説明

クライアントデバイスのディスプレイ特性をサーバー主体で制御するシステム

【課題】クライアントディスプレイモードを制御するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】電子装置は、インターフェロメトリック変調器のアレイと、インターフェロメトリック変調器のアレイのためのアレイドライバとを含む。アレイドライバは、映像データの一部をインタレースフォーマットとして識別するために、少なくともその一部がインタレースフォーマットである映像データを受信するように構成され、識別された映像データをインターフェロメトリック変調器のアレイに関するインタレースフォーマットに変換するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気機械システム(MEMS)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械要素は、基板及び/又は蒸着させた材料層の一部をエッチングによって除去するか又は材料層を追加することによって電気デバイス及び電気機械デバイスを形成する、蒸着、エッチング、及び/又はその他のマイクロ加工プロセスを用いて製作することができる。MEMSデバイスの1つの型はインターフェロメトリック変調器(interferometric modulator)と呼ばれている。インターフェロメトリック変調器は、一対の伝導性プレートを具備しており、これらのプレートの1方又は両方は、全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号を加えると相対運動をすることができる。1方のプレートは、基板上に蒸着された静止層を具備しており、他方のプレートは、エアギャップによって該静止層から分離された金属膜を具備している。これらのデバイスは非常に広範な用途を有しており、当業においては、既存製品を改良する際に及びまだ開発されていない新製品を製造する際にこれらの型のデバイスの特長を活用できるようにするためにこれらの型のデバイスの特性を利用及び/又は変更することが有益になる。例えば、双安定ディスプレイは、大変小さいエネルギ消費ではるかに長い時間の間、データを表示する能力をもっている。双安定ディスプレイを使用すれば、例えば、インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイによって、革新的なリフレッシュと、現在のディスプレイにおいてディスプレイをリフレッシュする必要が無いことを利用できるモードを更新することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは各々がいくつかの側面を有しており、いずれの単一の側面も、望ましい属性を確保する役割を単独で果たしているわけではない。以下では、本発明の適用範囲を限定することなしに、本発明のより顕著な特長について概説する。当業者は、該説明を検討後に、そして特に「発明を実施するための最良の形態」という題名の部分を読んだ後に、本発明の特長がその他のディスプレイデバイスよりもいかに優れているかを理解することになる。
【0004】
1つの実施形態は、インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイに関して情報を表示する方法を含む。当該方法は、データ表示のインタレースモードとデータ表示のノンインタレースモードをもつデバイスで映像データを受信することを具備する。当該方法は、前記映像データの一部をインタレースデータとして識別するとともに、前記映像データの一部をノンインタレースデータとして識別することを含む。当該方法はさらに、前記インターフェロメトリック変調器のアレイを少なくとも第1及び第2の領域に分割することと、前記インタレース映像データを前記ディスプレイの少なくとも第1の領域に表示するとともに、前記ノンインタレース映像データを前記ディスプレイの少なくとも第2の領域に表示することとを具備する。
【0005】
他の実施形態は方法であって、クライアントデバイスのディスプレイの特性を決定することと、前記ディスプレイの特性に基づいて、クライアントデバイスのディスプレイのために1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択することと、映像データを通信網を介して前記クライアントデバイスに送信することとを具備し、前記データは前記選択されたディスプレイモードに従って表示するのに適している。
【0006】
他の実施形態は映像データを表示するためのシステムを含み、インターフェロメトリック変調器のアレイと、前記インターフェロメトリック変調器のアレイに電気的に接続されたアレイドライバとを具備し、前記アレイドライバは、前記ディスプレイの第1の領域においてインタレース映像データを表示し、前記ディスプレイの第2の領域においてノンインタレース映像データを表示する。
【0007】
他の実施形態は、映像データを表示するためのシステムを含み、光をインターフェロメトリックに変調するための手段と、前記変調手段をインタレース及びノンインタレース映像データによって駆動する手段であって、前記駆動手段は、前記インタレース映像データを前記ディスプレイの第1の領域において表示し、前記ノンインタレース映像データを前記ディスプレイの第2の領域において表示する。
【0008】
他の実施形態は映像データを表示するためのシステムを含み、映像データを提供するように構成され、前記映像データの少なくとも一部がインタレースフォーマットであるサーバーと、インターフェロメトリック変調器のアレイを具備するクライアントデバイスと、インターフェロメトリック変調器のアレイに電気的に接続されたアレイドライバとを具備する。ここで、クライアントデバイスは、前記サーバーからの映像データを受信し、インタレースフォーマットの映像データの部分を識別するように構成され、前記アレイドライバは、前記アレイ上にインタレース及びノンインタレース映像データを表示するように構成され、前記クライアントデバイスはさらに、前記アレイの第1の領域に受信した映像データのインタレース部を表示するように構成され、前記アレイの第2の領域にノンインタレース映像データを表示するように構成されている。
【0009】
他の実施形態は映像データを表示するためのシステムを含み、前記システムは、映像データを提供するための手段であって、前記映像データの少なくとも一部はインタレースフォーマットである手段と、前記提供手段からの映像データを受信して、インタレースフォーマットの映像データの一部を識別するための手段とを具備する。前記受信及び識別手段は、光をインターフェロメトリックに変調するための手段と、前記変調手段を駆動するための手段とを具備し、前記駆動手段は前記変調手段に接続されている。前記受信及び識別手段は、前記変調手段に関してインタレース及びノンインタレース映像データを表示して、前記変調手段の第1の領域に関して受信した映像データのインタレース部分を表示するとともに、前記変調手段の第2の領域に関してノンインタレース映像データを表示するように構成されている。
【0010】
他の実施形態は、インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイに関して情報を表示するためのシステムを含み、データ表示のインタレースモードとデータ表示のノンインタレースモードとを有するデバイスで映像データを受信するための手段と、前記映像データの少なくとも一部をインタレースデータ及びノンインタレースデータとして識別する手段と、インターフェロメトリック変調器のアレイをもつデバイスのディスプレイに関してインタレースデータとノンインタレースデータとを表示するための手段と、を具備する。インタレースデータは前記ディスプレイの第1の領域に表示されるとともに、前記ノンインタレースデータは前記ディスプレイの第2の領域に表示される。
【0011】
他の実施形態は、インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイに関して情報を表示するシステムを含む。前記システムは、光をインターフェロメトリックに変調するための手段と、前記変調手段の特性を決定するとともに、前記変調手段の前記決定された特性に基づいて、前記変調手段のための1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択するための手段であって、前記決定手段及び選択手段は、前記変調手段とデータ通信可能なシステム内に配置されている手段と、映像データを前記変調手段に送信するための手段であって、前記映像データは前記選択されたディスプレイモードにおけるディスプレイのために構成されている。
【0012】
他の実施形態は、情報を表示するシステムを含み、インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイと、ディスプレイの特性を決定するように構成されるとともに、前記ディスプレイの前記決定された特性に基づいてディスプレイのために1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択するように構成されたサーバーと、前記サーバーと前記ディスプレイに結合され、前記選択されたディスプレイモードにおいて映像データを前記ディスプレイに送信するのに適した通信網とを具備する。
【0013】
他の実施形態は、映像データを表示するためのシステムを製造する方法を含む。当該方法は、インターフェロメトリック変調器のアレイを具備するディスプレイを提供するとともに、前記ディスプレイに電気的に接続されたアレイドライバを提供することとを具備し、前記アレイドライバは前記アレイの別個の部分にインタレース及びノンインタレース映像データを表示する。
【0014】
他の実施形態は、映像データを表示するためのシステムを製造する方法を含む。当該方法は、通信網を介して映像データを供給するように構成されたサーバーを提供することであって、前記映像データの少なくとも一部はインタレースフォーマットであることと、通信網を介して映像データを受信するように構成されたクライアントデバイスを提供することとを具備する。当該方法は、インターフェロメトリック変調器のアレイと、前記インターフェロメトリック変調器のアレイに電気的に接続されたアレイドライバとを具備する。前記クライアントデバイスはさらに、インタレースフォーマット及びノンインタレース負フォーマットの映像データの部分を区別するように構成され、前記アレイドライバは前記アレイ上にインタレース及びノンインタレース映像データを同時に表示するように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に示した詳細な説明は、いくつかの具体的な実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、数多くの異なった形で具体化することが可能である。本出願明細書において、「1つの実施形態」又は「実施形態」に言及している場合は、該実施形態に関係して説明されている特定の特長、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態の中に含まれていることを意味する。本出願明細書内の様々な箇所において、「1つの実施形態においては」、「1つの実施形態に準拠して」、又は「いくつかの実施形態においては」という表現が現れている場合でも、これらのすべての表現が必ずしも1つの同じ実施形態を指しているわけではなく、さらに、その他の実施形態と互いに排他的な別個の実施形態又は代替実施形態であるというわけではない。さらに加えて、いくつかの実施形態によって示されているがその他の実施形態によっては示されていない様々な特長について説明されている。同様に、いくつかの実施形態に関しては要求事項であるがその他の実施形態に関しては要求事項でない様々な要求事項についても説明されている。
【0016】
1つの実施形態においては、デバイスのディスプレイアレイは、少なくとも1つの駆動回路と、映像データが表示される手段アレイ(例えば、インターフェロメトリック変調器レイ、等)と、を含む。本出願明細書において用いられている映像データは、静的画像又は動的画像(例えば、見たときに動いているように見える一連の映像フレームであり、例えば連続的に常時変化する株価表示、「ビデオクリップ」、1つの行動の発生を示すデータ、等)において表示することができるあらゆる種類の表示可能データ(例えば、写真、絵、図形、単語、等)を指している。さらに、本出願明細書において用いられている映像データは、該映像データの処理方法(表示モード)に関する命令を含むあらゆる種類の制御データ(例えば、フレームレート、データフォーマット、等)も指している。該ディスプレイアレイは、該駆動回路によって駆動されて映像データを表示する。
【0017】
データは概して、ディスプレイの特性に基づいて、単一のモードで従来のディスプレイ(例えばCRTやLCD)上に示される。双安定ディスプレイはわずかなエネルギ消費で非常に長時間の間、データを表示する能力を備えている。双安定ディスプレイを用いれば、例えばインターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイは、革新的なリフレッシュと、表示されたデータが実際に変化しない限りディスプレイをリフレッシュする必要がないことを利用するモードを更新することを可能にする。インターフェロメトリック変調器ディスプレイなどの、双安定ディスプレイのディスプレイモードの一例は、“インタレース”モードである。概して、インタレースは、映像データ表示手法の1つであり、従来のディスプレイは、第1の映像データフレームについてディスプレイのすべての奇数のローを書くとともに、連続する次の映像データフレームにおいて、すべての偶数のローを書き込むことを交互に行なうことによって、更新あるいはリフレッシュが達成される。例えば、一組の映像データフレーム1−6について、フレーム1,3,5に対しては奇数ローR1,R3,R5,R7が書かれ、フレーム2,4,6に対しては偶数ローR2,R4,R6などが書かれる。すなわち、インタレースフォーマットにおいては、ディスプレイに関する全体のローの半分が交互にリフレッシュあるいは更新され、これによって例えば、各奇数あるいは偶数ローが1サイクルおきにリフレッシュあるいは更新される。従来のディスプレイに要求される相対的に頻繁で常時のリフレッシュ動作のために、多くのアプリケーションでは、このローインタレースデータは、観察するのに適当なイメージを形成するために表示されたインタレースライン上の映像データを補間及び併合するプログレッシブフォーマットとして知られている形態に処理される。従来のディスプレイとは対照的に、インターフェロメトリック変換器ディスプレイはイメージを維持するのに一定のリフレッシュ動作を必要としない。インタレースデータのリフレッシュサイクルの間、全体のローの半分がリフレッシュあるいは更新され、インターフェロメトリック変調器ディスプレイはすでに書かれた状態においてローの他の半分を維持する。このような実装は、表示のためのイメージ処理回路を簡略化することができ、ディスプレイ及びディスプレイ回路において電力消費を低減することができる。
【0018】
本説明では図面を参照しており、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照数字を付してある。本発明は、動画(映像、等)又は静止画(静止画像、等)のいずれであるかにかかわらず、さらに、テキスト又は絵のいずれであるかにかかわらず、画像を表示するように構成されているあらゆる装置において実装することができる。さらに具体的には、本発明は、様々な電子機器、例えば、携帯電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯式コンピュータ、ポータブルコンピュータ、GPS受信装置/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、柱時計、計算器、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、自動車の表示盤(オドメーターの表示盤、等)、コックピットの制御盤及び/又は表示盤、カメラのディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイ、等)、電子写真、電子広告掲示板又は看板、プロジェクター、建築構造物、梱包、美的構造物(宝石上におけるイメージの表示、等)(但し、これらの電子機器に限定するものではない)の内部に又はこれらの電子機器と関連させて実装できるようにすることが企図されている。さらに、本出願明細書において説明されているMEMSデバイスと同様の構造を有するMEMSデバイスは、電子式開閉装置等の表示以外の用途においても使用することができる。
【0019】
イメージングアプリケーションのために用いられる空間光変調器は、数多くの異なった形態が存在している。透過型液晶ディスプレイ(LCD)変調器は、結晶材料のねじれ及び/又は配向を制御して光を遮断するか又は通すことによって光を変調する。反射型空間光変調器は、様々な物理的効果を利用して撮像面に反射される光量を制御する。該反射型変調器例は、反射型LCD、及びデジタルマイクロミラーデバイスを含む。
【0020】
空間光変調器のもう1つの例は、干渉によって光を変調するインターフェロメトリック変調器である。インターフェロメトリック変調器は、少なくとも1つの移動可能な壁又は偏向可能な壁を有する共鳴光学空洞を採用した双安定表示素子である。該インターフェロメトリック変調器では、該光学空洞内における建設的干渉が、該空洞から現れる可視光の色を決定する。一般的には金属を少なくとも部分的に具備する該移動可能壁が該空洞の静止した前面に向かって移動するに従って、該空洞内における光の干渉が変調され、該変調が該変調器の前面に現れる光の色に影響を与える。該インターフェロメトリック変調器が直接見るデバイスである場合には、該前面は、一般的には、画面を見る人によって見られる画像が現れる表面である。
【0021】
図1は、1つの実施形態に準拠してネットワーク化されたシステムを例示した図である。この図においては、サーバー2(例えば、ウェブサーバー、等)は、動作可能な形でネットワーク3に結合されている。サーバー2は、ウェブサーバー、携帯電話サーバー、又は無線電子メールサーバー、等に対応することができる。ネットワーク3は、有線ネットワーク、又は無線ネットワーク(例えば、WiFiネットワーク、携帯電話ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、等)を含むことができる。
【0022】
ネットワーク3は、非常に様々なデバイスに動作可能な形で結合することができる。ネットワーク3に結合することができるデバイス例は、コンピュータ4(ラップトップパソコン、等)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)5(ブラックベリー、パームパイロット、ポケットPC、等を含むことができる)、及び携帯電話6(インターネット接続可能携帯電話、スマートフォン、等)を含む。さらに、デスクトップPC、セットトップボックス、デジタルメディアプレーヤー、携帯式PC、全地球測位システム(GPS)ナビゲーション装置、自動車の表示盤、静止型又は移動型のディスプレイ、等のその他の数多くのデバイスも使用することができる。本出願明細書においては、説明の都合上、これらのデバイスはすべて総称してクライアントデバイス7と呼ばれている。
【0023】
干渉型MEMS表示素子を具備する1つの双安定表示素子実施形態が図2に例示されている。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかである。明るい(「オン」又は「開いた」)状態においては、該表示素子は、入射可視光の大部分をユーザーに対して反射させる。暗い(「オフ」又は「閉じた」)状態においては、該表示素子は、ユーザーに対して入射可視光をほとんど反射させない。該「オン」状態及び「オフ状態」の光反射特性は反転させることができ、実施形態に依存する。MEMS画素は、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮して、主に選択された色において反射するように構成させることができる。
【0024】
図2は、ビジュアルディスプレイアレイの一連の画素内の2個の隣接する画素を書いた等大図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリック変調器を具備している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリック変調器ディスプレイアレイは、これらのインターフェロメトリック変調器のロー/コラムアレイ(横列/縦列)を具備している。各インターフェロメトリック変調器は、一対の反射層を含んでいる。これらの一対の反射層は、可変でかつ制御可能な距離に互いに配置されており、少なくとも1つの可変寸法を有する共鳴光学空洞を形成している。1つの実施形態においては、該反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動させることができる。第1の位置(本出願明細書では解放状態と呼ばれている)においては、該移動可能な反射層は、固定された部分的反射層から相対的に遠く離れた距離に配置されている。第2の位置においては、該移動可能な層は、該部分的反射層のほうにより近づけて配置されている。これらの2つの層から反射された入射光は、該移動可能な反射層の位置に依存して建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に関して全体的な反射状態又は非反射状態を作り出す。
【0025】
図2において、画素アレイのうちの書かれた部分は、2つの隣接するインターフェロメトリック変調器12a及び12bを含む。左側のインターフェロメトリック変調器12aにおいては、移動可能で反射能力が高い反射層14aが、固定された部分的反射層16aから予め決められた距離にある位置において解放状態になっている。右側のインターフェロメトリック変調器12bにおいては、移動可能で反射能力が高い反射層14bが、固定された部分的反射層16bに隣接した作動位置にある。
【0026】
部分的反射層16a及び16bは、電導性で、部分的に透明でさらに部分的反射性であり、例えば、各々がクロム及びインジウム−スズ酸化物から成る1つ以上の層を透明な基板20上に蒸着することによって製作される。後述するように、これらの層は、平行なストリップから成るパターンが付けられており、ディスプレイデバイス内においてロー電極を形成している。反射能力が高い反射層14a及び14bは、支持物18の頂部に蒸着した(ロー電極、部分的反射層16a及び16bと直交の)蒸着金属層の一連の平行ストリップとして及び支持物18間に蒸着した介在犠牲材料として形成することができる。該犠牲材料をエッチングによって取り除くと、変形可能な金属層が定められたエアギャップ19よって固定金属層から分離される。変形可能な層には伝導性が高い反射性材料(アルミニウム、等)を用いることができ、これらのストリップは、ディスプレイデバイス内においてコラム電極を形成する。
【0027】
図2においてインターフェロメトリック変調器12aによって例示されているように、電圧が印加されていない状態では、エアギャップ19は層14aと16aの間にとどまっており、変形可能層は、機械的に解放された状態になっている。しかしながら、選択したロー及びコラムに電位差を印加すると、対応する画素におけるロー電極及びコラム電極の交差部において形成されているコンデンサが荷電され、静電力がこれらの電極を引き寄せる。図2内の右側のインターフェロメトリック変調器12bによって例示されているように、電圧が十分に高い場合は、移動可能層が変形されて固定層に押しつけられる(本図に示されていない誘電材料を固定層に蒸着することによって短絡を防止すること及び分離距離を制御することができる)。この挙動は、印加した電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射性対非反射性インターフェロメトリック変調器の状態を制御することができるロー/コラム作動は、従来のLCD及びその他の表示技術において用いられている作動と多くの点で類似している。
【0028】
図3乃至5Bは、表示用途においてインターフェロメトリック変調器レイを用いるための1つの典型的なプロセス及びシステムを例示した図である。しかしながら、該プロセス及びシステムは、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD、等のその他のディスプレイにも応用することができる。
【0029】
現時点においては、利用可能なフラットパネルディスプレイのコントローラ及びドライバは、絶えずリフレッシュさせる必要があるディスプレイのほぼ専用として機能するように設計されている。従って、例えばプラズマパネル、ELパネル、OLEDパネル、STN LCDパネル、又はTFT LCDパネル等のパネル上に表示された画像は、1秒以内に何回もリフレッシュしないと1秒以内に消えてしまうことになる。しかしながら、上述されている型のインターフェロメトリック変調器は、リフレッシュなしで従来よりも長時間にわたって自己の状態を保持する能力を有しており、さらに、これらのインターフェロメトリック変調器の状態は、リフレッシュを行わずに2つの状態のうちのいずれかの状態に維持することができるため、インターフェロメトリック変調器を使用するディスプレイは、双安定表示ディスプレイと呼ぶことができる。1つの実施形態においては、画素素子の状態は、画素素子を具備するこれらの1つ以上のインターフェロメトリック変調器にバイアス電圧(ラッチ電圧と呼ばれることもある)を印加することによって維持される。
【0030】
一般的には、ディスプレイデバイスは、通常は、該ディスプレイデバイスを適切に制御するために1つ以上のコントローラ及びドライバ回路が必要である。例えば、ドライバ回路(LCDを駆動するために用いられるドライバ回路、等)は、表示パネル自体の縁部に直接接合させて該縁部に沿って配置させることができる。代替として、ドライバ回路は、表示パネル(縁部)を電子システムの残りの部分に接続するフレキシブル回路素子上に配置することができる。いずれの場合においても、ドライバは、一般的には、表示パネルと電子システムの残りの部分の間のインタフェース部に配置される。
【0031】
図3Aは、様々な側面を組み入れることができる電子デバイスのいくつかの実施形態を例示したシステムブロック図である。この典型的実施形態においては、該電子デバイスはプロセッサ21を含んでおり、該プロセッサ21は、あらゆる汎用の単チップ又は多チップのマイクロプロセッサ(例えば、ARM、Pentium(登録商標)、PentiumII(登録商標)、PentiumIII(登録商標)、PentiumIV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、PowerPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、等)、又は、あらゆる専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、等)にすることができる。当業においては従来の方法であるが、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサ21は、オペレーティングシステムを実行することに加えて、1つ以上のソフトウェアアプリケーション(例えば、ウェブブラウザー、電話に関するアプリケーション、電子メールプログラム、又はその他のあらゆるソフトウェアアプリケーション)を実行するように構成することができる。
【0032】
図3Aは、プロセッサ21に接続されたネットワークインタフェース27を含む電子デバイスの実施形態を例示した図であり、いくつかの実施形態に準拠して、該ネットワークインタフェース27は、アレイドライバ22に接続することができる。ネットワークインタフェース27は、該電子デバイスがネットワーク上の別のデバイス(例えば、図1に示されているサーバー2、等)と相互に作用することができるようにするための適切なハードウェア及びソフトウェアを含む。プロセッサ21は、アレイドライバ22及びフレームバッファ28に接続されたドライバコントローラ29に接続されている。いくつかの実施形態においては、プロセッサ21は、アレイドライバ22にも接続されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に接続されていてディスプレイアレイ30を駆動する。図3Aにおいて例示されている構成要素は、インターフェロメトリック変調器ディスプレイの1つの構成を例示している。しかしながら、この構成は、LCDコントローラ及びドライバを有するLCDにおいても用いることができる。図3Aにおいて例示されているように、ドライバコントローラ29は、パラレルバス36を通じてプロセッサ21に接続されている。ドライバコントローラ29(例えば、LCDコントローラ、等)は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関係していることがしばしばあるが、これらのコントローラは、数多くの方法で実装することができる。例えば、これらのコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、又は、アレイドライバ22とともにハードウェア内に完全に組み込むことができる。1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された表示情報を受け取り、ディスプレイアレイ30に高速伝送するのに適した再フォーマット化を該情報に対して行い、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に伝送する。
【0033】
アレイドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ29から受け取り、映像データを再フォーマット化して平行する一組の波形にする。これらの波形は、ディスプレイのx−y画素行列から来る何百ものそして時には何千ものリード線に対して1秒間に何回も加えられる。現時点において利用可能なフラットパネルディスプレイのコントローラ及びドライバ(例えば、直前において説明されているコントローラ及びドライバ)は、絶えずリフレッシュさせる必要があるディスプレイのほぼ専用として機能するように設計されている。双安定表示ディスプレイ(例えば、インターフェロメトリック変調器レイ、等)は、このように絶えずリフレッシュさせる必要がないため、要求電力量を低減させる特長は、双安定表示ディスプレイを用いることによって実現させることができる。しかしながら、現在のディスプレイとともに用いられるコントローラ及びドライバによって双安定表示ディスプレイが動作された場合には、双安定表示ディスプレイが有する利点を最適化することができない。従って、双安定表示ディスプレイとともに用いられるコントローラ/ドライバシステム及び方法は、改良されたコントローラ/ドライバシステム及び方法であることが望ましい。上述されているインターフェロメトリック変調器等の高速双安定表示ディスプレイの場合には、これらの改良されたコントローラ及びドライバは、好ましいことに、低リフレッシュレートモード、映像レートリフレッシュモード、及び、双安定表示変調器が有する独特の能力を容易にするためのユニークモードを実装する。双安定表示ディスプレイは、本出願明細書において説明されている方法及びシステムに準拠して、要求電力量を低減させるために様々な形で構成することができる。
【0034】
図3Aによって例示されている1つの実施形態においては、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29を迂回することによって、データリンク31を通じてプロセッサ21から映像データを受け取る。データリンク31は、シリアルペリフェラルインタフェース(“SPI”)、ICバス、パラレルバス、又はその他の利用可能なインタフェースを具備することができる。図3Aにおいて示されている1つの実施形態においては、プロセッサ21は、アレイドライバ22がディスプレイアレイ30(例えば、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ、等)の電力要求を最適化することを可能にする命令をアレイドライバ22に提供する。1つの実施形態においては、ディスプレイの一部分(例えば、サーバー2によって定義されている部分、等)に提供することが意図されている映像データは、データパケットヘッダ情報によって識別してデータリンク31を通じて伝送することができる。さらに、プロセッサ21は、プリミティブ(図形プリミティブ、等)がデータリンク31を通ってアレイドライバ22に向かうように経路指定することができる。これらの図形プリミティブは、形状又はテキストを書くためのプリミティブ等の命令に対応させることができる。
【0035】
同じく3Aにおいて、1つの実施形態においては、映像データは、データリンク33を通じてネットワークインタフェース27からアレイドライバ22に提供することができる。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、サーバー2から伝送された制御情報を解析し、入ってきた映像の経路としてプロセッサ21への経路又はその代替としてのアレイドライバ22への経路のいずれを指定すべきであるかを決定する。
【0036】
1つの実施形態においては、数多くの実施形態において通常であるように、データリンク33によって提供された映像データは、フレームバッファ内には保存されない。さらに、いくつかの実施形態においては、アレイドライバ22のための映像データを提供するために第2のドライバコントローラ(図示されていない)を使用できることも理解されることになる。データリンク33は、SPI、ICバス、又はその他のあらゆる利用可能なインタフェースを具備することができる。さらに、アレイドライバ22は、アドレス復号、ディスプレイ用のロードライバとコラムドライバ、等を含むこともできる。ネットワークインタフェース27は、ネットワークインタフェース27に提供された映像データ内に埋め込まれた命令に少なくとも部分的に対応して、該映像データを直接アレイドライバ22に提供することもできる。当業者は、アレイドライバ22におけるデータの衝突を防止するために仲裁ロジック(arbiter logic)を用いてネットワーク27及びプロセッサ21によるアクセスを制御できることを理解することになる。1つの実施形態においては、プロセッサ21において実行中のドライバは、一般的にはプロセッサ21によって使用されない時間間隔(例えば、従来は垂直ブランキング遅延及び/又は水平ブランキング遅延のために用いられる時間間隔)中にネットワークインタフェース27からアレイドライバ22へのデータ転送を許可することによって、該データ転送のタイミングを制御する。
【0037】
有利なことに、この設計は、サーバー2がプロセッサ21及びドライバコントローラ29を迂回すること、及びディスプレイアレイ30の一部分に直接アドレス指定することを可能にする。例えば、例示されている実施形態においては、この設計は、サーバー2が、ディスプレイアレイ30の予め定義されたディスプレイアレイ部に直接アドレス指定することを可能にする。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェース27とアレイドライバ22との間で伝達されるデータ量は、相対的に少なく、インターインテグレーティッドサーキット(Inter−Integrated Circuit−IC)バス又はシリアルペリフェラルインタフェース(SPI)バス、等のシリアルバスを用いて伝達される。しかしながら、その他の型のディスプレイが利用される場合は一般的にはその他の回路も用いられるということも理解されることになる。データリンク33を通じて提供された映像データは、有利なことに、フレームバッファ28なしでさらにはプロセッサ21がほとんど又はまったく介在せずに表示することができる。
【0038】
図3Aは、ドライバコントローラ29(例えば、インターフェロメトリック変調器コントローラ、等)に結合されたプロセッサ21の構成も例示している。ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22に結合されており、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に接続されている。この実施形態においては、ドライバコントローラ29は、ディスプレイアレイ30の最適化を担当しており、アレイドライバ22とプロセッサ21との間において別個の接続を行う必要なしにアレイドライバ22に情報を提供する。いくつかの実施形態においては、プロセッサ21は、ドライバコントローラ29と通信するように構成させることができ、さらに、この構成は、1つ以上のフレームの映像データを一時的に保存するためのフレームバッファ28を含むことができる。
【0039】
図3Aにおいて示されているように、1つの実施形態においては、アレイドライバ22は、画素ディスプレイアレイ30に信号を提供するロードライバ回路24及びコラムドライバ回路26を含む。図2において例示されている該アレイの横断面は、図3Aでは線1−1によって示されている。MEMSインターフェロメトリック変調器においては、ロー/コラム作動プロトコルは、図4Aにおいて例示されているこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態に変形させるためには10Vの電位差が必要である。しかしながら、同値から電圧を減じたときには、移動可能層は、電圧が低下して再び10Vよりも低くなる間にその状態を維持する。図4Aにおいて例示されている典型的実施形態においては、移動可能層は、電圧が2Vよりも低くなるまで完全には解放されない。このため、図4Aにおいて示されている例においては、約3乃至7Vの電圧範囲が存在しており、デバイスが解放された状態又は作動された状態において安定している印加電圧の窓が存在している。本出願明細書では、この窓を「ヒステリシスウインドー」又は「安定ウインドー」と呼んでいる。
【0040】
図4Aにおいて例示されているヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合は、ローストローブ中に、ストローブされたロー内の作動対象画素が約10Vの電圧差にさらされ、さらに、解放対象画素が約ゼロVの電圧差にさらされることになるように、ロー/コラム作動プロトコルを設計することができる。ストローブ後は、画素は、約5Vの定常状態電圧差にさらされ、このため、ローストローブによって置かれたあらゆる状態にとどまる。本例においては、各画素は、書かれた後には、3乃至7Vの「安定ウインドー」内において電位差にさらされる。この特長は、図2において例示されている画素設計を、作動状態又は先在する解放状態のいずれであるかにかかわらず同じ印加電圧状態の下で安定させることになる。インターフェロメトリック変調器の各画素は、作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず、本質的には、固定反射層及び移動可能反射層によって形成されたコンデンサであるため、この安定状態は、電力散逸がほとんどゼロの状態でヒステリシスウインドー内のある1つの電圧において保持することができる。本質的に、印加電位が固定されている場合は、画素内には電流は流れ込まない。
【0041】
典型的な用途においては、第1のロー内の希望する作動画素の組に従ってコラム電極の組を選択することによって表示フレームを製造する。次に、ローパルスをロー1電極に加え、選択されたコラムラインに対応する画素を作動させる。次に、選択されたコラム電極の組を変更し、第2ロー内の希望される作動画素の組に対応させる。次に、ロー2電極にパルスを加え、選択されたコラム電極に従ってロー2内の該当画素を作動させる。この際、ロー1の画素は、ロー2のパルスによる影響を受けず、ロー1のパルス中に設定された状態にとどまる。このプロセスが一連のロー全体に関して逐次的に繰り返されることによって表示フレームが製造される。一般的には、これらの表示フレームは、希望する何らかの1秒当たりのフレーム数の時点において、該プロセスを連続的に繰り返すことによってリフレッシュされるか及び/又は新しい映像データによって更新される。画素アレイのロー電極及びコラム電極を駆動してディスプレイアレイフレームを生産するためのプロトコルは非常に様々であることがよく知られており、これらのプロトコルを使用することができる。
【0042】
クライアントデバイス7の1つの実施形態が図3Bにおいて例示されている。典型的クライアント40は、ハウジング41、ディスプレイ42、アンテナ43、スピーカー44、入力デバイス48、及びマイク46を含む。ハウジング41は、一般的には、当業者によく知られている様々な製造プロセス(例えば、射出成形、及び真空成形、等)のうちのいずれかの製造プロセスによって成形される。さらに、ハウジング41は、様々な材料(例えば、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はその組合せを含むが、これらの材料に限定するものではない)によって製造することができる。1つの実施形態においては、ハウジング41は、異なった色を有するか又は異なったロゴ、絵、又は記号を有するその他の取り外し可能な部分と互換可能である取り外し可能な部分(図示されていない)を含む。
【0043】
典型的クライアント40のディスプレイ42は、本出願明細書において例えば図2、3A、及び4乃至6を参照しつつ説明されているように、双安定表示ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかのディスプレイであることができる。その他の実施形態においては、ディスプレイ42は、当業者によく知られている上述のフラットパネルディスプレイ(例えば、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、等)、又は非フラットパネルディスプレイ(例えば、CRT又はその他の管デバイス)を含む。しかしながら、本実施形態について説明する目的上、ディスプレイ42は、本出願明細書において説明されているインターフェロメトリック変調器ディスプレイを含む。
【0044】
典型的クライアント40の1つの実施形態の構成要素が図3Cにおいて概略的に例示されている。例示されている典型的クライアント40は、ハウジング41を含み、さらに、その中に少なくとも部分的に内蔵されているさらなる構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態においては、典型的クライアント40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含んでいる。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続されており、プロセッサ21は、コンディショニングハードウェア52に接続されている。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー44及びマイク46に接続されている。プロセッサ21は、入力デバイス48及びドライバコントローラ29にも接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されており、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、典型的クライアント40の特定の設計上の必要に応じて全構成要素に電力を供給する。
【0045】
ネットワークインタフェース27は、典型的クライアント40がネットワーク3上の別のデバイス(例えば、図1において示されているサーバー2、等)と通信できるようにするために、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。1つの実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に対する要求を緩和するためのいくつかの処理能力を有することもできる。アンテナ43は、当業者によく知られているいずれかの信号送受信用アンテナである。1つの実施形態においては、該アンテナは、IEEE 802.11規格(IEEE 802.11(a)、(b)、又は(g)を含む)に準拠してRF信号を送受信する。もう1つの実施形態においては、該アンテナは、BLUETOOTH規格に準拠してRF信号を送受信する。携帯電話の場合は、該アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内において通信するために使用されるCDMA信号、GSM信号、AMPS信号、又はその他の既知の信号を受信するように設計されている。トランシーバ47は、アンテナ43から受信した信号をプロセッサ21が受け取ってさらなる処理を行うことができるようにこれらの受信信号を前処理する。さらに、トランシーバ47は、プロセッサ21から受け取った信号をアンテナ43を通じて典型的クライアント40から送信できるようにするための処理も行う。
【0046】
プロセッサ21は、一般的には、典型的クライアント40の全体的な動作を制御する。しかしながら、以下においてさらに詳細に説明されているように、動作制御は、サーバー2(図示されていない)と分担すること又はサーバー2に委ねることができる。1つの実施形態においては、プロセッサ21は、典型的クライアント40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理装置を含む。コンディショニングハードウェア52は、一般的には、スピーカー44に信号を送信するための及びマイク46から信号を受信するための増幅器及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、典型的クライアント40内の個別構成要素にすること、又は、プロセッサ21又はその他の構成要素の中に組み入れることができる。
【0047】
入力デバイス48は、ユーザーが典型的クライアント40の動作を制御するのを可能にするデバイスである。1つの実施形態においては、入力デバイス48は、キーパッド(QWERTYキーボード又は電話のキーパッド、等)、ボタン、スイッチ、タッチ画面、感圧膜、感熱膜、等を含む。1つの実施形態においては、マイクは、典型的クライアント40に関する入力デバイスである。データをデバイスに入力するためにマイクを使用時には、ユーザーは、典型的クライアント40の動作を制御するための音声コマンドを使用することができる。
【0048】
1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、及びディスプレイアレイ30は、本出願明細書において説明されているあらゆる型のディスプレイに関して適している。例えば、1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定表示ディスプレイコントローラ(インターフェロメトリック変調器コントローラ、等)である。もう1つの実施形態においては、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定表示ディスプレイドライバ(インターフェロメトリック変調器ディスプレイ、等)である。さらに別の実施形態においては、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定表示ディスプレイアレイ(インターフェロメトリック変調器レイを含むディスプレイ、等)である。
【0049】
電源50は、当業においてよく知られている様々なエネルギー貯蔵装置のうちのいずれかである。例えば、1つの実施形態においては、電源50は、充電可能な電池(例えば、ニッカド電池又はリチウムイオン電池、等)である。もう1つの実施形態においては、電源50は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、又は太陽電池(例えば、プラスチック太陽電池、太陽電池塗料、等)である。別の実施形態においては、電源50は、コンセントから電力を受け取るように構成されている。
【0050】
1つの実施形態においては、アレイドライバ22は、入力された映像ストリームがインターレース化されたフォーマットであり、このため、該映像ストリームをプログレッシブ走査フォーマットに変換せずに、インターレース化されたフォーマットで双安定表示ディスプレイに関しておいて表示すべきであることを示すために、予め定義された値に設定することができるレジスタを内蔵する。このように、双安定表示ディスプレイは、インターレース映像データのインターレース−プログレッシブ走査変換を行う必要がない。
【0051】
いくつかの実装においては、制御プログラマビリティは、上述したように、電子ディスプレイシステム内の数カ所に配置することができるディスプレイコントローラ内に常駐する。いくつかの事例においては、制御プログラマビリティは、電子ディスプレイシステムと1つの構成要素としてのディスプレイ自体との間のインタフェース部に配置されたアレイドライバ22内に常駐する。当業者は、上述されている最適化はあらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントにおいて及び様々なコンフィギュレーションで実装できることを認識することになる。
【0052】
1つの実施形態においては、ほとんどのグラフィックコントローラの出力信号の組はアドレス指定されているディスプレイアレイ30の水平能動部について詳細に描写するための信号を含む、という事実を利用するための回路がアレイドライバ22内に埋め込まれている。この水平能動部は、ドライバコントローラ29内におけるレジスタ設定を通じて変更することができる。さらに、これらのレジスタ設定は、プロセッサ21によって変更することができる。この信号は、通常は、ディスプレイイネーブル(display enable−DE)と呼ばれている。ほとんどすべての表示映像インタフェースは、さらに、1つのラインのデータの終わりを示すラインパルス(LP)又は水平同期(HSYNC)信号を利用する。LP数を計数する回路は、現在のローの垂直位置を決定することができる。プロセッサ21からのDE(水平領域に関するシグナリング)に基づいて、及びLPカウンタ回路(垂直領域に関するシグナリング)に基づいてリフレッシュ信号をコンディショニングする場合は、エリア更新関数を実装することができる。
【0053】
1つの実施形態においては、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されている。該実施形態は、携帯電話、腕時計、及びその他の面積が小さいディスプレイ等の高度に一体化されたシステムにおいて共通する実施形態である。このような一体化されたアレイドライバ22内の専用回路は、最初に、どの画素が(そしてこのためどのローが)リフレッシュを必要としているかを決定し、次に、最新の状態に変更されている画素を有するローを選択するだけである。該回路の場合には、特定のローを非逐次的な順序でアドレス指定し、画像コンテンツに依存して変更することができる。この実施形態の場合には、変更された映像データのみをインタフェースを通じて伝送する必要があるため、プロセッサ21とアレイドライバ22との間のデータレートを低下させることができるという利点を有する。プロセッサ21とアレイドライバ22との間において要求される有効データレートを引き下げることは、システムに関する電力消費量上、ノイズ耐性上及び電磁干渉上の各課題を改善させることになる。
【0054】
図4及び5は、図3に示されている3x3アレイ上において表示フレームを製作するために用いることが可能な1つの作動プロトコルを例示した図である。図4Bは、図4Aのヒステリシス曲線を示している画素に関して使用することができる一組のコラム/ロー電圧レベルを示した図である。図4A/4Bの実施形態において、画素を作動させることは、該当するコラムを−Vbiasに設定すること及び該当するローを+ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、−5V及び+5Vにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するコラムを+Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ+ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。ロー電圧がゼロボルトに保持されているローにおいては、画素は、コラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。同様に、画素を作動させることは、該当するコラムを+Vbiasに設定すること及び該当するローを−ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、5V及び−5Vにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するコラムを−Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ−ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。ロー電圧がゼロボルトに保持されているローにおいては、画素は、コラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。
【0055】
図5Bは、図3Aの3x3アレイに加えられた一連のロー信号及びコラム信号を示したタイミング図であり、結果的には、図5Aに例示されている表示配置になる(同図における作動画素は非反射性である)。図5Aに例示されているフレームを書く前においては、画素はあらゆる状態になることが可能であり、本例では、すべてのローが0ボルト、すべてのコラムが+5Vである。これらの電圧を印加した状態では、すべての画素は、印加以前における作動状態又は解放状態で安定している。
【0056】
図5Aのフレームにおいては、画素(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)及び(3、3)を作動させる。該作動させるためには、ロー1に関する「ラインタイム」中に、コラム1及び2を−5Vに設定し、コラム3を+5Vに設定する。この場合、すべての画素が3V乃至7Vの安定ウインドー内にとどまっているためいずれの画素の状態も変化しない。次に、パルスを用いてロー1をストローブし、0から最高5Vまで上昇させて0に戻る。この動作は、画素(1、1)及び(1、2)を作動させ、画素(1、3)を解放する。画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。ロー2を希望どおりに設定するためには、コラム2を−5Vに設定し、コラム1及び3を+5Vに設定する。これで、ロー2に加えられた同じストローブが、画素(2、2)を作動させ、画素(2,1)及び(2、3)を解放する。この場合も、画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。同様に、コラム2及び3を−5Vに設定し、コラム1を+5Vに設定することによってロー3を設定する。ロー3のストローブは、ロー3の画素を図5Aに示したように設定する。表示フレームを書いた後は、ロー電位はゼロであり、コラム電位は、+5V又は−5Vのいずれかにとどまることができ、従って、図5Aに示した配置において表示が安定する。この手順は、何十ものローとコラムのアレイさらには何百ものローとコラムのアレイに関しても採用できるという点が高く評価されることになる。さらに、ロー及びコラムの作動を実施するために用いるタイミング、順序、及び電圧レベルは、上述した一般原理内において大きく変化させることが可能である点、及び、上例は典型的な例であるにすぎず、あらゆる作動電圧方法を用いることができる点も高く評価されることになる。
【0057】
上記の原理に従って動作するインターフェロメトリック変調器の構造の詳細は、種々変形することができる。例えば、図6A乃至図6Cは、移動可能ミラー構造物の3つの異なった実施形態を例示した図である。図6Aは、図2の実施形態の横断面であり、細長い帯状の反射材料14が直交支持物18上に蒸着されている。図6Bにおいては、反射材料14は、支持物18の角のみに(テザー(tether)32上に)取り付けられている。図6Cにおいて、反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられている。この実施形態においては、反射材料14に関して用いられる構造設計及び材料を光学的性質に関して最適化することができ、さらに、変形可能層34に関して用いられる構造設計及び材料を希望する機械的性質に関して最適化することができるため、いくつかの便益を有している。様々な出版物(例えば、U.S公開2004/0051929、等)において様々な型の干渉デバイスの生産に関する説明が行われている。さらに、材料蒸着、パターン形成、及びエッチングの一連の手順が関わる上記の構造物は、非常に様々なよく知られた技術を用いて生産することができる。
【0058】
プロセスの流れの1つの実施形態が図7において例示されており、同図は、クライアントデバイス7制御プロセスの高位流れ図である。この流れ図は、ネットワーク3を通じてサーバー2から受け取られる映像データを図形表示するために、ネットワーク3に接続されたクライアントデバイス7(例えば、ラップトップパソコン4、PDA5、又は携帯電話6、等)によって用いられるプロセスを描いた図である。図7の状態は、該実施形態に依存して、削除、追加、又は再編することができる。
【0059】
同じく図7において、状態74から開始し、クライアントデバイス7は、クライアントデバイス7が映像に関して準備完了状態であることを示す信号を、ネットワーク3を通じてサーバー2に送る。1つの実施形態においては、ユーザーは、携帯電話等の電子デバイスのスイッチを入れることによって図7のプロセスを開始させることができる。状態76に進み、クライアントデバイス7は、自己の制御プロセスを開始させる。以下では、図8を参照しつつ制御プロセスを開始させる例についてさらに詳細に説明されている。
【0060】
プロセスの流れに関する1つの実施形態が図8において例示されており、同図は、制御プロセスを開始及び実行するためのクライアントデバイス7制御プロセスを示した流れ図である。この流れ図は、図7を参照しつつ説明されている状態76をさらに詳細に例示した図である。図8の状態は、該実施形態に依存して、削除、追加、又は再編することができる。
【0061】
決定状態84からプロセスが開始され、クライアントデバイス7は、クライアントデバイス7における行動がクライアントデバイス7に存在するアプリケーションの開始を要求しているかどうか、又は、サーバー2が、実行することを目的としてアプリケーションをクライアントデバイス7に伝送しているかどうか、若しくは、サーバー2が、クライアントデバイス7に常駐するアプリケーションの実行要求をクライアントデバイス7に伝送しているかどうか、を決定する。アプリケーションを開始させる必要がない場合は、クライアントデバイス7は、決定状態84にとどまる。アプリケーションを開始後は、状態86に進み、クライアントデバイス7は、クライアントデバイス7が映像データを受け取って表示するプロセスを開始させる。該映像データは、サーバー2からストリーミングすること、又は、のちにアクセスするためにクライアントデバイス7のメモリにダウンロードすることができる。該映像データは、映像、静止画像、テキスト情報又は写真情報であることができる。さらに、該映像データは、様々な圧縮符号化を有すること、インターレース化するか又はプログレッシブ走査を行うこと、及び、様々な可変のリフレッシュレートを有することができる。ディスプレイアレイ30は、任意の形状および大きさを有する領域に区分することができ、各領域専用のリフレッシュレート又は圧縮符号化等の特性を有する映像データを各領域が受け取るようにすることができる。これらの領域は、映像データの特性、形状および大きさを変えることができる。また、これらの領域は、開閉すること及び再び開くことができる。クライアントデバイス7は、映像データに加えて、制御データを受け取ることもできる。該制御データは、例えば映像データの特性(圧縮符号化、リフレッシュレート、インターレース化された映像データ、プログレッシブ走査された映像データ、等)に関する、サーバー2からクライアントデバイス7へのコマンド、を具備することができる。該制御データは、ディスプレイアレイ30を区分するための制御命令、及び、ディスプレイアレイ30の各々の異なった領域に関する各々の異なった命令を含むことができる。
【0062】
1つの典型的実施形態においては、サーバー2は、ディスプレイアレイ30の右上隅の連続的に更新される時計と、ディスプレイアレイ30の左上隅の写真スライドショーと、ディスプレイアレイ30の下側領域に沿った定期的に更新される野球の試合の途中経過と、ディスプレイアレイ30全体を連続的にスクロールする、パンの購入を思い出させるための雲の形をしたバブルリマインダー(bubble reminder)と、を作り出すための制御データ及び映像データを無線ネットワーク3を通じてPDAに送る。写真スライドショーのための映像データは、ダウンロードされてPDAメモリ内に常駐し、インターレース化されたフォーマットになっている。時計及び野球の試合の映像データは、サーバー2からテキストをストリーミングする。バブルリマインダーは、図形を有するテキストであり、プログレッシブ方式で走査されたフォーマットになっている。本出願明細書においては、1つの典型的な実施形態しか提示されていないことが認識されることになる。即ち、その他の実施形態も可能であり、これらのその他の実施形態は、状態86によって包含されており、さらに本説明の適用範囲内である。
【0063】
決定状態88に進み、クライアントデバイス7は、サーバー2からのコマンド(例えば、ディスプレイアレイ30の領域を再配置するためのコマンド、ディスプレイアレイ30の領域に関するリフレッシュレートを変更するためのコマンド、又はアプリケーションを終了するためのコマンド、等)を探す。クライアントデバイス7は、サーバー2からコマンドを受け取った時点で決定状態90に進み、決定状態88において受け取られたコマンドが終了コマンドであるかどうかを決定する。決定状態90において、決定状態88で受け取られたコマンドは終了コマンドであると決定された場合は、クライアントデバイス7は、状態98に進み、該アプリケーションの実行を停止してリセットする。さらに、クライアントデバイス7は、ステータス情報又はその他の情報をサーバー2に伝達することもでき、及び/又は、同様の伝達をサーバー2から受け取ることもできる。決定状態90において、決定状態88でサーバー2から受け取られたコマンドは終了コマンドではないと決定された場合は、クライアントデバイス7は、状態86に戻る。決定状態88において、サーバー2からのコマンドが受け取られない場合は、クライアントデバイス7は、決定状態92に進み、決定状態92において、クライアントデバイス7は、ユーザーからのコマンド(例えば、ディスプレイアレイ30の領域の更新を停止するためのコマンド、又は、終了コマンド、等)を探す。決定状態92において、クライアントデバイス7がユーザーからコマンドを受け取らない場合は、クライアントデバイス7は、決定状態88に戻る。決定状態92において、ユーザーからのコマンドが受け取られた場合は、クライアントデバイス7は、決定状態94に進み、決定状態94において、クライアントデバイス7は、決定状態92で受け取られたコマンドは終了コマンドであるかどうかを決定する。決定状態94において、決定状態92でユーザーから受け取られたコマンドが終了コマンドでない場合は、クライアントデバイス7は、決定状態94から決定状態96に進む。決定状態96において、クライアントデバイス7は、決定状態92で受け取られたユーザーコマンド(例えば、ディスプレイアレイ30の領域の更新を停止するためのコマンド、等)をサーバー2に送り、その後に決定状態88に戻る。決定状態94において、決定状態92でユーザーから受け取られたコマンドは終了コマンドであると決定された場合は、クライアントデバイス7は、決定状態98に進み、該アプリケーションの実行を停止させる。さらに、クライアントデバイス7は、ステータス情報又はその他の情報をサーバー2に伝達することもでき、及び/又は、同様の伝達をサーバー2から受け取ることもできる。
【0064】
図9は、サーバー2が映像データをクライアントデバイス7に伝送する制御プロセスを例示した図である。サーバー2は、表示することを目的として制御情報及び映像データをクライアントデバイス7に伝送する。図9の状態は、実施形態に依存して、削除、追加、又は再編することができる。
【0065】
状態124から開始し、サーバー2は、実施形態(1)においては、クライアントデバイス7がネットワーク3を通じて行うデータ要求を待ち、代替として、実施形態(2)においては、サーバー2は、クライアントデバイス7からのデータ要求を待たずに映像データを伝送する。これらの2つの実施形態は、サーバー2又はクライアントデバイス7のいずれかがサーバー2からクライアントデバイス7への映像データ伝送要求を開始できるシナリオを含む。
【0066】
サーバー2は、決定状態128に進み、決定状態128において、クライアントデバイス7が準備完了状態であることを示す応答(準備完了指示信号)がクライアントデバイス7から受信されているかどうかについての決定が行われる。決定状態128において、準備完了指示信号が受信されない場合は、サーバー2は、準備完了指示信号が受信されるまで決定状態128にとどまる。
【0067】
準備完了指示信号が受信された時点で、サーバー2は、状態126に進み、状態126において、サーバー2は、クライアントデバイス7に制御データを伝送する。該制御データは、サーバー2からストリーミングすることができ、又は、のちにアクセスするためにクライアントデバイス7メモリにダウンロードすることができる。該制御データは、任意の形状および大きさを有する領域にディスプレイアレイ30を区分することができ、さらに、映像データに関する特性(例えば、1つの特定領域又は全領域に関するリフレッシュレート又はインターレース化フォーマット、等)を定義することができる。さらに、該制御データは、これらの領域が開閉されるようにすること及び再び開けられるようにすることができる。
【0068】
状態130に進み、サーバー2は、映像データを伝送する。該映像データは、サーバー2からストリーミングすることができ、又は、のちにアクセスするためにクライアントデバイス7メモリにダウンロードすることができる。該映像データは、動画、静止画像、テキスト画像、又は写真画像を含むことができる。さらに、該映像データは、様々な圧縮符号化を有すること、インターレース化するか又はプログレッシブ走査を行うこと、及び、様々な可変のリフレッシュレートを有することもできる。各領域は、該領域専用のリフレッシュレート又は圧縮符号化等の特性を有する映像データを受け取るようにすることができる。
【0069】
サーバー2は、決定状態132に進み、決定状態132において、サーバー2は、ユーザーからのコマンド(例えば、ディスプレイアレイ30の領域の更新を停止するためのコマンド、リフレッシュレートを上昇させるためのコマンド、終了コマンド、等)を探す。決定状態132において、サーバー2がユーザーからコマンドを受け取った場合は、サーバー2は、状態134に進む。状態134において、サーバー2は、状態132でユーザーから受け取ったコマンドを実行し、次に決定状態138に進む。決定状態132において、サーバー2がユーザーからコマンドを受け取らない場合は、サーバー2は、決定状態138に進む。
【0070】
状態138において、サーバー2は、クライアントデバイス7による行動(例えば、のちに表示すべき映像データを受け取って保存する、データ転送レートを上昇させる、次の映像データの組がインターレース化フォーマットであると予想する、等)が必要であるかどうかを決定する。決定状態138において、クライアントデバイス7による行動が必要であるとサーバー2が決定した場合は、サーバー2は、状態140進み、状態140において、サーバー2は、該行動を行うためのコマンドをクライアントデバイス7に伝送し、該伝送後は、サーバー2は、状態130に進む。決定状態138において、クライアントデバイス7による行動が必要でないとサーバー2が決定した場合は、サーバー2は、決定状態142進む。
【0071】
決定状態142に進み、サーバー2は、データ転送を終了させるべきかどうかを決定する。決定状態142において、サーバー2がデータ転送を終了させないことを決定した場合は、サーバー2は、状態130に戻る。決定状態142において、サーバー2がデータ転送を終了させることを決定した場合は、サーバー2は、状態144に進み、状態144において、サーバー2は、データ転送を終了させ、アプリケーション終了メッセージをクライアントデバイス7に伝送する。さらに、サーバー2は、ステータス情報又はその他の情報をクライアントデバイス7に伝達することもでき、及び/又は、同様の伝達をクライアントデバイス7から受け取ることもできる。
【0072】
図10は、図1及び3Aに示されるシステムを動作させるプロセス200の一実施形態の流れ図である。図10に示されるプロセス200はシステム、例えば図1に示されるシステムにおいて使用される。ここではサーバー2は多くのクライアントデバイス7と通信可能であり、各クライアントデバイス7は他のクライアントデバイス上のディスプレイと同じ動作特性を有しているかあるいは同じ動作特性を有していなくともよい。プロセス200はクライアントデバイス7のディスプレイのサーバー2の決定特性を示しており、ディスプレイが複数の動作モードを使用することができ、ディスプレイデータに対して1つまたはそれ以上のディスプレイの動作モードを使用することができる。クライアントデバイス7のディスプレイタイプを決定するために、サーバー2は、各クライアントデバイス7のディスプレイ特性を示す情報を受信する。一実施形態において、クライアントデバイス7のディスプレイ特性を決定することは、クライアントデバイス7がサーバー2と通信を確立している間に発生する。他の一実施形態において、サーバー2は、クライアントデバイス7(図1)がサーバー2(図1)と通信を確立した後で、ディスプレイ特性を受信するべくクライアントデバイス7と通信可能になる。一実施形態において、プロセス200は、クライアントデバイス7が例えば映像データ(図7、状態74)を受信する容易ができたことを示す信号をサーバーに送る前、例えば、サーバー2及びクライアントデバイス7間の最初の通信のとき、に開始する。あるいは、プロセス200は、例えば状態76以前あるいは状態76で(図7)、サーバー2及びクライアントデバイス7間の最初の通信以後の時間に開始可能である。
【0073】
状態202の初めに、サーバー202はクライアントデバイス7のディスプレイ特性を決定する。この特定は、クライアントデバイス7のディスプレイタイプに関する情報、例えば、クライアントデバイス7のディスプレイが図3Aのディスプレイアレイ30などの双安定ディスプレイであるか否かの情報を含む。サーバー7はクライアントデバイス7のディスプレイ特性を複数の方法により決定することができる。一実施形態において、サーバー2は、クライアントデバイス7のディスプレイに関するディスプレイ情報の特性を記述する情報によって予めプログラムすることが可能である。他の一実施形態において、ディスプレイデバイス7のディスプレイ特性は、例えばクライアントデバイス7の識別子をサーバー2に送信することによって、リンク8(図1)を介してサーバー2に知らせることができる。サーバー2は、例えばテーブル、データベースあるいはファイルに記憶され、サーバーにアクセス可能なクライアントデバイス情報を索引形式(indexing)にすることにより、クライアントデバイス7のディスプレイ特性を決定するためにクライアントデバイス7の識別子を使用することができる。
【0074】
状態202の特性化に続いて、状態204においてサーバー22によって決定された特性に基づいて、関連するクライアントデバイス7が、クライアントデバイス7のディスプレイに対して複数の動作モードあるいは特性の能力を提供するかどうかについての決定が行なわれる。決定が否定の場合、例えば、クライアントデバイス7は従来のディスプレイタイプをもつ従来のデバイスであるならば、プロセス200は状態206に進み、サーバー2はクライアントデバイス7と通信をして動作モードを使用して従来のディスプレイを動作する。しかしながら、状態204の決定が肯定であるならば、例えば、クライアントデバイス7がアレイ30を含むならば、プロセス200は状態208に移行する。
【0075】
状態208において、プロセス200は、例えばリップ及びホールド、フレームスキップ、エリアアドレス、画素アドレス、選択された異なる更新レート及び/またはインタレースを含むディスプレイアレイ30を動作するために1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択して起動する。ディスプレイモードの選択は、ユーザ選択による予めプログラムされた値に基づいてあるいはそれは表示される映像データに基づいて動的に発生する。実施形態に応じて、図10において、さらなるステップが追加されるかあるいは、他のステップが追加されるかステップの順番が再配列される。
【0076】
ディスプレイアレイ30は、ある種の更新モード及びリフレッシュレートで動作可能なことを含む、従来のディスプレイとは異なる数多くの動作特性を提供する。以下の記述はこれらの動作特性あるいはモードの一実施形態である。種々のモードは個々にあるいは他のモードと組み合わせて動作する。記述されたモード及び特性はディスプレイアレイ30の動作を記述する一方法の特別な実施形態である。
【0077】
ディスプレイアレイ30を動作するために選択可能な1つのモードは、ここでは“リップアンドホールド”動作モードと呼ばれる。リップアンドホールドモードの一実施形態において、情報例えば映像データはサーバー2からクライアントデバイス7に送信され、情報の少なくとも一部を示すフレームは、ディスプレイ上のイメージとして扱われるあるいは“切り取られる(ripped)”。ここで用いられる“ripped”は任意のデータを単にベクトル中心のデータではなくディスプレイアレイ30上のイメージとして扱うことを意味する。ディスプレイアレイ30は従来のディスプレイの一定のリフレッシュ動作を必要としないので、ディスプレイアレイ30はこの切り取られたフレームを延長された時間、保持することができる。一実施形態において、情報はディスプレイアレイ30の全観察エリアに表示されるが、他の実施形態では情報はディスプレイアレイ30の一部例えばディスプレイアレイ30の区画されたエリアに表示される。リップアンドホールドモードは非同期で及び/あるいは非周期的に実行され、これによってディスプレイアレイ30を使用するに当たってさらなる柔軟性を提供する。
【0078】
第2のディスプレイモードあるいは特性は、ディスプレイをリフレッシュするための”フレームスキップ“モードあるいは特性を具備する。双安定ディスプレイは、多くのフラットパネルディスプレイがそうであるように、フレーム更新の間に大部分の電力を消費するので、電力を節約するために双安定ディスプレイが更新される頻度を制御できることが望ましい。例えば、映像ストリームの隣接するフレーム間に変化がほとんどないならば、ディスプレイアレイはイメージ品質の僅かな低下であるいは全然低下がない状態でより少ない頻度でリフレッシュされる。一例として、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ上に表示される、典型的なPCデスクトップアプリケーションのイメージ品質は、リフレッシュレートが低減するという問題は発生しない。これは、インターフェロメトリック変調器ディスプレイは多くの他のディスプレイのリフレッシュレートの低減を引き起こすフリッカの影響を受けないからである。すなわち、ある種のアプリケーションの動作中において、PCディスプレイシステムは、ディスプレイの出力に最小限の影響を与えながら、インターフェロメトリック変調器などの双安定ディスプレイ素子のリフレッシュレートを低減する。
【0079】
図11A及び11Bは、映像データのリフレッシュ動作のためのフレームスキップモードを示している。図11Aは従来のディスプレイタイプの映像データを表示する動作を示している。図11Bは、ディスプレイアレイ30を具備する、例えば図3Aに示されるようなシステムの映像データをリフレッシュするためのフレームスキップ特性の一実施形態を示している。特に、図11Aは、約15Hzのレートですなわち映像の新たなフレーム間に約67ミリ秒の周期で、クライアントデバイス7によって受信されている映像データの任意の部分を表示する。ディスプレイは時間t1で新たなフレーム1で更新され、フレーム1は約60Hz(概して従来のディスプレイにおいて使用されるレート)のレートでリフレッシュされる。従って、新たなフレーム1の更新の後、従来のディスプレイは約17ミリ秒ごとにフレーム1をリフレッシュする。図11Aは、フレーム1が時間t1 で更新され、時間t2,t3,t4で3回リフレッシュされることを示している。次に、ディスプレイアレイ30は時間t5でフレーム2によって更新される。フレーム2はフレーム1と同じ方法で順次リフレッシュされる。
【0080】
図11Bに示すように、クライアントデバイス7は例えば、図3Aに示されるクライアントデバイスの実施形態は、例えばディスプレイアレイ30の電力要件を下げることによって、ディスプレイアレイ30の使用を最適化するためにフレームスキップリフレッシュを使用することができる。図11Bに示されるように、フレームスキップリフレッシュ値は1に設定され、フレーム1の更新は時間t1 で発生する。約17ミリ秒後の時間t2で、従来のディスプレイが(時間t2で図11Aに示されるように)このフレームをリフレッシュするときに、リフレッシュはスキップされ、表示されたフレーム1は表示され続ける(例えば、表示あるいは分割されているならばディスプレイの関連部分は変化しない)。このとき、ディスプレイアレイ30は“ホールド”状態にあると呼ばれる。フレームスキップ値はここでは1に設定されているので、次に示されたリフレッシュ時間t3で、ディスプレイアレイ30はフレーム1によってリフレッシュされる。約17ミリ秒の後に、次のリフレッシュ時間t4で、現在の表示されたフレーム1は再び表示され続ける(例えば、“ホールド”状態において)。時間t5で、表示アレイ30は次のフレームであるフレーム2で更新される。フレーム2はフレーム1に対して行なわれるのと同様のリフレッシュ−更新プロセスでリフレッシュ及び更新される。すなわちこの実施形態において、ディスプレイプロセスは、1つおきのリフレッシュプロシージャをスキップするとともに、第一の近似の結果として、約1/2の電力及びオーバヘッドの節約を実現することができる。他の実施形態において、スキップ1、スキップ2、スキップ1などのフレーム、スキップ1、スキップ2、スキップ1など他のフレームスキップリフレッシュ値が、特定のアプリケーションの要件に応じて使用可能である。そのようなフレームスキップリフレッシュプロセスは従来のディスプレイ技術では好ましくない。なぜなら、リフレッシュが適切な方法(例えば概して60−75Hz)で行なわれなかったならば、観察者によって観察されるイメージ品質は大きく劣化するからである。
【0081】
電力要件を低減するためにディスプレイリフレッシュレートを低減する他の実施形態において、ディスプレイデバイスがディスプレイフィードのフレームレートよりも高いリフレッシュレートをもつならば、ディスプレイアレイ30はリフレッシュレートをディスプレイフィードのフレームレートに等しいかあるいはそれよりも小さいリフレッシュレートに低減される。リフレッシュレートの低減がLCDディスプレイなどの通常のディスプレイに関しては実現できないが、ディスプレイアレイ30などの双安定ディスプレイはより長時間の間画素の状態を維持することができるので、必要に応じてリフレッシュレートを低減することができる。一例として、PDA上に表示されている映像ストリームが15Hzのフレームレートをもち、双安定PDAディスプレイが秒あたり60回のレートでリフレッシュ可能(1/60秒=16.67ms)であるならば、典型的な双安定ディスプレイは、各フレームの映像データでディスプレイを4回まで更新する。例えば、15Hzのフレームレートは、66.67msごとに更新する。16.67msのリフレッシュレートをもつ双安定ディスプレイにおいて、各フレームは66.67ms=4ms=4回までディスプレイデバイス上に表示される。より詳細には、双安定ディスプレイのオン及びオフ状態は画素をリフレッシュすることなしに維持されるので、映像ストリームからの映像データのフレームは、ディスプレイデバイスに一度表示されるだけでよく、新たな映像フレームに対する表示の準備ができるまで維持される。このようにして、双安定ディスプレイは各映像フレームを一度だけ与えることによって電力要求を低減している。
【0082】
一実施形態において、映像ストリームのフレームは、プログラム可能な“フレームスキップカウント”に基づいてスキップされる。図3Aにおいて、双安定ディスプレイの一実施形態において、アレイドライバ22などのディスプレイドライバは、双安定ディスプレイ、インターフェロメトリック変調器ディスプレイアレイ30に利用可能な多数のリフレッシュをスキップするようにプログラムされる。一実施形態において、アレイドライバ22内のレジスタは、フレームスキップカウントを表わす0、1、2、3、4などの値を記憶する。ドライバは次に、ディスプレイアレイ50のリフレッシュ頻度を決定するためにこのレジスタにアクセスする。例えば、値0、1、2、3、4は、ドライバがディスプレイアレイ30をそれぞれフレームごと、1フレームおき、3フレームごと、4フレームごと、5フレームごとに更新することを示している。一実施形態において、このレジスタは、(並列あるいは直列タイプの)通信バスあるいはSPIなどの直接的な直列リンクを介してプログラム可能である。他の実施形態において、レジスタは、ドライバコントローラ29などのコントローラとの直接接続からプログラム可能である。また、上記した高速データ通信リンクを超えた直接或いは並列通信チャネルの必要性をなくすために、コントローラでレジスタプログラミング情報がデータ送信ストリーム内に埋め込まれ、ドライバでストリームから抽出される。
【0083】
プロセス200によって選択される他のディスプレイモードあるいは特性は、エリアアドレスあるいはディスプレイ分割モードを含む。前記したように、ディスプレイアレイ30は従来のディスプレイのような一定の頻繁なリフレッシュを必要としないので、ディスプレイアレイ30は2つまたはそれ以上のエリアに分割可能である。エリアアドレシングを使用することにより、各エリアあるいは分割領域は別個に更新可能である。例えば、変化の頻度が低いデータを表示するディスプレイアレイ30の一方の分割領域はたまに更新すればよく、頻繁に変化するデータを表示するディスプレイアレイ30の他の分割領域は、これに対応して頻繁な更新のレートをもつ。例えば、図12は、観察者の側から見た平面図において、図3Aに示すディスプレイアレイ30に類似したインターフェロメトリック変調器アレイ300の一実施形態である。しかしながら、ここでのインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300(図12)は、本実施形態にしたがって、第1のフィールド302、第2のフィールド304、第3のフィールド306に分割されている。この実施形態において、第1、第2、第3のフィールド302、304、306などのようにインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300の異なるフィールドは、各302,304,306において表示されるイメージの性質に応じて、異なるフィールド302、304、306に表示される更新イメージに関して、別個及び異なる方法で処理される。
【0084】
例えば、一実施形態において、第1のフィールド302は、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ300を含むある装置が提供できる異なる動作上の特性に対応する複数のアイコンをもつツールバーを表示できる。種々の実施形態の記述を考慮すれば、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ300は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、テキストメッセージサービス、計算器、携帯型測定器あるいは医療機器、ビデオプレーヤー、パーソナルコンピュータ、などを含む種々の電子装置に組み込むことができる。すなわち、一実施形態において第1のフィールド302は、対応する機能の選択があったときに第1のフィールド302の特定のアイコンの色付けあるいは強調(ハイライト)の変化を除けば、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ300に関する一定の構成及び位置を使用中において維持する複数のアイコンをもつツールバーに対応するイメージを描く。すなわちインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300の第1のフィールド302に表示されたイメージは概して相対的に頻度の小さい更新が要求されるがあるいは特定のアプリケーションでは更新なしである。
【0085】
第2のフィールド304は、第1のフィールド302に描かれたイメージとは大きく異なる更新要求をもつインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300の領域に対応する。例えば、第2の領域304は、ビデオストリームに対応する約15Hzなどの、大変高い更新レートを示すインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300上に描かれる一連のビデオイメージに対応する。すなわち、第1のフィールド302に描かれたイメージに対する更新要求は、頻度が低く周期的でない性質をもっている。例えば、ユーザがインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300を組み込んでいる装置の対応する動作上の特性を駆動するためのアイコンを選択したときのようにイメージが一定かあるいは頻度の低い周期的でない更新においては実質的に更新が無い。しかしながら、第2のフィールド304のイメージに対する更新要求は、第2のフィールド304に表示される映像データの周期的フレームに対応して概して周期的な性質のものである。しかしながら、第2のフィールド304に表示されるイメージの更新は、第1のフィールド302のイメージに対して提供される更新に関して非同期な方法で容易に行われる。さらに、当該フィールドは重複、すなわち、1つのフィールドが他の上に位置するものとして指定され、下のフィールドの重複部分を包含する。
【0086】
第3のフィールド306に表示されるイメージは、第1のフィールド302あるいは第2のフィールド304の要求とは異なる他の更新要求をもつ。例えば、一実施形態において、第3のフィールド306に表示されるデータは、電子メールあるいはニュースコンテンツなどのテキストを具備し、装置のユーザが周期的にスクロールする。そのような実施形態においては、例えばスクロール中などのユーザの観察要件に応じて第3のフィールド306のデータを頻繁に更新することが必要である。しかしながら、ユーザが表示されている情報を読むときに同じイメージが第3のフィールド306に常に表示される場合のように相対的に長い期間がある。これらの期間の間には表示の更新は必要としない。したがって、ディスプレイ300は、例えば表示されるイメージが静的であり実質的に更新がない期間と、イメージが変化しており更新の度合いが相対的に高い期間などのように、時間によって大きく変化する更新特性を支持可能である。第3のフィールド306に表示されるイメージの更新は、第1及び第2のフィールド302,304におけるデータの更新に関して非同期は方法で実行される。
【0087】
一実施形態において、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ300は、異なる更新レートに加えて異なる更新方法を提供する。例えば、第1のフィールド302は、プログレッシブスキャンタイプの駆動方法と類似した方法によって更新可能である。第2のフィールド304は、第1のフィールド302の波形に類似した波形によって、しかし、電力消費を低減するためにインタレースロースキャン方法によって駆動される。さらに他の実施形態では、画素内の第3のフィールド306を一度に駆動する。この実施形態は、連続するフレームのデータがフレーム相関に対して相対的に高い度合いのフレームを示すときに好適する。すなわち、更新は、状態が変化する画素に限定される。インターフェロメトリック変調器ディスプレイの分割については前記の関連出願第11/096546号(名称:分割されたディスプレイの異なる部分に対して異なる更新レートをもつシステム)にさらに記述されている。
【0088】
プロセス200によって選択可能な他のディスプレイモードあるいは特性は、個々の画素あるいは画素群をアドレス付けすることを含み、ここでは“画素アドレシング”と呼ぶことにある。上記したように、ディスプレイアレイ30の有利な特性は、従来のディスプレイのように、ディスプレイの常時リフレッシュ動作が不要なことである。画素アドレシングの一実施形態において、プロセス200は上記のリップアンドホールド機能を実行することができ、インターフェロメトリック変調器ディスプレイ30上にイメージを表示する。次に、プロセス200は、到来するデータを動的に評価して、次のフレーム間で変化する特定の画素に対応する変化ベクトルを決定し、残りを以前の設定状態に保持しつつ、変化する画素のみをアドレシング及び更新する。すなわち、例えばディスプレイアレイ30が、ポインタあるいはカーソルが表示されたイメージ上を移動させている状態で比較的一定の背景を描いている場合には、表示されている全体のイメージのうち比較的小さな部分のみ(例えばカーソルの移動に対応する画素)更新するだけでよい。これによってシステムオーバヘッドとクライアントデバイス7によって消費される電力消費を大きく低減させることができる。
【0089】
図13Aは、図3Aに示すようなアレイドライバ22などのアレイドライバを示す図であり、エリア更新最適化プロセスを使用するように構成されている。例示的な実施形態として、本実施形態で用いられる回路が図3Aに示されている。アレイドライバ22はロードライバ回路24とコラムドライバ回路26を含む。図13Aに示される実施形態において、信号を使用するためにアレイドライバ22内に回路が埋め込まれており、当該信号は、アドレス指定されているディスプレイドライバ30のアクティブエリアの輪郭を決めるためにドライバコントローラ29の出力信号セットに含まれている。アクティブエリアの輪郭を規定するための信号は概してディスプレイイネーブルで表される。ディスプレイアレイ30のアクティブエリアはドライバコントローラ29内のレジスタ設定によって決定され、プロセッサ21(図3A)によって変更される。アレイドライバ22内に埋め込まれた回路は、ディスプレイイネーブル信号を監視でき、ディスプレイのアドレス部を選択的にアドレス指定するためにそれを使用する。概してディスプレイビデオインタフェースはさらにデータラインの開始を示すラインパルスあるいは水平同期信号を使用する。ラインパルスをカウントする回路は現在のローの垂直部分を決定する。プロセッサ21からのディスプレイイネーブルを受信(水平領域に対するシグナリング)したとき、あるいはラインパルスカウンタ回路(垂直領域に対するシグナリング)があったとき、リフレッシュ信号が調整され、エリア更新機能が実行される。ロードライバ回路24が使用する信号例えば、−ΔV、0、あるいは+ΔVの電圧レベルは、ラインパルスカウンタの値によって及びディスプレイイネーブルが駆動されたときに決定される。特定のローについて、ラインパルスが受信されかつディスプレイイネーブル信号がアクティブでないならば、ローは現在のレベルと同じ電圧レベルに設定されるが、カウンタはインクリメントされる。ディスプレイイネーブル信号がアクティブであり、ラインパルスが受信されたとき、ロードライバ回路24はローに関する所望の電圧レベルを選択する。ラインパルスカウンタがローが更新すべきディスプレイのエリアであることを示すならば、それはローに関する所望の信号を選択する。それ以外の場合、信号は選択されない。
【0090】
図13Bはアレイドライバと一体化されるコントローラを示す図である。図13Bに示す実施形態において、ドライバコントローラはアレイドライバと一体化される。一体化されたドライバコントローラ及びドライバ内の特別の回路はまず、どの画素すなわちローがリフレッシュを必要としているかを決定し、変化があった画素をもつローのみを選択して更新する。そのような回路において、特定のローが不連続な方法でイメージのコンテンツに依存して変化する箇所に関してアドレス指定される。この実施形態によれば、変化した映像データのみが一体化コントローラ及びドライバ回路間のインタフェースを介して通信するだけでよく、アレイドライバ回路のリフレッシュレートはプロセッサとディスプレイアレイ30間で低減可能である。プロセッサとディスプレイコントローラ間で必要とされる実際のリフレッシュレートを低減することは、電力消費を低減してノイズ耐性を改善し、システムに対する電磁干渉の問題を低減する。
【0091】
双安定ディスプレイ上で好適に実行される他のディスプレイモードは、映像データを表示するインタレースモードである。一実施形態において、双安定アレイはディスプレイアレイ30である。一実施形態において、映像データは、従来のテレビのCRTなどの既存のディスプレイ技術との両立性のためにインタレース方法により符号化される。概して、インタレース動作はビデオディスプレイ手法に関しており、従来のディスプレイは最初のフレームに対してはディスプレイの全ての奇数ローを書き、次のフレームにおいては、次のフレームに対してはディスプレイの全ての偶数ローを交互に書くことによって更新あるいはリフレッシュされる。例えば、図14に示すように、映像データフレーム1−6に関しては、奇数ローR1,R3,R5及びR7などがフレーム1,3,5に対して書かれ、偶数ローR2,R4,R6などはフレーム2,4,6に対して書かれる。すなわち、インタレースフォーマットにおいてはゼンディスプレイマトリックスの交代する半分が交互にリフレッシュあるいは更新され、これによって例えば各奇数あるいは偶数ローが交互のサイクルで更新あるいはリフレッシュされる。従来のディスプレイでは相対的に頻繁に常時リフレッシュすることが必要とされるので、多くのアプリケーションでは、このローインタレース形式のデータは、インタレース映像データを補間手法で併合するプログレッシブフォーマットとして知られるものに処理される。
【0092】
これに対して、双安定ディスプレイ例えばインターフェロメトリック変調器ディスプレイ30は常時の頻繁なリフレッシュ動作を必要としないので、プロセス200はインタレースデータを直接的に支持でき、ディスプレイアレイ30はそれ自身がインタリーブされたデータセットのリフレッシュ動作によってデータの以前のフレームを維持する。
【0093】
図15はさらにインターフェロメトリック変調器アレイを具備するディスプレイ上へのインタレースデータの表示手順を示している。図15において、プロセス400は、サーバー2からのインタレースデータを表示するためにクライアントデバイス7例えば図1に示すクライアントデバイス7上で動作する。状態402において、クライアントデバイス7はサーバー2からの少なくとも一部のインタレースデータを含む映像データを受信する。インタレースデータをクライアントデバイス7に対して識別する種々の方法が存在する。一実施形態において、インタレースデータ情報は、映像データ及びそのコンテンツを示すサーバー制御情報の一部としてクライアントデバイス7に送信される。例えば、図16は、インタレース映像データに対する識別情報及び他のディスプレイ情報を含むサーバー提供メッセージ制御情報の一実施形態を示す。サーバー提供メッセージ600は、サーバー2がインタレース映像データをクライアントデバイス7に提供していることをクライアント7に通知するために、サーバー2によって使用される映像データフォーマットタイプ614などのコンテンツを含む。状態404において、クラアントデバイス7は、図16に示すものなどのサーバー制御情報を使用して映像データ内のインタレースデータを識別する。
【0094】
図16に戻って、一実施形態において、サーバー提供メッセージ600は、クラアントデバイス7上に映像データを表示することに関連する他の情報を含む。図16に示すような一実施形態において、メッセージ600は、クライアントデバイス7に送信されているコンテンツのタイプを識別する識別セグメント602を含む。例えば、コンテンツが電話の呼び出しであれば、呼び出し者の電話番号が提供される。コンテンツがウエブサイトからのメディアであるならば、ウエブサイトの身元の識別子が識別セグメント602を介して提供される。サーバー制御要求604はその表示及びリフレッシュ及び/または更新レートに関してサーバー制御を認めるためにサーバーからクライアントに対する要求である。分割コマンド606はそのディスプレイ(図示せず)をどのように分割すべきかについてのクライアントへの指令を含む。分割コマンド600はディスプレイの分割領域を示すディスプレイのローあるいはコラムを含む。第1の分割リフレッシュレート値608はディスプレイの第1の分割において表示されるコンテンツが更新あるいはリフレッシュされるレートを示し、第2の分割リフレッシュレート値610はディスプレイの第2の分割において表示されるコンテンツが更新あるいはリフレッシュされるレートを示す。一実施形態において、サーバーメッセージ600はフレームスキップカウント情報612、映像データフォーマットタイプ614及び/またはノード情報616などの他の情報を含む。フレームスキップカウント情報612は、上記したような映像データのフレームを表示するか否かを決定するのに使用される。映像データフォーマットタイプ614はクラアントデバイス7に対してどのタイプのデータ例えばインタレースデータがサーバー2から送信されるのかを示すためにサーバー2によって使用される。メッセージ内のノード情報616はクライアントデバイス7に対してサーバー2から送信されているデータに関連するノードあるいはネットワークデバイス情報を示すのに用いられる。
【0095】
プロセス400は次に状態406に移行し、ここでプロセス200は上記したようにディスプレイアレイ30上にインタレースデータを表示する。実施形態によって、図15の状態は除去、追加、あるいは再配置可能である。
【0096】
したがって、インターフェロメトリック変調器ディスプレイをもつクライアントデバイス7とともに用いられるプロセス200はユーザに対してさらに大きな柔軟性と帯域の節約とを提供する。さらに、図1に戻って、サーバー2は種々の動作モードあるいは特性の適正さ及び効力を容易に決定して所望の1つまたは複数を選択してエンドユーザに対する機能性を増大し、かつ/あるいは帯域及び消費電力を低減して所定のクライアントデバイス7に対して適正な機能を提供し、これによってさらなるクライアントデバイス7に対してサービスの利用可能性を増大する。本発明の実施形態は、サーバー2がクライアントデバイスディスプレイの特性を決定して1つまたはそれ以上のディスプレイ特性あるいはディスプレイのモードを可能にするディスプレイシステムを提供する。他の実施形態において、クライアントデバイス7は、ディスプレイ上に表示されるデータの特性に従って1つまたはそれ以上のディスプレイ特性あるいはモードを選択的に可能にするように構成される。クライアントデバイス7とサーバー2間のリンク8は一実施形態においては少なくとも部分的に双方向リンクである。このことは、クライアントデバイス7がクライアントデバイス7の特性を示すデータをサーバー2に通知あるいは提供できるという利点を提供する。すなわち、一実施形態において、サーバー2は複数のクライアントデバイス7と複数のリンク8を介して通信可能であり、複数のクラアントデバイス7は従来のディスプレイ及び上記したような拘束された条件下で動作するデバイスを含む。1つまたはそれ以上のクライアントデバイス7はここに記述された動作上の利点を提供する1つまたはそれ以上のインターフェロメトリック変調器ディスプレイ30を含む。すなわち、サーバー2はクライアントデバイス2の特性に関してインタラクティブな方法で通知され、これによってシステム1はサーバー2及び複数のクライアントデバイス7の動作を改善することができる。さらに、システム1は動的な方法でインターフェロメトリック変調器ディスプレイの利点を利用することができる。
【0097】
上記した詳細な説明は種々の実施形態に適用したときの本発明の新規な特徴について示し、記述し、指摘したが、例示されたデバイスあるいはプロセスの形態及び詳細の種々の削除、置換、変更が本発明の精神から逸脱することなしに当業者によってなされる。容易にわかるように、本発明はここに記述されたすべての特徴及び利点を提供しない形態で実現され、いくつかの特徴が他とは別個に使用あるいは実施される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】1つの実施形態のネットワーク化されたシステムを例示した図である。
【図2】インターフェロメトリック変調器ディスプレイアレイの1つの実施形態の一部分を描いた等大図であり、第1のインターフェロメトリック変調器の移動可能反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリック変調器の移動可能反射層が作動位置にある。
【図3A】3x3インターフェロメトリック変調器ディスプレイアレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。
【図3B】図1のサーバー主体の無線ネットワークサービスのクライアントの実施形態を例示した図である。
【図3C】図3Bのクライアントの典型的なブロック構成を示した図である。
【図4A】図2のインターフェロメトリック変調器の1つの典型的実施形態に関する移動可能なミラーの位置及び印加電圧の関係を示した概略図である。
【図4B】インターフェロメトリック変調器ディスプレイを駆動するために使用される一組のロー電圧及びコラム電圧を例示した図である。
【図5A】図3Aの3x3インターフェロメトリック変調器ディスプレイアレイにおけるディスプレイデータの例示的フレームを示す図である。
【図5B】図5Aのフレームを書くために用いられるロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である。
【図6A】図2のインターフェロメトリック変調器の横断面である。
【図6B】インターフェロメトリック変調器の代替実施形態の横断面である。
【図6C】インターフェロメトリック変調器のもう1つの代替実施形態の横断面である。
【図7】クライアント制御プロセスの高位流れ図である。
【図8】受け取り/表示プロセスを開始させて実行するためのクライアント制御プロセスの流れ図である。
【図9】映像データをクライアントに伝送するためのサーバー制御プロセスの流れ図である。
【図10】クライアントデバイスディスプレイ特徴のサーバー駆動制御のためのシステム及び方法の一実施形態の流れ図である。
【図11A】典型的なディスプレイを映像データで更新する一実施形態を示す図である。
【図11B】インターフェロメトリック変調器ディスプレイを映像データにより更新する一実施形態を示す図である。
【図12】3つのフィールドに分離されたインターフェロメトリック変調器ディスプレイ300の一実施形態の平面図である。
【図13A】エリア更新最適化プロセスを使用するように構成されたアレイドライバを示すブロック図である。
【図13B】アレイドライバと一体化可能なコントローラを示すブロック図である。
【図14】インタリーブされたデータストリームを直接処理する能力を提供するディスプレイシステムの一実施形態を示す図である。
【図15】インターフェロメトリック変調器のアレイに関するインタレースデータを表示するためのプロセスを示す図である。
【図16】サーバーにより提供されたメッセージの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイに関して情報を表示する方法であって、
データ表示のインタレースモードとデータ表示のノンインタレースモードをもつデバイスで映像データを受信することと、
前記映像データの一部をインタレースデータとして識別するとともに、前記映像データの一部をノンインタレースデータとして識別することと、
前記インターフェロメトリック変調器のアレイを少なくとも第1及び第2の領域に分割することと、
を具備する方法。
【請求項2】
映像データを受信することは、通信網を介して前記デバイスで映像データを受信することを具備する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記インタレースデータ及び前記ノンインタレースデータは同時に表示される請求項1記載の方法。
【請求項4】
映像データを受信することは、前記デバイス上で動作するアプリケーションからの映像データを受信することを具備する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記デバイスで前記映像データの一部をインタレースデータとして識別することは、前記通信網を介して受信した情報を使用することを具備する請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記インタレースデータを表示することは、第1の時間期間の間に、インタレースデータの映像フレームのローの第1のサブセットを表示することと、
前記ローの第1のサブセットの表示を継続しつつ、第2の時間期間の間に、前記映像フレームのローの第2のサブセットを表示することと、
を具備する請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記インタレースデータを表示することは、第1の表示リフレッシュの間に前記アレイ上にインタレースデータのフレームの第1の半分を表示するとともに、第2の表示リフレッシュの間に前記アレイ上にインタレースデータのフレームの第2の半分を表示することを具備する請求項1記載の方法。
【請求項8】
リフレッシュサイクルの間にインタレースデータのフレームの前記第2の半分を表示することは、前記第2の表示リフレッシュの間に前記アレイ上にインタレースデータのフレームの前記第1の半分の表示を継続することを具備する請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記アレイは画素を具備し、インターフェロメトリック変調器のアレイ上に前記インタレースデータを表示することは、すでに表示された映像データのフレームから変化した画素のみを更新することを具備する請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記第1及び第2の領域の更新レートは異なっている請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記インタレースデータの更新レートは前記インタレースデータのコンテンツを使用して動的に決定される請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記インタレースデータの更新レートは、ユーザ入力値を使用して決定される請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記インタレースデータの更新レートは、フレームスキップカウントを使用して決定される請求項1記載の方法。
【請求項14】
インターフェロメトリック変調器のアレイと、
前記インターフェロメトリック変調器のアレイに電気的に接続されたアレイドライバであって、前記アレイ上にインタレース及びノンインタレース映像データを表示するように構成され、前記ディスプレイの第1の領域においてインタレース映像データを表示するとともに、前記ディスプレイの第2の領域においてノンインタレース映像データを表示するアレイドライバと、
を具備するシステム。
【請求項15】
前記アレイドライバはさらに、インタレースフォーマットのデータを含む映像データを受信し、インタレースフォーマットにおける映像データの一部を識別し、インターフェロメトリック変調器のアレイ上にインタレースフォーマットに関する前記識別された映像データを表示するように構成される請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記アレイドライバは、フレームスキップカウントに基づいて、選択されたフレームを選択的にスキップする請求項14記載のシステム。
【請求項17】
インターフェロメトリック変調器の前記アレイと電気的な通信が可能であり、イメージデータを処理するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと電気的な通信が可能なメモリデバイスと、
をさらに具備する請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記インターフェロメトリック変調器のアレイ上に表示するために、前記映像データの少なくとも一部を前記アレイドライバに送信するように構成されたコントローラをさらに具備する請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記イメージデータを前記プロセッサに送信するように構成されたイメージソースモジュールをさらに具備する請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記イメージソースモジュールは、受信機、トランシーバ、送信機の少なくとも1つを具備する請求項19記載のシステム。
【請求項21】
入力データを受信し、かつ前記入力データを前記プロセッサに送信するように構成された入力装置をさらに具備する請求項17記載のシステム。
【請求項22】
映像データを表示するためのシステムであって、
光をインターフェロメトリックに変調するための手段と、
前記変調手段をインタレース及びノンインタレース映像データによって駆動する手段であって、前記インタレース映像データを前記ディスプレイの第1の領域において表示し、前記ノンインタレース映像データを前記ディスプレイの第2の領域において表示する駆動手段と、
を具備するシステム。
【請求項23】
前記変調手段はインターフェロメトリック変調器のアレイを具備する請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記駆動手段はアレイドライバを具備する請求項22記載のシステム。
【請求項25】
前記駆動手段は、インタレースフォーマットのデータを含む映像データを受信し、インタレースフォーマットの映像データの一部を識別し、該識別した映像データを前記変調手段に関するインタレースフォーマットで表示するように構成されている請求項22記載のシステム。
【請求項26】
前記駆動手段はフレームスキップカウントに基づいて、選択されたフレームを選択的にスキップする請求項22記載のシステム。
【請求項27】
インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイに関して情報を表示するためのシステムであって、
データ表示のインタレースモードとデータ表示のノンインタレースモードとをもつデバイスで映像データを受信するための手段と、
前記映像データの少なくとも一部をインタレースデータ及びノンインタレースデータとして識別するための手段と、
インターフェロメトリック変調器のアレイをもつデバイスのディスプレイに関してインタレースデータ及びノンインタレースデータを表示するための手段と、
を具備し、
前記インタレースデータは、前記ディスプレイの第1の領域に表示され、前記ノンインタレースデータは、前記ディスプレイの第2の領域に表示されるシステム。
【請求項28】
前記受信手段は、通信網を介して前記映像データを受信するように構成されたクライアントデバイスを具備する請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記識別手段は、前記クライアントデバイスのプロセッサを具備する請求項27記載のシステム。
【請求項30】
前記ディスプレイ手段は、前記ディスプレイに電気的に接続されたアレイドライバを具備する請求項27記載のシステム。
【請求項31】
インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイに関して情報を表示する方法であって、
前記ディスプレイの特性を決定することと、
前記ディスプレイの特性に基づいて、前記ディスプレイに対する1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択することと、
通信網を介して前記ディスプレイに映像データを送信することであって、前記映像データは前記選択されたディスプレイモードで表示されるように構成されていることと
を具備する方法。
【請求項32】
選択されたディスプレイモードはリップ(rip)及びホールド(hold)である請求項31記載の方法。
【請求項33】
選択されたディスプレイモードはフレームスキップカウントである請求項31記載の方法。
【請求項34】
選択されたディスプレイモードは、前記アレイ上に表示された映像データに対する変更をエリアごとに(area-by-area basis)更新する請求項31記載の方法。
【請求項35】
選択されたディスプレイモードは、前記アレイ上に表示された映像データを画素ごとに画素ごとに(pixel-by-pixel basis)更新する請求項31記載の方法。
【請求項36】
情報を表示するためのシステムであって、
光をインターフェロメトリックに変調するための手段と、
前記変調手段の特性を決定し、前記変調手段の決定された特性に基づいて、前記変調手段のために1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択する手段であって、前記変調手段とデータ通信可能なシステム内に配置された決定及び選択手段と、
映像データを前記変調手段に送信する手段であって、前記映像データは前記選択されたディスプレイモードで表示されるように構成された送信手段と、
を具備するシステム。
【請求項37】
前記ディスプレイ手段はインターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイを具備する請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記決定及び選択手段はサーバーを具備する請求項36記載のシステム。
【請求項39】
前記送信手段は、前記決定及び選択手段と前記変調手段間の通信リンクを具備する請求項36記載のシステム。
【請求項40】
情報を表示するためのシステムであって、
インターフェロメトリック変調器のアレイをもつディスプレイと、
ディスプレイの特性を決定するように構成され、前記ディスプレイの前記決定された特性に基づいて、前記ディスプレイのための1つまたはそれ以上のディスプレイモードを選択するように構成されるサーバーと、
前記サーバーと前記ディスプレイとに結合され、、前記選択されたディスプレイモードにおいて映像データを前記ディスプレイに送信するのに適した通信網と、
を具備するシステム。
【請求項41】
前記ディスプレイと電気的通信が可能であり、イメージデータを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信が可能なメモリデバイスと、
を具備する請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
少なくとも1つの信号を前記ディスプレイに送信するように構成された第1のコントローラと、
前記イメージデータの少なくとも一部を前記第1のコントローラに送信するように構成された第2のコントローラと、
【請求項43】
前記イメージデータを前記プロセッサに送信するように構成されたイメージソースモジュールをさらに具備する請求項41記載のシステム。
【請求項44】
前記イメージソースモジュールは、受信機、トランシーバ、送信機の少なくとも1つを具備する請求項43記載のシステム。
【請求項45】
入力データを受信し、該入力データを前記プロセッサに送信するように構成された入力デバイスをさらに具備する請求呼応41記載のシステム。
【請求項46】
映像データを表示するためのシステムであって、
映像データを提供するように構成されたサーバーであって、前記映像データの少なくとも一部がインタレースフォーマットであるサーバーと、
インターフェロメトリック変調器のアレイと、
前記インターフェロメトリック変調器のアレイに電気的に接続されたアレイドライバと、を具備するクライアントデバイスとを具備し、
前記クライアントデバイスは、前記サーバーから前記映像データを受信し、インタレースフォーマットの映像データの一部を識別するように構成され、前記アレイドライバは、前記アレイ上にインタレース及びノンインタレース映像データを表示するように構成され、
前記クライアントデバイスはさらに、前記アレイの第1の領域に関して前記受信した映像データの前記インタレース部分を表示するとともに、前記アレイの第2の領域に関してノンインタレース映像データを表示するように構成されているシステム。
【請求項47】
前記アレイドライバは、選択されたディスプレイモード、インタレース及びノンインタレース映像データに応じて表示するように構成された請求項46記載のシステム。
【請求項48】
インターフェロメトリック変調器の前記アレイに電気的通信が可能であり、イメージデータを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに電気的に通信可能なメモリデバイスと、
をさらに具備する請求項46記載のシステム。
【請求項49】
少なくとも1つの信号を前記ディスプレイに送信するように構成された第1のコントローラと、
前記イメージデータの少なくとも一部を前記第1のコントローラに送信するように構成された第2のコントローラと、
を具備する請求項48記載のシステム。
【請求項50】
前記イメージデータを前記プロセッサに送信するように構成されたイメージソースモジュールをさらに具備する請求項47記載のシステム。
【請求項51】
前記イメージソースモジュールは、受信機、トランシーバ、送信機の少なくとも1つを具備する請求項50記載のシステム。
【請求項52】
入力データを受信し、前記入力データを前記プロセッサに送信するように構成された入力デバイスをさらに具備する請求項48記載のシステム。
【請求項53】
映像データを表示するためのシステムであって、
映像データを提供するための手段であって、前記映像データの少なくとも一部がインタレースフォーマットである手段と、
前記提供手段からの映像データを受信するとともに、インタレースフォーマットの前記映像データの部分を識別するための手段とを具備し、前記受信及び識別手段は、
光をインターフェロメトリックに変調する手段と、
前記変調手段を駆動するための手段であって、前記変調手段に接続された駆動手段と、を具備し、
前記受信及び識別手段は、前記変調手段に関してインタレース及びノンインタレース映像データを表示するように構成され、前記変調手段の第1の領域に関して前記受信映像データの前記インタレース部を表示するとともに、前記変調手段の第2の領域に関してノンインタレース映像データを表示するように構成されているシステム。
【請求項54】
前記提供手段はサーバーを具備する請求項53記載のシステム。
【請求項55】
前記受信手段はクライアントデバイスを具備する請求項53記載のシステム。
【請求項56】
前記変調手段はインターフェロメトリック変調器のアレイを具備する請求項53記載のシステム。
【請求項57】
前記駆動手段はアレイドライバを具備する請求項53記載のシステム。
【請求項58】
前記駆動手段は、選択された表示モード、インタレース及びノンインタレース映像データに従って、表示するように構成された請求項53記載のシステム。
【請求項59】
映像データを表示するためのシステムを製造する方法であって、
インターフェロメトリック変調器のアレイを具備するディスプレイを提供することと、
前記ディスプレイに電気的に接続されたアレイドライバを提供することであって、前記アレイの別個の部分におけるインタレース及びノンインタレース映像を表示するように構成されていることと、
を具備する方法。
【請求項60】
請求項59の方法によって生成された映像データを表示するためのシステム。
【請求項61】
映像データを表示するためのシステムを製造する方法であって、
通信網を介して映像データを提供するように構成されたサーバーを提供することであって、前記映像データの少なくとも一部はインタレースフォーマットであることと、
前記通信網を介して映像データを受信するように構成されたクライアントデバイスを提供することと、を具備し、
インターフェロメトリック変調器のアレイと、
前記インターフェロメトリック変調器のアレイに電気的に接続されたアレイドライバとを具備し、
前記クライアントデバイスはさらに、インタレースフォーマット及びノンインタレースフォーマットの映像データの部分を識別するように構成され、前記アレイドライバは前記アレイ上にインタレース及びノンインタレース映像データを同時に表示するように構成されている方法。
【請求項62】
請求項61の方法によって生成された映像データを表示するためのシステム。
主体の制御をもつシステム

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−163362(P2006−163362A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−276325(P2005−276325)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】