾W1は、ガゼット型パウチの開放端21の上部から、破線で示すストレートシールラインLに至るヒートシール巾W2よりも、1.0〜1.5mm巾を狭く調整されていることが好ましい。なお、dは、W2−W1に等しい。
【0030】
更に、ストレート金型6は、図6(a)(b)に示すように、パウチ袋2の上部にヒートシールを形成する凸部61と、該凸部61の中央部分に形成された前記注出口3の接合部33と同形状の窪みからなる凹部62を有する。
【0031】
本発明では、更に、前記凹部62の左右に、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部63が形成されることが好ましい。ガゼット型パウチ袋の開放端21は、少なくともパウチ袋2を構成するフィルムが2枚積層されてヒートシールされるが、前記折り返し部5’は、パウチ袋2を構成するフィルムが4枚重ねられる個所である。よってこの折り返し部5’に対応する個所に凸部63を形成すると、前記フィルム4枚の折り返し部とフィルム2枚のヒートシール部との段差を少なくすることができ、かつストレート金型6によるフィルム2枚の個所のシール圧力を緩和して、パウチ袋2のヒートシールによる肉痩せを防止することができる。凸部63の突き出し高さは、パウチ袋2を構成するフィルムの厚さによって適宜選択することができ、一般には0.001〜2mmである。なお、前記凸部63は、無くてもよい。後記する実施例に示すように、ヒートシール条件として温度や圧力を変更することで、凸部63がない場合でも、肉痩せを回避しうるからである。
【0032】
一方、前記シールライン金型7は、ヒートシールによる密封個所およびその下部をヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成するため、図7(a)(b)に示すように、前記パウチ袋2にハの字状のシールライン9を形成する凸部71と、該凸部71の中央部分に形成された前記注出口3の接合部33と同形状の窪みからなる凹部72を有する。
【0033】
本発明では、前記凹部72の左右に、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部73が形成されていることが好ましい。なお、凸部73は、ストレート金型6に形成された凸部63に対応する位置となる。この際、凸部73の巾は、凸部63の巾よりも広い方が好ましい。シールライン金型7に形成された凸部73により、注出口のフィルム4枚からなる折り返し部5’と、フィルム2枚のヒートシール部とのフィルムの厚みが異なる箇所へのヒートシールを強固に施すことが可能となる。さらには、シールの押し過ぎによる肉痩せとそれによる強度低下を防止することができる。凸部73の突き出し高さは、パウチ袋2を構成するフィルムの厚さによって適宜選択することができ、一般には0.001〜2mmである。
【0034】
なお、該凸部73の容器底側の端面は、図7(a)に示すように、破線で示すストレートシールラインLに対して傾斜角θ1を有し、該傾斜角θ1は、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75°、より好ましくは20°〜70°である。また、前記シールライン9は、ストレートシールラインを形成する金型の端から容器底側の金型端面に向かって破線で示すストレートシールラインLに対して傾斜角θ2を有する金型によって形成される。この金型の該傾斜角θ2は、15〜75°、より好ましくは20〜60°である。更に、傾斜角θ1と傾斜角θ2との総和は、15〜150°であることが好ましく、より好ましくは30〜120°、特に好ましくは30〜100°である。この範囲で、凸部73がシールライン9に重なることを防ぎ、好適なシールライン9を形成することが可能である。これにより、シールのしすぎによる肉痩とそれに基づく強度の低下を防止することができる。
【0035】
また、シールライン金型7は、前記凸部73の端面から折込部端部(5”)にかけて直線と曲線で形成されることが有することが好ましい。シールライン9のコーナー部分Rを緩やかな湾曲線Rとすることにより、パウチ袋2が衝撃を受けた際の衝撃を緩和して、パウチ袋2が破裂することを防止することが可能である。上記例のパウチ容器では、前記湾曲線Rの曲線半径rが2〜24mmであることが望ましく、特にr=8mmであることが望ましい。逆に、シールラインのコーナー部分が角に近い形状だと衝撃を受けた際にそこを起点に破袋する恐れがあるため望ましくない。
【0036】
上記シールライン金型7と前記ストレート金型6とを使用すると、前記したように、少なくとも1.0mm以上の間隔dをもってシールライン金型7と前記ストレート金型6とによってヒートシールされるため、前記ストレート金型6のヒートシールによる余熱で、パウチ容器1のシールライン9が仮着してしまうことを確実に防止することが可能である。
【0037】
次に、前記金型6、7により前記パウチ袋2と注出口3とをヒートシールする工程について説明する。
まず、前記ストレート金型6を用い、図8に示すように、パウチ袋2に注出口3を挿入した状態で、注出口3の接合部33とパウチ袋2の開放端を重ねてヒートシールを施して、図9に示すように、パウチ袋2と注出口3とを一体に溶着し、密封する。
【0038】
この際、前記ストレート金型は、図16に示すように、前記注出口と前記開放端との重複部分で特定されるシールラインLよりdで示される上方へ向かって1.0mmを超えて、より好ましくは1.0〜1.5mmの範囲でヒートシールされず、更に上方がヒートシールされる。
【0039】
特に、ストレート金型6を使用すれば、前記ストレート金型6に形成された凸部63によりパウチ袋2へのシール圧力を緩和することが可能であり、熱接合部分に生じやすいクレーター状の窪みやシール痕による段差を改善して、シール部分の外観を改善することが可能である。
【0040】
次に、前記シールライン金型7により、図10に示すように、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして、前記折込部にシールラインを形成する。前記パウチ袋2と注出口3とに再びヒートシールを施すことで、ストレートラインとシールラインとが施されたパウチ容器を形成することが可能である。
【0041】
上記製造方法によれば、ストレート金型6によって、ストレートシールラインより1.0mmを超えて上部をヒートシールされ、次いで、前記シールライン金型7によってシールライン9を形成する際にも、上記1.0mmの部分はヒートシールが重複して行われることがない。すなわち、ストレート金型6によるシールラインと、シールライン金型7によるシールライン9とが、図11に示すように、間隔W2−W1=dの距離をもってヒートシールされるため、ストレート金型6のヒートシール工程の余熱がシールライン金型7のヒートシール工程に影響を与えないので、シールライン9以外の箇所にヒートシール(仮着)が及ぶことを確実に防ぐことができる。
【0042】
更に、ストレート金型6の凸部63とシールライン金型7の凸部73によって、注出口3の端部のパウチ袋を構成する2枚のフィルムと、パウチ袋の折込部の折り返し部5’の4枚のフィルムという、フィルムの厚みが異なる箇所へのヒートシールを強固に施すことが可能であり、さらには、前記傾斜部θにより、シールの押し過ぎによる肉痩せとそれによる強度低下の防止が可能である。
【0043】
本発明では、前記シールライン9と等しい形状を有する冷却金型8により、図12に示すように、前記パウチ袋2と注出口3とに冷却を施して、図13に示すように、本発明のパウチ容器1を形成することが可能である。
【0044】
特に、シールライン9に沿って冷却を施すことで、パウチ袋2に残った熱を速やかに取り除くことが可能であり、シールライン9以外での余熱による仮着Yを防ぐことが可能である。
【0045】
そして、注出口3の口部31より内容物を充填して、キャップ4を閉じることにより、図14に示すように、本発明のパウチ容器1を形成することが可能である。
このように、本発明のパウチ容器1は、前記ストレート金型6と、前記シールライン金型7とを用いて、ヒートシールすることにより、パウチ袋2のシールライン9の乱れや、シールライン9近傍の肉痩せを抑制することが可能であり、パウチ容器1の衝撃強度を向上することが可能である。
【0046】
特に、ストレート金型6を、シールライン金型7より1mm以上の間隔W2−W1=dで上方へとオフセットしてヒートシールを施すことにより、ストレート金型6によりシールライン9近傍をヒートシールした場合の余熱により、シールライン9以外の箇所にヒートシール(仮着Y)が及ぶことを確実に防ぐことが可能である。
【0047】
また、シールラインのコーナー部分を緩やかな湾曲線Rとすることにより、衝撃を受けた際に、パウチ袋2が破袋することを防止することが可能である。特に、前記湾曲線Rの曲線半径rが2〜24mmであることが望ましく、パウチ袋が衝撃を受けた際の衝撃を確実に緩和することが可能であり、特に曲線半径r=8mmであることが望ましい。
【0048】
また、前記シールライン金型7の前記凸部73が、前記ストレートシールラインに対して−60〜75°の傾斜角θ1、前記シールラインは、前記凸部の容器底側の端面から、前記ストレートシールラインに対して15〜75°の傾斜角θ2を有し、前記傾斜角θ1とθ2の合計が15〜150°であれば、凸部73がシールライン9に当接することを防ぎ、シールの押し過ぎによる肉痩せとそれによる強度低下の防止が可能である。
【0049】
さらには、前記ストレート金型6に凸部63を形成することにより、金型6を閉じてヒートシールする際に、前記ストレート金型6に形成された凸部63によりパウチ袋2へのシール圧力を緩和することが可能であり、熱接合部分に生じやすいクレーター状の窪みやシール痕による段差を改善して、シール部分の外観を改善することが可能である。
【0050】
なお、ヒートシール後の冷却シールは、パウチ容器1のシールライン9と同一形状を有する冷却金型8で冷却シールすることで、パウチに残った熱を速やかに取り除くことが可能であるが、前記冷却金型8は、シールライン9以外の箇所が必ずしも同一の形状である必要はない。少なくともシールライン9に沿って冷却シールを施すことが可能であればよい。
【0051】
本発明では、ストレート金型6とシールライン金型7とによってガゼット型パウチ袋の開放端を2度ヒートシールするが、前記シールライン金型7によるヒートシールは1回で行うことが製造工程の簡略化のために好ましい。また、シールラインを複数回ヒートシールした際に生じる余熱の影響を受けることを効率的に防止することができる。一方、ストレート金型6は、シールライン金型7とストレート金型6とが、少なくとも1mm以上の間隔W2−W1を有するため、ストレート金型6によるヒートシールの熱が、シールラインに及ぶことを防ぐことができる。
【0052】
なお、上記は、ストレート金型6によって、注出口が挿入されたガゼット型パウチ袋の開放端と注出口とをヒートシールして密封した後に、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部にシールラインを形成する態様を示したが、これはあくまで一例でありこれに限定されるものではなく、また他の態様を否定するものではない。すなわち、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口、並びにパウチ袋の折込部端部とを、前記シールライン金型でヒートシールした後、再度注出口がシールされたガゼット型パウチ袋の開放端と注出口とをストレート金型によってヒートシールしてもよい。この場合、前述した態様(実施例1〜4)と比較してシールの安定性が劣るものの、実施例5に示すように、落下衝撃強度に優れ、かつアバタ発生数の少ないガゼット型パウチ容器を製造することができた。また、本発明は、ストレート金型6及びシールライン金型7を複数回施すことを排除するものではなく、一定の条件において例えばシールライン金型7で複数回ヒートシールすることも属する。
【0053】
また、冷却のための前記冷却金型8には、シールライン金型7と相違して凸部73が形成されないものであってもよい。冷却金型の全面で冷却することで、シール部分に生じた肉痩せや気泡を潰しきり、シール部分を均一な厚みとすることができ、シールラインおよびヒートシール部分の外観をさらに向上することが可能である。
【0054】
なお、ストレート金型6およびシールライン金型7にそれぞれ凸部63、凸部73を形成した例を示したが、これに限らず、前記凸部63、凸部73を形成することなく、ストレート金型6のシール圧力を前記シールライン金型7による圧力より低くすることで、パウチ袋2へのシール圧力を緩和してもよい。前記したように、パウチ袋2や注出口3の材質によって、ヒートシール温度とヒートシール圧力を適宜調節することにより、前記金型6、7に凸部63、凸部73を形成することなく、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施し、また、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みを防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0055】
本発明の製造方法は、ヒートシールによってガゼット型パウチの開放端と樹脂成形品からなる注出口とをヒートシールして製造する従来公知のガゼット型パウチ容器に適用することができる。したがって、ガゼット型パウチをこのような基材フィルムとしては、従来公知のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂からなるフィルムを使用することができる。これらは単層であてもアルミニウム箔などの金属箔との積層体であってもよい。ただし、ヒートシールによってガゼット型パウチ袋の開放端をヒートシールするため、上記フィルムがヒートシール性を有しない場合には、最内層にヒートシール性樹脂層を有する必要がある。
【0056】
具体的には、本発明のパウチ容器1に好適に用いられる積層フィルムとして、下記のような構成の積層フィルムが挙げられる。
(1)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(2)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PEフィルム
(3)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(4)PETフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム /接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PPフィルム
(5)PETフィルム/接着剤/(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルム/接着剤/PPフィルムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。なお、上記構成において、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルム は2軸延伸ナイロンフィルム、PPフィルム はポリプロピレンフィルム、CPPフィルム は無延伸ポリプロピレンフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルムはシリカまたはアルミナを蒸着した2軸延伸ナイロンフィルムを指すものである。
【0057】
また、パウチ袋2に取り付けられる前記注出口3についても同様に熱接着性樹脂層との熱接着性、および加圧加熱殺菌する場合は、それに耐える耐熱性が必要であり、ポリプロピレンのほか、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形した注出口3を使用することができる。
【0058】
本発明では、ストレート金型6やシールライン金型7によってヒートシールする温度や圧力、熱融着時間を、上記ガゼット型パウチ袋を構成するフィルムによって適宜選択することができる。
【実施例】
【0059】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。以下に、上記方法により作成した本発明のパウチ容器の強度評価を示す試験例を示す。
【0060】
以下に、本発明のパウチ容器の強度評価を示す試験例を示す。
(実施例1)
外層から内層に向かってポリエチレンテレフタレート12μm、アルミニウム箔9μm、ポリアミド15μm、ポリエチレン70μmが積層されたフィルムを使用し、図4(a)、(b)に示すように、縦135±1mm、横80±1mm、マチ巾27±1mmのパウチ袋の開放端からポリエチレン製の注出口を挿入し、図5に示すストレート金型6によって温度180℃、圧力70kgfで0.9秒でヒートシールし、次いで、図7に示すシールライン金型7によって温度180℃、圧力110kgfで0.9秒ヒートシールし、次いで、前記シールライン金型と同型であるが、凸部73の無い形状の冷却用金型を使用し、温度25℃(常温)、圧力100kgfで0.9秒冷却し、ガゼット型パウチ容器を製造した。
【0061】
なお、ストレート金型6は、W2が8mmであるのに対し、W1を9.5mmとした。また、凸部63は巾2mm、突き出し高さ0.05mmとした。またシールライン金型7は、凸部73の巾4mm、突き出し高さ0.08mmであり、傾斜角θ1は45°、傾斜角θ2は、45°とした。また、曲線の半径rは、8mmとした。
【0062】
(比較例1)
また、本発明のパウチ容器との比較の対象として、特開2006−111310の方法によりパウチ容器を製造した。
【0063】
(試験例)
実施例1および比較例1で製造したガゼット型パウチ容器のシール条件による強度差を評価した。評価方法は、パウチ容器1の輸送時に考えうるパウチ容器1に加わる衝撃に対する強度を評価すべく、JIS Z 0202で規定される試験方法で、それの3倍の衝撃が加わる様に、落下高さを120cmに変更した試験方法により評価を行なった。
【0064】
具体的には、実施例1および比較例1で製造したガゼット型パウチ容器に液体180ccを充填した。このパウチ容器を立てた状態で6行×6列で箱詰めし、その箱を横方向にして(それぞれのパウチ容器が縦方向に積み重なった状態とし)、この容器の流通時梱包形態で120cmの高さから集合落下させた際の一番下面側のパウチに衝撃荷重を加え、破袋数によって強度差を評価した。結果を表1に示す。
【0065】
また、ヒートシール部のアバタの直径およびアバタ数を計測した。結果を併せて表1に示す。なお、アバタ発生数は、100袋の平均を示す。
【0066】
【表1】
(結果)
表1に示すように、パウチ容器1のシールライン9を形成するシールライン金型7と、前記シールライン9より上方をシールするストレート金型6とにより前記パウチ袋2と前記注出口3とをヒートシールすることで、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器1を提供することが可能である。また、ヒートシール部分に生じやすい凹凸状のくぼみやシワを防ぐことができた。
【0067】
(実施例2〜5)
下記表2に示すヒートシール条件、金型でガゼット型パウチ容器を製造し、実施例1と同様にして、落下衝撃強度およびアバタ発生数を評価した。結果を表2に示す。なお、実施例1の条件及び結果も併せて表2に示す。
【0068】
実施例2、実施例3は、実施例1と同じ金型を使用し、シール条件を変更したものであり、実施例4は、ストレート金型として、ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されていないものを使用した態様である。
【0069】
また、実施例5として、シールライン金型でシールラインを形成した後にストレート金型でヒートシールする態様を示す。
【0070】
【表2】
(結果)
上記条件で製造したガゼット型パウチ容器は、いずれも、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等が無かった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明のパウチ容器1は、パウチ袋2の左右に折り込み部5を有するガゼット型パウチ袋2と、樹脂成形品からなる注出口3とを、ヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器1の製造方法において、前記パウチ容器1のシールライン9を形成するシールライン金型7と、前記シールライン9より上方をシールするストレート金型6と、により前記パウチ袋2と前記注出口3とをヒートシールすることを特徴とするから、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器1を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器1を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】(a)(b)本発明のパウチ容器の一例を示す図である。
【図2】ガゼット型パウチ袋の一例を示す図である。
【図3】注出口の一例を示す図である。
【図4】(a)(b)注出口とパウチ袋とを示す図である。
【図5】金型の一例を示す図である。 (a)ストレート金型を示す図である。 (b)シールライン金型を示す図である。
【図6】ストレート金型を示す図である。 (a)正面図である。 (b)平面図である。
【図7】シールライン金型を示す図である。 (a)正面図である。 (b)平面図である。
【図8】ヒートシール工程の一例を示す図である。
【図9】パウチ容器を示す図である。
【図10】ヒートシール工程の一例を示す図である。
【図11】パウチ容器を示す図である。
【図12】冷却工程の一例を示す図である。
【図13】パウチ容器を示す図である。
【図14】パウチ容器を示す図である。
【図15】従来のパウチ容器を示す図である。
【図16】本発明の製造方法においてシールラインを説明する図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ガゼット型パウチ容器(パウチ容器)
2 ガゼット型パウチ袋(パウチ袋)
2a ガゼット型パウチ袋の前面
2b ガゼット型パウチ袋の背面
3 注出口
4 キャップ
5 折込部
6 ストレート金型
7 シールライン金型
8 冷却金型
9 シールライン
21 開放端
22 左右シール
23 底シール
31 口部
32 フランジ
33 接合部
34 筒部
61、71 凸部
62、72 凹部
63、73 凸部
θ 傾斜部
R 湾曲線コーナー部分
d 間隔
X クレーター
Y 仮着部分
L ストレートシールライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ袋の左右に折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とを、ヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にスポーツドリンク、ジュース、ゼリー等の飲料用の液体を充填して用いるガゼット型のパウチ容器が知られている。このようなパウチ袋は、パウチ袋の内部から外部の上方にかけて、樹脂製の注出口を備えており、パウチ袋の使用時において、内容物を注出口の口部より吸い出す構成である。
【0003】
通常、このようなパウチ容器を製造する場合には、パウチ袋へと、予め樹脂成形により形成される注出口を挿入して、金型によりヒートシールを施すことで、パウチ袋と注出口とを一体に形成する構成である。(例えば、特許文献1)
しかしながら、パウチ袋と注出口とをヒートシールする際に、金型のヒートシールによる熱により、図15に示すように、パウチ袋2のヒートシール部分に、肉痩によってアワ状のアバタや気泡が生じやすく、クレーター状の窪みやシワ等Xが形成されるという問題があった。
【0004】
特に、ガゼット型パウチ袋2は、折込部のフィルムをも同時にヒートシールするためヒートシールする部分のフィルムが厚く、このため、注出口端部およびパウチ袋と、前後のパウチ袋との2枚のフィルムと、前後のパウチ袋および折込部との4枚のフィルムと、をヒートシールすることとなる。よって、ヒートシールする箇所のフィルムの厚みが部分的に異なり、特に、注出口端部や折込部の頂点部分のヒートシールが弱いと、この部分から液漏れを生じやすいという問題がある。
【0005】
また、強固にヒートシールすべく、金型でシールラインに対して複数回のヒートシールを施すと、シールライン以外に仮着部分Yを生じやすく、不完全なシールラインが形成されてしまうという欠点がある。更に、輸送時の衝撃や落下時に、仮着部分等の不完全なシール箇所に応力が集中しやすく、前記仮着部分Yが裂けて内容物が漏れ出すことや、パウチ袋2の破裂といった問題があった。
【特許文献1】特開平11−33950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のガゼット型パウチ容器は、パウチ袋と注出口とのヒートシールに工夫を講じることにより、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器の製造方法を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いガゼット型パウチ容器の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の請求項1記載の発明は、両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とがヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法において、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールする工程と、前記工程によるヒートシール個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成する工程とからなる、ガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、前記ストレート金型がヒートシールする位置が、前記シールライン金型によって形成されるストレートシールラインよりも1.0mm以上開放端方向であることを特徴とする、請求項1記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記ストレート金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1または2記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記シールライン金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、前記凸部の容器底側の端面が、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75°の角度の傾斜を有することを特徴とする、請求項4記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、前記シールラインが、前記ストレートシールライン端部から容器底側のシールラインに向かって15〜75°の角度の傾斜で形成されることを特徴とする、請求項4または5記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、前記シールライン金型が、前記凸部の容器底側の端面から折込部端部にかけて直線と曲線で形成されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【0014】
また、請求項8記載の発明は、前記曲線の半径が、2〜24mmの範囲内であることを特徴とする、請求項7記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
また、請求項9記載の発明は、前記シールラインを形成する工程の後に、ヒートシール部を冷却金型によって冷却する工程を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1記載の発明は、両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とがヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法において、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールする工程と、前記工程によるヒートシール個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成する工程とからなるから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、前記ストレート金型が、前記シールライン金型によって形成されるストレートシールラインよりも1.0mm以上開放端方向をヒートシールすることを特徴とするから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、前記ストレート金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とするから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、前記シールライン金型が、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とするから、注出口端部およびパウチ袋と、前後のパウチ袋との2枚のフィルムと、前後のパウチ袋および折込部との4枚のフィルムと、を強固にヒートシールすることが可能であるとともに、シールラインの仮着を防止することが可能である。
【0019】
また、請求項5の発明は、前記凸部の容器底側の端面が、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75の角度の傾斜を有することを特徴とし、請求項6の発明は、前記シールラインが、前記ストレートシールライン端部から容器底側のシールラインに向かって15〜75°の角度の傾斜で形成されることを特徴とし、請求項7の発明は、前記シールライン金型が、前記凸部の容器底側の端面から折込部端部にかけて直線と曲線で形成されることを特徴とし、請求項8の発明は、前記曲線の半径は、2〜24mmの範囲内であることを特徴とするから、パウチ袋が衝撃を受けた際の衝撃を確実に緩和することが可能であり、パウチ袋が破裂することを好適に防止することが可能である。
【0020】
また、請求項9記載の発明は、前記シールラインを形成する工程の後に、ヒートシール部を冷却金型によって冷却する工程を有することを特徴とするから、パウチ容器の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るガゼット型パウチ容器1(パウチ容器1)の一例としては、図1に示すように、ガゼット型パウチ袋2(パウチ袋2)の上部に注出口3を備えたパウチ容器1であって、特に、パウチ袋2が、両側部に内側に折り込まれた折込部5を有するガゼットタイプのパウチ容器1である。
【0022】
パウチ袋2の両側部に内側に折り込まれたフィルム(折込部5)を有するガゼット袋2に前記樹脂成形品からなる注出口をヒートシールにより固着する場合には、2組の折込部5を重ねてヒートシールするため、パウチ袋2を構成する4枚のフィルムを重ねてヒートシールする必要がある。一方、注出口近傍では2枚のフィルムと注出口とがヒートシールされる。すなわち、ガゼット袋に注出口をヒートシールによって固着する場合には、ヒートシールする箇所のフィルムの厚みが部分的に異なり、特に、注出口端部および折込部の頂点部分のヒートシールが弱いと液漏れ等を生じやすいという、ガゼット袋特有の問題が生じる。
【0023】
本発明では、パウチ袋2と注出口3とのヒートシールの工程に工夫を施すことにより、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器1を提供することが可能である。また、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みを防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器1を提供することが可能である。
【0024】
以下に、本発明のパウチ容器1の製造方法について説明する。
まず、本発明のパウチ容器1に係るガゼット型パウチ袋2の一例としては、図2に示すように、上方に開放端21を有し、左右22と底部23にヒートシールを施してなるパウチ袋2であって、特に、両側部に内側に折り込まれた折込部5を有するガゼット型のパウチ袋2である。本発明における「ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部」とは、ガゼット型パウチ袋を構成する前後2枚のフィルムに折り畳まれて挿入されたマチの折り返し部(5’)を意味する。また、「ガゼット型パウチ袋の折込部端部」とは、ガゼット型パウチ袋を構成する前後2枚のフィルムに折り畳まれて挿入されたマチの切断端部(5”)を意味する。なお、図2において、2aはガゼット型パウチ袋の前面を、2bはガゼット型パウチ袋の背面を示す。
【0025】
そして、このようなガゼット型のパウチ袋2に取り付ける注出口3は、図3(a)に示すように、注出口3の上方にキャップ4で閉封される口部31を有し、該口部31の下方には複数(3つ)のフランジ部分32を有し、該フランジ32の下方には前記パウチ袋2と接合するための、略舟型形状の接合部33と該接合部33から下方にかけて円筒状の筒部34を有する。なお、符号4は、キャップである。
【0026】
次に、このような注出口3を前記パウチ袋2へと取り付ける方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、前記パウチ袋2の開放端21へ前記注出口3の筒部34を挿入し、図4(b)に示すように、最下面のフランジ32に当接する位置まで挿入する。なお、本発明で使用する樹脂成形品からなる注出口の形状は、少なくともガゼット型パウチ袋の開放端に挿入され、かつガゼット型パウチ袋と共にヒートシールされうるヒートシール部を有するものであれば、特に限定はなく、上記に限定されるものでない。図3では、略舟型形状の接合部33の一部又は全部がヒートシール部となる。
【0027】
この状態で、前記注出口3が挿入された前記ガゼット型パウチ2の開放端21と前記注出口の接合部33とを、後記する所定形状のストレート金型6によって前記開放端の水平方向にヒートシールして密封し、次いで、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部を所定形状のシールライン金型7によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成し、本発明のパウチ容器1を製造する。なお、本発明において「ストレートシールライン」とは、シールライン金型7で形成されるシールラインのうち、前記注出口3とガゼット型パウチ袋の重複部分を含み、前記開放端と略水平なシール部分の最下端を意味する(図面では本発明を理解しやすくするためにストレートシールラインの延長線をも描く場合がある)。すなわち、ガゼット型パウチ2の開放端21がヒートシールされる場合、注出口3の略舟型形状の接合部33の上下に亘る全巾が前記ガゼット型パウチ2の開放端の最内層とヒートシールされるため、前記略舟型形状の接合部33の下端部がストレートシールラインとなる。図13及び図16では、ストレートシールラインがLで示されている。
【0028】
次に、前記パウチ袋2と注出口3とをヒートシールするストレート金型6,シールライン金型7について説明する。
前記ストレート金型6としては、図5(a)に示すように、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをヒートシールして密封するものであり、シールライン金型7とは、図5(b)に示すように、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をヒートシールして前記折込部にシールライン9を形成するものである。
【0029】
本発明では、前記ストレート金型6によるヒートシールは、ストレートシールラインより1.0mmを超えて上部をヒートシールすることが好ましい。本発明では、前記ストレート金型6によるヒートシールに次いでシールライン金型7によってヒートシールするが、ストレートシールラインを複数回に亘ってヒートシールすると、余熱でシールライン以外の個所もシールされる可能性があるが、上記ストレートシールラインより1.0mmを超えて上部のヒートシールすることで、このような過剰なヒートシールを回避することができるからである。よって、ストレート金型6もこのようなヒートシールを効率的に実施できるように、ストレート金型6のシール巾W1は、ガゼット型パウチの開放端21の上部から、破線で示すストレートシールラインLに至るヒートシール巾W2よりも、1.0〜1.5mm巾を狭く調整されていることが好ましい。なお、dは、W2−W1に等しい。
【0030】
更に、ストレート金型6は、図6(a)(b)に示すように、パウチ袋2の上部にヒートシールを形成する凸部61と、該凸部61の中央部分に形成された前記注出口3の接合部33と同形状の窪みからなる凹部62を有する。
【0031】
本発明では、更に、前記凹部62の左右に、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部63が形成されることが好ましい。ガゼット型パウチ袋の開放端21は、少なくともパウチ袋2を構成するフィルムが2枚積層されてヒートシールされるが、前記折り返し部5’は、パウチ袋2を構成するフィルムが4枚重ねられる個所である。よってこの折り返し部5’に対応する個所に凸部63を形成すると、前記フィルム4枚の折り返し部とフィルム2枚のヒートシール部との段差を少なくすることができ、かつストレート金型6によるフィルム2枚の個所のシール圧力を緩和して、パウチ袋2のヒートシールによる肉痩せを防止することができる。凸部63の突き出し高さは、パウチ袋2を構成するフィルムの厚さによって適宜選択することができ、一般には0.001〜2mmである。なお、前記凸部63は、無くてもよい。後記する実施例に示すように、ヒートシール条件として温度や圧力を変更することで、凸部63がない場合でも、肉痩せを回避しうるからである。
【0032】
一方、前記シールライン金型7は、ヒートシールによる密封個所およびその下部をヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成するため、図7(a)(b)に示すように、前記パウチ袋2にハの字状のシールライン9を形成する凸部71と、該凸部71の中央部分に形成された前記注出口3の接合部33と同形状の窪みからなる凹部72を有する。
【0033】
本発明では、前記凹部72の左右に、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部73が形成されていることが好ましい。なお、凸部73は、ストレート金型6に形成された凸部63に対応する位置となる。この際、凸部73の巾は、凸部63の巾よりも広い方が好ましい。シールライン金型7に形成された凸部73により、注出口のフィルム4枚からなる折り返し部5’と、フィルム2枚のヒートシール部とのフィルムの厚みが異なる箇所へのヒートシールを強固に施すことが可能となる。さらには、シールの押し過ぎによる肉痩せとそれによる強度低下を防止することができる。凸部73の突き出し高さは、パウチ袋2を構成するフィルムの厚さによって適宜選択することができ、一般には0.001〜2mmである。
【0034】
なお、該凸部73の容器底側の端面は、図7(a)に示すように、破線で示すストレートシールラインLに対して傾斜角θ1を有し、該傾斜角θ1は、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75°、より好ましくは20°〜70°である。また、前記シールライン9は、ストレートシールラインを形成する金型の端から容器底側の金型端面に向かって破線で示すストレートシールラインLに対して傾斜角θ2を有する金型によって形成される。この金型の該傾斜角θ2は、15〜75°、より好ましくは20〜60°である。更に、傾斜角θ1と傾斜角θ2との総和は、15〜150°であることが好ましく、より好ましくは30〜120°、特に好ましくは30〜100°である。この範囲で、凸部73がシールライン9に重なることを防ぎ、好適なシールライン9を形成することが可能である。これにより、シールのしすぎによる肉痩とそれに基づく強度の低下を防止することができる。
【0035】
また、シールライン金型7は、前記凸部73の端面から折込部端部(5”)にかけて直線と曲線で形成されることが有することが好ましい。シールライン9のコーナー部分Rを緩やかな湾曲線Rとすることにより、パウチ袋2が衝撃を受けた際の衝撃を緩和して、パウチ袋2が破裂することを防止することが可能である。上記例のパウチ容器では、前記湾曲線Rの曲線半径rが2〜24mmであることが望ましく、特にr=8mmであることが望ましい。逆に、シールラインのコーナー部分が角に近い形状だと衝撃を受けた際にそこを起点に破袋する恐れがあるため望ましくない。
【0036】
上記シールライン金型7と前記ストレート金型6とを使用すると、前記したように、少なくとも1.0mm以上の間隔dをもってシールライン金型7と前記ストレート金型6とによってヒートシールされるため、前記ストレート金型6のヒートシールによる余熱で、パウチ容器1のシールライン9が仮着してしまうことを確実に防止することが可能である。
【0037】
次に、前記金型6、7により前記パウチ袋2と注出口3とをヒートシールする工程について説明する。
まず、前記ストレート金型6を用い、図8に示すように、パウチ袋2に注出口3を挿入した状態で、注出口3の接合部33とパウチ袋2の開放端を重ねてヒートシールを施して、図9に示すように、パウチ袋2と注出口3とを一体に溶着し、密封する。
【0038】
この際、前記ストレート金型は、図16に示すように、前記注出口と前記開放端との重複部分で特定されるシールラインLよりdで示される上方へ向かって1.0mmを超えて、より好ましくは1.0〜1.5mmの範囲でヒートシールされず、更に上方がヒートシールされる。
【0039】
特に、ストレート金型6を使用すれば、前記ストレート金型6に形成された凸部63によりパウチ袋2へのシール圧力を緩和することが可能であり、熱接合部分に生じやすいクレーター状の窪みやシール痕による段差を改善して、シール部分の外観を改善することが可能である。
【0040】
次に、前記シールライン金型7により、図10に示すように、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして、前記折込部にシールラインを形成する。前記パウチ袋2と注出口3とに再びヒートシールを施すことで、ストレートラインとシールラインとが施されたパウチ容器を形成することが可能である。
【0041】
上記製造方法によれば、ストレート金型6によって、ストレートシールラインより1.0mmを超えて上部をヒートシールされ、次いで、前記シールライン金型7によってシールライン9を形成する際にも、上記1.0mmの部分はヒートシールが重複して行われることがない。すなわち、ストレート金型6によるシールラインと、シールライン金型7によるシールライン9とが、図11に示すように、間隔W2−W1=dの距離をもってヒートシールされるため、ストレート金型6のヒートシール工程の余熱がシールライン金型7のヒートシール工程に影響を与えないので、シールライン9以外の箇所にヒートシール(仮着)が及ぶことを確実に防ぐことができる。
【0042】
更に、ストレート金型6の凸部63とシールライン金型7の凸部73によって、注出口3の端部のパウチ袋を構成する2枚のフィルムと、パウチ袋の折込部の折り返し部5’の4枚のフィルムという、フィルムの厚みが異なる箇所へのヒートシールを強固に施すことが可能であり、さらには、前記傾斜部θにより、シールの押し過ぎによる肉痩せとそれによる強度低下の防止が可能である。
【0043】
本発明では、前記シールライン9と等しい形状を有する冷却金型8により、図12に示すように、前記パウチ袋2と注出口3とに冷却を施して、図13に示すように、本発明のパウチ容器1を形成することが可能である。
【0044】
特に、シールライン9に沿って冷却を施すことで、パウチ袋2に残った熱を速やかに取り除くことが可能であり、シールライン9以外での余熱による仮着Yを防ぐことが可能である。
【0045】
そして、注出口3の口部31より内容物を充填して、キャップ4を閉じることにより、図14に示すように、本発明のパウチ容器1を形成することが可能である。
このように、本発明のパウチ容器1は、前記ストレート金型6と、前記シールライン金型7とを用いて、ヒートシールすることにより、パウチ袋2のシールライン9の乱れや、シールライン9近傍の肉痩せを抑制することが可能であり、パウチ容器1の衝撃強度を向上することが可能である。
【0046】
特に、ストレート金型6を、シールライン金型7より1mm以上の間隔W2−W1=dで上方へとオフセットしてヒートシールを施すことにより、ストレート金型6によりシールライン9近傍をヒートシールした場合の余熱により、シールライン9以外の箇所にヒートシール(仮着Y)が及ぶことを確実に防ぐことが可能である。
【0047】
また、シールラインのコーナー部分を緩やかな湾曲線Rとすることにより、衝撃を受けた際に、パウチ袋2が破袋することを防止することが可能である。特に、前記湾曲線Rの曲線半径rが2〜24mmであることが望ましく、パウチ袋が衝撃を受けた際の衝撃を確実に緩和することが可能であり、特に曲線半径r=8mmであることが望ましい。
【0048】
また、前記シールライン金型7の前記凸部73が、前記ストレートシールラインに対して−60〜75°の傾斜角θ1、前記シールラインは、前記凸部の容器底側の端面から、前記ストレートシールラインに対して15〜75°の傾斜角θ2を有し、前記傾斜角θ1とθ2の合計が15〜150°であれば、凸部73がシールライン9に当接することを防ぎ、シールの押し過ぎによる肉痩せとそれによる強度低下の防止が可能である。
【0049】
さらには、前記ストレート金型6に凸部63を形成することにより、金型6を閉じてヒートシールする際に、前記ストレート金型6に形成された凸部63によりパウチ袋2へのシール圧力を緩和することが可能であり、熱接合部分に生じやすいクレーター状の窪みやシール痕による段差を改善して、シール部分の外観を改善することが可能である。
【0050】
なお、ヒートシール後の冷却シールは、パウチ容器1のシールライン9と同一形状を有する冷却金型8で冷却シールすることで、パウチに残った熱を速やかに取り除くことが可能であるが、前記冷却金型8は、シールライン9以外の箇所が必ずしも同一の形状である必要はない。少なくともシールライン9に沿って冷却シールを施すことが可能であればよい。
【0051】
本発明では、ストレート金型6とシールライン金型7とによってガゼット型パウチ袋の開放端を2度ヒートシールするが、前記シールライン金型7によるヒートシールは1回で行うことが製造工程の簡略化のために好ましい。また、シールラインを複数回ヒートシールした際に生じる余熱の影響を受けることを効率的に防止することができる。一方、ストレート金型6は、シールライン金型7とストレート金型6とが、少なくとも1mm以上の間隔W2−W1を有するため、ストレート金型6によるヒートシールの熱が、シールラインに及ぶことを防ぐことができる。
【0052】
なお、上記は、ストレート金型6によって、注出口が挿入されたガゼット型パウチ袋の開放端と注出口とをヒートシールして密封した後に、前記ヒートシールによる密封個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部にシールラインを形成する態様を示したが、これはあくまで一例でありこれに限定されるものではなく、また他の態様を否定するものではない。すなわち、前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口、並びにパウチ袋の折込部端部とを、前記シールライン金型でヒートシールした後、再度注出口がシールされたガゼット型パウチ袋の開放端と注出口とをストレート金型によってヒートシールしてもよい。この場合、前述した態様(実施例1〜4)と比較してシールの安定性が劣るものの、実施例5に示すように、落下衝撃強度に優れ、かつアバタ発生数の少ないガゼット型パウチ容器を製造することができた。また、本発明は、ストレート金型6及びシールライン金型7を複数回施すことを排除するものではなく、一定の条件において例えばシールライン金型7で複数回ヒートシールすることも属する。
【0053】
また、冷却のための前記冷却金型8には、シールライン金型7と相違して凸部73が形成されないものであってもよい。冷却金型の全面で冷却することで、シール部分に生じた肉痩せや気泡を潰しきり、シール部分を均一な厚みとすることができ、シールラインおよびヒートシール部分の外観をさらに向上することが可能である。
【0054】
なお、ストレート金型6およびシールライン金型7にそれぞれ凸部63、凸部73を形成した例を示したが、これに限らず、前記凸部63、凸部73を形成することなく、ストレート金型6のシール圧力を前記シールライン金型7による圧力より低くすることで、パウチ袋2へのシール圧力を緩和してもよい。前記したように、パウチ袋2や注出口3の材質によって、ヒートシール温度とヒートシール圧力を適宜調節することにより、前記金型6、7に凸部63、凸部73を形成することなく、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施し、また、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みを防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器を提供することが可能である。
【0055】
本発明の製造方法は、ヒートシールによってガゼット型パウチの開放端と樹脂成形品からなる注出口とをヒートシールして製造する従来公知のガゼット型パウチ容器に適用することができる。したがって、ガゼット型パウチをこのような基材フィルムとしては、従来公知のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂からなるフィルムを使用することができる。これらは単層であてもアルミニウム箔などの金属箔との積層体であってもよい。ただし、ヒートシールによってガゼット型パウチ袋の開放端をヒートシールするため、上記フィルムがヒートシール性を有しない場合には、最内層にヒートシール性樹脂層を有する必要がある。
【0056】
具体的には、本発明のパウチ容器1に好適に用いられる積層フィルムとして、下記のような構成の積層フィルムが挙げられる。
(1)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(2)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PEフィルム
(3)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(4)PETフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム /接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PPフィルム
(5)PETフィルム/接着剤/(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルム/接着剤/PPフィルムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。なお、上記構成において、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルム は2軸延伸ナイロンフィルム、PPフィルム はポリプロピレンフィルム、CPPフィルム は無延伸ポリプロピレンフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルムはシリカまたはアルミナを蒸着した2軸延伸ナイロンフィルムを指すものである。
【0057】
また、パウチ袋2に取り付けられる前記注出口3についても同様に熱接着性樹脂層との熱接着性、および加圧加熱殺菌する場合は、それに耐える耐熱性が必要であり、ポリプロピレンのほか、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形した注出口3を使用することができる。
【0058】
本発明では、ストレート金型6やシールライン金型7によってヒートシールする温度や圧力、熱融着時間を、上記ガゼット型パウチ袋を構成するフィルムによって適宜選択することができる。
【実施例】
【0059】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。以下に、上記方法により作成した本発明のパウチ容器の強度評価を示す試験例を示す。
【0060】
以下に、本発明のパウチ容器の強度評価を示す試験例を示す。
(実施例1)
外層から内層に向かってポリエチレンテレフタレート12μm、アルミニウム箔9μm、ポリアミド15μm、ポリエチレン70μmが積層されたフィルムを使用し、図4(a)、(b)に示すように、縦135±1mm、横80±1mm、マチ巾27±1mmのパウチ袋の開放端からポリエチレン製の注出口を挿入し、図5に示すストレート金型6によって温度180℃、圧力70kgfで0.9秒でヒートシールし、次いで、図7に示すシールライン金型7によって温度180℃、圧力110kgfで0.9秒ヒートシールし、次いで、前記シールライン金型と同型であるが、凸部73の無い形状の冷却用金型を使用し、温度25℃(常温)、圧力100kgfで0.9秒冷却し、ガゼット型パウチ容器を製造した。
【0061】
なお、ストレート金型6は、W2が8mmであるのに対し、W1を9.5mmとした。また、凸部63は巾2mm、突き出し高さ0.05mmとした。またシールライン金型7は、凸部73の巾4mm、突き出し高さ0.08mmであり、傾斜角θ1は45°、傾斜角θ2は、45°とした。また、曲線の半径rは、8mmとした。
【0062】
(比較例1)
また、本発明のパウチ容器との比較の対象として、特開2006−111310の方法によりパウチ容器を製造した。
【0063】
(試験例)
実施例1および比較例1で製造したガゼット型パウチ容器のシール条件による強度差を評価した。評価方法は、パウチ容器1の輸送時に考えうるパウチ容器1に加わる衝撃に対する強度を評価すべく、JIS Z 0202で規定される試験方法で、それの3倍の衝撃が加わる様に、落下高さを120cmに変更した試験方法により評価を行なった。
【0064】
具体的には、実施例1および比較例1で製造したガゼット型パウチ容器に液体180ccを充填した。このパウチ容器を立てた状態で6行×6列で箱詰めし、その箱を横方向にして(それぞれのパウチ容器が縦方向に積み重なった状態とし)、この容器の流通時梱包形態で120cmの高さから集合落下させた際の一番下面側のパウチに衝撃荷重を加え、破袋数によって強度差を評価した。結果を表1に示す。
【0065】
また、ヒートシール部のアバタの直径およびアバタ数を計測した。結果を併せて表1に示す。なお、アバタ発生数は、100袋の平均を示す。
【0066】
【表1】
(結果)
表1に示すように、パウチ容器1のシールライン9を形成するシールライン金型7と、前記シールライン9より上方をシールするストレート金型6とにより前記パウチ袋2と前記注出口3とをヒートシールすることで、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器1を提供することが可能である。また、ヒートシール部分に生じやすい凹凸状のくぼみやシワを防ぐことができた。
【0067】
(実施例2〜5)
下記表2に示すヒートシール条件、金型でガゼット型パウチ容器を製造し、実施例1と同様にして、落下衝撃強度およびアバタ発生数を評価した。結果を表2に示す。なお、実施例1の条件及び結果も併せて表2に示す。
【0068】
実施例2、実施例3は、実施例1と同じ金型を使用し、シール条件を変更したものであり、実施例4は、ストレート金型として、ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されていないものを使用した態様である。
【0069】
また、実施例5として、シールライン金型でシールラインを形成した後にストレート金型でヒートシールする態様を示す。
【0070】
【表2】
(結果)
上記条件で製造したガゼット型パウチ容器は、いずれも、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等が無かった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明のパウチ容器1は、パウチ袋2の左右に折り込み部5を有するガゼット型パウチ袋2と、樹脂成形品からなる注出口3とを、ヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器1の製造方法において、前記パウチ容器1のシールライン9を形成するシールライン金型7と、前記シールライン9より上方をシールするストレート金型6と、により前記パウチ袋2と前記注出口3とをヒートシールすることを特徴とするから、パウチ容器1の輸送時や落下時に生じる衝撃にも耐えうる強固なヒートシールを施したパウチ容器1を提供するとともに、ヒートシール部分に生じやすいクレーター状の窪みやシワ等を防ぎ、ヒートシール部分の美観を向上した意匠性の高いパウチ容器1を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】(a)(b)本発明のパウチ容器の一例を示す図である。
【図2】ガゼット型パウチ袋の一例を示す図である。
【図3】注出口の一例を示す図である。
【図4】(a)(b)注出口とパウチ袋とを示す図である。
【図5】金型の一例を示す図である。 (a)ストレート金型を示す図である。 (b)シールライン金型を示す図である。
【図6】ストレート金型を示す図である。 (a)正面図である。 (b)平面図である。
【図7】シールライン金型を示す図である。 (a)正面図である。 (b)平面図である。
【図8】ヒートシール工程の一例を示す図である。
【図9】パウチ容器を示す図である。
【図10】ヒートシール工程の一例を示す図である。
【図11】パウチ容器を示す図である。
【図12】冷却工程の一例を示す図である。
【図13】パウチ容器を示す図である。
【図14】パウチ容器を示す図である。
【図15】従来のパウチ容器を示す図である。
【図16】本発明の製造方法においてシールラインを説明する図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ガゼット型パウチ容器(パウチ容器)
2 ガゼット型パウチ袋(パウチ袋)
2a ガゼット型パウチ袋の前面
2b ガゼット型パウチ袋の背面
3 注出口
4 キャップ
5 折込部
6 ストレート金型
7 シールライン金型
8 冷却金型
9 シールライン
21 開放端
22 左右シール
23 底シール
31 口部
32 フランジ
33 接合部
34 筒部
61、71 凸部
62、72 凹部
63、73 凸部
θ 傾斜部
R 湾曲線コーナー部分
d 間隔
X クレーター
Y 仮着部分
L ストレートシールライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とがヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法において、
前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールする工程と、
前記工程によるヒートシール個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成する工程とからなる、ガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項2】
前記ストレート金型がヒートシールする位置は、前記シールライン金型によって形成されるストレートシールラインよりも1.0mm以上開放端方向であることを特徴とする、請求項1記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項3】
前記ストレート金型は、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1または2記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項4】
前記シールライン金型は、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項5】
前記凸部の容器底側の端面は、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75°の角度の傾斜を有することを特徴とする、請求項4記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項6】
前記シールラインは、前記ストレートシールライン端部から容器底側のシールラインに向かって15〜75°の角度の傾斜で形成されることを特徴とする、請求項4または5記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項7】
前記シールライン金型は、前記凸部の容器底側の端面から折込部端部にかけて直線と曲線で形成されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項8】
前記曲線の半径は、2〜24mmの範囲内であることを特徴とする、請求項7記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項9】
前記シールラインを形成する工程の後に、ヒートシール部を冷却金型によって冷却する工程を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項1】
両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型パウチ袋と、樹脂成形品からなる注出口とがヒートシールしてなるガゼット型パウチ容器の製造方法において、
前記注出口が挿入された前記ガゼット型パウチ袋の開放端と前記注出口とをストレート金型によってヒートシールする工程と、
前記工程によるヒートシール個所およびその下部をシールライン金型によってヒートシールして前記折込部と重なるガゼット型パウチ袋の前面と背面にシールラインを形成する工程とからなる、ガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項2】
前記ストレート金型がヒートシールする位置は、前記シールライン金型によって形成されるストレートシールラインよりも1.0mm以上開放端方向であることを特徴とする、請求項1記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項3】
前記ストレート金型は、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1または2記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項4】
前記シールライン金型は、前記ガゼット型パウチ袋の折込部の折り返し部に対応する位置に凸部が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項5】
前記凸部の容器底側の端面は、前記ストレートシールラインを形成する金型の端から前記開放端に向かってストレートシールラインに対して−60°〜75°の角度の傾斜を有することを特徴とする、請求項4記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項6】
前記シールラインは、前記ストレートシールライン端部から容器底側のシールラインに向かって15〜75°の角度の傾斜で形成されることを特徴とする、請求項4または5記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項7】
前記シールライン金型は、前記凸部の容器底側の端面から折込部端部にかけて直線と曲線で形成されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項8】
前記曲線の半径は、2〜24mmの範囲内であることを特徴とする、請求項7記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【請求項9】
前記シールラインを形成する工程の後に、ヒートシール部を冷却金型によって冷却する工程を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のガゼット型パウチ容器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−285862(P2009−285862A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137783(P2008−137783)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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