説明

クラッチアクチュエータ

【課題】動力源への負荷を低減させることができるクラッチアクチュエータを提供すること。
【解決手段】動力源3と、動力源3から出力された回転動力が伝達されることにより回転するとともに、外周面に回転軸(6aに相当)からの距離が変化したカム面を有するカム7と、所定の部材(例えば、ハウジング2)にスライド可能に支持されるとともに、カム7の回転に伴ってストロークし、かつ、ストロークによってクラッチの断接、半接合操作を行う出力ロッド10と、を備え、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にカム7の回転軸(6aに相当)が配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチの断接、半接を行うクラッチアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既存のマニュアルトランスミッションにアクチュエータを取り付け、運転者の意思若しくは車両状態により一連の変速操作(クラッチの断接、ギヤシフト、セレクト)を自動的に行うシステムが知られている。こうしたシステムにおいて、クラッチの断接、半接を行うクラッチアクチュエータは、クラッチのダイヤフラムスプリング等の姿勢を変化させるため、電動モータなどの動力源と出力ロッドを備えている。出力ロッドのストロークには大きな力が必要であり、大きな力を発生する動力源では大型化に繋がる。そのため、従来のクラッチアクチュエータでは、必要とされる動力源の駆動力を抑え、さらに、動力源が非通電状態でもストローク位置を自己保持するため、動力源と出力ロッドとの間の動力伝達経路においてウォームとウォームホイールを用いたウォームギヤを用いて減速を行っている。
【0003】
このようなクラッチアクチュエータの従来技術として、特許文献1では、動力源と、該動力源により回転駆動される回転体(ウォーム)と、該回転体と連結され一体的に回転する従動回転体(ウォームホイール)と、該従動回転体と相対回転可能に連結される出力ロッドと、を備え、該出力ロッドの移動により、クラッチの断接、半接合操作を行うクラッチ用アクチュエータにおいて、前記回転体と前記従動回転体との間に連結部材を配置し、前記回転体と前記従動回転体が同一平面に配設されず、前記従動回転体は、一端がハウジングに支持されるアシストスプリングにて、該従動回転体の回転が助勢されるものが開示されている。このクラッチ用アクチュエータでは、出力ロッドの端部が従動回転体(ウォームホイール)における回転軸から径方向にずれた位置に回転可能に連結されており、この連結部分の円周移動量を利用して出力ロッドをストロークさせている。
【0004】
また、特許文献2では、クラッチアクチュエータにおいて、ウォームホイールの外周面の所定の位置にカム面を設け、出力ロッドの端部にカム面を転動するロールが回転可能に取り付け、ハウジングに揺動可能に取り付けられたレバーの先端にロールの回転軸が揺動可能に取り付けられたものが開示されている。このクラッチアクチュエータでは、カム面の円周移動に伴うロールの位置移動を利用して出力ロッドをストロークさせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−301238号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第19723393号明細書(Fig.17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記特許文献1、2の全開示内容はその引用をもって本書に繰込み記載する。以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のクラッチ用アクチュエータでは、出力ロッドの端部が従動回転体(ウォームホイール)における回転軸から径方向にずれた位置に回転可能に連結されているため、出力ロッドの中心軸の延長線上にウォームホイールの回転軸が常に存在するわけではない。そのため、出力ロッドの中心軸の延長線上からウォームホイールの回転軸が外れると、出力ロッドに加わる荷重(押し戻し荷重)によってウォームホイールを押し戻す(逆回転側)方向にトルクが発生し、動力源への負荷が大きくなり、消費電力が大きくなる。
【0008】
また、特許文献2に記載のクラッチアクチュエータでは、レバーの揺動によってロールが変位するとともに、ウォームホイールのカム面の円周移動によってロールが変位するので、出力ロッドの中心軸の延長線上にウォームホイールの回転軸が常に存在するわけではない。そのため、出力ロッドに加わる荷重(押し戻し荷重)がウォームホイールを押し戻す(逆回転側)方向にトルクが発生し、動力源への負荷が大きくなり、消費電力が大きくなる。
【0009】
本発明の主な課題は、動力源への負荷を低減させることができるクラッチアクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一視点においては、クラッチアクチュエータにおいて、動力源と、前記動力源から出力された回転動力が伝達されることにより回転するとともに、外周面に回転軸からの距離が変化したカム面を有するカムと、所定の部材にスライド可能に支持されるとともに、前記カムの回転に伴ってストロークし、かつ、前記ストロークによってクラッチの断接、半接合操作を行う出力ロッドと、を備え、前記出力ロッドの中心軸の延長線上に前記カムの前記回転軸が配されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記出力ロッドに回転可能に保持されるとともに前記カム面上で転動可能な回転体を備え、前記カム面と前記回転体の当接部分は、前記出力ロッドの前記中心軸の延長線上であって前記カムの前記回転軸よりも前記出力ロッド側に配されていることが好ましい。
【0012】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記出力ロッドに回転可能に保持されるとともに前記カム面上で転動可能な回転体を備え、前記カム面と前記回転体の当接部分は、前記出力ロッドの前記中心軸の延長線上であって前記カムの前記回転軸よりも前記出力ロッド側の反対側に配されていることが好ましい。
【0013】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記動力源から出力された回転動力を減速して前記カムに伝達する一又は複数段の減速機構を備えることが好ましい。
【0014】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記減速機構は、前記動力源により回転駆動されるウォームと、前記ウォームと噛み合うとともに前記カムと一体に回転するウォームホイールと、を備えることが好ましい。
【0015】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記減速機構は、前記動力源により回転駆動されるウォームと、前記ウォームと噛み合うウォームホイールと、前記ウォームホイールと一体に回転するとともに前記ウォームホイールよりも径が小さいドライブギヤと、前記ドライブギヤと噛み合うとともに、前記ドライブギヤよりも径が大きく、かつ、前記カムと一体に回転するドリブンギヤと、を備えることが好ましい。
【0016】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記カムの前記回転軸は、前記動力源の出力軸であることが好ましい。
【0017】
本発明の前記クラッチアクチュエータにおいて、前記カムの前記回転軸を回転可能に保持するハウジングを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、出力ロッドに加わる荷重をカムの回転軸で受けることが可能となり、カムを押し戻す(逆回転側)方向へのトルクが軽減できるため、動力源への負担が軽減され、省電力化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図1のX−X´間の断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータにおける出力ロッドのストローク動作を説明するための模式図である。
【図4】本発明の比較例1に係るクラッチアクチュエータにおける出力ロッドのストローク動作を説明するための模式図である。
【図5】本発明の比較例2に係るクラッチアクチュエータにおける出力ロッドのストローク動作を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例2に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の実施例2に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図6のX−X´間の断面図である。
【図8】本発明の実施例3に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の実施例3に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図8のX−X´間の断面図である。
【図10】本発明の実施例4に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の実施例4に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図10のX−X´間の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係るクラッチアクチュエータでは、動力源(図1の3)と、前記動力源から出力された回転動力が伝達されることにより回転するとともに、外周面に回転軸(図1の6aに相当)からの距離が変化したカム面を有するカム(図1の7)と、所定の部材(例えば、図1のハウジング2)にスライド可能に支持されるとともに、前記カムの回転に伴ってストロークし、かつ、前記ストロークによってクラッチの断接、半接合操作を行う出力ロッド(図1の10)と、を備え、前記出力ロッドの中心軸(図1の10a)の延長線上に前記カムの前記回転軸が配されている。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータについて図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図1のX−X´間の断面図である。
【0022】
クラッチアクチュエータ1は、出力ロッド10を進退移動させてクラッチ(図示せず)の断接、半接を行う電動型のアクチュエータであり、電子制御装置(図示せず)による駆動制御に応じて係合状態を変化させるようにクラッチを操作する。図1及び図2のクラッチアクチュエータ1は、出力ロッド10が被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を押し込む方向(図1の右方向)に荷重をかけるような形態のクラッチに用いられる。クラッチアクチュエータ1は、主な構成部品として、ハウジング2と、電動モータ3と、ウォーム4と、ウォームホイール5と、シャフト6と、カム7と、ベアリング8、9と、出力ロッド10と、保持部材11と、ベアリング12と、シャフト13と、ブッシュ14と、回転センサ15と、を有する。
【0023】
ハウジング2は、電動モータ3の出力軸3aから出力ロッド10までの動力伝達経路上の部品を収容する部材である。ハウジング2は、複数の部材を組み合わせた収容体とすることができる。ハウジング2は、車両の適宜箇所に固定される。ハウジング2には、電動モータ3の本体が外部に配され、かつ、電動モータ3の出力軸3aの先端部が内部に配されるように、電動モータ3が取り付けられている。ハウジング2は、所定の間隔をおいて出力軸3aを挿通するための貫通穴(図示せず)を有する。ハウジング2は、ベアリング8、9を介してシャフト6を回転可能に支持する。ハウジング2は、ブッシュ14を介して出力ロッド10をストローク可能に支持する。
【0024】
電動モータ3は、直流駆動の動力源である。電動モータ3は、電子制御装置(図示せず)からの制御により出力軸3aを正逆両方向に回転駆動する。電動モータ3は、出力軸3aがシャフト6に対して直角方向になるようにハウジング2に取り付けられている。
【0025】
ウォーム4は、電動モータ3の出力軸3aに連結されたねじ歯車であり、すべり歯車減速機構の構成部品である。ウォーム4は、ハウジング2内に収容されている。ウォーム4は、電動モータ3の出力軸3aによって駆動回転する。ウォーム4は、ウォームホイール5と噛み合っている。
【0026】
ウォームホイール5は、ウォーム4と噛み合うはすば歯車であり、すべり歯車減速機構の構成部品である。ウォームホイール5は、ハウジング2内に収容されている。ウォームホイール5は、シャフト6に対し相対回転不能に固定されている。ウォームホイール5は、シャフト6及びベアリング8、9を介してハウジング2に回転可能に支持されている。ウォームホイール5は、シャフト6を介してカム7と一体に回転する。
【0027】
シャフト6は、ウォームホイール5及びカム7の回転軸となる部材である。シャフト6は、一端がベアリング8を介してハウジング2に回転可能に支持されており、他端がベアリング9を介してハウジング2に回転可能に支持されている。シャフト6は、ベアリング8、9間の部分がハウジング2に収納されており、ベアリング8側の端部がハウジング2の外に露出しており、ベアリング8側の端部に回転センサ15が取り付けられている。シャフト6は、ベアリング8、9間の部分において、ウォームホイール5及びカム7が相対回転不能に固定されている。シャフト6の中心軸6aは、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。
【0028】
カム7は、出力ロッド10のストローク位置を変化させる部材であり、ストローク機構の構成部品である。カム7は、ハウジング2内に収容されている。カム7は、ウォームホイール5から軸方向にずれた位置に配され、回転軸となるシャフト6に対し相対回転不能に固定されている。カム7は、シャフト6を介してウォームホイール5と一体に同期して回転する。カム7の外周面には、シャフト6の中心軸6aからの距離が徐々に小さくなる(又は大きくなる)ように変化した曲面状のカム面を有する。カム面には、ベアリング12の外輪が当接している。カム7とベアリング12との当接部分は、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。カム7が回転すると、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向にストロークする。なお、外部から出力ロッド10に加わる荷重(押し戻し荷重)を保持部材11、シャフト13、及びベアリング12を介してカム7の外周面で受けたとき、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にシャフト6の中心軸6aが配されているので、カム7を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが極めて小さい。
【0029】
ベアリング8は、シャフト6の一端を回転可能に支持する軸受であり、ハウジング2に取り付けられている。ベアリング9は、シャフト6の他端を回転可能に支持する軸受であり、ハウジング2に取り付けられている。なお、ベアリング8、9の代わりに滑り軸受けを用いてもよい。
【0030】
出力ロッド10は、ストロークによってクラッチの断接、半接合操作を行う棒状の部材である。出力ロッド10は、先端部分がハウジング2の外部に出ており、先端部分にて被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を押付ける。出力ロッド10は、中間部分にて、ブッシュ14を介してハウジング2にストローク可能に支持されている。出力ロッド10は、末端部分がハウジング2の内部に収容されており、末端部分の端部に保持部材11が固定されている。出力ロッド10は、保持部材11を介してベアリング12及びシャフト13が組みつけられており、保持部材11、ベアリング12、及びシャフト13とともに一体的にストロークする。出力ロッド10は、中心軸10aの延長線上にシャフト6の中心軸6aが配される(中心軸10aの延長線と中心軸6aが交差する)ように設定されている。出力ロッド10は、カム7の回転に伴ってベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介してストロークする。
【0031】
保持部材11は、出力ロッド10に固定されるとともにシャフト13を介してベアリング12を保持するための部材である。保持部材11は、ハウジング2内に収納されている。保持部材11は、ベアリング12及びカム7と抵触しないように形成されている。
【0032】
ベアリング12は、カム7の外周面上で転動可能な部材である。ベアリング12は、ハウジング2内に収納されている。ベアリング12は、外輪と内輪との間に複数のボールが配されたボールベアリングを用いることができる。ベアリング12の外輪は、カム7の外周面上に当接しており、カム7の外周面上で転動可能な回転体となる。ベアリング12の内輪は、シャフト13に固定されている。ベアリング12とカム7との当接部分は、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。ベアリング12は、カム7の回転によって変位することで、シャフト13及び保持部材11を介して出力ロッド10をストロークさせる。なお、ベアリング12の代わりに滑り軸受けやローラを用いることができる。
【0033】
シャフト13は、ベアリング12を支持する棒状の部材である。シャフト13の両端は、保持部材11に固定されている。シャフト13は、ハウジング2内に収納されている。
【0034】
ブッシュ14は、出力ロッド10を中心軸10aの方向にストローク可能に支持する部材であり、ハウジング2に支持されている。
【0035】
回転センサ15は、シャフト6の回転角度を検出するセンサである。回転センサ15は、検出した回転角度に係る信号を電子制御装置(図示せず)に向けて出力する。なお、電子制御装置では、マップ、プログラムに基づいて、回転センサ15からの回転角度に係る信号に応じて、出力ロッド10が所定のストローク位置となるように電動モータ3を制御することになる。
【0036】
次に、本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータの動作を比較例と対比しつつ図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施例1に係るクラッチアクチュエータにおける出力ロッドのストローク動作を説明するための模式図である。図4は、本発明の比較例1に係るクラッチアクチュエータにおける出力ロッドのストローク動作を説明するための模式図である。図5は、本発明の比較例2に係るクラッチアクチュエータにおける出力ロッドのストローク動作を説明するための模式図である。
【0037】
なお、比較例1(図4参照)は特許文献1に記載のクラッチ用アクチュエータにおけるストローク機構に対応し、比較例2(図5参照)は特許文献2に記載のクラッチアクチュエータにおけるストローク機構に対応する。
【0038】
図1及び図2を参照すると、出力ロッド10を押し出す際、まず、電動モータ3の出力軸3aが順方向に回転駆動すると、出力軸3aの回転動力がウォーム4及びウォームホイール5によって減速されてシャフト6に伝達され、シャフト6の回転動力によってカム7が回転(ベアリング12と当接するカム面の部位が中心軸6aからの距離が大きくなる方向に回転)し、カム7が出力ロッド10側(図の右側)にベアリング12を押付けることで、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向に押し出され、出力ロッド10が被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を押付ける。このとき、出力ロッド10が被操作対象物から荷重(押し戻し荷重)を受けると、当該押し戻し荷重が、出力ロッド10、保持部材11、シャフト13、ベアリング12、及び、カム7を介して、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にあるシャフト6で受けられ(図3参照)、シャフト6からベアリング8、9及びハウジング2を介して車両で受けられることになる(図1及び図2参照)。そのため、当該押し戻し荷重によってカム7を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクは極めて小さく、ゆえに、ウォームホイール5を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクも極めて小さく、電動モータ3への負荷がほとんどなく、消費電力が大きくなることがない。
【0039】
一方、比較例1(図4参照)では、出力ロッド110の端部が従動回転体107の回転軸となるシャフト106から径方向にずれた位置にてロッド支持ピン113によって従動回転体107に回転可能に連結されているため、出力ロッド110の中心軸の延長線上にシャフト106の中心軸106aが常に存在するわけではない。そのため、出力ロッド110の中心軸の延長線上からシャフト106の中心軸106aが外れると、出力ロッド110に加わる荷重(押し戻し荷重)によって従動回転体107を押し戻す(逆回転側)方向にトルクが発生し、電動モータへの負荷が大きくなり、消費電力が大きくなる。
【0040】
また、比較例2(図5参照)では、出力ロッド210の中心軸210aの延長線上にシャフト206の中心軸206aが存在しない。そのため、出力ロッド210に加わる荷重(押し戻し荷重)が、保持部材211、シャフト213、及びベアリング212を介してカム207を押し戻す(逆回転側)方向にトルクが発生し、電動モータへの負荷が大きくなり、消費電力が大きくなる。
【0041】
実施例1によれば、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にシャフト6の中心軸6aが配されているので、出力ロッド10に加わる押し戻し荷重を、カム7の回転軸となるシャフト6で受けることが可能となり、ウォームホイール5を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが軽減できるため、電動モータ3への負担が軽減され、省電力化が可能である。
【実施例2】
【0042】
本発明の実施例2に係るクラッチアクチュエータについて図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施例2に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。図7は、本発明の実施例2に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図6のX−X´間の断面図である。
【0043】
実施例2は、実施例1の変形例であり、出力ロッド10が被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を引き込む方向(図6の左方向)に荷重をかけるような形態のクラッチに用いられるものであり、ベアリング12及びシャフト13を、カム7の出力ロッド10側の反対側(図6におけるカム7の左側)に配置し、保持部材16を、出力ロッド10との固定部分とシャフト13との固定部分との間の部分でシャフト6を跨ぐような構成としたものである。ベアリング12とカム7との当接部分は、シャフト6の中心軸6aと交差する出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。保持部材16は、カム7、シャフト6、及びベアリング12と抵触しないように形成されている。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0044】
実施例2に係るクラッチアクチュエータの動作について、図6及び図7を参照すると、出力ロッド10を引き戻す際、まず、電動モータ3の出力軸3aが順方向に回転駆動すると、出力軸3aの回転動力がウォーム4及びウォームホイール5によって減速されてシャフト6に伝達され、シャフト6の回転動力によってカム7が回転(ベアリング12と当接するカム面の部位が中心軸6aからの距離が大きくなる方向に回転)し、カム7が出力ロッド10側の反対側(図の左側)にベアリング12を押付けることで、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材16を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向に引き戻され、出力ロッド10が被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を引き付ける。このとき、出力ロッド10が被操作対象物から荷重(押し出し荷重)を受けると、当該押し出し荷重が、出力ロッド10、保持部材16、シャフト13、ベアリング12、及び、カム7を介して、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にあるシャフト6で受けられ、シャフト6からベアリング8、9及びハウジング2を介して車両で受けられることになる。そのため、当該押し出し荷重によってカム7を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクは極めて小さく、ゆえに、ウォームホイール5を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクも極めて小さく、電動モータ3への負荷がほとんどなく、消費電力が大きくなることがない。
【0045】
実施例2によれば、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にシャフト6の中心軸6aが配されているので、出力ロッド10に加わる押し出し荷重を、カム7の回転軸となるシャフト6で受けることが可能となり、ウォームホイール5を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが軽減できるため、電動モータ3への負担が軽減され、省電力化が可能である。
【実施例3】
【0046】
本発明の実施例3に係るクラッチアクチュエータについて図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施例3に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。図9は、本発明の実施例3に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図8のX−X´間の断面図である。
【0047】
実施例3は、実施例1の変形例であり、電動モータ3の出力軸3aからカム23までの間の動力伝達経路上において、ウォーム4及びウォームホイール18からなる減速機構だけでなく、小径ギヤ部18a及び大径ギヤ21からなる他の減速機構を設けたものである。実施例3におけるウォームホイール18、シャフト19、大径ギヤ21、シャフト22、カム23、ベアリング24、25、及び回転センサ26以外の構成については、実施例1と同様である。
【0048】
ウォームホイール18は、本体にウォーム4と噛み合うはすば歯車を有するとともに、大径ギヤ21と噛み合う小径ギヤ部18aを有する減速機構の構成部品である。ウォームホイール18は、ハウジング2内に収容されている。ウォームホイール18は、シャフト19に対し相対回転不能に固定されている。ウォームホイール5は、シャフト19及びベアリング(図示せず)を介してハウジング2に回転可能に支持されている。小径ギヤ部18aの外周面には、例えば、平歯車、はすば歯車、やまば歯車が形成されている。小径ギヤ部18aは、ウォームホイール18本体及び大径ギヤ21の半径よりも小さく構成されている。
【0049】
シャフト19は、ウォームホイール18の回転軸となる部材である。シャフト19は、一端がベアリング(図示せず)を介してハウジング2に回転可能に支持されており、他端が他のベアリング(図示せず)を介してハウジング2に回転可能に支持されている。シャフト19は、ベアリング間の部分がハウジング2に収納されている。シャフト19は、ベアリング間の部分において、ウォームホイール18が相対回転不能に固定されている。
【0050】
大径ギヤ21は、ウォームホイール18の小径ギヤ部18aと噛み合う減速機構の構成部品である。大径ギヤ21は、ハウジング2内に収容されている。大径ギヤ21は、シャフト22に対し相対回転不能に固定されている。大径ギヤ21は、シャフト22及びベアリング24、25を介してハウジング2に回転可能に支持されている。大径ギヤ21は、シャフト22を介してカム23と一体に回転する。大径ギヤ21の外周面には、例えば、平歯車、はすば歯車、やまば歯車が形成されている。大径ギヤ21は、小径ギヤ部18aの半径よりも大きく構成されている。
【0051】
シャフト22は、大径ギヤ21及びカム23の回転軸となる部材である。シャフト22は、一端がベアリング24を介してハウジング2に回転可能に支持されており、他端がベアリング25を介してハウジング2に回転可能に支持されている。シャフト22は、ベアリング24、25間の部分がハウジング2に収納されており、ベアリング24側の端部がハウジング2の外に露出しており、ベアリング24側の端部に回転センサ26が取り付けられている。シャフト22は、ベアリング24、25間の部分において、大径ギヤ21及びカム23が相対回転不能に固定されている。シャフト22の中心軸22aは、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。
【0052】
カム23は、出力ロッド10のストローク位置を変化させる部材であり、ストローク機構の構成部品である。カム23は、ハウジング2内に収容されている。カム23は、大径ギヤ21から軸方向にずれた位置に配され、回転軸となるシャフト22に対し相対回転不能に固定されている。カム23は、シャフト22を介して大径ギヤ21と一体に回転する。カム23の外周面には、シャフト22の中心軸22aからの距離が徐々に小さくなる(又は大きくなる)ように変化した曲面状のカム面を有する。カム面には、ベアリング12の外輪が当接している。カム23とベアリング12との当接部分は、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。カム23が回転すると、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向にストロークする。なお、外部から出力ロッド10に加わる荷重(押し戻し荷重)を保持部材11、シャフト13、及びベアリング12を介してカム23の外周面で受けたとき、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にシャフト22の中心軸22aが配されているので、カム23を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが極めて小さい。
【0053】
ベアリング24は、シャフト22の一端を回転可能に支持する軸受であり、ハウジング2に取り付けられている。ベアリング25は、シャフト22の他端を回転可能に支持する軸受であり、ハウジング2に取り付けられている。なお、ベアリング24、25の代わりに滑り軸受けを用いてもよい。
【0054】
回転センサ26は、シャフト22の回転角度を検出するセンサである。回転センサ26は、検出した回転角度に係る信号を電子制御装置(図示せず)に向けて出力する。なお、電子制御装置では、マップ、プログラムに基づいて、回転センサ26からの回転角度に係る信号に応じて、出力ロッド10が所定のストローク位置となるように電動モータ3を制御することになる。
【0055】
実施例3に係るクラッチアクチュエータの動作について、図8及び図9を参照すると、出力ロッド10を押し出す際、まず、電動モータ3の出力軸3aが順方向に回転駆動すると、出力軸3aの回転動力がウォーム4及びウォームホイール18によって減速され、かつ、ウォームホイール18と一体に回転する小径ギヤ部18a、及び大径ギヤ21によって減速されてシャフト22に伝達され、シャフト22の回転動力によってカム23が回転(ベアリング12と当接するカム面の部位が中心軸22aからの距離が大きくなる方向に回転)し、カム23が出力ロッド10側(図の右側)にベアリング12を押付けることで、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向に押し出され、出力ロッド10が被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を押付ける。このとき、出力ロッド10が被操作対象物から荷重(押し戻し荷重)を受けると、当該押し戻し荷重が、出力ロッド10、保持部材11、シャフト13、ベアリング12、及び、カム23を介して、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にあるシャフト22で受けられ、シャフト22からベアリング24、25及びハウジング2を介して車両で受けられることになる。そのため、当該押し戻し荷重によってカム23を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクは極めて小さく、ゆえに、ウォームホイール18を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクも極めて小さく、電動モータ3への負荷がほとんどなく、消費電力が大きくなることがない。
【0056】
実施例3によれば、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にシャフト22の中心軸22aが配されているので、出力ロッド10に加わる押し戻し荷重を、カム23の回転軸となるシャフト22で受けることが可能となり、ウォームホイール18を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが軽減できるため、電動モータ3への負担が軽減され、省電力化が可能である。また、小型にしつつ、大きな減速比を得ることができる。また、高エンジントルク用の操作力の大きなクラッチカバーにも対応できる。さらに、ウォーム4及びウォームホイール18からなるすべり歯車減速機構による減速を先に行うことで、2段目にくる小径ギヤ部18a及び大径ギヤ21からなる歯車減速機構の回転数が低減され、周波数を低くすることができ、ギヤノイズを抑えることができる。
【実施例4】
【0057】
本発明の実施例4に係るクラッチアクチュエータについて図面を用いて説明する。図10は、本発明の実施例4に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した断面図である。図11は、本発明の実施例4に係るクラッチアクチュエータの構成を模式的に示した図10のX−X´間の断面図である。
【0058】
実施例4は、実施例1の変形例であり、電動モータ3の出力軸3aにカム27を固定するとともに、出力軸3aをベアリング28、29を介してハウジング2に支持させ、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に出力軸3aが配されるようにしたものである。実施例4におけるカム27、ベアリング28、29、及び回転センサ30以外の構成は、実施例1と同様である。
【0059】
カム27は、出力ロッド10のストローク位置を変化させる部材であり、ストローク機構の構成部品である。カム27は、ハウジング2内に収容されている。カム27は、電動モータ3の出力軸3aにおけるベアリング28、29間の部分に相対回転不能に固定されている。カム27の外周面には、出力軸3aの中心軸3bからの距離が徐々に小さくなる(又は大きくなる)ように変化した曲面状のカム面を有する。カム面には、ベアリング12の外輪が当接している。カム27とベアリング12との当接部分は、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に配されている。カム27が回転すると、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向にストロークする。なお、外部から出力ロッド10に加わる荷重(押し戻し荷重)を保持部材11、シャフト13、及びベアリング12を介してカム27の外周面で受けたとき、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に電動モータ3の出力軸3aの中心軸3bが配されているので、カム27を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが極めて小さい。
【0060】
ベアリング28は、電動モータ3の出力軸3aの末端部を回転可能に支持する軸受であり、ハウジング2に取り付けられている。ベアリング29は、電動モータ3の出力軸3aの先端部を回転可能に支持する軸受であり、ハウジング2に取り付けられている。なお、ベアリング28、29の代わりに滑り軸受けを用いてもよい。
【0061】
回転センサ30は、電動モータ3の出力軸3aの回転角度を検出するセンサである。回転センサ30は、ハウジング2の外に露出した出力軸3aの先端に取り付けられている。回転センサ30は、検出した回転角度に係る信号を電子制御装置(図示せず)に向けて出力する。なお、電子制御装置では、マップ、プログラムに基づいて、回転センサ30からの回転角度に係る信号に応じて、出力ロッド10が所定のストローク位置となるように電動モータ3を制御することになる。
【0062】
実施例4に係るクラッチアクチュエータの動作について、図10及び図11を参照すると、出力ロッド10を押し出す際、まず、電動モータ3の出力軸3aが順方向に回転駆動すると、カム27が回転(ベアリング12と当接するカム面の部位が中心軸3bからの距離が大きくなる方向に回転)し、カム27が出力ロッド10側(図の右側)にベアリング12を押付けることで、ベアリング12、シャフト13、及び保持部材11を介して出力ロッド10が中心軸10aの方向に押し出され、出力ロッド10が被操作対象物(例えば、機械式であればレリーズフォーク、油圧式であれば油圧ピストン)を押付ける。このとき、出力ロッド10が被操作対象物から荷重(押し戻し荷重)を受けると、当該押し戻し荷重が、出力ロッド10、保持部材11、シャフト13、ベアリング12、及び、カム27を介して、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上にある電動モータ3の出力軸3aで受けられ、出力軸3aからベアリング28、29及びハウジング2を介して車両で受けられることになる。そのため、当該押し戻し荷重によってカム27を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクは極めて小さく、電動モータ3への負荷がほとんどなく、消費電力が大きくなることがない。
【0063】
実施例4によれば、出力ロッド10の中心軸10aの延長線上に電動モータ3の出力軸3aの中心軸3bが配されているので、出力ロッド10に加わる押し戻し荷重を、カム27の回転軸となる電動モータ3の出力軸3aで受けることが可能となり、カム27を押し戻す(逆回転側)方向に発生するトルクが軽減できるため、電動モータ3への負担が軽減され、省電力化が可能である。
【0064】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施例ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0065】
1 クラッチアクチュエータ
2 ハウジング
3 電動モータ(動力源)
3a 出力軸(回転軸)
3b 中心軸
4 ウォーム
5 ウォームホイール
6 シャフト(回転軸)
6a 中心軸
7 カム
8、9 ベアリング
10 出力ロッド
10a 中心軸
11 保持部材
12 ベアリング(回転体)
13 シャフト
14 ブッシュ
15 回転センサ
16 保持部材
18 ウォームホイール
18a 小径ギヤ部(ドライブギヤ)
19 シャフト
21 大径ギヤ(ドリブンギヤ)
22 シャフト(回転軸)
22a 中心軸
23 カム
24、25 ベアリング
26 回転センサ
27 カム
28、29 ベアリング
30 回転センサ
106 シャフト
106a 中心軸
107 従動回転体
110 出力ロッド
110a 中心軸
113 ロッド支持ピン
206 シャフト
206a 中心軸
207 カム
210 出力ロッド
210a 中心軸
211 保持部材
212 ベアリング
213 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源と、
前記動力源から出力された回転動力が伝達されることにより回転するとともに、外周面に回転軸からの距離が変化したカム面を有するカムと、
所定の部材にスライド可能に支持されるとともに、前記カムの回転に伴ってストロークし、かつ、前記ストロークによってクラッチの断接、半接合操作を行う出力ロッドと、
を備え、
前記出力ロッドの中心軸の延長線上に前記カムの前記回転軸が配されていることを特徴とするクラッチアクチュエータ。
【請求項2】
前記出力ロッドに回転可能に保持されるとともに前記カム面上で転動可能な回転体を備え、
前記カム面と前記回転体の当接部分は、前記出力ロッドの前記中心軸の延長線上であって前記カムの前記回転軸よりも前記出力ロッド側に配されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチアクチュエータ。
【請求項3】
前記出力ロッドに回転可能に保持されるとともに前記カム面上で転動可能な回転体を備え、
前記カム面と前記回転体の当接部分は、前記出力ロッドの前記中心軸の延長線上であって前記カムの前記回転軸よりも前記出力ロッド側の反対側に配されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチアクチュエータ。
【請求項4】
前記動力源から出力された回転動力を減速して前記カムに伝達する一又は複数段の減速機構を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のクラッチアクチュエータ。
【請求項5】
前記減速機構は、
前記動力源により回転駆動されるウォームと、
前記ウォームと噛み合うとともに前記カムと一体に回転するウォームホイールと、
を備えることを特徴とする請求項4記載のクラッチアクチュエータ。
【請求項6】
前記減速機構は、
前記動力源により回転駆動されるウォームと、
前記ウォームと噛み合うウォームホイールと、
前記ウォームホイールと一体に回転するとともに前記ウォームホイールよりも径が小さいドライブギヤと、
前記ドライブギヤと噛み合うとともに、前記ドライブギヤよりも径が大きく、かつ、前記カムと一体に回転するドリブンギヤと、
を備えることを特徴とする請求項4記載のクラッチアクチュエータ。
【請求項7】
(実施例4)
前記カムの前記回転軸は、前記動力源の出力軸であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のクラッチアクチュエータ。
【請求項8】
前記カムの前記回転軸を回転可能に保持するハウジングを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のクラッチアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−106613(P2011−106613A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263939(P2009−263939)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【Fターム(参考)】