説明

ガラス専用カッターホルダー

【課題】ガラス専用カッターホルダーとして、スクライブ後に何らかの要因でカッターヘッドが回動し、カッターホイールの向きがスクライブ方向に対して斜めにずれることがあっても、自動的にカッターヘッドが復帰回動し、次のスクライブ操作で形成するスクライブラインの始端部の曲がりを確実に防止し得るものを提供する。
【解決手段】ホルダー本体1に、先端側にカッターホイール3を枢着したカッターヘッド2が旋回自在に装着され、ホルダー本体1とカッターヘッド2の一方側には、カッターヘッド2の旋回軸線Oから半径方向rに離れた位置に磁石9が固着され、同他方側には、磁石9に非接触で対向し得る位置に鉄鋼突片10が設けられる。ホルダー本体1に軸支されたカッターヘッド2は、磁石9と鉄鋼突片10が磁力吸引によって対向する旋回姿勢において、カッターホイール3が所定のスクライブ方向に沿う向きに配置するように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの如きディスプレイパネル用ガラス板等を母材ガラス板から自動的に切り取る際、該母材ガラス板の表面にスクライブラインを刻むのに使用されるガラス専用カッターホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、母材ガラス板を機械的に複数枚の小サイズのガラス板に分割する場合、自動ガラススクライバーのカッターヘッドによって母材ガラス板の表面にスクライブラインを刻むことにより、分割線に沿ってガラス板表面から下方に向かう垂直クラックを形成したのち、ブレイク装置によって母材ガラス板に応力を加えることにより、該垂直クラックをガラス板下面まで成長させて該母材ガラス板を分割するようにしている。
【0003】
代表的な自動ガラススクライバーは、図3に示すように、基台21上に長手方向に沿うレール22,22とこれを跨ぐ門形のカッター支持枠23とが設けられ、レール22,22上には回転テーブル24を搭載したスライド台25がボールネジ26を介して移動可能に配置すると共に、カッター支持枠23の水平部23aに沿って設けたレール27に、摺動ブロック28が基台21の幅方向に移動自在に装着され、この摺動ブロック28に設けた筒状のホルダー取付部29の下端に、ガラス専用カッターホルダーH1がカッター部を下向きにして装着されている。なお、30はボールネジ26を正逆回転させてスライド台25を移動させる材料送りモーター、31は摺動ブロック28を移動させるカッター変位モーターである(例えば、特許文献1)。
【0004】
この自動ガラススクライバーでは、回転テーブル24上に母材ガラス板Gを載置し、その表面にガラス専用カッターホルダーH1のカッター部を押接した状態でスライド台25を移動させることにより、母材ガラス板Gの表面に直線状のスクライブラインが刻まれるから、その移動を終えるごとにガラス専用カッターホルダーH1を変位させれば、複数本の平行なスクライブラインを形成できると共に、その形成後に回転テーブル24を90°回転させてから再びスライド台25を移動させれば、縦横に交叉するスクライブラインを形成でき、またスライド台25の移動とガラス専用カッターホルダーH1の変位を組み合わせることで様々な曲線状のスクライブラインを形成することも可能である。
【0005】
従来の一般的なガラス専用カッターホルダーH1は、例えば図4に示すように、上端にホルダー取付部29に対する連結軸部1aを突設した縦円筒状のホルダー本体1と、その下端側にベアリング4,4を介して上端軸部2aを挿嵌することで首振り旋回自在に装着されたカッターヘッド2と、該カッターヘッド2の下端部に枢着された超硬合金や焼結ダイアモンド等よりなるカッターホイール3とからなる。しかして、カッターホイール3は周縁が断面V字形の刃を構成しており、カッターヘッド2の下端側に設けた割溝部2b内に一部が下方突出した状態に配置し、該割溝部2bを横切る貫通孔2cに挿通した針金ピン5の一端側を枢軸として回転自在に保持されている。また、カッターヘッド2の上部側面にはねじ孔2dを備え、針金ピン5の輪状にした他端側が該ねじ孔2dに螺着した取付ねじ6を介して止着されている。
【0006】
このようにカッターヘッド2が首振り旋回自在で且つカッターホイール3を偏心位置に枢着したキャスター型をなすことにより、図4(a)の如くカッターホイール3が偏心方向を母材ガラス板Gの移動後方側として転動する際、その転動の向きが自然に該母材ガラス板Gの移動方向に沿う形になるため、スクライブラインを無理なく滑らかに形成できる。これに対し、カッターヘッド2がホルダー本体1に固定されておれば、母材ガラス板Gの移動方向に対して該カッターホイール3の向きが微かにずれているだけでも、その転接部位に無理にこじるような力が働くことになり、スクライブラインに乱れを生じて良好な垂直クラックが形成されず、分割面の不良や割れの原因になる。
【0007】
しかしながら、従来の一般的なガラス専用カッターホルダーH1では、カッターヘッド2が首振り旋回自在であることにより、上述のようにスクライブラインを無理なく滑らかに形成できる反面、カッターホイール3がスクライブラインの終端で母材ガラス板Gの端縁を乗り越えた際の反動や以降の振動等の影響により、カッターヘッド2が回動し、これによってカッターホイール3の向きがスクライブ方向に対して斜めにずれた状態になることが往々にしてある。この場合、次のスクライブ操作を行う際、図5で示すように、移動してくる母材ガラス板Gの端縁に対し、スクライブ方向に対して斜めになったカッターホイール3が本来のスクライブ開始位置から外れて接触し、母材ガラス板Gの進行と共にスクライブ方向に沿う向きに戻ることから、スクライブラインLの始端部Lsが曲がった形になり、この曲がりが後段のブレイク装置による母材ガラス板Gの分割時に割れを生じる要因になる。
【0008】
そこで、上記の対策として、図6に示すガラス専用カッターホルダーH2のように、ホルダー本体1の下端に下方突出する突縁部1bを設け、この突縁部1bによってカッターヘッド2の旋回範囲を規制することにより、スクライブ後のカッターホイール3の向きのずれを抑えるようにした改良型のものも登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3074143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記改良型のようにホルダー本体1の下端の突縁部1bによってカッターヘッド2の旋回範囲を規制する構成においても、その規制範囲ではスクライブ後のカッターホイール3の向きがずれ得るから、そのずれが小さくなっても、スクライブラインLの始端部Lsにある程度の曲がり生じることが避けられず、後段の分割時の割れを確実には防止できない。また、スクライブラインLの始端部Lsの曲がりを極力抑えるために、カッターヘッド2の旋回範囲を更に狭く設定すれば、該カッターヘッド2が首振り旋回できることによる既述の利点が相殺され、スクライブラインを滑らかに形成することが困難になる。
【0011】
本発明は、上述の事情に鑑みて、ガラス専用カッターホルダーとして、スクライブ後に何らかの要因でカッターヘッドが回動し、カッターホイールの向きがスクライブ方向に対して斜めにずれることがあっても、自動的に該カッターヘッドがカッターホイールをスクライブ方向に沿わせるように復帰回動し、もって次のスクライブ操作で形成するスクライブラインの始端部の曲がりを確実に防止し得るものを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、ホルダー本体1に、先端側にカッターホイール3を枢着したカッターヘッド2が旋回自在に装着され、母材ガラス板Gの表面に該カッターホイール3を押接しつつ、該母材ガラス板Gとカッターヘッド2とを相対移動させることにより、該母材ガラス板Gの表面にカッターホイール3の転動によるスクライブラインLを刻むように構成されたガラス専用カッターホルダーHにおいて、ホルダー本体1とカッターヘッド2の一方側には、該カッターヘッド2の旋回軸線Oから半径方向rに離れた位置に磁石9が固着されると共に、同他方側には、該磁石9に非接触で対向し得る位置に磁性金属からなる磁力吸引部(鉄鋼突片10)が設けられ、ホルダー本体1に軸支されたカッターヘッド2は、磁石9と磁力吸引部とが磁力吸引によって対向する旋回姿勢において、カッターホイール3が所定のスクライブ方向に沿う向きに配置するように設定されていることを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は、上記請求項1のガラス専用カッターホルダーHにおいて、磁力吸引部(鉄鋼突片10)が、磁石9のカッターヘッド旋回方向における中央部に向けて尖った先端形状(尖端部10a)を有してなるものとしている。
【0014】
請求項3の発明は、上記請求項1又は2のガラス専用カッターホルダーHにおいて、カッターホイール3がカッターヘッド2の旋回軸線Oに対して偏心位置で該カッターヘッド2の先端に保持されると共に、その偏心方向に沿う半径方向rにおいて磁石9と磁力吸引部とが対向するように設定されてなるものとしている。
【発明の効果】
【0015】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係るガラス専用カッターホルダーHによれば、先端側にカッターホイール3を枢着したカッターヘッド2がホルダー本体1に旋回自在に装着され、該ホルダー本体1とカッターヘッド2の一方側に固着された磁石9と、同他方側に設けた磁力吸引部(鉄鋼突片10)とが磁力吸引によって対向する旋回姿勢において、カッターホイール3が所定のスクライブ方向に沿う向きに配置するから、スクライブ後に何らかの要因でカッターヘッド2が回動し、カッターホイール3の向きがスクライブ方向に対して斜めにずれても、自動的に該カッターヘッド2がカッターホイール3をスクライブ方向に沿わせるように復帰回動する。従って、次のスクライブ操作を行う際、接近する母材ガラス板Gの端縁に対し、カッターホイール3が必ず所定のスクライブ方向に沿う姿勢で接触し、もって形成されるスクライブラインLの始端部に曲がりを生じず、且つ該スクライブラインLを無理なく滑らかに形成できるから、後段における母材ガラス板Gの分割時の割れを確実に防止できると共に、高いカッティング品位が得られる。
【0016】
請求項2の発明によれば、磁力吸引部(鉄鋼突片10)が磁石9のカッターヘッド旋回方向における中央部に向けて尖った先端形状(尖端部10a)を有するから、前記カッターヘッド2の復帰回動において該磁力吸引部の先端が磁力の強い磁石9の中央部に正確に向くことになり、もってカッターホイール3の向きをスクライブ方向に精密に沿わせることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、カッターホイール3がカッターヘッド2の旋回軸線Oに対して偏心位置で保持され、且つその偏心方向に沿う半径方向rにおいて磁石9と磁力吸引部(鉄鋼突片10)とが対向するから、スクライブ時にカッターホイール3が旋回軸線Oよりも後方側にくる形でスクライブ方向に円滑に追従転動すると共に、磁石9と磁力吸引部との磁力吸引による向き修正でスクライブラインLの蛇行が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るガラス専用カッターホルダーを示し、(a)は側面図、(b)は(a)のX−X線の断面矢視図である。
【図2】同ガラス専用カッターホルダーの底面図である。
【図3】ガラス専用カッターホルダーを用いる自動ガラススクライバーの一例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図4】従来の一般的ガラス専用カッターホルダーの構成例を示し、(a)は側面図、(b)は底面図である。
【図5】従来の一般的なガラス専用カッターホルダーによる母材ガラス板のスクライブ状況を示す模式平面図である。
【図6】従来の改良型のガラス専用カッターホルダーを示し、(a)は要部の正面図、(b)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態に係るガラス専用カッターホルダーについて、図1及び図2を参照して具体的に説明する。なお、この実施形態のガラス専用カッターホルダーHにおいて、既述の図4及び図6で示す従来構成のガラス専用カッターホルダーH1,H2と共通する構成部分には同一符号を附している。
【0020】
図1及び図2に示す実施形態のガラス専用カッターホルダーHは、基本的には、上端にホルダー取付部29に対する連結軸部1aを突設した縦円筒状のホルダー本体1と、その下端側にベアリング4,4を介して上端軸部2aを挿嵌することで首振り旋回自在に装着されたカッターヘッド2と、該カッターヘッド2の下端部に枢着された超硬合金や焼結ダイアモンド等よりなるカッターホイール3とから構成されている。そして、カッターホイール3は、周縁が断面V字形の刃をなし、カッターヘッド2の下端側に設けた割溝部2b内に一部が下方突出した状態に配置しており、該割溝部2bを横切る貫通孔2cに挿通した針金ピン5の一端側を枢軸として、該カッターヘッド2の旋回軸線Oから偏心した位置で回転自在に保持されている。また、針金ピン5は、輪状にした他端側において、カッターヘッド2の上部側面のねじ孔2dに螺着した取付ねじ6によって該カッターヘッド2に止着されている。
【0021】
このガラス専用カッターホルダーHでは、上記の基本的な構成は既述した従来のガラス専用カッターホルダーH1,H2と同様であるが、ホルダー本体1の外周には、二段曲折したブラケット7が上端側の立ち上げ片7aにおいて取付ねじ8,8を介して止着されており、該ブラケット7の下端側の垂下片7bの内面側に円盤状の磁石9が固着されている。また、カッターヘッド2には、その旋回軸線Oに対するカッターホイール3の枢着位置の偏心方向を後方として、垂直な後側側面の上部にねじ孔2eが形成されており、磁石9に対する磁力吸引部としての丸軸状の鉄鋼突片10が,その基端側ねじ部10bをねじ孔2eに螺挿することにより、後方へ突出する状態に止着されている。なお、鉄鋼突片10の先端側は、縦方向に沿う楔形の尖端部10aになっている。
【0022】
ここで、ブラケット7の垂下片7bはホルダー本体1から外側へ張出した位置から該ホルダー本体1よりも下方へ垂下しており、図1(a)及び図2の如く、該垂下片7bの内面側の磁石9とカッターヘッド2側の鉄鋼突片10とが、カッターヘッド2の旋回軸線Oから後方への半径方向rにおいて、相互に非接触で対向し得るように位置設定されている。そして、カッターヘッド2は、ホルダー本体1に対して首振り旋回自在であるが、磁石9と鉄鋼突片10との間には磁気吸引力が働くため、該磁石9と鉄鋼突片10が対向する旋回姿勢で安定に保持されると共に、この旋回姿勢においてカッターホイール3が所定のスクライブ方向に沿う向きに配置するように設定されている。
【0023】
上記構成のガラス専用カッターホルダーHでは、これを例えば図3に示す自動ガラススクライバーのガラス専用カッターホルダーH1に代えて用いる場合、カッターヘッド2は鉄鋼突片10がホルダー本体1側の磁石9と対向する旋回姿勢で、且つ鉄鋼突片10側がスクライブ方向の後方側にくる形で、母材ガラス板Gの表面にカッターホイール3を押接してスクライブラインLを形成することになる。しかして、そのスクライブの終端でカッターホイール3が母材ガラス板Gの端縁を乗り越えた際の反動や以降の振動等の何らかの影響により、カッターヘッド2が回動し、カッターホイール3の向きがスクライブ方向に対して斜めにずれた際、これに伴って鉄鋼突片10も例えば図3の仮想線で示すように回動変位することになるが、磁石9の磁気吸引力によって該鉄鋼突片10が元の対向方向へ引き戻されるため、該カッターヘッド2は自動的にカッターホイール3がスクライブ方向に沿う旋回姿勢に復帰回動する。従って、次のスクライブ操作を行う際、接近する母材ガラス板Gの端縁に対し、カッターホイール3が必ず所定のスクライブ方向に沿う姿勢で接触することになり、もって形成されるスクライブラインLの始端部に図5で示すような曲がりを生じず、もって後段における母材ガラス板Gの分割時の割れを確実に防止できる。
【0024】
また、特に実施形態の構成では、鉄鋼突片10の尖端部10aは、磁石9のカッターヘッド旋回方向における中央部に向けて尖った形になっているため、前記のカッターヘッド2の復帰回動において磁石9の磁力が強い中央部に正確に向き、該磁石9との対向姿勢での変位許容幅が非常に小さくなる。従って、スクライブの開始時に、カッターホイール3の向きをスクライブ方向により精密に沿わせることができ、もってスクライブラインLの始端部の曲がりをより確実に防止できる。
【0025】
更に、カッターヘッド2は、磁石9と鉄鋼突片10が対向する旋回姿勢で安定に保持されるが、ホルダー本体1に対して磁気吸引力に抗して首振り旋回可能であって、且つカッターホイール3がカッターヘッド2の旋回軸線Oに対してスクライブ方向後方側の偏心位置で保持されるから、従来のガラス専用カッターホルダーH1と同様にスクライブラインLを無理なく滑らかに形成できる上、磁石9と鉄鋼突片10との磁力吸引による向き修正作用によってスクライブラインLの蛇行も効果的に防止されるから、高いカッティング品位が得られる。
【0026】
上記実施形態では磁力吸引部として丸軸状の鉄鋼突片10をねじ止めしているが、該磁力吸引部の形状及び取付構造は様々に設定できると共に、その材質についても鉄鋼以外の種々の磁性金属を採用できる。また、該磁力吸引部は、実施形態では楔形の尖端形状(尖端部10a)としているが、磁石9のカッターヘッド旋回方向における中央部に向けて尖った先端形状であればよく、例えば円錐形や多角錐形等の他の尖り形状にしてもよい。磁石9の形状と取付構造についても例示以外に種々設定できる。一方、これら磁石と磁力吸引部とは、実施形態とは逆にホルダー本体1側に磁力吸引部、カッターヘッド2側に磁石を設ける構成としたり、また両者が上下方向に対向配置し得る構成とすることも可能である。
【0027】
カッターホイール3については、周縁全体が単純な断面V字形の刃を構成する最も一般的なものを例示したが、スリップ止めのために例えば、刃先部を平坦にしたり、刃先部に一定間隔置きに凹部を設けたり、V字形の両側斜面に一定間隔置きに溝を設けたり、また母材ガラス板Gに生じさせるクラックの方向を傾かせるために、刃先位置をホイール厚み方向の中央から片側へ偏らせる等、目的とする機能に応じて種々の細部形態を採用できる。更に、該カッターホイール3の枢支部分についても、例示した針金ピン5による枢着以外に様々な構造を採用できる。
【0028】
更に、ガラス専用カッターホルダーHを適用する自動ガラススクライバーとしても、図3で例示した構造に限らず、母材ガラス板Gの載置部が縦横両方向に移動可能なXYテーブルからなる構造、母材ガラス板Gの載置部が固定で、ガラス専用カッターホルダーH側のみが移動する構造等、様々な構造のものを採用できる。その他、本発明のガラス専用カッターホルダーHの細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 ホルダー本体
2 カッターヘッド
3 カッターホイール
4 ベアリング
9 磁石
10 鉄鋼突片(磁力吸引部)
10a 尖端部
G 母材ガラス板
H ガラス専用カッターホルダー
L スクライブライン
O 旋回軸線
r 半径方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダー本体に、先端側にカッターホイールを枢着したカッターヘッドが旋回自在に装着され、母材ガラス板の表面に該カッターホイールを押接しつつ、該母材ガラス板とカッターヘッドとを相対移動させることにより、該母材ガラス板の表面にカッターホイールの転動によるスクライブラインを刻むように構成されたガラス専用カッターホルダーにおいて、 ホルダー本体とカッターヘッドの一方側には、該カッターヘッドの旋回軸線から半径方向に離れた位置に磁石が固着されると共に、同他方側には、該磁石に非接触で対向し得る位置に磁性金属からなる磁力吸引部が設けられ、
ホルダー本体に軸支されたカッターヘッドは、前記磁石と磁力吸引部とが磁力吸引によって対向する旋回姿勢において、カッターホイールが所定のスクライブ方向に沿う向きに配置するように設定されていることを特徴とするガラス専用カッターホルダー。
【請求項2】
前記磁力吸引部が、前記磁石のカッターヘッド旋回方向における中央部に向けて尖った先端形状を有してなる請求項1に記載のガラス専用カッターホルダー。
【請求項3】
前記カッターホイールがカッターヘッドの旋回軸線に対して偏心位置で該カッターヘッドの先端に保持されると共に、その偏心方向に沿う半径方向において前記磁石と磁力吸引部とが対向するように設定されてなる請求項1又は2に記載のガラス専用カッターホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−23396(P2013−23396A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157557(P2011−157557)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(391066629)トーヨー産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】