説明

クリップ

【課題】構成の簡素化を実現するとともに取り付け時の挿入力を低減可能なクリップを提供する。
【解決手段】ネジ穴51が設けられた部材50に取り付けられるクリップ10であって、ネジ穴51に挿入される支柱部21と、その支柱部21の外周から張り出すように支柱部21の軸方向に沿って複数段に設けられてネジ穴51への挿入に伴って弾性変形してネジ溝52に係合する係合片22と、を備え、支柱部21にはその先端部における肉厚を基端部よりも薄くするようなスリット23が支柱部21の軸方向に延びて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばワイヤーハーネスを車両の所定部位に固定するために使用されるクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に配索されるワイヤーハーネスを車体に固定するために用いられるワイヤーハーネス保持用のクリップとして、例えば特許文献1に記載のものが知られている。このクリップは、係合歯列が形成された係合片が開拡可能に設けられたクランプ部と、一端にワイヤーハーネスの結束部材が設けられた芯軸部材とからなっている。クランプ部をネジ穴に挿入し、クランプ部の貫通孔に基端部から芯軸部材を貫挿すると、係合片が芯軸部材に押圧されて外側に向かって開拡する。そして係合片に形成される係合歯列とネジ穴のネジ溝とが係合し、クランプ部はネジ穴から抜脱困難に係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−185026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来のクリップでは、クランプ部と芯軸部材の2部品構成であるから、クリップの取り付けには、クランプ部をネジ穴に挿入し、その後に芯軸部材をクランプ部の貫通孔に貫挿するという2回の挿入作業が必要となってしまい、構成のさらなる簡素化が求められている。
【0005】
また、クリップのネジ穴に対する係止保持力を高くするためには、クランプ部の貫通孔の内径に対して芯軸部材の外径をより大きく設定する必要があるが、単に外径を大きく設定すると、芯軸部材の挿入時の抵抗が大きくなり、取り付け作業性がさらに悪化するという問題がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、構成の簡素化を実現するとともに取り付け時の作業性に優れたクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネジ穴が設けられた部材に取り付けられるクリップであって、前記ネジ穴に挿入される支柱部と、その支柱部の外周から張り出すように前記支柱部の軸方向に沿って複数段に設けられて前記ネジ穴への挿入に伴って弾性変形してネジ溝に係合する係合片と、を備え、前記支柱部にはその先端部における肉厚を基端部よりも薄くするようなスリットが前記支柱部の軸方向に延びて形成されていることに特徴を有する。
【0008】
このような構成によれば、支柱部と係合片群とを合成樹脂によって一体成形できるから、部品点数を減少させることができる。また、クリップを取り付ける際には、係合片群を備えた支柱部を単にネジ穴に挿入しさえすれば、支柱部がスリットを閉じるように弾性変形するとともに、各係合片も弾性変形しつつネジ穴の内部に進入してネジ溝に係合するようになるから、取り付け作業はいわゆるワンアクションで済ませることができ、作業性に優れる。
【0009】
さらに、支柱部に設けられたスリットは、支柱部の先端部における肉厚が基端部よりも薄くなるような形状とされているから、支柱部は先端部の方が基端部よりも内側(スリットを閉じる方向)に撓み易く、ひいては先端部の係合片に起因する挿入抵抗は基端部のものよりも小さくなる。このため、複数段の係合片が、先端側のものから順次ネジ穴内に進入してゆくに従って挿入抵抗が増大する傾向にあるとしても、先端部側の係合片に起因する挿入抵抗が小さいため、総じて必要となる挿入エネルギーは係合片群の全体が均一な挿入抵抗を生じさせるものに比べて小さくできる。
【0010】
前記係合片は前記支柱部の基端部側に位置するものが先端部側に位置するものに比べて前記支柱部の軸中心からの突出寸法が小さく設定されていてもよい。このような構成とすれば、先端部側より支柱部が弾性変形し難い基端部側に位置する係合片に起因する挿入抵抗を抑制することができ、基端部側の係合片を挿入する時の挿入力上昇を抑制することができる。
【0011】
前記係合片は、前記支柱部の前記基端部側に延出するとともに前記支柱部から遠ざかる方向に傾斜して張り出していてもよい。このような構成とすれば、係合片を支柱部に近づく方向に弾性変形しやすくすることができ、取り付け時の挿入力をより一層低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構成の簡素化を実現するとともに取り付け時の作業性に優れたクリップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るクリップの斜視図
【図2】同正面図
【図3】同側面図
【図4】クリップをネジ穴に挿入する前の状態を示した一部切り欠き断面図
【図5】クリップをネジ穴に挿入している途中の状態を示した一部切り欠き断面図
【図6】クリップをネジ穴に取り付けた状態を示した一部切り欠き断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図6によって説明する。
本実施形態におけるワイヤーハーネス保持用のクリップ10は、図示しないワイヤーハーネスをエンジンなどの厚肉部材50(ネジ穴が設けられた部材)に形成されたネジ穴51に取り付けるものである。ネジ穴51には、内周面に所定ピッチをなす螺旋状のネジ溝52が形成されており、その縦断面で観察すると、図4に示すように深さ方向にネジ溝52とその間に位置するネジ山53とが交互に位置している。以下の説明においては、図2における上下方向をクリップ10の上下として扱う。
【0015】
クリップ10は、合成樹脂製であって、射出成形により全体が一体に形成されている。その構成は図1に示すように、ワイヤーハーネスに巻回されるバンド部11と、バンド部11の一端に連結された略箱状の本体部12と、本体部12のバンド部11とは反対側の面から突設された係止部20とを備えている。
【0016】
バンド部11は、図示しないワイヤーハーネスの外周に巻き付けることのできる長さを有し、略一定の幅寸法で本体部12から下方に延出されており、図示しないその先端がやや先細りした態様をなしている。その厚さ寸法はバンド部11を図示しないワイヤーハーネスの周りに巻き付けることができる程度の可撓性を有するように設定されている。バンド部11の図1の手前側となる面には、後述する弾性舌片15に形成された係止突部16を係止可能な係止溝部11Aがバンド部11の長手方向に沿って一定間隔に多数形成されている。
【0017】
本体部12は一側面がバンド部11の延出方向に沿った傾斜面13をなす扁平な角筒状をなし、その内部には、傾斜面13に開口する挿入口14Aから対向する面に開口する導出口まで貫通するバンド挿通孔14が形成されている。バンド挿通孔14は、バンド部11をその先端から挿通可能であって、その内部にはバンド部11を係止する弾性舌片15が設けられている。
【0018】
弾性舌片15はバンド挿通孔14内の挿入口14A寄りの下面から上面に向かって僅かに立ち上がり、導出口の略中央に向かって屈曲し、本体部12から僅かに突出した状態に形成されている。弾性舌片15の上面には、その幅方向に延びる係止突部16が形成されている。
【0019】
係止部20は、本体部12の上面から突設された支柱部21と、支柱部21の外周から張り出すように支柱部21の軸方向に沿って複数段に設けられる係合片22とを備えている。
【0020】
支柱部21は、略円柱形状をなし、外径がネジ穴51の孔径より小さく、軸方向の長さがネジ穴51におけるネジ溝52の形成部分とほぼ同じ長さとされている。支柱部21には、その先端部における肉厚を基端部よりも薄くするようなスリット23が支柱部21の軸方向に延びて形成されており、スリット23の空隙寸法を狭めるように弾性変形する。また、支柱部21の先端には、ネジ穴51の内径より小さい外径を有するテーパ部24が設けられている。さらに、支柱部21と本体部12との接続部分には、支柱部21の外周面の四箇所に、略直方体をなす補強部25が一体に設けられ、これにより支柱部21が本体部12に対して倒れ変形することを防止するようにしている。
【0021】
スリット23は、支柱部21をその径方向に貫通して設けられ、図4に示すように、後述する最も下方に位置する係合片22Fが張り出す基端部分から開口し、支柱部21内では下方から上方に向かって開口幅が大きくなるように形成されている。そして、支柱部21に続くテーパ部24内では、下方から上方に向かって開口幅が小さくなるように形成されており、上部が閉じる構成とされている。スリット23の内面は、下部と上部が略V字状の谷部23Aをなしており、谷部23Aを支点にして支柱部21がスリット23の開口幅を狭める方向に撓みやすくなっている。
【0022】
各段の係合片22は、皿ばねを二つに割ったような半円形状をなして支柱部21の両側にスリット23を挟んだ位置に対をなして設けられ、先端部側ほど支柱部21の基端部側に近づく傾斜、すなわち下向きの傾斜で支柱部21から張り出しており、先端部が支柱部21の軸心側に向かう力を受けると、基端部寄りの部分が弾性変形して全体として係合片22対が窄まるような状態となる(図5参照)。各係合片22は支柱部21の上下方向にネジ溝52のピッチと一致するピッチで離間して、支柱部21の軸方向に沿って複数段(本実施形態では6段)に設けられている。ここで、各係合片22を、図2及び図3に示すように、上方から順に、係合片22A,係合片22B,係合片22C,係合片22D,係合片22E,係合片22Fと呼ぶ。
【0023】
各係合片22の支柱部21の軸中心からの突出寸法は、支柱部21の基端部側(下段側)に位置するものが、先端部側(上段側)に位置するものに比べて小さく設定されている。詳しくは、係合片22Fの突出寸法が最も小さく、係合片22Aの突出寸法が最も大きく設定されており、係合片22A〜22Fの突出寸法は順に小さくなるように設定されている。係合片22A〜22Fの外径寸法は、自由状態でネジ穴51の内径寸法よりも大きく設定されており、図6に示すようにネジ穴51内に挿入された状態では、それぞれの係合片22A〜22F及び支柱部21が弾性変形して係合片22A〜22Fの先端がネジ溝52内に進入して係合できるようにされている。
【0024】
続いて、クリップ10の取り付け手順について図4ないし図6を用いて説明する。
まず、ワイヤーハーネスを結束するには、図示はしないが、ワイヤーハーネスにバンド部11を巻き付けた状態で、バンド部11をバンド挿通孔14の挿入口14Aから挿入する。バンド部11をバンド挿通孔14に挿通させ、ワイヤーハーネスを締め付けた状態で弾性舌片15の係止突部にバンド部11の係止溝部11Aを引っ掛けることでワイヤーハーネスを結束した状態に係止することができる。
【0025】
次に、クリップ10を取付対象部材である厚肉部材50に取り付けるには、図4に示すようにクリップ10をテーパ部24からネジ穴51に差し入れて押し込む。すると、まず最先端の一対の係合片22Aがネジ穴に設けられたネジ山53に当接する。さらに押し込むと、各係合片22Aが支柱部21の基端部側に近づくように弾性変形するとともに支柱部21が縮径方向(スリット23の空隙寸法を狭める方向)に弾性変形して、係合片22Aが当該ネジ山53を乗り越える。すると、係合片22A及び支柱部21が弾性復帰して、係合片22Aの先端部がネジ溝52内に進入した状態となる。
【0026】
そして、この状態からさらにクリップ10を押し込むと、係合片22Aが1ピッチ分奥にあるネジ山53に当接するとともに、係合片22Bが最初のネジ山53に当接する。さらに押し込むと、係合片22A及び係合片22Bが先と同様に弾性変形するとともに支柱部21が縮径方向に弾性変形して、係合片22A及び係合片22Bがそれぞれネジ山53を乗り越える。すると、係合片22A及び係合片22B並びに支柱部21が弾性復帰して、係合片22A及び係合片22Bの先端部がそれぞれネジ溝52内に進入した状態となる。
【0027】
この動作を繰り返して、最後に、図5に示すように、6つの係合片22A〜22Fが支柱部21の基端部側に弾性変形するとともに支柱部21が縮径方向に弾性変形して、6つの係合片22A〜22Fがそれぞれネジ山53を乗り越える。すると、図6に示すように、6つの係合片22A〜22F及び支柱部21が弾性復帰して、6つの係合片22A〜22Fがそれぞれネジ溝52に係合する状態となる。以上のようにして、係止部20がネジ穴51に係止されることで、クリップ10を厚肉部材50に取り付けることができる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によれば、支柱部21と係合片22とは、合成樹脂製であって、射出成形により他の部材とともに一体に形成することができるから、構成の簡素化が可能になる。また、係止部20を厚肉部材50に取り付けるに当たっては、単に係止部20をネジ穴51に押し込みさえすればよく、いわばワンアクションであって作業性に優れる。
【0029】
さらに、支柱部21に設けられたスリット23は、支柱部21の先端部における肉厚が基端部よりも薄くなるような形状とされているから、支柱部21は先端部の方が基端部よりも内側(スリットを閉じる方向)に撓み易く、ひいては先端部の係合片22に起因する挿入抵抗は基端部の係合片22に起因する挿入抵抗よりも小さくなる。一般に、複数段に設けられた係合片をネジ穴に挿入して、順次ネジ溝に係合させるようなクリップにおいては、各係合片がネジ穴内に進入してゆくに従って挿入抵抗が増大する。ここで、本実施形態においては、例えば先端部側の係合片22Aに起因する挿入抵抗は、それよりも基端部側の係合片22B〜22Fに起因する挿入抵抗に比べて小さい。このため、クリップ10を先端部側からネジ穴51に挿入する全過程に亘って積算された挿入抵抗を低減することができ、各係合片22がネジ穴51内に進入してゆくに従って挿入抵抗が増大する傾向にあるとしても、全体としてはクリップ10をネジ穴51に挿入するために必要となる挿入エネルギーを小さくすることができる。
仮に、本実施形態とは逆に、先端部側の係合片に起因する挿入抵抗の方が基端部側よりも大きく設定されていたり、いずれの係合片の挿入抵抗も均一となるように設定されている場合には、比較的大きな挿入抵抗が挿入過程の全過程に亘って継続的に作用することになるから、挿入抵抗の積算(挿入操作に必要となるエネルギー)は、本実施形態の場合に比べて大きくなる。
【0030】
さらに、支柱部21にスリット23を設けたことにより、係合片22のみならず、支柱部21もクリップ10の取り付け状態で弾発力を作用させることになる。この結果、取り付け後のクリップ10の係止保持力の低減を抑制し、クリップ10を抜け難くすることができる。
【0031】
また、本実施形態では、係合片22は支柱部21の基端部側に位置するものは先端部側に位置するものに比べて支柱部21の軸中心からの突出寸法を小さく設定している。このため、先端部側より支柱部21が弾性変形し難い基端部側に位置する係合片22に起因する挿入抵抗を抑制することができ、基端部側の係合片22を挿入する時の挿入力上昇を抑制することができる。具体的には、係合片22Fの外径は、その基端部分に形成されるスリット23の開口幅が狭いから、支柱部21の縮径方向への弾性変形によって、僅かにしか小さくならない。したがって、例えば、係合片22Fの外径が、支柱部21が弾性変形しない状態の係合片22Aの外径と同じ場合、挿入時には、支柱部21が縮径方向へ弾性変形した状態の係合片22Aの外径より大きいものとなる。このため、係合片22Fが係合片22Aよりネジ山53に引っ掛かりやすくなり、係合片22Fに起因する挿入抵抗が大きいものとなる。一方、本実施形態では、係合片22Fの突出寸法は、係合片22Aの突出寸法より小さく設定されているから、係合片22Fがネジ山53に引っ掛かり難くなり、係合片22Fに起因する挿入抵抗を抑制することができる。
【0032】
また、係合片22は、支柱部21の基端部側に延出するとともに支柱部21から遠ざかる方向に傾斜して張り出している。このため、係合片22が支柱部21に近づく方向に弾性変形しやすく、取り付け時の挿入力をより一層低減することができる。
【0033】
また、係合片22が支柱部21の基端部側に延出するとともに支柱部21から遠ざかる方向に傾斜して張り出していることにより、取り付け後の係止保持力の向上を図る効果も得られる。具体的には、この取り付けられたクリップ10を厚肉部材50のネジ穴51から本体部12側に抜き去ろうとする外力が加わった場合には、抜き去り方向の反対方向、すなわち取り付け時の挿入方向に係合片22が弾性変形して、ネジ穴51から抜き去られる事態が考えられる。しかし、各係合片22は挿入方向と反対側に傾斜する姿勢で張り出しているから、挿入方向には弾性変形し難くなっている。
【0034】
また、係合片22は、ネジ穴51のピッチと一致するピッチで離間して設けられている。このため、係合片22とネジ溝52とを確実に係合させることができ、係止部20の係止保持力を向上することができる。
【0035】
また、係合片22は、皿ばねを二つに割ったような半円形状をなして、対をなして設けられている。このため、ネジ穴51の略全周に亘ってネジ溝52に係合させることができ、係止部20の係止保持力を向上することができる。さらに、二つの半円形状の間の部分(割れ目の部分)にネジ山53を介在させることができ、係合片22とネジ溝52とを確実に係合させることができる。言い換えれば、仮に、係合片が円形状をなしている場合には、螺旋状に設けられたネジ山と係合片とが干渉し、係合片とネジ溝との係合が部分的に損なわれる事態となる。一方、本実施形態では、そのような事態を回避することができる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0037】
(1)上記実施形態では、支柱部21はその先端部における肉厚を基端部よりも漸次薄くするような構成としたが、これに限られず、例えば、各係合片22の張り出しの基端部分ごとに段階的に薄くするような構成としてもよく、先端部の肉厚のみを薄くするような構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、係合片22A〜22Fの突出寸法は順に小さくなるように設定される構成としたが、これに限られず、例えば、係合片22Fのみが小さくなるように設定される構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、係合片22は、ネジ穴51のピッチと一致するピッチで離間して設けられている構成としたが、係合片22はネジ穴51のピッチの整数倍のピッチで離間して設けられていればよく、例えば、その縦断面に表れる2つのネジ溝52に対応して1つの係合片22が設けられるように離間する構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、係合片22は、皿ばねのような形状の構成としたが、これに限られず、例えば、片持ち状に突出した複数の細い板状であってもよい。さらに、係合片22の設けられる、数および段数も任意に設定可能である。
(5)上記実施形態では、スリット23は先端部側が閉じる構成としたが、これに限られず、スリット23は先端部側が開放された構成とされてもよい。このような構成によれば、支柱部21を縮径方向により一層撓みやすくすることができる。
【符号の説明】
【0038】
10…クリップ
11…バンド部
11A…係止溝部
12…本体部
13…傾斜面
14…バンド挿通孔
14A…挿入口
15…弾性舌片
16…係止突部
20…係止部
21…支柱部
22…係合片
23…スリット
24…テーパ部
25…補強部
50…厚肉部材
51…ネジ穴
52…ネジ溝
53…ネジ山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ穴が設けられた部材に取り付けられるクリップであって、
前記ネジ穴に挿入される支柱部と、その支柱部の外周から張り出すように前記支柱部の軸方向に沿って複数段に設けられて前記ネジ穴への挿入に伴って弾性変形してネジ溝に係合する係合片と、を備え、
前記支柱部にはその先端部における肉厚を基端部よりも薄くするようなスリットが前記支柱部の軸方向に延びて形成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
前記係合片は前記支柱部の基端部側に位置するものが先端部側に位置するものに比べて前記支柱部の軸中心からの突出寸法が小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載のクリップ。
【請求項3】
前記係合片は、前記支柱部の前記基端部側に延出するとともに前記支柱部から遠ざかる方向に傾斜して張り出していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−115097(P2012−115097A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264009(P2010−264009)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】