説明

クリップ取付座、内装材およびクリップ取付座の形成方法

【課題】適度な強度が得られるクリップ取付座の提供を課題とする。
【解決手段】内装材100の基部10を成形する部位から成形型300に樹脂成形材料M1を射出して該基部10と一体的に成形され、車体に固定するためのクリップ200を取り付け可能なクリップ取付座20に、前記基部10との間に前記クリップ200の端部205を挿入可能な空間SP1を形成しながら前記クリップ200を取り付け可能な頭部30と、前記空間を挟んで前記基部10から前記頭部30へ繋がり該頭部30を支持する第一および第二の壁部40,50と、前記基部10から前記第二の壁部50へ繋がり前記第二の壁部50から前記頭部30への樹脂成形材料M1の流れを前記第一の壁部40から前記頭部30への樹脂成形材料M1の流れよりも多くさせる材料導入部60とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座、このクリップ取付座を有する内装材、クリップ取付座の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板パネルで車体が形成される自動車では、樹脂成形材料で成形された各種内装材にて鋼板パネルを覆うことにより、車室内が装飾され、車室内に防音性が付与され、車室内の安全性が高められている。例えば、ドアパネルの乗員室内側には、ドアトリム内装材が設置される。このドアトリム内装材の裏面には、車体への固定用のクリップを取り付けるためのクリップ取付部が設けられる。
【0003】
特許文献1には、トリム本体の表面に形成される溝部と前記トリム本体の端末との間におけるトリム本体の裏面にクリップブラケットの脚部が支持されており、該クリップブラケットにより、トリム本体をドアパネルに取り付ける自動車用ドアトリムの取付構造が記載されている。クリップブラケットの頭部には、ドアパネルのインナパネルへの取り付けを行うためのクリップが差し込まれる、差し込み孔が形成されている。
【特許文献1】特開2000−85355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、クリップブラケットは、脚部の下端部がトリム本体の裏面に溶着されることによりトリム本体の裏面に支持される。従って、トリム本体にクリップブラケットを溶着する作業が必要である。
なお、クリップ取付部を内装材の基部と一体的に射出成形すると、適度な強度と良好な外観とを兼ね備えたクリップ取付部を形成することができない。これは、クリップ取付部を厚くすると、樹脂成形材料の冷却遅れにより基部の表面側に所謂ヒケと呼ばれる小さな凹凸が生じたり、樹脂成形材料がその分無駄になったり、その分内装材が重くなったり、衝撃荷重を吸収する機能があるクリップ取付部の衝撃吸収性が低下したり、クリップの形状を変更することが必要になったりするためである。一方、クリップ取付部を薄くすると、クリップ取付部への樹脂成形材料の流れ込みが不十分となってクリップ取付部に欠肉が生じたり、クリップ取付部にクリップを取り付ける位置でウェルドラインが生じてクリップ取付部が割れやすくなったりするためである。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、適度な強度が得られるクリップ取付座の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、内装材の基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して該基部と一体的に成形され、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座であって、前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら前記クリップを取り付け可能な頭部と、前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部と、前記基部から前記第二の壁部へ繋がり前記第二の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れを前記第一の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進させる材料導入部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座と前記基部とを一体的に成形した内装材であって、前記クリップ取付座は、前記頭部と、前記第一および第二の壁部と、前記材料導入部とを備えることを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明は、車体に固定するためのクリップを取り付け可能であるとともに内装材の基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成する頭部と、前記空間を挟んで前記基部から前記頭部に繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部とを備え、前記基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して該基部と一体的に成形されるクリップ取付座の形成方法であって、前記成形型に前記基部から前記第二の壁部へ繋がる材料導入部を形成する部位を設け、前記第二の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れを前記第一の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進させてクリップ取付座を形成することを特徴とする。
【0008】
本クリップ取付座は、内装材の基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料が射出されて基部と一体的に成形される。ここで、上記材料導入部により、第二の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れが第一の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進される。これにより、第一の壁部から頭部へ流れてくる樹脂成形材料と第二の壁部から頭部へ流れてくる樹脂成形材料とのぶつかる位置は、第一の壁部側へずれた位置となる。その結果、クリップ取付座にクリップを取り付ける位置でウェルドラインが生じないようになり、クリップ取付部の割れが防止される。また、上記材料導入部によりクリップ取付座全体への樹脂成形材料の流れ込みが促進されるので、クリップ取付座の欠肉を防ぐことができる。
以上より、クリップ取付座を厚くしなくても十分な強度のクリップ取付座が形成され、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
【0009】
さらに、本発明のクリップ取付座は、前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら所定の取付位置で前記クリップを取り付け可能な頭部と、前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部と、前記基部から前記第二の壁部へ繋がった材料導入部とを備え、ウェルドラインが前記頭部の取付位置から前記第一の壁部側へずれた位置とされたことを特徴とする。
本クリップ取付座のウェルドラインは、頭部においてクリップを取り付ける位置から第一の壁部側へずれた位置とされている。これにより、クリップ取付部の割れが防止される。従って、クリップ取付座を厚くしなくても十分な強度のクリップ取付座が形成され、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
【0010】
さらに、本発明は、成形型に樹脂成形材料を射出して内装材の基部と一体的に成形され、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座であって、前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら前記クリップを取り付け可能な頭部と、前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部とを備え、前記頭部には、前記第二の壁部との境界部分から前記クリップの端部を挿入して該クリップの端部を貫通させて係止させる貫通穴が形成され、前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間には、前記クリップの端部を挿入可能な空間に繋がる開口が形成され、前記第二の壁部から前記第一の壁部とは反対方向へ延出して前記基部側の縁部が該基部に繋がる板状に形成され、前記第二の壁部と繋がる部分が前記開口と前記貫通穴との間とされた部位が設けられていることを特徴とする。
本クリップ取付座は、第二の壁部から第一の壁部とは反対方向へ延出して基部側の縁部が該基部に繋がる板状の部位により、前記開口と前記貫通穴との間の第二の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れが促進される。これにより、第一の壁部から頭部へ流れてくる樹脂成形材料と第二の壁部から頭部へ流れてくる樹脂成形材料とのぶつかる位置は、前記貫通穴に繋がっていない第一の壁部側へずれた位置となる。その結果、クリップ取付部の割れが防止される。また、前記板状の部位によりクリップ取付座全体への樹脂成形材料の流れ込みが促進されるので、クリップ取付座の欠肉を防ぐことができる。従って、クリップ取付座を厚くしなくても十分な強度のクリップ取付座が形成され、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
【0011】
なお、本発明は、上記クリップ取付座を有する内装材の製造方法としても適用可能である。該製造方法の発明も、上述した作用、効果を奏する。また、請求項2〜請求項11に記載した構成も、上記内装材や上記クリップ取付座の形成方法や前記内装材の製造方法に適用可能である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項10、請求項11に係る発明によれば、適度な強度のクリップ取付座を提供することができる。
請求項2、請求項9に係る発明では、適度な強度が得られるクリップ取付座の好適な構成を提供することができる。
請求項3に係る発明では、頭部に対するスライド型の位置をクリップ端部の挿入位置に合わせることができない場合、頭部の強度が低下しがちであるが、このような場合に適度な強度が得られるクリップ取付座の好適な構成を提供することができる。
【0013】
請求項4に係る発明では、成形時に頭部内で第二の壁部から第一の壁部へ向かう樹脂成形材料の流れが良くなるので、適度な強度が得られるクリップ取付座の好適な構成を提供することができる。
請求項5、請求項6に係る発明では、成形時に第二の壁部内で基部から頭部へ向かう樹脂成形材料の流れが良くなるので、適度な強度が得られるクリップ取付座の好適な構成を提供することができる。
【0014】
請求項7に係る発明では、樹脂成形材料の冷却遅れによる基部の車室側にある意匠面の見栄えの低下を防止することができる。
請求項8に係る発明では、発泡剤を含む樹脂成形材料を発泡させて成形して得られるクリップ取付座は発泡させずに成形して得られるクリップ取付座よりも強度が低下しがちであるが、発泡剤を含む樹脂成形材料を成形して内装材を形成する場合でも適度な強度が得られるクリップ取付座を提供することができる。
請求項12に係る発明では、適度な強度が得られるクリップ取付座を有する内装材を提供することができる。
請求項13に係る発明では、適度な強度が得られるクリップ取付座を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)クリップ取付座を有する内装材の構造:
(2)クリップ取付座を有する内装材の製造方法:
(3)変形例:
【0016】
(1)クリップ取付座を有する内装材の構造:
図1は本発明の一実施形態に係るクリップ取付座を有する内装材100の外観を車外側から見て示す側面図、図2は内装材100のA1−A1断面図、図3と図4はクリップ取付座20を示す斜視図、図5と図6はクリップ200の外観を示す図、図7と図8はクリップ取付座20の断面図、図9と図10は成形型300を用いて内装材100を製造する様子を示す要部断面図、図11は製造された内装材100の断面構造を示す要部断面図である。
【0017】
本発明のクリップ取付座が設けられる内装材は、ドアトリムが好適であるものの、天井部内装材、ピラーガーニッシュ、等の内装材でもよい。前記ドアトリムは、運転席用ドアトリムでも、助手席用ドアトリムでも、後部座席用ドアトリムでもよい。本実施形態では、内装材100がドアトリムであるとして説明する。
ドアトリム100は、車体の一部を構成するドアパネルに対してクリップ200により取り付けられて固定される。ドアトリム100は、薄板状の基部10とクリップ200を取り付け可能なクリップ取付座20とが少なくとも一体的に成形されて製造される。具体的には、図9〜図10に示すように、基部10を成形する部位から成形型300に樹脂成形材料M1を射出して内装材100を所要の形状に成形する。基部10の厚みは、例えば、2.0〜6.0mm程度、より好ましくは3.0〜4.0mmとされる。基部10における車室側の面10aには、意匠を良好にさせるため、適宜、絞模様が転写されたり、表皮材が貼付されたりしてもよい。また、車室側の面10aには、適宜、オーナメント、照明装置、小物入れ、ポケット、アシストグリップ、等のアクセサリが付加される。基部10における車外側の面10bには、クリップ取付座20やボス14が形成されるとともに、適宜、各種の緩衝材、衝撃吸収材、防音材、等が部分的に設置される。
【0018】
図3や図4等に示すクリップ取付座20は、内装材100の基部10を成形する部位から成形型300に樹脂成形材料M1を射出して該基部10と一体的に成形され、クリップ200を取り付け可能とされている。クリップ取付座20は、概略、クリップ200を取り付け可能な頭部30、該頭部30を支持する第一および第二の壁部40,50、基部10から前記第二の壁部50へ繋がった材料導入部60、を備えている。本クリップ取付座は、さらに、奥壁部70、中間板部82、クリップ支持部84が設けられている。樹脂成形材料の冷却遅れにより基部の表面側にヒケと呼ばれる凹凸が生じないようにするため、クリップ取付座の各部は、厚くすることができず、例えば、基部の厚みよりも薄い2.0mm以下、より好ましくは0.5〜1.8mmの厚み、または、基部の厚みの30〜50%程度の厚みとされる。
頭部30は、第二の壁部50との境界部分30cからクリップ200の下フランジ(端部)205を挿入して該クリップの下フランジ205を貫通させて係止させる貫通穴36が形成され、基部10との間にクリップの下フランジ205を挿入可能な空間SP1が形成され、所定の取付位置L1でクリップ200を取り付け可能である。
【0019】
内装材100を車体に固定するためのクリップ200は、図5と図6に示すように、ドアパネル側から内装材側へ順に、弾性を有するクリップ頭部201、皿状のシール片202、円板状の上フランジ203、円柱状の脚部204、円板状の下フランジ205、を有する形状とされている。クリップ200は、例えば、樹脂製とされ、熱可塑性樹脂等の樹脂成形材料を成形することにより形成される。下フランジ205がクリップ取付座の挿入口57から貫通穴36に挿入されると、両フランジ203,205が頭部30を挟みながら脚部204が貫通穴36を貫通した状態となり、クリップ200が取付座20に取り付けられる。
基部の裏面10bに対して間隔を空けて上述したようなクリップを複数装着し、これらのクリップを相対するドアパネルに形成された取付孔に取り付けると、ドアトリム100がドアパネルに取り付けられて固定される。ドアパネルがアウターパネルとインナーパネルとを有する場合、インナーパネルに取付孔が形成され、該取付孔にクリップが取り付けられる。
【0020】
本内装材を成形するのに適する成形装置としては、公知の射出成形機を用いることが可能であり、形態(堅型、横型)や駆動方式(油圧式、電動式等)は問わない。また、内装材を軽量化させるため基部を発泡させて成形する場合、例えば、不活性ガスの注入圧力を一定圧力に制御しながら不活性ガスを樹脂成形材料に注入するガス注入装置を有する発泡射出成形機が用いられてもよい。
【0021】
図9は、射出成形機に設けられる成形型300の要部の垂直断面が示されている。本成形型300は、互いに近接および離反可能な一対の型310,320と、クリップ取付座20を成形するためのスライド型330とを有している。本成形型300は、発泡剤を含む樹脂成形材料を充填したキャビティを途中で広げて発泡射出成形体を成形するための成形型である。このような成形は、コアバック成形とも呼ばれる。本実施形態では、下型310が固定された金型とされ、上型320が上下方向へ往復移動可能な金型とされ、スライド型が上下方向から水平方向へずれた所定の方向へ往復移動可能な金型とされているものとする。むろん、成形型は、上型と下型の両方が上下方向へ往復移動可能なものでもよいし、下型のみ上下方向へ往復移動可能なものでもよいし、互いに水平方向へ近接および離反可能な一対の型を有するものでもよい。
下型310には、樹脂成形材料M1をキャビティCA1内に射出するためのゲート312が設けられている。ゲート312は、基部10を成形する部分に形成され、例えば、図1に示す基部10のゲート位置16に対応する位置に設けられる。
スライド型330は、下型310を貫通したスライド型駆動機構332により上記方向へ往復駆動される。
【0022】
樹脂成形材料M1を構成する樹脂としては、良好な成形性や成形後の良好な形状保持性等の特性が得られる観点から熱可塑性樹脂(合成樹脂の一種)が好ましく、合成樹脂にゴム成分等の軟質成分を配合してエラストマー的な性質を高めた改質樹脂等でもよい。
熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマー等を用いることができ、単独重合体でも、2種以上のモノマーを共重合させた共重合体でも、オレフィンと不飽和カルボン酸とを共重合させた共重合体でも、これらの組み合わせでもよく、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリスチレン、これらの組み合わせ、これらの樹脂にゴム成分を配合した改質樹脂、等を用いることができる。溶融可能な樹脂成形材料の融点は、例えば100〜300℃とされる。
面積が大きくて薄い基部の内装材を成形する場合、成形型で形成されるキャビティの中で樹脂成形材料の流れをよくするため、メルトインデックスの大きい樹脂(例えば、MIが70g/10min以上)が用いられる。
【0023】
樹脂成形材料M1に含ませる発泡剤には、常温1気圧で気体の不活性ガスや揮発性有機化合物等の物理発泡剤、加熱により分解または反応してガスを発生する化学発泡剤、これらの組み合わせ、を用いることができる。不活性ガスには、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、これらの組み合わせ、等を用いることができる。揮発性有機化合物には、ブタンやペンタン等の炭化水素を発生させる揮発性発泡剤等を用いることができる。化学発泡剤には、炭酸アンモニウムや炭酸水素ナトリウム等の炭酸ガス等を発生させる無機系発泡剤、ポリカルボン酸やアゾ化合物等の有機化合物のガスを発生させる有機系発泡剤、等を用いることができる。
樹脂成形材料に不活性ガスを注入する場合、注入する不活性ガスの圧力は、例えば、0.5〜20MPaとされる。
【0024】
樹脂成形材料M1を樹脂と発泡剤のみで構成してもよいが、樹脂成形材料M1に添加剤を含ませてもよい。添加剤としては、タルク等の充てん材、核剤、顔料、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、これらの組み合わせ、等を用いることができる。樹脂成形材料中の各材料の配合割合は、例えば、樹脂を50重量%以上、添加剤を50重量%未満とすることができる。
【0025】
本クリップ取付座20は、スライド型330を有する成形型300で形成されるキャビティCA1に樹脂成形材料M1を射出して成形される。従って、図3や図4等に示すように、基部10と頭部30との間であって第一の壁部40と第二の壁部50との間には、スライド型330によりクリップの下フランジ205を挿入可能な空間SP1に繋がる開口OP1が形成される。むろん、スライド型330は、開口OP1に合わせた形状とされ、基部10と頭部30との間であって壁部40,50の間から空間SP1へ進退可能に進出する型とされている。
【0026】
頭部30は、車外側から見たときに貫通穴36を除く表面が略平坦で外形が略四角形となる板状に形成され、基部10から所定の間隔を空けて配置された天板とされている。本実施形態の頭部30は基部10の裏面10bと略平行に配置されているが、このように配置される必然性は無く、頭部を取り付け相手となる車体パネルと略平行にすることが多い。貫通穴36は、頭部30の中央部で略円形に形成され、円形部分36aから第二の壁部との境界部分30cにある挿入口57へ繋がる部分36bが設けられている。むろん、貫通穴は、頭部で略楕円形等に形成されてもよい。円形部分36aの直径は、部品の加工精度や熱収縮等による寸法のばらつきを考慮したうえで、クリップの脚部204の直径よりも大きく、クリップの両フランジ203,205の直径よりも小さくされる。また、円形部分から挿入口57へ繋がる部分36bの幅は、脚部204の直径よりも大きい範囲で円形部分36aの直径よりも小さくされている。なお、挿入口57は、境界部分30cから車室側に設けられ、幅がクリップの下フランジ205の直径よりも大きくされている。
また、頭部30には、境界部分30cに接する角部から車外方向に向かって突出した一対の凸部34,34が形成されている。本凸部34,34は、頭部30の車外側の面から半球状に膨出した形状とされ、取付座20からクリップ200が抜けないようにさせる機能を有する。凸部34,34の高さは、例えば、0.5〜2.0mmとされる。クリップの下フランジ205が挿入口57から貫通穴36に差し入れられるとき、上フランジ203が弾性変形の後に凸部34,34を乗り越えてクリップ200の下フランジ側が頭部30に係止される。その後、凸部34,34が抜け止めとなって、クリップ200の下フランジ側は頭部30から容易には抜け落ちない。
【0027】
壁部40,50は、本体部41,51の外形が略四角形となる板状に形成され、頭部30において相対向する縁部30b,30cから基部10に向けて連続的に垂下した立壁とされている。すなわち、壁部40,50は、空間SP1を挟んで基部10から頭部30へ繋がっており、基部10から所定の高さで頭部30を支持している。なお、クリップ取付座の強度を向上させるため、壁部40,50の間隔は、基部側よりも頭部側の方が狭くされている。
本壁部40,50には、補強のため、本体部41,51から対向する壁部50,40とは反対方向へ短く延出して基部10側の縁部が基部10に繋がる補強部44,54が設けられている。補強部44,54は、外形が三角形となる小さな板状に形成され、開口OP1と奥壁部70との中間位置で本体部41,51に繋がっている。補強部44,54は、壁部40,50が外力により図7の左右方向に倒れることを防ぐために設けられ、クリップ取付座の強度が確保されている場合には省略可能である。
第二の壁部50には、頭部との境界部分30cの近傍で車室側へ凹んだ開口(挿入口57)が形成されている。上述したように、挿入口57は、クリップ200を差し入れるときに下フランジ205を通過させることが可能とされている。
【0028】
奥壁部70は、外形が略四角形となる板状に形成され、頭部30において開口OP1に対向する縁部から基部10に向けて連続的に垂下した立壁とされている。すなわち、奥壁部70は、基部10から頭部30へ繋がっており、基部10から所定の高さで頭部30を支持している。奥壁部も、壁部40,50が外力により図7の左右方向に倒れることを防ぐために設けられ、クリップ取付座の強度が確保されている場合には省略可能である。
なお、空間SP1を挟んで奥壁部70とは反対側の部位には、スライド型が挿入されるため、壁部が設けられない。
【0029】
中間板部82は、外形が略四角形となる板状に形成され、基部10と頭部30との間で基部10から所定の間隔を空けて配置されている。本実施形態の中間板部82は基部10の裏面10bと略平行に配置されているが、このように配置される必然性は無く、中間板部をスライド型の抜き方向と平行にするか該抜き方向から30゜以内でずれた向きにすることが多い。クリップ支持部84は、外形が略四角形となる板状に形成され、壁部40,50の中間位置で中間板部82から頭部30に向けて短く延出した支持板とされている。クリップ支持部84は、クリップ200を頭部30に嵌め合わせた際に下フランジ205を車室側から支持する機能を有している。中間板部82は、クリップ支持部84を基部10から所定の高さに支持している。クリップ支持部84は、ドアトリムをドアパネルに取り付ける時など、クリップ200や頭部30に車外と車室とを結ぶ方向への力が加わった際に、車外側の縁部が下フランジ205の車室側の面に当接することにより頭部30の撓みを間接的に抑え、頭部30を保護する。また、クリップ支持部84は、クリップ200を車体パネルの取付孔に取り付けやすくさせる機能も有する。クリップ支持部は、頭部30に十分な剛性がある場合には、省略可能である。
【0030】
ところで、内装材の基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して該基部と一体的にクリップ取付座を成形するとき、キャビティの中で基部を成形する部分からクリップ取付座を成形する部分へ樹脂成形材料が流れ込む。ここで、基部の表面側にヒケと呼ばれる凹凸が生じないようにするため、クリップ取付座の各部はある程度薄くされている。
【0031】
図16は、比較例に係る内装材900を示している。内装材900に形成されたクリップ取付座920には、貫通穴936を有する頭部930、基部10から頭部930へ繋がり該頭部を支持する壁部940,950、が設けられている。内装材を成形するとき、溶融状態(液状)で流れる樹脂成形材料の経路は、基部10から第一の壁部940を経て頭部930に流れる第一の経路と、基部10から第二の壁部950を経て頭部930に流れる第二の経路とがある。比較例に係る内装材900では、壁部940,950の中間位置で両経路の樹脂成形材料がぶつかり、樹脂成形材料の温度も低下しているので、貫通穴936に繋がったウェルドラインWL2が生じる。すなわち、クリップを取り付ける位置で取付座920にウェルドラインが生じるため、この部分WL2で取付座920の強度が低下し、割れやすくなる。従って、適度な強度を確保しながら取付座920の各部を薄く成形することが容易ではない。
また、クリップ取付座が薄くされていると、キャビティ内でクリップ取付部への樹脂成形材料の流れ込みが不十分となり、クリップ取付部に欠肉が生じ、この部分で強度が低下することがある。
【0032】
そこで、本実施形態のクリップ取付座20には、第二の壁部50から頭部30への樹脂成形材料M1の流れを第一の壁部40から頭部30への樹脂成形材料M1の流れよりも促進させる材料導入部60を設けている。材料導入部60は、成形時に基部用キャビティからクリップ取付座用キャビティに樹脂成形材料が流動する際に、頭部まで樹脂成形材料が流れやすくするように、図3の矢印の向きに樹脂成形材料の流れを支援するものである。
材料導入部60は、第二の壁部50から第一の壁部40とは反対方向へ延出して基部側の縁部60aが該基部10に繋がる板状に形成されている。本材料導入部60は、第二の壁部50と繋がる部位60cが基部10と頭部30とに繋がり、第二の壁部50から離れるほど頭部側の縁部60bが基部10に近づく形状とされている。材料導入部60は、補強部54よりも壁部50から長く延出した翼状とされ、外形が補強部54よりも大きい三角形となる大きな板状に形成されている。本材料導入部60は、第二の壁部50において開口OP1に隣接する縁部50aから第一の壁部40とは反対方向へ延出している。すなわち、材料導入部60は、第二の壁部と繋がる部位60cが開口OP1と貫通穴36との間とされている。
【0033】
材料導入部60の厚みは、例えば、1.5mm前後等、0.8〜4.0mm程度とされる。材料導入部60の形状は、三角形の板状にされると成形型300の型開き時に材料導入部の形状が確実に保持されるので好適であるものの、台形の板状等とすることもできる。また、材料導入部60の形状は、頭部側の縁部60bが曲線状となったような形状でもよい。また、材料導入部の縁部60a,60bがなす角度は、図示の材料導入部60よりも鋭角でも鈍角でもよい。
材料導入部60において第二の壁部と繋がる部位60cの長さに対する基部側の縁部60aの長さの比は、0.5〜2.0が好ましく、0.7〜1.4がより好ましい。前記比を前記範囲内にすると第二の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れが十分に促進されるためである。
【0034】
基部10から第二の壁部50へ繋がった材料導入部60が設けられていることにより、成形時、図3の矢印で示されるように、第二の壁部50側での頭部30への樹脂成形材料M1の流れが第一の壁部40側での頭部30への樹脂成形材料M1の流れよりも多くなる。すると、第一の壁部40から頭部30へ流れてくる樹脂成形材料M1と第二の壁部50から頭部30へ流れてくる樹脂成形材料M1とのぶつかる位置は、第一の壁部40側へずれた位置となる。これにより、図4に示すように、貫通穴36から第一の壁部40側へずれた位置にウェルドラインWL1が生じ、適度な強度のクリップ取付座が得られる。また、材料導入部60によりクリップ取付座への樹脂成形材料の流れ込みが多くなるので、クリップ取付座の欠肉が防止される。なお、第二の壁部は挿入口57が形成されることにより強度が低下しがちであるが、基部に繋がった材料導入部により、挿入口を有する第二の壁部が補強される。本実施形態のように、材料導入部が挿入口57(貫通穴36)と開口OP1との間で第二の壁部に繋がっていると、第二の壁部が適切に補強される。
【0035】
また、頭部30において開口OP1に隣接し第一の壁部40と第二の壁部50とを結ぶ縁部30aには、肉厚を他の部分よりも厚くした厚肉部32が形成されている。厚肉部32は、材料導入部60から連続する部位に形成されている。厚肉部32は、例えば、フランジ状に形成され、断面積が大きくなるよう、頭部30の車外側の面から車外方向へ0.5〜2.0mm程度隆起し、縁部30aから空間SP1とは反対の方向へ0.5〜2.0mm程度隆起した形状とされる。これにより、成形時に頭部内で第二の壁部から第一の壁部へ向かう樹脂成形材料の流れが良くなるので、壁部40,50からそれぞれ流れてくる樹脂成形材料がぶつかる位置がより確実に貫通穴36から第一の壁部側へずれた位置となる。特に、材料導入部60と厚肉部32とが連続して繋がっていることにより、成形時に材料導入部60から頭部30への樹脂成形材料の流れが多くなり、適度な強度のクリップ取付座が得られる。ここで、厚肉部は頭部の縁部30aに沿って形成されているので、頭部における車外側の面の大部分を平滑面とすることができ、厚肉部はクリップの端部を貫通穴に差し込む際の妨げとならない。
なお、厚肉部32を頭部30の車外側の面から車外方向へ隆起させる高さ、および、厚肉部32を頭部の縁部30aから空間SP1とは反対の方向へ隆起させる高さを上記上限以下にすると、厚肉部で樹脂成形材料の冷却遅れが生じず、厚肉部がクリップのシール片202と干渉することを避けることができ、取り付け相手の車体パネルと干渉することを避けることができるので好ましい。
頭部の厚肉部は、クリップのシール片202や取り付け相手の車体パネルとの干渉を避ける観点から頭部の縁部30aから空間SP1とは反対の方向へ隆起すると好適であるものの、シール片202との干渉を避けることができれば空間SP1の方向へ隆起するように厚肉化されてもよい。また、頭部の厚肉部は、車室方向へ隆起するように厚肉化されてもよいし、車外方向へのみ隆起した部位、車室方向へのみ隆起した部位、空間SP1とは反対の方向へのみ隆起した部位、空間SP1の方向へのみ隆起した部位、等でもよい。さらに、厚肉部は、頭部において壁部を結ぶ縁部30aの一部にのみ形成されてもよい。なお、頭部は貫通穴が形成されることにより強度が低下しがちであるが、厚肉部により、貫通穴を有する頭部が補強される。
【0036】
さらに、第二の壁部50には、材料導入部60に繋がり基部10と頭部30とを結ぶ縁部50aに肉厚を他の部分よりも厚くした第二の厚肉部52が形成されている。第二の厚肉部52は、断面積が大きくなるように、例えば、第二の壁部50から第一の壁部40とは反対の方向へ0.1〜2.0mm程度隆起した形状とされる。これにより、成形時に第二の壁部内で基部から頭部へ向かう樹脂成形材料の流れが良くなるので、壁部40,50からそれぞれ流れてくる樹脂成形材料がぶつかる位置がより確実に貫通穴36から第一の壁部側へずれた位置となり、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
第二の厚肉部は基部と頭部とを結ぶ方向において同じ厚みとされてもよいが、図15に示す第二の厚肉部752のように、第二の壁部を厚肉化させながら、頭部30側752aを太くし、基部10側を細くしてもよい。同図では、図示の都合上、第二の壁部における第二の厚肉部の部分のみを二点鎖線で示した。同第二の厚肉部752は、基部と頭部とを結ぶ方向に対する垂直断面が正方形となる四角錐台を倒置したような形状として示されているが、四角錐台から外れるような形状とされてもよい。第二の厚肉部の基部側が太いと樹脂成形材料の冷却遅れによる基部の車室側にある意匠面の見栄えを低下させるヒケが生じることがあるが、第二の壁部を薄くさせない範囲で第二の厚肉部の基部側を細くする一方で頭部側を太くすると、基部の意匠面のヒケを防止しつつ第二の壁部内の樹脂成形材料の流れを良くさせてクリップ取付座の強度を適度に向上させることができる。
むろん、第二の厚肉部は、第二の壁部から空間SP1の方向へ隆起するように厚肉化されてもよい。また、第二の厚肉部は、第二の壁部において基部と頭部とを結ぶ縁部50aの全部に形成されてもよいし、該縁部50aの一部にのみ形成されてもよい。なお、第二の壁部は挿入口57が形成されることにより強度が低下しがちであるが、第二の厚肉部により、挿入口を有する第二の壁部が補強される。
【0037】
さらに、第二の壁部50の厚みt2は、第一の壁部40の厚みt1よりも大きくされている。例えば、第一の壁部の厚みを0.5〜1.0mm、第二の壁部の厚みを1.1〜1.8mmとすると、t2>t1となる。第二の壁部を第一の壁部よりも厚くすることにより、成形時に第二の壁部内で基部から頭部へ向かう樹脂成形材料の流れが良くなるので、壁部40,50からそれぞれ流れてくる樹脂成形材料がぶつかる位置がより確実に貫通穴36から第一の壁部側へずれた位置となり、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
なお、第二の壁部は挿入口57が形成されることにより強度が低下しがちであるが、第一の壁部よりも厚くされることにより、クリップ取付座の強度が適切に向上する。
【0038】
(2)クリップ取付座を有する内装材の製造方法:
次に、図9〜図11を参照して、発泡射出成形体とされた本内装材の製造方法の各工程を説明する。なお、樹脂成形材料を構成する樹脂として、熱可塑性樹脂を用いるものとする。
まず、スライド型駆動機構332にてスライド型330を下型310の所定位置に収容させ、型開き状態にある一対の型310,320を閉じ、キャビティCA1を形成する。図9の上段に示すように、移動型である上型320は最も下がった所定の近接位置L11にあり、キャビティCA1の上下方向の厚みd1は成形後の基部10の厚みよりも小さくされている。また、スライド型330は、クリップ取付座内に進出した状態とされている。従って、キャビティCA1は、進出したスライド型330と近接した一対の型310,320で形成されている。
【0039】
ここで、発泡剤を含む樹脂成形材料M1は融点MP以上の高温の液状とされ、成形型300は融点MPより低い温度(例えば30〜80℃)にされる。なお、樹脂成形材料を融点以上に加熱して溶融状態にすれば、高温の液状にすることができる。例えば、熱可塑性樹脂に融点160℃のポリプロピレンを用いる場合、樹脂成形材料を170〜230℃程度に加熱してポリプロピレンを溶融させることができる。また、樹脂成形材料には、予め分解ガスを発生する化学発泡剤を混入させておくか、射出成形機に付加された圧入装置で不活性ガス等の物理発泡剤を圧入させておく。
【0040】
次に、溶融状態の樹脂成形材料M1を、例えば、射出圧100〜200MPa、充填時間0.5〜5秒で、ゲート312からキャビティCA1内に射出して充填する(ステップ1)。射出圧、充填時間は、主に射出する樹脂成形材料の量、すなわち、内装材の大きさによって増減する。射出された樹脂成形材料は、キャビティCA1内で基部10の部分からクリップ取付座20の部分へと移動し、キャビティCA1の全体に回り込む。なお、クリップ取付座の各部が薄いので、樹脂成形材料はキャビティCA1内で基部の部分から先に広がり、基部の部分に充填された後にクリップ取付座の部分に流れ込む傾向がある。このとき、材料導入部60の部分により、第二の壁部50の部分から頭部30の部分への樹脂成形材料M1の流れが第一の壁部40の部分から頭部30の部分への樹脂成形材料M1の流れよりも多くなり、第二の壁部からの樹脂成形材料は第一の壁部からの樹脂成形材料よりも早く頭部へ流れ込む。特に、材料導入部60が頭部30にまで繋がっていることにより、このような作用が顕著に現れる。
以上により、壁部40,50の部分から頭部30の部分へ流れてくる樹脂成形材料のぶつかる位置は、貫通穴36の部分から第一の壁部40側へずれた位置となる。そして、樹脂成形材料の融点よりも低い温度の成形型300に接触した表面の樹脂成形材料は、固化してスキン層が形成され始める。一方、スキン層よりも内側にある樹脂成形材料は、溶融状態を維持している。
【0041】
樹脂成形材料を射出してから所定の時間が経過した後、一対の成形型310,320を所定の離間位置L12まで相互に離間させ、キャビティCA1の容積を拡張させる(ステップ2)。このとき、キャビティCA1の上下方向の厚みd2は、ほぼ成形後の基部10の厚みとされている。本実施形態の下型310は固定型とされているので、上型320がd2−d1だけ上方へ移動する。すると、スキン層よりも内側で樹脂成形材料中の発泡剤が発泡し、多数のミクロの気泡が形成される。その結果、図11の断面図に示すように、基部10では、発泡セルを多数有する発泡層M2が表面のスキン層M3,M4どうしの間に形成される。ここで、発泡層M2の厚みは1.0〜4.0mm程度とされ、スキン層M3,M4の厚みはそれぞれ0.5〜1.0mm程度とされる。
成形型310,320を離間位置L12まで離間させてから所定の時間が経過した後、型310,320を所定の型開き位置L13まで相互に開き、キャビティを開放する(ステップ3)。本実施形態では、上型320が上方へ移動する。
【0042】
その後、スライド型駆動機構332にてスライド型330を下型310から進出させてクリップ取付座内から退避させる(ステップ4)。そして、成形された内装材100が取り出されると、一連の製造サイクルが終了する。
以上により、キャビティCA1に樹脂成形材料を射出して一対の型310,320を離間させてクリップ取付座と基部とを一体的に成形した内装材100が製造される。形成された基部の裏面10bには、図1に示すように、ゲート位置16にゲート312の跡が残り、クリップ取付座内に挿入していたスライド型330の位置18に該スライド型の跡が残る。
【0043】
本クリップ取付座20には材料導入部60が設けられているので、成形時、第二の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れが第一の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進され、貫通穴36から第一の壁部40側へずれた位置で壁部40,50から頭部30へ流れてくる樹脂成形材料M1がぶつかるとともに、樹脂成形材料が素早く頭部30に充填される。すると、貫通穴36から離れた位置で第一の壁部40側にずれた位置にウェルドラインWL1が生じ、また、ウェルドラインそのものが目立たなくなる。ウェルドラインWL1の位置が第一の壁部に近いので、頭部の中央部にウェルドラインができる場合と比べて強度が向上し、クリップを取り付ける位置での割れが防止される。また、材料導入部60によりクリップ取付座全体への樹脂成形材料の流れ込みが促進されるので、クリップ取付座の欠肉を防ぐことができる。従って、クリップ取付座を厚くしなくても十分な強度のクリップ取付座が形成され、適度な強度のクリップ取付座を有する内装材を得ることが可能になる。
【0044】
特に、発泡剤を含む樹脂成形材料を発泡させて成形して得られるクリップ取付座は、発泡剤を含まない樹脂成形材料で成形して得られるクリップ取付座よりも強度が低下する傾向にある。しかしながら、発泡剤を含む樹脂成形材料を成形して内装材を形成する場合でも、成形時に貫通穴36から第一の壁部40側へずれた位置で壁部40,50から頭部30へ流れてくる樹脂成形材料M1がぶつかるので、適度な強度のクリップ取付座を得ることが可能になる。そして、製造される内装材が発泡成形体とされるので、内装材を軽量化させることができる。
【0045】
また、基部10の縁部が湾曲した湾曲部位12とされる等により貫通穴36から挿入口57のある方向にスライド型を配置することができない場合、頭部の強度が低下する傾向にある。図1に示すクリップ取付座20は、貫通穴36から挿入口57のある方向とは異なる方向にスライド型330が配置されて形成されている。このようなクリップ取付座でも、適度な強度のクリップ取付座を得ることが可能になる。
以上より、本発明のクリップ取付座は、頭部30に第二の壁部との境界部分30cからクリップの端部205を挿入して該クリップの端部205を貫通させて係止させる貫通穴36が形成され、基部10と頭部30との間であって壁部40,50の間にクリップの端部205を挿入可能な空間SP1に繋がる開口OP1が形成され、第二の壁部50から第一の壁部40とは反対方向へ延出して基部側の縁部60aが該基部10に繋がる板状に形成されるとともに第二の壁部50と繋がる部分60cが開口OP1と貫通穴36との間とされた部位60が設けられていることを特徴とする。ここで、前記部位60において第二の壁部と繋がる部分60cが開口OP1と貫通穴36との間とされることにより、成形時に第二の壁部側で基部から頭部への樹脂成形材料の流れが適切に促進され、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
【0046】
さらに、本発明のクリップ取付座は、上記頭部30と上記壁部40,50と上記材料導入部60とを備え、ウェルドラインWL1が頭部30の取付位置L1から第一の壁部40側へずれた位置とされたことを特徴とする。ここで、本発明に適用されるウェルドラインは、目視可能なウェルドラインに限定されず、X線検査等の電磁波による検査により検出されるウェルドライン、コンピュータ解析(CA)により得られるウェルドライン、等が含まれる。
【0047】
(3)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、同じ内装材に材料導入部の有るクリップ取付座と材料導入部の無いクリップ取付座とが混在していても、この内装材は本発明に含まれる。
上述した頭部、第一の壁部、第二の壁部、奥壁部、中間板部、クリップ支持部、材料導入部は、板状であると成形が容易である点で好適であるものの、板状から外れる形状であっても本発明の基本的な効果が得られる。また、第一の壁部、第二の壁部、奥壁部、材料導入部は、基部を補強するリブに繋がっていてもよいし、基部の縁部の湾曲部位12に繋がっていてもよい。
材料導入部は、クリップ取付座を開口(OP1)側から見たときに左右の壁部のどちらに付加されてもよい。この場合、材料導入部が付加された側の壁部が第二の壁部となり、材料導入部が付加されていない側の壁部が第一の壁部となる。
材料導入部は、第二の壁部と繋がる部位が頭部に繋がっていると好適であるものの、第二の壁部と繋がる部位が頭部に繋がっていなくても第二の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れを第一の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進させることが可能である。
【0048】
図12に示す変形例のクリップ取付座420のように、壁部440,450の少なくとも一方に、基部10に繋がる縁部に肉厚を他の部分よりも薄くした薄肉部446,456を形成してもよい。図では、壁部440,450の両方に薄肉部446,456が設けられていることが示されている。ここで、薄肉部446の厚みt11は第一の壁部440の厚みt13よりも薄くされ、薄肉部456の厚みt12は第二の壁部450の厚みt14よりも薄くされ、薄肉部446,456の厚みの関係はt11≦t12とされ、壁部440,450の厚みの関係はt13<t14とされている。薄肉部の厚みt11,t12は、0.5mm以上が好ましい。
第一の壁部や第二の壁部が厚いと樹脂成形材料の冷却遅れによる基部の車室側にある意匠面の見栄えを低下させるヒケが生じることがあるが、第一の壁部や第二の壁部の基部側を薄くしておくことにより、冷却効率が向上して基部の意匠面のヒケを防止することができる。そして、本クリップ取付座でも、第一の壁部440から頭部30へ向かう樹脂成形材料M1の流れよりも第二の壁部450から頭部30へ向かう樹脂成形材料M1の流れの方がよいため、適度な強度が得られるクリップ取付座の好適な構成を提供することができる。
なお、薄肉部は、第一の壁部にのみ設けられてもよいし、第二の壁部のみ設けられてもよい。
【0049】
図13に示す変形例のクリップ取付座520のように、基部10の縁部にある湾曲部位12から頭部530に繋がるように第一の壁部541,542が設けられ、奥壁部770が基部の裏面10bの平坦面から湾曲部位にかけて頭部530に繋がるように設けられてもよい。本変形例では、中間板部82から湾曲部位12に向けて該中間板部をそのまま湾曲部位12まで延出させた形状の基部側壁部541と、この基部側壁部から頭部530側に折れ曲がって該頭部に繋がる板状の頭部側壁部542とから第一の壁部が形成されている。なお、第二の壁部550には頭部側の縁部にクリップの端部を挿入可能な挿入口536aが形成され、頭部530には挿入口536aに繋がる貫通穴が形成されている。本クリップ取付座でも、第二の壁部550と基部10とに繋がる材料導入部560により、第一の壁部から頭部へ向かう樹脂成形材料M1の流れよりも第二の壁部から頭部へ向かう樹脂成形材料M1の流れが促進され、適度な強度のクリップ取付座が得られる。
【0050】
図14に示す変形例のように、奥壁部や中間板部やクリップ支持部を備えず、頭部630と壁部640,650と材料導入部660を備えるクリップ取付座620であっても、適度な強度となる効果が得られる。なお、本変形例では、頭部630に厚肉部や凸部は形成されておらず、壁部640,650に補強部は形成されておらず、壁部640,650は同じ厚みで略平行に配置され、第二の壁部650に第二の厚肉部は形成されていない。この場合でも、材料導入部660により、クリップ取付座全体への樹脂成形材料の流れ込みが促進されるとともに、第二の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れが第一の壁部から頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進され、両壁部から頭部へ流れてくる樹脂成形材料のぶつかる位置(ウェルドラインWL1)は第一の壁部側へずれた位置となる。その結果、クリップ取付座の欠肉を抑制しながらクリップを取り付ける貫通穴の位置でクリップ取付座にウェルドラインが生じないようになり、クリップ取付座が適度な強度となる。
【0051】
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】内装材の一例を車外側から見て示す側面図。
【図2】図1に示す内装材を同図のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図。
【図3】クリップ取付座の一例を示す斜視図。
【図4】図3に示すクリップ取付座を別の方向から見て示す斜視図。
【図5】クリップの一例を示す斜視図。
【図6】図5に示すクリップを側面から見て示す側面図。
【図7】図4に示すクリップ取付座を同図のA2−A2の位置で断面視して示す断面図。
【図8】図4に示すクリップ取付座を同図のA3−A3の位置で断面視して示す断面図。
【図9】成形型を用いて内装材を製造する様子の一例を示す要部断面図。
【図10】成形型を用いて内装材を製造する様子の一例を示す要部断面図。
【図11】製造された内装材の断面構造の一例を示す要部断面図。
【図12】クリップ取付座の変形例を示す斜視図。
【図13】クリップ取付座の変形例を示す斜視図。
【図14】クリップ取付座の変形例を示す斜視図。
【図15】第二の厚肉部の変形例を示す斜視図。
【図16】クリップ取付座の比較例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0053】
10…基部、12…湾曲部位、16…ゲート位置、18…スライド型の位置、
20,420,520,620…クリップ取付座、
30…頭部、30a…縁部、30b,30c…境界部分、32…厚肉部、
34…凸部、36…貫通穴、
40…第一の壁部、44…補強部、
50…第二の壁部、50a…縁部、52…第二の厚肉部、54…補強部、57…挿入口、
60,460,560,660…材料導入部、
60a…基部側の縁部、60b…頭部側の縁部、60c…第二の壁部と繋がる部位、
70…奥壁部、82…中間板部、84…クリップ支持部、
100…内装材、
200…クリップ、205…下フランジ(端部)、
300…成形型、310…第一の金型、312…ゲート、320…第二の金型、
330…スライド型、332…スライド型駆動機構、
446,456…薄肉部、
CA1…キャビティ、
L1…所定の取付位置、
M1…樹脂成形材料、M2…発泡層、M3,M4…スキン層、
OP1…開口、
SP1…空間、
WL1…ウェルドライン、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装材の基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して該基部と一体的に成形され、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座であって、
前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら前記クリップを取り付け可能な頭部と、
前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部と、
前記基部から前記第二の壁部へ繋がり前記第二の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れを前記第一の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進させる材料導入部とを備えることを特徴とするクリップ取付座。
【請求項2】
前記材料導入部は、前記第二の壁部から前記第一の壁部とは反対方向へ延出して前記基部側の縁部が該基部に繋がる板状に形成され、前記第二の壁部と繋がる部位が前記基部と前記頭部とに繋がり、前記第二の壁部から離れるほど前記頭部側の縁部が前記基部に近づく形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ取付座。
【請求項3】
前記成形型が前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間から前記クリップの端部を挿入可能な空間へ進退可能に進出するスライド型を有する成形型とされ、
前記頭部には、前記第二の壁部との境界部分から前記クリップの端部を挿入して該クリップの端部を貫通させて係止させる貫通穴が形成され、
前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間には、前記スライド型により前記クリップの端部を挿入可能な空間に繋がる開口が形成され、
前記材料導入部は、前記第二の壁部から前記第一の壁部とは反対方向へ延出して前記基部側の縁部が該基部に繋がる板状に形成され、前記第二の壁部と繋がる部位が前記開口と前記貫通穴との間とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクリップ取付座。
【請求項4】
前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間には、前記クリップの端部を挿入可能な空間に繋がる開口が形成され、
前記材料導入部は、前記第二の壁部において前記開口に隣接する縁部から前記第一の壁部とは反対方向へ延出して前記基部側の縁部が該基部に繋がる板状に形成され、
前記頭部は、前記開口に隣接し前記第一の壁部と前記第二の壁部とを結ぶ縁部に肉厚を他の部分よりも厚くした厚肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のクリップ取付座。
【請求項5】
前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間には、前記クリップの端部を挿入可能な空間に繋がる開口が形成され、
前記材料導入部は、前記第二の壁部において前記開口に隣接する縁部から前記第一の壁部とは反対方向へ延出して前記基部側の縁部が該基部に繋がる板状に形成され、
前記第二の壁部は、前記材料導入部に繋がり前記基部と前記頭部とを結ぶ縁部に肉厚を他の部分よりも厚くした第二の厚肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のクリップ取付座。
【請求項6】
前記第二の壁部が前記第一の壁部よりも厚くされた、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のクリップ取付座。
【請求項7】
前記第一の壁部と前記第二の壁部の少なくとも一方は、前記基部に繋がる縁部に肉厚を他の部分よりも薄くした薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のクリップ取付座。
【請求項8】
前記成形型が互いに近接および離反可能な一対の型並びに前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間から前記クリップの端部を挿入可能な空間へ進退可能に進出するスライド型を有する成形型とされ、
進出した前記スライド型および近接した前記一対の型で形成されるキャビティに発泡剤が含まれる前記樹脂成形材料を射出して前記一対の型を離間させて前記基部と一体的に成形された、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のクリップ取付座。
【請求項9】
前記頭部は、所定の取付位置で前記クリップを取り付け可能とされ、
ウェルドラインが前記頭部の取付位置から前記第一の壁部側へずれた位置とされたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のクリップ取付座。
【請求項10】
内装材の基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して該基部と一体的に成形され、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座であって、
前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら所定の取付位置で前記クリップを取り付け可能な頭部と、
前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部と、
前記基部から前記第二の壁部へ繋がった材料導入部とを備え、
ウェルドラインが前記頭部の取付位置から前記第一の壁部側へずれた位置とされたことを特徴とするクリップ取付座。
【請求項11】
成形型に樹脂成形材料を射出して内装材の基部と一体的に成形され、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座であって、
前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら前記クリップを取り付け可能な頭部と、
前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部とを備え、
前記頭部には、前記第二の壁部との境界部分から前記クリップの端部を挿入して該クリップの端部を貫通させて係止させる貫通穴が形成され、
前記基部と前記頭部との間であって前記第一の壁部と前記第二の壁部との間には、前記クリップの端部を挿入可能な空間に繋がる開口が形成され、
前記第二の壁部から前記第一の壁部とは反対方向へ延出して前記基部側の縁部が該基部に繋がる板状に形成され、前記第二の壁部と繋がる部分が前記開口と前記貫通穴との間とされた部位が設けられていることを特徴とするクリップ取付座。
【請求項12】
基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して、車体に固定するためのクリップを取り付け可能なクリップ取付座と前記基部とを一体的に成形した内装材であって、
前記クリップ取付座は、
前記基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成しながら前記クリップを取り付け可能な頭部と、
前記空間を挟んで前記基部から前記頭部へ繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部と、
前記基部から前記第二の壁部へ繋がり前記第二の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れを前記第一の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進させる材料導入部とを備えることを特徴とする内装材。
【請求項13】
車体に固定するためのクリップを取り付け可能であるとともに内装材の基部との間に前記クリップの端部を挿入可能な空間を形成する頭部と、前記空間を挟んで前記基部から前記頭部に繋がり該頭部を支持する第一および第二の壁部とを備え、前記基部を成形する部位から成形型に樹脂成形材料を射出して該基部と一体的に成形されるクリップ取付座の形成方法であって、
前記成形型に前記基部から前記第二の壁部へ繋がる材料導入部を形成する部位を設け、前記第二の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れを前記第一の壁部から前記頭部への樹脂成形材料の流れよりも促進させてクリップ取付座を形成することを特徴とするクリップ取付座の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−174185(P2008−174185A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11527(P2007−11527)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(390031451)株式会社林技術研究所 (83)
【Fターム(参考)】