説明

ガルバニセルのための保護装置

ガルバニセルのための保護装置であって、当該ガルバニセルは、当該セルの極端子と好適に接続されている接触要素を介して、バッテリーとなるように相互接続されている、ガルバニセルのための保護装置は、バッテリーの個々のセルに配設され得る。前記保護装置は、当該保護装置を作動させるための作動装置(1008,1108,1208,1011,1111)を有している。前記保護装置の作動時に、前記保護装置は当該保護装置に対応するセルに対して、前記相互接続を変化させることによって橋絡を行い、このようにして当該セルをバッテリー複合体から電気的に除去する。前記作動装置において、形状記憶材料から成る、電導性または電気的な絶縁を行う構成要素は好適に、当該構成要素の温度が所定の温度範囲の外部にあるやいなや、および/または当該構成要素の温度が所定の温度範囲の外部にある限り、当該構成要素の形状の変化によって前記相互接続の変化を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガルバニセルのための保護装置と、このような保護装置を有するガルバニセルと、このようなガルバニセルから成るバッテリーとに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーは直列および/または並列に接続された単セルから成り、当該単セルは多く
の場合、付属する電子機器および冷却部とともに共通のハウジング内に設けられている。自動車技術においてこのようなバッテリー、特に高電圧バッテリーは、取り分け電気自動車のための牽引用バッテリーとして、および、ハイブリッド車のためのエネルギー中間貯蔵装置として用いられる。このようなセルは、例えば過充電によって、短絡によって、または他の原因によって損傷され得、あるいは、他の方法で所望の機能が妨げられ得る。
【0003】
例えば、セルにおいて過充電または短絡がある場合に電流回路を遮断するリチウムイオンバッテリーが知られている。すなわち、例えばこのようなセルの過熱の際に、当該セルのハウジングを、目標を定めて設けられた弱化箇所において、例えば破裂板を用いると同時に、高められたセル内圧を作用させて破砕し、その際、電極コイルからバッテリー電極に至る電気的接触を中断することが知られている。このような既知の解決には多くの場合、以下のような不利点が付随する。すなわち、電流回路をセル側において切断することによって、欠陥セルと直列接続されているセルも電流を放出できなくなってしまう。特に電気自動車の場合、これによって完全な機能停止(「故障車」)になりかねない。ハイブリッド車の場合、システム構成によっては、例えば内燃機関の再始動ができなくなることがある。
【0004】
上記の不利点を回避するために以下のような装置が提案されている。すなわち、当該装置において欠陥セルは、電気的な直列接続から取り出されると同時に橋絡が行われる。このような既知の解決において、電流回路をセル側において切断するとともに欠陥セルに対して橋絡を行うための装置は、当該装置の作動エネルギーをセル内部の圧力上昇から得る場合が多い。そのため当該既知の装置は、セルがすでに不可逆的に損傷されている場合に初めて有効となる。このような場合、セル内容物、例えば部分的に蒸発した電解質が流出することがあり、当該電解質は電導性ゆえにさらなる短絡を引き起こしかねない。このような場合、バッテリーの修理はもはやできないか、意味がないことが多い。電解質の腐食作用によって短時間のうちにバッテリー内部が腐食されるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ガルバニセルのための効果的な保護装置を記載するとともに、既知の解決に付随する問題を出来る限り回避することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は請求項1に記載のガルバニセルのための保護装置によって解決される。上記の課題はまた、さらなる独立請求項のうちのいずれか一つに記載の物によって解決される。
【0007】
本発明は、ガルバニセルのための保護装置を備えており、当該ガルバニセルは、セルの極端子と好適に接続されている接触要素を介して、バッテリーとなるように互いに接続されている。本発明に係る保護装置は、保護装置を作動させるための作動装置を有していることを特徴とする。本発明に係る当該保護装置は、当該保護装置の作動時に、当該保護装置に対応するセルに対して、相互接続を変化させることによって橋絡を行い、このようにして当該セルをバッテリー複合体から電気的に除去する。
【0008】
本発明の詳細な説明に関連して用いられる概念を以下に規定するとともに説明する。
【0009】
本発明におけるガルバニセルとは、バッテリーを構成するために好適な電気的または電気化学的セル、特に一次セルまたは二次セルと理解すべきである。このようなセルは以下においてバッテリーセル、セルまたは単セルとも表される。バッテリーとは、このようなセルを直列および/または並列に相互に接続したものと理解すべきである。
【0010】
本発明との関連においてガルバニセルの相互接続とは、このようなセルの直列および/または並列接続の、技術的に有意なあらゆる組み合わせのことである。当該組み合わせは接触要素を用いて、特に接触プレート、接触レール、絶縁体などを用いて、このようなセルの極端子を好適に接続することによって作り出される。
【0011】
本発明との関連において作動装置とは、本発明に係る保護装置を作動させるためのあらゆる装置のことである。当該装置は、本発明に係る保護装置が、バッテリーの、目標となる単セルに対して橋絡を行うとともに、それによって当該単セルをバッテリー複合体から電気的に除去するようにさせる。電気的に除去するという表現の意味は、該当するセルが空間的にはバッテリー複合体における当該セルの位置に留まっているものの、特定の接触部に対して橋絡を行うことにより、バッテリーを構成している、複数のセルの電気的な直列および/または並列接続から除去されることである。
【0012】
作動装置を用いて保護装置を作動させるためには、エネルギーが必要である。それは例えば、保護装置を作動させるために、接触要素を動かさなければならないからである。当該エネルギーは本発明によれば、作動装置に対して外部から供給されるか、または、保護装置または作動装置の構成部材であるエネルギー貯蔵装置を介して提供される。当該エネルギー貯蔵装置はあらゆる種類のエネルギー貯蔵装置であってよく、特に機械的なエネルギー貯蔵装置であってよい。作動させるために必要なエネルギーを外部から供給する際、当該供給を行うために好適なあらゆる種類の装置が考慮され、特に例えば電磁スイッチ(リレーなど)のような電磁的コンバータが考慮される。当該電磁的コンバータは外部から供給されるエネルギー、すなわち例えばバッテリー複合体から取り出されるエネルギーを用いて作動され、当該バッテリー複合体の残りのセルは一定の作動可能な状態を保っている。
【0013】
本発明の有利なさらなる構成は従属請求項に記載されている。
【0014】
以下に、好適な実施の形態に基づくとともに図面を用いて、本発明をより詳しく説明する。図面に示すのは以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】バッテリーセルの直列接続の回路図を示している。当該バッテリーセルはそれぞれ、電気的に直列に接続されたセルを除去し、かつ、橋絡を行うための、本発明の好適な実施の形態に係るアクティブ制御可能なセル側の装置を備えている。
【図1b】保護装置のスイッチを備えるバッテリーセルの相互接続を示す図である。当該相互接続において、全てのスイッチは、全てのバッテリーセルの直列接続を生じさせる位置にある。
【図1c】バッテリーセルの相互接続を示す図である。当該相互接続において、一つのスイッチは、一つのバッテリーセルに対して橋絡が行われ、それによって当該バッテリーセルのバッテリー複合体からの除去が行われる位置にある。
【図2】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置を備えるバッテリーセルの相互接続を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置を備えるセルブロックの側面を示す図である。
【図4】図3に示されている、本発明の好適な実施の形態に係る保護装置を備えるセルブロックの上部を拡大して示す図である。
【図5】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置を備えるセルを示す図である。
【図6】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置の詳細を示す図である。
【図7】図6に示す実施の形態を分解して示す図である。
【図8】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置が非作動状態にある場合(通常動作)の側面を示す図である。
【図9a】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置の断面を示す図である。
【図9b】非作動状態(通常動作)にある、図9aに示す実施の形態の右部分を拡大して示す図である。
【図10】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置が作動状態にあるセルブロックを示す図である。
【図11】本発明の好適な実施の形態に係る、作動状態にある保護装置の側面を示す図である。
【図12a】本発明の好適な実施の形態に係る保護装置が作動されている状態で、当該保護装置の断面を示す図である。
【図12b】作動状態にある保護装置の、図12aに示す実施の形態の右部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1aに示すように、本発明に係る保護装置の基本的な作用態様は、複数のセルの相互接続から欠陥セルを、目標を定めて橋絡によって除去することである。このために橋絡部104,105,106が設けられており、当該橋絡部はスイッチ101,102,103のうちの一つが作動した場合、電極107を、隣接するセルの同一名称の電極と接続する。これに対して保護装置が非作動状態にあるとき、電極108は、隣接セルの、当該電極と名称の異なる電極に接続されている。同様に、図1bおよび1cは本発明に係る保護装置の基本的な作用態様を示している。図1bにおいて全てのスイッチS1b,S2b,…,S5bは対応する同一の位置にあるため、図1bではセルZ1b,Z2b,…,Z5bの直列接続が行われる。図1cにおいてスイッチS2cは作動位置にあり、それによってセルZ2cは相互接続上、除去されている。
【0017】
図2に示されるように、バッテリーセルの相互接続は接触要素を用いて行われる。このような接触要素の例は図2に示されている接触レール205,209および212である。電極(導体)203もしくは204は好適に、これらの接触要素と接続されているか、もしくは接続されていない。本発明に係る保護装置は好適に、二つの隣接するセルの帯状電極(「導体」)同士の間にそれぞれ設けられている。保護装置を作動させるための駆動エネルギーは例えば波形バネ208に貯蔵されており、当該波形バネは図7および9に示されているヒューズワイヤ711,811,911によって、当該波形バネの始動位置に保持される。機能不全が始まると、当該ヒューズワイヤは電流パルスによって溶け、図2,7および9に示されている波形バネ208,708,908は、それまで隣接セルに対して電気的な直列接続を行っている可動式の接触レールを持ち上げるとともに、当該接触レールを第二の接触レールに押し付け、当該第二の接触レールは欠陥セルを電気的に迂回する。
【0018】
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明に係る保護装置にはエネルギー貯蔵装置が実装されており、当該エネルギー貯蔵装置は相互接続を変化させるために必要なエネルギーを貯蔵するとともに、作動の際に提供する。当該エネルギー貯蔵装置は機械的エネルギー貯蔵装置あるいは他のエネルギー貯蔵装置、例えば化学的または電気的エネルギー貯蔵装置であってよい。単純に構成されたエネルギー貯蔵装置208,408,508,608,708,808,908,1008,1008,1108,1208は、図2,4,5,6,7,8,9,10,11および12に示されている。波形バネ208,408,508,608,708,808,908,1008,1008,1108,1208は下方から軸受け210,310,910,1010,1110によって保持される。ヒューズワイヤ711,811,911,1111は当該波形バネを、当該波形バネの初期位置および初期形状において、すなわち引っ張られた状態で保持している。ワイヤが溶けると、波形バネは接触プレート207,407,507,607,707,807,907,1007,1207を持ち上げるとともに、当該接触プレートを接触レール1105,1205に押し付ける。接触プレート1106に対する接触は中断される。このようにしてセルに対する橋絡が行われる。
【0019】
保護装置は図に示されていないハウジング内に設けられているのが好ましい。当該ハウジングは腐食を避けるために好ましくは気密に密閉されており、必要な場合には不活性保護ガスで充填されている。
【0020】
本発明に係る保護装置は各セルに対して、好ましくはアクティブかつ個々に作動され、それによって該当する損傷されたセルを個々に電流回路から除去するとともに当該損傷されたセルに対して橋絡を行う。例えばバッテリーの電子機器が、セル電圧および/またはセル温度の監視によって、セルの機能不全が始まっていることを確認すると、前記装置は予防的に始動され得る。バッテリーは電圧レベルがわずかに低下するものの、さらに動作可能な状態を保っている。
【0021】
本発明に係る解決において、作動させるためのエネルギーは、該当する架橋すべきセルの機能不全または破損に関わるプロセスからは取り出されず、作動させるためのエネルギーは、保護装置の外部から供給されるか、または、エネルギー貯蔵装置であって、好ましくは保護装置または作動装置の構成部材であるエネルギー貯蔵装置から取り出されるが、当該解決は以下のような有利点と結びついている。すなわち、機能不全を起こしているセルは、すでに早い時点でバッテリー複合体から電気的に除去され得るが、当該時点でセルの破壊はまだ始まっていないか、あるいは、破壊プロセスから保護装置を作動させるために必要なエネルギーが取り出され得る程度にまでは進んでいる。多くの場合、これによってセルの破壊は回避可能になるであろう。好適な条件の下では、橋絡が行われたセルがある程度の時間の後に回復し、新たにバッテリー複合体に組み込まれ得ることが可能である。
【0022】
保護装置を作動させることが十分早く行われると想定すると、橋絡が行われるべきセルが、自ら当該セルの保護装置を作動させるためのエネルギーを供給することさえ可能である。すなわち当該セルは、橋絡が行われることによってバッテリー複合体から電気的に除去される前に、保護装置のエネルギー貯蔵装置として作用し得る。
【0023】
当該応用によれば、本発明に係る保護装置には、保護装置の内部もしくは外部で作り出される信号を介して作動され得る作動装置が実装されている。これら二つの可能性のうちどちらが好ましいかは、第一に、作動すべき事象の種類に依存するであろう。例えば、バッテリーの電子機器が個々のセルのセル電圧を監視するとともに、測定結果をバッテリー外部の中央制御ユニットに伝達し、当該中央制御ユニットは単独または複数のセルの保護装置を作動させるための信号を発生させるとともに、橋絡が行われるべきセルに配設されている該当する単独の保護装置もしくは複数の保護装置に伝達することが可能である。
【0024】
本発明に係る保護装置の特に好適な実施の形態は、信号を介して作動され得る作動装置を備えており、当該信号は少なくとも一つの物理的値を測定する少なくとも一つのセンサによって発生させられ、当該物理的値は保護装置に対応しているバッテリーセルの動作状態を示している。このようなセンサは例えば温度センサであってよく、当該温度センサは個々のセルに設けられているとともに当該温度センサに対応するセルの温度を連続的に測定する。この場合も測定結果を評価するためには様々な可能性がある。
【0025】
例えば温度センサは、当該温度センサが連続的に温度を測定しているセルの保護装置を作動させるための信号を局所的に発生させることが可能である。しかし、中央制御装置がこれらのおよび/または他のセンサ、例えば温度および電圧センサの測定結果を共通して評価し、それによって複数の測定結果の関数として、特別な決定論理を用いて、個々のセルの保護装置を作動させるための信号を発生させることも可能である。当該信号はその後これらのセルの保護装置の作動装置に伝達され、当該作動装置において該当する保護装置を作動させる。
【0026】
本発明の同様に好ましい実施の形態によれば、保護装置が設けられており、当該保護装置の作動装置は、当該作動装置を作動させるための前提が後になって失われた場合、作動停止され得る。その後、当該保護装置は当該保護装置に対応するセルに対する橋絡を取り消し、それによって当該セルは再びバッテリー複合体に組み込まれる。本発明に係る保護装置の作動装置は好ましくは、例えば該当するセルの冷却後、当該セルが再びバッテリー複合体に接続され得るように構成されてもよい。このために必要なエネルギーは例えば再び動作可能となったセル自体から取り出されるか、または、バッテリー複合体に留まっている他のセルから取り出され得る。このような接続が行われるとき、好ましくは保護装置を作動させるためのエネルギー貯蔵装置は再び充電され得る。
【0027】
本発明の同様に好ましい実施の形態によれば、保護装置が設けられており、当該保護装置は、隣接するセルの極端子同士の間に設けられ得るように構成されている。図3,4,8,10および11は本発明のそのような実施の形態を示している。
【0028】
本発明の同様に好ましい実施の形態によれば、保護装置は作動装置を備えており、当該作動装置はヒューズワイヤを含み、当該ヒューズワイヤはエネルギー貯蔵装置として用いられる波形バネを引っ張られた状態に保つ。当該作動装置は電流パルスによって作動され、当該電流パルスはヒューズワイヤを溶かす。それに続いて波型バネは緊張を緩め、その際、相互接続を変化させるために必要なエネルギーを提供する。エネルギー貯蔵装置をこのように機械的に構成することは、例えば作動装置を外部からアクティブに制御することに比べて、特に故障に対して頑丈に、かつ、信号ケーブルがなくなっているために廉価に製造できる。
【0029】
さらに好ましいのは、気密に密閉されたハウジングを有する本発明に係る保護装置である。特に好ましいのは、本発明に係る保護装置であって、当該保護装置のハウジングが不活性保護ガスで充填されているものである。周囲空気で充填されたハウジングに比べて、保護ガスを好適に選択した場合、防食はより良好になることが多い。
【0030】
図5は本発明に係る保護装置を有するバッテリーセル501を示している。電極503および504は、好適な接触プレート506および507を介して接触レール509に接続されている。波型バネ508はセルの保護装置の作動時に、接触プレート507の位置を変化させる。
【0031】
図6は電極603,604と、波型バネ608と、接触プレート606および607とを有する本発明に係る保護装置を拡大して示している。図7に示すように、波型バネ708は軸受け710に支持されている。当該軸受けによって、ヒューズワイヤ711が溶ける際に波型バネの緊張が緩んでも下方に退避し得なくなり、そのために波形バネは保護装置の作動時に、電極704の接触プレート707を上方に押さざるを得なくなる。
【0032】
図8に示されるように、作動前、接触プレート707もしくは807は隣接するセル802の接触プレート806と接触している。作動後、ヒューズワイヤ811が溶けることによって、当該接触プレートは接触レール805に接触する。
【0033】
図9a,9bもしくは12a,12bの側方断面を示す図は、本発明に係る保護装置の同一の実施の形態の作動の前もしくは後を示している。図9aもしくは12aは、図9bもしくは12bに示す部分同士の関連を示している。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態によれば、本発明に係る保護装置のための作動装置が設けられている。当該作動装置において、形状記憶材料から成る少なくとも一つの構成要素は、当該構成要素の温度が所定の温度範囲の外部にあるやいなや、および/または当該構成要素の温度が所定の温度範囲の外部にある限り、当該構成要素の形状の変化によって相互接続の変化を生じさせる。
【0035】
形状記憶を有する様々な材料が知られている。このような材料は主に金属合金、いわゆる形状記憶合金または形状記憶を有するプラスチックであって、形状記憶ポリマーとも表されるプラスチックである。形状記憶合金において形状変化は、材料の二つの異なる結晶構造の、温度に応じた格子変換に基づいている。このとき形状記憶材料のオーステナイトと称される高温相と、マルテンサイトとも称される低温相とがある。二つの相は温度変化によって、相互に移行し得る。これに関連して二方向効果とも言われる。当該構造変換は少なくとも近似的に、温度変化の速度に依存していない。所望の相変態を開始させるために、温度と機械的応力というパラメータは、近似的に等しい場合が多い。すなわち、当該変態は温度によるばかりでなく、応力に誘発されて引き起こされる場合が多い。
【0036】
形状記憶合金は相当大きな力を、素材疲労することなく、数十万運動サイクルに至るまで伝達することができる。形状記憶合金の特殊作業能力、すなわち、材料の容積に対する成された仕事の比は、多くの他のいわゆるアクチュエータ材料の特殊作業能力をはるかに超えている。形状記憶合金を応用する際、いわゆる一方向(記憶)効果と二方向(記憶)効果を区別することが多い。一方向効果の場合、それまでマルテンサイト状態において擬似塑性的に変形されている試料を加熱する際に、一回性の形状変化が観察される。当該一方向効果は一回のみの形状変化を許容する。新たに冷却を行ってもさらなる形状変化は生じない。しかしながら、形状記憶合金をアクチュエータ要素に対しても、たとえば本発明との関連において制御要素として用いるためには、構成要素が当該構成要素のマルテンサイト相の「低温形状」に再び戻れることが多くの場合に望ましい。
【0037】
このとき材料の形状回復を生じさせるためには、基本的に二つの方法がある。
a)いわゆる外部もしくは外因性二方向効果

外部二方向効果において構成要素を冷却する際の形状回復は、外部から作用する、形状回復を強制する力によって生じる。当該力は例えば形状記憶材料を加熱する間に張設されていたバネによって実現され得る。

b)いわゆる内因性二方向効果

他の形状記憶合金は、外部の力の作用がなくても形状回復を実現する。この過程を内因性二方向効果ともいう。このような形状記憶合金は二つの形状を、それぞれ一つは高温もしくは低温において、ある程度「記憶」することができる。形状記憶材料から成る構成要素が冷却される際に、当該構成要素の所定の形状を再び取るためには、当該構成要素は、熱加工処理サイクルを介して前もって「訓練」されている必要がある。このとき材料内で応力フィールドの形成が行われ、当該応力フィールドは冷却の際に、特定のマルテンサイト変異が形成されることを助長する。従って低温状態に対して訓練された形状は、ある意味で、マルテンサイト構造の好適な形態を表しているにすぎない。内因性二方向効果の場合、形状転換は外部の力による抵抗がない場合にのみ行われる。そのため、このような構成要素は冷却の際に作用を成すことができない。
【0038】
形状記憶合金においては、通常の弾性変形に加えて、外部の力の作用によって引き起こされる可逆的な形状変化が観察される場合が多い。このような「弾性的な」変形は従来の材料の弾性を20倍に至るまで上回り得る。しかしながら当該材料挙動の原因は、原子間の相互作用ではなく、材料内部の相変態である。材料内部の相変態では、外部応力の下で、いわゆる面心立方晶オーステナイトが単斜晶マルテンサイトに変形する。機械的な負荷が解除されるとマルテンサイトは再びオーステナイトに変態する。このとき結晶構造における原子配列は変化されず、つまり個々の原子は当該原子の隣の原子を保持しているので、無拡散型相変態とも呼ばれる。このような材料特性は擬似弾性挙動とも称される。材料は負荷が解除されるとき、当該材料の内部応力によって再び初期形状に戻る。そのために温度変化を必要としない。
【0039】
形状記憶合金の例はニッケルとチタンから成る合金、銅と亜鉛から成る合金、銅と亜鉛とアルミニウムから成る合金、銅とアルミニウムとニッケルから成る合金、鉄とニッケルとアルミニウムから成る合金である。
【0040】
金属の形状記憶合金と並んで、形状記憶材料の第二の重要なグループを形成するのは形状記憶ポリマーである。形状記憶ポリマーはいわゆる形状記憶効果を有するプラスチックであって、大きな変形を間にはさんでも、以前の外的形状を「覚えて」いるように見えるプラスチックである。早くから知られている形状記憶ポリマーは二つの構成要素から成る。第一の構成要素は、弾性ポリマー、すなわちある種の「弾性要素」であり、第二の構成要素は硬化型ワックスであって、「弾性要素」を所望のあらゆる形状に固定できる硬化型ワックスである。形状記憶ポリマーを加熱すると、当該ワックスは柔らかくなるとともに、弾性要素の力に抵抗できなくなる。形状記憶ポリマーは再び元の形状を取る。
【0041】
形状記憶合金の場合と同様に、加熱されると再び元の形状を取る形状記憶ポリマーがある。
【0042】
このような挙動は形状記憶合金の場合と同様に一方向記憶効果と称される。
【0043】
比較的最近では、可逆的な形状記憶効果を有するポリマーも知られるようになった。当該可逆的な形状記憶効果は熱的に制御されず、多くの場合光学的に制御される。当該ポリマーの例はいわゆるアクリル酸ブチルである。当該アクリル酸ブチルは、当該アクリル酸ブチルの側鎖において、桂皮酸基を介して所定の波長の紫外線の下で架橋結合するとともに、他の波長の光線を照射されると当該結合を再び解除する。このような構成要素の片側を照射すると、片側で行われる架橋結合を介して材料の形状変化が生じる。磁気的に制御可能な形状記憶ポリマーも知られるようになっている。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態は、作動装置の構成部材として、形状記憶材料から成る電導性の構成要素を備えている。電導性の形状記憶材料は本発明との関連で、様々な方法で用いられる。第一の実施の形態において、形状記憶材料から成る電導性の構成要素には、ガルバニセルに充電および放電される電流と同一の電流が貫流し、当該ガルバニセルには作動装置を含む保護装置が配設されており、当該作動装置は形状記憶材料から成る電導性の構成要素を含んでいる。
【0045】
材料を適切に選択し、特に温度値であって、当該温度値において材料が二つの可能な形状のうちのそれぞれ一つを取る温度値を好適な大きさにすると、このように形状記憶材料から成る電導性の構成要素を用いて、以下の点が実現される。すなわち、当該構成要素を貫流する電流が所定の値を上回る場合に、当該構成要素は相応に加熱され、その結果、当該構成要素は電流を遮断する。
【0046】
上記の実施の形態の中でも、本発明を実施するための様々な態様が可能である。第一の態様において形状記憶材料から成る構成要素は、電流の停止後、当該構成要素が再び冷却されるやいなや、弾性バネを用いて再び初期形状にされ得る。しかしながら二方向効果型形状記憶材料を用いて実施する場合、弾性バネなしで、材料の記憶効果のみを用いて形状の回復を生じさせることも可能である。
【0047】
このような状況を考慮すると、本発明の詳細な説明に基づいて、形状記憶合金または形状記憶ポリマーから成る構成要素を用いてガルバニセルのための保護装置を製造することは当業者にとって容易に可能である。形状記憶合金または形状記憶ポリマーから成る当該構成要素は、保護装置が作動されると、架橋によって相互接続を変化させ、形状記憶合金または形状記憶ポリマーから成る当該構成要素は、該当する応用の状況および目標設定に応じて、当該架橋を、当該架橋を要求する状況が消失した後にまた再び元に戻し、それによってガルバニセルを再びバッテリー複合体に電気的に組み込む。
【0048】
上記の選択肢のどれが当業者によって実現されるかは、その時々に考慮される応用のより限定された状況に依存する。架橋が特に危機的な状況を防ぐために役立つ場合には、多くの場合、当該架橋を要求する状況が消失した後も、当該架橋を元に戻さないことが適当であろう。一方で状況によって架橋が行われた応用であって、当該応用の性質上、当該状況が消失した後、架橋を再び元に戻すことに適している応用がある。このような状況の例は、以下の場合に成立するであろう。すなわち、ガルバニセルが外的影響によって高すぎる温度に曝されており、そのために一時的に架橋を行う必要があったが、当該架橋は持続する必要がなかった場合であり、例えばガルバニセルの加熱によって、当該ガルバニセルの破壊が切迫していることが示されるという理由による。
【0049】
形状記憶材料から成る電導性の構成要素を有する作動装置であって、当該構成要素には電流であって、当該電流によって作動装置に対応するセルが充電および放電される電流が貫流する作動装置は従って、特に以下の場合に、本発明の好適な実施の形態となるであろう。すなわち、形状記憶材料から成る構成要素自体が、ガルバニセルの接触部に組み込まれている場合である。これに対して、形状記憶材料から成る構成要素をガルバニセルの接触のために用いない構成が意図されている場合、本発明の他の実施の形態であって、形状記憶材料から成るとともに、電気的な絶縁を行う構成要素が用いられる実施の形態が提供される。これらの場合、形状記憶材料から成る構成要素が変形によって作用をなすと有利であることが多い。当該作用は、ガルバニセルに、またはガルバニセル構造体内部に設けられている電導性の接触要素を移動させるために必要であり、それによって当該接触要素の移動の際に、発明に係る相互接続の変化を生じさせ、当該相互接続の変化がガルバニセルに対する架橋を可能にし、それとともに当該ガルバニセルをバッテリー複合体から除去することを可能にする。
【0050】
形状記憶材料から成る電導性の構成要素を使用する場合、この他に、本発明のさらなる実施の態様が可能である。当該実施の態様において、当該構成要素には、信号を介して制御される電流が貫流し、当該信号は作動装置を制御するために、保護装置の内部および外部で作り出される。作動を行うためのこのような信号はまた、センサによって作り出され、当該センサは保護装置に対応して設けられているガルバニセルの動作状態を示している物理的な値を測定するが、それは当該保護装置の作動装置が形状記憶材料を有する構成要素を含んでいるという理由による。
【0051】
セル複合体から除去されたガルバニセルを当該セル複合体に再び組み込む際の突入電流を制限するために、好適に突入電流を限定するためのNTC抵抗器が使用され得る。このようなNTC抵抗器は本発明に係るガルバニセルとの関連で、接触要素としても用いられ得るが、当該NTC抵抗器は始動前には低温であることが好ましい。NTC抵抗器はそれによって伝導性が乏しく、突入電流を低減させる。NTC抵抗器は始動後に電流によって加熱され、当該NTC抵抗器の始動時の高い抵抗を失う。このようなNTC抵抗器は以下のような場合に特に好適に用いられ得る。すなわち、当該NTC抵抗器が短時間後、例えば数ミリ秒後に、電気機械式スイッチ(リレー)を用いて短絡され、それによって当該NTC抵抗器が冷却され得る場合である。これによってNTC抵抗器の寿命は延長され、当該NTC抵抗器がリレーによる短絡後に冷却され得るという理由から、さらなる有利点として、短い停止期間があっても、NTC抵抗器が直ちに復帰するという結果が得られる。
【0052】
NTC抵抗器またはいわゆる負温度係数を有する抵抗器(「負温度係数サーミスタ」)は、NTCサーミスタとも称されるが、当該NTC抵抗器は電導性の材料であって、低温におけるよりも高温において、より良好な電導性を有する材料である。従って当該NTC抵抗器の電気抵抗は温度の上昇とともに低下する。負温度係数とも呼ばれるのはそのためである。
【0053】
純粋な半導体材料と、負温度係数を有する様々な他の合金は、熱伝導挙動を示す。特に温度に依存する挙動が利用される構成部材は、バインダーで充填されるとともに圧縮され、かつ、焼結された金属酸化物である場合が多い。このような構成要素の抵抗は、様々な材料の混合比を介して広範囲において調整される。
【0054】
NTC抵抗器は多くの場合、半導体の金属酸化物の混合物から、あるいは、いわゆる化合物半導体から製造される。これらの半導体に属するのは特に、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、銅、または、チタニウムの酸化物である。
【0055】
NTC抵抗器に対して反対の挙動を示すのは、いわゆるポジスタである。当該ポジスタはPTC抵抗器またはPTCサーミスタとも称される。PTCという略称はこの場合、これらの材料の正温度係数を表している。電導性の材料であって、高温におけるよりも低温において電流をより良好に導き得る材料のことである。基本的に全ての金属は正温度係数を有しているが、通常の金属の温度係数は一般的に、ここでいうポジスタとは異なって、はるかに小さく、概ね直線的な挙動を取る。このようなポジスタは例えば接触要素として、ここで説明する本発明に係るガルバニセルとの関連において、ガルバニセルの温度を安定化させるために用いられる。すなわち、個々のガルバニセルの温度が上昇すると、このようなポジスタの好適な配置によって、当該ポジスタの温度も上昇し、それによって当該ポジスタ構成要素の抵抗が上昇する。温度が上昇するとき、ポジスタの導電性は低下するので、対応して接続されている電気化学的エネルギー貯蔵装置、すなわちガルバニセルの電流負荷は低減され、その結果、多くの場合、当該ガルバニセルは冷却される。
【0056】
ガルバニセルの冷却後、当該ガルバニセルの近くにあるPTC抵抗器も冷却されるであろう。その後、PTC抵抗器の導電能力は再び増大する。その結果、当該PTC抵抗器によって電流は再び増大する。従ってPTC抵抗器は本発明との関連において、充電の際にガルバニセルに入る電流と、放電の際にガルバニセルから出る電流を制限し、それによってガルバニセルの温度を安定的に保つために用いられる。
【0057】
NTC抵抗器とPTC抵抗器と形状記憶材料とを巧みに組み合わせることによって、本発明に係る保護装置のさらなる有利な実施の形態が実現される。NTC抵抗器材料またはPTC抵抗器材料と形状記憶材料とを構成上、好適に組み合わせると、セル複合体においてセルを接触させるために用いられる接触要素の導電能力、すなわち当該接触要素の電気的な抵抗が変化するだけでなく、特定の温度に到達した際、または、特定の温度領域から出る際、対応する構成要素の形状変化が生じ、当該形状変化によって、ガルバニセルの相互接続の切り替えもしくは変化が生じる。
【0058】
以下の参照番号は図において、図に示された個々の部分を同定するために用いられたものである。
【0059】
図2,3,4,8,10および11は本発明に係る保護装置を有するバッテリーセルから成るバッテリーの実施の形態を示している。このようなバッテリーは好ましくは、バッテリーの隣接するセル同士の間に設けられている多数の保護装置から成る。このとき多数の接触要素が、バッテリーのセルの直列接続および/または並列接続を相互に接続するために設けられている。これらの接触要素の第一の部分は可動式に設けられており、当該接触要素の第二の部分は固定式に設けられている。第一のセルの保護装置を作動させると、可動式の第一の接触要素であって、当該作動の前は、隣接する第二のセルに対する電気的な直列接続のために用いられる第一の接触要素は、保護装置の作動時に、移動されるとともに、固定式の第二の接触要素に押し付けられ、それによって、第一のセルは架橋され、それによって直列接続から電気的に除去される。
【符号の説明】
【0060】
201,301,801,1001,1101,1201
ガルバニセル、バッテリーセル

202,302,802,1002,1102,1202
ガルバニセル、バッテリーセル

203,503,603,803,1003,1103,1203
電極、電流導体、電流導体プレート

204,504,604,704,1104
電極、電流導体、電流導体プレート

205,405,805,905,1005,1205
接触レール、接触要素

206,406,506,606,706,806,1106
電極の接触プレート

207,407,507,607,707,807,907,1007,1107
1207
電極の接触プレート

208,408,508,608,708,808,908,1008,1108
1208
波形バネ

209,409,509,709,1009
電流レール、接触要素

910,1110,1210
波形バネの軸受け

911,1011,1111,1211
ヒューズワイヤ

212,1012,1212
接触レール、接触要素

1013
電極の接触プレート

214,1014
電極の接触プレート

1230
ヒューズワイヤの所定切断点

390
図4に示す図3の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガルバニセル(201,202,301,302)のための保護装置であって、当該ガルバニセルは、バッテリーセルの極端子(203,204,503,504)と好適に接続されている接触要素(205,207,209,212,405,409,406,407,506,507,509,606,607,706,707,709,805,806,807,809)を介して、バッテリーとなるように相互接続されている、ガルバニセルのための保護装置において、
当該保護装置は、当該保護装置を作動させるための作動装置(708,710,711)を有しており、
前記保護装置の作動時に、前記保護装置は当該保護装置に対応するセルに対して、前記相互接続を変化させることによって橋絡を行い、このようにして当該セルをバッテリー複合体から電気的に除去することを特徴とする保護装置。
【請求項2】
前記相互接続を変化させるために必要なエネルギーを貯蔵するとともに、前記保護装置の作動時に当該エネルギーを提供するエネルギー貯蔵装置を有している、請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】
機械的エネルギー貯蔵装置(708,808,908,1008,1108,1208)を有している、請求項2に記載の保護装置。
【請求項4】
バッテリーの個々のセルに配設され得る請求項1から3のいずれか一項に記載の保護装置。
【請求項5】
前記保護装置の外部で作り出される信号および/または前記保護装置の内部で作り出される信号を介して作動され得る作動装置を有している、請求項1から4のいずれか一項に記載の保護装置。
【請求項6】
信号を介して作動され得る作動装置を有している保護装置であって、前記信号は少なくとも一つの物理値を測定する少なくとも一つのセンサによって作り出され、当該物理値は前記保護装置に対応しているガルバニセルの動作状態を示している、請求項1から5のいずれか一項に記載の保護装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の保護装置であって、当該保護装置の作動装置は、当該作動装置を作動させるための前提が後になって消失した場合、作動停止され得、その後、前記保護装置は当該保護装置に対応するセルに対する橋絡を取り消し、それによって当該セルは再び前記バッテリー複合体に組み込まれる、保護装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の保護装置であって、当該保護装置は、隣接するセルの極端子同士の間に設けられ得るように形成されている、保護装置。
【請求項9】
作動装置を有する請求項1から8のいずれか一項に記載の保護装置であって、前記作動装置はヒューズワイヤ(911,1211)を有しており、当該ヒューズワイヤはエネルギー貯蔵装置として用いられる波形バネ(908,1208)を引っ張られた状態に保ち、前記作動装置は電流パルスによって作動可能であり、当該電流パルスは前記ヒューズワイヤを溶かし(1230)、その後、前記波型バネは緊張を緩め、その際、前記相互接続を変化させるために必要な前記エネルギーを提供する、保護装置。
【請求項10】
作動装置を有する請求項1から9のいずれか一項に記載の保護装置であって、前記作動装置において、形状記憶材料から成る構成要素は、当該構成要素の温度が所定の温度範囲の外部にあるやいなや、および/または当該構成要素の温度が所定の温度範囲の外部にある限り、当該構成要素の形状の変化によって前記相互接続の変化を生じさせる、保護装置。
【請求項11】
請求項10に記載の保護装置であって、当該保護装置において、形状記憶材料から成る前記構成要素は、電導性の構成要素または電気的な絶縁を行う構成要素である、保護装置。
【請求項12】
請求項11に記載の保護装置であって、形状記憶材料から成る前記電導性の構成要素には、前記保護装置に対応するセルへの充電または放電が行われる電流が貫流しているか、または、前記作動装置を制御するために前記保護装置の内部または外部で作り出される信号を介して制御される電流が貫流している、保護装置。
【請求項13】
気密に密閉されたハウジングを有している、請求項1から12のいずれか一項に記載の保護装置。
【請求項14】
請求項13に記載の保護装置であって、当該保護装置において前記ハウジングは保護ガスで充填されている、保護装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の保護装置を有するガルバニセル。
【請求項16】
請求項15に記載の少なくとも一つのガルバニセルを有するバッテリー。
【請求項17】
請求項15に記載の複数のガルバニセル有するバッテリーであって、当該バッテリーにおいて、
複数の保護装置が前記バッテリーの隣接するセルの間に設けられており、
前記バッテリーのセルの直列接続を相互接続するための複数の接触要素が設けられており、
当該接触要素の第一の部分は可動式に設けられており、
当該接触要素の第二の部分は固定式に設けられており、
第一のセルの保護装置を作動させると、可動式の第一の接触要素であって、当該作動の前は隣接する第二のセルへの電気的な直列接続のために用いられる第一の接触要素は、前記保護装置の作動時に、移動されるとともに固定式の第二の接触要素に押し付けられ、それによって、前記第一のセルは架橋され、それによって前記直列接続から電気的に除去される、
バッテリー。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【公表番号】特表2013−504288(P2013−504288A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527224(P2012−527224)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005319
【国際公開番号】WO2011/026596
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】