説明

クレードル装置、クレードル装置制御方法、及び、画像処理システム

【課題】クレードル装置を介して、撮像装置を記憶装置、表示機器、印刷装置へ簡便に通信できるようにする。
【解決手段】クレードル装置は、記憶装置(70)に対応付けられた第一の通信ポート(21)と、表示装置(80)に対応付けられた第二の通信ポート(22)と、印刷装置(90)に対応付けられた第三の通信ポート(23)と、前記3つの通信ポートのいずれか一つを介して前記撮像装置と無線通信を行う無線通信部(12、13、15、17、18)と、前記無線通信部により前記3つの通信ポートから順に信号を送り、前記信号に対する前記撮像装置の応答の有無を検出する検出部(11、S118)と、前記撮影装置からの応答が有った通信ポートを開くと共に、当該通信ポートに対応する装置との通信回線を開く制御部(11)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置と無線通信が可能なクレードル装置に関する。さらに、クレードル装置制御方法、及び、クレードル装置を有する画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレードル装置を携帯機器と無線通信させ、さらにクレードル装置をホスト機器と通信させることで、携帯機器とホスト機器の通信を成立させる無線通信システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、クレードル装置と携帯機器等の近接した機器間を無線通信する方法(近接型無線通信)として、例えば、非特許文献1と2に記載のTransferJet(登録商標)が知られている。TransferJet(登録商標)は、放射電磁界を用いた通常の無線通信技術ではなく、誘導電界を用いた無線通信技術であり、近距離通信に適している。
【特許文献1】特開2006−13844号公報
【非特許文献1】″TransferJet仕様″、[online]、[平成20年9月26日検索]、インターネット〈URL:http://www.transferjet.org /tj/tj_spec.html〉
【非特許文献2】″TransferJet近接無線転送技術″、[online]、[平成20年9月26日検索]、インターネット〈URL:http://www.sony.co.jp/SonyInfo/technology/technology/theme/transfer_jet_01.html〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯機器としての電子カメラとクレードル装置を無線通信することは、電子カメラとクレードル装置を配線部材或いはコネクタを用いて機械的に接続する必要が無くなりユーザの利便性が向上する。
【0005】
電子カメラ等の撮像装置で撮影された画像データに対して、ユーザが一般に希望する処理は、(i)記憶装置(例えばハードディスク)への画像データの保管、(ii)表示装置(例えばHD−TV:高精細度テレビジョン受像機)への画像データの表示、(iii) 印刷装置(例えばインクジェットプリンタ)による画像データの紙への印刷である。ユーザはこれらの3つの処理を簡便にできることが好ましい。
【0006】
本発明は、クレードル装置を介して、撮像装置を記憶装置、表示機器、印刷装置へ簡便に通信できるようにし、撮像装置で撮影された画像データの記憶、表示、印刷が簡便に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
撮影装置を記憶装置、表示装置、印刷装置のいずれかに通信可能に接続するためのクレードル装置は、前記記憶装置に対応付けられた第一の通信ポートであって、前記撮影装置と前記記憶装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第一の通信ポートと、前記表示装置に対応付けられた第二の通信ポートであって、前記撮影装置と前記表示装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第二の通信ポートと、前記印刷装置に対応付けられた第三の通信ポートであって、前記撮影装置と前記印刷装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第三の通信ポートと、前記3つの通信ポートのいずれか一つを介して前記撮像装置と無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部により前記3つの通信ポートから順に信号を送り、前記信号に対する前記撮像装置の応答の有無を検出する検出部と、前記撮影装置からの応答が有った通信ポートを開くと共に、当該通信ポートに対応する装置との通信回線を開く制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のクレードル装置を利用することで、撮像装置を記憶装置、表示機器、印刷装置へ簡便に接続できるようなり、ユーザは撮像装置で撮影された画像データの保管、表示、印刷を簡便に実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1に、本実施形態のクレードル装置、及び、クレードル装置を含む画像処理システムの概略図を示す。
【0010】
画像処理システムは、クレードル装置1、撮像装置としての電子カメラ40(単にカメラとも呼ぶ)を具備する。画像処理システムは、さらに、記憶装置(ストレージ機器)としてのハードディスクドライブ(HDD)70、表示装置としての高精細度テレビジョン受像機(HD−TV)80、印刷装置としてのプリンタ90を具備する。クレードル装置1は、電子カメラ40と無線による接続が可能である。クレードル装置1は、HDD70、プリンタ90とUSB(ユニバーサルシリアルバス)による接続が可能であり、また、HD−TV80とHDMI(ハイ-デフィニションマルチメディアインタフェース)による接続が可能である。
【0011】
クレードル装置1は、第一の無線通信ポート21(無線通信ポートI)、第二の無線通信ポート22(無線通信ポートII)、第三の無線通信ポート23(無線通信ポートIII)を備える。クレードル装置1において、各無線通信ポートの位置が判別できるよう、各ポートには、カメラ40の受け部として凹部が形成されている。各ポートの凹部の傍には、多色LED(発光ダイオード)2、3、4が配置されている。また、クレードル装置1は、液晶モニタ5、操作スイッチ6、電源スイッチ7を有する。3つ無線通信ポート21−23は、クレードル装置1の上面に略一列に配置され、中央部に第二の無線通信ポート22が配置される。高精細度テレビジョン対応の液晶モニタ(あるいはプラズマディスプレイ)の大型化にともない、HDD70、HD−TV80、プリンタ90の中でもっとも寸法が大きいものは、HD−TVである。ユーザは最も大きいHD−TVを基準(中央に配置)にHDDとプリンタを部屋に配置することが一般的である。そこで、クレードル装置1の中央部にHD−TVに対応する第二の無線通信ポート22を配置する。この配置によって3つの無線通信ポートと3つの装置(HDD70、HD−TV80、プリンタ90)との対応が明確となる。
【0012】
カメラ40が、第一の無線通信ポート21、第二の無線通信ポート22、第三の無線通信ポート23のいずれかの上に置かれた場合に、クレードル装置1とカメラ40間の無線通信が可能になる。無線通信の方法は、例えば、TransferJet(登録商標)が好適であるが、無線通信ポート間の干渉が生じないような近接型無線通信であればこれに限定されない。
【0013】
図2Aは、クレードル装置1の断面(図1の2A−2A)を示している。クレードル装置1の第一無線通信ポート21は、カメラ40の受け部、第一のアンテナ21a(アンテナI)、第一の送電コイル21b(送電コイルI)等から構成される。第二の無線通信ポート22は、カメラ40の受け部、第二のアンテナ22a(アンテナII)、第二の送電コイル(送電コイルII)22b等から構成される。第三の無線通信ポート23は、カメラ40の受け部、第三のアンテナ23a(アンテナIII)、第三の送電コイル23b(送電コイルIII)等から構成される。
【0014】
図2Bは、カメラ40の断面(図1の2B−2B)を示している。カメラ40は、その底部にアンテナ50と受電コイル57を有する。カメラ40のアンテナ50とクレードル装置1の各アンテナ21a、22a、23aとの間で、近接型の無線通信が行われる。カメラ40は、その受電コイル57を介して、電磁誘導方式により各送電コイル(充電用コイル)21b、22b、23bから電力を受け取り、非接触の充電が行われる。
【0015】
図3は、クレードル装置1の構成を示すブロック図である。
【0016】
クレードル装置1は、クレードル装置1全体の制御や画像処理を行うクレードルコントローラ(制御部)11を有する。クレードルコントローラ11は、中央演算処理装置(CPU)11a、画像処理回路11b、圧縮伸長回路11cを具備する。画像処理回路11bは、カメラ40からの画像データをプリンタ90の印刷用画像データに変換するなどの各種画像処理を行う。圧縮伸長回路11cは、JPEG等で圧縮されたカメラ40からの画像データ信号の伸長や、HDD70で格納するのに適した圧縮画像データの作成などの圧縮伸長処理を行う。
【0017】
クレードルコントローラ11のカメラ40への信号(CPUからの指令信号、要求信号等)は、クレードルコントローラ11から変調回路12に送られる。変調回路12は、クレードルコントローラ11からの信号により搬送波の変調を行う。送信回路13は、変調回路12から送られてきた送信用信号の電力増幅等を行う。アンテナ選択回路15は、クレードルコントローラ11からの指示に応じて、信号を送信するべき無線通信ポートのアンテナ(I、II、又はIII)を選択し、選択したアンテナに送信回路13からの送信用信号を送る。選択されたアンテナ(I、II、又はIII)が、カメラ40から受信した受信信号は、受信回路17で増幅等された後、復調回路18で復調され、クレードルコントローラ11に送られる。通信回路14は、変調回路12、送信回路13、受信回路17、復調回路18からなる。変調回路12、送信回路13、アンテナ選択回路15、受信回路17、復調回路18等は、無線通信部を構成する。
【0018】
ポーリングを行う場合には、アンテナ選択回路15は、クレードルコントローラ11の指示に応じて順番にアンテナ21a、22a、23aを選択する。クレードルコントローラ11は、カメラ40からの応答を受信したアンテナの属する無線通信ポートにカメラ40が設置されているとして、この無線通信ポートを開く。即ち、クレードルコントローラ11は、カメラ40からの応答を受信した無線通信ポートを選択するようアンテナ選択回路15に指令するとともに、通信回路14とクレードルコントローラ11との信号の授受を許可する。クレードルコントローラ11は、カメラ40から無線通信ポートIを介してポーリングに対する応答があった場合には、この無線通信ポートを開き、無線通信ポートIIを介して応答があった場合には、この無線通信ポートを開き、無線通信ポートIIIを介して応答があった場合には、この無線通信ポートを開く。
【0019】
クレードルコントローラ11は、バスライン25(単にバスとも呼ぶ)を介して、USBホストコントローラ26、HDMIトランスミッタ27、USBデバイスコントローラ28に接続する。また、クレードルコントローラ11は、バス25を介して、SDRAM29、FlashROM30(フラッシュメモリ)等のメモリに接続している。SDRAM29は各種データを記憶し、FlashROM30はクレードルコントローラ11が実行する制御プログラム等を記憶している。
【0020】
クレードル装置1をUSBホストとして機能させるためのUSBホストコントローラ26は、第一のUSBポート31(USBポートI)に接続して、クレードル装置1とHDD70間のUSBによる通信を管理する。第一のUSBポート31は、USBケーブルを介して、USBデバイスコントローラを持ちUSBデバイスとして機能するHDD70(記憶装置)に接続する。クレードル装置1をUSBデバイスとして機能させるためのUSBデバイスコントローラ28は、第二のUSBポート33(USBポートII)に接続する。第二のUSBポート33は、USBケーブルを介して、USBホストコントローラを持ちUSBホストとして機能するプリンタ90(印刷装置)に接続する。プリンタ90のUSBホストコントローラは、クレードル装置1とプリンタ90間のUSBによる通信を管理する。プリンタ90は、PictBridgeに対応している。なお、PictBridgeは、PTP(Picture Transfer Protocol:画像転送プロトコル)を転送プロトコルに使用してカメラとプリンタを直接接続する通信規格である。
【0021】
HDMIトランスミッタ27は、HDMI端子32を介して、HD−TV80(表示装置)と接続する。HDMIトランスミッタ27は、クレードルコントローラ11の圧縮伸長回路11cで伸長された非圧縮の画像データをHDMI形式の信号に変換し、HDMI端子32とHDMIケーブルを介して、HD−TV80に出力する。HD−TV80では、HDMIレシーバでこのHDMI形式の信号を受信した後、画像を表示する。
【0022】
FlashROM30は、無線通信ポートのポート識別番号(ポートID)と外部機器(即ち、HDD70、HD−TV80、プリンタ90)の識別番号UID(UniqueID)を対応付けるテーブルを記憶している。このテーブルにより、無線通信ポートIはHDD70に、無線通信ポートIIはHD−TV80に、無線通信ポートIIIはプリンタ90に対応付けられる。
【0023】
クレードルコントローラ11は、このテーブルに基づいて、カメラ40が設置された無線通信ポートのポートID(ポーリングにより検出される)に応じて、外部機器を選択する。そして、クレードルコントローラ11は、選択した外部機器に対応する処理部を、バス25を介したデータの送受信の対象(アクセスの対象)とする。ここで、処理部は、USBホストコントローラ26、HDMIトランスミッタ27、USBデバイスコントローラ28のいずれか一つである。これにより、クレードルコントローラ11と、選択された外部機器(HDD70、HD−TV80、プリンタ90)との間の通信回線が開く。即ち、クレードルコントローラ11は、選択された外部機器に応じて、USBホストコントローラ26、HDMIトランスミッタ27、USBデバイスコントローラ28のうちの一つに、バス25を介して画像データ信号を送出する。これにより、HDD70、HD−TV80、プリンタ90のいずれか一つとカメラ40との通信回線が開き、これらの間で通信が可能になる。
【0024】
さらに、クレードルコントローラ11は、送電回路34や、送電回路34に接続する送電コイル選択回路35を制御する。クレードルコントローラ11は、カメラ40が設置された無線通信ポート(ポーリングにより検出される)に属する送電コイルを送電コイル選択回路35に選択させる。選択された送電コイルに送電回路34からの電力が送られる。これにより、無線通信ポートIにカメラ40が設置されている場合には、送電コイルIからカメラ40に電力が送られ、カメラ40が充電される。無線通信ポートIIにカメラ40が設置されている場合には、送電コイルIIから電力が送られ、カメラ40が充電される。無線通信ポートIIIにカメラ40が設置されている場合には、送電コイルIIIから電力が送られ、カメラ40が充電される。
【0025】
その他、表示回路36は、クレードルコントローラ11に制御され、クレードル装置1の液晶モニタ5にメニュー等を表示する。クレードルコントローラ11は、操作スイッチ6の操作に応じて、液晶モニタ5のメニュー等が選択できるよう表示回路36を制御する。LED駆動回路37は、クレードルコントローラ11に制御され、クレードルコントローラ11の指示に応じて多色LED2、3、4を駆動する。電源回路38は、電源端子8からの交流電力を直流電力にAC/DC変換し、クレードル装置1の各回路の電源ラインに直流電力を供給する。
【0026】
図4は、カメラ40の構成を示すブロック図である。
【0027】
カメラ40は、一つ以上のレンズ要素から構成される光学系41を有する。光学系41は、カメラ外部から取り込んだ光を撮像素子42に結像する。撮像素子42は、光学系41により撮像素子42に結像された光学像を電気信号に変換する。撮像素子IF(インターフェース)回路43は、撮像素子42からの電気信号をさらにデジタル信号に変換し画像データを生成する。撮像素子IF回路43からの画像データはカメラコントローラ44に取り込まれ圧縮処理等された後で、メモリーカード45に記憶される。
【0028】
カメラコントローラ44は、中央演算処理装置(CPU)等を有し、メモリカード45、SDRAM46、FlashRom47、USBデバイスコントローラ48とバスを介して接続される。SDRAM46は、一時的に各種データを記憶するために使用され、FlashRom47には、カメラコントローラ44が実行する各種プログラムが記憶されている。USBデバイスコントローラ48は、カメラ40をUSBデバイスとして機能させるために使用され、USBポート49を介した外部機器とのUSBによる通信を管理する。
【0029】
カメラ40は、アンテナ50を有し、アンテナ50を介して画像データ等をクレードル装置1に送信する。カメラコントローラ44は、メモリカード45に記憶された画像データを変調回路53、送信回路54を介してアンテナ50から送信できる。変調回路53は、送信用の画像データ信号に応じて搬送波の変調を行う。送信回路54は、変調回路12から送られてきた送信用信号の電力増幅等を行う。アンテナ50が受信した受信信号は、受信回路55で増幅等された後、復調回路56で復調され、カメラコントローラ44に送られる。
【0030】
カメラ40は、受電コイル57を有する。受電コイル57がクレードル装置1の送電コイルから非接触で受電した電力は、非接触充電回路58を介して、2次電池59に充電される。カメラコントローラ44は、非接触充電回路58による充電を制御・管理する。2次電池59の出力は、電源回路60のDC/DCコンバータで所定の電圧に変換されて、カメラ40の各回路の電源ラインに供給される。
【0031】
その他、カメラ40は、カメラ操作スイッチ61、表示回路62、液晶モニタ63を有する。表示回路62は、カメラコントローラ44に接続し、液晶モニタ63に表示する画像やメニューのビデオ信号を作成する。カメラ操作スイッチ61は、例えば、メニューや画像の選択のためのカーソルキーや決定キー等から構成され、カメラ操作スイッチ61からの信号はカメラコントローラ44に送られる。
【0032】
図5―図8のフローチャートを参照して、クレードル装置1のクレードルコントローラ11が行う制御について説明する。図5Aと図5Bは、制御プログラムのメインルーチンを、図6−図8はサブルーチンを示す。
【0033】
図5Aと図5Bのメインルーチンは、クレードル装置1の電源スイッチ7がオンされ電源が投入されると同時に開始するものとして説明する。
【0034】
ステップS100において、起動時の初期設定が為され、無線通信ポートI、II、IIIの識別が行われ、個別のポート識別番号(ポートID)が無線通信ポートI、II、IIIそれぞれに割り当てられる。
【0035】
ステップS102において、USBポートIにHDD70が接続されているか、USBホストコントローラ26を介して調べられる。USBポートIにHDD70が接続されている場合、ステップS104に進み、そうでない場合ステップS108に進む。
【0036】
ステップS104において、USBホストコントローラ26の初期設定がされる。
【0037】
ステップS106において、HDD70をクレードル装置1の外付けドライブとして認識する。これにより、クレードル装置1はUSBのホストとなり、HDD70はUSBのドライブとなる。
【0038】
ステップS108において、USBポートIIにプリンタ90が接続されているか、USBデバイスコントローラ28を介して調べられる。USBポートIIにプリンタ90が接続されている場合、ステップS110に進み、そうでない場合ステップS112に進む。
【0039】
ステップS110において、USBデバイスコントローラ28の初期設定がされる。
【0040】
ステップS112において、PictBridge規格に対応させて、クレードル装置1とプリンタ90間のPTP通信の回線を開く。これにより、クレードル装置1は、USBのデバイスとなり、プリンタはホストとなる。
【0041】
ステップS114において、HDMI端子32にHD−TV80が接続されているか、HDMIトランスミッタ27を介して調べられる。HDMI端子32にHD−TV80が接続されている場合、ステップS116に進み、そうでない場合ステップS118に進む。
【0042】
ステップS116において、HDMIトランスミッタ27の初期設定が為される。
【0043】
ステップS118において、電子カメラがいずれの無線通信ポートに置かれているか検出するためにポーリングを行う。このため、アンテナ選択回路15を介してアンテナI、II、IIIを切り換えながら、順番に通信要求信号を出力し、カメラ40からの応答信号を受信する。外部機器(HDD70、HD−TV80、プリンタ90)のすべてがクレードル装置1に接続されていなくても、3つの無線通信ポートI、II、IIIの状態をポーリングする。なお、ステップS118は、無線通信部により3つの通信ポートから順に信号を送り、この信号に対する撮像装置の応答の有無を検出する検出部を構成する。
【0044】
ステップS120において、無線通信ポートにカメラ40が設置されたことやカメラ40の設置位置の変化を検出したか判定する。検出した場合には、カメラ40の設置位置に応じて、ステップS122、ステップS132、ステップS142に進む。設置位置が無線通信ポートIであれば、ステップS122へ、無線通信ポートIIであれば、ステップS132へ、無線通信ポートIIIであれば、ステップS142へ進む。
【0045】
カメラ40が無線通信ポートIに設置されている場合、ステップS122において、HDD70との通信が可能であるかUSBホストコントローラ26を介して応答を調べて判定する。通信可能でない場合、ステップS124に進み、通信可能である場合、ステップS130に進む。
【0046】
ステップS124において、HDD70が使用できないことをカメラ40に通知する。
【0047】
ステップS126において、警告表示として、LED駆動回路37を介して、多色LED2を赤色に点滅させる。
【0048】
ステップS128において、カメラ40とクレードルコントローラ11間の通信が終了したか判定する。警告表示を見たユーザが無線通信ポートIからカメラ40を外すなどしてカメラ40からの応答が検出できない場合に、通信が終了したと判定できる。通信が終了した場合、ステップS118に戻り、通信が終了していない場合、ステップS126に戻る。
【0049】
ステップS130において、カメラ40からの画像データをHDD70に格納する動作を行う。この動作の詳細については、後述の図6のサブルーチンに記載されている。ステップS130の後、ステップS118に戻る。
【0050】
カメラ40が無線通信ポートIIに設置されている場合、ステップS132において、HD−TV80との通信が可能であるかHDMIトランスミッタを介して判定する。可能でない場合、ステップS134に進み、可能である場合、ステップS140に進む。
【0051】
ステップS134において、HD−TV80が使用できないことをカメラ40に通知する。
【0052】
ステップS136において、警告表示として、LED駆動回路37を介して、多色LED3を赤色に点滅させる。
【0053】
ステップS138において、カメラ40とクレードルコントローラ11間の通信が終了したか判定する。警告表示を見たユーザが無線通信ポートIIからカメラ40を外すなどしてカメラ40からの応答が検出できない場合に通信が終了したと判定できる。通信が終了した場合、ステップS118に戻り、通信が終了していない場合、ステップS136に戻る。
【0054】
ステップS140において、カメラ40からの画像データをHD−TV80に表示する動作を行う。この動作の詳細については、後述の図7のサブルーチンに記載されている。ステップS140の後、ステップS118に戻る。
【0055】
カメラ40が無線通信ポートIIIに設置されている場合、ステップS142において、プリンタ90との通信が可能であるかUSBデバイスコントローラ28を介して応答を調べて判定する。可能でない場合、ステップS144に進み、可能である場合、ステップS150に進む。
【0056】
ステップS144において、プリンタ90が使用できないことをカメラ40に通知する。
【0057】
ステップS146において、警告表示として、LED駆動回路37を介して、多色LED4を赤色に点滅させる。
【0058】
ステップS148において、カメラ40とクレードルコントローラ11間の通信が終了したか判定する。警告表示を見たユーザが無線通信ポートIIIからカメラ40を外すなどしてカメラ40からの応答が検出できない場合に、通信が終了したと判定できる。通信が終了した場合、ステップS118に戻り、通信が終了していない場合、ステップS146に戻る。
【0059】
ステップS150において、カメラ40からの画像データをプリンタ90で印刷する動作を行う。この動作の詳細については、後述の図8のサブルーチンに記載されている。ステップS150の後、ステップS118に戻る。
【0060】
図6のサブルーチンに、クレードルコントローラが実行する画像データ格納動作(ステップS130)の詳細を示す。このサブルーチンは、カメラのメモリカードに記憶された画像データを記憶装置(HDD70)へ保管する際に実行され、図10に示すカメラの制御サブルーチン(格納動作)と協働する。
【0061】
ステップS200において、カメラ40が設置された無線通信ポートIに対応する外部機器(HDD70)の識別番号(UID1)をカメラ40に送信して、カメラ40の種別情報、状態情報をカメラ40から受信する。種別情報は、無接点充電可能なタイプか否かの情報を含む。状態情報は、例えば、撮影した画像データの容量を含む。カメラ40は、受信した外部機器の識別番号UID1に応じて、動作モード(画像格納モード、画像表示モード、画像印刷モード)のうち画像格納モードを選択する。
【0062】
ステップS202において、HDD70とカメラ40との通信回線(通信ライン)を開く。つまり、無線通信ポートIを選択するようアンテナ選択回路15に指令するとともに、通信回路14とクレードルコントローラ11との信号の授受を許可する。さらに、クレードルコントローラ11は、バス25を介したデータ送受信の対象(アクセスの対象)としてUSBホストコントローラ26を指定して、クレードルコントローラ11とHDD70との間の通信回線が開く。
【0063】
ステップS204において、無線通信ポートIの多色LED2を、LED駆動回路37を介して緑色に点灯させる。
【0064】
ステップS206において、カメラ40が充電可能か否か判定する。このため、カメラ40に充電状態(充電量%)を問い合わせる。カメラ40は、2次電池59の充電状態を検出する充電状態検出手段(通常の電子カメラが有するものでよい)を用いて充電状態を取得し、クレードルコントローラ11に送信する。充電状態が満充電状態(充電量100%)でなければ、充電可能と判定できる。充電可能であれば、ステップS208に進み、充電可能でなければステップS210に進む。
【0065】
ステップS208において、クレードル装置1の送電コイルIからカメラ40の受電コイル57への充電電力の送電を開始する。
【0066】
ステップS210において、HDD70に画像データ格納用フォルダを作成するよう指令する。
【0067】
ステップS212において、カメラ40から画像データを受信する。
【0068】
ステップS214において、画像データをHDD70に送信し格納する。
【0069】
ステップS216において、すべての画像データを格納したか否か判定する。すべての画像データを格納した場合、ステップS218に進み、すべての画像データを格納していな場合、ステップS212に戻る。
【0070】
ステップS218において、カメラ40を充電中か否か判定する。充電中の場合、ステップS220に進み、充電中でない場合、ステップS222に進む。
【0071】
ステップS220において、カメラ40から2次電池59の充電状態を取得し、送電回路34を介して送電の制御を行う。
【0072】
ステップS222において、カメラ40とクレードルコントローラ11間の通信が終了したか判定する。クレードルコントローラ11からの送信要求に対するカメラ40からの応答が検出できない場合に通信が終了したと判定できる。通信が終了した場合、ステップS224に進み、通信が終了していない場合、ステップS218に戻る。
【0073】
ステップS224において、無線通信ポートIの多色LED2を消灯する。
【0074】
図7のサブルーチンに、クレードルコントローラが実行する画像データ表示動作(ステップS140)の詳細を示す。このサブルーチンは、カメラのメモリカードに記憶された画像データを表示装置へ表示する際に実行され、図11に示すカメラの制御サブルーチン(表示動作)と協働する。
【0075】
ステップS230において、カメラ40が設置された無線通信ポートIIに対応する外部機器(HD−TV80)の識別番号(UID2)をカメラ40に送信して、カメラ40の種別情報、状態情報をカメラ40から受信する。カメラ40は、受信した外部機器の識別番号UID2に応じて、動作モード(画像格納モード、画像表示モード、画像印刷モード)のうち画像表示モードを選択する。
【0076】
ステップS232において、HD−TV80とカメラ40との通信回線(通信ライン)を開く。つまり、無線通信ポートIIを選択するようアンテナ選択回路15に指令するとともに、通信回路14とクレードルコントローラ11との信号の授受を許可する。さらに、クレードルコントローラ11は、バス25を介したデータ送受信の対象(アクセスの対象)としてHDMIトランスミッタ27を指定して、クレードルコントローラ11とHD−TV80との間の通信回線が開く。
【0077】
ステップS234において、無線通信ポートIIの多色LED3を、LED駆動回路37を介して緑色に点灯させる。
【0078】
ステップS236において、ステップS206と同様にカメラ40が充電可能か否か判定する。充電可能であれば、ステップS238に進み、充電可能でなければステップS240に進む。
【0079】
ステップS238において、クレードル装置1の送電コイルIIからカメラ40の受電コイル57への充電電力の送電を開始する。
【0080】
ステップS240において、カメラ40から表示用画像データを受信したか否か判定する。受信していない場合、ステップS246に進み、受信した場合、ステップS242に進む。
【0081】
ステップS242において、表示用画像データを伸長し、HD−TVの表示解像度に合わせるために画素数変換を行う。
【0082】
ステップS244において、表示用画像データをHDMI端子からHD−TV80に出力する。
【0083】
ステップS246において、カメラ40を充電中か否か判定する。充電中の場合、ステップS248に進み、充電中でない場合、ステップS250に進む。
【0084】
ステップS248において、カメラ40から2次電池59の充電状態を取得し、送電回路34を介して送電の制御を行う。
【0085】
ステップS250において、カメラ40とクレードルコントローラ11間の通信が終了したか判定する。クレードルコントローラ11からの送信要求に対するカメラ40からの応答が検出できない場合に通信が終了したと判定できる。通信が終了した場合、ステップS252に進む。通信が終了していない場合、ステップS240に戻り、カメラ40との通信が終了するまで受信した表示用画像データをHD−TV80に転送するステップS240−S244の処理が繰り返される。
【0086】
ステップS252において、無線通信ポートIIの多色LED2を消灯する。
【0087】
図8のサブルーチンに、クレードルコントローラが実行する画像データ印刷動作(ステップS150)の詳細を示す。このサブルーチンは、カメラのメモリカードに記憶された画像データを印刷装置へ送信する際に実行され、図12に示されるカメラの制御サブルーチン(印刷動作)と協働する。
【0088】
ステップS260において、カメラ40が設置された無線通信ポートIIIに対応する外部機器(プリンタ90)の識別番号(UID3)をカメラ40に送信して、カメラ40の種別情報、状態情報をカメラ40から受信する。カメラ40は、受信した外部機器の識別番号UID3に応じて、動作モード(画像格納モード、画像表示モード、画像印刷モード)のうち画像印刷モードを選択する。
【0089】
ステップS262において、プリンタ90とカメラ40との通信回線(通信ライン)を開く。無線通信ポートIIIを選択するようアンテナ選択回路15に指令するとともに、通信回路14とクレードルコントローラ11との信号の授受を許可する。さらに、クレードルコントローラ11は、バス25を介したデータ送受信の対象(アクセス対象)としてUSBデバイスコントローラ28を指定して、クレードルコントローラ11とプリンタ90との間の通信回線が開く。
【0090】
ステップS264において、無線通信ポートIIIの多色LED4を、LED駆動回路37を介して緑色に点灯させる。
【0091】
ステップS266において、ステップS206と同様にカメラ40が充電可能か否か判定する。充電可能であれば、ステップS268に進み、充電可能でなければステップS270に進む。
【0092】
ステップS268において、クレードル装置1の送電コイルIIIからカメラ40の受電コイル57への充電電力の送電を開始する。
【0093】
ステップS270において、カメラ40から印刷用画像データを受信したか否か判定する。受信していない場合、ステップS276に進み、受信した場合、ステップS272に進む。
【0094】
ステップS272において、印刷用画像データの伸長を伸長し、プリンタの印刷解像度に合わせるために画素数変換を行う。
【0095】
ステップS274において、印刷用画像データをプリンタ90に出力する。
【0096】
ステップS276において、カメラ40を充電中か否か判定する。充電中の場合、ステップS278に進み、充電中でない場合、ステップS280に進む。
【0097】
ステップS278において、カメラ40から2次電池59の充電状態を取得し、送電回路34を介して送電の制御を行う。
【0098】
ステップS280において、カメラ40とクレードルコントローラ11間の通信が終了したか判定する。クレードルコントローラ11からの送信要求に対するカメラ40からの応答が検出できない場合に通信が終了したと判定できる。通信が終了した場合、ステップS282に進む。通信が終了していない場合、ステップS270に戻り、カメラ40との通信が終了するまで受信した印刷用画像データをプリンタ90に転送するステップS270−S274の処理が繰り返される。
【0099】
ステップS282において、無線通信ポートIIIの多色LED4を消灯する。
【0100】
図9―図12のフローチャートを参照して、カメラ40のカメラコントローラ44が行う制御について説明する。図9は、制御プログラムのメインルーチンを、図10−図12はサブルーチンを示す。
【0101】
図9のメインルーチンは、カメラ40の電源スイッチ(図示しない)がオンされるかスタンバイモードが解除されると同時に開始するものとして説明する。
【0102】
ステップS300において、カメラのシステム起動時の初期設定が為される。
【0103】
ステップS302において、通信回路(変調回路53、送信回路54、受信回路55、復調回路56)を起動して、カメラコントローラ44とこの通信回路との信号の授受を可能にする。
【0104】
ステップS304において、クレードル装置1からのポーリングによる通信要求信号が検出されているか判定する。検出されない場合、ステップS306に進み、検出されている場合、ステップS308に進む。
【0105】
ステップS306において、通常のカメラ動作の制御(撮影・再生制御)が実行され、ステップS304に戻る。
【0106】
ステップS308において、クレードル装置1に応答信号を送信する。
【0107】
ステップS310において、クレードル装置1が通信対象の外部機器と通信できず、この外部機器が使用できないことをクレードル装置1から受信しているか判定する。なお、ステップS124、S134、S144において、クレードル装置1はカメラ40に外部機器が使用できないことを示す信号を送信している。外部機器が使用できない場合、ステップS312において、警告表示が、液晶モニタ63に表示される。外部機器が使用できる場合、ステップS320に進む。
【0108】
ステップS314において、続いて、通信切断処理が行われる。即ち、カメラコントローラ44は通信回路(変調回路53、送信回路54、受信回路55、復調回路56)との信号の授受を停止する。
【0109】
ステップS316において、スタンドバイモードへ移行する。
【0110】
ステップS320において、クレードル装置1から外部機器の識別番号UIDを受信する。さらに、カメラ40の種別情報、状態情報をクレードル装置1へ送信する。
【0111】
ステップS322において、受信した識別番号UIDから通信可能な外部機器を判定し、UIDに応じた処理に移行する。受信した識別番号がUID1であれば、ステップS324に進み、UID2であれば、ステップS326に進み、UID3であれば、ステップS328に進む。
【0112】
ステップS324において、HDD70と通信して格納動作が為される。この動作の詳細については、後述の図10のサブルーチンに記載されている。
【0113】
ステップS326において、HD−TV80と通信して表示動作が為される。この動作の詳細については、後述の図11のサブルーチンに記載されている。
【0114】
ステップS328において、プリンタ90と通信して印刷動作が為される。この動作の詳細については、後述の図12のサブルーチンに記載されている。
【0115】
ステップS324、S326、S328の後、ステップS304に戻る。
【0116】
図10のサブルーチンに、カメラコントローラ44が実行する格納動作(ステップS324)の詳細を示す。このサブルーチンは、カメラのメモリカードに記憶された画像データを記憶装置(HDD70)へ保管する際に実行される。
【0117】
ステップS350において、非接触充電回路58を起動する。
【0118】
ステップS352において、クレードルコントローラ11からの指令に応じて、メモリカード45の画像データを送信する。
【0119】
ステップS354において、充電状態の情報を取得し、クレードル装置1に送信する。カメラ40は、2次電池59の充電状態(充電量%)を検出する充電状態検出手段(通常の電子カメラが有するものでよい)を用いて充電状態を取得し、クレードルコントローラ11に送信する。
【0120】
ステップS356において、充電が終了したか判定する。充電状態が満充電状態(充電量100%)であれば、充電が終了したと判定できる。終了した場合、ステップS358に進み、終了していない場合、ステップS354に戻る。
【0121】
ステップS358において、非接触充電回路58を停止する。
【0122】
ステップS360において、通信切断処理を行う。即ち、カメラコントローラ44は通信回路(変調回路53、送信回路54、受信回路55、復調回路56)との信号の授受を停止する。
【0123】
図11のサブルーチンに、カメラコントローラ44が実行する表示動作(ステップS326)の詳細を示す。このサブルーチンは、カメラのメモリカードに記憶された画像データを表示装置へ表示する際に実行される。
【0124】
ステップS370において、非接触充電回路58を起動する。
【0125】
ステップS372において、カメラ操作スイッチ61が操作されてHD−TV80に表示用の表示画像が選択されたか否か判定される。
【0126】
ステップS374において、ステップS372において選択された画像データをクレードル装置1に送信する。
【0127】
ステップS376において、充電動作中か判定される。充電動作中であれば、ステップS378に進み、充電動作中であれば、ステップS384に進む。
【0128】
ステップS378において、充電状態の情報を取得し、クレードル装置1に送信する。
【0129】
ステップS380において、充電が終了したか判定される。充電が終了した場合、ステップS382に進み、充電が終了していない場合、ステップS372に戻る。
【0130】
ステップS382において、非接触充電回路58を停止して、ステップS372に戻る。
【0131】
ステップS384において、カメラ操作スイッチ61の操作による画像の選択動作が所定時間実行されていないか否か判定される。所定時間実行されていない場合、ステップS386に進み、所定時間内に実行された場合、ステップS372に戻る。
【0132】
ステップS386において、通信切断処理が実行される。
【0133】
図12のサブルーチンに、カメラコントローラ44が実行する印刷動作(ステップS328)の詳細を示す。なお、図11のサブルーチンと同じ処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0134】
図12では、図11のサブルーチンのステップS372の代わりに、ステップS390の処理を実行する。ステップS390において、カメラ操作スイッチ61が操作され、プリンタ90での印刷用の印刷画像が選択されたか否か判定されている。ステップS390以外の処理は、図11のサブルーチンと同様である。
【0135】
<作用・効果>
クレードル装置は、それぞれ記憶装置、表示装置、印刷装置に対応付けられた3つの無線通信ポートを有するので、撮影装置を記憶装置、表示装置、印刷装置のいずれかに通信可能に接続できる。無線通信部により3つの通信ポートから順に信号を送り、この信号に対する撮像装置の応答の有無を検出する検出部(ポーリング手段)が設けられる。これにより、3つの通信ポートのうち撮影装置が設置されているポートを検出できる。撮影装置からの応答が有った通信ポートを開くと共に、当該通信ポートに対応する装置との通信回線を開く制御部(クレードルコントローラ)が設けられる。これにより、当該通信ポートに設置された撮影装置と当該通信ポートに対応する装置との通信が可能になる。
【0136】
制御部は、第一の通信ポートに撮像装置が設置された時には、クレードル装置がホストであり記憶装置がデバイスとなるUSBの通信形態で、撮像装置から送信された画像データを記憶装置へ送信する。これにより、クレードル装置側から記憶装置を制御しながら画像データを記憶装置へ送信できる。
【0137】
制御部は、第三の通信ポートに撮像装置が設置された時には、クレードル装置がデバイスであり印刷装置がホストとなるUSBの通信形態で、撮像装置から送信された画像データを印刷装置へ送信する。これにより、印刷装置側からクレードル装置を制御しながら、画像データを印刷装置が受信できる。
【0138】
制御部は、第二の通信ポートに撮像装置が設置された時には、撮像装置から送信された画像データをHDMI形式のデータに変換し表示装置へ送信する。これにより、撮像装置で撮影した画像を表示装置にて高画質で表示できる。
【0139】
3つ通信ポートは、クレードル装置の上面に略一列に配置され、中央部に第二の通信ポートが配置される。これにより、印刷装置や記憶装置より一般的にサイズの大きい表示装置を設置しやすくなる。
【0140】
撮像装置は、アンテナと受電コイルを備え、3つ通信ポートは、それぞれ、アンテナ及び送電コイルを備え、撮影装置が前記3つ通信ポートの内の一つの通信ポートに設置された場合に、当該一つの通信ポートのアンテナが撮像装置のアンテナと対向し、当該一つの通信ポートの送電コイルが撮像装置の受電コイルに対向する。これにより、撮像装置をポートに設置するだけで、撮像装置とクレードル装置の通信が可能になるとともに、撮像装置の充電が可能になる。
【0141】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】クレードル装置に対して撮影装置(電子カメラ)、記憶装置(HDD)、表示装置(HD−TV)、印刷装置(プリンタ)を接続して構成される画像処理システムの外観を示す図である。
【図2A】クレードル装置の断面図である。
【図2B】カメラの断面図である。
【図3】クレードル装置のシステム構成を示すブロック構成図である。
【図4】電子カメラのシステム構成を示すブロック構成図である。
【図5A】クレードル装置の動作を示すフローチャートであり、クレードルコントローラよって実行される制御のメインルーチンを示す。
【図5B】クレードル装置の動作を示すフローチャートであり、クレードルコントローラよって実行される制御のメインルーチンを示す。
【図6】クレードルコントローラよって実行される制御のサブルーチン(画像データ格納動作)を示す。
【図7】クレードルコントローラよって実行される制御のサブルーチン(画像データ表示動作)を示す。
【図8】クレードルコントローラよって実行される制御のサブルーチン(画像データ印刷動作)を示す。
【図9】カメラコントローラよって実行される制御のメインルーチンを示す。
【図10】カメラコントローラよって実行される制御サブルーチン(格納動作)を示す。
【図11】カメラコントローラよって実行される制御サブルーチン(表示動作)を示す。
【図12】カメラコントローラよって実行される制御サブルーチン(印刷動作)を示す。
【符号の説明】
【0143】
1 クレードル装置
11 クレードルコントローラ(制御部)
12 変調回路
13 送信回路
14 通信回路
15 アンテナ選択回路
17 受信回路
18 復調回路
21 第一の通信ポート(無線通信ポートI)
21a アンテナI
21b 送電コイルI
22 第二の通信ポート(無線通信ポートII)
22a アンテナII
22b 送電コイルII
23 第三の通信ポート(無線通信ポートIII)
23a アンテナIII
23b 送電コイルIII
26 USBホストコントローラ
27 HDMIトランスミッタ
28 USBデバイスコントローラ
40 電子カメラ
50 アンテナ
57 受電コイル
70 記憶装置(HDD)
80 表示装置(HD−TV)
90 印刷装置(プリンタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置を記憶装置、表示装置、印刷装置のいずれかに通信可能に接続するためのクレードル装置であって、
前記記憶装置に対応付けられた第一の通信ポートであって、前記撮影装置と前記記憶装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第一の通信ポートと、
前記表示装置に対応付けられた第二の通信ポートであって、前記撮影装置と前記表示装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第二の通信ポートと、
前記印刷装置に対応付けられた第三の通信ポートであって、前記撮影装置と前記印刷装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第三の通信ポートと、
前記3つの通信ポートのいずれか一つを介して前記撮像装置と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部により前記3つの通信ポートから順に信号を送り、前記信号に対する前記撮像装置の応答の有無を検出する検出部と、
前記撮影装置からの応答が有った通信ポートを開くと共に、当該通信ポートに対応する装置との通信回線を開く制御部と、
を備えることを特徴とするクレードル装置。
【請求項2】
前記制御部は、第一の通信ポートに前記撮像装置が設置された時には、前記クレードル装置がホストであり前記記憶装置がデバイスとなるUSBの通信形態で、前記撮像装置から送信された画像データを前記記憶装置へ送信することを特徴とする請求項1記載のクレードル装置。
【請求項3】
前記制御部は、第三の通信ポートに前記撮像装置が設置された時には、前記クレードル装置がデバイスであり前記印刷装置がホストとなるUSBの通信形態で、前記撮像装置から送信された画像データを前記印刷装置へ送信することを特徴とする請求項1記載のクレードル装置。
【請求項4】
前記制御部は、第二の通信ポートに前記撮像装置が設置された時には、前記撮像装置から送信された画像データをHDMI形式のデータに変換し前記表示装置へ送信することを特徴とする請求項1記載のクレードル装置。
【請求項5】
前記3つ通信ポートは、クレードル装置の上面に略一列に配置され、中央部に前記第二の通信ポートが配置されることを特徴とする請求項1記載のクレードル装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、アンテナと受電コイルを備え、
前記3つ通信ポートは、それぞれ、アンテナ及び送電コイルを備え、
前記撮影装置が前記3つ通信ポートの内の一つの通信ポートに設置された場合に、当該一つの通信ポートのアンテナが前記撮像装置のアンテナと対向し、当該一つの通信ポートの送電コイルが前記撮像装置の受電コイルに対向することを特徴とする請求項1記載のクレードル装置。
【請求項7】
請求項1に記載のクレードル装置と、前記撮影装置と、前記記憶装置と、前記表示装置と、前記印刷装置とを備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
クレードル装置が撮影装置を記憶装置、表示装置、印刷装置のいずれかに通信可能に接続するためのクレードル装置制御方法であって、
前記クレードル装置が、
前記記憶装置に対応付けられた第一の通信ポートであって、前記撮影装置と前記記憶装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第一の通信ポートと、
前記表示装置に対応付けられた第二の通信ポートであって、前記撮影装置と前記表示装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第二の通信ポートと、
前記印刷装置に対応付けられた第三の通信ポートであって、前記撮影装置と前記印刷装置とが通信するために前記撮影装置を設置できる第三の通信ポートと、
前記3つの通信ポートのいずれか一つを介して前記撮像装置と無線通信を行う無線通信部と、を備え、
前記クレードル装置制御方法は、
前記無線通信部により前記3つの通信ポートから順に信号を送り、前記信号に対する前記撮像装置の応答の有無を検出する検出するステップと、
前記撮影装置からの応答が有った通信ポートを開くと共に、当該通信ポートに対応する装置との通信回線を開くステップと、
を備えることを特徴とするクレードル装置制御方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−93723(P2010−93723A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264208(P2008−264208)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】