キー押下検出装置並びにこれを備えた電子機器及び通信機器
【課題】機器に設けられ、キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置において、機器における設計の自由度を高めることが可能なキー押下検出装置などを提供する。
【解決手段】第1方向D1に伝播する光Rを発光する第1発光部F1と、第2方向D2に伝播する光Rを発光する第2発光部F2と、光Rの伝播方向を変換し得る変換部Hと、第1方向D1に伝播する光Rを受光する第1受光部G1と、第2方向D2に伝播する光Rを受光する第2受光部G2と、変換部Hに対応して設けられ、変換部Hで光Rの伝播方向を変換するか否かを決定する複数のキーとを備え、キーが押下されている間に、第1受光部G1及び第2受光部G2において、変換部Hを介して伝播する光Rの受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に光Rが発光された第1発光部F1又は第2発光部F2を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出する。
【解決手段】第1方向D1に伝播する光Rを発光する第1発光部F1と、第2方向D2に伝播する光Rを発光する第2発光部F2と、光Rの伝播方向を変換し得る変換部Hと、第1方向D1に伝播する光Rを受光する第1受光部G1と、第2方向D2に伝播する光Rを受光する第2受光部G2と、変換部Hに対応して設けられ、変換部Hで光Rの伝播方向を変換するか否かを決定する複数のキーとを備え、キーが押下されている間に、第1受光部G1及び第2受光部G2において、変換部Hを介して伝播する光Rの受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に光Rが発光された第1発光部F1又は第2発光部F2を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーの押下を利用した入力手段を備えた電子機器などの機器に設けられ、該キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置、並びにこれを備えた電子機器及び通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器は、数字キーなどのキーの押下を利用した入力手段を備えている。従来の入力手段においては、マトリックス状(行列状)に形成された電気回路を利用して、キーの押下の有無を検出していた(以下、キーの押下の有無を検出する装置を「キー押下検出装置」という)。つまり、従来のキー押下検出装置においては、マトリックス状に形成された電気回路における特定部位のスキャンを行い、キーの押下による検出電圧の差異を検出することによって、押下されたキーを特定していた(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
また、通信機器としての電子機器には、通信用送受信アンテナ、通信用ダイバーシチアンテナ、FMラジオ受信アンテナ、TV受信アンテナ、GPS受信アンテナ、ブルートゥース送受信アンテナ、フェリカ送受信アンテナなどの複数のアンテナが内蔵されていることがある。
また、電子機器には、回路基板が搭載されており、回路基板上に、無線送受信回路、信号変換回路、制御回路、電源回路、インターフェース回路等の種々の電気回路が搭載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−186607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した入力手段においては、マトリックス状に形成された電気回路からスイッチングノイズが発生する。そのため、キー押下検出装置においては、スイッチングノイズが干渉しないように、例えば、アンテナを構成する部材と電気回路などの導電体との位置関係を適切に設定したり、シールド部材を配する等の対策を講じる必要がある。
【0006】
具体的には、例えば、折り畳み型の携帯電話機においては、その表面構成物として、表示装置、キー入力装置、電池(及びその蓋)、音響入出力装置、カメラ装置、外部I/F装置などが設けられているが、いずれもアンテナを構成する部材とは重複しない位置に配置されている。小型化、軽量化、薄型化などが進む携帯電話機においては、アンテナと他の表面構成物との分離、つまりアンテナと導電体との分離が必要となるが、アンテナを配置可能な領域は限られており、設計の自由度は低い。
【0007】
従って、本発明の目的は、キーの押下を利用した入力手段を備えた電子機器などの機器に設けられ、該キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置において、前記機器における設計の自由度を高めることが可能なキー押下検出装置、並びにこれを備えた電子機器及び通信機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、前記第1方向以外の第2方向に伝播する光を、前記第1方向に伝播する光と交差するように発光するn個(nは2以上の整数)の第2発光部と、前記m個の第1発光部及び前記n個の前記第2発光部のすべてが同時に光を発光した場合における前記第1方向に伝播する光と前記第2方向に伝播する光との交点にそれぞれ設けられ、且つ、光の伝播方向を前記第1方向から前記第2方向に又は該第2方向から該第1方向に変換し得る複数の変換部と、前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともn個の第2受光部と、前記複数の変換部にそれぞれ対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する複数のキーと、を備え、1又は複数の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びn個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部又は前記第2発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置に関する。
【0009】
また、前記変換部は、前記光を屈折させるか又は反射させることにより該光の伝播方向を変換することが好ましい。
【0010】
また、前記第1発光部と前記変換部との間、前記第2発光部と前記変換部との間、隣接した前記変換部同士の間、前記変換部と前記第1受光部との間及び前記変換部と前記第2受光部との間の一部又は全部には、前記光が導かれる導光部が配置されていることが好ましい。
【0011】
また、前記導光部は、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなることが好ましい。
【0012】
また、前記導光部は、前記第1方向及び前記第2方向以外の第3方向に前記光の一部が放出される光放出部を備えていることが好ましい。
【0013】
また、光透過性の被覆部材が前記導光部を被覆するように設けられており、前記光放出部から放出された前記光が前記被覆部材を透過することが好ましい。
【0014】
また、前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、互いに異なる波長を有していることが好ましい。
【0015】
また、前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光されることが好ましい。
【0016】
本発明は、第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、前記m個の第1発光部から発光された光の伝播方向を、該第1方向以外の第2方向に変換し得るm個の変換部と、前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第2受光部と、前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定するm個キーと、を備え、1の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びm個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置に関する。
【0017】
本発明は、光を発光する1の第1発光部と、前記第1発光部から発光された光の伝播方向を変換し得る1の変換部と、前記変換部において伝播方向が変換されなかった光を受光する第1受光部と、前記変換部において伝播方向が変換された光を受光する第2受光部と、前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する1のキーと、を備え、前記キーが押下されている間に、前記第1受光部及び前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置に関する。
【0018】
本発明は、前記キー押下検出装置と、電気回路と、を備えた電子機器に関する。
【0019】
本発明は、前記キー押下検出装置と、アンテナと、を備えた通信機器に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、キーの押下を利用した入力手段を備えた電子機器、通信機器などの機器に設けられ、該キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置において、前記機器における設計の自由度を高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の電子機器及び通信機器の第1実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1から図4を参照しながら説明する。第1実施形態の携帯電話機1は、本発明のキー押下検出装置の一実施形態を備えている。
図1は、第1実施形態の携帯電話機1を開いた状態で示す外観斜視図である。図2は、図1に示す操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。図3は、図1に示す表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。図4は、図2に示すキー構造部40の分解斜視図である。
【0022】
図1に例示的に示すように、第1実施形態の携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3とを備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して、開閉軸(図示せず)を中心に開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。
【0023】
つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態(開状態)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態)とにすることができる。ここで、閉状態とは、両筐体2,3が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体2,3が互いに重ならないように配置された状態をいう。
【0024】
図1及び図2に例示的に示すように、操作部側筐体2の外面は、フロントケース2a及びリアケース2bにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイクとしての音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
【0025】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。
図1に例示的に示すように、入力操作キー14は、5行×3列にマトリックス状(行列状)に配列して、計15個設けられている。15個の入力操作キー14には、0〜9の数字キー、「*」、「#」等が含まれる。
【0026】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、あるいは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0027】
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
【0028】
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
【0029】
図1及び図3に例示的に示すように、表示部側筐体3は、フロントケース3aと、フロントパネル3bと、リアパネル3cと、リアケース3dとを備える。表示部側筐体3におけるフロントケース3aには、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバとしての音声出力部22とが露出するように配置される。ここで、表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
【0030】
携帯電話機1は複数の機能を有する。携帯電話機1は、地上デジタル放送受信制御をする機能や、AMラジオ放送受信制御をする機能や、FMラジオ放送受信制御をする機能や、メイン電源制御機能(オン/オフ制御機能)等を有する。
【0031】
次いで、図2から図4を参照しながら、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。
【0032】
まず、操作部側筐体2の内部構造について説明する。
図2に例示的に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、光スイッチ基板50と、アンテナシートP1と、シールドケース60と、基準電位パターン層75及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、バッテリQとを備える。
第1実施形態におけるキー押下検出装置Kは、キー構造部40及び光スイッチ基板50を主体として構成される。キー押下検出装置Kの詳細については後述する。
【0033】
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、光スイッチ基板50と、アンテナシートP1と、シールドケース60と、回路基板70とが挟まれるようにして内蔵される。
【0034】
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、開口部としてのキー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出される。この露出した機能設定操作キー部材13b、入力操作キー部材14b及び決定操作キー部材15bの押圧面を押下することで、対応する変換部H(後述)が押下される。
【0035】
図4に例示的に示すように、キー構造部40は、操作部材40Aと、キーフレーム40Bと、キーシート40Cとから構成される。
操作部材40Aは、複数のキー操作部材から構成される。具体的には、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとから構成される。操作部材40Aを構成する各操作キー部材は、後述するキーフレーム40Bを挟んでキーシート40Cに接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材における押圧面は、上述の通り、キー孔13a、14a、15aそれぞれから外部に露出して配置される。
【0036】
キーフレーム40Bは、孔部14cが複数形成された金属性の板状部材である。キーフレーム40Bは、入力操作キー部材14bの押圧による回路基板70等への悪影響を防ぐための補強部材である。この場合、キーフレーム40Bは、アンテナとして利用することもできる。
キーフレーム40Bに形成される複数の孔部14cには、後述するキーシート40Cに形成される凸部14dが嵌合するように配置される。そして、この凸部14dに入力操作キー部材14bが接着される。
【0037】
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、複数の凸部14dが形成される。複数の凸部14dは、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。この複数の凸部14dそれぞれは、後述する変換部Hに対応する位置に形成される。
【0038】
機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、光透過性の部材からなり、そのため、後述するように導光部56の光放出部57から放出された光を、キーの照明に利用することができる。
【0039】
光スイッチ基板50は、光学的な作用によるスイッチが搭載された基板であり、キーシート40C側に、第1発光部F1と、第2発光部F2と、変換部Hと、第1受光部G1と、第2受光部G2とを備える。複数の変換部Hは、それぞれ、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。なお、図2においては、入力操作キー14に関する変換部H等のみを図示しており、機能設定操作キー13と及び決定操作キー15に関する変換部H等については図示を省略している。
変換部Hの詳細な構成については後述する。
【0040】
アンテナシートP1は、シート状のアンテナであり、例えば、シート状の絶縁体の基材に、アンテナを形成する配線がプリントされて形成される。絶縁体の基材は、シールドケース60とアンテナを形成する配線とを間に十分な距離を確保し、絶縁を図るための部材である。
アンテナシートP1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを開いた状態において最大利得が得られるため、例えば、通信用送受信アンテナ、通信用ダイバーシチアンテナ、FMラジオ受信アンテナ、TV受信アンテナ、GPS受信アンテナとして、効果的に利用できる。
【0041】
シールドケース60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。シールドケース60は、光スイッチ基板50及びアンテナシートP1の載置面となる平板部61と、平板部61における開口側の面に略垂直に形成されるリブ62とを備える。リブ62は、回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。具体的には、シールドケース60が回路基板70に載置された状態で、基準電位パターン層75上に配置されるようにリブ62が形成される。
【0042】
なお、シールドケース60は、その全体を金属から構成することができる他、その骨格が樹脂から形成され、該骨格の表面に導体膜を形成して構成することもできる。
また、光スイッチ基板50がシールドケース60における平板部61に載置されるので、操作部材40Aそれぞれが押圧されることによる圧力や撓みは、シールドケース60の下方に配置される回路基板70に伝達されにくい。
【0043】
シールドケース60は、リブ62の底面が基準電位パターン層75に当接されることで、基準電位パターン層75と電気的に接続される。シールドケース60は、基準電位パターン層75と電気的に導通して該基準電位パターン層75と同じ高さの電位を有するようになる。
【0044】
シールドケース60は、外部からの高周波等のノイズが回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出されるノイズを遮蔽して、他の電子部品やアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。具体的には、シールドケース60におけるリブ62の底面が基準電位パターン層75上に配置されることで、各回路は、リブ62により囲われると共に平板部61の一部により覆われる。リブ62は、各回路における隔壁として機能し、平板部61の一部と共に各回路をシールドする。
【0045】
回路基板70には、非図示の各種電子部品や回路が配置される。各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0046】
回路基板70におけるシールドケース60側の第1面70aには、上述の各種電子部品の他、基準電位部を構成する基準電位パターン層75が形成される。基準電位パターン層75は、上述の各回路ブロックを区画するように形成される。基準電位パターン層75は、回路基板70の第1面70aの表面に導電性の部材を所定パターンで印刷することで形成される。
【0047】
メインアンテナP2は、基台上に所定形状のアンテナエレメントが配置されることにより構成される。メインアンテナP2は、携帯電話機1における連結部4側と反対の端部側に配置される。このメインアンテナP2のアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。また、メインアンテナP2は、不図示の給電端子を介して回路基板70から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介して回路基板70から給電されると共に、回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0048】
TV受信アンテナP3は、地上デジタル放送としてのいわゆるワンセグ放送の電波を受信する。TV受信アンテナP3は、操作部側筐体2に脱出自在に設けられる。
【0049】
リアケース2bの一端側には、取り外し可能なバッテリリッド2cが設けられている。バッテリリッド2cは、バッテリQをリアケース2bの外側から収納した後、リアケース2bに装着される。また、リアケース2bにおける一端側には、ユーザの音声を入力する音声入力部12のマイク(図示せず)が収容される。
【0050】
次に、表示部側筐体3の内部構造について説明する。
図3に例示的に示すように、表示部側筐体3は、フロントケース3aと、音声出力部22と、フロントパネル3bと、表示部21と、表示部21が接続されたプリント基板(図示せず)と、リアパネル3cと、リアケース3dとを備える。
【0051】
表示部側筐体3においては、フロントケース3aと、フロントパネル3bと、表示部21と、前記プリント基板と、リアパネル3cと、リアケース3dとが積層的に配置される。具体的には、フロントケース3aとリアケース3dとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。そして、フロントケース3aとリアケース3dとの間には、表示部21が接続された前記プリント基板が挟まれるようにして内蔵される。前記プリント基板には、アンプと接続されるスピーカ(いずれも図示せず)が接続される。
【0052】
次に、第1実施形態におけるキー押下検出装置Kについて、図5から図9を参照しながら詳述する。キー押下検出装置Kは、キー構造部40及び光スイッチ基板50を主体として構成される。
図5は、入力操作キー14のうちの1から9の数字キーと、発光部F1,F2及び受光部G1,G2の一部とを示す模式図である。図6は、発光部F1,F2から発光された光Rの伝播方向を示す模式図である。
【0053】
図5及び図6に例示的に示すように、第1実施形態におけるキー押下検出装置Kは、1又は複数のキー(例えば、数字キー14)が押下されている間に、m個の第1受光部G1及びn個の第2受光部G2それぞれにおいて、変換部Hを介して伝播する光Rの受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光Rが発光された第1発光部F1又は第2発光部F2を特定することにより、キー14の押下の有無を検出する装置である。
【0054】
なお、図5においては、説明の便宜上、入力操作キー14のうちの1から9の数字キーと、第1発光部F1及び第2発光部F2並びに第1受光部G1及び第2受光部G2の一部を模式的に示しており、1から9の数字キー以外のキー(例えば、0、*、#のキー)については、図示を省略している。
【0055】
また、図6においても、説明の便宜上、第1発光部F1及び第2発光部F2、変換部H、並びに第1受光部G1及び第2受光部G2の一部を模式的に示している。
以下、図5及び図6を参照しながら、1から9の数字キーで代表して、キー押下検出装置Kの構成、動作などについて説明するが、1から9の数字キー以外のキーの構成、動作なども同様である。
【0056】
図5及び図6に例示的に示すように、第1実施形態におけるキー押下検出装置Kは、第1発光部F1と、第2発光部F2と、変換部Hと、第1受光部G1と、第2受光部G2、導光部56とを備える。なお、以下の説明において、第1発光部F1及び第2発光部F2に共通する説明を行う場合には、「発光部」の表現を用いることがある。また、第1受光部G1及び第2受光部G2に共通する説明を行う場合には、「受光部」の表現を用いることがある。
【0057】
第1発光部F1は、第1方向D1に伝播する光Rを発光するもので、m個(mは1以上の整数)設けられている。
第2発光部F2は、第1方向D1以外の第2方向D2に伝播する光Rを、第1方向D1に伝播する光Rと交差するように発光するもので、n個(nは2以上の整数)設けられている。
第1発光部F1及び第2受光部G2の光源としては、例えば、レーザ発振器、発光ダイオード(LED)、白熱電球、冷陰極管が挙げられる。
なお、第1発光部F1及び第2発光部F2は、光源(自身が発光するもの)に制限されず、光源から伝播された光を発光するものも含む。
【0058】
変換部Hは、m個の第1発光部F1及びn個の第2発光部F2のすべてが同時に光を発光した場合における第1方向D1に伝播する光Rと第2方向D2に伝播する光Rとの交点にそれぞれ設けられている。変換部Hは、光Rの伝播方向を第1方向D1から第2方向D2に又は第2方向D2から第1方向D1に変換し得る。
なお、「光Rの伝播方向を変換する」には、例えば、導光部56を形成する光ファイバー(後述)が湾曲していること等により、部分的に光の経路の向きが変わる場合を含まない。
【0059】
第1受光部G1は、変換部Hを介して第1方向D1に伝播する光Rを受光するもので、少なくともm個設けられている。
第2受光部G2は、変換部Hを介して第2方向D2に伝播する光Rを受光するもので、少なくともn個設けられている。
第1受光部G1及び第2受光部G2は、第1発光部F1及び第2受光部G2の光源に対応するものが適宜選択されて使用される。
【0060】
導光部56は、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光された光Rを導くことが可能な部位であり、第1発光部F1と変換部Hとの間、第2発光部F2と変換部Hとの間、隣接した変換部H,H同士の間、変換部Hと第1受光部G1との間及び変換部Hと第2受光部G2との間の一部又は全部に配置されている。
【0061】
本実施形態における第1方向D1、第2方向D2、第1発光部F1、第2発光部F2、変換部H、第1受光部G1及び第2受光部G2は、以下の通りである。
第1方向D1は、操作部側筐体2の幅方向(図1における略左右方向)であり、第2方向D2は、操作部側筐体2の長手方向(図1における略上下方向)である。従って、操作部側筐体2を厚み方向に平面視した場合に、第1方向D1と第2方向D2とは直交する。尚、第1方向D1と第2方向D2とは必ずしも直交している必要はなく、例えば、第1方向D1と第2方向D2とのなす角が60°になるようにしてもよい。
【0062】
図2に例示的に示すように、第1発光部F1は、入力操作キー14の行数(5行)に対応して5個設けられる。図5及び図6においては、1、4及び7の数字キーに対応する3個の第1発光部F1のみが図示されている。便宜上、3個の第1発光部F1については、1、4及び7の数字キーに対応する順に、F1(1)、F1(2)及びF1(3)という。
【0063】
第2発光部F2は、入力操作キー14の列数(3列)に対応して3個設けられる。第2発光部F2は、1、2及び3の数字キーに対応している。便宜上、3個の第2発光部F2については、1、2及び3の数字キーに対応する順に、F2(1)、F2(2)及びF3(3)という。
【0064】
第1受光部G1は、第1発光部F1から発光された光Rの伝播方向が変換部Hによって変換されない場合に、第1発光部F1から発光された光Rが到達する位置にそれぞれ設けられる。従って、第1受光部G1は、入力操作キー14の行数(5行)に対応して5個設けられる。図5及び図6においては、3、6及び9の数字キーに対応する3個の第1受光部G1のみが図示されている。便宜上、3個の第1受光部G1については、3、6及び9の数字キーに対応する順に、G1(1)、G1(2)及びG1(3)という。
【0065】
第2受光部G2は、第2発光部F2から発光された光Rの伝播方向が変換部Hによって変換されない場合に、第2発光部F2から発光された光Rが到達する位置にそれぞれ設けられる。従って、第2受光部G2は、入力操作キー14の列数(3列)に対応して3個設けられる。第2受光部G2は、7、8及び9の数字キーに対応している。便宜上、3個の第2受光部G2については、7、8及び9の数字キーに対応する順に、G2(1)、G2(2)及びG2(3)という。
【0066】
図2に例示的に示すように、変換部Hは、5個の第1発光部F1及び3個の第2発光部F2のすべてが同時に光を発光した場合における第1方向D1に伝播する光Rと第2方向D2に伝播する光Rとの交点にそれぞれ設けられている。つまり、変換部Hは、入力操作キー(数字キー)14に対応する位置に、5行×3列にマトリックス状(行列状)に配列して、計15個設けられる。図5及び図6においては、1から9の数字キーに対応する9個の変換部Hのみが図示されている。
【0067】
変換部Hは、光Rを屈折させるか又は反射させることにより光Rの伝播方向を変換する。本実施形態における変換部Hは、後述するように反射体52を備えており、反射体52により光Rを反射させることにより光Rの伝播方向を変換する。
【0068】
次に、変換部Hの詳細について、図7から図9を参照しながら説明する。
図7は、変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるA−A断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるB−B断面)である。
【0069】
図8は、変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるC−C断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるD−D断面)である。
図9は、変換部Hの連結体51を操作部側筐体2の厚み方向に視た模式的平面図で、(a)は反射体52を示す図、(b)は第1透過部53を示す図、(c)は第2透過部54を示す図である。
【0070】
図7から図9に例示的に示すように、変換部Hは、連結体51及び収納部55を備える。連結体51は、入力操作キー14の内面側(押圧面とは反対側)に連結されている。連結体51は、反射体52、第1透過部53及び第2透過部54を備える。反射体52は、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光された光を反射する部材であり、第1方向D1及び第2方向D2と45度の角度を形成するように、入力操作キー14の内面側に連結されている。
【0071】
従って、反射体52によれば、第1方向D1に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を第2方向D2に変換することができる〔図6において第1発光部F1(1)から発光された光Rを参照〕と共に、第2方向D2に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を第1方向D1に変換することができる〔図6において第2発光部F2(1)から発光された光Rを参照〕。
反射体52によって反射された光Rの伝播方向は、第1受光部G1又は第2受光部G2に向かう方向である。
反射体52は、例えば、鏡、樹脂反射体(多孔質PTFE等)から形成される。
【0072】
第1透過部53は、第1方向D1に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を変換することなく、その光Rを第1方向D1に出力することができる〔図6において第1発光部F1(2)から発光された光Rを参照〕。一方、第1方向D1以外の方向(例えば、第2方向D2)に伝播されている光が入力されても、その光を実質的に透過しない。
第1透過部53は、例えば、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる。第1透過部53は、反射体52における入力操作キー14とは反対側に連結されている。
【0073】
第2透過部54は、第2方向D2に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を変換することなく、その光Rを第2方向D2に出力することができる〔図6において第2発光部F2(2)から発光された光Rを参照〕。一方、第2方向D2以外の方向(例えば、第1方向D1)に伝播されている光が入力されても、その光を実質的に透過しない。
第2透過部54は、第1透過部53と同様に、例えば、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる。第2透過部54は、第1透過部53における入力操作キー14とは反対側に連結されている。
【0074】
前述の通り、連結体51は、入力操作キー14の内面側から、反射体52、第1透過部53及び第2透過部54が連結されて構成されている。
【0075】
収納部55は、連結体51を収納する空間であり、入力操作キー14が押下されることに伴って、連結体51も押下されたときに、連結体51の収納空間を確保し、連結体51の押下(移動)を可能とする。収納部55は、光スイッチ基板50における、変換部Hの連結体51に対応する位置に設けられている。
【0076】
図7(a)及び図8(a)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下されていない状態においては、反射体52は収納部55に収納されない。一方、図7(b)及び図8(b)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下されている状態においては、反射体52の全部又は一部が収納部55に収納される。
【0077】
複数の変換部Hは、複数の入力操作キー14にそれぞれ対応して設けられている。言い換えると、入力操作キー14は、複数の変換部Hにそれぞれ対応して設けられている。入力操作キー14は、変換部Hにおいて光Rの伝播方向を変換するか否かを決定する。
【0078】
図7(b)及び図8(b)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下された状態においては、変換部Hに入力される光Rは、反射体52によって伝播方向が90度変換される。従って、当該入力操作キー14に対応する変換部Hは、変換部Hに入力される光Rの伝播方向を変換する〔図6において第1発光部F1(1)から発光された光R及び第2発光部F2(1)から発光された光Rを参照〕。
【0079】
一方、図7(a)及び図8(a)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下されていない状態においては、変換部Hに入力される光Rは、第1透過部53又は第2透過部54によって伝播方向が変換されることなく、第1透過部53又は第2透過部54を透過する。従って、当該入力操作キー14に対応する変換部Hは、該変換部Hに入力される光の伝播方向を変換しない。
【0080】
導光部56は、第1発光部F1と変換部Hとの間、第2発光部F2と変換部Hとの間、隣接した変換部H,H同士の間、変換部Hと第1受光部G1との間及び変換部Hと第2受光部G2との間の全部に配置されている。
導光部56は、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる。
【0081】
第1透過部53、第2透過部54、導光部56などにおいて、ガラスが用いられた光ファイバーを構成するガラスとしては、例えばシリカガラスが挙げられる。プラスチックが用いられた光ファイバーとしては、例えば、コア材がメタクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)からなり、クラッド材がフッ素系ポリマーからなるものが挙げられる。
【0082】
連結体51において、第1透過部53と第2透過部54とは、操作部側筐体2の厚み方向の位置が異なる。これに対応して、光Rを第1方向D1に導く導光部56と光Rを第2方向D2に導く導光部56とは、操作部側筐体2の厚み方向の位置が異なる。光Rを第1方向D1に導く導光部56は、光Rを第2方向D2に導く導光部56よりも、入力操作キー14に近い位置に配置している。
【0083】
導光部56における入力部56aは、光Rが入力される部位であり、連結体51に対面している。入力部56aは、反射体52、第1透過部53及び第2透過部54のいずれに対面した場合においても、連結体51から出力された光Rを入力可能なように、面積が導光部56の出力部(光Rが出力される部位)の面積よりも大きくなっている。また、入力部56aは、光Rの伝播方向に向けて窄まっており、入力部56aに入力された光Rは、その入力位置に拘わらず集光されて、導光部56によって導かれる。
【0084】
図6に例示的に示すように、導光部56は光放出部57を備えている。光放出部57は、第1方向D1及び第2方向D2以外の第3の方向に光Rの一部が放出される部位である。光放出部57の位置は、放出される光Rの利用形態により適宜設定される。図10(a)〜(c)は、それぞれ光放出部57aから57cの構成の例を示す模式的断面図である。
【0085】
図10(a)に示す例では、入力操作キー14の直下に位置する第1透過部53は、並列的に配列された複数の光ファイバーからなる。この複数の光ファイバーのうち、他の光ファイバーに比べて入力操作キー14に近い側に位置する一部の光ファイバーに、光放出部57aを設けている。光放出部57aは、前述の一部の光ファイバーにおいて、光ファイバーのコア部材を被覆するクラッド材の一部に切欠きを設けることにより形成される。これにより、一部の光ファイバーは、コア部材が部分的に露出する領域を有することとなり、この露出領域から光Rの一部が放出される。
【0086】
そして、このコア部材が部分的に露出する領域を、入力操作キー14の直下あるいはその近傍に位置させた場合に、放出された一部の光Rが、入力操作キー14を照射する照明として機能する。
なお、上述の例では入力操作キー14が押下されると、切欠きが設けられた第1透過部53に光が入射しなくなることから、押下された入力操作キー14は点灯しないこととなる。これを利用して、複数の入力操作キー14ごとの押下の有無と、入力操作キー14の点灯の有無とを連動させることができる。これにより、ユーザは、複数の入力操作キー14のうち、ユーザが現に押下している入力操作キー14を視覚的に認識することが容易となる。
【0087】
或いは、図10(b)、図5及び図6に示すように、入力操作キー14の[1]キー([ ]内の数字は、入力操作キー14における数字を示す)に対応する変換部Hと、入力操作キー14の[2]キーに対応する変換部Hとの間に、導光部56を構成する複数の光ファイバーが並列的に配置されている場合には、以下の構成としてもよい。
即ち、複数の光ファイバーのうち、一部の光ファイバーを他の光ファイバーから分離させる。具体的には、導光部56の途中から一部の光ファイバーを引き出して、引き出した一部の光ファイバーの端部を入力操作キー14の[2]キー側に向けて配置する。或いは前記端部を入力操作キー14の[2]キーの内部に挿入させる。引き出した一部の光ファイバーの端部が光放出部57bとして機能する。
【0088】
これにより、一部の光ファイバーに入射した光Rは、導光部56から分離されて、前記端部(光放出部57b)から放出される。そして、放出された一部の光Rは、入力操作キー14を内側から照射する照明として機能する。この場合、入力操作キー14の押下の有無とは連動させずに、入力操作キー14を点灯させることができる。
【0089】
或いは、図10(c)に示すように、導光部56が棒状のアクリル樹脂からなる場合には、アクリル樹脂の内部に部分的に、光散乱粒子からなる散乱材56bや、金属や白色樹脂からなる反射材56cを埋入させてもよい。これにより、導光部56の内部で光Rを散乱材56bや反射材56cに反射させて、導光部56の外部に放出させる光放出部57cを形成することができる。なお、光散乱粒子は、例えば、樹脂からなる粒子の表面に金箔を被着させたものを採用することができる。
【0090】
入力操作キー14は、前述したように光透過性の部材からなり、導光部56を被覆するように設けられている。入力操作キー14は、導光部56を被覆するように設けられた光透過性の被覆部材として機能する。そのため、光放出部57から放出された光が、被覆部材である入力操作キー14を透過することができる。従って、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光され、導光部56に導かれた光Rの一部は、光放出部57を介して入力操作キー14等の照明として利用される。
被覆部材に散乱剤が含有されていると、光が散乱して、被覆部材全体が発光しやすくなる。
【0091】
第1実施形態においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から光Rが同時に発光されるように構成されている。
また、第1実施形態においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光Rは、互いに異なる波長を有している。その理由は以下の通りである。
【0092】
第1実施形態においては、前述の通り、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から光Rが同時に発光されるように構成されている。これによりキーの押下時間が短い場合にもキーの押下の検出が可能となる。
【0093】
機能設定操作キー13及び決定操作キー15についても、入力操作キー14と同様にキー押下検出装置Kによりキー13,15の押下の有無を検出できるように構成されている。
図11は、機能設定操作キー13及び決定操作キー15と、これらのキー13,15の押下の検出に係る発光部F1,F2及び受光部G1,G2とを示す模式図(図5対応図)である。
【0094】
図11に例示的に示すように、機能設定操作キー13及び決定操作キー15は、第2方向D2に3行、第1方向D1に5列のマトリックスの一部を形成している。機能設定操作キー13を構成する4つのキー(機能1キー、機能2キー、通話キー及び終話キー)は、3行×5列のマトリックスの4隅に配置している。決定操作キー15を構成する5つのキー(決定キー、上キー、下キー、左キー及び右キー)については、決定キーが3行×5列のマトリックスの中心に位置し、その他の4つのキーが決定キーに隣接して上下左右に位置する。
【0095】
3行×5列のマトリックスにおけるその他の位置には、機能設定操作キー13及び決定操作キー15は配置されていない。つまり、3行×5列のマトリックスには、キーが配置されない位置を有している。しかしながら、キーをマトリックス状に配置することができれば、キーが配置されない位置を有していたとしても、各キーの検出は可能である。
【0096】
次に、第1実施形態の携帯電話機1におけるキー押下検出装置Kの動作について説明する。キー押下検出装置Kによれば、以下のように、キーの押下の有無を検出することができる。
なお、以下においては、図5から図9を参照しながら、入力操作キー14のうちの1から9の数字キーのみを用いて説明するが、入力操作キー14のうちのその他のキー並びに機能設定操作キー13及び決定操作キー15についても、キーの押下の有無を検出することができる。
【0097】
図5から図9を参照しながら説明すると、例えば、全ての数字キー14が押下されていない状態においては、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、第1方向D1に伝播し、[1]キー、[2]キー及び[3]キー([ ]内の数字は、数字キー14における数字を示す)に対応する変換部Hにおける第1透過部53を透過して、第1受光部G1(1)に受光される。
【0098】
また、[1]キーのみが押下されている状態においては、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、[1]キーに対応する変換部Hにおいて伝播方向を90度変換されて、第2方向D2に伝播する。その後、[4]キー及び[7]キーに対応する変換部Hにおける第2透過部54を透過して、第2受光部G2(1)に受光される。
【0099】
また、[1]キー及び[4]キーが押下されている状態においては、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、まず、[1]キーに対応する変換部Hにおいて伝播方向を90度変換されて、第2方向D2に伝播する。次に、[4]キーに対応する変換部Hにおいて伝播方向を90度変換されて、再度、第1方向D1に伝播する。その後、[5]キー及び[6]キーに対応する変換部Hにおける第1透過部53を透過して、第1受光部G1(2)に受光される。
【0100】
説明を省略するが、同様にして、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、いずれの数字キー(1又は複数)が押下されたとしても、第1受光部G1(1)〜G1(3)又は第2受光部G2(1)〜G2(3)のいずれかに受光される。
また、第1発光部F1(1)以外の発光部〔第1発光部F1(2)、第2発光部F2(1)等〕から発光された光Rについても、同様に、第1受光部G1(1)〜G1(3)又は第2受光部G2(1)〜G2(3)のいずれかに受光される。
【0101】
第1実施形態の携帯電話機1によれば、例えば下記の各効果が奏される。
第1実施形態の携帯電話機1においては、1又は複数のキーが押下されている間に、第1受光部G1及び第2受光部G2それぞれにおいて、変換部Hを介して伝播する光Rの受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光Rが発光された第1発光部F1又は第2発光部F2を特定することにより、キーの押下の有無を検出している。
【0102】
そのため、電気回路を用いたキー押下検出装置とは異なり、キー構造部40の下面側に電気回路(導電体)が存在しないため、スイッチングノイズが発生しにくい。そのため、従来、アンテナを配設することができなかったキー構造部40の近傍、例えば、光スイッチ基板50とシールドケース60との間にアンテナシートP1を配設することができる。
また、キーの押下の有無の検出に光を利用しているため、キーの押下の検出時間が短い。
【0103】
また、1つのキーのみが押下されていることを検出できるだけでなく、複数のキーが押下されていること(多重押下)も容易に且つ確実に検出することができる。多重押下を確実に検出することができれば、キーに代表される入力手段の簡略化及び高度化を実現することができる。また、ロケーション検出も容易である。なお、従来のマトリックス状の電気回路を用いたキー押下検出装置では、多重押下を検出することは容易ではない。
【0104】
従来のマトリックス状の電気回路を用いた場合に比べて、キー押下検出装置Kにおいて電気接点を少なく或いはなくすことができるため、キーの押下耐用回数を向上させることができる。
キーの隙間から進入する静電気に起因する静電気破壊を抑制できる。
マトリックス状の電気回路を少なく或いはなくすことができるため、スキャン時に発生する高周波帯域への感度抑圧が発生しにくい。
【0105】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、第1発光部F1と変換部Hとの間、第2発光部F2と変換部Hとの間などに、導光部56が配置されているため、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光された光を、より確実に第1受光部G1又は第2受光部G2に向けて伝播させることができる。また、導光部56を形成する素材によっては、導光部56を湾曲させて、光の経路を湾曲させることもできる。
【0106】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、導光部56が光放出部57を備えているため、光放出部57から放出された光をキー等の照明や電飾に用いることができる。
【0107】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光は、互いに異なる波長を有していてもよい。これにより、導光部56に光放出部57を設けた場合に、異なる波長の光、即ち様々な色の光を光放出部57から放出させて、キーの照明などに用いることができる。
【0108】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成について同じ符号を付し、説明を省略する。第2実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0109】
第2実施形態の携帯電話機は、第1実施形態の携帯電話機1に比して、発光部から発光される光が、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光される点が主として異なる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
以下に、第2実施形態における特徴部分について詳述する。
【0110】
第2実施形態においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光は、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光される。ここで、「互いに近い波長」とは、第1受光部G1又は第2受光部G2が複数の光を実質的に同時に受光した場合に、当該複数の光を互いに異なる光とは認識できない波長、即ち、受光された光を発光した発光部を識別できない波長を有する光をいう。
【0111】
第2実施形態は、受光された光を発光した発光部を識別できない波長を有する光について、発光のタイミングを異ならせている。異なる発光部における発光の間隔は、動体視力では認識できない程の短時間でよい。
また、受光部においては、発光のタイミングに合わせて、受光した光を検出する。
【0112】
第2実施形態の携帯電話機1によれば、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光は、互いに異なるタイミングで発光される。そのため、複数の発光部の光源を共通化することができる。
また、すべての発光部を同時に発光させることに起因する電圧低下を抑制することができる。
【0113】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に制限されるものではない。
例えば、第1方向と第2方向D2とは、前記各実施形態においては、操作部側筐体2の厚み方向に視た場合に直交しているが、これに制限されず、直角以外の角度で交差していてもよい。
また、光ファイバーからなる導光部56のように、直線状以外の導光部56を用いた場合には、各キーの配置は、マトリックス状に制限されず、若干ずらすこともできる。
【0114】
前記各実施形態における変換部Hは、光を反射させることにより光の伝播方向を変換しているが、これに制限されず、光を屈折させることにより光の伝播方向を変換することもできる。光を屈折させる変換部Hは、例えば、プリズムや光ファイバーを利用することにより実現することができる。
【0115】
前記各実施形態においては、発光部として、第1方向D1に伝播する光を発光する第1発光部F1とは別に、「第2方向D2に伝播する光を、第1方向D1に伝播する光と交差するように発光する第2発光部F2」を備えているが、キー、即ち変換部Hが第2方向D2のみに配列されているときは、第2発光部F2は、必ずしも備えていなくてもよい。
【0116】
更に、押下を検出すべきキーが1つの場合には、第1発光部F1、変換部H、第1受光部G1及び第2受光部G2をそれぞれ1つのみ設けた形態とすることができる。更に、第1受光部G1或いは第2受光部G2のいずれか一方のみを設け、発光した光の検出の有無によってキーの押下を検出できるようにしてもよい。
【0117】
連結部4は、前記実施形態においては、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結しているが、これに制限されず、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結すると共に、開閉軸に直交する回動軸を中心に回動可能に連結するいわゆる2軸ヒンジ機構を備えていてもよい。
【0118】
また、本発明に係る携帯電話機は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の携帯電話機であってもよい。また、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(リボルバ)の携帯電話機であってもよい。
【0119】
本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができ、また、携帯電子機器以外の電子機器にも適用することができる。また、本発明は、携帯電話機以外の通信機器に適用することもできる。
携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、操作部を備えるELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。
【0120】
携帯電子機器以外の電子機器としては、例えば、電子辞書、電卓、電子手帳、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラジオ等が挙げられる。
その他の通信機器としては、例えば、ワンセグチューナーやデジタルラジオチューナーを備えた通信機器が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】第1実施形態の携帯電話機1を開いた状態で示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図3】図1に示す表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図4】図2に示すキー構造部40の分解斜視図である。
【図5】入力操作キー14のうちの1から9の数字キーと、発光部F1,F2及び受光部G1,G2の一部とを示す模式図である。
【図6】発光部F1,F2から発光された光Rの伝播方向を示す模式図である。
【図7】変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるA−A断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるB−B断面)である。
【図8】変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるC−C断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるD−D断面)である。
【図9】変換部Hの連結体51を操作部側筐体2の厚み方向に視た模式的平面図で、(a)は反射体52を示す図、(b)は第1透過部53を示す図、(c)は第2透過部54を示す図である。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ光放出部57aから57cの構成の例を示す模式的断面図である。
【図11】機能設定操作キー13及び決定操作キー15と、これらのキー13,15の押下の検出に係る発光部F1,F2及び受光部G1,G2とを示す模式図(図5対応図)である。
【符号の説明】
【0122】
1 携帯電話機(電子機器、通信機器)
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 連結部
14 入力操作キー(数字キー、キー、被覆部材)
51 連結体
52 反射体
53 第1透過部
54 第2透過部
55 収納部
56 導光部
57 光放出部
D1 第1方向
D2 第2方向
F1 第1発光部
F2 第2発光部
G1 第1受光部
G2 第2受光部
H 変換部
K キー押下検出装置
P1 アンテナシート
R 光
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーの押下を利用した入力手段を備えた電子機器などの機器に設けられ、該キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置、並びにこれを備えた電子機器及び通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器は、数字キーなどのキーの押下を利用した入力手段を備えている。従来の入力手段においては、マトリックス状(行列状)に形成された電気回路を利用して、キーの押下の有無を検出していた(以下、キーの押下の有無を検出する装置を「キー押下検出装置」という)。つまり、従来のキー押下検出装置においては、マトリックス状に形成された電気回路における特定部位のスキャンを行い、キーの押下による検出電圧の差異を検出することによって、押下されたキーを特定していた(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
また、通信機器としての電子機器には、通信用送受信アンテナ、通信用ダイバーシチアンテナ、FMラジオ受信アンテナ、TV受信アンテナ、GPS受信アンテナ、ブルートゥース送受信アンテナ、フェリカ送受信アンテナなどの複数のアンテナが内蔵されていることがある。
また、電子機器には、回路基板が搭載されており、回路基板上に、無線送受信回路、信号変換回路、制御回路、電源回路、インターフェース回路等の種々の電気回路が搭載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−186607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した入力手段においては、マトリックス状に形成された電気回路からスイッチングノイズが発生する。そのため、キー押下検出装置においては、スイッチングノイズが干渉しないように、例えば、アンテナを構成する部材と電気回路などの導電体との位置関係を適切に設定したり、シールド部材を配する等の対策を講じる必要がある。
【0006】
具体的には、例えば、折り畳み型の携帯電話機においては、その表面構成物として、表示装置、キー入力装置、電池(及びその蓋)、音響入出力装置、カメラ装置、外部I/F装置などが設けられているが、いずれもアンテナを構成する部材とは重複しない位置に配置されている。小型化、軽量化、薄型化などが進む携帯電話機においては、アンテナと他の表面構成物との分離、つまりアンテナと導電体との分離が必要となるが、アンテナを配置可能な領域は限られており、設計の自由度は低い。
【0007】
従って、本発明の目的は、キーの押下を利用した入力手段を備えた電子機器などの機器に設けられ、該キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置において、前記機器における設計の自由度を高めることが可能なキー押下検出装置、並びにこれを備えた電子機器及び通信機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、前記第1方向以外の第2方向に伝播する光を、前記第1方向に伝播する光と交差するように発光するn個(nは2以上の整数)の第2発光部と、前記m個の第1発光部及び前記n個の前記第2発光部のすべてが同時に光を発光した場合における前記第1方向に伝播する光と前記第2方向に伝播する光との交点にそれぞれ設けられ、且つ、光の伝播方向を前記第1方向から前記第2方向に又は該第2方向から該第1方向に変換し得る複数の変換部と、前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともn個の第2受光部と、前記複数の変換部にそれぞれ対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する複数のキーと、を備え、1又は複数の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びn個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部又は前記第2発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置に関する。
【0009】
また、前記変換部は、前記光を屈折させるか又は反射させることにより該光の伝播方向を変換することが好ましい。
【0010】
また、前記第1発光部と前記変換部との間、前記第2発光部と前記変換部との間、隣接した前記変換部同士の間、前記変換部と前記第1受光部との間及び前記変換部と前記第2受光部との間の一部又は全部には、前記光が導かれる導光部が配置されていることが好ましい。
【0011】
また、前記導光部は、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなることが好ましい。
【0012】
また、前記導光部は、前記第1方向及び前記第2方向以外の第3方向に前記光の一部が放出される光放出部を備えていることが好ましい。
【0013】
また、光透過性の被覆部材が前記導光部を被覆するように設けられており、前記光放出部から放出された前記光が前記被覆部材を透過することが好ましい。
【0014】
また、前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、互いに異なる波長を有していることが好ましい。
【0015】
また、前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光されることが好ましい。
【0016】
本発明は、第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、前記m個の第1発光部から発光された光の伝播方向を、該第1方向以外の第2方向に変換し得るm個の変換部と、前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第2受光部と、前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定するm個キーと、を備え、1の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びm個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置に関する。
【0017】
本発明は、光を発光する1の第1発光部と、前記第1発光部から発光された光の伝播方向を変換し得る1の変換部と、前記変換部において伝播方向が変換されなかった光を受光する第1受光部と、前記変換部において伝播方向が変換された光を受光する第2受光部と、前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する1のキーと、を備え、前記キーが押下されている間に、前記第1受光部及び前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置に関する。
【0018】
本発明は、前記キー押下検出装置と、電気回路と、を備えた電子機器に関する。
【0019】
本発明は、前記キー押下検出装置と、アンテナと、を備えた通信機器に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、キーの押下を利用した入力手段を備えた電子機器、通信機器などの機器に設けられ、該キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置において、前記機器における設計の自由度を高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の電子機器及び通信機器の第1実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1から図4を参照しながら説明する。第1実施形態の携帯電話機1は、本発明のキー押下検出装置の一実施形態を備えている。
図1は、第1実施形態の携帯電話機1を開いた状態で示す外観斜視図である。図2は、図1に示す操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。図3は、図1に示す表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。図4は、図2に示すキー構造部40の分解斜視図である。
【0022】
図1に例示的に示すように、第1実施形態の携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3とを備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して、開閉軸(図示せず)を中心に開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。
【0023】
つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態(開状態)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態)とにすることができる。ここで、閉状態とは、両筐体2,3が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体2,3が互いに重ならないように配置された状態をいう。
【0024】
図1及び図2に例示的に示すように、操作部側筐体2の外面は、フロントケース2a及びリアケース2bにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイクとしての音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
【0025】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。
図1に例示的に示すように、入力操作キー14は、5行×3列にマトリックス状(行列状)に配列して、計15個設けられている。15個の入力操作キー14には、0〜9の数字キー、「*」、「#」等が含まれる。
【0026】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、あるいは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0027】
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
【0028】
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
【0029】
図1及び図3に例示的に示すように、表示部側筐体3は、フロントケース3aと、フロントパネル3bと、リアパネル3cと、リアケース3dとを備える。表示部側筐体3におけるフロントケース3aには、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバとしての音声出力部22とが露出するように配置される。ここで、表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
【0030】
携帯電話機1は複数の機能を有する。携帯電話機1は、地上デジタル放送受信制御をする機能や、AMラジオ放送受信制御をする機能や、FMラジオ放送受信制御をする機能や、メイン電源制御機能(オン/オフ制御機能)等を有する。
【0031】
次いで、図2から図4を参照しながら、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。
【0032】
まず、操作部側筐体2の内部構造について説明する。
図2に例示的に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、光スイッチ基板50と、アンテナシートP1と、シールドケース60と、基準電位パターン層75及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、バッテリQとを備える。
第1実施形態におけるキー押下検出装置Kは、キー構造部40及び光スイッチ基板50を主体として構成される。キー押下検出装置Kの詳細については後述する。
【0033】
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、光スイッチ基板50と、アンテナシートP1と、シールドケース60と、回路基板70とが挟まれるようにして内蔵される。
【0034】
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、開口部としてのキー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出される。この露出した機能設定操作キー部材13b、入力操作キー部材14b及び決定操作キー部材15bの押圧面を押下することで、対応する変換部H(後述)が押下される。
【0035】
図4に例示的に示すように、キー構造部40は、操作部材40Aと、キーフレーム40Bと、キーシート40Cとから構成される。
操作部材40Aは、複数のキー操作部材から構成される。具体的には、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとから構成される。操作部材40Aを構成する各操作キー部材は、後述するキーフレーム40Bを挟んでキーシート40Cに接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材における押圧面は、上述の通り、キー孔13a、14a、15aそれぞれから外部に露出して配置される。
【0036】
キーフレーム40Bは、孔部14cが複数形成された金属性の板状部材である。キーフレーム40Bは、入力操作キー部材14bの押圧による回路基板70等への悪影響を防ぐための補強部材である。この場合、キーフレーム40Bは、アンテナとして利用することもできる。
キーフレーム40Bに形成される複数の孔部14cには、後述するキーシート40Cに形成される凸部14dが嵌合するように配置される。そして、この凸部14dに入力操作キー部材14bが接着される。
【0037】
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、複数の凸部14dが形成される。複数の凸部14dは、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。この複数の凸部14dそれぞれは、後述する変換部Hに対応する位置に形成される。
【0038】
機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、光透過性の部材からなり、そのため、後述するように導光部56の光放出部57から放出された光を、キーの照明に利用することができる。
【0039】
光スイッチ基板50は、光学的な作用によるスイッチが搭載された基板であり、キーシート40C側に、第1発光部F1と、第2発光部F2と、変換部Hと、第1受光部G1と、第2受光部G2とを備える。複数の変換部Hは、それぞれ、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。なお、図2においては、入力操作キー14に関する変換部H等のみを図示しており、機能設定操作キー13と及び決定操作キー15に関する変換部H等については図示を省略している。
変換部Hの詳細な構成については後述する。
【0040】
アンテナシートP1は、シート状のアンテナであり、例えば、シート状の絶縁体の基材に、アンテナを形成する配線がプリントされて形成される。絶縁体の基材は、シールドケース60とアンテナを形成する配線とを間に十分な距離を確保し、絶縁を図るための部材である。
アンテナシートP1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを開いた状態において最大利得が得られるため、例えば、通信用送受信アンテナ、通信用ダイバーシチアンテナ、FMラジオ受信アンテナ、TV受信アンテナ、GPS受信アンテナとして、効果的に利用できる。
【0041】
シールドケース60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。シールドケース60は、光スイッチ基板50及びアンテナシートP1の載置面となる平板部61と、平板部61における開口側の面に略垂直に形成されるリブ62とを備える。リブ62は、回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。具体的には、シールドケース60が回路基板70に載置された状態で、基準電位パターン層75上に配置されるようにリブ62が形成される。
【0042】
なお、シールドケース60は、その全体を金属から構成することができる他、その骨格が樹脂から形成され、該骨格の表面に導体膜を形成して構成することもできる。
また、光スイッチ基板50がシールドケース60における平板部61に載置されるので、操作部材40Aそれぞれが押圧されることによる圧力や撓みは、シールドケース60の下方に配置される回路基板70に伝達されにくい。
【0043】
シールドケース60は、リブ62の底面が基準電位パターン層75に当接されることで、基準電位パターン層75と電気的に接続される。シールドケース60は、基準電位パターン層75と電気的に導通して該基準電位パターン層75と同じ高さの電位を有するようになる。
【0044】
シールドケース60は、外部からの高周波等のノイズが回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出されるノイズを遮蔽して、他の電子部品やアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。具体的には、シールドケース60におけるリブ62の底面が基準電位パターン層75上に配置されることで、各回路は、リブ62により囲われると共に平板部61の一部により覆われる。リブ62は、各回路における隔壁として機能し、平板部61の一部と共に各回路をシールドする。
【0045】
回路基板70には、非図示の各種電子部品や回路が配置される。各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0046】
回路基板70におけるシールドケース60側の第1面70aには、上述の各種電子部品の他、基準電位部を構成する基準電位パターン層75が形成される。基準電位パターン層75は、上述の各回路ブロックを区画するように形成される。基準電位パターン層75は、回路基板70の第1面70aの表面に導電性の部材を所定パターンで印刷することで形成される。
【0047】
メインアンテナP2は、基台上に所定形状のアンテナエレメントが配置されることにより構成される。メインアンテナP2は、携帯電話機1における連結部4側と反対の端部側に配置される。このメインアンテナP2のアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。また、メインアンテナP2は、不図示の給電端子を介して回路基板70から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介して回路基板70から給電されると共に、回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0048】
TV受信アンテナP3は、地上デジタル放送としてのいわゆるワンセグ放送の電波を受信する。TV受信アンテナP3は、操作部側筐体2に脱出自在に設けられる。
【0049】
リアケース2bの一端側には、取り外し可能なバッテリリッド2cが設けられている。バッテリリッド2cは、バッテリQをリアケース2bの外側から収納した後、リアケース2bに装着される。また、リアケース2bにおける一端側には、ユーザの音声を入力する音声入力部12のマイク(図示せず)が収容される。
【0050】
次に、表示部側筐体3の内部構造について説明する。
図3に例示的に示すように、表示部側筐体3は、フロントケース3aと、音声出力部22と、フロントパネル3bと、表示部21と、表示部21が接続されたプリント基板(図示せず)と、リアパネル3cと、リアケース3dとを備える。
【0051】
表示部側筐体3においては、フロントケース3aと、フロントパネル3bと、表示部21と、前記プリント基板と、リアパネル3cと、リアケース3dとが積層的に配置される。具体的には、フロントケース3aとリアケース3dとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。そして、フロントケース3aとリアケース3dとの間には、表示部21が接続された前記プリント基板が挟まれるようにして内蔵される。前記プリント基板には、アンプと接続されるスピーカ(いずれも図示せず)が接続される。
【0052】
次に、第1実施形態におけるキー押下検出装置Kについて、図5から図9を参照しながら詳述する。キー押下検出装置Kは、キー構造部40及び光スイッチ基板50を主体として構成される。
図5は、入力操作キー14のうちの1から9の数字キーと、発光部F1,F2及び受光部G1,G2の一部とを示す模式図である。図6は、発光部F1,F2から発光された光Rの伝播方向を示す模式図である。
【0053】
図5及び図6に例示的に示すように、第1実施形態におけるキー押下検出装置Kは、1又は複数のキー(例えば、数字キー14)が押下されている間に、m個の第1受光部G1及びn個の第2受光部G2それぞれにおいて、変換部Hを介して伝播する光Rの受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光Rが発光された第1発光部F1又は第2発光部F2を特定することにより、キー14の押下の有無を検出する装置である。
【0054】
なお、図5においては、説明の便宜上、入力操作キー14のうちの1から9の数字キーと、第1発光部F1及び第2発光部F2並びに第1受光部G1及び第2受光部G2の一部を模式的に示しており、1から9の数字キー以外のキー(例えば、0、*、#のキー)については、図示を省略している。
【0055】
また、図6においても、説明の便宜上、第1発光部F1及び第2発光部F2、変換部H、並びに第1受光部G1及び第2受光部G2の一部を模式的に示している。
以下、図5及び図6を参照しながら、1から9の数字キーで代表して、キー押下検出装置Kの構成、動作などについて説明するが、1から9の数字キー以外のキーの構成、動作なども同様である。
【0056】
図5及び図6に例示的に示すように、第1実施形態におけるキー押下検出装置Kは、第1発光部F1と、第2発光部F2と、変換部Hと、第1受光部G1と、第2受光部G2、導光部56とを備える。なお、以下の説明において、第1発光部F1及び第2発光部F2に共通する説明を行う場合には、「発光部」の表現を用いることがある。また、第1受光部G1及び第2受光部G2に共通する説明を行う場合には、「受光部」の表現を用いることがある。
【0057】
第1発光部F1は、第1方向D1に伝播する光Rを発光するもので、m個(mは1以上の整数)設けられている。
第2発光部F2は、第1方向D1以外の第2方向D2に伝播する光Rを、第1方向D1に伝播する光Rと交差するように発光するもので、n個(nは2以上の整数)設けられている。
第1発光部F1及び第2受光部G2の光源としては、例えば、レーザ発振器、発光ダイオード(LED)、白熱電球、冷陰極管が挙げられる。
なお、第1発光部F1及び第2発光部F2は、光源(自身が発光するもの)に制限されず、光源から伝播された光を発光するものも含む。
【0058】
変換部Hは、m個の第1発光部F1及びn個の第2発光部F2のすべてが同時に光を発光した場合における第1方向D1に伝播する光Rと第2方向D2に伝播する光Rとの交点にそれぞれ設けられている。変換部Hは、光Rの伝播方向を第1方向D1から第2方向D2に又は第2方向D2から第1方向D1に変換し得る。
なお、「光Rの伝播方向を変換する」には、例えば、導光部56を形成する光ファイバー(後述)が湾曲していること等により、部分的に光の経路の向きが変わる場合を含まない。
【0059】
第1受光部G1は、変換部Hを介して第1方向D1に伝播する光Rを受光するもので、少なくともm個設けられている。
第2受光部G2は、変換部Hを介して第2方向D2に伝播する光Rを受光するもので、少なくともn個設けられている。
第1受光部G1及び第2受光部G2は、第1発光部F1及び第2受光部G2の光源に対応するものが適宜選択されて使用される。
【0060】
導光部56は、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光された光Rを導くことが可能な部位であり、第1発光部F1と変換部Hとの間、第2発光部F2と変換部Hとの間、隣接した変換部H,H同士の間、変換部Hと第1受光部G1との間及び変換部Hと第2受光部G2との間の一部又は全部に配置されている。
【0061】
本実施形態における第1方向D1、第2方向D2、第1発光部F1、第2発光部F2、変換部H、第1受光部G1及び第2受光部G2は、以下の通りである。
第1方向D1は、操作部側筐体2の幅方向(図1における略左右方向)であり、第2方向D2は、操作部側筐体2の長手方向(図1における略上下方向)である。従って、操作部側筐体2を厚み方向に平面視した場合に、第1方向D1と第2方向D2とは直交する。尚、第1方向D1と第2方向D2とは必ずしも直交している必要はなく、例えば、第1方向D1と第2方向D2とのなす角が60°になるようにしてもよい。
【0062】
図2に例示的に示すように、第1発光部F1は、入力操作キー14の行数(5行)に対応して5個設けられる。図5及び図6においては、1、4及び7の数字キーに対応する3個の第1発光部F1のみが図示されている。便宜上、3個の第1発光部F1については、1、4及び7の数字キーに対応する順に、F1(1)、F1(2)及びF1(3)という。
【0063】
第2発光部F2は、入力操作キー14の列数(3列)に対応して3個設けられる。第2発光部F2は、1、2及び3の数字キーに対応している。便宜上、3個の第2発光部F2については、1、2及び3の数字キーに対応する順に、F2(1)、F2(2)及びF3(3)という。
【0064】
第1受光部G1は、第1発光部F1から発光された光Rの伝播方向が変換部Hによって変換されない場合に、第1発光部F1から発光された光Rが到達する位置にそれぞれ設けられる。従って、第1受光部G1は、入力操作キー14の行数(5行)に対応して5個設けられる。図5及び図6においては、3、6及び9の数字キーに対応する3個の第1受光部G1のみが図示されている。便宜上、3個の第1受光部G1については、3、6及び9の数字キーに対応する順に、G1(1)、G1(2)及びG1(3)という。
【0065】
第2受光部G2は、第2発光部F2から発光された光Rの伝播方向が変換部Hによって変換されない場合に、第2発光部F2から発光された光Rが到達する位置にそれぞれ設けられる。従って、第2受光部G2は、入力操作キー14の列数(3列)に対応して3個設けられる。第2受光部G2は、7、8及び9の数字キーに対応している。便宜上、3個の第2受光部G2については、7、8及び9の数字キーに対応する順に、G2(1)、G2(2)及びG2(3)という。
【0066】
図2に例示的に示すように、変換部Hは、5個の第1発光部F1及び3個の第2発光部F2のすべてが同時に光を発光した場合における第1方向D1に伝播する光Rと第2方向D2に伝播する光Rとの交点にそれぞれ設けられている。つまり、変換部Hは、入力操作キー(数字キー)14に対応する位置に、5行×3列にマトリックス状(行列状)に配列して、計15個設けられる。図5及び図6においては、1から9の数字キーに対応する9個の変換部Hのみが図示されている。
【0067】
変換部Hは、光Rを屈折させるか又は反射させることにより光Rの伝播方向を変換する。本実施形態における変換部Hは、後述するように反射体52を備えており、反射体52により光Rを反射させることにより光Rの伝播方向を変換する。
【0068】
次に、変換部Hの詳細について、図7から図9を参照しながら説明する。
図7は、変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるA−A断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるB−B断面)である。
【0069】
図8は、変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるC−C断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるD−D断面)である。
図9は、変換部Hの連結体51を操作部側筐体2の厚み方向に視た模式的平面図で、(a)は反射体52を示す図、(b)は第1透過部53を示す図、(c)は第2透過部54を示す図である。
【0070】
図7から図9に例示的に示すように、変換部Hは、連結体51及び収納部55を備える。連結体51は、入力操作キー14の内面側(押圧面とは反対側)に連結されている。連結体51は、反射体52、第1透過部53及び第2透過部54を備える。反射体52は、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光された光を反射する部材であり、第1方向D1及び第2方向D2と45度の角度を形成するように、入力操作キー14の内面側に連結されている。
【0071】
従って、反射体52によれば、第1方向D1に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を第2方向D2に変換することができる〔図6において第1発光部F1(1)から発光された光Rを参照〕と共に、第2方向D2に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を第1方向D1に変換することができる〔図6において第2発光部F2(1)から発光された光Rを参照〕。
反射体52によって反射された光Rの伝播方向は、第1受光部G1又は第2受光部G2に向かう方向である。
反射体52は、例えば、鏡、樹脂反射体(多孔質PTFE等)から形成される。
【0072】
第1透過部53は、第1方向D1に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を変換することなく、その光Rを第1方向D1に出力することができる〔図6において第1発光部F1(2)から発光された光Rを参照〕。一方、第1方向D1以外の方向(例えば、第2方向D2)に伝播されている光が入力されても、その光を実質的に透過しない。
第1透過部53は、例えば、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる。第1透過部53は、反射体52における入力操作キー14とは反対側に連結されている。
【0073】
第2透過部54は、第2方向D2に伝播されている光Rが入力されると、その光Rの伝播方向を変換することなく、その光Rを第2方向D2に出力することができる〔図6において第2発光部F2(2)から発光された光Rを参照〕。一方、第2方向D2以外の方向(例えば、第1方向D1)に伝播されている光が入力されても、その光を実質的に透過しない。
第2透過部54は、第1透過部53と同様に、例えば、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる。第2透過部54は、第1透過部53における入力操作キー14とは反対側に連結されている。
【0074】
前述の通り、連結体51は、入力操作キー14の内面側から、反射体52、第1透過部53及び第2透過部54が連結されて構成されている。
【0075】
収納部55は、連結体51を収納する空間であり、入力操作キー14が押下されることに伴って、連結体51も押下されたときに、連結体51の収納空間を確保し、連結体51の押下(移動)を可能とする。収納部55は、光スイッチ基板50における、変換部Hの連結体51に対応する位置に設けられている。
【0076】
図7(a)及び図8(a)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下されていない状態においては、反射体52は収納部55に収納されない。一方、図7(b)及び図8(b)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下されている状態においては、反射体52の全部又は一部が収納部55に収納される。
【0077】
複数の変換部Hは、複数の入力操作キー14にそれぞれ対応して設けられている。言い換えると、入力操作キー14は、複数の変換部Hにそれぞれ対応して設けられている。入力操作キー14は、変換部Hにおいて光Rの伝播方向を変換するか否かを決定する。
【0078】
図7(b)及び図8(b)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下された状態においては、変換部Hに入力される光Rは、反射体52によって伝播方向が90度変換される。従って、当該入力操作キー14に対応する変換部Hは、変換部Hに入力される光Rの伝播方向を変換する〔図6において第1発光部F1(1)から発光された光R及び第2発光部F2(1)から発光された光Rを参照〕。
【0079】
一方、図7(a)及び図8(a)に例示的に示すように、入力操作キー14が押下されていない状態においては、変換部Hに入力される光Rは、第1透過部53又は第2透過部54によって伝播方向が変換されることなく、第1透過部53又は第2透過部54を透過する。従って、当該入力操作キー14に対応する変換部Hは、該変換部Hに入力される光の伝播方向を変換しない。
【0080】
導光部56は、第1発光部F1と変換部Hとの間、第2発光部F2と変換部Hとの間、隣接した変換部H,H同士の間、変換部Hと第1受光部G1との間及び変換部Hと第2受光部G2との間の全部に配置されている。
導光部56は、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる。
【0081】
第1透過部53、第2透過部54、導光部56などにおいて、ガラスが用いられた光ファイバーを構成するガラスとしては、例えばシリカガラスが挙げられる。プラスチックが用いられた光ファイバーとしては、例えば、コア材がメタクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)からなり、クラッド材がフッ素系ポリマーからなるものが挙げられる。
【0082】
連結体51において、第1透過部53と第2透過部54とは、操作部側筐体2の厚み方向の位置が異なる。これに対応して、光Rを第1方向D1に導く導光部56と光Rを第2方向D2に導く導光部56とは、操作部側筐体2の厚み方向の位置が異なる。光Rを第1方向D1に導く導光部56は、光Rを第2方向D2に導く導光部56よりも、入力操作キー14に近い位置に配置している。
【0083】
導光部56における入力部56aは、光Rが入力される部位であり、連結体51に対面している。入力部56aは、反射体52、第1透過部53及び第2透過部54のいずれに対面した場合においても、連結体51から出力された光Rを入力可能なように、面積が導光部56の出力部(光Rが出力される部位)の面積よりも大きくなっている。また、入力部56aは、光Rの伝播方向に向けて窄まっており、入力部56aに入力された光Rは、その入力位置に拘わらず集光されて、導光部56によって導かれる。
【0084】
図6に例示的に示すように、導光部56は光放出部57を備えている。光放出部57は、第1方向D1及び第2方向D2以外の第3の方向に光Rの一部が放出される部位である。光放出部57の位置は、放出される光Rの利用形態により適宜設定される。図10(a)〜(c)は、それぞれ光放出部57aから57cの構成の例を示す模式的断面図である。
【0085】
図10(a)に示す例では、入力操作キー14の直下に位置する第1透過部53は、並列的に配列された複数の光ファイバーからなる。この複数の光ファイバーのうち、他の光ファイバーに比べて入力操作キー14に近い側に位置する一部の光ファイバーに、光放出部57aを設けている。光放出部57aは、前述の一部の光ファイバーにおいて、光ファイバーのコア部材を被覆するクラッド材の一部に切欠きを設けることにより形成される。これにより、一部の光ファイバーは、コア部材が部分的に露出する領域を有することとなり、この露出領域から光Rの一部が放出される。
【0086】
そして、このコア部材が部分的に露出する領域を、入力操作キー14の直下あるいはその近傍に位置させた場合に、放出された一部の光Rが、入力操作キー14を照射する照明として機能する。
なお、上述の例では入力操作キー14が押下されると、切欠きが設けられた第1透過部53に光が入射しなくなることから、押下された入力操作キー14は点灯しないこととなる。これを利用して、複数の入力操作キー14ごとの押下の有無と、入力操作キー14の点灯の有無とを連動させることができる。これにより、ユーザは、複数の入力操作キー14のうち、ユーザが現に押下している入力操作キー14を視覚的に認識することが容易となる。
【0087】
或いは、図10(b)、図5及び図6に示すように、入力操作キー14の[1]キー([ ]内の数字は、入力操作キー14における数字を示す)に対応する変換部Hと、入力操作キー14の[2]キーに対応する変換部Hとの間に、導光部56を構成する複数の光ファイバーが並列的に配置されている場合には、以下の構成としてもよい。
即ち、複数の光ファイバーのうち、一部の光ファイバーを他の光ファイバーから分離させる。具体的には、導光部56の途中から一部の光ファイバーを引き出して、引き出した一部の光ファイバーの端部を入力操作キー14の[2]キー側に向けて配置する。或いは前記端部を入力操作キー14の[2]キーの内部に挿入させる。引き出した一部の光ファイバーの端部が光放出部57bとして機能する。
【0088】
これにより、一部の光ファイバーに入射した光Rは、導光部56から分離されて、前記端部(光放出部57b)から放出される。そして、放出された一部の光Rは、入力操作キー14を内側から照射する照明として機能する。この場合、入力操作キー14の押下の有無とは連動させずに、入力操作キー14を点灯させることができる。
【0089】
或いは、図10(c)に示すように、導光部56が棒状のアクリル樹脂からなる場合には、アクリル樹脂の内部に部分的に、光散乱粒子からなる散乱材56bや、金属や白色樹脂からなる反射材56cを埋入させてもよい。これにより、導光部56の内部で光Rを散乱材56bや反射材56cに反射させて、導光部56の外部に放出させる光放出部57cを形成することができる。なお、光散乱粒子は、例えば、樹脂からなる粒子の表面に金箔を被着させたものを採用することができる。
【0090】
入力操作キー14は、前述したように光透過性の部材からなり、導光部56を被覆するように設けられている。入力操作キー14は、導光部56を被覆するように設けられた光透過性の被覆部材として機能する。そのため、光放出部57から放出された光が、被覆部材である入力操作キー14を透過することができる。従って、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光され、導光部56に導かれた光Rの一部は、光放出部57を介して入力操作キー14等の照明として利用される。
被覆部材に散乱剤が含有されていると、光が散乱して、被覆部材全体が発光しやすくなる。
【0091】
第1実施形態においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から光Rが同時に発光されるように構成されている。
また、第1実施形態においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光Rは、互いに異なる波長を有している。その理由は以下の通りである。
【0092】
第1実施形態においては、前述の通り、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から光Rが同時に発光されるように構成されている。これによりキーの押下時間が短い場合にもキーの押下の検出が可能となる。
【0093】
機能設定操作キー13及び決定操作キー15についても、入力操作キー14と同様にキー押下検出装置Kによりキー13,15の押下の有無を検出できるように構成されている。
図11は、機能設定操作キー13及び決定操作キー15と、これらのキー13,15の押下の検出に係る発光部F1,F2及び受光部G1,G2とを示す模式図(図5対応図)である。
【0094】
図11に例示的に示すように、機能設定操作キー13及び決定操作キー15は、第2方向D2に3行、第1方向D1に5列のマトリックスの一部を形成している。機能設定操作キー13を構成する4つのキー(機能1キー、機能2キー、通話キー及び終話キー)は、3行×5列のマトリックスの4隅に配置している。決定操作キー15を構成する5つのキー(決定キー、上キー、下キー、左キー及び右キー)については、決定キーが3行×5列のマトリックスの中心に位置し、その他の4つのキーが決定キーに隣接して上下左右に位置する。
【0095】
3行×5列のマトリックスにおけるその他の位置には、機能設定操作キー13及び決定操作キー15は配置されていない。つまり、3行×5列のマトリックスには、キーが配置されない位置を有している。しかしながら、キーをマトリックス状に配置することができれば、キーが配置されない位置を有していたとしても、各キーの検出は可能である。
【0096】
次に、第1実施形態の携帯電話機1におけるキー押下検出装置Kの動作について説明する。キー押下検出装置Kによれば、以下のように、キーの押下の有無を検出することができる。
なお、以下においては、図5から図9を参照しながら、入力操作キー14のうちの1から9の数字キーのみを用いて説明するが、入力操作キー14のうちのその他のキー並びに機能設定操作キー13及び決定操作キー15についても、キーの押下の有無を検出することができる。
【0097】
図5から図9を参照しながら説明すると、例えば、全ての数字キー14が押下されていない状態においては、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、第1方向D1に伝播し、[1]キー、[2]キー及び[3]キー([ ]内の数字は、数字キー14における数字を示す)に対応する変換部Hにおける第1透過部53を透過して、第1受光部G1(1)に受光される。
【0098】
また、[1]キーのみが押下されている状態においては、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、[1]キーに対応する変換部Hにおいて伝播方向を90度変換されて、第2方向D2に伝播する。その後、[4]キー及び[7]キーに対応する変換部Hにおける第2透過部54を透過して、第2受光部G2(1)に受光される。
【0099】
また、[1]キー及び[4]キーが押下されている状態においては、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、まず、[1]キーに対応する変換部Hにおいて伝播方向を90度変換されて、第2方向D2に伝播する。次に、[4]キーに対応する変換部Hにおいて伝播方向を90度変換されて、再度、第1方向D1に伝播する。その後、[5]キー及び[6]キーに対応する変換部Hにおける第1透過部53を透過して、第1受光部G1(2)に受光される。
【0100】
説明を省略するが、同様にして、第1発光部F1(1)から発光された光Rは、いずれの数字キー(1又は複数)が押下されたとしても、第1受光部G1(1)〜G1(3)又は第2受光部G2(1)〜G2(3)のいずれかに受光される。
また、第1発光部F1(1)以外の発光部〔第1発光部F1(2)、第2発光部F2(1)等〕から発光された光Rについても、同様に、第1受光部G1(1)〜G1(3)又は第2受光部G2(1)〜G2(3)のいずれかに受光される。
【0101】
第1実施形態の携帯電話機1によれば、例えば下記の各効果が奏される。
第1実施形態の携帯電話機1においては、1又は複数のキーが押下されている間に、第1受光部G1及び第2受光部G2それぞれにおいて、変換部Hを介して伝播する光Rの受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光Rが発光された第1発光部F1又は第2発光部F2を特定することにより、キーの押下の有無を検出している。
【0102】
そのため、電気回路を用いたキー押下検出装置とは異なり、キー構造部40の下面側に電気回路(導電体)が存在しないため、スイッチングノイズが発生しにくい。そのため、従来、アンテナを配設することができなかったキー構造部40の近傍、例えば、光スイッチ基板50とシールドケース60との間にアンテナシートP1を配設することができる。
また、キーの押下の有無の検出に光を利用しているため、キーの押下の検出時間が短い。
【0103】
また、1つのキーのみが押下されていることを検出できるだけでなく、複数のキーが押下されていること(多重押下)も容易に且つ確実に検出することができる。多重押下を確実に検出することができれば、キーに代表される入力手段の簡略化及び高度化を実現することができる。また、ロケーション検出も容易である。なお、従来のマトリックス状の電気回路を用いたキー押下検出装置では、多重押下を検出することは容易ではない。
【0104】
従来のマトリックス状の電気回路を用いた場合に比べて、キー押下検出装置Kにおいて電気接点を少なく或いはなくすことができるため、キーの押下耐用回数を向上させることができる。
キーの隙間から進入する静電気に起因する静電気破壊を抑制できる。
マトリックス状の電気回路を少なく或いはなくすことができるため、スキャン時に発生する高周波帯域への感度抑圧が発生しにくい。
【0105】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、第1発光部F1と変換部Hとの間、第2発光部F2と変換部Hとの間などに、導光部56が配置されているため、第1発光部F1又は第2発光部F2から発光された光を、より確実に第1受光部G1又は第2受光部G2に向けて伝播させることができる。また、導光部56を形成する素材によっては、導光部56を湾曲させて、光の経路を湾曲させることもできる。
【0106】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、導光部56が光放出部57を備えているため、光放出部57から放出された光をキー等の照明や電飾に用いることができる。
【0107】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光は、互いに異なる波長を有していてもよい。これにより、導光部56に光放出部57を設けた場合に、異なる波長の光、即ち様々な色の光を光放出部57から放出させて、キーの照明などに用いることができる。
【0108】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成について同じ符号を付し、説明を省略する。第2実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0109】
第2実施形態の携帯電話機は、第1実施形態の携帯電話機1に比して、発光部から発光される光が、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光される点が主として異なる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
以下に、第2実施形態における特徴部分について詳述する。
【0110】
第2実施形態においては、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光は、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光される。ここで、「互いに近い波長」とは、第1受光部G1又は第2受光部G2が複数の光を実質的に同時に受光した場合に、当該複数の光を互いに異なる光とは認識できない波長、即ち、受光された光を発光した発光部を識別できない波長を有する光をいう。
【0111】
第2実施形態は、受光された光を発光した発光部を識別できない波長を有する光について、発光のタイミングを異ならせている。異なる発光部における発光の間隔は、動体視力では認識できない程の短時間でよい。
また、受光部においては、発光のタイミングに合わせて、受光した光を検出する。
【0112】
第2実施形態の携帯電話機1によれば、複数の第1発光部F1及び複数の第2発光部F2から発光される光は、互いに異なるタイミングで発光される。そのため、複数の発光部の光源を共通化することができる。
また、すべての発光部を同時に発光させることに起因する電圧低下を抑制することができる。
【0113】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に制限されるものではない。
例えば、第1方向と第2方向D2とは、前記各実施形態においては、操作部側筐体2の厚み方向に視た場合に直交しているが、これに制限されず、直角以外の角度で交差していてもよい。
また、光ファイバーからなる導光部56のように、直線状以外の導光部56を用いた場合には、各キーの配置は、マトリックス状に制限されず、若干ずらすこともできる。
【0114】
前記各実施形態における変換部Hは、光を反射させることにより光の伝播方向を変換しているが、これに制限されず、光を屈折させることにより光の伝播方向を変換することもできる。光を屈折させる変換部Hは、例えば、プリズムや光ファイバーを利用することにより実現することができる。
【0115】
前記各実施形態においては、発光部として、第1方向D1に伝播する光を発光する第1発光部F1とは別に、「第2方向D2に伝播する光を、第1方向D1に伝播する光と交差するように発光する第2発光部F2」を備えているが、キー、即ち変換部Hが第2方向D2のみに配列されているときは、第2発光部F2は、必ずしも備えていなくてもよい。
【0116】
更に、押下を検出すべきキーが1つの場合には、第1発光部F1、変換部H、第1受光部G1及び第2受光部G2をそれぞれ1つのみ設けた形態とすることができる。更に、第1受光部G1或いは第2受光部G2のいずれか一方のみを設け、発光した光の検出の有無によってキーの押下を検出できるようにしてもよい。
【0117】
連結部4は、前記実施形態においては、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結しているが、これに制限されず、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結すると共に、開閉軸に直交する回動軸を中心に回動可能に連結するいわゆる2軸ヒンジ機構を備えていてもよい。
【0118】
また、本発明に係る携帯電話機は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の携帯電話機であってもよい。また、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(リボルバ)の携帯電話機であってもよい。
【0119】
本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができ、また、携帯電子機器以外の電子機器にも適用することができる。また、本発明は、携帯電話機以外の通信機器に適用することもできる。
携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、操作部を備えるELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。
【0120】
携帯電子機器以外の電子機器としては、例えば、電子辞書、電卓、電子手帳、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラジオ等が挙げられる。
その他の通信機器としては、例えば、ワンセグチューナーやデジタルラジオチューナーを備えた通信機器が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】第1実施形態の携帯電話機1を開いた状態で示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図3】図1に示す表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図4】図2に示すキー構造部40の分解斜視図である。
【図5】入力操作キー14のうちの1から9の数字キーと、発光部F1,F2及び受光部G1,G2の一部とを示す模式図である。
【図6】発光部F1,F2から発光された光Rの伝播方向を示す模式図である。
【図7】変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるA−A断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第1方向D1に沿って切断した断面図(図6におけるB−B断面)である。
【図8】変換部Hを操作部側筐体2の厚み方向に切断した模式的断面図で、(a)は、非押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるC−C断面)であり、(b)は、押下状態の入力操作キー14を第2方向D2に沿って切断した断面図(図6におけるD−D断面)である。
【図9】変換部Hの連結体51を操作部側筐体2の厚み方向に視た模式的平面図で、(a)は反射体52を示す図、(b)は第1透過部53を示す図、(c)は第2透過部54を示す図である。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ光放出部57aから57cの構成の例を示す模式的断面図である。
【図11】機能設定操作キー13及び決定操作キー15と、これらのキー13,15の押下の検出に係る発光部F1,F2及び受光部G1,G2とを示す模式図(図5対応図)である。
【符号の説明】
【0122】
1 携帯電話機(電子機器、通信機器)
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 連結部
14 入力操作キー(数字キー、キー、被覆部材)
51 連結体
52 反射体
53 第1透過部
54 第2透過部
55 収納部
56 導光部
57 光放出部
D1 第1方向
D2 第2方向
F1 第1発光部
F2 第2発光部
G1 第1受光部
G2 第2受光部
H 変換部
K キー押下検出装置
P1 アンテナシート
R 光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、
前記第1方向以外の第2方向に伝播する光を、前記第1方向に伝播する光と交差するように発光するn個(nは2以上の整数)の第2発光部と、
前記m個の第1発光部及び前記n個の前記第2発光部のすべてが同時に光を発光した場合における前記第1方向に伝播する光と前記第2方向に伝播する光との交点にそれぞれ設けられ、且つ、光の伝播方向を前記第1方向から前記第2方向に又は該第2方向から該第1方向に変換し得る複数の変換部と、
前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、
前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともn個の第2受光部と、
前記複数の変換部にそれぞれ対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する複数のキーと、を備え、
1又は複数の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びn個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部又は前記第2発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置。
【請求項2】
前記変換部は、前記光を屈折させるか又は反射させることにより該光の伝播方向を変換する請求項1に記載のキー押下検出装置。
【請求項3】
前記第1発光部と前記変換部との間、前記第2発光部と前記変換部との間、隣接した前記変換部同士の間、前記変換部と前記第1受光部との間及び前記変換部と前記第2受光部との間の一部又は全部には、前記光が導かれる導光部が配置されている請求項1または2に記載のキー押下検出装置。
【請求項4】
前記導光部は、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる請求項3に記載のキー押下検出装置。
【請求項5】
前記導光部は、前記第1方向及び前記第2方向以外の第3方向に前記光の一部が放出される光放出部を備えている請求項3または4に記載のキー押下検出装置。
【請求項6】
光透過性の被覆部材が前記導光部を被覆するように設けられており、前記光放出部から放出された前記光が前記被覆部材を透過する請求項5に記載のキー押下検出装置。
【請求項7】
前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、互いに異なる波長を有している請求項1乃至6のいずれかに記載のキー押下検出装置。
【請求項8】
前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光される請求項1乃至6のいずれかに記載のキー押下検出装置。
【請求項9】
第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、
前記m個の第1発光部から発光された光の伝播方向を、該第1方向以外の第2方向に変換し得るm個の変換部と、
前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、
前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第2受光部と、
前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定するm個キーと、を備え、
1の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びm個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置。
【請求項10】
光を発光する1の第1発光部と、
前記第1発光部から発光された光の伝播方向を変換し得る1の変換部と、
前記変換部において伝播方向が変換されなかった光を受光する第1受光部と、
前記変換部において伝播方向が変換された光を受光する第2受光部と、
前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する1のキーと、を備え、
前記キーが押下されている間に、前記第1受光部及び前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載のキー押下検出装置と、
電気回路と、を備えた電子機器。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載のキー押下検出装置と、
アンテナと、を備えた通信機器。
【請求項1】
第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、
前記第1方向以外の第2方向に伝播する光を、前記第1方向に伝播する光と交差するように発光するn個(nは2以上の整数)の第2発光部と、
前記m個の第1発光部及び前記n個の前記第2発光部のすべてが同時に光を発光した場合における前記第1方向に伝播する光と前記第2方向に伝播する光との交点にそれぞれ設けられ、且つ、光の伝播方向を前記第1方向から前記第2方向に又は該第2方向から該第1方向に変換し得る複数の変換部と、
前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、
前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともn個の第2受光部と、
前記複数の変換部にそれぞれ対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する複数のキーと、を備え、
1又は複数の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びn個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部又は前記第2発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置。
【請求項2】
前記変換部は、前記光を屈折させるか又は反射させることにより該光の伝播方向を変換する請求項1に記載のキー押下検出装置。
【請求項3】
前記第1発光部と前記変換部との間、前記第2発光部と前記変換部との間、隣接した前記変換部同士の間、前記変換部と前記第1受光部との間及び前記変換部と前記第2受光部との間の一部又は全部には、前記光が導かれる導光部が配置されている請求項1または2に記載のキー押下検出装置。
【請求項4】
前記導光部は、ガラス又はプラスチックが用いられた光ファイバーからなる請求項3に記載のキー押下検出装置。
【請求項5】
前記導光部は、前記第1方向及び前記第2方向以外の第3方向に前記光の一部が放出される光放出部を備えている請求項3または4に記載のキー押下検出装置。
【請求項6】
光透過性の被覆部材が前記導光部を被覆するように設けられており、前記光放出部から放出された前記光が前記被覆部材を透過する請求項5に記載のキー押下検出装置。
【請求項7】
前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、互いに異なる波長を有している請求項1乃至6のいずれかに記載のキー押下検出装置。
【請求項8】
前記複数の第1発光部及び前記複数の第2発光部から発光される前記光は、同じ波長又は互いに近い波長を有していると共に、互いに異なるタイミングで発光される請求項1乃至6のいずれかに記載のキー押下検出装置。
【請求項9】
第1方向に伝播する光を発光するm個(mは1以上の整数)の第1発光部と、
前記m個の第1発光部から発光された光の伝播方向を、該第1方向以外の第2方向に変換し得るm個の変換部と、
前記変換部を介して前記第1方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第1受光部と、
前記変換部を介して前記第2方向に伝播する光を受光する少なくともm個の第2受光部と、
前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定するm個キーと、を備え、
1の前記キーが押下されている間に、m個の前記第1受光部及びm個の前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出すると共に、受光が有った場合に当該光が発光された前記第1発光部を特定することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置。
【請求項10】
光を発光する1の第1発光部と、
前記第1発光部から発光された光の伝播方向を変換し得る1の変換部と、
前記変換部において伝播方向が変換されなかった光を受光する第1受光部と、
前記変換部において伝播方向が変換された光を受光する第2受光部と、
前記変換部に対応して設けられ、該変換部において光の伝播方向を変換するか否かを決定する1のキーと、を備え、
前記キーが押下されている間に、前記第1受光部及び前記第2受光部それぞれにおいて、前記変換部を介して伝播する光の受光の有無を検出することにより、前記キーの押下の有無を検出するキー押下検出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載のキー押下検出装置と、
電気回路と、を備えた電子機器。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載のキー押下検出装置と、
アンテナと、を備えた通信機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−231092(P2009−231092A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75869(P2008−75869)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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