説明

クロック信号を同期化する際に使用する装置、および、クロック信号同期化方法

本発明は、可変制御可能な遅延時間(tvar)を有する遅延手段(2)を備え、クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号が、遅延手段(2)に入力され、可変制御可能な遅延時間(tvar)だけ遅延され、遅延されたクロック信号(DQS)の形状で出力される、クロック信号同期化方法、および、クロック信号(CLK)の同期化に使用する装置(1)に関するものである。本発明は、遅延手段(2)から出力される遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)の上記クロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にあるかどうかを決定するためのデバイス(5)が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、クロック信号を同期化する際に使用する装置、特に、メモリーチップの内部において使用されるクロック信号を外部からメモリーチップに入力されるクロック信号に同期化する際に使用する装置、および、クロック信号同期化方法に関するものである。
【0002】
半導体構成素子(Halbleiter-Bauelementen)、特にメモリー構成素子(例えば、CMOSテクノロジーに基づく、DRAM(DRAM=Dynamic Random Access Memoryすなわちダイナミック書き込み読み出しメモリー)では、データの処理または転送を時間的に調整するために、いわゆるクロック信号が使用される。
【0003】
従来の半導体構成素子では、この場合、一般的に、シングルラインに印加されるシングルクロック信号(すなわち、いわゆる「シングルエンド」クロック信号)が使用される。
【0004】
次に、データを、例えば、シングルクロック信号の立ち上がりクロックエッジにおいて(または、例えば、立ち下りシングルクロック信号エッジにおいて)それぞれ転送できる。
【0005】
さらに、従来技術では、いわゆるDDR構成素子、特にDDR−DRAM(DDR-DRAM = Double Data Rate-DRAMすなわち、2倍のビットレートを有するDRAM)が既に知られている。
【0006】
DDR構成素子では、シングルラインに印加されている単一のクロック信号(「シングルエンド」クロック信号)の代わりに、2本の分離されたラインに印加されている2つの差動反転クロック信号が使用される。
【0007】
2つのクロック信号の例えば第1クロック信号が「論理値の高い」状態(例えば、高い電圧レベル)から「論理値の低い」状態(例えば、低い電圧レベル)に変化する場合は常に、第2クロック信号が、ほぼ同時に、「論理値の低い」状態から「論理値の高い」状態へ(例えば、低い電圧レベルから高い電圧レベルへ)と変化する。
【0008】
逆に、第1クロック信号が「論理値の低い」状態(たとえば、低い電圧レベル)から「論理値の高い」状態(例えば、高い電圧レベル)に変化する場合は常に、第2クロック信号が(同じくほぼ同時に)、「論理値の高い」状態から「論理値の低い」状態へ(例えば、高い電圧レベルから低い電圧レベルへ)と変化する。
【0009】
DDR構成素子では、データは、一般的に、第1クロック信号の立ち上がりエッジでも、第2クロック信号の立ち上がりエッジでも(または、第1クロック信号の立下りエッジでも、第2クロック信号の立下りエッジでも)転送される。
【0010】
したがって、DDR構成素子では、データの転送は、対応する単一の、すなわち「シングルエンド」の、クロック信号を有する従来の構成素子よりも頻繁にまたはより迅速に(特に、2倍の頻度で、または、2倍迅速に)行われる。すなわち、ビットレートは、対応する従来の構成素子よりも高い(特に、2倍高い)。
【0011】
データの処理または転送を時間的に調整するための構成素子の内部において使用されるクロック信号(「DQS」すなわち「データストローブ」信号)(あるいは、差動反転クロック信号では、内部クロック信号DQSと、クロック信号DQSに対する逆反転クロック信号BDQS)は、外部から構成素子へ入力されるクロック信号(「CKL」すなわち「クロック」信号)と同期(あるいは、外部から構成素子へ入力される、差分クロック信号、CLK,BCLKと同期)している必要がある。
【0012】
外部からの1つまたは複数のクロック信号CLK・BCLKは、対応する、構成素子と接続されている、外部クロック信号送信器によって生成される。
【0013】
内部で生成されるクロック信号DQSまたは内部で生成されるクロック信号DQS・BDQSを、1つまたは複数の外部のクロック信号CLK/BCLKと同期化するために、クロック信号同期装置(例えば、DLL回路(DLL=Delay-Locked-Loop)が使用される。このような回路は、例えば、EP964517に記載されている。
【0014】
クロック信号同期装置は、例えば第1遅延手段を備えていてもよい。第1遅延手段に、1つまたは複数の外部クロック信号CLK・BCLKが入力される。そして、この第1遅延手段は、入力された1つまたは複数のクロック信号CLK・BCLKに、位相比較器から出力される制御信号に応じて、この制御信号によって調節可能な可変遅延時間tvarだけ遅延させる。
【0015】
第1遅延手段から出力される1つまたは複数の信号(すなわち、内部クロック信号DQAすなわちBDQS)は、内部で、すなわち、データの処理または転送を時間的に調整する構成素子の中で使用され得る。
【0016】
第1遅延手段から出力された信号DQSは、第2遅延手段へ入力される。第2遅延手段は、入力された信号DQSを、一定の遅延時間tconstだけ遅延させる。上記一定の遅延時間tconstは、1つまたは複数の受信器に起因する信号遅延(「受信器遅延」)と、各データ経路に起因する信号遅延(「データパス遅延」)と、および、1つまたは複数のオフチップドライバに起因する信号遅延(「OCD遅延」)との合計にほぼ相当している。
【0017】
第2遅延手段から出力される信号(FB信号すなわち「フィードバック信号」)を、上記位相比較器に入力する。この位相比較器で、FB信号の位相状態と、同じく位相比較器に入力されるCLK信号の位相状態とを比較する。FB信号の信号が、CLK信号の位相よりも早いか遅いかに基づいて、位相比較器から、上記第1遅延手段に対する制御信号として、増大信号(INC信号)または減少信号(DEC信号)が出力される。これらの信号により、第1信号遅延手段によって引き起こされるCLK信号の遅延tvarは、INC信号では増大し、または、DEC信号では減少する。こうして、最終的に、CLK信号とFB信号とが同期化される。すなわち、クロック信号同期装置は「ロック」される。
【0018】
たとえば、第1位相(FB信号の正のエッジがCLK信号の正のエッジよりも(依然として)遅い場合)において、位相比較器は、まずINC信号を生成してもよい。このINC信号は、第1信号遅延手段によって引き起こされる遅延tvarを、比較的強く増大し、または、FB信号の位相速度を、CLK信号の位相速度に対して比較的強く増大する(「おおまかな調整」)。
【0019】
FB信号の正のエッジが、CLK信号の正のエッジを「追い越す」場合は、位相比較器によって、DEC信号を生成してもよい。このDEC信号により、第1信号遅延手段によって引き起こされる遅延tvarは(元に戻るように)減少し、または、FB信号の位相速度は、CLK信号の位相速度よりも小さくなる(つまり、比較的わずかな「微調整」)。
【0020】
第1信号遅延手段によって引き起こされる遅延tvarすなわち位相シフトを、まず強く変更し、次に比較的弱く変更することにより、通常、CLK信号およびFB信号を比較的迅速に同期化できる。すなわち、クロック信号同期装置は、比較的迅速に「ロック」される。
【0021】
しかしながら、DLL回路において生じた信号遅延のため、DEC信号によって生じるFB信号のCLK信号の位相速度と比較した上記減少は、FB信号の正のエッジがCLK信号の正のエッジを「追い越した」後、数クロック(例えば、4クロック)分だけ影響を受ける。
【0022】
その結果、一時的に、FB信号は、CLK信号よりも大幅に(特に、例えば、FB信号の正のエッジが、CLK信号の負のエッジを「追い越し」)位相比較器から新たにINC信号が出力されるほど先行してしまい、その結果、CLK信号とFB信号とは同期しなくなる、すなわち、クロック信号同期装置を「ロック」できなくなる。
【0023】
したがって、本発明の目的は、クロック信号を同期する際に使用する新種の装置、および、新種のクロック信号同期化方法、特に、従来の対応する装置の上記欠点の少なくとも一部を排除できる装置および方法、を提供することである。
【0024】
本発明は、これらおよびその他の目的を、請求項1,7および8の記載事項によって達成できる。
【0025】
本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0026】
本発明の基本構想によれば、
可変制御可能な遅延時間(tvar)を有する遅延手段を備え、
クロック信号(CLK)またはクロック信号(CLK)から得られた信号が、上記遅延手段に入力され、上記可変制御可能な遅延時間(tvar)だけ遅延され、遅延されたクロック信号(DQS)として出力される、クロック信号(CLK)を同期化する際に使用する装置において、
上記遅延手段から出力される遅延されたクロック信号(DQS)または上記クロック信号(DQS)から得られた信号(FB)のクロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)または上記クロック信号(CLK)から得られた信号の対応するクロックエッジ(A)よりも先行する所定の時間窓の範囲内にあるかどうかを決定するデバイスが備えられていることを特徴とする装置が提供される。
【0027】
以下で、実施例および添付の図を参照して本発明を詳しく説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例のクロック同期装置の概略図である。
【0029】
図2は、図1のクロック同期装置においてクロック信号同期化プロセスの制御に使用される制御手段の概略図である。
【0030】
図3は、図2に示す制御手段に入力されるFB信号、CLK信号、および、制御手段から出力され、クロック信号同期化プロセスを制御するために使用される制御信号(SLOW信号)の時間フローチャートである。
【0031】
図4は、図2の制御手段で使用される遅延手段の概略図である。
【0032】
図1に、本発明の一実施例のクロック信号同期装置1の概略図を示す。
【0033】
クロック信号同期装置1は、対応する従来のクロック信号同期装置と同様に第1遅延手段2と、第2遅延手段3と、位相比較器4とを備え、さらに、従来のクロック信号同期装置とは異なり、以下でさらに詳しく説明されるように、クロック信号同期化プロセスを制御するために使用される特別に設計された制御手段5を備えている。
【0034】
クロック信号同期装置1は、例えば半導体構成素子に、特にメモリー構成素子に設けられていてもよい。メモリー構成素子の例としては、CMOSテクノロジーに基づくDRAM(DRAM = Dynamic Random Access Memoryすなわち動的書き込み読み出しメモリー)やDDR−DRAM(DDR-DRAM = Double Data Rate-DRAMすなわち2倍のビットレートを有するDRAM)があげられる。
【0035】
対応する半導体構成素子は、外部端子(例えば、対応するパッドまたは対応するピン)を備えている。半導体構成素子におけるデータの処理または転送を時間的に調整するため、上記外部端子に、外部クロック信号送信器から、外部クロック信号CLKが印加される。
【0036】
あるいは、上記構成素子は、対応するさらに他の外部端子(例えば、対応するさらに他のパッドまたは対応するさらに他のピン)を備えていてもよい。このさらに他の外部端子に、上記クロック信号CLKに対して反転したクロック信号BCLKが印加される(すなわち、いわゆる「差分」クロック信号CLK・BCLKを使用できる)。
【0037】
上記構成素子の内部では、データを、例えば上記クロック信号CLK(または、具体的には、クロック信号CLKから得られた内部DQSクロック信号)の立ち上がり(または、立ち下がり)クロックエッジにおいてそれぞれ転送でき、あるいは、差分クロック信号CLK・BCLK(または、具体的には、差分クロック信号CLK・BCLKから得られた内部クロック信号DQS・BDQS)を使用する場合に転送できる。一般的に、データを、CLKクロック信号の立ち上がりエッジでも、BCLKクロック信号の立ち上がりエッジでも(または、DQS信号の立ち上がりエッジでも、BDQS信号の立ち上がりエッジでも(または、相当する信号の各立下りクロックエッジでも))転送できる。
【0038】
図1に示すように、半導体構成素子の対応する端子に印加されるCLK信号は、配線10と、前記配線10に接続されている配線11とを介して、クロック同期装置1に設けられている第1遅延手段2に入力される。
【0039】
第1遅延手段2(「遅延鎖」または「遅延線」)では、CLK信号が、位相比較器4から出力される制御信号INCまたはDECに応じて、制御信号によって調節可能な可変遅延時間tvarだけ遅延される。
【0040】
第1遅延手段2から、配線6aと、前記配線6aに接続されている配線6bとに出力される、CLK信号に対して上記可変遅延時間tvarだけ遅延された信号DQS(または、さらに、信号DQSに対して反転した信号BDQS)を、データの処理または転送を時間的に調整するための構成素子において、内部的に(すなわち、内部クロック信号DQSまたは内部クロック信号BDQSとして)使用できる。
【0041】
BDQS信号は、例えばDQS信号を反転することによって生成されてもよい。あるいは、BDQS信号は、別個に(例えば、図1に示すクロック信号同期装置1に対応するクロック信号同期装置を使用して、BCLK信号から)生成されてもよい。
【0042】
さらに、図1から分かるように、第1遅延手段2から出力される信号DQSは、上記配線6aと、上記配線6aに接続されている配線6cとを介して、(さらに)上記第2遅延手段3(「擬似クロックツリー遅延(clock tree delay mimic)」)に入力される。第2遅延手段3は、入力された信号DQSを、一定の遅延tconstだけ遅延させる。一定の遅延tconstは、例えば1つまたは複数の受信器によって引き起こされる信号遅延(「受信器遅延」)と、各データ経路によって引き起こされる信号遅延(「データパス遅延」)と、1つまたは複数のオフチップドライバによって引き起こされる信号遅延(「OCD遅延」)との合計にほぼ相当している。
【0043】
第2遅延手段3から、配線7aに出力され、DQS信号に対して一定の遅延時間tconstだけ遅延された信号(FB信号すなわち「フィードバック信号」)は、配線7aと接続されている配線7bを介して、位相比較器4の第1入力部に入力され、同じく配線7aと接続されている配線21(以下でさらに詳しく説明する)を介して、制御手段5(「低速モード信号生成器」)に入力される。
【0044】
さらに、図1から分かるように、配線10に印加されるCLK信号は、配線10に接続されている配線8を介して、位相比較器4の(他方の)入力部に入力され、同じく配線10に接続されている配線22(以下でさらに詳しく説明する)を介して、制御手段5(「高速モード信号生成器」)に入力される。
【0045】
位相比較器4は、対応する従来の位相比較器と同様に、配線7bに印加され、位相比較器4の第1入力部に入力されるFB信号の位相状態を、配線8に印加され、位相比較器4の他方の入力部に入力されるCLK信号の位相状態と比較する。FB信号の位相が、CLK信号の位相よりも早いか遅いかに応じて、位相比較器4から、上記第1遅延手段2に対する制御信号として、第1遅延手段2に接続されている制御配線9に、増大信号(INC信号)または減少信号(DEC信号)が出力される。例えば、INC信号として「論理的に高い」信号、および、DEC信号として「論理的に低い」信号(またはその逆)が出力される。これらの信号により、第1信号遅延手段2によって引き起こされるCLK信号の遅延tvarは、INC信号では増大され(図3に示すINC信号、および、期間T1またはT2(「高速モード」または「低速モード」)ではCLK信号に対するFB信号の先行が次第に小さくなっていく(矢印K・L・M)ことを参照)、または、DEC信号では低減される。その結果、最終的に、CLK信号とFB信号とが同期される。すなわち、クロック信号同期装置1は「ロック」される。(すなわち、図3の右端に示すように、CLK信号は、それぞれ、FB信号(エッジA’)と同じ時点tで正のエッジAを有している(または、CLK信号は、それぞれ、FB信号(エッジB’)と同じ時点tで負のエッジBを有している)(期間T3、「ロックモード」)。
【0046】
(例えば、図3の左側に示すように)FB信号の正のエッジA’がCLK信号の正のエッジAよりも先行している限り、位相比較器4から、上記第1遅延手段2に対する制御信号として、配線9にINC信号が出力される。これに対して、FB信号の正のエッジA’がCLK信号の正のエッジAを「追い越して」いれば、位相比較器4から、上記第1遅延手段2に対する制御信号として、配線9にDEC信号が出力される。
【0047】
第1段階(期間T1「高速モード」)において、位相比較器4から、INC信号(または、DEC信号)が出力され、(例えば、図3の左側に示すように)FB信号の正のエッジA’が、CLK信号の正のエッジAの直前にある、所定の一定の期間Δtの長さ継続する所定の時間窓(図3では斜線で示す)の外側にある場合、すなわち、FB信号の正のエッジA’が、例えば時点t1で生じ、時点t1は、上記期間Δtよりも時点t2のずっと前にあり、時点t2でCLK信号の正のエッジAが生じる(すなわち、t2−Δt>t1が当てはまる)場合は、第1信号遅延手段2によって引き起こされる遅延tvarは、比較的大きな時間区間で、すなわち、比較的強く(すなわち、それぞれ大まかな間隔で、たとえば、それぞれ「大まかなユニット遅延」tで)増大(または、低減)され、あるいは、CLK信号の位相速度に対するFB信号の位相速度は、比較的強く増大される(または、小さくなる)(「大まかな調整」)。
【0048】
第2段階(期間T2「低速モード」)において、位相比較器4からINC信号(または、DEC信号)が出力され、(図3のさらに右側に示すように)FB信号の正のエッジA’が、CLK信号の正のエッジAの直前にある、所定の一定の期間Δtの長さ継続する所定の時間窓(図3では斜線で示す)の内側にある場合、すなわち、FB信号の正のエッジA’が時点t1で生じ、時点t1は、上記期間Δtよりも時点t2のほんのすぐ前にあり、時点t2でCLK信号の正のエッジAが生じる(すなわち、t2−Δt≦t1が当てはまる)場合は、第1信号遅延手段2によって引き起こされる遅延tvarは、比較的短い時間区間で、すなわち、比較的弱く(すなわち、それぞれ細かい間隔で、たとえば、それぞれ「緻密なユニット遅延」t)増大(または低減)され、あるいは、CLK信号の位相速度に対するFB信号の位相速度は、比較的弱く増大される(または、小さくなる)(「微調整」)。
【0049】
「大まかなユニット遅延」tは、「緻密なユニット遅延」tよりも一定の係数(例えば、3〜20倍、例えば、4倍、8倍、または16倍)だけ大きくてもよい(すなわち、例えば、t=4t、または、t=8t、または、例えば、t=16tなどが当てはまってもよい)。
【0050】
第1信号遅延手段2によって引き起こされる遅延tvarが、比較的短い時間区間で、すなわち、比較的弱く(すなわちそれぞれ細かい段階で、例えば、それぞれ、上記「緻密なユニット遅延」tだけ)増大(または、減少)するかどうか、すなわち、システムが上記「低速モード」であるかどうか、または、第1信号遅延手段2によって引き起こされる遅延tvarが、比較的大きい時間区間で、すなわち、比較的強く(すなわちそれぞれ大きな段階で、例えば、それぞれ、上記「大まかなユニット遅延」tだけ)増大(または、減少)するかどうか、すなわち、システムが上記「高速モード」であるかどうかは、以下でさらに詳しく説明するように、上記制御手段5によって決定される。
【0051】
上記制御手段5によって、システムが「高速モード」であることが決定されると(すなわち、制御手段5によって、FB信号の正のエッジA’がCLK信号の正のエッジAの直前にある所定の時間窓の外側にあるということが決定されると)、制御手段5から「論理的に低い」制御信号が出力され、配線29aを介して第1信号遅延手段2に入力される(次に、第1信号遅延手段2は、上述のように、自身によって引き起こす遅延時間tvarを、比較的大きい時間区間で、すなわち、比較的強く増大(または、減少)する)。
【0052】
これとは対照的に、上記制御手段5によって、システムが「低速モード」であることが決定されると(すなわち、制御手段5によって、FB信号の正のエッジA’がCLK信号の正のエッジAの直前にある所定の時間窓の内側にあるということが決定されると)、制御手段5から「論理的に高い」制御信号(SLOW信号)が出力され、配線29aを介して第1信号遅延手段2に入力される(次に、第1信号遅延手段2は、上述のように、自身によって引き起こす遅延時間tvarを、比較的小さい時間区間で、すなわち、比較的弱く増大(または、減少)する)。
【0053】
時間窓の期間Δtは、例えば上記「大まかなユニット遅延」tの倍数、例えば、上記「大まかなユニット遅延」tの2倍と16倍との間であってもよい(本実施例では特に、CLK信号の周波数に応じて、以下でさらに詳しく説明されるように、上記「大まかなユニット遅延」tの2倍または4倍のどちらかである)。
【0054】
図2に、図1のクロック信号同期装置1においてクロック信号同期化プロセスを制御するために使用される制御手段5の概略図を示す。
【0055】
図2から分かるように、制御手段5は、第1および第2の適切に接続されたRSフリップフロップ12a・12bと、さらに他のフリップフロップ12cと、遅延手段13と、NANDゲート14aと、ORゲート14bと、ラッチ15と、2つのインバーター16a・16bとを備えている。
【0056】
第1RSフリップフロップ12aは、2つのNANDゲート17a・17b(ここでは2つの2NANDゲート17a・17b)を備え、第2RSフリップフロップ12bは、2つのNANDゲート18a・18b(ここでは、2つの2NANDゲート18a・18b)を備えている。
【0057】
第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの第1入力部は、配線20aを介して、上記配線21と接続されており、上記配線21を介して、上記FB信号が、制御手段5へ入力される。
【0058】
第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの出力部は、配線20bと、配線20bに接続されている配線20cとを介して、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの第1入力部にフィードバック接続されている(その結果、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの出力部に出力される信号(A0信号)は、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの第1入力部に入力される)。
【0059】
さらに、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの第2入力部は、配線20dを介して、上記配線22と接続されており、上記配線22を介して、上記CLK信号が、制御手段5へ入力される。
【0060】
第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの出力部は、配線20eと、配線20eに接続されている配線20fとを介して、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの第2入力部にフィードバック接続されている(その結果、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの出力部に出力される信号は、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの第2入力部に入力される)。
【0061】
さらに、図2から分かるように、第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの第1入力部は、配線20gを介して、上記配線22と接続されており、上記配線22を介して、上記CLK信号が、制御手段5へ入力される。
【0062】
第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの出力部は、配線20hと、配線20hに接続されている配線20iとを介して、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの第1入力部にフィードバック接続されている(その結果、第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの出力部に出力される信号(A1信号)は、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの第1入力部に入力される)。
【0063】
さらに、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの第2入力部は、配線20kを介して、上記遅延手段13の出力部と接続されており、遅延手段13の入力部は、配線201を介して、上記配線21と接続されている(その結果、遅延手段13によって、配線21に印加されるFB信号に対して、対応して遅延された信号FBdelは、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの第2入力部に印加される)。
【0064】
第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの出力部は、配線20mと、配線20mに接続されている配線20nとを介して、第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの第2入力部にフィードバック接続されている。(その結果、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの出力部に出力される信号は、第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの第2入力部に入力される)。
【0065】
さらに、図2から分かるように、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの出力部に出力される信号は、上記配線20mと、上記配線20mに接続されている配線23aとを介して、NANDゲート14aの第2入力部にも入力される。
【0066】
対応する同様の方法で、さらに、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの出力部に出力される(上記配線20e・20fを介して、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの第2入力部に入力される以外の)信号は、上記配線20eと、上記配線20eに接続されている配線23bとを介して、NANDゲート14aの第1入力部にも入力される。
【0067】
このことにより、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの出力部と、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの出力部とに印加される(特に、NANDゲート14aによって形成される)負荷は、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの出力部と、第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの出力部とに印加される(特にORゲート14bによって形成される)負荷とほぼ同じ大きさである。
【0068】
さらに、図2から分かるように、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17aの出力部に出力される(上記配線20b・20cを介して、第1RSフリップフロップ12aの第2NANDゲート17bの第1入力部に入力される以外の)信号(A0信号)は、上記配線20bと、上記配線20bに接続されている配線23dとを介して、ORゲート14bの第1入力部にも入力される。
【0069】
対応する同様の方法で、さらに、第2RSフリップフロップ12bの第1NANDゲート18aの出力部に出力される(上記配線20h・20iを介して、第2RSフリップフロップ12bの第2NANDゲート18bの第1入力部に入力される以外の)信号(A1信号)は、上記配線20hと、上記配線20hに接続されている配線23cとを介して、ORゲート14bの第2入力部にも入力される。
【0070】
ROゲート14bの出力部は、配線24を介して、制御手段5の上記(第3)フリップフロップ12cと(つまり、フリップフロップ12cのNANDゲート19b(ここでは、3NANDゲート19b)の第3入力部と)接続されている。
【0071】
さらに、図2から分かるように、フリップフロップ12cは、NANDゲート19bのほかに、さらに他のNANGゲート19a(ここでは、2NANDゲート19a)も備えている。
【0072】
図2では、上記(第1)インバーター16aの入力部は、配線25を介して、上記配線22と接続されている。上記配線22を介して、記述のように、CLK信号が、制御手段5に入力される。
【0073】
(第1)インバーター16aの出力部は、配線26aと、配線26aに接続されている配線26bとを介して、(第2)インバーター16bの入力部と接続されている。
【0074】
さらに、(第2)インバーター16bの出力部は、配線27を介して、制御手段5の第3フリップフロップ12cの第1NANDゲート19aの第1入力部と接続されている(その結果、第2インバーター16bの出力部に出力される信号(clklth信号)は、第3フリップフロップ12cの第1NANDゲート19aの第1入力部に入力される)。
【0075】
第3フリップフロップ12cの第1NANDゲート19aの出力部は、配線28aを介して、第3フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの第1入力部にフィードバック接続されている(その結果、フリップフロップ12cの第1NANDゲート19aの出力部に出力される信号は、フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの第1入力部に入力される)。
【0076】
対応する逆転された方法では、フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの出力部は、配線28bと、配線28bに接続されている配線28cとを介して、フリップフロップ12cの第1NANDゲート19aの第2入力部にフィードバック接続されている(その結果、フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの出力部に出力される信号(OUT信号)は、フリップフロップ12cの第1NANDゲート19bの第2入力部に入力される)。
【0077】
フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの第2入力部は、配線28dを介して、配線29bと接続されており、配線29bは、ラッチ15の第1(反転)出力部と接続されている。
【0078】
ラッチ15の(データ)入力部は、配線28eと、配線28eに接続されている配線28bとを介して、フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの出力部と接続されている(その結果、フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの出力部に出力されるOUT信号は、ラッチ15の上記(データ)入力部に入力される)。
【0079】
さらに、図2から分かるように、(第1)インバータ16aの出力部は、上記配線26aと、上記配線26aに接続されている配線28fとを介して、ラッチ15の(反転)(クロック)入力部と接続されている。
【0080】
ラッチ15の(第2の反転されていない)出力部は、既述の配線29aと接続されており、ラッチ15の(第1の反転された)出力部は、上記配線29bと接続されている(その結果、ラッチ15の第2の反転されていない出力部に出力される(制御)信号(SLOW信号)は、図1から分かるように、配線29aを介して、クロック信号同期装置1の第1遅延手段2へ入力され、図2から分かり、既に上記で説明したように、SLOW信号に対して反転された信号である/SLOWは、配線28dを介して、第3フリップフロップ12cの第2NANDゲート19bの第2入力部へ入力される)。
【0081】
図4に、図2の制御手段5において使用される遅延手段13の概略図を示す。遅延手段13は、例えば、第1信号経路Pに設けられた4つの遅延素子(VerzoegerungsElemente)13a・13b・13c・13dと、第2信号経路Qに設けられた2つの第2遅延素子13e・13fとを備えている。
【0082】
各遅延素子13a・13b・13c・13d・13e・13fは、入力される信号を、上記第1遅延手段2に関連して既に説明された「大まかなユニット遅延」tだけそれぞれ遅延する。(この場合、図1に示すクロック信号同期装置1の第1遅延手段2では、図2および図4に示す制御手段5の遅延手段13で使用されているのと同じ遅延素子が対応して使用されている)。
【0083】
(例えば対応する周波数決定デバイスによって決定される)CLK信号の周波数が、所定の閾値Sを上回っているかまたは下回っているかに応じて、遅延手段13に設けられた対応するスイッチ33a・33bは、対応して自動的に(および、例えば、上記周波数決定デバイスによって制御されれながら)開放または閉鎖される。(その結果、CLK信号の周波数が比較的低い場合は、遅延手段13に入力される信号は、例えば4つの遅延素子13a・13b・13c・13dを介して(すなわち、比較的強く)遅延される(信号経路P(またはスイッチ33a)は閉鎖されており、信号経路Q(またはスイッチ33b)は開放されている)。また、CLK信号の周波数が比較的高い場合は、遅延手段13に入力される信号は、たった2つの遅延素子13e・13fを介して(すなわち、比較的弱く)遅延される(信号経路P(またはスイッチ33a)は開放されており、信号経路Q(またはスイッチ33b)は閉鎖されている)。
【0084】
周波数に対する上記閾値Sは、例えば100MHz〜1000MHzの間であってもよく、例えば250MHzである。
【0085】
言い換えれば、つまり、スイッチ33a・33bによって、「幅の広い」または図3に示す、CLK信号の正のエッジAの直前にある各時間窓(図3では斜線で示す)の期間Δtを、周波数に応じて変更できる。
【0086】
図3に示すように、例えば開始時点tで、CLK信号もFB信号も「論理的に低い」状態であれば、図2から分かるように、第1RSフリップフロップ12a(または、第1RSフリップフロップ12aの第1NANDゲート17a)から、上記配線32dに、「論理的に高い」信号(「A0信号」)が出力される。
【0087】
したがって、対応する同様の方法で、同じく図2から分かるように第2RSフリップフロップ12b(または第2フリップフロップ12bの第1NANDゲート18a)からも、対応する配線23cに、「論理的に高い」信号(「A1信号」)が出力される。したがって、ORゲート14bから配線24に出力される信号(「D0」信号)は、おなじく「論理的に高い」。
【0088】
ORゲート14bから配線24に出力される信号(「D0」信号)は、第1RSフリップフロップ12aから上記配線23dに出力されるA0信号と、第2RSフリップフロップ12bから対応する配線23cに出力されるA1信号との双方が「論理的に低い」場合にのみ、「論理的に低く」なる。「論理的に低い」D0信号によって、「低速モード」に変更したほうがよいことが示される。
【0089】
したがって、このことが生じる(すなわち、D0信号が「論理的に低く」なる)のは、以下でさらに詳しく説明するように、FB信号の正のエッジA’が、図3の右に示すように、CLK信号の正のエッジAの直前にある、上記期間Δtの長さ継続する上記時間窓(図3では斜線で示す)の内側にある場合、すなわち、FB信号の正のエッジA’が、例えば時点t1で生じ、時点t1は、上記期間Δtよりも時点t2のすぐ前にあり、時点t2でCLK信号の正のエッジAが生じる場合のみである。
【0090】
それ以外の場合(すなわち、FB信号の正のエッジA’が、例えば図3の左に示すように、上記時間窓の外側にある場合)は、FB信号の正のエッジA’と、これに続くCLK信号の正のエッジAとの後に、第1RSフリップフロップ12aから上記配線23dに出力される信号(A0信号)は、実際に、「論理的に低い」状態に変化する。
【0091】
しかしながら、FB信号の正のエッジA’と、これに続くCLK信号の正のエッジAとの後に、第2RSフリップフロップ12bから上記配線23cに出力される信号(A1信号)は、「論理的に高い」状態のままである。(なぜなら、遅延手段13がFB信号を上記期間Δtだけ遅延するにもかかわらず、第2RSフリップフロップ12bでは、「論理的に高い」信号が、まず、第2NANDゲート18bの第2入力部に印加され、次に、第1NANDゲート18aの第1入力部に印加され(逆の順序ではない)からである。(その結果、第2NANDゲート18bの出力部にまず出力され、第1NANDゲート18aの第2入力部に入力される「論理的に低い」信号によって第1NANDゲート18aが「ブロック」される(すなわち、たとえCLK信号が「論理的に高い」状態に変化しても、配線23cには「論理的に高い」信号が依然として出力される)))。
【0092】
これに対し、FB信号の正のエッジA’が、例えば図3の右に示すように、CLK信号の正のエッジAの直前にある、上記期間Δtの長さ継続する上記時間窓の内側にある場合、FB信号の正のエッジA’と、これに続くCLK信号の正のエッジAとの後に、第2RSフリップフロップ12bから上記配線23cに出力される信号(A1信号)は、第1RSフリップフロップ12aから配線23dに出力される信号A0のように対応して「論理的に低い」状態に変化する。(なぜなら、遅延手段13がFB信号を上記期間Δt(および、エッジA’とエッジAとの間の比較的短期間の間隔)だけ遅延することにより、第2RSフリップフロップ12bでは、「論理的に高い」信号が、まず、第1NANDゲート18aの第1入力部に印加され、次に、第2NANDゲート18bの第2入力部に印加されるからである(その結果、第1NANDゲート18aの第1入力部に印加される「論理的に高い信号」と、第1NANDゲート18aの第2入力部に印加される同じく「論理的に高い」信号とによって、第1NANDゲート18aの出力部(および、これにともなって、上記配線23cに)「論理的に低い」A1信号が出力される))。
【0093】
RSフリップフロップ12a・12bに続く上記(第3の)フリップフロップ12cまたはラッチ15によって、ORゲート14bから出力され、それゆえに「論理的に低い」D0信号(低速モード決定信号)は、システムクロック(CLK信号)と同期される。
【0094】
ORゲート14bから配線24に出力され、第3フリップフロップ12cのNANDゲート19bに入力される信号(「D0」信号)が「論理的に低く」なる(すなわち、「低速モード」に変更されたほうがよい)場合のみ、CLK信号または(具体的には)CLK信号から得られるclklth信号の対応するクロックエッジで、NANDゲート19bから配線28b・28eに出力されたOUT信号が「論理的に高く」なることが出来、ラッチ15によって、「論理的に高い」制御信号SLOWとして、次に、配線29aに転送される。
【0095】
配線29aに印加されているSLOW信号が「論理的に高く」なり、これにより、配線29bに印加されており、SLOW信号に対して反転された信号である/SLOWが論理的に低くなる場合は、次に、この「論理的に低い」信号は、配線28dを介して、フリップフロップ12cのNANDゲート19bの(第2)入力部に入力される。その結果、NANDゲート19bは、NANDゲート19bの第3入力部に印加されるD0信号の状態が後に変化しようとも、現在の状態に確実に固定される。その結果、システムは、FB信号の正のエッジA’がCLK信号の正のエッジの直前にある、上記期間Δtの長さ継続する時間窓の範囲内にあることが一旦検出されるまで(リセットまで)、「低速モード」の状態のままである。
【0096】
クロック信号同期装置1の遅延手段2・3および/または制御手段5は、例えばデバイス2・3または装置5に備えられているデバイス13によって引き起こされる遅延を適切に選択することにより、FB信号の正のエッジA’が例えば図3の左に示す状態から始まりCLK信号の正のエッジAを追い越す、または、大幅に追い越す可能性を無くすように設備および設計されていることが好ましい。
【0097】
その結果、CLK信号とFB信号とは迅速かつ確実に同期化される。すなわち、クロック信号同期装置1を、迅速かつ確実に「ロック」することができる、または、「ロックされたモード」にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施例のクロック同期装置の概略図である。
【図2】図1のクロック同期装置においてクロック信号同期化プロセスの制御に使用される制御装置の概略図である。
【図3】図2に示す制御装置に入力されるFB信号、CLK信号、および、制御装置から出力され、クロック信号同期化プロセスを制御するために使用される制御信号(SLOW信号)の時間フローチャートである。
【図4】図2の制御装置で使用される遅延手段の概略図である。
【符号の説明】
【0099】
1 クロック信号同期装置
2 第1遅延手段
3 第2遅延手段
4 位相比較器
5 制御装置
6a 配線
6b 配線
6c 配線
7a 配線
7b 配線
8 配線
9 配線
10 配線
11 配線
12a RSフリップフロップ
12b RSフリップフロップ
12c フリップフロップ
13 遅延手段
13a 遅延素子
13b 遅延素子
13c 遅延素子
13d 遅延素子
13e 遅延素子
13f 遅延素子
14a NANDゲート
14b ORゲート
15 ラッチ
16a インバーター
16a インバーター
17a NANDゲート
17b NANDゲート
18a NANDゲート
18b NANDゲート
19a NANDゲート
19b NANDゲート
20a 配線
20b 配線
20c 配線
20d 配線
20e 配線
20f 配線
20g 配線
20h 配線
20i 配線
20k 配線
201 配線
20m 配線
20n 配線
21 配線
22 配線
23a 配線
23b 配線
23c 配線
23d 配線
24 配線
25 配線
26a 配線
26b 配線
27 配線
28a 配線
28b 配線
28c 配線
28d 配線
28e 配線
28f 配線
29a 配線
29b 配線
33a スイッチ
33b スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変制御可能な遅延時間(tvar)を有する遅延手段(2)を備え、
クロック信号(CLK)またはクロック信号(CLK)から得られた信号が、上記遅延手段(2)に入力され、上記可変制御可能な遅延時間(tvar)だけ遅延され、遅延されたクロック信号(DQS)として出力される、クロック信号(CLK)を同期化する際に使用する装置(1)において、
上記遅延手段から出力される遅延されたクロック信号(DQS)または上記クロック信号(DQS)から得られた信号(FB)のクロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)または上記クロック信号(CLK)から得られた信号の対応するクロックエッジ(A)よりも先行する所定の時間窓の範囲内にあるかどうかを決定するデバイス(5)が備えられている装置(1)。
【請求項2】
上記遅延手段(2)から出力される遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)の上記クロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にある場合は、上記デバイス(5)によって、決定信号(SLOW)が、上記遅延手段(2)へ送信される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
上記遅延手段(2)は、上記決定信号(SLOW)に応答して、第1モードから第2モードに変化する、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
上記デバイス(5)によって、上記遅延手段(2)から出力される遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)の上記クロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にあることが決定される場合は、上記遅延手段(2)によって引き起こされる信号遅延時間(tvar)を、決定前よりも短い時間区間で増減する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
上記時間窓の上記期間(Δt)を、上記クロック信号(CLK)の上記周波数に応じて選択し、特にこの目的のために、上記デバイス(5)に備えられている遅延手段(13)を、対応して自動的に切り替える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
上記遅延手段(2)から出力される遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)の上記クロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にあることが決定された後に、上記遅延手段(2)を上記第2モードに固定するためのデバイス(29b,19b)を備える、請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
可変制御可能な時間区間において増減可能な、可変制御可能な遅延時間(tvar)を有する遅延手段(2)を備え、
クロック信号(CLK)またはクロック信号(CLK)から得られた信号が、上記遅延手段(2)に入力され、可変制御可能な時間区間において増減可能な、上記可変制御可能な遅延時間(tvar)だけ遅延され、遅延されたクロック信号(DQS)として出力され、
上記遅延手段(2)から出力される遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)のクロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にあるかどうかを決定するデバイス(5)がさらに備えられており、
上記デバイス(5)によって、上記遅延手段(2)から出力される遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)の上記クロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にあることが決定される場合は、上記遅延手段(2)によって引き起こされる信号遅延時間(tvar)を、決定前よりも短い時間区間で、そしてそれに伴ってよりゆっくりと増減するように設備および設計されており、
上記時間窓の上記期間(Δt)は、上記クロック信号(CLK)の周波数決定デバイスによって決定された周波数に応じて選択される、クロック信号(CLK)を同期化する際に使用する装置(1)。
【請求項8】
クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号を、可変制御可能な遅延時間(tvar)だけ遅延し、その結果、遅延されたクロック信号(DQS)を得る工程を含むクロック信号同期化方法において、
上記遅延されたクロック信号(DQS)またはこのクロック信号(DQS)から得られる信号(FB)のクロックエッジ(A’)が、上記クロック信号(CLK)またはこのクロック信号(CLK)から得られる信号の対応するクロックエッジ(A)の前の所定の時間窓の内側にあるかどうかを決定する工程をさらに含むクロック信号同期化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−507937(P2007−507937A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530241(P2006−530241)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052128
【国際公開番号】WO2005/031548
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】