説明

ガラス基板端部のレジスト除去方法

【課題】ガラス基板の塗布膜を選択的に溶解除去した端部にレジスト残りを発生させないガラス基板端部のレジスト除去方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板40の端部の塗布膜2を選択的に溶解除去する処理ヘッド部10を使用した端面処理方法において、1)ガラス基板の端部を処理液貯留部51に位置させる際の、処理ヘッド部内のガラス基板の経路56の上下に設けられた洗浄用純水の吐出口に2流体ノズル20A、20Bを設けて、2)ガラス基板の端部の塗布膜を選択的に溶解除去した後に、2流体ノズルを用い純水とクリーンエアーでガラス基板の端部を2流体洗浄すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板上にフォトレジストなどの塗布膜を形成する方法に関するものであり、特に、ガラス基板に塗布形成された塗布膜の端部に発生する、所謂、レジストビーズや、端面のレジストを端面処理により溶解除去した際に、薄片状のレジスト残り、薄片状のレジスト残りの再付着、ガラス基板の四隅のレジストビーズ残り、四辺のレジストビーズ残りなどを発生させないガラス基板端部のレジスト除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、カラー表示、反射率の低減、コントラストの改善、分光特性制御などの目的にカラーフィルタを用いることは、有用な手段となっている。
この表示装置に用いるカラーフィルタは、多くの場合、カラーフィルタは画素として形成されて使用される。この表示装置に用いるカラーフィルタの画素を形成する方法としては、フォトリソグラフィ法が広く用いられている。
【0003】
図8は、液晶表示装置に用いるカラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。また、図9は、図8に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
図8、及び図9に示すように、液晶表示装置に用いるカラーフィルタは、ガラス基板(40)上にブラックマトリックス(41)、着色画素(42)、及び透明導電膜(43)が順次に形成されたものである。
図8、及び図9はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(42)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角17インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
【0004】
液晶表示装置の多くに用いられている、上記構造のカラーフィルタの製造方法としては、先ず、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次に、このブラックマトリックスのパターンに位置合わせして着色画素を形成し、更に透明導電膜を位置合わせして形成するといった方法が広く用いられている。
ブラックマトリックス(41)は、遮光性を有するマトリックス状のものであり、着色画素(42)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものであり、透明導電膜(43)は、透明な電極として設けられたものである。
【0005】
ブラックマトリックス(41)は、着色画素(42)間のマトリックス部(41A)と、着色画素(42)が形成された領域(表示部)の周辺部を囲む額縁部(41B)とで構成されている。ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
【0006】
ガラス基板上へのブラックマトリックスの形成は、例えば、ガラス基板(40)上に、ブラックマトリックス形成用の黒色フォトレジストを用いて塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によってブラックマトリックス(41)を形成するといった方法がとられている。
【0007】
また、着色画素(42)の形成は、このブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、例えば、顔料などの色素を分散させたネガ型の着色フォトレジストを用いて塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によって着色画素を形成するといった方法がとられている。また、透明導電膜(43)の形成は、ブラックマトリックス、着色画素が形成され
たガラス基板上に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いスパッタ法によって透明導電膜を形成するといった方法がとられている。
すなわち、一例として示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタにおいては、透明導電膜を除きフォトリソグラフィ法によって画素として形成されている。
【0008】
図8、及び図9に示すカラーフィルタは、液晶表示装置に用いるカラーフィルタとして基本的な機能を備えたものである。液晶表示装置は、このようなカラーフィルタを内蔵することにより、フルカラー表示が実現し、その応用範囲が飛躍的に広がり、液晶カラーTV、ノート型PCなど液晶表示装置を用いた多くの商品が創出された。
【0009】
多様な液晶表示装置の開発、実用に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタには、上記基本的な機能に付随して、例えば、1)保護層(オーバーコート層)、2)半透過型液晶表示装置に用いるカラーフィルタにおける透明部、3)透過表示の領域と反射表示の領域を通過する光の位相をそろえるための光路差調整層、4)カラーフィルタの反射表示の領域への光散乱層、5)スペーサー機能を有するフォトスペーサー(突起部)、6)液晶の配向制御を行う配向制御突起、などの種々な機能が付加されるようになった。
【0010】
上記、基本となるカラーフィルタ上に付随する層を形成する際には、パターンとして形成されない保護層(オーバーコート層)を除き、いずれの層も前記ブラックマトリックス(41)、着色画素(42)と同様に、フォトレジストを用いてのフォトリソグラフィ法によって画素に形成される。
【0011】
また、上記ブラックマトリックス、着色画素、及び付随する各層をフォトリソグラフィ法によりパターンとして形成する際には、例えば、先ずガラス基板に対して必要に応じた洗浄処理を施し、続いて塗布装置によるフォトレジストの塗布、減圧乾燥装置による予備乾燥処理、プリベーク装置によるプリベーク処理、露光装置によるパターン露光、現像処理ユニットによる現像処理、加熱ユニットによるポストベーク処理が順次に施され、ガラス基板に所定のパターンを形成する。
【0012】
一方、液晶表示装置に用いるカラーフィルタの製造においては、カラーフィルタを効率よく生産するために、一基の液晶表示装置に対応した大きさのカラーフィルタを一枚のガラス基板に多面付けして製造する方法がとられてきたが、一基の液晶表示装置の対角インチのサイズの大型化に伴い、液晶表示装置に用いるカラーフィルタを製造する際のガラス基板の大きさは次第に大型化してきた。
【0013】
カラーフィルタを製造するガラス基板の大型化に伴い、例えば、550mm×650mm程度以上の大きさのガラス基板においては、フォトリソグラフィ法によるカラーフィルタの製造におけるフォトレジストの塗布方法として、スリットコータとスピンコータを併用する塗布方法、すなわち、ガラス基板上にフォトレジストをスリットコータで塗布して塗布膜を形成し、塗布膜が形成されたガラス基板をスピンコータで回転し塗布膜を延展させる被膜の形成方法が採用され始めた。
【0014】
それまでの被膜の形成方法としては、スピンコータを用いた方法が広く採用されてきたが、ガラス基板の大型化に伴い顕著に現れてくるスピンコータの弱点、すなわち、ガラス基板の中央部の塗布膜の膜厚と端部の塗布膜の膜厚の膜厚差を縮小させ、またフォトレジストの吐出量を減少させることを狙いとしたものである。
【0015】
この塗布方法は、先ずスリットコータにより予めガラス基板上の全面に、吐出圧力10〜60kPa程度、スリットの移動速度40〜100mm/秒程度で、やや過剰なフォトレジストを塗布し、次にスピンコータにより200〜1500rpm程度での回転を行い
、フォトレジストを延展し、塗布膜の膜厚を定め乾燥するものである。この塗布方法は、スピンコータのみによる塗布方法に比較し、ガラス基板の中央部への十分に過剰なフォトレジストの吐出は必要なくなり、また、形成した塗布膜の膜厚の均一性は向上したものとなる。
【0016】
しかしながら、このような塗布方法においても、ガラス基板の端部の膜厚は厚くなる。図5(イ)はガラス基板上に塗布された塗布膜の状態を示す平面図であり、図5(ロ)は図5(イ)のX−X’線の断面図、図5(ハ)はY−Y’線の断面図である。
図5(ロ)、(ハ)に示すように、ガラス基板(40)上のフォトレジストの塗布膜(2)は、ガラス基板(40)の端部(6)において、その膜厚が他の部分より厚くなる。また、ガラス基板(40)の端面(7)においても、フォトレジストが塗布されてしまう。図5の符号(4)は、端面に塗布された塗布膜の状態を示したものである。
【0017】
上記ガラス基板(40)の端部(6)におけるフォトレジストの膜厚が厚い状態の部分(3)をレジストビーズと称している。このような端部(6)におけるレジストビーズ(3)の部分は、フォトマスクを介した露光では非露光部であるので光硬化せず、本来は露光後の現像処理によって溶解されるものではあるが、現像処理後においても、その一部が残ってしまう。
【0018】
この残存したレジストビーズは、例えば、表示装置用基板を作成する後工程において、レジストビーズの成分が溶出し表示装置用基板を作成する後工程に悪影響を及ぼすことがある。また、この残存したレジストビーズは、例えば、カラーフィルタと対向基板を貼り合わせてパネルを作製する際に、両基板間の間隔よりも高い高さのレジストビーズが残存していると、レジストビーズを起点にして基板が割れるといった問題を引き起こす。
従って、現像処理後にはレジストビーズは残存しないように、例えば、フォトレジストがガラス基板上に塗布され、予備乾燥処理が施された直後において、ガラス基板の端部のレジストビーズを溶解して除去する方法が採用されている。
【0019】
図6は、このようなレジストビーズを除去する装置の処理ヘッド部(50)の一例を示す断面図である。図6に示すように、処理ヘッド部(50)は、フォトレジストの塗布膜(2)が設けられたガラス基板(40)の厚みよりやや大きめのスリットを有するコの字状の治具(55)を用い、塗布膜を溶解する処理液、例えば、現像液をスリット内に図中斜線で示すように充填させて処理液貯留部(51)とし、ガラス基板(40)の端部を処理液貯留部(51)に位置させて、その端部に処理液を接触させ、ガラス基板(40)の端部のレジストビーズ(3)や端面部に塗布された塗布膜(2)を選択的に溶解除去する。
【0020】
図6に示すように、端部レジスト除去装置の処理ヘッド部(50)内でフォトレジストを溶解する処理液は、処理液パイプ(52)から供給され斜線で示す処理液貯留部(51)に滞留される。ガラス基板(40)の端部は、処理ヘッド部(50)内の経路(56)を経て処理液貯留部(51)に達するのであるが、図6中、白太矢印で示すように、処理ヘッド部(50)は右方から移動し、処理液貯留部(51)がガラス基板(40)の端部をくわえ込むように処理液貯留部(51)に位置させ、処理液貯留部(51)内でガラス基板(40)の端部を処理液に接触させる。
ガラス基板(40)の端部を処理液に接触させた状態で、ガラス基板(40)は、図6中、紙面垂直方向に揺動し、端部のレジストビーズ(3)や端面部に塗布された塗布膜(4)の溶解を助長する。
【0021】
ガラス基板(40)の端部のレジストビーズ(3)や端面部に塗布された塗布膜(4)を溶解除去した後に、処理ヘッド部(50)は、図6中右方へ移動しながら、すなわち、
ガラス基板(40)から離れながら、純水パイプ(53A、53B)から供給される洗浄用純水を、ガラス基板の経路(56)の上下に設けられた吐出口(53a、53b)から噴出し、またエアーパイプ(54A、54B)から供給されるクリーンエアーを噴出して、ガラス基板(40)の端部の表裏を洗浄、乾燥する。ガラス基板(40)の端部の塗布膜を溶解した処理液、端部を洗浄、乾燥した純水及びクリーンエアーは、実線及び点線で示すように外部へ廃液として排出される。
【0022】
上述した方法などにより、ガラス基板(40)の端部のレジストビーズ(3)や端面に塗布された塗布膜(4)を選択的に除去する方法は、一般に端面処理と称されている。図6中、符号(W1)は、端面処理により塗布膜が溶解除去されるガラス基板(40)の端部の幅を表しており、5mm〜10mm程度のものである。
尚、本願における上記揺動とは、ガラス基板(40)の前後方向、すなわち、図6中、紙面垂直方向への水平なガラス基板の往復運動を指している。
【0023】
しかし、上記のような端部レジスト除去装置を用いて、ガラス基板(40)の端部への端面処理を施すと、図7に示すように、ガラス基板(40)上の塗布膜(2)が選択的に溶解除去された端部の幅(W1)の部分に薄片状のレジスト残り(8A)が発生することがある。この薄片状のレジスト残り(8A)は、幅(W1)の部分と、選択的に溶解除去されなかった部分の塗布膜(2)の境界上に発生した薄片状のレジスト残りである。
或いは、塗布膜が溶解除去された端部の幅(W1)の部分に、一度剥離した薄片状のレジスト残りが、再付着(8B)することがある。
【0024】
また、上記レジストビーズ(3)の高さは、一般にガラス基板(40)の四辺の端部のレジストビーズの高さよりも、ガラス基板(40)の四隅のレジストビーズの高さの方が高いために、端面処理を施しても四隅にはレジストビーズ残り(3A)が発生することがある。また、何らかの原因により、四辺の端部のレジストビーズの高さが高くなり、四辺の端部においてレジストビーズ残り(3B)が発生することがある。
【0025】
このようなレジスト残りは、処理液貯留部(51)でガラス基板(40)の端部を処理液に極度に長時間接触させることにより、その発生を抑制することはきるのであるが、時間当たりのカラーフィルタの生産量を低下させることになるので、好ましいことではない。
また、前記純水パイプ(53A、53B)から供給される洗浄用純水の吐出圧を上げても、ガラス基板の表面には水膜が生じてしまうため、レジスト残りを有効に除去することはできない。
【特許文献1】特開2000−137335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ガラス基板の端部のレジストビーズや端面部に塗布された塗布膜を選択的に溶解除去する端面処理において、幅(W1)を有する選択的に溶解除去された部分と、塗布膜(2)の境界上の薄片状のレジスト残り(8A)、薄片状のレジスト残りの再付着(8B)、ガラス基板の四隅のレジストビーズ残り(3A)、四辺のレジストビーズ残り(3B)などを発生させることのないガラス基板端部のレジスト除去方法を提供すること課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、フォトレジストの塗布膜が設けられたガラス基板の厚みよりやや大きめのスリットを有するコの字状の治具を用い、該塗布膜を溶解する処理液を該スリット内に充填
させて処理液貯留部とし、前記ガラス基板の端部を該処理液貯留部に位置させてガラス基板の端部に処理液を接触させ、該端部の塗布膜を選択的に溶解除去する処理ヘッド部を使用した端面処理方法において、
1)前記ガラス基板の端部を処理液貯留部に位置させる際の、処理ヘッド部内のガラス基板の経路の上下に設けられた洗浄用純水の吐出口に2流体ノズルを設けて、
2)前記ガラス基板の端部の塗布膜を選択的に溶解除去した後に、該2流体ノズルを用い純水とクリーンエアーで該ガラス基板の端部を2流体洗浄する、
ことを特徴とするガラス基板端部のレジスト除去方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、処理ヘッド部を使用した端面処理方法においてガラス基板の端部を処理液貯留部に位置させる際の、処理ヘッド部内のガラス基板の経路の上下に設けられた洗浄用純水の吐出口に2流体ノズルを設けて、ガラス基板の端部の塗布膜を選択的に溶解除去した後に、該2流体ノズルを用い純水とクリーンエアーで該ガラス基板の端部を2流体洗浄するガラス基板端部のレジスト除去方法であるので、塗布膜を選択的に溶解除去する端面に、薄片状のレジスト残り、薄片状のレジスト残りの再付着、ガラス基板の四隅のレジストビーズ残り、四辺のレジストビーズ残りなどを発生させることのないガラス基板端部のレジスト除去方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明において用いられる端部レジスト除去装置の処理ヘッド部(10)の一例を示す断面図である。図1は、ガラス基板(40)の端部を処理液貯留部(51)に位置させて、端部の塗布膜を溶解する状態を表している。
また、図2は、端部の塗布膜を溶解除去した後に、処理ヘッド部(10)が、図中右方へ移動しながら、すなわち、ガラス基板(40)から離れながら、端部を洗浄、乾燥している状態を表している。
【0030】
図1及び図2に示すように、この処理ヘッド部(10)は、例えば、前記図6に示す処理ヘッド部(50)内のガラス基板(40)の経路(56)上下に設けられた純水の吐出口(53a、53b)に2流体ノズル(20A、20B)を設けたものである。2流体ノズル(20A、20B)は、ガラス基板(40)の端部が処理液貯留部(51)から離れていく際に、純水とクリーンエアーの2流体をガラス基板(40)の端部に噴出するようになっている。
そして、複数個の2流体ノズル(20A、20B)が、ガラス基板(40)の端部の辺と平行(図1及び図2中、紙面垂直方向)に設けられている。
【0031】
図3は、本発明における2流体ノズルの一例の断面図である。図3は、内部混合型2流体ノズルの概略を説明するものである。図3に示すように、純水は矢印(31)で示すように供給され、純水より高圧のクリーンエアーは矢印(32)で示すように供給される。図3中、符号(A)で示すノズル内部の合流点で、純水を高圧のクリーンエアーで粉砕して微細化し、微細化した純水粒を白太矢印(30)で示すように噴出し、ガラス基板の端部の洗浄を行うものである。
【0032】
純水の水圧は0.01〜0.02MPa、クリーンエアー圧は0.05〜0.1MPa程度である。この微細化された純水粒で、塗布膜が選択的に溶解除去されたガラス基板の端部を洗浄することによって、塗布膜の境界上の薄片状のレジスト残り(8A)、薄片状のレジスト残りの再付着(8B)、ガラス基板の四隅のレジストビーズ残り(3A)、四辺のレジストビーズ残り(3B)などは除去される。
【0033】

図4は、本発明における2流体ノズルの他の例の断面図である。図4は、外部混合型2流体ノズルの概略を説明するものである。図4に示すように、純水は矢印(34)で示すように供給され、純水より高圧のクリーンエアーは矢印(35)で示すように供給される。図4中、符号(B)で示すノズル外部の合流点で、純水を高圧のクリーンエアーで粉砕して微細化し、微細化した純水粒を白太矢印(36)で示すように噴出し、ガラス基板の端部の洗浄を行うものである。
純水の水圧は0.01〜0.02MPa、クリーンエアー圧は0.05〜0.1MPaであり、上記内部混合型2流体ノズルと同程度である。
【0034】
上記のように、2流体ノズルによる2流体洗浄によって、レジスト残りが除去できるのは、2流体ノズルにおいては、2流体の合流点で、純水は高圧のクリーンエアーで粉砕され微細化し、微細化した純水粒は、ガラス基板の表面の残渣を剥ぎ取るように拭い去るためと推量されている。
【0035】
本発明によるガラス基板端部のレジスト除去方法は、処理ヘッド部(10)内のガラス基板の経路(56)の上下に設けられた洗浄用純水の吐出口に2流体ノズル(20A、20B)を設けて、この2流体ノズルにより純水粒となった2流体で、塗布膜を選択的に溶解除去した後の端部の洗浄を行うことによりレジストの残渣を効果的に拭い去るレジスト除去方法である。
【図面の簡単な説明】
【0036】

【図1】ガラス基板の端部の塗布膜を溶解する状態の処理ヘッド部の一例を示す断面図である。
【図2】処理ヘッド部が、図中右方へ移動しながら端部を洗浄、乾燥している状態を示す断面図である。
【図3】本発明における2流体ノズルの一例の断面図で、内部混合型2流体ノズルの概略の説明図である。
【図4】本発明における2流体ノズルの他の例の断面図で、外部混合型2流体ノズルの概略の説明図である。
【図5】(イ)は、ガラス基板上に塗布された塗布膜の状態を示す平面図である。(ロ)は、(イ)のX−X’線の断面図である。(ハ)は、Y−Y’線の断面図である。
【図6】レジストビーズを除去する装置の処理ヘッド部の一例を示す断面図である。
【図7】端面処理後のレジスト残りの説明図である。
【図8】液晶表示装置に用いるカラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。
【図9】図8に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
【符号の説明】
【0037】
2・・・塗布液
3・・・レジストビーズ
3A・・・四隅のレジストビーズ残り
3B・・・四辺のレジストビーズ残り
4・・・端面に塗布された塗布膜
6・・・ガラス基板の端部
7・・・ガラス基板の端面
8A・・・境界上に発生した薄片状のレジスト残り
8B・・・薄片状のレジスト残りの再付着
10・・・本発明における処理ヘッド部
20・・・2流体ノズル
31、34・・・純水の供給
32、35・・・クリーンエアーの供給
40・・・ガラス基板
41・・・ブラックマトリックス
42・・・着色画素
43・・・透明導電膜
50・・・処理ヘッド部
51・・・処理液貯留部
52・・・処理液パイプ
53A、53B・・・純水パイプ
53a、53b・・・洗浄用純水の吐出口
54A、54B・・・エアーパイプ
55・・・コの字状の治具
56・・・ガラス基板の経路
A、B・・・2流体の合流点
W1・・・端面処理により溶解除去されるガラス基板の端部の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジストの塗布膜が設けられたガラス基板の厚みよりやや大きめのスリットを有するコの字状の治具を用い、該塗布膜を溶解する処理液を該スリット内に充填させて処理液貯留部とし、前記ガラス基板の端部を該処理液貯留部に位置させてガラス基板の端部に処理液を接触させ、該端部の塗布膜を選択的に溶解除去する処理ヘッド部を使用した端面処理方法において、
1)前記ガラス基板の端部を処理液貯留部に位置させる際の、処理ヘッド部内のガラス基板の経路の上下に設けられた洗浄用純水の吐出口に2流体ノズルを設けて、
2)前記ガラス基板の端部の塗布膜を選択的に溶解除去した後に、該2流体ノズルを用い純水とクリーンエアーで該ガラス基板の端部を2流体洗浄する、
ことを特徴とするガラス基板端部のレジスト除去方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−28156(P2008−28156A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199158(P2006−199158)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】