説明

クライアント端末、サーバ装置、通信システム、制御方法及びプログラム

【課題】映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末側で受信エラーが発生しないようにすることが可能な通信システムを提供する。
【解決手段】 クライアント端末(2)は、サーバ装置(1)からクライアント端末(2)に映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーション(例えば、映像再生機能)を起動した場合に、クライアント端末(2)が受信する信号の受信電力値に応じて、サーバ装置(1)の無線伝送に使用する送信電力値をサーバ装置(1)において変更するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データをサーバ装置からクライアント端末に無線伝送する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、図9に示すように、放送アンテナ3'等からサーバ装置1'が受信した映像データ(デジタル放送データ等)を、サーバ装置1'からクライアント端末2'に無線伝送し、クライアント端末2'において表示装置等に出力表示したり、録画したりする通信システムがある。
【0003】
しかし、無線伝送を行う上述した通信システムにおいては、クライアント端末2'側で受信する信号の受信電力値が規定の受信電力許容範囲よりも強すぎる場合や弱すぎる場合に、クライアント端末2'において受信エラーが発生してしまう虞がある。
【0004】
受信エラーが発生した場合は、誤り訂正符号やCRC(Cyclic Redundancy Check)などの訂正・検出手法や、再送制御などの手法を用いて、映像再生を復旧させる技術を使用することができる。これらの手法を用いることで、ベストエフォートの通信や、低ビットレートのストリーム通信の場合には、受信エラーが発生しても、その後、問題なく映像再生を復旧することができる。
【0005】
しかし、ハイビジョン映像等の映像データの無線伝送を行う場合には、受信エラーの発生が深刻な問題となる。これは、ハイビジョン映像等の映像データの無線伝送を行う場合には、高ビットレートのストリーム通信を行い、間断なく映像データを伝送する必要があるため、受信エラーが発生してしまうと、ビットレートが低下し、高ビットレートのストリーム通信を行うことができなくなってしまうためである。
【0006】
このようなことから、上述した図9に示す通信システムにおいて、ハイビジョン映像等の高ビットレートを必要とする映像データの無線伝送を行う場合には、クライアント端末2'側で受信エラーが発生しないようにする必要がある。
【0007】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、通信相手から送信されてくる信号を基に、通信相手の送信出力電力を制御する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0008】
特許文献1には、受信信号の電界強度、または、S/N比を測定し、その測定した情報(測定情報)を通信相手側の無線通信装置に送り、相手側の無線通信装置は、測定情報を基に送信出力電力を増減する点が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、移動局において、基地局からの受信信号の受信品質を測定し、その測定受信品質と予め定められた目標受信品質とを比較する。そして、測定受信品質が目標受信品質を下回れば、基地局に対して、下り送信電力を上昇させるような上りTPC(Transmission Power Control)ビットを送出する。逆に、測定受信品質が目標受信品質を上回れば、基地局に対して下り送信電力を下降させるような上りTPCビットを送出する点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平4−180414号公報
【特許文献2】特開2007−36633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1、2に開示されている送信出力電力制御は、一般的な無線通信時に行う手法であり、本発明のように、ハイビジョン映像等の高ビットレートを必要とする映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末2'側で受信エラーが発生しないようにするものではない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末側で受信エラーが発生しないようにすることが可能なクライアント端末、サーバ装置、通信システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0014】
<クライアント端末>
本発明にかかるクライアント端末は、
サーバ装置から映像データを取得するクライアント端末であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に前記映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
<サーバ装置>
本発明にかかるサーバ装置は、
映像データをクライアント端末に無線伝送するサーバ装置であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に向けて前記映像データを無線伝送することになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末から受け付けることになる電力変更指示に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を変更する制御手段を有することを特徴とする。
【0016】
本発明にかかるサーバ装置は、
映像データをクライアント端末に無線伝送するサーバ装置であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に向けて前記映像データを無線伝送することになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末から受け付けることになる前記クライアント端末で測定した受信信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を変更する制御手段を有することを特徴とする。
【0017】
<通信システム>
本発明にかかる通信システムは、
サーバ装置と、クライアント端末と、を有し、映像データを前記サーバ装置から前記クライアント端末に無線伝送する通信システムであって、
前記クライアント端末は、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に前記映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる制御方法は、
サーバ装置から映像データを取得するクライアント端末で行う制御方法であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に前記映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する制御工程を有することを特徴とする。
【0019】
<プログラム>
本発明にかかるプログラムは、
上記記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末側で受信エラーが発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態の通信システムのシステム構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態の通信システムにおける処理動作例を示す図である。
【図3】閾値設定を説明するための図である。
【図4】第1の閾値T1の設定例を説明するための図である。
【図5】第2の閾値L1と、第3の閾値L2と、の設定例を説明するための図である。
【図6】第2の実施形態の通信システムのシステム構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態の通信システムにおける処理動作例を示す図である。
【図8】本実施形態の通信システムのシステム構成例の変形例を示す図である。
【図9】本発明と関連する通信システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<通信システムの概要>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の通信システムの概要について説明する。
【0023】
本実施形態の通信システムは、サーバ装置1と、少なくとも1台のクライアント端末2と、を有し、映像データをサーバ装置1からクライアント端末2に無線伝送する通信システムである。
【0024】
本実施形態のクライアント端末2は、サーバ装置1からクライアント端末2に映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーション(例えば、クライアント端末2において映像データを再生・録画するための映像再生機能)を起動した場合に、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値に応じて、サーバ装置1の無線伝送に使用する送信電力値をサーバ装置1において変更するように制御する。これにより、クライアント端末2は、特定のアプリケーション(例えば、クライアント端末2において映像データを再生・録画するための映像再生機能)を起動した場合に、サーバ装置1の送信電力値を変更することができるため、映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の通信システムについて詳細に説明する。
【0025】
<通信システムのシステム構成例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の通信システムのシステム構成例について説明する。
【0026】
本実施形態の通信システムは、サーバ装置1と、クライアント端末2と、を有して構成する。サーバ装置1は、放送アンテナ3等から受信したデジタル放送データを、クライアント端末2に無線伝送し、クライアント端末2においてデジタル放送デーを表示装置等に出力表示するように制御する。また、クライアント端末2は、サーバ装置1から転送されてくるEPG(Electric Program Guide)を基に、録画予約を行い、その録画予約を行った番組データをクライアント端末2において録画するように制御する。
【0027】
<サーバ装置1の構成例>
本実施形態のサーバ装置1は、無線通信部11と、記憶部12と、映像生成部13と、送信電力切替制御部14と、を有して構成する。
【0028】
無線通信部11は、映像生成部13の制御により、放送アンテナ3等から逐次受信したデジタル放送データをバッファ(図示せず)に逐次格納する。無線通信部11が受信したデジタル放送データには、番組データや、EPG(放送番組情報)等の情報が含まれている。また、無線通信部11は、映像生成部13の制御により、バッファ(図示せず)に順次格納したデジタル放送データをクライアント端末2側に無線伝送する。
【0029】
記憶部12は、サーバ装置1を制御する際に使用する各種情報を記憶する。
【0030】
映像生成部13は、映像生成機能(クライアント端末2において映像データを再生・録画するための機能;TV視聴用アプリケーション等)を実行し、無線通信部11が放送アンテナ3等から受信したデジタル放送データをクライアント端末2側に送信する制御を行う。映像生成部13は、クライアント端末2からの指示により、映像生成機能の動作を開始したり、終了したりすることができる。
【0031】
送信電力切替制御部14は、送信電力切替制御機能を実行し、無線通信部11がクライアント端末2側にデジタル放送データを無線伝送する際に使用する送信電力の切替制御を行う。無線伝送に使用する送信電力値は、通常送信電力値と、強送信電力値と、弱送信電力値と、があり、送信電力切替制御部14は、クライアント端末2から受け付けた送信電力変更指示に応じて、無線伝送に使用する送信電力値を切り替える。
【0032】
通常送信電力値は、サーバ装置1の電源がONになった電源起動時(初期動作時)に設定される送信電力値であり、映像生成部13の映像生成機能が停止している場合に常時使用する。
強送信電力値は、映像生成部13の映像生成機能が動作している場合に使用する送信電力値であり、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示をクライアント端末2側から受け付けた場合に使用する。
弱送信電力値は、映像生成部13の映像生成機能が動作している場合に使用する送信電力値であり、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示をクライアント端末2側から受け付けた場合に使用する。
【0033】
通常送信電力値と、強送信電力値と、弱送信電力値と、の3つの送信電力値の大きさの関係としては、例えば、『強送信電力値>通常送信電力値>弱送信電力値』の関係となるように設定する。なお、通常送信電力値は、通常送信電力値=強送信電力値としたり、または、通常送信電力値=弱送信電力値としたりして、送信電力切替制御部14が切り替える送信電力値を2つの送信電力値にすることも可能である。2つの送信電力値にすることで、送信電力切替制御部14が行う送信電力値の切替回数を低減することができる。
【0034】
送信電力切替制御部14が送信電力値の切替制御を行った場合には、サーバ装置1は、デジタル放送データの送信を一旦中断させる必要がある。このため、送信電力切替制御部14が切り替える送信電力値を2つの送信電力値(強送信電力値、弱送信電力値)とし、送信電力切替制御部14が行う送信電力値の切替回数を低減することで、デジタル放送データの送信を中断させるのを抑制することができる。
【0035】
なお、送信電力切替制御部14が切り替える送信電力値を2つの送信電力値(強送信電力値、弱送信電力値)にする場合には、通常送信電力値=強送信電力値とすることが好ましい。これは、通常送信電力値を強送信電力値に設定しておくことで、サーバ装置1から送信される信号の電波到達範囲を弱送信電力値よりも広くすることが可能となるためである。本実施形態の通信システムは、デジタル放送データの無線伝送以外でも、通常送信電力値を用いて、サーバ装置1とクライアント端末2との間で無線通信を行うことになる。このため、通常送信電力値を強送信電力値にしておくことで、送信電力切替制御部14が行う送信電力値の切替回数を低減しつつ、且つ、サーバ装置1とクライアント端末2との間で無線通信が可能な通信範囲を広くすることができる。
【0036】
<クライアント端末2の構成例>
クライアント端末2は、サーバ装置1から無線伝送されてきたデジタル放送データを取得し、その取得したデジタル放送データを表示装置等に表示したり、録画したりする。本実施形態のクライアント端末2は、無線通信部21と、記憶部22と、映像再生部23と、受信電力監視部24と、を有して構成する。
【0037】
無線通信部21は、映像再生部13の制御により、サーバ装置1から無線転送されたデジタル放送データを受信する。
【0038】
記憶部22は、クライアント端末2を制御する際に使用する各種情報を記憶する。例えば、クライアント端末2において録画予約の設定が行われた際の録画予約情報等を記憶する。
【0039】
映像再生部23は、映像再生機能(クライアント端末2において映像データを再生・録画するための機能)を実行し、無線通信部21が受信したデジタル放送データを表示装置等に出力したり、録画したりする。例えば、映像再生部23は、クライアント端末2の表示装置上にデジタル放送データを表示したり、外部の表示装置上にデジタル放送データを表示したりする。また、映像再生部23は、記憶部22に記憶された録画予約情報を基に、無線通信部21が受信したデジタル放送データを録画したりする。
【0040】
受信電力監視部24は、無線通信部21が受信する信号の受信電力の監視制御を行う。受信電力監視部24は、受信電力測定部241と、電力変更指示部242と、を有して構成する。
【0041】
受信電力測定部241は、無線通信部21が受信する信号の受信電力値を測定する。受信電力値の測定方法は、無線通信部21が受信する信号の受信電力値を測定することが可能であれば、特に限定せず、様々な公知の測定方法が適用可能である。
【0042】
電力変更指示部242は、受信電力測定部241で測定した受信電力値と、クライアント端末2に予め設定された閾値と、を比較し、その比較判定結果を基に、サーバ装置1がデジタル放送データを送信する際に使用する送信電力を変更するための送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。電力変更指示部242は、以下の3つの閾値を用いて比較判定を行う。
【0043】
映像再生機能動作開始時に、送信電力の強弱を決定するための第1の閾値T1
映像再生機能動作中に、送信電力が強すぎることを判断するための第2の閾値L1
映像再生機能動作中に、送信電力が弱すぎることを判断するための第3の閾値L2
【0044】
電力変更指示部242は、映像再生機能動作開始時に、受信電力測定部241で測定した受信電力値と、第1の閾値T1と、を比較し、受信電力値が第1の閾値T1以上の場合に、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。逆に、受信電力値が第1の閾値T1未満の場合には、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。
【0045】
また、電力変更指示部242は、映像再生機能動作中に、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合に、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。
【0046】
また、電力変更指示部242は、映像再生機能動作中に、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合に、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。
【0047】
<通信システムにおける処理動作例>
次に、図2を参照しながら、本実施形態の通信システムにおける処理動作例について説明する。
【0048】
本実施形態の通信システムは、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証する必要がある。このため、クライアント端末2側の映像再生機能が動作している最中は、サーバ装置1側の送信電力切替制御機能を動作させ、サーバ装置1がデジタル放送データを送信する際の送信電力の切替制御を実行することにしている。また、クライアント端末2側の映像再生機能の動作を停止した場合は、サーバ装置1側の送信電力切替制御機能の動作を停止させると共に、サーバ装置1側の送信電力値を通常送信電力値に戻すことにしている。
【0049】
<クライアント端末2側の処理動作例>
まず、図2を参照しながら、クライアント端末2側の処理動作例について説明する。
【0050】
クライアント端末2は、映像再生部23が映像再生機能の動作を開始した場合に(ステップA0/Yes)、受信電力監視部24は、受信電力の監視を開始し(ステップA1)、受信電力測定部241が受信電力値を測定する(ステップA2)。
【0051】
電力変更指示部242は、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、映像再生機能動作開始時に使用する第1の閾値T1と、を比較し、映像再生機能動作開始時に使用する閾値(第1の閾値T1)に基づく第1の送信電力変更指示判定を行い(ステップA3)、第1の送信電力変更指示判定に基づく第1の送信電力変更指示を行う(ステップA4)。
【0052】
具体的には、受信電力測定部241が測定した受信電力値が第1の閾値T1以上の場合には、送信電力を弱くする旨の第1の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。逆に、受信電力測定部241が測定した受信電力値が第1の閾値T1未満の場合には、送信電力を強くする旨の第1の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する。
【0053】
次に、受信電力監視部24は、映像再生機能が動作中か否かを判定し(ステップA5)、映像再生機能が動作中と判定した場合は(ステップA5/Yes)、受信電力測定部241が受信電力値を測定する(ステップA6)。
【0054】
電力変更指示部242は、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、映像再生機能動作中に使用する第2の閾値L1、第3の閾値L2と、を比較し、再生機能動作中に使用する閾値(第2の閾値L1及び第3の閾値L2)に基づく第2の送信電力変更指示判定を行い(ステップA7)、第2の送信電力変更指示判定に基づく第2の送信電力変更指示を行う(ステップA8,A9)。
【0055】
例えば、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合には、送信電力の変更が必要と判断し(ステップA8/Yes)、送信電力を弱くする旨の第2の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する(ステップA9)。逆に、受信電力値が第2の閾値L1未満の場合には、受信電力値と、第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合には、送信電力の変更が必要と判断し(ステップA8/Yes)、送信電力を強くする旨の第2の送信電力変更指示をサーバ装置1に送信する(ステップA9)。逆に、受信電力値が第3の閾値L2より大きい場合には、送信電力の変更が不必要と判断し(ステップA8/No)、送信電力変更指示をサーバ装置1に送信しないようにする。
【0056】
電力変更指示部242が送信電力の変更が必要でないと判定した場合(ステップA8/No)、または、電力変更指示部242が送信電力変更指示をサーバ装置1に送信した場合は(ステップA9)、受信電力監視部24は、再び、映像再生機能が動作中か否かを判定する(ステップA5)。
【0057】
受信電力監視部24は、映像再生機能が動作中でないと判定した場合は(ステップA5/No)、受信電力の監視を停止する(ステップA10)。
【0058】
本実施形態のクライアント端末2は、映像再生機能動作開始時に、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、第1の閾値T1と、を比較し、受信電力値が第1の閾値T1以上の場合には、送信電力を弱くする旨の第1の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信し、サーバ装置1の送信電力を弱くするように制御することができる。逆に、受信電力測定部241が測定した受信電力値が第1の閾値T1未満の場合には、送信電力を強くする旨の第1の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信し、サーバ装置1の送信電力を強くするように制御することができる。
【0059】
更に、本実施形態のクライアント端末2は、映像再生機能動作中に、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合には、送信電力を弱くする旨の第2の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信し、クライアント端末2で受信エラーが発生しないように、サーバ装置1の送信電力を弱くするように制御することができる。
【0060】
また、本実施形態のクライアント端末2は、映像再生機能動作中に、受信電力測定部241が測定した受信電力値と、第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合には、送信電力を強くする旨の第2の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信し、クライアント端末2で受信エラーが発生しないように、サーバ装置1の送信電力を強くするように制御することができる。
【0061】
これにより、本実施形態のクライアント端末2は、映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。
【0062】
<サーバ装置1側の処理動作例>
次に、図2を参照しながら、サーバ装置1側の処理動作例について説明する。
【0063】
サーバ装置1は、クライアント端末2からの指示により、映像生成部13が映像生成機能の動作を開始した場合に(ステップB0/Yes)、送信電力切替制御部14は、送信電力切替制御を開始する(ステップB1)。
【0064】
送信電力切替制御部14は、第1の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けたか否かを判定し(ステップB2)、第1の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けた場合に(ステップB2/Yes)、その受け付けた第1の送信電力変更指示に従って第1の送信電力の切替制御を行う(ステップB3)。
【0065】
具体的には、送信電力を強くする旨の第1の送信電力変更指示を受け付けた場合には、無線伝送に使用する送信電力値を強送信電力値に変更し、サーバ装置1の送信電力を強くする。また、送信電力を弱くする旨の第1の送信電力変更指示を受け付けた場合には、無線伝送に使用する送信電力値を弱送信電力値に変更し、サーバ装置1の送信電力を弱くする。
【0066】
これにより、送信電力切替制御部14は、クライアント端末2側で受信する信号の受信電力値(送信電力値)が強い場合には、サーバ装置1の送信電力値を弱くすることができる。また、クライアント端末2側で受信する信号の受信電力値(送信電力値)が弱い場合には、サーバ装置1の送信電力値を強くすることができる。なお、送信電力切替制御部14は、所定時間経過しても、第1の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けていないと判定した場合は(ステップB2/No)、映像生成機能が動作中か否かを判定する(ステップB4)。
【0067】
送信電力切替制御部14は、映像生成機能が動作中と判定した場合は(ステップB4/Yes)、第2の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けたか否かを判定する(ステップB5)。
【0068】
送信電力切替制御部14は、第2の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けた場合に(ステップB5/Yes)、その受け付けた第2の送信電力変更指示に従って第2の送信電力の切替制御を行う(ステップB6)。
【0069】
具体的には、送信電力を強くする旨の第2の送信電力変更指示を受け付けた場合には、無線伝送に使用する送信電力値を強送信電力値に変更し、サーバ装置1の送信電力を強くする。また、送信電力を弱くする旨の第2の送信電力変更指示を受け付けた場合には、無線伝送に使用する送信電力値を弱送信電力値に変更し、サーバ装置1の送信電力を弱くする。
【0070】
これにより、送信電力切替制御部14は、クライアント端末2側で受信する信号の送信電力値が強い場合には、送信電力値を弱くし、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。また、クライアント端末2側で受信する信号の送信電力値が弱い場合には、送信電力値を強くし、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。
【0071】
所定時間経過しても第2の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けていないと判定した場合(ステップB5/No)、または、第2の送信電力変更指示に従って第2の送信電力の切替制御を行った場合は(ステップB6)、送信電力切替制御部14は、再び、映像生成機能が動作中か否かを判定する(ステップB4)。
【0072】
送信電力切替制御部14は、映像生成機能が動作中でないと判定した場合は(ステップB4/No)、送信電力切替制御を停止し、無線伝送に使用する送信電力値を通常送信電力値に戻す(ステップB7)。
【0073】
本実施形態のサーバ装置1は、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けた場合に、送信電力値を弱くし、逆に、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示をクライアント端末2から受け付けた場合に、送信電力値を強くし、クライアント端末2において受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。
【0074】
<閾値T1,L1,L2の設定方法>
次に、閾値Tl,L1,L2の設定方法について説明する。
【0075】
クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証しつつ、サーバ装置1側で行う送信電力値の切替回数を最小限に抑えるためには、送信電力変更指示判定に使用する閾値T1,L1,L2を最適な値に設定する必要がある。
【0076】
送信電力変更指示判定に使用する閾値は以下の3つである。
映像再生機能動作開始時に、送信電力の強弱を決定するための第1の閾値T1
映像再生機能動作中に、送信電力が強すぎることを判断するための第2の閾値L1
映像再生機能動作中に、送信電力が弱すぎることを判断するための第3の閾値L2
【0077】
本実施形態では上記の3つの閾値T1,L1,L2を以下の手順で統計的に設定する。
【0078】
まず、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値または弱送信電力値に設定した状態の場合において、図3に示すように、理想環境下で、クライアント端末2側で映像が満足に視聴可能な限界距離P1,P2を特定する。図3は、理想環境下で、クライアント端末2側で映像視聴可能な範囲を示す図である。
【0079】
本実施形態において理想環境下とは、他の電波の影響が無い空間を意味する。このような理想環境下においては、空間のインピーダンスを距離として仮想化することができる。本実施形態では、空間のインピーダンスの代わりに、理想環境下での距離を用いて説明する。
【0080】
本実施形態では、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に設定した状態の場合において、クライアント端末2側で視聴可能な最短距離をP1とする。同様に、サーバ装置1の送信電力値を弱信電力値に設定した状態の場合において、クライアント端末2側で視聴可能な最長距離をP2とする。
【0081】
次に、サーバ装置1の送信電力値を通常送信電力値に設定し、上記特定した距離P1とP2との位置でクライアント端末2が受信する信号の受信電力値を測定する。距離P1とP2との位置それぞれでクライアント端末2における受信電力値を繰り返し測定した場合の、受信電力値のヒストグラムを図4に示す。本実施形態では、図4に示す測定結果を基に、距離P1とP2とで測定した受信電力値のヒストグラムの谷間の値を、第1の閾値T1に設定する。
【0082】
図3に示すように、クライアント端末2において映像が満足に視聴できる範囲は、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に設定した場合には、サーバ装置1から遠距離に存在する。また、サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に設定した場合には、サーバ装置1から近距離に存在する。また、クライアント端末2において映像が満足に視聴できる範囲(映像視聴可能範囲)よりも、クライアント端末2においてベストエフォートのIP通信が可能な範囲(IP通信可能範囲)の方が広くなる。
【0083】
本実施形態では、サーバ装置1とクライアント端末2との間の距離が、クライアント端末2側で視聴可能な最短距離P1よりも近い場合には、サーバ装置1の送信電力値を弱い値(弱送信電力値)に変更する必要がある。同様に、サーバ装置1とクライアント端末2との間の距離が、クライアント端末2側で視聴可能な最長距離P2よりも遠い場合には、サーバ装置1の送信電力値を強い値(強送信電力値)に変更する必要がある。但し、サーバ装置1とクライアント端末2との間の距離が、P1からP2の間の範囲であれば、サーバ装置1の送信電力値の強弱に関わらず、クライアント端末2において映像を満足に視聴することができる。このため、サーバ装置1の送信電力値を通常送信電力値に設定した状態において、距離P1とP2とでクライアント端末2において測定される受信電力値の間に、第1の閾値T1を設定する。
【0084】
また、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に設定した状態で、最短距離P1の位置でクライアント端末2が受信する受信電力値を測定する。本実施形態では、最短距離P1の位置で測定した受信電力の測定結果を基に、図5に示すように、所定の余裕(マージン)を持った値を、第2の閾値L1に設定する。具体的には、最短距離P1の位置で測定した受信電力の測定結果を基に、測定頻度が最も多い受信電力値αから所定の値(Δa)だけマージンを持った値(α+Δa)を、第2の閾値L1に設定する。
【0085】
また、サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に設定した状態で、最長距離P2の位置でクライアント端末2が受信する受信電力値を測定する。本実施形態では、最長距離P2の位置で測定した受信電力の測定値を基に、図5に示すように、所定の余裕(マージン)を持った値を、第3の閾値L2に設定する。具体的には、最長距離P2の位置で測定した受信電力の測定結果を基に、測定頻度が最も多い受信電力値βから所定の値(Δb)だけマージンを持った値(β−Δb)を、第3の閾値L2に設定する。
【0086】
理想環境下において測定した受信電力値は、図5に示すように、ある程度の揺らぎを持つことになる。このため、クライアント端末2で測定した受信電力値は、ヒストグラムや、確率分布などを用いて表現することが好ましい。
【0087】
サーバ装置1の送信電力値を通常送信電力値に設定し、距離P1とP2との位置それぞれでクライアント端末2における受信電力値を繰り返し測定した場合の、受信電力値のヒストグラムの例を図4、図5に示す。
【0088】
距離P1とP2との位置で測定した受信電力値のヒストグラムは、図4、図5に示すように測定頻度の谷間が存在する。この谷間の中央の受信電力値を、第1の閾値T1に設定する。この第1の閾値T1の設定により、距離P1とP2とにおける受信電力値の設定を間違ってしまう確率を統計的に最小化することができる。
【0089】
また、本実施形態の通信システムでは、サーバ装置1で送信電力の切替制御を行った場合には、デジタル放送データの送信を一旦中断する必要がある。このため、映像再生機能の動作中には、映像が満足に視聴可能な限り、なるべく送信電力の切替制御を行わないようにする必要がある。
【0090】
このため、本実施形態では、サーバ装置1の送信電力を強送信電力値に設定した状態で、最短距離P1の位置でクライアント端末2が受信した受信電力値が、図5に示す揺らぎを含んだ受信電力値の範囲(距離P1で測定した受信電力値のヒストグラムの範囲)に存在しないように、第2の閾値L1を設定する。同様に、サーバ装置1の送信電力を弱送信電力値に設定した状態で、最長距離P2の位置でクライアント端末2が受信した受信電力値が、図5に示す揺らぎを含んだ受信電力値の範囲(距離P2で測定した受信電力値のヒストグラムの範囲)に存在しないように、第3の閾値L2を設定する。
【0091】
これにより、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証しつつ、サーバ装置1側で行う送信電力値の切替回数を最小限に抑えることが可能となる。
【0092】
<本実施形態の通信システムの作用・効果>
このように、本実施形態の通信システムにおいて、クライアント端末2は、特定のアプリケーション(映像データを再生・録画するための映像再生機能)の起動を開始した際に、クライアント端末2側で測定した受信電力値と、特定のアプリケーション(映像再生機能)の起動開始時に使用する第1の閾値T1と、を比較し、受信電力値が第1の閾値T1以上の場合に、サーバ装置1の送信電力を弱くする旨の第1の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信し、受信電力値が第1の閾値T1未満の場合に、サーバ装置1の送信電力を強くする旨の第1の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信する。
【0093】
また、クライアント端末2は、特定のアプリケーション(映像再生機能)の動作中に、クライアント端末2側で測定した受信電力値と、受信電力値が強すぎると判断するための第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合に、サーバ装置1の送信電力を弱くする旨の第2の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信し、また、クライアント端末2側で測定した受信電力値と、受信電力値が弱すぎると判断するための第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合に、サーバ装置1の送信電力を強くする旨の第2の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するための電力変更指示)をサーバ装置1に送信する。
【0094】
また、サーバ装置1は、サーバ装置1からクライアント端末2に向けて映像データを無線伝送することになる特定のアプリケーション(映像生成機能)を起動した場合に、クライアント端末2から受け付けることになる送信電力変更指示が、サーバ装置1の送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するための電力変更指示)の場合には、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値にするように制御し、逆に、送信電力変更指示が、サーバ装置1の送信電力を強くする旨の送信電力変更指示(サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するための電力変更指示)の場合には、サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値にするように制御する。
【0095】
これにより、本実施形態の通信システムは、クライアント端末2において受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。
【0096】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0097】
第1の実施形態では、クライアント端末2側で送信電力変更指示判定を行うことにした。
【0098】
第2の実施形態は、クライアント端末2側で行った送信電力変更指示判定をサーバ装置1側で行うことにする。この場合も、第1の実施形態と同様に、クライアント端末2において受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。以下、図6、図7を参照しながら、第2の実施形態について説明する。
【0099】
<通信システムのシステム構成例>
まず、図6を参照しながら、本実施形態の通信システムのシステム構成例について説明する。
【0100】
本実施形態の通信システムは、クライアント端末2側が受信電力通知部243を有し、サーバ装置1側が電力変更指示部15を有して構成している。
【0101】
受信電力通知部243は、受信電力測定部241が測定した受信電力値を無線通信部21でサーバ装置1に通知する。
【0102】
電力変更指示部15は、受信電力通知部243から通知された受信電力値と、サーバ装置1に予め設定された閾値と、を比較し、その比較判定結果を基に、サーバ装置1がデジタル放送データを送信する際に使用する送信電力を変更するための送信電力変更指示を行う。電力変更指示部15は、以下の3つの閾値を用いて比較判定を行う。
【0103】
映像生成機能動作開始時に、送信電力の強弱を決定するための第1の閾値T1
映像生成機能動作中に、送信電力が強すぎることを判断するための第2の閾値L1
映像生成機能動作中に、送信電力が弱すぎることを判断するための第3の閾値L2
【0104】
電力変更指示部15は、映像生成機能動作開始時に、受信電力通知部243から通知された受信電力値と、第1の閾値T1と、を比較し、受信電力値が第1の閾値T1以上の場合に、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を弱送信電力値に変更し、送信電力を弱くする。逆に、受信電力値が第1の閾値T1未満の場合には、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を強送信電力値に変更し、送信電力を強くする。
【0105】
また、電力変更指示部15は、映像再生機能動作中に、受信電力通知部243から通知された受信電力値と、第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合に、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を弱送信電力値に変更し、送信電力を弱くする。
【0106】
また、電力変更指示部15は、映像再生機能動作中に、受信電力通知部243から通知された受信電力値と、第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合に、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を強送信電力値に変更し、送信電力を強くする。
【0107】
<通信システムにおける処理動作例>
次に、図7を参照しながら、本実施形態の通信システムにおける処理動作例について説明する。
【0108】
<クライアント端末2側の処理動作例>
まず、図7を参照しながら、クライアント端末2側の処理動作例について説明する。
【0109】
クライアント端末2は、映像再生部23が映像再生機能の動作を開始した場合に(ステップC0/Yes)、受信電力監視部24は、受信電力の監視を開始し(ステップC1)、受信電力測定部241が受信電力値を測定する(ステップC2)。
【0110】
受信電力通知部243は、受信電力測定部241が測定した受信電力値をサーバ装置1に通知する(ステップC3)。
【0111】
次に、受信電力監視部24は、映像再生機能が動作中か否かを判定し(ステップC4)、映像再生機能が動作中の場合は(ステップC4/Yes)、受信電力測定部241が受信電力値を測定する(ステップC5)。受信電力通知部243は、受信電力測定部241が測定した受信電力値をサーバ装置1に通知する(ステップC6)。
【0112】
送信電力通知部243が受信電力値をサーバ装置1に通知した場合は(ステップC6)、受信電力監視部24は、再び、映像再生機能が動作中か否かを判定する(ステップC4)。
【0113】
受信電力監視部24は、映像再生機能が動作中でないと判定した場合は(ステップC4/No)、受信電力の監視を停止する(ステップC7)。
【0114】
本実施形態のクライアント端末2は、映像再生機能動作開始時に、受信電力測定部241が測定した受信電力値をサーバ装置1に通知し、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値に応じて、サーバ装置1の無線伝送に使用する送信電力値をサーバ装置1において変更し、クライアント端末2で受信エラーが発生しないように、サーバ装置1の送信電力を変更することができる。
【0115】
更に、本実施形態のクライアント端末2は、映像再生機能動作中に、受信電力測定部241が測定した受信電力値をサーバ装置1に通知し、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値に応じて、サーバ装置1の無線伝送に使用する送信電力値をサーバ装置1において変更し、クライアント端末2で受信エラーが発生しないように、サーバ装置1の送信電力を変更することができる。
【0116】
これにより、本実施形態のクライアント端末2は、映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。
【0117】
<サーバ装置1側の処理動作例>
次に、図7を参照しながら、サーバ装置1側の処理動作例について説明する。
【0118】
サーバ装置1は、クライアント端末2からの指示により、映像生成部13が映像生成機能の動作を開始した場合に(ステップD0/Yes)、送信電力切替制御部14は、送信電力切替制御機能を開始する(ステップD1)。
【0119】
電力変更指示部15は、クライアント端末2から受信電力値が通知されたか否かを判定し(ステップD2)、受信電力値が通知されたと判定した場合に(ステップD2/Yes)、その受信電力値と、映像生成機能動作開始時に使用する第1の閾値T1と、を比較し、映像生成機能動作開始時に使用する閾値(第1の閾値T1)に基づく第1の送信電力変更指示判定を行い(ステップD3)、送信電力切替制御部14は、第1の送信電力変更指示判定に基づく第1の送信電力切替制御を行う(ステップD4)。
【0120】
具体的には、電力変更指示部15は、クライアント端末2から通知された受信電力値が第1の閾値T1以上の場合には、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を弱送信電力値に変更し、送信電力を弱くする。逆に、電力変更指示部15は、受信電力値が第1の閾値T1未満の場合には、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を強送信電力値に変更し、送信電力を強くする。
【0121】
これにより、送信電力切替制御部14は、クライアント端末2側で受信する信号の送信電力値が強い場合には、送信電力値を弱くすることができる。また、クライアント端末2側で受信する信号の送信電力値が弱い場合には、送信電力値を強くすることができる。なお、電力変更指示15は、所定時間経過しても、受信電力値をクライアント端末2から受け付けていないと判定した場合は(ステップD2/No)、送信電力切替制御部14は、映像生成機能が動作中か否かを判定する(ステップD5)。
【0122】
送信電力切替制御部14は、映像生成機能が動作中と判定した場合に(ステップD5/Yes)、電力変更指示部15は、クライアント端末2から受信電力値が通知されたか否かを判定し(ステップD6)、受信電力値が通知されたと判定した場合に(ステップD6/Yes)、その受信電力値と、映像生成機能動作中に使用する第2の閾値L1、第3の閾値L2と、を比較し、映像生成機能動作中に使用する閾値(第2の閾値L1及び第3の閾値L2)に基づく第2の送信電力変更指示判定を行い(ステップD7)、送信電力切替制御部14は、第2の送信電力変更指示判定に基づく第2の送信電力切替制御を行う(ステップD8,D9)。
【0123】
例えば、電力変更指示部15は、クライアント端末2から通知された受信電力値と、第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合には、送信電力の変更が必要と判断し、送信電力を弱くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力切替制御部14は、送信電力値を弱送信電力値に変更し、送信電力を弱くする。
【0124】
逆に、電力変更指示部15は、受信電力値が第2の閾値L1未満の場合には、受信電力値と、第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合には、送信電力の変更が必要と判断し、送信電力を強くする旨の送信電力変更指示を送信電力切替制御部14に通知し、送信電力制御切替部14は、送信電力値を強送信電力値に変更し、送信電力を強くする。
【0125】
逆に、電力変更指示部15は、受信電力値が第3の閾値L2より大きい場合には、送信電力の変更が不必要と判断し、送信電力値の変更をしないように制御する。
【0126】
これにより、送信電力切替制御部14は、クライアント端末2側で受信する信号の送信電力値が強い場合には、サーバ装置1の送信電力値を弱くし、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。また、クライアント端末2側で受信する信号の送信電力値が弱い場合には、サーバ装置1の送信電力値を強くし、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。
【0127】
電力変更指示15が所定時間経過しても受信電力値をクライアント端末2から受け付けていないと判定した場合(ステップD6/No)、送信電力切替制御部14が送信電力の変更が必要でないと判定した場合(ステップD8/No)、または、送信電力切替制御を実行した場合は(ステップD9)、送信電力切替制御部14は、再び、映像再生機能が動作中か否かを判定する(ステップD5)。
【0128】
送信電力切替制御部14は、映像生成機能が動作中でないと判定した場合は(ステップD5/No)、送信電力切替制御を停止し、無線伝送に使用する送信電力値を通常送信電力値に戻す(ステップD10)。
【0129】
本実施形態のサーバ装置1は、映像起動動作開始時に、クライアント端末2から受け付けた受信電力値と、第1の閾値T1と、を比較し、受信電力値が第1の閾値T1以上の場合には、サーバ装置1の送信電力を弱くするように制御することができる。逆に、クライアント端末2から受け付けた受信電力値が第1の閾値T1未満の場合には、サーバ装置1の送信電力を強くするように制御することができる。
【0130】
更に、本実施形態のサーバ装置1は、映像再生機能動作中に、クライアント端末2から受け付けた受信電力値と、第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合には、クライアント端末2で受信エラーが発生しないように、サーバ装置1の送信電力を弱くするように制御することができる。
【0131】
また、本実施形態のサーバ装置1は、映像再生機能動作中に、クライアント端末2から受け付けた受信電力値と、第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合には、クライアント端末2で受信エラーが発生しないように、サーバ装置1の送信電力を強くするように制御することができる。
【0132】
これにより、本実施形態のサーバ装置1は、映像データの無線伝送を行う場合に、クライアント端末2側で受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。
【0133】
<本実施形態の通信システムの作用・効果>
このように、本実施形態の通信システムにおいて、クライアント端末2は、特定のアプリケーション(映像データを再生・録画するための映像再生機能)の起動を開始した際に、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値をサーバ装置1に通知し、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値に応じて、サーバ装置1の無線伝送に使用する送信電力値をサーバ装置1において強送信電力値または弱送信電力値に変更するように制御することができる。
【0134】
更に、本実施形態のクライアント端末2は、特定のアプリケーション(映像再生機能)の動作中に、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値をサーバ装置1に通知し、クライアント端末2が受信する信号の受信電力値に応じて、サーバ装置1の無線伝送に使用する送信電力値をサーバ装置1において強送信電力値または弱送信電力値に変更するように制御することができる。
【0135】
また、サーバ装置1は、サーバ装置1からクライアント端末2に向けて映像データを無線伝送することになる特定のアプリケーション(映像生成機能)を起動した際に、クライアント端末2から受け付けることになる受信電力値と、特定のアプリケーション(映像生成機能)の起動開始時に使用する第1の閾値T1と、を比較し、受信電力値が第1の閾値T1以上の場合に、サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するように制御し、受信電力値が第1の閾値T1未満の場合に、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するように制御する。
【0136】
更に、サーバ装置1は、特定のアプリケーション(映像生成機能)の動作中に、クライアント端末2から受け付けることになる受信電力値と、受信電力値が強すぎると判断するための第2の閾値L1と、を比較し、受信電力値が第2の閾値L1以上の場合に、サーバ装置1の送信電力値を弱送信電力値に変更するように制御し、また、受信電力値と、受信電力値が弱すぎると判断するための第3の閾値L2と、を比較し、受信電力値が第3の閾値L2以下の場合に、サーバ装置1の送信電力値を強送信電力値に変更するように制御する。
【0137】
これにより、本実施形態の通信システムは、クライアント端末2において受信エラーが発生しないようにすることができる。その結果、クライアント端末2側で再生や録画を行うデジタル放送データの映像品質を保証することができる。
【0138】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0139】
例えば、上述した通信システムでは、図1に示すように、サーバ装置1は、一台のクライアント端末2と無線接続し、一台のクライアント端末2に対してデジタル放送データを無線伝送する構成にした。しかし、図8に示すように、サーバ装置1は、複数台(Nは、任意の整数)のクライアント端末2-1,2-2,2-Nと無線接続し、複数台のクライアント端末2-1,2-2,2-Nに対してデジタル放送データを無線伝送するように構築することも可能である。
【0140】
また、上述した通信システムでは、図1、図8に示すように、サーバ装置1は、放送アンテナ3等から受信したデジタル放送データをクライアント端末2に無線伝送することを前提とした。しかし、サーバ装置1は、デジタル放送データ(EPGを含む)をサーバ装置1で管理し、そのサーバ装置1で管理するデジタル放送データをクライアント端末2に無線伝送するように構築することも可能である。
【0141】
また、上述した通信システムは、クライアント端末2とサーバ装置1とを宅内に設置してプライベートな無線伝送を行うことを前提とした。しかし、宅内に限定せず、一般公衆向けの環境にサーバ装置1を設置し、不特定多数のクライアント端末2とパブリックな無線伝送を行うように構築することも可能である。
【0142】
また、上述した本実施形態における通信システムを構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0143】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0144】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0145】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0146】
また、本実施形態における通信システムは、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0147】
1 サーバ装置
11 無線通信部
12 記憶部
13 映像生成部
14 送信電力切替制御部
15 電力変更指示部
2 クライアント端末
21 無線通信部
22 記憶部
23 映像再生部
24 受信電力監視部
241 受信電力測定部
242 電力変更指示部
243 受信電力通知部
3 放送アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置から映像データを取得するクライアント端末であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に前記映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する制御手段を有することを特徴とするクライアント端末。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記特定のアプリケーションの起動を開始した際に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する第1の制御手段と、
前記特定のアプリケーションの動作中に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する第2の制御手段と、を有することを特徴とする請求項1記載のクライアント端末。
【請求項3】
前記第1の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの起動を開始した際に、前記受信電力値と、前記特定のアプリケーションの起動開始時に使用する第1の閾値と、を比較し、前記受信電力値が前記第1の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を低減させるための電力変更指示を前記サーバ装置に送信し、前記受信電力値が前記第1の閾値未満の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を増加させるための電力変更指示を前記サーバ装置に送信し、
前記第2の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの動作中に、前記受信電力値と、前記受信電力値が強すぎると判断するための第2の閾値と、を比較し、前記受信電力値が前記第2の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を低減させるため電力変更指示を前記サーバ装置に送信し、また、前記受信電力値と、前記受信電力値が弱すぎると判断するための第3の閾値と、を比較し、前記受信電力値が前記第3の閾値以下の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を増加させるための電力変更指示を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項2記載のクライアント端末。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
無線伝送の開始時に使用する通常送信電力値と、
強い電力の信号を送信する際に使用する強送信電力値と、
弱い電力の信号を送信する際に使用する弱送信電力値と、を用いて無線伝送を行い、
前記第1の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの起動を開始した際に、前記受信電力値が前記第1の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記弱送信電力値に変更するための電力変更指示を前記サーバ装置に送信し、前記受信電力値が前記第1の閾値未満の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記強送信電力値に変更するための電力変更指示を前記サーバ装置に送信し、
前記第2の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの動作中に、前記受信電力値が前記第2の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記弱送信電力値に変更するための電力変更指示を前記サーバ装置に送信し、前記受信電力値が前記第3の閾値以下の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記強送信電力値に変更するための電力変更指示を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項3記載のクライアント端末。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記特定のアプリケーションの動作終了後は、前記映像データの無線伝送を停止し、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記サーバ装置において前記通常送信電力値に変更するように制御することを特徴とする請求項4記載のクライアント端末。
【請求項6】
映像データをクライアント端末に無線伝送するサーバ装置であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に向けて前記映像データを無線伝送することになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末から受け付けることになる電力変更指示に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を変更する制御手段を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
映像データをクライアント端末に無線伝送するサーバ装置であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に向けて前記映像データを無線伝送することになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末から受け付けることになる前記クライアント端末で測定した受信信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を変更する制御手段を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記特定のアプリケーションの起動を開始した際に、前記クライアント端末から受け付けることになる前記受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記送信電力値を変更する第1の制御手段と、
前記特定のアプリケーションの動作中に、前記クライアント端末から受け付けることになる前記受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記送信電力値を変更する第2の制御手段と、を有することを特徴とする請求項7記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記第1の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの起動を開始した際に、前記受信電力値と、前記特定のアプリケーションの起動開始時に使用する第1の閾値と、を比較し、前記受信電力値が前記第1の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を低減させ、前記受信電力値が前記第1の閾値未満の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を増加させ、
前記第2の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの動作中に、前記受信電力値と、前記受信電力値が強すぎると判断するための第2の閾値と、を比較し、前記受信電力値が前記第2の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を低減させ、また、前記受信電力値と、前記受信電力値が弱すぎると判断するための第3の閾値と、を比較し、前記受信電力値が前記第3の閾値以下の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を増加させることを特徴とする請求項8記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記サーバ装置は、
無線伝送の開始時に使用する通常送信電力値と、
強い電力の信号を送信する際に使用する強送信電力値と、
弱い電力の信号を送信する際に使用する弱送信電力値と、を用いて無線伝送を行い、
前記第1の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの起動を開始した際に、前記受信電力値が前記第1の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記弱送信電力値に変更し、前記受信電力値が前記第1の閾値未満の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記強送信電力値に変更し、
前記第2の制御手段は、
前記特定のアプリケーションの動作中に、前記受信電力値が前記第2の閾値以上の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記弱送信電力値に変更し、前記受信電力値が前記第3の閾値以下の場合に、前記サーバ装置の前記送信電力値を前記強送信電力値に変更することを特徴とする請求項9記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記通常送信電力値は、
前記強送信電力値、または、前記弱送信電力値であることを特徴とする請求項10記載のサーバ装置。
【請求項12】
サーバ装置と、クライアント端末と、を有し、映像データを前記サーバ装置から前記クライアント端末に無線伝送する通信システムであって、
前記クライアント端末は、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に前記映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する制御手段を有することを特徴とする通信システム。
【請求項13】
サーバ装置から映像データを取得するクライアント端末で行う制御方法であって、
前記サーバ装置から前記クライアント端末に前記映像データを無線伝送させることになる特定のアプリケーションを起動した場合に、前記クライアント端末が受信する信号の受信電力値に応じて、前記サーバ装置の前記無線伝送に使用する送信電力値を前記サーバ装置において変更するように制御する制御工程を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−97267(P2011−97267A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247901(P2009−247901)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】