説明

グラフトカーボン塗液およびそれを用いた面状発熱体ならびにそれらの製造方法

【課題】熱処理過程で過度の熱処理になることもなく(抵抗値曲線にボトムが現れない)、広い温度範囲において表面抵抗値の経時変化が極めて少ない面状発熱体を与えるグラフトカーボン塗液およびその製造方法、並びに該塗液を用いた面状発熱体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】有機溶媒中でカーボンブラックとビニル系モノマーをグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマーを含む溶液と、有機溶媒にピッチを溶解した溶液とを混合してグラフトカーボン塗液を製造した。このグラフトカーボン塗液を、基材に塗布または含浸した後、熱処理して発熱素子を形成し、その表面を電気絶縁材で被覆せしめて面状発熱体を製造した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広い温度範囲において表面抵抗値の経時変化が極めて少なく、各部分の性状が均一な発熱体を得んとするグラフトカーボン塗液および該塗液を用いた面状発熱体ならびにこれらの製造方法に関する。より詳細にはカーボンブラックとビニル系モノマーを重合開始剤によりグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマーと、有機溶媒に溶解されたピッチとを溶解してなるグラフトカーボン塗液およびその製造方法、並びに該塗液を用いた面状発熱体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の面状発熱体(例えば、特許文献1、非特許文献1、および2参照)は、ビニル系モノマーもしくはその構造中に不飽和基を含む類似モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリルアミド、無水マレイン酸等を一成分とするグラフトポリマーあるいはコポリマーを得、ついでこれら反応基と加熱時に、または重合開始剤、硬化剤等の共存下において重合と架橋化反応を同時に行う能力を有する反応性基をその構造組成中に含むビニル系モノマーやその類似構造のモノマー、もしくは熱硬化性樹脂、例えばグルシジル基を持つエポキシ樹脂等とを均一に混合せしめて塗液とし、前記の基材に塗布または含浸した後、あるいはフィルム状とした後、加熱処理して網目を形成させた構造を持つ。
【0003】
面状発熱体として使用するにはさらに熱処理を行い、カーボンブラックにグラフトしたビニル系ポリマーを解重合せしめ、かつ熱硬化性樹脂を炭素化させる。ビニル系ポリマーは解重合してモノマーとなり、揮散してしまうので問題ないが、熱硬化性樹脂は炭素化する際、発泡して面状発熱体表面に無数の微細穴が生成、この微細穴に湿気が浸透し、カーボン粒子の連鎖間隔が微少に拡がったり、連鎖が切断を受けたりして、目標とする表面抵抗値から外れる。
【0004】
さらに熱処理温度範囲ではエポキシ樹脂の炭素化が激しく起こっており、少しの温度や時間の変動により過熱処理、あるいは不完全熱処理となる。表面抵抗値曲線で表わせば下に凸の曲線(ボトムが現われる)となる。過熱処理の場合、エポキシ樹脂のバインダーとしての性能低下によりカーボン粒子がガラスクロスから部分的に脱落するため均一な面状発熱体とならず、また該発熱体の端面からガラス繊維が毛羽立って絶縁不良の原因となったり、さらに該発熱体はエポキシ樹脂が脆くなっているためシワが入り易く、その部分で電流値が増大、局部的に異常発熱する場合が想定される。不完全熱処理の場合、目標抵抗値範囲から外れたり、表面抵抗値の経時変化が大きく、製品としての機能を果たさない等問題を有する。
【特許文献1】特公昭44−3826号 公報
【非特許文献1】Takashina.N.,Aida.T.,:J. Appl. Polym. Sci., 12, 1109(1968)
【非特許文献2】新潟大学工学部研究報告 第15号(1966),p.71〜81,(昭和41年3月30日発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、面状発熱体を得る際、熱処理過程で過度の熱処理になることもなく(抵抗値曲線にボトムが現われない)、また該発熱体の広い温度範囲において表面抵抗値経時変化が極めて少ない面状発熱体を与えるグラフトカーボン塗液およびその製造方法、並びに該塗液を用いた面状発熱体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、有機溶媒中でカーボンブラックとビニル系モノマーを混合し、重合開始剤によりグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマーを含む溶液と、有機溶媒にピッチを1〜50wt%、好ましくは5〜15wt%を溶解した溶液とを混合して調製されたグラフトカーボン塗液を、ガラスクロス等の基材に塗布または含浸した後、熱処理することにより、過熱処理になることもなく、目標とする表面抵抗値を持つ面状発熱体が得られること、及び、このようにして得られる面状発熱体は、広い温度範囲、特に高温使用時における表面抵抗値変化率が極めて小さいことを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、カーボンブラックとビニル系モノマーを重合開始剤によりグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマー、及びピッチが、有機溶媒に溶解されてなることを特徴とするグラフトカーボン塗液である。
【0008】
また本発明は、有機溶媒中でカーボンブラックとビニル系モノマーを混合し、重合開始剤によりグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマーを含む溶液と、有機溶媒にピッチを溶解した溶液とを混合して調製することを特徴とするグラフトカーボン塗液の製造方法である。
【0009】
また本発明は、カーボンブラックとビニル系モノマーを重合開始剤によりグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマー、及びピッチが、有機溶媒に溶解されてなる塗液を、基材に塗布または含浸し熱処理して発熱素子を形成し、該発熱素子の表面を電気絶縁材で被覆せしめてなることを特徴とする面状発熱体である。
【0010】
さらに本発明は、カーボンブラックとビニル系モノマーを重合開始剤によりグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマー、及びピッチが、有機溶媒に溶解されてなる塗液を、基材に塗布または含浸し熱処理して発熱素子を形成し、該発熱素子の表面を電気絶縁材で被覆する面状発熱体の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のグラフトカーボン塗液は、例えばガラスクロス等の適宜の基材に塗布または含浸した後、あるいはフィルム状とした後、熱処理することによりピッチ中にカーボンブラックが均一に分散固定された耐熱性を有する面状発熱体を与える。この材料は広い温度範囲、特に高温使用時における表面抵抗値変化率が極めて小さい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のグラフトカーボン塗液に使用されるピッチとしては、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、または合成系ピッチが用いられ特に限定されないが、弗化水素および三弗化硼素の存在下で縮合多環炭化水素またはこれを含有する物質を重合させることによって得られる合成系ピッチが好適に用いられる。このような合成系ピッチは、特許第2931593号公報、特許第2621253号公報、または特許第2526585号公報に示されるように、ナフタレン、モノメチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフテン、アセナフチレン、ピレン等ならびにこれらの骨格を有する縮合多環炭化水素、およびこれらの混合物ないし、これらを含有する物質を重合させて得られるピッチである。この重合は、ピッチ原料1モルに対し、重合触媒として弗化水素0.1〜20モル、三弗化硼素0.05〜1.0モルを使用し、100〜400℃の温度で5〜300分間反応させることにより行なわれる。こうして得られる合成系ピッチは石炭系ピッチや石油系ピッチに比べ、品質安定性や化学純度の点で極めて優れている。また、該合成系ピッチは光学的に等方性のもの、または異方性のもの、いずれも適用可能である。該合成系ピッチは、熱処理温度範囲において高い流動性と高残炭率を示す。
【0013】
ピッチは、本発明で得られる面状発熱体においてカーボンブラック粒子の結合剤として機能する。ピッチの含有量は、塗液全量に対して通常は1〜50wt%、好ましくは5〜15wt%、さらに好ましくは5〜10wt%である。
【0014】
本発明で使用するカーボンブラックは、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等の何れでもよい。また、ビニル系モノマーは、一般式CH2=C(R)―COOR’(Rは水素原子またはメチル基、R’は水素原子、C1〜C12の炭化水素基または置換炭化水素基)で示される不飽和カルボン酸およびそのエステル類などである。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられるが、その選択は製造されるグラフト化反応物の用途如何により決められるべきものである。
【0015】
本発明に使用される有機溶媒は、ビニル系モノマーおよびカーボンブラックグラフト化物、およびピッチを良く溶解し、かつ塗工機内乾燥機で容易に揮発するものであれば良く、例えばプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ピリジン等の含窒素芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、テトラハイドロフラン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類などが挙げられ、これら有機溶剤は単独に、または複数併用してもよい。尚、ピッチによっては高分子量成分が少量含まれるものもあり、含窒素芳香族炭化水素類や芳香族炭化水素類に対して難溶性を示す場合もあるが、これらの成分は塗液中で沈殿することもなく問題とならない。
【0016】
本発明のカーボンブラック−アクリルグラフト重合に用いられる重合開始剤は、アゾ化合物系のものが好ましく、特にアゾニトリル系のものが優れている。有機過酸化物はカーボンブラックが共存する場合、非常に長い誘導期を生じ好ましくない。カーボンブラック自体もラジカル重合抑制剤として作用するため重合開始剤もこれを打ち消すだけの量が必要であるが、通常重合開始剤の量はカーボンブラックの重量に対して5重量%以下の量である。またドデシルメルカプタンの如き連鎖移動剤も必要に応じて使用しても差し支えない。尚、カーボンブラック・グラフトポリマーの含有量は、塗液全量に対して通常は5〜90wt%、好ましくは10〜60wt%、さらに好ましくは10〜40wt%である。
【0017】
本発明のグラフトカーボン塗液は、前述のピッチ、カーボンブラック、ビニル系モノマー、重合開始剤、及び有機溶媒を用いて調製される。通常は、最初に、反応容器等に、カーボンブラック、ビニル系モノマー、及び有機溶媒等を投入した後、50〜200℃程度の温度で、重合開始剤を一括あるいは複数回に分割して添加することにより、グラフト重合させてカーボンブラック・グラフトポリマーを含む溶液が調製される。
【0018】
次にこの溶液と、有機溶媒にピッチを溶解した溶液とを、0〜100℃の温度で混合することにより本発明のグラフトカーボン塗液が調製される。尚、ピッチを溶解した溶液には、必要に応じ消泡剤等を混合させることも可能である。
【0019】
本発明の面状発熱体は、前述のグラフトカーボン塗液を、基材に塗布または含浸し、100〜500℃の温度で熱処理して発熱素子を形成し、発熱素子の表面を電気絶縁材で被覆せしめてなる面状発熱体である。基材としては、ガラスクロス、ポリイミド織布、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、マイカ等のシート状基材が用いられる。
【0020】
また、電気絶縁材としては、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、マイカ、ゴムシート、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス等が用いられる。面状発熱体は、通常前記の発熱素子の両面に電気絶縁材が重ねられた状態でシート状に加熱成形されることによって製造される。
【0021】
以下に本発明を実施例によってさらに詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記す「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0022】
実施例
かき混ぜ機を付した反応容器中に旭カーボン(株)カーボンブラック#60(ASTM番号N−550)140部、アクリル酸ブチル224部、アクリル酸56部、エチレングリコールモノメチルエーテル420部を入れ容器内を窒素置換、窒素雰囲気中アゾビスイソブチロニトリル2.28部を2時間毎に5分割投入、アゾビスイソブチロニトリルがラジカルを発生する温度以上で反応を完結させた。初期の硬い泥状物は反応途中より流動性を帯び容易にかき混ぜ出来るようになった。反応終了時のモノマー反応率はガスクロマトグラフィーによる定量より求め、反応率99%以上で終了とした。この様にして得られた液をグラフトカーボン(CG)原液と呼ぶ。
次いで、CG原液400部、ナフタレンを弗化水素・三弗化硼素の存在下で重合させて得られた合成系ピッチ(三菱瓦斯化学社製ARピッチ、メトラー軟化点:285℃)50部、キシレン375部、エチレングリコールモノメチルエーテル175部、消泡剤適量を容器に入れ、室温下攪拌した。得られた液を塗液(A)とした。塗液(A)は、1日静置してもカーボンブラックの沈降がない分散安定性の極めて良好な塗液であった。
塗液(A)を塗工機(HIRANO TECSEED JAPAN R-R1型)で塗工した。塗液(A)の塗工、乾燥を終えた原反をCG原反(A)とした。
次いで、CG原反(A)に電極を取り付け、(株)カトー製熱風循環式乾燥機(型式TRO-52DPN)を用い、385℃、70分間の熱処理を行った。途中、表面抵抗値測定を行い、表面抵抗値の経時変化を調べた。結果を図1に示した。
CG原反(A)は、熱処理時間12分経過時点で0.8KΩとなった後、40分まで変化なく、70分後に最大0.9KΩとなった。このように表面抵抗値の変化は極めて小さかった。
【0023】
比較例
実施例に示したCG原液400部、ジャパンエポキシレジン(株)製エポキシ樹脂50部、キシレン375部、エチレングリコールモノメチルエーテル175部、消泡剤適量を容器に入れ、室温下攪拌した。得られた液を塗液(B)とした。
塗液(B)を塗工機(HIRANO TECSEED JAPAN R-R1型)で塗工した。塗液(B)の塗工、乾燥を終えた原反をそれぞれCG原反(B)とした。
次いで、CG原反(B)に電極を取り付け、(株)カトー製熱風循環式乾燥機(型式TRO-52DPN)を用い、385℃、70分間の熱処理を行った。途中、表面抵抗値測定を行い、表面抵抗値の経時変化を調べた。結果を図1に示した。
CG原反(B)は、熱処理時間12分経過時点で1KΩとなり、22分位までは表面抵抗値に変化なく、25分過ぎた時点から急速に表面抵抗値が増大、70分後には最大5.5KΩとなった。このように実施例に比べて表面抵抗値の経時変化が大きかった。
【0024】
CG原反(A)とCG原反(B)との違いは、ピッチと熱硬化性樹脂エポキシ樹脂との違いのみで、後は全く同一である。それにもかかわらず、両者に大きな違いが現われたのは、エポキシ樹脂が熱処理時に分解・発泡し、次第に炭素化されていったためと考えられる。僅かな発泡であってもカーボン粒子間距離が大きくなり、結果として表面抵抗値が増大する。更に熱処理時間の経過と共にエポキシ樹脂の炭素化が進み、カーボン粒子の結合剤としての能力が低下、カーボン粒子のガラスクロスからの脱落が起こり、CG原反の表面抵抗値増大となる。一方、ピッチは、熱処理温度で殆ど分解することなくカーボン粒子を結合し続ける能力を保持しているため、表面抵抗値の変化は極めて小さくなっている。
【0025】
熱処理温度385℃、熱処理時間70分行った後のCG原反(A)及びCG原反(B)の表面状態について実体顕微鏡を用いて観察した(図2、3参照)。CG原反(B)は、ガラスクロスからのカーボン粒子の脱落痕跡多数見られ、指先で触れたり、折り曲げたりするとぱらぱらカーボン粒子が脱落した。一方、CG原反(A)は、カーボン粒子の脱落痕跡がなく、且つ指先で触れても、折り曲げてもカーボン粒子が脱落することはなかった。ピッチがカーボン粒子の結合剤として有効に働いていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】熱処理曲線(実施例および比較例における表面抵抗値の経時変化)
【図2】CG原反(A)の熱処理70分後の表面状態の実体顕微鏡写真
【図3】CG原反(B)の熱処理70分後の表面状態の実体顕微鏡写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラックとビニル系モノマーをグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマー、及びピッチが、有機溶媒に溶解されてなるグラフトカーボン塗液。
【請求項2】
ピッチの含有量が、塗液全量に対して1〜50wt%である請求項1記載のグラフトカーボン塗液。
【請求項3】
カーボンブラック・グラフトポリマーの含有量が、塗液全量に対して5〜90wt%である請求項1記載のグラフトカーボン塗液。
【請求項4】
ピッチが、縮合多環炭化水素またはこれを含有する物質を弗化水素および三弗化硼素の存在下で重合させることによって得られるものである請求項1記載のグラフトカーボン塗液。
【請求項5】
有機溶媒中でカーボンブラックとビニル系モノマーをグラフト重合させて得られるカーボンブラック・グラフトポリマーを含む溶液と、有機溶媒にピッチを溶解した溶液とを混合して調製するグラフトカーボン塗液の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載のグラフトカーボン塗液を、基材に塗布または含浸し熱処理して発熱素子を形成し、該発熱素子の表面を電気絶縁材で被覆せしめてなる面状発熱体。
【請求項7】
基材が、ガラスクロス、ポリイミド織布、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、またはマイカである請求項6記載の面状発熱体。
【請求項8】
請求項1記載のグラフトカーボン塗液を、基材に塗布または含浸し熱処理して発熱素子を形成し、該発熱素子の表面を電気絶縁材で被覆する面状発熱体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−19209(P2006−19209A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197937(P2004−197937)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【出願人】(390006677)菱有工業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】