キャップ付き容器
【課題】計量部内での泡の発生を防ぐことができるキャップ付き容器を提供する。
【解決手段】口頸部2aが設けられた容器本体2と、容器本体2の口頸部2aに装着されると共に第1注出口5aが設けられた注出キャップ3と、注出キャップ3に着脱自在に被せられると共に計量部4a及び第2注出口13が設けられた計量キャップ4とを備えるキャップ付き容器1であって、第1注出口5aを先端部に有するノズル5と、このノズル5の先端部が嵌合される注出キャップ3の嵌合部17との間に、外部の空気を計量部4a内に導入するための隙間Sを設ける。これにより、計量部4a内の空気の置換効率を高め、計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【解決手段】口頸部2aが設けられた容器本体2と、容器本体2の口頸部2aに装着されると共に第1注出口5aが設けられた注出キャップ3と、注出キャップ3に着脱自在に被せられると共に計量部4a及び第2注出口13が設けられた計量キャップ4とを備えるキャップ付き容器1であって、第1注出口5aを先端部に有するノズル5と、このノズル5の先端部が嵌合される注出キャップ3の嵌合部17との間に、外部の空気を計量部4a内に導入するための隙間Sを設ける。これにより、計量部4a内の空気の置換効率を高め、計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量カップとして使用できるキャップを備えたキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体洗剤や液体漂白剤、柔軟仕上げ剤などの液体製品を容器本体に収容し、この容器本体に着脱自在に被せられるキャップを計量カップとして使用するキャップ付き容器がある(例えば特許文献1〜3を参照)。このようなキャップ付き容器は、例えば図10に示すように、液体を内部に収容する容器本体100と、この容器本体100から注出された液体を計り取る計量部101aが設けられた計量キャップ101と、この計量キャップ101に液体を注出するための注出ノズル102a及び計量キャップ101を被せたときに計量キャップ101の内側に付着した液体を容器本体100に戻すための戻し口102bが設けられた注出キャップ102とを備えている。そして、このような液体製品を用いて洗濯などを行う場合には、図11に示すように、計量キャップ101を注出キャップ102から取り外し、注出ノズル102aから注出された液体を計量キャップ101の計量部101aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【特許文献1】実開平1−53051号公報
【特許文献2】実開昭64−51042号公報
【特許文献3】実開昭64−53050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のキャップ付き容器では、図12に示すように、計量時に計量部101a内に付着した泡Bが溢れ出すなどの問題があった。具体的に、従来のキャップ付き容器は、容器本体100を正立状態で保管することが基本のため、容器本体100の反転等による泡Bの発生は考慮されておらず、計量キャップ101を装着した状態のまま容器本体100を転倒させたり反転させたりすると、注出ノズル102aや戻し口102bから計量部101a内に流入した液体が再び容器本体100内へと戻る過程で図13に示すような泡Bが発生する。特に、粘度の高い液体は、容器本体100への戻りが悪く、このような泡Bの発生がより顕著なものとなる。したがって、計量部101aの内側に泡Bが付着した状態のまま計量を行うと、上述した図12に示すように、計量部101a内に残留した泡Bの影響により液体を正確に計り取ることが困難となってしまう。
【0004】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、計量部内での泡の発生を防ぐことができるキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明に係るキャップ付き容器は、口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に装着されると共に、容器本体に収容された液体を注出する第1注出口を先端部に有して口頸部の内側から上方に向かって立ち上がるノズルと、ノズルの基端側に流れ落ちた液体を容器本体内に戻す戻し口とが設けられた注出キャップと、注出キャップに着脱自在に被せられると共に、注出キャップから取り外して第1注出口から注出された液体を計り取る計量部と、計量部の底面部を構成すると共にノズルの第1注出口に対向する位置に第2注出口を有する天板部と、計量部の側面部を構成すると共に天板部の下面からノズルの周囲を囲むように垂下される内筒部と、天板部の下面に位置してノズルの先端部が嵌合される嵌合部とが設けられた計量キャップとを備え、計量キャップを注出キャップに被せた状態において、ノズルと嵌合部との間の全周又は一部の領域に亘って隙間が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るキャップ付き容器では、ノズルと嵌合部との間に設けられた隙間を通じて第2注出口から流入する外部の空気を計量部内に導入することができ、この計量部内の空気の置換効率を高めることによって、計量部内での泡の発生を防ぐことができる。
【0006】
また、前記隙間は、ノズルと嵌合部との互いに対向する面のうち少なくとも一部を切り欠くことによって形成することができる。
一方、前記隙間は、ノズルの先端部を嵌合部の内側に遊嵌させることによって形成することができる。
【0007】
また、前記隙間は、液体の注出時に容器本体を傾ける側とは反対側に位置して設けられていることが好ましい。
この場合、容器本体を傾けた状態から正立状態に戻したときに、該隙間を通じて第2注出口から流入する外部の空気を計量部内に速やかに導入することができる。これにより、計量部内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0008】
また、本発明に係るキャップ付き容器は、ノズルの先端部が斜めにカットされた形状を有すると共に、斜めにカットされた第1注出口の上端部が容器本体を傾ける側に位置していることが好ましい。
この場合、容器本体を傾けた状態から正立状態に戻したときにノズルの先端部における液切れを良くすることができる。また、容器本体を傾ける側とは反対側において外部の空気を計量部内に導入するための隙間を確保できることから、計量部内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0009】
また、前記第2注出口は、第1注出口よりも小径であり、第1注出口の内側に臨んで配置されると共に、第1注出口の中心から容器本体を傾ける側に偏倚して設けられていることが好ましい。
この場合、計量キャップを注出キャップに被せた状態のまま容器本体を傾けることによって、ノズルの第1注出口から注出された液体を第2注出口から速やかに注出させることができる。
【0010】
また、本発明に係るキャップ付き容器は、計量キャップに第2注出口を開閉する開閉手段が設けられた構成としてもよい。
この場合、計量キャップを取り外して液体を計り取る際に第2注出口からの液漏れを開閉手段により防ぐことができる。
【0011】
さらに、開閉手段は、計量キャップにヒンジ部を介して回動可能に設けられたカバーキャップであることが好ましい。
この場合、カバーキャップがヒンジ部を介して計量キャップに連結されていることから、このカバーキャップを開蓋した際に無くしてしまうといったことを防ぐことができる。
また、ヒンジ部は、計量キャップの容器本体を傾ける側とは反対側の側面部に位置して設けられていることが好ましい。これにより、第2注出口から液体を注出する際にカバーキャップが邪魔とならないように、ヒンジ部とは反対側を下に向けて容器本体を傾けることになるため、使用者に対して容器本体を傾ける向きを通知させることができる。
【0012】
また、本発明に係るキャップ付き容器では、容器本体に収容された液体が少なくとも2質量%以上の界面活性剤を含む液体洗剤組成物又は液体漂白剤組成物であっても、計量部内での泡の発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、計量部内の空気の置換効率を高めることによって、計量部内での泡の発生を防ぐことができることから、計量時に泡の影響を受けることなく液体を計量キャップの計量部により正確に計り取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用したキャップ付き容器について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明を適用したキャップ付き容器1は、例えば液体として液体洗剤が収容された容器本体2と、この容器本体2の口頸部2aに装着される注出キャップ3と、この注出キャップ3に着脱自在に被せられた計量キャップ4とを備えている。
【0015】
容器本体2は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。この容器本体2の底部から筒状に起立した胴部の上端部には、略円筒状に縮径された口頸部2aが設けられている。また、口頸部2aの外周面には、注出キャップ3を螺合により装着するためのネジ部2bが形成されている。なお、容器本体2の形状については、特に限定されないものの、使用する際に持ち易く且つ注出操作のし易い形状のものが好ましい。
【0016】
注出キャップ3は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この注出キャップ3は、口頸部2aの内側から上方に向かって立ち上がる注出ノズル5と、この注出ノズル5の基端側に位置して注出ノズル5の周囲を囲む環状の底壁6と、この底壁6の外周縁部から上方に向かって立ち上がる筒状の内側周壁7と、この内側周壁7の上方に位置して計量キャップ4が着脱自在に装着される内筒部8と、この内筒部8の外側に位置して口頸部2aに着脱自在に装着される外筒部9とを有している。
【0017】
このうち、注出ノズル5は、容器本体2に収容された液体を注出する第1注出口5aを先端部に有し、口頸部2a内の略中央位置において口頸部2aの開口周縁部よりも上方に突出して設けられている。注出ノズル5は、その先端部から基端側の中途部まで径が漸次拡径する形状を有すると共に、その先端部が斜めにカットされた形状を有している。また、斜めにカットされた第1注出口5aの上端部は、容器本体2を傾ける側に位置している。
【0018】
底壁6は、注出ノズル5を傾ける方向とは反対方向に下降するように傾斜して設けられている。また、この底壁6の最下端部は、注出ノズル5や計量キャップ4に付着した液体洗剤を回収するための液溜め部6aを形成している。そして、内側周壁7には、この液溜め部6aに溜まった液体洗剤を容器本体2内に戻すための戻し口10が設けられている。この戻し口10は、注出ノズル5の基端側に流れ落ちた液体洗剤を容器本体2内に戻すためのものであり、容器本体2の内部と連通される部分である。なお、このような戻し口10は、内側周壁7以外にも注出ノズル5の基端部や底壁6に設けることも或いはそれらの間に亘って設けることもできる。
【0019】
内側周壁7は、口頸部2aの内側に挿入される部分であり、注出ノズル5との間に環状の空隙を隔てて設けられている。内筒部8は、この内側周壁7の上端部から段差部11を介して更に口頸部2aよりも上方に向かって略円筒状に立ち上がり形成されている。また、内筒部8の外周面には、計量キャップ4を螺合により着脱自在とするためのネジ部8aが形成されている。外筒部9は、内筒部8のネジ部8aよりも下方に位置するフランジ部12を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部9の内周面には、上述した口頸部2aのネジ部2bに螺合されるネジ部9aが形成されている。これにより、注出キャップ3は、容器本体2の口頸部2aに対して着脱自在に装着することが可能となっている。
【0020】
計量キャップ4は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この計量キャップ4は、注出キャップ3から取り外して注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を計り取る計量部4aと、注出キャップ3に被せた状態のまま容器本体2に収容された液体洗剤を注出する第2注出口13とを有している。
【0021】
具体的に、この計量キャップ4は、計量部4aの底面部を構成する天板部14と、計量部4aの側面部を構成する内筒部15と、内筒部15の外側に位置して注出キャップ3に着脱自在に装着される外筒部16とを有している。
【0022】
このうち、天板部14は、内筒部15と一体に形成されて内筒部15の上面部を閉塞している。また、天板部14には、上述した注出ノズル5の第1注出口5aに対向する第2注出口13が設けられている。具体的に、第2注出口13は、上述した注出ノズル5の第1注出口5aよりも小径であり、第1注出口5aの内側に位置するように配置されている。また、第2注出口13は、容器本体2に収容された液体洗剤を衣服の襟や袖などに直接塗布できるように、例えば天板部14の略中央部から上方に向かって僅かに突出したノズル形状を有している。
【0023】
さらに、第2注出口13は、第1注出口5aの中心から容器本体2を傾ける側に偏倚して設けられている。この場合、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態のまま容器本体2を傾けることによって、注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を第2注出口13から速やかに注出させることができる。
【0024】
天板部14の下面部には、注出ノズル5の先端部が嵌合される嵌合部17が設けられている。この嵌合部17は、天板部14の下面部に形成された凹部であり、この凹部の底面部に第2注出口13が形成されている。また、この嵌合部17と注出ノズル5との間には、詳細を後述する隙間Sが設けられている。
【0025】
一方、天板部14の上面部には、第2注出口13を開閉する開閉手段であるカバーキャップ18がヒンジ部18aを介して回動可能に設けられている。このカバーキャップ18は、天板部14とは別体に形成されており、天板部14に装着される装着部18bと、第2注出口13を閉塞する蓋部18cとがヒンジ部18aにより連結された構造を有している。このうち、装着部18bには、第2注出口13を外部に臨ませる開口部18dが設けられ、蓋部18cの天板部14と対向する面には、第2注出口13を閉塞する栓部18eが突出して設けられている。また、このカバーキャップ18は、計量キャップ4と一体に形成することも可能である。
【0026】
計量キャップ4は、このようなカバーキャップ18を設けることによって、容器本体2から注出された液体を計り取る際に第2注出口13からの液漏れを確実に防ぐことができる。また、カバーキャップ18は、ヒンジ部18aを介して計量キャップ4に連結されていることから、このカバーキャップ18を開蓋した際に無くしてしまうといったことを防ぐことができる。
また、ヒンジ部18aは、計量キャップ4の容器本体2を傾ける側とは反対側の側面部に位置して設けられている。この場合、第2注出口13から液体洗剤を注出する際にカバーキャップ18が邪魔とならないように、ヒンジ部18aとは反対側を下に向けて容器本体2を傾けることになるため、使用者対して容器本体2を傾ける向きを通知させることができる。
【0027】
内筒部15は、天板部14の下面から注出ノズル5の周囲を囲むように垂下されている。外筒部16は、内筒部15の外周面の中途部に位置するフランジ部19を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部16の内周面には、上述した内筒部8のネジ部8aに螺合されるネジ部16aが形成されている。これにより、計量キャップ4は、注出キャップ3に対して着脱自在に被せることが可能となっている。
【0028】
なお、計量キャップ4は、計量部4aによる計量を行い易くするため、透明であることが好ましく、内筒部15の側面部には、容量表示のための目盛り(図示せず。)が設けられている。また、外筒部16の外周面には、この計量キャップを回す際の滑り止めとなる複数の縦溝20が全周に亘って設けられている。
また、計量キャップ4は、このような注出キャップ3の外側に嵌合される外嵌合型に限らず、注出キャップ3の内側に嵌合される内嵌合型であってもよい。
【0029】
以上のようなキャップ付き容器1を用いて洗濯などを行う場合には、カバーキャップ18を閉じた計量キャップ4を注出キャップ3から取り外し、容器本体2を傾けて注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0030】
一方、このキャップ付き容器1では、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態のままカバーキャップ18を開き、容器本体2を傾けることによって、注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を第2注出口13から注出するといった操作も行うことができる。
【0031】
ところで、本発明を適用したキャップ付き容器1では、注出ノズル5と嵌合部17との間に空気流通路として機能する隙間Sが設けられている。具体的に、このキャップ付き容器1には、図2及び図3に拡大して示すように、容器本体2を傾ける側とは反対側に位置する嵌合部17の内周面を所定の角度範囲(例えばθ=90゜)に亘って切り欠く切欠き部21が設けられている。そして、この切欠き部21によって注出ノズル5と嵌合部17との間に隙間(例えばS=0.5〜1.0mm)が形成されている。したがって、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態においては、切欠き部21が形成された領域に隙間Sが形成され、それ以外の領域では注出ノズル5と嵌合部17とが密着した状態となっている。
【0032】
本発明を適用したキャップ付き容器1では、このような隙間Sを通じて第2注出口13から流入する外部の空気を計量部4a内に導入することができ、これにより、計量部4a内の空気の置換効率を高めることができる。また、計量部4a内の空気の置換効率を高めることによって、計量部4a内に流入した液体洗剤を戻し口10から容器本体2の内部へと速やかに戻すことができ、その結果、計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。したがって、このキャップ付き容器1では、計量時に泡の影響を受けることなく液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aにより正確に計り取ることが可能である。
【0033】
また、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2を傾ける側とは反対側に隙間Sを設けることによって、容器本体2を傾けた状態から正立状態に戻したときに、該隙間Sを通じて第2注出口13から流入する外部の空気を計量部4a内に速やかに導入することができる。その結果、計量部4a内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0034】
また、本発明を適用したキャップ付き容器1では、注出ノズル5の先端部が斜めにカットされた形状を有すると共に、斜めにカットされた第1注出口5aの上端部が容器本体2を傾ける側に位置している。この場合、容器本体2を傾けた状態から正立状態に戻したときに、注出ノズル5の先端部における液切れを良くすることができる。また、容器本体2を傾ける側とは反対側において外部の空気を計量部4a内に導入するための隙間Sを確保できることから、計量部4a内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0035】
また、上記隙間Sは、上述した嵌合部17の内周面を切り欠く切欠き部21の代わりに、例えば図4に示すように、注出ノズル5の外周面を切り欠く切欠き部22によって形成してもよい。具体的に、図4に示す注出ノズル5の先端部には、容器本体2を傾ける側とは反対側の一部を切り欠く切欠き部22が設けられている。この切欠き部22は、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態において注出ノズル5と嵌合部17とが密着した部分よりも更に下方に臨んで設けられている。そして、このような切欠き部22によって形成された隙間Sを通じて第2注出口13から流入する外部の空気を計量部4a内に導入することが可能となっている。したがって、この場合も、計量部4a内の空気の置換効率を高めることができ、この計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【0036】
また、上記隙間Sは、上述した切欠き部21,22のように、注出ノズル5と嵌合部17との互いに対向する面のうち少なくとも一部を切り欠くことによって形成されたものに必ずしも限定されるものではない。
【0037】
例えば、上記隙間Sは、図5に示すように、斜めにカットされた注出ノズル5の先端部のうち、その傾斜した面の下端部を嵌合部17よりも下方に位置させることによって形成することができる。この場合も、容器本体2を傾ける側とは反対側において外部の空気を計量部4a内に導入するための隙間Sを確保することができる。
【0038】
また、上記隙間Sは、図6に示すように、注出ノズル5の先端部の外径を嵌合部17の内径よりも小さくし、この注出ノズル5の先端部を嵌合部17の内側に遊嵌させることによって、注出ノズル5と嵌合部17との間に形成することができる。この場合、注出ノズル5は、嵌合部17の中心から容器本体2を傾ける側に偏倚して嵌合部17の内側に嵌合されることが好ましい。これにより、容器本体2を傾ける側とは反対側において隙間Sを大きく確保することができる。
【0039】
また、上記隙間Sは、注出ノズル5と嵌合部17との間の一部の領域に亘って設けるだけでなく、場合によっては注出ノズル5と嵌合部17との間の全周に亘って設けることもできる。
【0040】
なお、嵌合部17は、上述した凹部に限らず、例えば第2注出口13の周囲から円筒状に垂下される突起部を形成し、この突起部の内側に注出ノズル5の先端部が嵌合される構成としてもよい。この場合も、突起部と注出ノズル5との間の全周又は一部の領域に亘って隙間Sを設けることによって、計量部4a内の空気の置換効率を高め、この計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、計量キャップ4の第2注出口13を開閉する開閉手段として、上述した図1に示すカバーキャップ18が設けられた構成となっているが、このようなカバーキャップ18の代わりに、例えば図7に示すようなターレット型のキャップ開閉機構30を計量キャップ4に設けた構成としてもよい。
【0042】
具体的に、このキャップ開閉機構30は、例えば衣服の襟や袖などの部分的な汚れに対して液体洗浄剤を直接塗布することができる塗布ノズル31を有し、この塗布ノズル31は、上記計量キャップ4の天板部14に基端部が回動可能に取り付けられている。一方、上記計量キャップ4の天板部14には、この塗布ノズル31を収納するための収納凹部32が設けられており、この収納凹部32の底部に上記第2注出口13(図7において図示せず。)が配置されている。塗布ノズル31は、収納凹部32に収納される収納位置と、収納凹部32の側面に当接されて回動が阻止される起立位置との間で略90゜の角度範囲に亘って回動可能となっている。そして、この塗布ノズル31は、回動操作によって収納凹部32に収納された状態にあるとき、収納凹部32に密着嵌合されることで第2注出口13を閉塞する。一方、この塗布ノズル31は、回動操作によって収納凹部32から起立した状態にあるとき、その基端部が収納凹部32に密着嵌合することで第2注出口13と連通された状態となる。これにより、第2注出口13を通じて塗布ノズル31の先端から液体洗剤を注出することが可能となっている。
以上のようにして、このキャップ開閉機構30では、塗布ノズル31の回動操作によって計量キャップ4の第2注出口13を開閉することが可能となっている。なお、塗布ノズル31の先端部には、収納位置にて計量キャップ4よりも外側に張り出した鍔部33が設けられている。塗布ノズル31は、この鍔部33によって収納凹部32から容易に起立させることが可能となっている。
【0043】
また、本発明では、例えば図8に示すようなプッシュプル型のキャップ開閉機構40を計量キャップ4に設けた構成としてもよい。このキャップ開閉機構40は、中央部にノズル41aが設けられたプッシュプルキャップ41を有し、このプッシュプルキャップ41は、上記計量キャップ4の天板部14に取り付けられて、上下方向にスライド(プッシュプル)可能となっている。一方、上記計量キャップ4の天板部14には、このプッシュプルキャップ41を収納するための収納凹部42が設けられており、この収納凹部42の底部に上記第2注出口13(図8において図示せず。)が配置されている。そして、このプッシュプルキャップ41は、押し込み(プッシュ)操作によって収納凹部42に収納された状態にあるとき、第2注出口13を閉塞する。一方、このプッシュプルキャップ41は、引張り(プル)操作によって収納凹部42から突出した状態にあるとき、第2注出口13を開放し、この第2注出口13を通じてノズル41aの先端から液体洗剤を注出することが可能となっている。
以上のようにして、このキャップ開閉機構40では、プッシュプルキャップ41のプッシュプル操作によって計量キャップ4の第2注出口13を開閉することが可能となっている。なお、プッシュプルキャップ41の側面部には、このプッシュプルキャップ41を引き出す際の滑り止めとなる複数の横溝43が設けられている。
【0044】
また、本発明では、例えば図9に示すようなトグル型のキャップ開閉機構50を計量キャップ4に設けた構成としてもよい。このキャップ開閉機構50は、側面部に注ぎ口51aが設けられたトグルキャップ51を有し、このトグルキャップ51は、上記計量キャップ4の天板部14に揺動可能に取り付けられている。一方、上記計量キャップ4の天板部14には、このトグルキャップ51を収納するための収納凹部52が設けられており、この収納凹部52の底部に上記第2注出口13(図9において図示せず。)が配置されている。そして、このトグルキャップ51は、図9Aに示すように、揺動操作によって注ぎ口51a側が収納凹部52に収納された状態にあるとき、第2注出口13を閉塞する。一方、このトグルキャップ51は、図9Bに示すように、揺動操作によって注ぎ口51a側が収納凹部52から突出した状態にあるとき、第2注出口13を開放し、この第2注出口13を通じて注ぎ口51aから液体洗剤を注出することが可能となっている。
以上のようにして、このキャップ開閉機構50では、トグルキャップ51の揺動操作によって計量キャップ4の第2注出口13を開閉することが可能となっている。
【0045】
また、本発明では、上述したキャップ開閉機構30,40,50以外にも、スクリュー型のキャップ開閉機構を計量キャップ4に設けた構成とすることも可能である。
【0046】
なお、上記キャップ付き容器1に収容される液体(内容液)については、従来より一般に使用されている液体洗剤の他に、液体漂白剤などを収容することができる。また、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2に収容された液体が少なくとも2質量%以上の界面活性剤を含む液体洗剤組成物又は液体漂白剤組成物であっても、計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【0047】
界面活性剤としては、液体洗剤や液体漂白剤などにおいて従来より一般に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。内容液に含まれる界面活性剤の総量については、2質量%以上であることが性能上好ましい。界面活性剤の中でも特にノニオン界面活性剤である下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましく、このようなノニオン界面活性剤を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0048】
R1−O−(CH2CH2O)n−H …(1)
【0049】
なお、式(1)中、R1はアルキル基を示し、nはエチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数を示す。
このポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいて、アルキル基は、直鎖状でも分岐を有するものであってもよい。また、アルキル基の炭素数は7〜16であり、好ましくは10〜16であり、更に好ましくは12〜14である。具体的なアルキル基としては、例えばヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基などを挙げることができる。
【0050】
次に、本発明を適用したキャップ付き容器1に収容される液体漂白剤組成物の実施例として具体的な配合例を表1に示して詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、特に断りがないときの%は質量%とする。
【0051】
【表1】
【0052】
表1中に記載した各成分は、次のとおりである。
過酸化水素:三菱瓦斯化学社製、35%水溶液
ヒドロキシエタンジホスホン酸:エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、商品名BRIQUEST422、オルブライトウィルソン社製、60%品
4−メトキシフェノール:商品名MQ−F、川口化学社製、100%品
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:ノニオン界面活性剤、ライオン社製、Yiは、上記一般式(1)のノニオン界面活性剤の合計質量に対するnav−2からnav+2の範囲に含まれるノニオン界面活性剤の合計質量の割合である。Yi=84%、アルキル基C12、EO平均付加モル数=5、90%品
LAS−H:炭素数10〜14のアルキルベンゼンスルホン酸、商品名ライポンLH−200、ライオン社製、96%品
Aos−Na:炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、商品名リポランLB−440、ライオン社製、38%品
4ホウ素酸Na5水塩:四ホウ酸ナトリウム5水和物、商品名BORAX、BORAX社製、100%品
水酸化ナトリウム:旭硝子社製、25%品
硫酸:日産化学工業社製、62.5%品
香料:特開2003−368398号公報、表7〜14に記載の香料組成物A
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、計量カップとして使用できるキャップを備えたキャップ付き容器に対して幅広く適用することが可能であり、上述した液体洗剤組成物や液体漂白剤組成物を収容したもの以外にも、その他の液体製品や、薬品、食品等といった中で計量を必要とする液体を収容したものに対して好適に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明を適用したキャップ付き容器の一構成例を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャップ付き容器の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図3は、図1に示すキャップ付き容器の要部を拡大して示す横断面図である。
【図4】図4は、本発明を適用したキャップ付き容器の変形例を示し、(a)はその縦断面図であり、(b)はその横断面図である。
【図5】図5は、本発明を適用したキャップ付き容器の別の変形例を示す縦断面図である。
【図6】図6は、本発明を適用したキャップ付き容器の更に別の変形例を示す横断面図である。
【図7】図7は、ターレット型のキャップ開閉機構を示す斜視図である。
【図8】図8は、プッシュプル型のキャップ開閉機構を示す斜視図である。
【図9】図9は、トグル型のキャップ開閉機構を示す斜視図であり、Aはその閉塞時であり、Bはその開放時である。
【図10】図10は、従来のキャップ付き容器の一構成例を示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示すキャップ付き容器の使用形態を示す斜視図である。
【図12】図12は、図10に示すキャップ付き容器の計量時の状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、図10に示すキャップ付き容器の反転後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…キャップ付き容器 2…容器本体 3…注出キャップ 4…計量キャップ 4a…計量部 5…注出ノズル 5a…第1注出口 5b…嵌合部 6…底壁 6a…液溜め部 7…内側周壁 8…内筒部 9…外筒部 10…戻し口 13…第2注出口 14…天板部 15…内筒部 16…外筒部 17…嵌合部 18…カバーキャップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量カップとして使用できるキャップを備えたキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体洗剤や液体漂白剤、柔軟仕上げ剤などの液体製品を容器本体に収容し、この容器本体に着脱自在に被せられるキャップを計量カップとして使用するキャップ付き容器がある(例えば特許文献1〜3を参照)。このようなキャップ付き容器は、例えば図10に示すように、液体を内部に収容する容器本体100と、この容器本体100から注出された液体を計り取る計量部101aが設けられた計量キャップ101と、この計量キャップ101に液体を注出するための注出ノズル102a及び計量キャップ101を被せたときに計量キャップ101の内側に付着した液体を容器本体100に戻すための戻し口102bが設けられた注出キャップ102とを備えている。そして、このような液体製品を用いて洗濯などを行う場合には、図11に示すように、計量キャップ101を注出キャップ102から取り外し、注出ノズル102aから注出された液体を計量キャップ101の計量部101aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【特許文献1】実開平1−53051号公報
【特許文献2】実開昭64−51042号公報
【特許文献3】実開昭64−53050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のキャップ付き容器では、図12に示すように、計量時に計量部101a内に付着した泡Bが溢れ出すなどの問題があった。具体的に、従来のキャップ付き容器は、容器本体100を正立状態で保管することが基本のため、容器本体100の反転等による泡Bの発生は考慮されておらず、計量キャップ101を装着した状態のまま容器本体100を転倒させたり反転させたりすると、注出ノズル102aや戻し口102bから計量部101a内に流入した液体が再び容器本体100内へと戻る過程で図13に示すような泡Bが発生する。特に、粘度の高い液体は、容器本体100への戻りが悪く、このような泡Bの発生がより顕著なものとなる。したがって、計量部101aの内側に泡Bが付着した状態のまま計量を行うと、上述した図12に示すように、計量部101a内に残留した泡Bの影響により液体を正確に計り取ることが困難となってしまう。
【0004】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、計量部内での泡の発生を防ぐことができるキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明に係るキャップ付き容器は、口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に装着されると共に、容器本体に収容された液体を注出する第1注出口を先端部に有して口頸部の内側から上方に向かって立ち上がるノズルと、ノズルの基端側に流れ落ちた液体を容器本体内に戻す戻し口とが設けられた注出キャップと、注出キャップに着脱自在に被せられると共に、注出キャップから取り外して第1注出口から注出された液体を計り取る計量部と、計量部の底面部を構成すると共にノズルの第1注出口に対向する位置に第2注出口を有する天板部と、計量部の側面部を構成すると共に天板部の下面からノズルの周囲を囲むように垂下される内筒部と、天板部の下面に位置してノズルの先端部が嵌合される嵌合部とが設けられた計量キャップとを備え、計量キャップを注出キャップに被せた状態において、ノズルと嵌合部との間の全周又は一部の領域に亘って隙間が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るキャップ付き容器では、ノズルと嵌合部との間に設けられた隙間を通じて第2注出口から流入する外部の空気を計量部内に導入することができ、この計量部内の空気の置換効率を高めることによって、計量部内での泡の発生を防ぐことができる。
【0006】
また、前記隙間は、ノズルと嵌合部との互いに対向する面のうち少なくとも一部を切り欠くことによって形成することができる。
一方、前記隙間は、ノズルの先端部を嵌合部の内側に遊嵌させることによって形成することができる。
【0007】
また、前記隙間は、液体の注出時に容器本体を傾ける側とは反対側に位置して設けられていることが好ましい。
この場合、容器本体を傾けた状態から正立状態に戻したときに、該隙間を通じて第2注出口から流入する外部の空気を計量部内に速やかに導入することができる。これにより、計量部内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0008】
また、本発明に係るキャップ付き容器は、ノズルの先端部が斜めにカットされた形状を有すると共に、斜めにカットされた第1注出口の上端部が容器本体を傾ける側に位置していることが好ましい。
この場合、容器本体を傾けた状態から正立状態に戻したときにノズルの先端部における液切れを良くすることができる。また、容器本体を傾ける側とは反対側において外部の空気を計量部内に導入するための隙間を確保できることから、計量部内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0009】
また、前記第2注出口は、第1注出口よりも小径であり、第1注出口の内側に臨んで配置されると共に、第1注出口の中心から容器本体を傾ける側に偏倚して設けられていることが好ましい。
この場合、計量キャップを注出キャップに被せた状態のまま容器本体を傾けることによって、ノズルの第1注出口から注出された液体を第2注出口から速やかに注出させることができる。
【0010】
また、本発明に係るキャップ付き容器は、計量キャップに第2注出口を開閉する開閉手段が設けられた構成としてもよい。
この場合、計量キャップを取り外して液体を計り取る際に第2注出口からの液漏れを開閉手段により防ぐことができる。
【0011】
さらに、開閉手段は、計量キャップにヒンジ部を介して回動可能に設けられたカバーキャップであることが好ましい。
この場合、カバーキャップがヒンジ部を介して計量キャップに連結されていることから、このカバーキャップを開蓋した際に無くしてしまうといったことを防ぐことができる。
また、ヒンジ部は、計量キャップの容器本体を傾ける側とは反対側の側面部に位置して設けられていることが好ましい。これにより、第2注出口から液体を注出する際にカバーキャップが邪魔とならないように、ヒンジ部とは反対側を下に向けて容器本体を傾けることになるため、使用者に対して容器本体を傾ける向きを通知させることができる。
【0012】
また、本発明に係るキャップ付き容器では、容器本体に収容された液体が少なくとも2質量%以上の界面活性剤を含む液体洗剤組成物又は液体漂白剤組成物であっても、計量部内での泡の発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、計量部内の空気の置換効率を高めることによって、計量部内での泡の発生を防ぐことができることから、計量時に泡の影響を受けることなく液体を計量キャップの計量部により正確に計り取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用したキャップ付き容器について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明を適用したキャップ付き容器1は、例えば液体として液体洗剤が収容された容器本体2と、この容器本体2の口頸部2aに装着される注出キャップ3と、この注出キャップ3に着脱自在に被せられた計量キャップ4とを備えている。
【0015】
容器本体2は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。この容器本体2の底部から筒状に起立した胴部の上端部には、略円筒状に縮径された口頸部2aが設けられている。また、口頸部2aの外周面には、注出キャップ3を螺合により装着するためのネジ部2bが形成されている。なお、容器本体2の形状については、特に限定されないものの、使用する際に持ち易く且つ注出操作のし易い形状のものが好ましい。
【0016】
注出キャップ3は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この注出キャップ3は、口頸部2aの内側から上方に向かって立ち上がる注出ノズル5と、この注出ノズル5の基端側に位置して注出ノズル5の周囲を囲む環状の底壁6と、この底壁6の外周縁部から上方に向かって立ち上がる筒状の内側周壁7と、この内側周壁7の上方に位置して計量キャップ4が着脱自在に装着される内筒部8と、この内筒部8の外側に位置して口頸部2aに着脱自在に装着される外筒部9とを有している。
【0017】
このうち、注出ノズル5は、容器本体2に収容された液体を注出する第1注出口5aを先端部に有し、口頸部2a内の略中央位置において口頸部2aの開口周縁部よりも上方に突出して設けられている。注出ノズル5は、その先端部から基端側の中途部まで径が漸次拡径する形状を有すると共に、その先端部が斜めにカットされた形状を有している。また、斜めにカットされた第1注出口5aの上端部は、容器本体2を傾ける側に位置している。
【0018】
底壁6は、注出ノズル5を傾ける方向とは反対方向に下降するように傾斜して設けられている。また、この底壁6の最下端部は、注出ノズル5や計量キャップ4に付着した液体洗剤を回収するための液溜め部6aを形成している。そして、内側周壁7には、この液溜め部6aに溜まった液体洗剤を容器本体2内に戻すための戻し口10が設けられている。この戻し口10は、注出ノズル5の基端側に流れ落ちた液体洗剤を容器本体2内に戻すためのものであり、容器本体2の内部と連通される部分である。なお、このような戻し口10は、内側周壁7以外にも注出ノズル5の基端部や底壁6に設けることも或いはそれらの間に亘って設けることもできる。
【0019】
内側周壁7は、口頸部2aの内側に挿入される部分であり、注出ノズル5との間に環状の空隙を隔てて設けられている。内筒部8は、この内側周壁7の上端部から段差部11を介して更に口頸部2aよりも上方に向かって略円筒状に立ち上がり形成されている。また、内筒部8の外周面には、計量キャップ4を螺合により着脱自在とするためのネジ部8aが形成されている。外筒部9は、内筒部8のネジ部8aよりも下方に位置するフランジ部12を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部9の内周面には、上述した口頸部2aのネジ部2bに螺合されるネジ部9aが形成されている。これにより、注出キャップ3は、容器本体2の口頸部2aに対して着脱自在に装着することが可能となっている。
【0020】
計量キャップ4は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この計量キャップ4は、注出キャップ3から取り外して注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を計り取る計量部4aと、注出キャップ3に被せた状態のまま容器本体2に収容された液体洗剤を注出する第2注出口13とを有している。
【0021】
具体的に、この計量キャップ4は、計量部4aの底面部を構成する天板部14と、計量部4aの側面部を構成する内筒部15と、内筒部15の外側に位置して注出キャップ3に着脱自在に装着される外筒部16とを有している。
【0022】
このうち、天板部14は、内筒部15と一体に形成されて内筒部15の上面部を閉塞している。また、天板部14には、上述した注出ノズル5の第1注出口5aに対向する第2注出口13が設けられている。具体的に、第2注出口13は、上述した注出ノズル5の第1注出口5aよりも小径であり、第1注出口5aの内側に位置するように配置されている。また、第2注出口13は、容器本体2に収容された液体洗剤を衣服の襟や袖などに直接塗布できるように、例えば天板部14の略中央部から上方に向かって僅かに突出したノズル形状を有している。
【0023】
さらに、第2注出口13は、第1注出口5aの中心から容器本体2を傾ける側に偏倚して設けられている。この場合、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態のまま容器本体2を傾けることによって、注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を第2注出口13から速やかに注出させることができる。
【0024】
天板部14の下面部には、注出ノズル5の先端部が嵌合される嵌合部17が設けられている。この嵌合部17は、天板部14の下面部に形成された凹部であり、この凹部の底面部に第2注出口13が形成されている。また、この嵌合部17と注出ノズル5との間には、詳細を後述する隙間Sが設けられている。
【0025】
一方、天板部14の上面部には、第2注出口13を開閉する開閉手段であるカバーキャップ18がヒンジ部18aを介して回動可能に設けられている。このカバーキャップ18は、天板部14とは別体に形成されており、天板部14に装着される装着部18bと、第2注出口13を閉塞する蓋部18cとがヒンジ部18aにより連結された構造を有している。このうち、装着部18bには、第2注出口13を外部に臨ませる開口部18dが設けられ、蓋部18cの天板部14と対向する面には、第2注出口13を閉塞する栓部18eが突出して設けられている。また、このカバーキャップ18は、計量キャップ4と一体に形成することも可能である。
【0026】
計量キャップ4は、このようなカバーキャップ18を設けることによって、容器本体2から注出された液体を計り取る際に第2注出口13からの液漏れを確実に防ぐことができる。また、カバーキャップ18は、ヒンジ部18aを介して計量キャップ4に連結されていることから、このカバーキャップ18を開蓋した際に無くしてしまうといったことを防ぐことができる。
また、ヒンジ部18aは、計量キャップ4の容器本体2を傾ける側とは反対側の側面部に位置して設けられている。この場合、第2注出口13から液体洗剤を注出する際にカバーキャップ18が邪魔とならないように、ヒンジ部18aとは反対側を下に向けて容器本体2を傾けることになるため、使用者対して容器本体2を傾ける向きを通知させることができる。
【0027】
内筒部15は、天板部14の下面から注出ノズル5の周囲を囲むように垂下されている。外筒部16は、内筒部15の外周面の中途部に位置するフランジ部19を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部16の内周面には、上述した内筒部8のネジ部8aに螺合されるネジ部16aが形成されている。これにより、計量キャップ4は、注出キャップ3に対して着脱自在に被せることが可能となっている。
【0028】
なお、計量キャップ4は、計量部4aによる計量を行い易くするため、透明であることが好ましく、内筒部15の側面部には、容量表示のための目盛り(図示せず。)が設けられている。また、外筒部16の外周面には、この計量キャップを回す際の滑り止めとなる複数の縦溝20が全周に亘って設けられている。
また、計量キャップ4は、このような注出キャップ3の外側に嵌合される外嵌合型に限らず、注出キャップ3の内側に嵌合される内嵌合型であってもよい。
【0029】
以上のようなキャップ付き容器1を用いて洗濯などを行う場合には、カバーキャップ18を閉じた計量キャップ4を注出キャップ3から取り外し、容器本体2を傾けて注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0030】
一方、このキャップ付き容器1では、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態のままカバーキャップ18を開き、容器本体2を傾けることによって、注出ノズル5の第1注出口5aから注出された液体洗剤を第2注出口13から注出するといった操作も行うことができる。
【0031】
ところで、本発明を適用したキャップ付き容器1では、注出ノズル5と嵌合部17との間に空気流通路として機能する隙間Sが設けられている。具体的に、このキャップ付き容器1には、図2及び図3に拡大して示すように、容器本体2を傾ける側とは反対側に位置する嵌合部17の内周面を所定の角度範囲(例えばθ=90゜)に亘って切り欠く切欠き部21が設けられている。そして、この切欠き部21によって注出ノズル5と嵌合部17との間に隙間(例えばS=0.5〜1.0mm)が形成されている。したがって、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態においては、切欠き部21が形成された領域に隙間Sが形成され、それ以外の領域では注出ノズル5と嵌合部17とが密着した状態となっている。
【0032】
本発明を適用したキャップ付き容器1では、このような隙間Sを通じて第2注出口13から流入する外部の空気を計量部4a内に導入することができ、これにより、計量部4a内の空気の置換効率を高めることができる。また、計量部4a内の空気の置換効率を高めることによって、計量部4a内に流入した液体洗剤を戻し口10から容器本体2の内部へと速やかに戻すことができ、その結果、計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。したがって、このキャップ付き容器1では、計量時に泡の影響を受けることなく液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aにより正確に計り取ることが可能である。
【0033】
また、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2を傾ける側とは反対側に隙間Sを設けることによって、容器本体2を傾けた状態から正立状態に戻したときに、該隙間Sを通じて第2注出口13から流入する外部の空気を計量部4a内に速やかに導入することができる。その結果、計量部4a内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0034】
また、本発明を適用したキャップ付き容器1では、注出ノズル5の先端部が斜めにカットされた形状を有すると共に、斜めにカットされた第1注出口5aの上端部が容器本体2を傾ける側に位置している。この場合、容器本体2を傾けた状態から正立状態に戻したときに、注出ノズル5の先端部における液切れを良くすることができる。また、容器本体2を傾ける側とは反対側において外部の空気を計量部4a内に導入するための隙間Sを確保できることから、計量部4a内の空気の置換効率を更に高めることができる。
【0035】
また、上記隙間Sは、上述した嵌合部17の内周面を切り欠く切欠き部21の代わりに、例えば図4に示すように、注出ノズル5の外周面を切り欠く切欠き部22によって形成してもよい。具体的に、図4に示す注出ノズル5の先端部には、容器本体2を傾ける側とは反対側の一部を切り欠く切欠き部22が設けられている。この切欠き部22は、計量キャップ4を注出キャップ3に被せた状態において注出ノズル5と嵌合部17とが密着した部分よりも更に下方に臨んで設けられている。そして、このような切欠き部22によって形成された隙間Sを通じて第2注出口13から流入する外部の空気を計量部4a内に導入することが可能となっている。したがって、この場合も、計量部4a内の空気の置換効率を高めることができ、この計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【0036】
また、上記隙間Sは、上述した切欠き部21,22のように、注出ノズル5と嵌合部17との互いに対向する面のうち少なくとも一部を切り欠くことによって形成されたものに必ずしも限定されるものではない。
【0037】
例えば、上記隙間Sは、図5に示すように、斜めにカットされた注出ノズル5の先端部のうち、その傾斜した面の下端部を嵌合部17よりも下方に位置させることによって形成することができる。この場合も、容器本体2を傾ける側とは反対側において外部の空気を計量部4a内に導入するための隙間Sを確保することができる。
【0038】
また、上記隙間Sは、図6に示すように、注出ノズル5の先端部の外径を嵌合部17の内径よりも小さくし、この注出ノズル5の先端部を嵌合部17の内側に遊嵌させることによって、注出ノズル5と嵌合部17との間に形成することができる。この場合、注出ノズル5は、嵌合部17の中心から容器本体2を傾ける側に偏倚して嵌合部17の内側に嵌合されることが好ましい。これにより、容器本体2を傾ける側とは反対側において隙間Sを大きく確保することができる。
【0039】
また、上記隙間Sは、注出ノズル5と嵌合部17との間の一部の領域に亘って設けるだけでなく、場合によっては注出ノズル5と嵌合部17との間の全周に亘って設けることもできる。
【0040】
なお、嵌合部17は、上述した凹部に限らず、例えば第2注出口13の周囲から円筒状に垂下される突起部を形成し、この突起部の内側に注出ノズル5の先端部が嵌合される構成としてもよい。この場合も、突起部と注出ノズル5との間の全周又は一部の領域に亘って隙間Sを設けることによって、計量部4a内の空気の置換効率を高め、この計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、計量キャップ4の第2注出口13を開閉する開閉手段として、上述した図1に示すカバーキャップ18が設けられた構成となっているが、このようなカバーキャップ18の代わりに、例えば図7に示すようなターレット型のキャップ開閉機構30を計量キャップ4に設けた構成としてもよい。
【0042】
具体的に、このキャップ開閉機構30は、例えば衣服の襟や袖などの部分的な汚れに対して液体洗浄剤を直接塗布することができる塗布ノズル31を有し、この塗布ノズル31は、上記計量キャップ4の天板部14に基端部が回動可能に取り付けられている。一方、上記計量キャップ4の天板部14には、この塗布ノズル31を収納するための収納凹部32が設けられており、この収納凹部32の底部に上記第2注出口13(図7において図示せず。)が配置されている。塗布ノズル31は、収納凹部32に収納される収納位置と、収納凹部32の側面に当接されて回動が阻止される起立位置との間で略90゜の角度範囲に亘って回動可能となっている。そして、この塗布ノズル31は、回動操作によって収納凹部32に収納された状態にあるとき、収納凹部32に密着嵌合されることで第2注出口13を閉塞する。一方、この塗布ノズル31は、回動操作によって収納凹部32から起立した状態にあるとき、その基端部が収納凹部32に密着嵌合することで第2注出口13と連通された状態となる。これにより、第2注出口13を通じて塗布ノズル31の先端から液体洗剤を注出することが可能となっている。
以上のようにして、このキャップ開閉機構30では、塗布ノズル31の回動操作によって計量キャップ4の第2注出口13を開閉することが可能となっている。なお、塗布ノズル31の先端部には、収納位置にて計量キャップ4よりも外側に張り出した鍔部33が設けられている。塗布ノズル31は、この鍔部33によって収納凹部32から容易に起立させることが可能となっている。
【0043】
また、本発明では、例えば図8に示すようなプッシュプル型のキャップ開閉機構40を計量キャップ4に設けた構成としてもよい。このキャップ開閉機構40は、中央部にノズル41aが設けられたプッシュプルキャップ41を有し、このプッシュプルキャップ41は、上記計量キャップ4の天板部14に取り付けられて、上下方向にスライド(プッシュプル)可能となっている。一方、上記計量キャップ4の天板部14には、このプッシュプルキャップ41を収納するための収納凹部42が設けられており、この収納凹部42の底部に上記第2注出口13(図8において図示せず。)が配置されている。そして、このプッシュプルキャップ41は、押し込み(プッシュ)操作によって収納凹部42に収納された状態にあるとき、第2注出口13を閉塞する。一方、このプッシュプルキャップ41は、引張り(プル)操作によって収納凹部42から突出した状態にあるとき、第2注出口13を開放し、この第2注出口13を通じてノズル41aの先端から液体洗剤を注出することが可能となっている。
以上のようにして、このキャップ開閉機構40では、プッシュプルキャップ41のプッシュプル操作によって計量キャップ4の第2注出口13を開閉することが可能となっている。なお、プッシュプルキャップ41の側面部には、このプッシュプルキャップ41を引き出す際の滑り止めとなる複数の横溝43が設けられている。
【0044】
また、本発明では、例えば図9に示すようなトグル型のキャップ開閉機構50を計量キャップ4に設けた構成としてもよい。このキャップ開閉機構50は、側面部に注ぎ口51aが設けられたトグルキャップ51を有し、このトグルキャップ51は、上記計量キャップ4の天板部14に揺動可能に取り付けられている。一方、上記計量キャップ4の天板部14には、このトグルキャップ51を収納するための収納凹部52が設けられており、この収納凹部52の底部に上記第2注出口13(図9において図示せず。)が配置されている。そして、このトグルキャップ51は、図9Aに示すように、揺動操作によって注ぎ口51a側が収納凹部52に収納された状態にあるとき、第2注出口13を閉塞する。一方、このトグルキャップ51は、図9Bに示すように、揺動操作によって注ぎ口51a側が収納凹部52から突出した状態にあるとき、第2注出口13を開放し、この第2注出口13を通じて注ぎ口51aから液体洗剤を注出することが可能となっている。
以上のようにして、このキャップ開閉機構50では、トグルキャップ51の揺動操作によって計量キャップ4の第2注出口13を開閉することが可能となっている。
【0045】
また、本発明では、上述したキャップ開閉機構30,40,50以外にも、スクリュー型のキャップ開閉機構を計量キャップ4に設けた構成とすることも可能である。
【0046】
なお、上記キャップ付き容器1に収容される液体(内容液)については、従来より一般に使用されている液体洗剤の他に、液体漂白剤などを収容することができる。また、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2に収容された液体が少なくとも2質量%以上の界面活性剤を含む液体洗剤組成物又は液体漂白剤組成物であっても、計量部4a内での泡の発生を防ぐことができる。
【0047】
界面活性剤としては、液体洗剤や液体漂白剤などにおいて従来より一般に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。内容液に含まれる界面活性剤の総量については、2質量%以上であることが性能上好ましい。界面活性剤の中でも特にノニオン界面活性剤である下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましく、このようなノニオン界面活性剤を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0048】
R1−O−(CH2CH2O)n−H …(1)
【0049】
なお、式(1)中、R1はアルキル基を示し、nはエチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数を示す。
このポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいて、アルキル基は、直鎖状でも分岐を有するものであってもよい。また、アルキル基の炭素数は7〜16であり、好ましくは10〜16であり、更に好ましくは12〜14である。具体的なアルキル基としては、例えばヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基などを挙げることができる。
【0050】
次に、本発明を適用したキャップ付き容器1に収容される液体漂白剤組成物の実施例として具体的な配合例を表1に示して詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、特に断りがないときの%は質量%とする。
【0051】
【表1】
【0052】
表1中に記載した各成分は、次のとおりである。
過酸化水素:三菱瓦斯化学社製、35%水溶液
ヒドロキシエタンジホスホン酸:エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、商品名BRIQUEST422、オルブライトウィルソン社製、60%品
4−メトキシフェノール:商品名MQ−F、川口化学社製、100%品
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:ノニオン界面活性剤、ライオン社製、Yiは、上記一般式(1)のノニオン界面活性剤の合計質量に対するnav−2からnav+2の範囲に含まれるノニオン界面活性剤の合計質量の割合である。Yi=84%、アルキル基C12、EO平均付加モル数=5、90%品
LAS−H:炭素数10〜14のアルキルベンゼンスルホン酸、商品名ライポンLH−200、ライオン社製、96%品
Aos−Na:炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、商品名リポランLB−440、ライオン社製、38%品
4ホウ素酸Na5水塩:四ホウ酸ナトリウム5水和物、商品名BORAX、BORAX社製、100%品
水酸化ナトリウム:旭硝子社製、25%品
硫酸:日産化学工業社製、62.5%品
香料:特開2003−368398号公報、表7〜14に記載の香料組成物A
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、計量カップとして使用できるキャップを備えたキャップ付き容器に対して幅広く適用することが可能であり、上述した液体洗剤組成物や液体漂白剤組成物を収容したもの以外にも、その他の液体製品や、薬品、食品等といった中で計量を必要とする液体を収容したものに対して好適に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明を適用したキャップ付き容器の一構成例を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャップ付き容器の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図3は、図1に示すキャップ付き容器の要部を拡大して示す横断面図である。
【図4】図4は、本発明を適用したキャップ付き容器の変形例を示し、(a)はその縦断面図であり、(b)はその横断面図である。
【図5】図5は、本発明を適用したキャップ付き容器の別の変形例を示す縦断面図である。
【図6】図6は、本発明を適用したキャップ付き容器の更に別の変形例を示す横断面図である。
【図7】図7は、ターレット型のキャップ開閉機構を示す斜視図である。
【図8】図8は、プッシュプル型のキャップ開閉機構を示す斜視図である。
【図9】図9は、トグル型のキャップ開閉機構を示す斜視図であり、Aはその閉塞時であり、Bはその開放時である。
【図10】図10は、従来のキャップ付き容器の一構成例を示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示すキャップ付き容器の使用形態を示す斜視図である。
【図12】図12は、図10に示すキャップ付き容器の計量時の状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、図10に示すキャップ付き容器の反転後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…キャップ付き容器 2…容器本体 3…注出キャップ 4…計量キャップ 4a…計量部 5…注出ノズル 5a…第1注出口 5b…嵌合部 6…底壁 6a…液溜め部 7…内側周壁 8…内筒部 9…外筒部 10…戻し口 13…第2注出口 14…天板部 15…内筒部 16…外筒部 17…嵌合部 18…カバーキャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口頸部が設けられた容器本体と、
前記容器本体の口頸部に装着されると共に、前記容器本体に収容された液体を注出する第1注出口を先端部に有して前記口頸部の内側から上方に向かって立ち上がるノズルと、前記ノズルの基端側に流れ落ちた液体を前記容器本体内に戻す戻し口とが設けられた注出キャップと、
前記注出キャップに着脱自在に被せられると共に、前記注出キャップから取り外して前記第1注出口から注出された液体を計り取る計量部と、前記計量部の底面部を構成すると共に前記ノズルの第1注出口に対向する位置に第2注出口を有する天板部と、前記計量部の側面部を構成すると共に前記天板部の下面から前記ノズルの周囲を囲むように垂下される内筒部と、前記天板部の下面に位置して前記ノズルの先端部が嵌合される嵌合部とが設けられた計量キャップとを備え、
前記計量キャップを前記注出キャップに被せた状態において、前記ノズルと前記嵌合部との間の全周又は一部の領域に亘って隙間が設けられていることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
前記隙間は、前記ノズルと前記嵌合部との互いに対向する面のうち少なくとも一部を切り欠くことによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記隙間は、前記ノズルの先端部を前記嵌合部の内側に遊嵌させることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記隙間は、前記容器本体を傾ける側とは反対側に位置して設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記ノズルの先端部が斜めにカットされた形状を有すると共に、斜めにカットされた前記第1注出口の上端部が前記容器本体を傾ける側に位置していることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項6】
前記第2注出口は、前記第1注出口よりも小径であり、前記第1注出口の内側に臨んで配置されると共に、前記第1注出口の中心から前記容器本体を傾ける側に偏倚して設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項7】
前記計量キャップには、前記第2注出口を開閉する開閉手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項8】
前記開閉手段は、前記計量キャップにヒンジ部を介して回動可能に設けられたカバーキャップであり、前記ヒンジ部は、前記計量キャップの前記容器本体を傾ける側とは反対側の側面部に位置して設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ付き容器。
【請求項9】
前記容器本体に収容された液体が、少なくとも2質量%以上の界面活性剤を含む液体洗剤組成物又は液体漂白剤組成物であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項1】
口頸部が設けられた容器本体と、
前記容器本体の口頸部に装着されると共に、前記容器本体に収容された液体を注出する第1注出口を先端部に有して前記口頸部の内側から上方に向かって立ち上がるノズルと、前記ノズルの基端側に流れ落ちた液体を前記容器本体内に戻す戻し口とが設けられた注出キャップと、
前記注出キャップに着脱自在に被せられると共に、前記注出キャップから取り外して前記第1注出口から注出された液体を計り取る計量部と、前記計量部の底面部を構成すると共に前記ノズルの第1注出口に対向する位置に第2注出口を有する天板部と、前記計量部の側面部を構成すると共に前記天板部の下面から前記ノズルの周囲を囲むように垂下される内筒部と、前記天板部の下面に位置して前記ノズルの先端部が嵌合される嵌合部とが設けられた計量キャップとを備え、
前記計量キャップを前記注出キャップに被せた状態において、前記ノズルと前記嵌合部との間の全周又は一部の領域に亘って隙間が設けられていることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
前記隙間は、前記ノズルと前記嵌合部との互いに対向する面のうち少なくとも一部を切り欠くことによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記隙間は、前記ノズルの先端部を前記嵌合部の内側に遊嵌させることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記隙間は、前記容器本体を傾ける側とは反対側に位置して設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記ノズルの先端部が斜めにカットされた形状を有すると共に、斜めにカットされた前記第1注出口の上端部が前記容器本体を傾ける側に位置していることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項6】
前記第2注出口は、前記第1注出口よりも小径であり、前記第1注出口の内側に臨んで配置されると共に、前記第1注出口の中心から前記容器本体を傾ける側に偏倚して設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項7】
前記計量キャップには、前記第2注出口を開閉する開閉手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項8】
前記開閉手段は、前記計量キャップにヒンジ部を介して回動可能に設けられたカバーキャップであり、前記ヒンジ部は、前記計量キャップの前記容器本体を傾ける側とは反対側の側面部に位置して設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ付き容器。
【請求項9】
前記容器本体に収容された液体が、少なくとも2質量%以上の界面活性剤を含む液体洗剤組成物又は液体漂白剤組成物であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−284085(P2007−284085A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111696(P2006−111696)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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