説明

クラッチレリーズ軸受装置

【課題】ダイヤフラムスプリングに接触する当接部の摩耗を防止できて、クラッチレリーズの初期性能を維持できるとともに、摩耗粉の発生を抑制できて軸受へのダメージリスクを軽減でき、しかも、生産性に優れかつコスト低減を図ることができるクラッチレリーズ軸受装置を提供する。
【解決手段】エンジンとトランススミッションとの間に配置されるクラッチレリーズ軸受装置である。回転しているダイヤフラムスプリングに接触する当接部1を有する軸受2を備える。軸受2の少なくとも当接部1が、その金属素地よりも低摩擦係数のコーティング層Sにて被覆されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジンとトランスミッションとの間に介在してエンジンからトランスミッションへの動力の伝達・遮断を行うクラッチレリーズ軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クラッチレリーズ軸受装置は、図3に示すように、マニュアルトランスミッション自動車のエンジン(出力軸59)とトランスミッション52との間に配置される。クラッチレリーズ軸受装置は、クラッチペダル(図示省略)の操作と連動して揺動するレリーズフォーク54に押されて、フロントカバー53上をエンジン側に摺動し、エンジンの回転力がトランスミッション52に伝達されるのを一時遮断する機能を有する。すなわち、クラッチペダルを踏み込むと、レリーズフォーク54が揺動してクラッチレリーズ軸受Aをエンジン側に軸方向に押す。これによって、クラッチレリーズ軸受Aの内輪がクラッチ装置のダイヤフラムスプリング55に当接し、さらに、ダイヤフラムスプリング55の撓みによって、プレシャープレート58がクラッチディスク56から離れて、エンジンの出力軸59の回転力がトランスミッション52から一時的に切り離される。なお、プレシャープレート58はクラッチディスク56をフライホイール57に押し付けている。
【0003】
このように、クラッチレリーズ軸受装置のクラッチレリーズ軸受Aは、回転しているダイヤフラムスプリング55に接触する当接部(内輪の一部)を有する。このため、使用することによって、当接部が徐々に摩耗する。
【0004】
このように、摩耗すれば、摩耗の進行に従い接触部の形状が変化し、初期性能の劣化(例えば、ドライバーの踏み込み量の増加)が懸念される。また、この部分に油等の潤滑剤を使用すると、クラッチ部に対して飛散してクラッチ部に滑りを生じ、クラッチ機能を損なうおそれがある。
【0005】
そのため、従来には、前記当接部に、Hv900以上の化合物層と拡散硬化層とからなる窒化層を形成したものがある(特許文献1)。このように、窒化層を形成することによって、当接部の摩擦及び摩滅を軽減できるようにしている。
【特許文献1】特開2002−155966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載のものでは、具体的には、窒化処理の前処理として、例えばNF3(三フッ化窒素)等のふっ素系ガスを用いて、250〜400℃程度でふっ素化処理を行うプロセスと、NF3ガスによる窒化処理を行うプロセスとからなっている。このため、表面処理工程が多く、生産性に劣るとともに、コスト高となっていた。
【0007】
上記課題に鑑みて、ダイヤフラムスプリングに接触する当接部の摩耗を防止できて、クラッチレリーズの初期性能を維持できるとともに、摩耗粉の発生を抑制できて軸受へのダメージリスクを軽減でき、しかも、生産性に優れかつコスト低減を図ることができるクラッチレリーズ軸受装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1のクラッチレリーズ軸受装置は、回転しているダイヤフラムスプリングに接触する当接部を有する軸受を備えたクラッチレリーズ軸受装置において、前記軸受の少なくとも当接部が、その金属素地よりも低摩擦係数のコーティング層にて被覆されてなるものである。
【0009】
本発明の第1のクラッチレリーズ軸受装置によれば、当接部が低摩擦係数のコーティング層にて被覆されているので、このコーティング層がダイヤフラムスプリングに接触することになる。
【0010】
コーティング層を、ふっ素樹脂をベース材とするのが好ましい。ふっ素樹脂は、低摩擦・耐摩耗性、非粘着性、耐熱性、耐候性に優れた樹脂である。ふっ素樹脂の表面処理方法としては、一般的にはアルミナ粉末等を用いたブラスト加工による基材表面の粗面化がもっとも多く行なわれる。また塗装方法としては、一般の塗料と同じく液状塗料はスプレーコーティングにより塗装加工されることが多く、材料によってはディップコーティング、ディップスピンコーティング、ロールコーティング、及びスピンフローコーティングにより塗装加工することができる。また粉体塗料は静電粉体コーティングや静電流動浸漬法により塗装加工することができる。なお、塗装された塗料は、最後に焼付けされ所望の性能をもつ塗膜となる。また、基材(被塗物)としては鉄、アルミ、ステンレスなどの金属や、ガラス、セラミックなど、塗料の焼成温度(165〜427℃)に耐えられるものに使用できる。このように、ふっ素樹脂をベース材とした場合、コーティング層の成形が容易である。
【0011】
本発明の第2のクラッチレリーズ軸受装置は、回転しているダイヤフラムスプリングに接触する当接部を有する軸受を備えたクラッチレリーズ軸受装置において、前記軸受の少なくとも当接部が、その金属素地よりも硬度が高い硬化層にて被覆されてなるものである。
【0012】
本発明の第2のクラッチレリーズ軸受装置によれば、当接部が硬化層にて被覆されているので、硬化層がダイヤフラムスプリングに接触することになる。
【0013】
硬化層を硬質クロムメッキにて構成したり、タフトライド処理にて構成したり、浸炭処理にて構成したりできる。タフトライド処理は、塩浴軟窒化処理法のひとつで、鋼材、鋳物を鉄の変態温度以下500〜610℃程度の低温で処理し、鉄中にN,C,O元素を浸透させる処理である。浸炭処理とは、鉄鋼を変態点以上に加熱して、ガス雰囲気からC(0.8%C)とN(0.3%N)を浸透させて表面硬化する方法である。
【0014】
軸受は、内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に配置されるボールとを備え、内輪がプレス加工品から旋削、又は旋削と研削とで成形されるとともに、この内輪に当接部が設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1のクラッチレリーズ軸受装置では、コーティング層がダイヤフラムスプリングに接触するので、当接部におけるダイヤフラムスプリングとの摺接による摩耗を抑えることができる。このため、クラッチレリーズの初期性能を維持できるとともに、摩耗粉の発生を抑制できて軸受へのダメージリスクを軽減できる。しかも、既存のクラッチレリーズ軸受装置の当接部に対してコーティング層を成形するのみでよく、本クラッチレリーズ軸受装置を低コストで安定して製造することができる。
【0016】
特に、コーティング層を、ふっ素樹脂をベース材としたものとすれば、形成されたコーティング層は、低摩擦・耐摩耗性、非粘着性、耐熱性、耐候性に優れ、当接部の摩耗を有効に防止することができる。しかも、成形が容易であり、安定したコーティング層を設けることができる。
【0017】
本発明の第2のクラッチレリーズ軸受装置では、硬化層がダイヤフラムスプリングに接触することになるので、当接部におけるダイヤフラムスプリングとの摺接による摩耗を抑えることができる。このため、前記第1のクラッチレリーズ軸受装置と同様の作用効果を奏することができる。
【0018】
硬化層を硬質クロムメッキにて構成すれば、硬質クロムメッキは、高硬度であり、耐摩耗性、耐熱性、耐食性に優れるので、ダイヤフラムスプリングとの摺接による摩耗を安定して抑えることができる。
【0019】
硬化層をタフトライド処理にて構成すれば、耐かじり性、耐焼付性、耐疲労強度、耐熱性、及び耐蝕性の向上を図ることができ、また、寸法変化が少なく、経済性に優れる。
【0020】
浸炭窒化は、浸炭焼入れが炭素だけ拡散させ硬化させるのに対して、炭素と窒素を拡散させる方法で、特に、快削鋼(SUM系)、低炭素鋼、SPCC材等の表面硬化、疲労強度の改善に適用される。浸炭焼入れと比較して、処理温度も低く、寸法変化、歪が一般的に少ない利点がある。
【0021】
内輪がプレス加工品から旋削、又は旋削と研削とで成形される場合、安定した製品を提供することができる。しかも、このように成形された内輪に当接部が設けられ、この当接部がダイヤフラムスプリングに安定して接触させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。このクラッチレリーズ軸受装置は、エンジンとトランススミッションとの間に配置されて、回転しているダイヤフラムスプリングに接触する当接部1を有する軸受2を備えたものである。
【0023】
クラッチレリーズ軸受装置は、前記軸受2と、軸受保持部材であるスリーブ3と、軸受2を受ける側板部材4と、連結部材である弾性体5とを備える。このスリーブ3は、筒状の樹脂製であって、動力伝達軸が挿通されるリテーナ(前記図2に示すフロントカバー53)に摺動自在に嵌合する。
【0024】
スリーブ3はその一端側(トランスミッション側)が肉厚とされ、この肉厚部3aに側板部材4の内径側湾曲部4cが埋設されている。側板部材4は、径方向に延びる本体部4aと、この本体部4aの外径端から軸方向トランスミッション側に延びる外鍔部4bとを備え、本体部4aの内径端部に前記内径側湾曲部4cが形成されている。なお、内径側湾曲部4cは内径側に向かってエンジン側に湾曲している。
【0025】
また、スリーブ3の外径面の肉厚3a側に周方向凹溝6が設けられている。周方向凹溝6は、底面6aと、底面6aのエンジン側の端部から鉛直方向に延びる側面6bと、底面6aのトランスミッション側の端部から延びる傾斜状の側壁6cとで構成される。
【0026】
弾性体5は皿ばね7からなり、その内径端7aが周方向凹溝6の側面6bに係合している。また、弾性体5の外径端7bが軸受2の後述する外輪11に係合し、この外輪11を側板部材4の本体部4a側へ押圧している。
【0027】
軸受2は、内輪10と、外輪11と、内輪10と外輪11との間に配設されるボール12とを備える。内輪10および外輪11は、それぞれ、プレス加工品から旋削、又は旋削と研削とで成形される。
【0028】
内輪10は、トランスミッション側の小径部10aと、軸方向中間部の大径部10bと、エンジン側のコーン部10cとからなる金属製内輪本体を備える。この場合、小径部10aの外径面と大径部10bの外径面との間に内側転動面14が形成される。また、コーン部10cは、前記大径部10bからエンジン側に向かって拡径するテーパ部15と、このテーパ部15のエンジン側の端部から径方向外方へ延びる径方向壁部16とからなる。この径方向壁部16のエンジン側の端面16aが、図2に示すようにコーティング層Sにて被覆されて前記当接部1を構成することになる。
【0029】
外輪11は、トランスミッション側の小径部11aと、エンジン側の大径部11bと、小径部11aのトランスミッション側の端部から内径側へ延びる径方向壁11cとからなる。この場合、小径部11aの内径面と大径部11bの内径面との間に外側転動面17が形成される。
【0030】
また、ボール12は、内輪10と外輪11との間に配置された保持器20に保持され、内側転動面14と外側転動面17とを転動する。この場合、内輪10と外輪11との間に形成される空間は、その軸方向端部に配置されるシール部材18,19にて塞がれている。
【0031】
外輪11の径方向壁11cが皿ばね7の外径端7bによって、側板部材4の本体部4a側へ押圧されている。これによって、外輪11の側板部材4に対する位置決めがなされ、これにともなって、ボール12を介して内輪10が位置決めされる。
【0032】
内外輪10、11は、鋼板素材からプレス加工→熱処理→転走面等の研削加工という工程を経て製造される。鋼板素材としては浸炭鋼板を、また、熱処理としては浸炭焼入れを採用することができる。浸炭鋼には、ニッケルクロム鋼(SNC)、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)、クロム鋼(SCr)、クロムモリブデン鋼(SCM)がある。これらの中で、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼は、過剰浸炭を起こしにくく、機械的性質にも優れた材料であるが、合金元素として高価なニッケルNiを含んでいるためコスト的な面でやや難がある。内外輪10、11に必要とされる機械的特性を考慮すると、SNC鋼、SNCM鋼では過剰品質の感がありコスト面での釣り合いがとれない。これに対して、SCM鋼は過剰浸炭を起こし難くて焼入れ性が良く、しかも、SNC鋼、SNCM鋼に比べると比較的安価である。また、クラッチレリーズ軸受1の内外輪10、11として要求される機械的特性も十分満足できる。このような理由から、内外輪10、11の材質としてSCM鋼を用いるのが好ましい。SCM鋼は、含有炭素量によってSCM415、SCM418、SCM420、SCM421、SCM822があり、その中でも、SCM415が最も好ましい。
【0033】
前記内輪10の径方向壁部16のエンジン側の端面16aが前記したようにコーティング層Sにて被覆されることになる。ここで、コーティング層Sは、内輪10を構成する金属素地よりも低摩擦係数のものからなり、例えば、ふっ素樹脂をベース材(ベースレンジ)としている。
【0034】
ふっ素樹脂は、低摩擦・耐摩耗性、非粘着性、耐熱性、耐候性に優れた樹脂である。ふっ素樹脂の表面処理方法としては、一般的にはアルミナ粉末等を用いたブラスト加工による基材表面の粗面化がもっとも多く行なわれる。また塗装方法としては、一般の塗料と同じく液状塗料はスプレーコーティングにより塗装加工されることが多く、材料によってはディップコーティング、ディップスピンコーティング、ロールコーティング、及びスピンフローコーティングにより塗装加工することができる。また粉体塗料は静電粉体コーティングや静電流動浸漬法により塗装加工することができる。なお、塗装された塗料は、最後に焼付けされ所望の性能をもつ塗膜となる。また、基材(被塗物)としては鉄、アルミ、ステンレスなどの金属や、ガラス、セラミックなど、塗料の焼成温度(165〜427℃)に耐えられるものに使用できる。このように、ふっ素樹脂をベース材としたコーティング層の成形が容易である。
【0035】
コーティング層Sのベースレンジとしては、ふっ素樹脂以外に、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリオキシメチレン(ポリアセタアール)、エラストマー等も用いることができる。
【0036】
このクラッチレリーズ軸受装置では、当接部1が低摩擦係数のコーティング層Sにて被覆されているので、このコーティング層Sがダイヤフラムスプリングに接触することになる。このため、クラッチレリーズの初期性能を維持できるとともに、摩耗粉の発生を抑制できて軸受へのダメージリスクを軽減できる。しかも、既存のクラッチレリーズ軸受装置の当接部に対してコーティング層を成形するのみでよく、このクラッチレリーズ軸受装置を低コストで安定して製造することができる。
【0037】
特に、コーティング層を、ふっ素樹脂をベース材としているので、形成されたコーティング層は、低摩擦・耐摩耗性、非粘着性、耐熱性、耐候性に優れ、当接部の摩耗を有効に防止することができる。しかも、成形が容易であり、安定したコーティング層を設けることができる。
【0038】
内輪10がプレス加工品から旋削、又は旋削と研削とで成形されるので、安定した製品を提供することができる。しかも、このように成形された内輪10に当接部1が設けられ、この当接部1がダイヤフラムスプリングに安定して接触させることができる。
【0039】
前記実施形態では、当接部1に低摩擦係数のコーティング層Sを形成するようにしていたが、このコーティング層Sに代えて硬化層S1を形成するようにしてもよい。硬化層S1としては、硬化層を硬質クロムメッキにて構成したり、タフトライド処理にて構成したり、浸炭処理にて構成したりできる。
【0040】
タフトライド処理は、塩浴軟窒化処理法のひとつで、鋼材、鋳物を鉄の変態温度以下500〜610℃程度の低温で処理し、鉄中にN,C,O元素を浸透させる処理である。浸炭処理とは、鉄鋼を変態点以上に加熱して、ガス雰囲気からC(0.8%C)とN(0.3%N)を浸透させて表面硬化する方法である。
【0041】
硬化層を硬質クロムメッキにて構成すれば、硬質クロムメッキは、高硬度であり、耐摩耗性、耐熱性、耐食性に優れるので、ダイヤフラムスプリングとの摺接による摩耗を安定して抑えることができる。
【0042】
硬化層をタフトライド処理にて構成すれば、耐かじり性、耐焼付性、耐疲労強度、耐熱性、及び耐蝕性の向上を図ることができ、また、寸法変化が少なく、経済性に優れる。
【0043】
浸炭窒化は、浸炭焼入れが炭素だけ拡散させ硬化させるのに対して、炭素と窒素を拡散させる方法で、特に、快削鋼(SUM系)、低炭素鋼、SPCC材等の表面硬化、疲労強度の改善に適用される。浸炭焼入れと比較して、処理温度も低く、寸法変化、歪が一般的に少ない利点がある。
【0044】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、コーティング層Sや硬化層S1を形成する範囲としては、当接部1に限るものではなく、この当接部1から連続して他の部位に形成されるものであってもよい。また、コーティング層Sや硬化層S1の厚さ寸法としては、ダイヤフラムスプリングとの摺接による摩耗を防止できる範囲で任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態を示すクラッチレリーズ軸受装置の断面図である。
【図2】前記図1に示すクラッチレリーズ軸受装置の要部拡大断面図である。
【図3】自動車のクラッチ装置の周辺部を示す簡略断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 当接部
2 軸受
10 内輪
11 外輪
12 ボール
S コーティング層
S1 硬化層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しているダイヤフラムスプリングに接触する当接部を有する軸受を備えたクラッチレリーズ軸受装置において、
前記軸受の少なくとも当接部が、その金属素地よりも低摩擦係数のコーティング層にて被覆されてなることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
【請求項2】
コーティング層が、ふっ素樹脂をベース材としていることを特徴とする請求項1に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
【請求項3】
回転しているダイヤフラムスプリングに接触する当接部を有する軸受を備えたクラッチレリーズ軸受装置において、
前記軸受の少なくとも当接部が、その金属素地よりも硬度が高い硬化層にて被覆されてなることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
【請求項4】
前記硬化層を硬質クロムメッキにて構成したことを特徴とする請求項3に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
【請求項5】
前記硬化層をタフトライド処理にて構成したことを特徴とする請求項3に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
【請求項6】
前記硬化層を浸炭処理にて構成したことを特徴とする請求項3に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
【請求項7】
前記軸受は、内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に配置されるボールとを備え、前記内輪がプレス加工品から旋削、又は旋削と研削とで成形されるとともに、この内輪に前記当接部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のクラッチレリーズ軸受装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−68537(P2009−68537A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235293(P2007−235293)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】