キャップ付き容器
【課題】液体の詰め替え作業が容易なものとし、なお且つキャップの緩みやガタツキ等の発生を防止したキャップ付き容器を提供する。
【解決手段】口頸部が設けられた容器本体2と、容器本体2の口頸部に螺合により着脱自在に装着されると共に、容器本体2に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップ3と、注出キャップ3に螺合により着脱自在に装着されると共に、注出キャップ3から取り外して注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップ4と、注出キャップ3の側面部に設けられた把手5とを備え、把手5が、注出キャップ3の側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって屈曲した形状を有し、容器本体2の口頸部に注出キャップ3が装着されたときに、把手5の先端部5aが容器本体2の当接面2eに当接可能とされている。
【解決手段】口頸部が設けられた容器本体2と、容器本体2の口頸部に螺合により着脱自在に装着されると共に、容器本体2に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップ3と、注出キャップ3に螺合により着脱自在に装着されると共に、注出キャップ3から取り外して注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップ4と、注出キャップ3の側面部に設けられた把手5とを備え、把手5が、注出キャップ3の側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって屈曲した形状を有し、容器本体2の口頸部に注出キャップ3が装着されたときに、把手5の先端部5aが容器本体2の当接面2eに当接可能とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ付き容器の改良に関し、特に把手が設けられたキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体洗剤や液体漂白剤、柔軟仕上げ剤などの液体製品を容器本体に収容し、この容器本体に着脱自在に被せられるキャップを計量カップとして使用するキャップ付き容器がある(例えば特許文献1,2を参照。)。
【0003】
このようなキャップ付き容器は、例えば図9に示すように、内容液を収容する容器本体100と、この容器本体100から注出された内容液を計り取る計量部101aが設けられた計量キャップ101と、この計量キャップ101に内容液を注出するための注出ノズル102aが設けられた注出キャップ102とを備えている。また、注出キャップ102には、注出ノズル102aの基端部から周囲に広がる環状の底壁102bと、注出ノズル102aとの間に環状の空隙R’を隔てて底壁102bの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁102cと、底壁102bに向かって流れ落ちる内容液を容器本体100内に戻す戻し口102dとが設けられている。
【0004】
そして、このような液体製品を用いて洗濯などを行う場合には、図10に示すように、計量キャップ101を注出キャップ102から取り外し、注出ノズル102aから注出された内容液を計量キャップ101の計量部101aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0005】
また、従来のキャップ付き容器では、容器本体の口頸部に対して注出キャップを螺合により装着することが一般に行われている。しかしながら、上述した容器本体100の口頸部100aに注出キャップ102を螺合により装着すると、計量キャップ101を取り外す際に注出キャップ102が共回りしてしまい、注出キャップ102ごと取り外してしまうといった不都合が発生してしまう。
【0006】
このため、容器本体100の口頸部100aに対する注出キャップ102の装着には、ラチェット方式やストッパーを併用したねじ嵌合方式、或いは打ち込み嵌合方式などが用いられている。これにより、容器本体100に内容液を充填し、この容器本体100の口頸部100aに注出キャップ102を装着した後は、消費者が注出キャップ102を容易に取り外すことができないようになっている。
【0007】
ところで、このようなキャップ付き容器に入った液体製品では、資源の有効利用の観点から、内容液を使い切った後に、簡易包装された詰め替え容器を購入してきて、この詰め替え容器に収容された内容液をキャップ付き容器に詰め替えることにより、このキャップ付き容器を買い換えずに再利用するといったことが行われている。
【0008】
具体的に、詰め替え作業の際には、上述したように注出キャップ102を取り外すことができないため、図11に示すような詰め替え容器200から注出された内容液を注出ノズル102aと周壁102cとの間にある空隙R’から注ぎ入れるといった作業が行われている。
【0009】
しかしながら、従来のキャップ付き容器では、このような詰め替え作業の際に、注出ノズル102aが邪魔となってしまい、上述した空隙R’に内容液をうまく注ぎ入れることができずに内容液を注出キャップ102の外側に溢してしまうことがあった。また、作業時間の短縮のため、上述した空隙R’に内容液を勢いよく注ぐと、内容液が注出キャップ102の外側に溢れ出すこともある。したがって、何れの場合も、注出キャップ102の周囲を内容液で汚してしまうといった問題が発生してしまう。
【0010】
したがって、上述した詰め替え作業の際には、詰め替え容器200から注出された内容液を容器本体100に注ぎ入れ易くするため、注出キャップ102を容器本体100の口頸部100aに対して取り外し可能とし、比較的広口な口頸部101から内容液を注ぎ入れるようにすることが望まれる。
【特許文献1】特開2000−168821号公報
【特許文献2】特許第3015342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、容器本体100の口頸部100aに対して注出キャップ102を螺合により着脱自在に装着した場合には、上述した計量キャップ101を取り外す際の注出キャップ102の共回りの問題が発生してしまう。逆に、共回りを防ぐため、容器本体100の口頸部100aに対する注出キャップ102の締結力を強めてしまうと、詰め替え作業の際に注出キャップ102を取り外すことが困難となるといった問題が発生してしまう。
【0012】
そこで、本発明者らは、注出キャップに把手を設けて、一方の手で把手を把持しながら他方の手で計量キャップを回すようにすることで、注出キャップの共回りを防ぐ一方、把手を把持しながら注出キャップを回すことで、注出キャップに大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、容器本体の口頸部に対する注出キャップの締結力を強化することを提案している。
【0013】
ところで、このような把手を注出キャップに設けると、把手に外部からの衝撃等が加わることによって注出キャップが緩むことがある。また、注出キャップに把手を設けた場合には、内容液が収容された容器本体の荷重は把手が設けられた注出キャップ102の口頸部100aとの螺合部分に集中するため、この部分にガタツキが生じ易くなる。
【0014】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、液体の詰め替え作業が容易なものとし、なお且つキャップの緩みやガタツキ等の発生を防止したキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に螺合により着脱自在に装着されると共に、容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、注出キャップに螺合により着脱自在に装着されると共に、注出キャップから取り外して注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップと、注出キャップの側面部に設けられた把手とを備え、把手が、注出キャップの側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって屈曲した形状を有し、容器本体の口頸部に注出キャップが装着されたときに、把手の先端部が容器本体の当接面に当接可能とされていることを特徴とするキャップ付き容器である。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、容器本体の当接面に把手の先端部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0017】
また、請求項3に係る発明は、容器本体の当接面に凸部が設けられ、把手の先端部に凸部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0018】
また、請求項4に係る発明は、把手の先端部に、容器本体の当接面と当接される当接面が設けられ、容器本体の当接面と把手の当接面とが互いに平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0019】
また、請求項5に係る発明は、容器本体を上面側から見たときに、容器本体の輪郭線の内側に把手が位置することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係るキャップ付き容器では、計量キャップを注出キャップから取り外す際の注出キャップの共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップを取り外して容器本体の口頸部から液体を注ぎ入れることが可能である。さらに、このキャップ付き容器では、把手に外部からの衝撃等が加わることによる注出キャップの緩み等の発生を防止し、なお且つ容器本体の口頸部と注出キャップとの螺合部分にガタツキ等が発生することを防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用したキャップ付き容器について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として図1に示すキャップ付き容器1について説明する。
このキャップ付き容器1は、図1及び図2(a),(b)に示すように、例えば液体洗剤や液体柔軟剤などの液体が収容された容器本体2と、この容器本体2の口頸部2aに螺合により着脱自在に装着される注出キャップ3と、この注出キャップ3に螺合により着脱自在に被せられる計量キャップ4と、注出キャップ3に設けられた把手5とを備えている。
【0022】
容器本体2は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。そして、この容器本体2の底部2bの外周から起立してなる胴部2cの上端部には、略円筒状に縮径された口頸部2aが設けられている。また、口頸部2aの外周面には、注出キャップ3を螺合により装着するためのネジ部2dが形成されている。
【0023】
なお、口頸部2aの外周面には、注出キャップ3が螺合により装着されたときに、この注出キャップ3の回転を規制するストッパー(図示せず。)が設けられている。これにより、容器本体2に対する注出キャップ3の取り付け位置を常に同一位置に保持することが可能である。
【0024】
なお、容器本体2の形状については、本実施形態として示す形状のものに必ずしも限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。また、この容器本体2に収容される液体洗剤については、従来より一般に使用されている液体洗剤を収容することができる。
【0025】
注出キャップ3は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この注出キャップ3は、図3に示すように、口頸部2aの内側から上方に向かって立ち上がる注出ノズル6と、注出ノズル6の基端部から周囲に広がる環状の底壁7と、注出ノズル6との間に空隙Rを隔てて底壁7の周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の下部内周壁8と、下部内周壁8の上方に位置して計量キャップ4が着脱自在に装着される上部内周壁9と、上部内周壁9の外側に位置して口頸部2aに着脱自在に装着される外周壁10とを有している。
【0026】
このうち、注出ノズル6は、注出キャップ3内の略中央位置において注出口6aを形成すると共に、この注出キャップ3の開口周縁部よりも上方に突出して設けられている。また、この注出ノズル6には、容器本体2を傾ける側とは反対側を部分的に切り抜くスリット6bが形成されている。
【0027】
底壁7は、容器本体2を傾ける方向とは反対方向に傾斜して設けられている。そして、この底壁7の下端部は、注出ノズル6や計量キャップ4に付着した液体洗剤を回収するための液溜め部7aを形成している。液溜め部7aには、この液溜め部7aに溜まった液体洗剤を容器本体2内に戻すための戻し口11が設けられている。
【0028】
この戻し口11は、底壁7に向かって流れ落ちる液体洗剤を容器本体2内に戻すためのものであり、容器本体2の内部と連通される貫通孔とされている。また、戻し口11は、容器本体2を傾ける側とは反対側に位置して、所定の幅(5mm〜15mm)で注出ノズル6を中心に所定の角度範囲(5゜〜90゜)に亘って略円弧状に形成されている。戻し口11は、このような形状を有することによって、液体洗剤を容器本体2の内部へと速やかに戻すことができる。なお、戻し口11は、容器本体2を傾ける側とは反対側であれば、注出ノズル6、底壁7、又は下部内周壁8に設けることも、或いはそれらの間に亘って設けることもできる。
【0029】
下部内周壁8は、口頸部2aの内側に挿入される部分であり、環状の空隙Rを隔てて注出ノズル6の周囲を囲むように設けられている。上部内周壁9は、この下部内周壁8の上端部から段差部12を介して更に口頸部2aよりも上方に向かって略円筒状に立ち上がり形成されている。また、上部内周壁9の外周面には、計量キャップ4を螺合により着脱自在とするためのネジ部9aが形成されている。
【0030】
外周壁10は、上部内周壁9のネジ部9aよりも下方に位置するフランジ部13を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外周壁10の内周面には、上述した口頸部2aのネジ部2dに螺合されるネジ部10aが形成されている。これにより、注出キャップ3は、容器本体2の口頸部2aに対して着脱自在に装着することが可能となっている。
【0031】
計量キャップ4は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この計量キャップ4は、注出キャップ3から取り外して注出ノズル6から注出された液体洗剤を計り取る計量部4aを有している。
【0032】
具体的に、この計量キャップ4は、図3に示すように、計量部4aの底面部を構成する天板部14と、計量部4aの側面部を構成する内筒部15と、内筒部15の外側に位置して注出キャップ3に着脱自在に装着される外筒部16とを有している。
【0033】
このうち、天板部14は、内筒部15と一体に形成されて内筒部15の上面部を閉塞している。内筒部15は、天板部14の下面から注出ノズル6の周囲を囲むように垂下されている。外筒部16は、内筒部15の外周面の中途部に位置するフランジ部17を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部16の内周面には、上述した上部内周壁9のネジ部9aに螺合されるネジ部16aが形成されている。これにより、計量キャップ4は、注出キャップ3に対して着脱自在に被せることが可能となっている。
【0034】
なお、計量キャップ4は、計量部4aによる計量を行い易くするため、透明であることが好ましい。また、内筒部15の側面部に、容量表示のための目盛りを設けたり、外筒部16の外周面に、この計量キャップ4を回す際の滑り止めとなる複数の縦溝を設けたりすることが可能である。
【0035】
把手5は、図1及び図2(a),(b)に示すように、注出キャップ3と一体に形成されたものであり、この注出キャップ3の側面部から延長されて、その先端部5aが下方に向かって屈曲した形状を有している。また、把手5の先端部5aは、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、この容器本体2を傾ける側とは反対側の胴部2cに設けられた当接面2eと当接可能とされている。さらに、容器本体2の胴部2cと把手5との間には、把手5を把持するのに必要な空間Sが設けられている。
【0036】
一方、容器本体2の当接面2eには、把手5の先端部5aが嵌合される凹部18が設けられている。この凹部18は、当接面2eの一部を容器本体2の内側に向かって凹ませることにより形成されている。そして、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着する又は容器本体2の口頸部2aから注出キャップ3を取り外す際には、注出キャップ3を一の方向又は他の方向に回させながら、把手5の先端部5aを凹部18に対して嵌合又は離脱させることが可能である。なお、把手5の先端部5aは、凹部18に嵌合又は凹部18から離脱されるときに、注出キャップ3の軸回りにおいて容器本体2の当接面2eを乗り越える必要がある。このため、容器本体2の胴部2cと把手5とは、互いに弾性変形しながら把手5の先端部5aが容器本体2の当接面2eを乗り越えて凹部18に対して嵌合又は離脱できるような剛性を有している。
【0037】
以上のようなキャップ付き容器1を用いて洗濯などを行う場合には、一方の手で把手5を把持しながら、他方の手で計量キャップ4を回すことによって、注出キャップ3の共回りを防ぎつつ、計量キャップ4のみを注出キャップ3から取り外すことができる。そして、容器本体2を傾けて注出ノズル6から注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0038】
一方、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持しながら、他方の手で把手5を把持し注出キャップ3を回すことによって、この注出キャップ3に大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、注出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。そして、詰め替え容器(図示せず。)に収容された液体洗剤を容器本体2の口頸部2aから注ぎ入れるといった操作を行う。
【0039】
以上のようにして、このキャップ付き容器1では、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップ3を取り外して容器本体2の口頸部2aから液体洗剤を注ぎ入れることが可能である。
【0040】
なお、注出キャップ3を容器本体2から取り外す際の注出キャップ3の容器本体2に対する開栓トルクT1は、計量キャップ4の注出キャップ3に対する開栓トルクT2よりも大きくする必要があり、具体的には150〜350N・sとすることが好ましい。
【0041】
この注出キャップ3の開栓トルクT1が150N・s未満であって計量キャップ4の開栓トルクT2よりも小さい場合には、使用者が把手5を持たずに計量キャップ4を取り外す際に注出キャップ3が共回りしてしまう虞がある。一方、この注出キャップ3の開栓トルクT1が350N・sを超えると、注出キャップ3の容器本体2からの取り外しに大きな力が必要となり、把手5を把持して注出キャップ3を回そうとしても開栓が困難となる場合がある。
【0042】
また、計量キャップ4の注出キャップ3に対する開栓トルクT2は、注出キャップ3の開栓トルクT1よりも小さくする必要があり、具体的には80〜150N・sとすることが好ましい。
【0043】
この計量キャップ4の開栓トルクT2が80N・s未満であると、計量キャップ4が注出キャップ3に対して緩み易くなり、容器本体2を傾けたときに計量キャップ4と注出キャップ3との螺合部分から液体洗剤が漏れ出す虞がある。一方、この計量キャップ4の開栓トルクT2が150N・sを超えて注出キャップ3の開栓トルクT1よりも大きくなる場合には、計量キャップ4の注出キャップ3からの取り外しに大きな力が必要となり、計量キャップ4を取り外す際に注出キャップ3が共回りしてしまう虞がある。
【0044】
したがって、注出キャップ3の開栓トルクT1は、150〜350N・sの範囲であることが好ましく、より好ましくは200〜300N・sの範囲であり、計量キャップ4の開栓トルクT2は、80〜150N・sの範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜130N・sの範囲であり、なお且つ、注出キャップ3の開栓トルクT1は、計量キャップ4の開栓トルクT2よりも大きくすること(T1>T2)が好ましい。これにより、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、上述した詰め替え作業の際には、把手5を把持して注出キャップ3を容器本体2の口頸部2aから取り外すことが可能である。
【0045】
ところで、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、把手5の先端部5aが容器本体2の当接面2eに当接されると共に、この当接面2eに設けられた凹部18に把手5の先端部5aを嵌合させることが可能である。
【0046】
この場合、容器本体2の凹部18に把手5の先端部5aを嵌合させることによって、容器本体2の口頸部2aに装着された注出キャップ3の向きを決まった方向に規制することができ、なお且つ、この注出キャップ3の螺合により装着が完了する位置を明確に規定することができる。
【0047】
また、このキャップ付き容器1では、容器本体2の凹部18に把手5の先端部5aを嵌合させることによって、把手5に外部からの衝撃等が加わった場合でも、把手5の先端部5aが凹部18から容易に離脱することがないため、注出キャップ3の緩み等の発生を防ぐことが可能である。なお且つ、このキャップ付き容器1を持ち上げたり傾けたりした場合でも、容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分に加わる負荷を軽減し、この容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分にガタツキ等が発生したりすることを防ぐことが可能である。
【0048】
なお、上述した把手5が一体に設けられた注出キャップ3の場合、螺合開始から容器本体2に装着されるまでの間に、この注出キャップ3を何回転も回転させることは、キャップ開閉時の操作性を非常に悪くする。このため、容器本体2に対する注出キャップ3の開閉操作は、1/3回転以上、1回転以下の範囲で行えるようにすることが好ましい。これにより、上述した液体洗剤の詰め替え作業の際に注出キャップ3の開閉操作を容易なものとすることができる。
【0049】
また、上記キャップ付き容器1では、把手5の先端部5aが容器本体2の凹部18に直接嵌合される構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、把手5の先端部5aに容器本体2の当接面2eと当接される当接面を設けて、この当接面に凹部18と嵌合される凸部を設けた構成としてもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として図4に示すキャップ付き容器20について説明する。なお、以下の説明では、上記キャップ付き容器1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0051】
このキャップ付き容器20は、図4及び図5(a),(b)に示すように、上記凹部18の代わりに、容器本体2の当接面2eに凸部21を設け、この凸部21が嵌合される凹部22を把手5の先端部5aに設けた構成であり、それ以外は上記キャップ付き容器1とほぼ同様の構成を有している。
【0052】
具体的に、容器本体2の当接面2eには、この当接面2eの一部を容器本体2の外側に向かって突出(膨出)させることにより凸部21が形成されている。一方、把手5の先端部5aには、容器本体2の当接面2eと当接される当接面5bが設けられ、この当接面5bの一部を内側に向かって凹ませることにより、凸部21に対応した形状の凹部22が形成されている。
【0053】
そして、このキャップ付き容器20では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着する又は容器本体2の口頸部2aから注出キャップ3を取り外す際に、注出キャップ3を一の方向又は他の方向に回させながら、容器本体2側の凸部21を把手5側の凹部22に対して嵌合又は離脱させることが可能となっている。
【0054】
以上のようなキャップ付き容器20を用いて洗濯などを行う場合には、上記キャップ付き容器1と同様に、一方の手で把手5を把持しながら、他方の手で計量キャップ4を回すことによって、注出キャップ3の共回りを防ぎつつ、計量キャップ4のみを注出キャップ3から取り外すことができる。そして、容器本体2を傾けて注出ノズル6から注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0055】
一方、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持しながら、他方の手で把手5を把持し注出キャップ3を回すことによって、この注出キャップ3に大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、注出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。そして、詰め替え容器(図示せず。)に収容された液体洗剤を容器本体2の口頸部2aから注ぎ入れるといった操作を行う。
【0056】
以上のようにして、このキャップ付き容器20では、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップ3を取り外して容器本体2の口頸部2aから液体洗剤を注ぎ入れることが可能である。
【0057】
また、このキャップ付き容器20では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、把手5の当接面5bが容器本体2の当接面2eに当接されると共に、把手5側の凹部22に容器本体2側の凸部21を嵌合させることが可能である。
【0058】
この場合、把手5側の凹部22に容器本体2側の凸部21を嵌合させることによって、容器本体2の口頸部2aに装着された注出キャップ3の向きを決まった方向に規制することができ、なお且つ、この注出キャップ3の螺合により装着が完了する位置を明確に規定することができる。
【0059】
また、このキャップ付き容器20では、把手5側の凹部22に容器本体2側の凸部21を嵌合させることによって、把手5に外部からの衝撃等が加わった場合でも、凸部21が凹部22から容易に離脱することがないため、注出キャップ3の緩み等の発生を防ぐことが可能である。なお且つ、このキャップ付き容器20を持ち上げたり傾けたりした場合でも、容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分に加わる負荷を軽減し、この容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分にガタツキ等が発生したりすることを防ぐことが可能である。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として図6に示すキャップ付き容器30について説明する。なお、以下の説明では、上記キャップ付き容器1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0061】
このキャップ付き容器は、図6及び図7(a),(b)に示すように、上記凹部18の代わりに、容器本体2を傾ける側とは反対側の胴部2cに当接面2fを設け、この容器本体2側の当接面2fと当接される当接面5cを把手5の先端部5aに設けた構成であり、それ以外は上記キャップ付き容器1とほぼ同様の構成を有している。
【0062】
具体的に、容器本体2には、この容器本体2を傾ける側とは反対側の胴部2cの一部を底部2bと平行に平坦化した当接面2fが形成されている。一方、把手5には、その先端部5aを容器本体2側の当接面2fと平行となるように平坦化した当接面5cが形成されている。
【0063】
そして、このキャップ付き容器30では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着した際に、容器本体2側の当接面2fと把手5側の当接面5cとを当接させることが可能となっている。なお、なお、把手5の先端部5aは、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着する又は容器本体2の口頸部2aから注出キャップ3を取り外す際に、注出キャップ3の軸回りにおいて容器本体2の当接面2fを僅かに乗り越えるようになっている。これにより、容器本体2の胴部2cと把手5とを互いに弾性変形させながら、容器本体2側の当接面2fと把手5側の当接面5cとをより密着させることが可能となっている。
【0064】
以上のようなキャップ付き容器30を用いて洗濯などを行う場合には、上記キャップ付き容器1と同様に、一方の手で把手5を把持しながら、他方の手で計量キャップ4を回すことによって、注出キャップ3の共回りを防ぎつつ、計量キャップ4のみを注出キャップ3から取り外すことができる。そして、容器本体2を傾けて注出ノズル6から注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0065】
一方、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持しながら、他方の手で把手5を把持しキャップ3を回すことによって、この注出キャップ3に大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、注出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。そして、詰め替え容器(図示せず。)に収容された液体洗剤を容器本体2の口頸部2aから注ぎ入れるといった操作を行う。
【0066】
以上のようにして、このキャップ付き容器30では、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップ3を取り外して容器本体2の口頸部2aから液体洗剤を注ぎ入れることが可能である。
【0067】
また、このキャップ付き容器30では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、容器本体2側の当接面2fと把手5側の当接面5cとを当接させることによって、容器本体2の口頸部2aに装着された注出キャップ3の向きを決まった方向に規制することができ、なお且つ、この注出キャップ3の螺合により装着が完了する位置を明確に規定することができる。
【0068】
また、このキャップ付き容器30では、把手5に外部からの衝撃等が加わった場合でも、互いに当接される容器本体30側の当接面2fと把手5側の当接面5cとを密着させることによって、注出キャップ3の緩み等の発生を防ぐことが可能である。なお且つ、このキャップ付き容器30を持ち上げたり傾けたりした場合でも、容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分に加わる負荷を軽減し、この容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分にガタツキ等が発生したりすることを防ぐことが可能である。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0070】
具体的に、本発明では、例えば図8(a)に示すキャップ付き容器1,20又は図8(b)に示すキャップ付き容器30のように、容器本体2を上面側から見たときに、容器本体2の輪郭線の内側に把手5が位置するような構成としてもよい。この場合、容器本体2の外縁Wよりも内側に把手5が位置することで、把手5に外部からの衝撃等が加わりにくい構造とすることが可能である。
【0071】
また、上記キャップ付き容器1,20,30では、把手5が注出キャップ3と一体に形成された構成となっているが、このような構成に限定されるものではなく、把手5が注出キャップ3とは別体に形成された構成としてもよい。この場合、注出キャップ3と把手5とを別々に製造することができ、上記キャップ付き容器1,20,30を製造する際の製造コストを抑えることが可能である。
【0072】
さらに、容器本体2に液体洗剤を充填した後に、この容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着するといった通常のキャッピング工程の後で、把手5を注出キャップ3に取り付けることが可能である。したがって、この場合は、容器本体2に液体洗剤を充填した後のキャッピング工程を容易なものとすることが可能である。
【0073】
なお、本発明は、上述した液体洗剤や液体柔軟剤などの液体を収容したもの以外にも、その他の液体製品や、薬品、食品等といった中で計量を必要とする液体を収容したものに対して幅広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、第1の実施形態として示すキャップ付き容器の組立て前の状態を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャップ付き容器の組立図であり、(a)は一の方向から見た側面図であり、(b)は一の方向と直交する方向から見た側面図である。
【図3】図3は、図1に示すキャップ付き容器の断面図である。
【図4】図4は、第2の実施形態として示すキャップ付き容器の組立て前の状態を示す側面図である。
【図5】図5は、図4に示すキャップ付き容器の組立図であり、(a)は一の方向から見た側面図であり、(b)は一の方向と直交する方向から見た側面図である。
【図6】図6は、第3の実施形態として示すキャップ付き容器の組立て前の状態を示す側面図である。
【図7】図7は、図6に示すキャップ付き容器の組立図であり、(a)は一の方向から見た側面図であり、(b)は一の方向と直交する方向から見た側面図である。
【図8】図8(a)は、第1,2の実施形態として示すキャップ付き容器の変形例を示す側面図であり、図8(b)は、第3の実施形態として示すキャップ付き容器の変形例を示す側面図である。
【図9】図9は、従来のキャップ付き容器の一例を示す断面図である。
【図10】図10は、キャップ付き容器の計量時の状態を示す斜視図である。
【図11】図11は、キャップ付き容器の詰め替え時の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
1…キャップ付き容器 2…容器本体 2a…口頸部 2e,2f…当接面 3…注出キャップ 4…計量キャップ 4a…計量部 5…把手 5a…先端部 5b,5c…当接面 6…注出ノズル 6a…注出口 18…凹部 20…キャップ付き容器 21…凸部 22…凹部 30…キャップ付き容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ付き容器の改良に関し、特に把手が設けられたキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体洗剤や液体漂白剤、柔軟仕上げ剤などの液体製品を容器本体に収容し、この容器本体に着脱自在に被せられるキャップを計量カップとして使用するキャップ付き容器がある(例えば特許文献1,2を参照。)。
【0003】
このようなキャップ付き容器は、例えば図9に示すように、内容液を収容する容器本体100と、この容器本体100から注出された内容液を計り取る計量部101aが設けられた計量キャップ101と、この計量キャップ101に内容液を注出するための注出ノズル102aが設けられた注出キャップ102とを備えている。また、注出キャップ102には、注出ノズル102aの基端部から周囲に広がる環状の底壁102bと、注出ノズル102aとの間に環状の空隙R’を隔てて底壁102bの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁102cと、底壁102bに向かって流れ落ちる内容液を容器本体100内に戻す戻し口102dとが設けられている。
【0004】
そして、このような液体製品を用いて洗濯などを行う場合には、図10に示すように、計量キャップ101を注出キャップ102から取り外し、注出ノズル102aから注出された内容液を計量キャップ101の計量部101aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0005】
また、従来のキャップ付き容器では、容器本体の口頸部に対して注出キャップを螺合により装着することが一般に行われている。しかしながら、上述した容器本体100の口頸部100aに注出キャップ102を螺合により装着すると、計量キャップ101を取り外す際に注出キャップ102が共回りしてしまい、注出キャップ102ごと取り外してしまうといった不都合が発生してしまう。
【0006】
このため、容器本体100の口頸部100aに対する注出キャップ102の装着には、ラチェット方式やストッパーを併用したねじ嵌合方式、或いは打ち込み嵌合方式などが用いられている。これにより、容器本体100に内容液を充填し、この容器本体100の口頸部100aに注出キャップ102を装着した後は、消費者が注出キャップ102を容易に取り外すことができないようになっている。
【0007】
ところで、このようなキャップ付き容器に入った液体製品では、資源の有効利用の観点から、内容液を使い切った後に、簡易包装された詰め替え容器を購入してきて、この詰め替え容器に収容された内容液をキャップ付き容器に詰め替えることにより、このキャップ付き容器を買い換えずに再利用するといったことが行われている。
【0008】
具体的に、詰め替え作業の際には、上述したように注出キャップ102を取り外すことができないため、図11に示すような詰め替え容器200から注出された内容液を注出ノズル102aと周壁102cとの間にある空隙R’から注ぎ入れるといった作業が行われている。
【0009】
しかしながら、従来のキャップ付き容器では、このような詰め替え作業の際に、注出ノズル102aが邪魔となってしまい、上述した空隙R’に内容液をうまく注ぎ入れることができずに内容液を注出キャップ102の外側に溢してしまうことがあった。また、作業時間の短縮のため、上述した空隙R’に内容液を勢いよく注ぐと、内容液が注出キャップ102の外側に溢れ出すこともある。したがって、何れの場合も、注出キャップ102の周囲を内容液で汚してしまうといった問題が発生してしまう。
【0010】
したがって、上述した詰め替え作業の際には、詰め替え容器200から注出された内容液を容器本体100に注ぎ入れ易くするため、注出キャップ102を容器本体100の口頸部100aに対して取り外し可能とし、比較的広口な口頸部101から内容液を注ぎ入れるようにすることが望まれる。
【特許文献1】特開2000−168821号公報
【特許文献2】特許第3015342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、容器本体100の口頸部100aに対して注出キャップ102を螺合により着脱自在に装着した場合には、上述した計量キャップ101を取り外す際の注出キャップ102の共回りの問題が発生してしまう。逆に、共回りを防ぐため、容器本体100の口頸部100aに対する注出キャップ102の締結力を強めてしまうと、詰め替え作業の際に注出キャップ102を取り外すことが困難となるといった問題が発生してしまう。
【0012】
そこで、本発明者らは、注出キャップに把手を設けて、一方の手で把手を把持しながら他方の手で計量キャップを回すようにすることで、注出キャップの共回りを防ぐ一方、把手を把持しながら注出キャップを回すことで、注出キャップに大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、容器本体の口頸部に対する注出キャップの締結力を強化することを提案している。
【0013】
ところで、このような把手を注出キャップに設けると、把手に外部からの衝撃等が加わることによって注出キャップが緩むことがある。また、注出キャップに把手を設けた場合には、内容液が収容された容器本体の荷重は把手が設けられた注出キャップ102の口頸部100aとの螺合部分に集中するため、この部分にガタツキが生じ易くなる。
【0014】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、液体の詰め替え作業が容易なものとし、なお且つキャップの緩みやガタツキ等の発生を防止したキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に螺合により着脱自在に装着されると共に、容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、注出キャップに螺合により着脱自在に装着されると共に、注出キャップから取り外して注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップと、注出キャップの側面部に設けられた把手とを備え、把手が、注出キャップの側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって屈曲した形状を有し、容器本体の口頸部に注出キャップが装着されたときに、把手の先端部が容器本体の当接面に当接可能とされていることを特徴とするキャップ付き容器である。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、容器本体の当接面に把手の先端部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0017】
また、請求項3に係る発明は、容器本体の当接面に凸部が設けられ、把手の先端部に凸部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0018】
また、請求項4に係る発明は、把手の先端部に、容器本体の当接面と当接される当接面が設けられ、容器本体の当接面と把手の当接面とが互いに平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0019】
また、請求項5に係る発明は、容器本体を上面側から見たときに、容器本体の輪郭線の内側に把手が位置することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係るキャップ付き容器では、計量キャップを注出キャップから取り外す際の注出キャップの共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップを取り外して容器本体の口頸部から液体を注ぎ入れることが可能である。さらに、このキャップ付き容器では、把手に外部からの衝撃等が加わることによる注出キャップの緩み等の発生を防止し、なお且つ容器本体の口頸部と注出キャップとの螺合部分にガタツキ等が発生することを防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用したキャップ付き容器について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として図1に示すキャップ付き容器1について説明する。
このキャップ付き容器1は、図1及び図2(a),(b)に示すように、例えば液体洗剤や液体柔軟剤などの液体が収容された容器本体2と、この容器本体2の口頸部2aに螺合により着脱自在に装着される注出キャップ3と、この注出キャップ3に螺合により着脱自在に被せられる計量キャップ4と、注出キャップ3に設けられた把手5とを備えている。
【0022】
容器本体2は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。そして、この容器本体2の底部2bの外周から起立してなる胴部2cの上端部には、略円筒状に縮径された口頸部2aが設けられている。また、口頸部2aの外周面には、注出キャップ3を螺合により装着するためのネジ部2dが形成されている。
【0023】
なお、口頸部2aの外周面には、注出キャップ3が螺合により装着されたときに、この注出キャップ3の回転を規制するストッパー(図示せず。)が設けられている。これにより、容器本体2に対する注出キャップ3の取り付け位置を常に同一位置に保持することが可能である。
【0024】
なお、容器本体2の形状については、本実施形態として示す形状のものに必ずしも限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。また、この容器本体2に収容される液体洗剤については、従来より一般に使用されている液体洗剤を収容することができる。
【0025】
注出キャップ3は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この注出キャップ3は、図3に示すように、口頸部2aの内側から上方に向かって立ち上がる注出ノズル6と、注出ノズル6の基端部から周囲に広がる環状の底壁7と、注出ノズル6との間に空隙Rを隔てて底壁7の周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の下部内周壁8と、下部内周壁8の上方に位置して計量キャップ4が着脱自在に装着される上部内周壁9と、上部内周壁9の外側に位置して口頸部2aに着脱自在に装着される外周壁10とを有している。
【0026】
このうち、注出ノズル6は、注出キャップ3内の略中央位置において注出口6aを形成すると共に、この注出キャップ3の開口周縁部よりも上方に突出して設けられている。また、この注出ノズル6には、容器本体2を傾ける側とは反対側を部分的に切り抜くスリット6bが形成されている。
【0027】
底壁7は、容器本体2を傾ける方向とは反対方向に傾斜して設けられている。そして、この底壁7の下端部は、注出ノズル6や計量キャップ4に付着した液体洗剤を回収するための液溜め部7aを形成している。液溜め部7aには、この液溜め部7aに溜まった液体洗剤を容器本体2内に戻すための戻し口11が設けられている。
【0028】
この戻し口11は、底壁7に向かって流れ落ちる液体洗剤を容器本体2内に戻すためのものであり、容器本体2の内部と連通される貫通孔とされている。また、戻し口11は、容器本体2を傾ける側とは反対側に位置して、所定の幅(5mm〜15mm)で注出ノズル6を中心に所定の角度範囲(5゜〜90゜)に亘って略円弧状に形成されている。戻し口11は、このような形状を有することによって、液体洗剤を容器本体2の内部へと速やかに戻すことができる。なお、戻し口11は、容器本体2を傾ける側とは反対側であれば、注出ノズル6、底壁7、又は下部内周壁8に設けることも、或いはそれらの間に亘って設けることもできる。
【0029】
下部内周壁8は、口頸部2aの内側に挿入される部分であり、環状の空隙Rを隔てて注出ノズル6の周囲を囲むように設けられている。上部内周壁9は、この下部内周壁8の上端部から段差部12を介して更に口頸部2aよりも上方に向かって略円筒状に立ち上がり形成されている。また、上部内周壁9の外周面には、計量キャップ4を螺合により着脱自在とするためのネジ部9aが形成されている。
【0030】
外周壁10は、上部内周壁9のネジ部9aよりも下方に位置するフランジ部13を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外周壁10の内周面には、上述した口頸部2aのネジ部2dに螺合されるネジ部10aが形成されている。これにより、注出キャップ3は、容器本体2の口頸部2aに対して着脱自在に装着することが可能となっている。
【0031】
計量キャップ4は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この計量キャップ4は、注出キャップ3から取り外して注出ノズル6から注出された液体洗剤を計り取る計量部4aを有している。
【0032】
具体的に、この計量キャップ4は、図3に示すように、計量部4aの底面部を構成する天板部14と、計量部4aの側面部を構成する内筒部15と、内筒部15の外側に位置して注出キャップ3に着脱自在に装着される外筒部16とを有している。
【0033】
このうち、天板部14は、内筒部15と一体に形成されて内筒部15の上面部を閉塞している。内筒部15は、天板部14の下面から注出ノズル6の周囲を囲むように垂下されている。外筒部16は、内筒部15の外周面の中途部に位置するフランジ部17を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部16の内周面には、上述した上部内周壁9のネジ部9aに螺合されるネジ部16aが形成されている。これにより、計量キャップ4は、注出キャップ3に対して着脱自在に被せることが可能となっている。
【0034】
なお、計量キャップ4は、計量部4aによる計量を行い易くするため、透明であることが好ましい。また、内筒部15の側面部に、容量表示のための目盛りを設けたり、外筒部16の外周面に、この計量キャップ4を回す際の滑り止めとなる複数の縦溝を設けたりすることが可能である。
【0035】
把手5は、図1及び図2(a),(b)に示すように、注出キャップ3と一体に形成されたものであり、この注出キャップ3の側面部から延長されて、その先端部5aが下方に向かって屈曲した形状を有している。また、把手5の先端部5aは、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、この容器本体2を傾ける側とは反対側の胴部2cに設けられた当接面2eと当接可能とされている。さらに、容器本体2の胴部2cと把手5との間には、把手5を把持するのに必要な空間Sが設けられている。
【0036】
一方、容器本体2の当接面2eには、把手5の先端部5aが嵌合される凹部18が設けられている。この凹部18は、当接面2eの一部を容器本体2の内側に向かって凹ませることにより形成されている。そして、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着する又は容器本体2の口頸部2aから注出キャップ3を取り外す際には、注出キャップ3を一の方向又は他の方向に回させながら、把手5の先端部5aを凹部18に対して嵌合又は離脱させることが可能である。なお、把手5の先端部5aは、凹部18に嵌合又は凹部18から離脱されるときに、注出キャップ3の軸回りにおいて容器本体2の当接面2eを乗り越える必要がある。このため、容器本体2の胴部2cと把手5とは、互いに弾性変形しながら把手5の先端部5aが容器本体2の当接面2eを乗り越えて凹部18に対して嵌合又は離脱できるような剛性を有している。
【0037】
以上のようなキャップ付き容器1を用いて洗濯などを行う場合には、一方の手で把手5を把持しながら、他方の手で計量キャップ4を回すことによって、注出キャップ3の共回りを防ぎつつ、計量キャップ4のみを注出キャップ3から取り外すことができる。そして、容器本体2を傾けて注出ノズル6から注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0038】
一方、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持しながら、他方の手で把手5を把持し注出キャップ3を回すことによって、この注出キャップ3に大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、注出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。そして、詰め替え容器(図示せず。)に収容された液体洗剤を容器本体2の口頸部2aから注ぎ入れるといった操作を行う。
【0039】
以上のようにして、このキャップ付き容器1では、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップ3を取り外して容器本体2の口頸部2aから液体洗剤を注ぎ入れることが可能である。
【0040】
なお、注出キャップ3を容器本体2から取り外す際の注出キャップ3の容器本体2に対する開栓トルクT1は、計量キャップ4の注出キャップ3に対する開栓トルクT2よりも大きくする必要があり、具体的には150〜350N・sとすることが好ましい。
【0041】
この注出キャップ3の開栓トルクT1が150N・s未満であって計量キャップ4の開栓トルクT2よりも小さい場合には、使用者が把手5を持たずに計量キャップ4を取り外す際に注出キャップ3が共回りしてしまう虞がある。一方、この注出キャップ3の開栓トルクT1が350N・sを超えると、注出キャップ3の容器本体2からの取り外しに大きな力が必要となり、把手5を把持して注出キャップ3を回そうとしても開栓が困難となる場合がある。
【0042】
また、計量キャップ4の注出キャップ3に対する開栓トルクT2は、注出キャップ3の開栓トルクT1よりも小さくする必要があり、具体的には80〜150N・sとすることが好ましい。
【0043】
この計量キャップ4の開栓トルクT2が80N・s未満であると、計量キャップ4が注出キャップ3に対して緩み易くなり、容器本体2を傾けたときに計量キャップ4と注出キャップ3との螺合部分から液体洗剤が漏れ出す虞がある。一方、この計量キャップ4の開栓トルクT2が150N・sを超えて注出キャップ3の開栓トルクT1よりも大きくなる場合には、計量キャップ4の注出キャップ3からの取り外しに大きな力が必要となり、計量キャップ4を取り外す際に注出キャップ3が共回りしてしまう虞がある。
【0044】
したがって、注出キャップ3の開栓トルクT1は、150〜350N・sの範囲であることが好ましく、より好ましくは200〜300N・sの範囲であり、計量キャップ4の開栓トルクT2は、80〜150N・sの範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜130N・sの範囲であり、なお且つ、注出キャップ3の開栓トルクT1は、計量キャップ4の開栓トルクT2よりも大きくすること(T1>T2)が好ましい。これにより、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、上述した詰め替え作業の際には、把手5を把持して注出キャップ3を容器本体2の口頸部2aから取り外すことが可能である。
【0045】
ところで、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、把手5の先端部5aが容器本体2の当接面2eに当接されると共に、この当接面2eに設けられた凹部18に把手5の先端部5aを嵌合させることが可能である。
【0046】
この場合、容器本体2の凹部18に把手5の先端部5aを嵌合させることによって、容器本体2の口頸部2aに装着された注出キャップ3の向きを決まった方向に規制することができ、なお且つ、この注出キャップ3の螺合により装着が完了する位置を明確に規定することができる。
【0047】
また、このキャップ付き容器1では、容器本体2の凹部18に把手5の先端部5aを嵌合させることによって、把手5に外部からの衝撃等が加わった場合でも、把手5の先端部5aが凹部18から容易に離脱することがないため、注出キャップ3の緩み等の発生を防ぐことが可能である。なお且つ、このキャップ付き容器1を持ち上げたり傾けたりした場合でも、容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分に加わる負荷を軽減し、この容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分にガタツキ等が発生したりすることを防ぐことが可能である。
【0048】
なお、上述した把手5が一体に設けられた注出キャップ3の場合、螺合開始から容器本体2に装着されるまでの間に、この注出キャップ3を何回転も回転させることは、キャップ開閉時の操作性を非常に悪くする。このため、容器本体2に対する注出キャップ3の開閉操作は、1/3回転以上、1回転以下の範囲で行えるようにすることが好ましい。これにより、上述した液体洗剤の詰め替え作業の際に注出キャップ3の開閉操作を容易なものとすることができる。
【0049】
また、上記キャップ付き容器1では、把手5の先端部5aが容器本体2の凹部18に直接嵌合される構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、把手5の先端部5aに容器本体2の当接面2eと当接される当接面を設けて、この当接面に凹部18と嵌合される凸部を設けた構成としてもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として図4に示すキャップ付き容器20について説明する。なお、以下の説明では、上記キャップ付き容器1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0051】
このキャップ付き容器20は、図4及び図5(a),(b)に示すように、上記凹部18の代わりに、容器本体2の当接面2eに凸部21を設け、この凸部21が嵌合される凹部22を把手5の先端部5aに設けた構成であり、それ以外は上記キャップ付き容器1とほぼ同様の構成を有している。
【0052】
具体的に、容器本体2の当接面2eには、この当接面2eの一部を容器本体2の外側に向かって突出(膨出)させることにより凸部21が形成されている。一方、把手5の先端部5aには、容器本体2の当接面2eと当接される当接面5bが設けられ、この当接面5bの一部を内側に向かって凹ませることにより、凸部21に対応した形状の凹部22が形成されている。
【0053】
そして、このキャップ付き容器20では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着する又は容器本体2の口頸部2aから注出キャップ3を取り外す際に、注出キャップ3を一の方向又は他の方向に回させながら、容器本体2側の凸部21を把手5側の凹部22に対して嵌合又は離脱させることが可能となっている。
【0054】
以上のようなキャップ付き容器20を用いて洗濯などを行う場合には、上記キャップ付き容器1と同様に、一方の手で把手5を把持しながら、他方の手で計量キャップ4を回すことによって、注出キャップ3の共回りを防ぎつつ、計量キャップ4のみを注出キャップ3から取り外すことができる。そして、容器本体2を傾けて注出ノズル6から注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0055】
一方、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持しながら、他方の手で把手5を把持し注出キャップ3を回すことによって、この注出キャップ3に大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、注出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。そして、詰め替え容器(図示せず。)に収容された液体洗剤を容器本体2の口頸部2aから注ぎ入れるといった操作を行う。
【0056】
以上のようにして、このキャップ付き容器20では、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップ3を取り外して容器本体2の口頸部2aから液体洗剤を注ぎ入れることが可能である。
【0057】
また、このキャップ付き容器20では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、把手5の当接面5bが容器本体2の当接面2eに当接されると共に、把手5側の凹部22に容器本体2側の凸部21を嵌合させることが可能である。
【0058】
この場合、把手5側の凹部22に容器本体2側の凸部21を嵌合させることによって、容器本体2の口頸部2aに装着された注出キャップ3の向きを決まった方向に規制することができ、なお且つ、この注出キャップ3の螺合により装着が完了する位置を明確に規定することができる。
【0059】
また、このキャップ付き容器20では、把手5側の凹部22に容器本体2側の凸部21を嵌合させることによって、把手5に外部からの衝撃等が加わった場合でも、凸部21が凹部22から容易に離脱することがないため、注出キャップ3の緩み等の発生を防ぐことが可能である。なお且つ、このキャップ付き容器20を持ち上げたり傾けたりした場合でも、容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分に加わる負荷を軽減し、この容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分にガタツキ等が発生したりすることを防ぐことが可能である。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として図6に示すキャップ付き容器30について説明する。なお、以下の説明では、上記キャップ付き容器1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0061】
このキャップ付き容器は、図6及び図7(a),(b)に示すように、上記凹部18の代わりに、容器本体2を傾ける側とは反対側の胴部2cに当接面2fを設け、この容器本体2側の当接面2fと当接される当接面5cを把手5の先端部5aに設けた構成であり、それ以外は上記キャップ付き容器1とほぼ同様の構成を有している。
【0062】
具体的に、容器本体2には、この容器本体2を傾ける側とは反対側の胴部2cの一部を底部2bと平行に平坦化した当接面2fが形成されている。一方、把手5には、その先端部5aを容器本体2側の当接面2fと平行となるように平坦化した当接面5cが形成されている。
【0063】
そして、このキャップ付き容器30では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着した際に、容器本体2側の当接面2fと把手5側の当接面5cとを当接させることが可能となっている。なお、なお、把手5の先端部5aは、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着する又は容器本体2の口頸部2aから注出キャップ3を取り外す際に、注出キャップ3の軸回りにおいて容器本体2の当接面2fを僅かに乗り越えるようになっている。これにより、容器本体2の胴部2cと把手5とを互いに弾性変形させながら、容器本体2側の当接面2fと把手5側の当接面5cとをより密着させることが可能となっている。
【0064】
以上のようなキャップ付き容器30を用いて洗濯などを行う場合には、上記キャップ付き容器1と同様に、一方の手で把手5を把持しながら、他方の手で計量キャップ4を回すことによって、注出キャップ3の共回りを防ぎつつ、計量キャップ4のみを注出キャップ3から取り外すことができる。そして、容器本体2を傾けて注出ノズル6から注出された液体洗剤を計量キャップ4の計量部4aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0065】
一方、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持しながら、他方の手で把手5を把持しキャップ3を回すことによって、この注出キャップ3に大きな力(開栓トルク)が加わるようにして、注出キャップ3を容器本体2から取り外すことができる。そして、詰め替え容器(図示せず。)に収容された液体洗剤を容器本体2の口頸部2aから注ぎ入れるといった操作を行う。
【0066】
以上のようにして、このキャップ付き容器30では、計量キャップ4を注出キャップ3から取り外す際の注出キャップ3の共回りを防ぐ一方、詰め替え作業の際には注出キャップ3を取り外して容器本体2の口頸部2aから液体洗剤を注ぎ入れることが可能である。
【0067】
また、このキャップ付き容器30では、容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3が装着されたときに、容器本体2側の当接面2fと把手5側の当接面5cとを当接させることによって、容器本体2の口頸部2aに装着された注出キャップ3の向きを決まった方向に規制することができ、なお且つ、この注出キャップ3の螺合により装着が完了する位置を明確に規定することができる。
【0068】
また、このキャップ付き容器30では、把手5に外部からの衝撃等が加わった場合でも、互いに当接される容器本体30側の当接面2fと把手5側の当接面5cとを密着させることによって、注出キャップ3の緩み等の発生を防ぐことが可能である。なお且つ、このキャップ付き容器30を持ち上げたり傾けたりした場合でも、容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分に加わる負荷を軽減し、この容器本体2の口頸部2aと注出キャップ3との螺合部分にガタツキ等が発生したりすることを防ぐことが可能である。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0070】
具体的に、本発明では、例えば図8(a)に示すキャップ付き容器1,20又は図8(b)に示すキャップ付き容器30のように、容器本体2を上面側から見たときに、容器本体2の輪郭線の内側に把手5が位置するような構成としてもよい。この場合、容器本体2の外縁Wよりも内側に把手5が位置することで、把手5に外部からの衝撃等が加わりにくい構造とすることが可能である。
【0071】
また、上記キャップ付き容器1,20,30では、把手5が注出キャップ3と一体に形成された構成となっているが、このような構成に限定されるものではなく、把手5が注出キャップ3とは別体に形成された構成としてもよい。この場合、注出キャップ3と把手5とを別々に製造することができ、上記キャップ付き容器1,20,30を製造する際の製造コストを抑えることが可能である。
【0072】
さらに、容器本体2に液体洗剤を充填した後に、この容器本体2の口頸部2aに注出キャップ3を装着するといった通常のキャッピング工程の後で、把手5を注出キャップ3に取り付けることが可能である。したがって、この場合は、容器本体2に液体洗剤を充填した後のキャッピング工程を容易なものとすることが可能である。
【0073】
なお、本発明は、上述した液体洗剤や液体柔軟剤などの液体を収容したもの以外にも、その他の液体製品や、薬品、食品等といった中で計量を必要とする液体を収容したものに対して幅広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、第1の実施形態として示すキャップ付き容器の組立て前の状態を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャップ付き容器の組立図であり、(a)は一の方向から見た側面図であり、(b)は一の方向と直交する方向から見た側面図である。
【図3】図3は、図1に示すキャップ付き容器の断面図である。
【図4】図4は、第2の実施形態として示すキャップ付き容器の組立て前の状態を示す側面図である。
【図5】図5は、図4に示すキャップ付き容器の組立図であり、(a)は一の方向から見た側面図であり、(b)は一の方向と直交する方向から見た側面図である。
【図6】図6は、第3の実施形態として示すキャップ付き容器の組立て前の状態を示す側面図である。
【図7】図7は、図6に示すキャップ付き容器の組立図であり、(a)は一の方向から見た側面図であり、(b)は一の方向と直交する方向から見た側面図である。
【図8】図8(a)は、第1,2の実施形態として示すキャップ付き容器の変形例を示す側面図であり、図8(b)は、第3の実施形態として示すキャップ付き容器の変形例を示す側面図である。
【図9】図9は、従来のキャップ付き容器の一例を示す断面図である。
【図10】図10は、キャップ付き容器の計量時の状態を示す斜視図である。
【図11】図11は、キャップ付き容器の詰め替え時の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
1…キャップ付き容器 2…容器本体 2a…口頸部 2e,2f…当接面 3…注出キャップ 4…計量キャップ 4a…計量部 5…把手 5a…先端部 5b,5c…当接面 6…注出ノズル 6a…注出口 18…凹部 20…キャップ付き容器 21…凸部 22…凹部 30…キャップ付き容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口頸部が設けられた容器本体と、
前記容器本体の口頸部に螺合により着脱自在に装着されると共に、前記容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、
前記注出キャップに螺合により着脱自在に装着されると共に、前記注出キャップから取り外して前記注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップと、
前記注出キャップの側面部に設けられた把手とを備え、
前記把手は、前記注出キャップの側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって屈曲した形状を有し、
前記容器本体の口頸部に前記注出キャップが装着されたときに、前記把手の先端部が前記容器本体の当接面に当接可能とされていることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
前記容器本体の当接面に前記把手の先端部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記容器本体の当接面に凸部が設けられ、前記把手の先端部に前記凸部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記把手の先端部には、前記容器本体の当接面と当接される当接面が設けられ、
前記容器本体の当接面と前記把手の当接面とが互いに平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記容器本体を上面側から見たときに、前記容器本体の輪郭線の内側に前記把手が位置することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項1】
口頸部が設けられた容器本体と、
前記容器本体の口頸部に螺合により着脱自在に装着されると共に、前記容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、
前記注出キャップに螺合により着脱自在に装着されると共に、前記注出キャップから取り外して前記注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップと、
前記注出キャップの側面部に設けられた把手とを備え、
前記把手は、前記注出キャップの側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって屈曲した形状を有し、
前記容器本体の口頸部に前記注出キャップが装着されたときに、前記把手の先端部が前記容器本体の当接面に当接可能とされていることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
前記容器本体の当接面に前記把手の先端部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記容器本体の当接面に凸部が設けられ、前記把手の先端部に前記凸部が嵌合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記把手の先端部には、前記容器本体の当接面と当接される当接面が設けられ、
前記容器本体の当接面と前記把手の当接面とが互いに平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記容器本体を上面側から見たときに、前記容器本体の輪郭線の内側に前記把手が位置することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−64752(P2010−64752A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229783(P2008−229783)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
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