説明

グレージング上に輪郭ウェザーストリップを成形する方法

本発明は、少なくとも1つの射出ヘッド3を使用してグレージング2の少なくとも周辺部上に、いくつかの成分、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできた輪郭ウェザーストリップ1を成形する方法であって、射出ヘッド3の出口4を通して射出された前記材料は、前記成形された輪郭ウェザーストリップを形成するように成形キャビティ5内に広げる方法に関する。本発明は、射出ヘッド3の出口4を通して射出された材料が前記成形キャビティ5内に直接広げることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの射出ヘッドの助けをかりてグレージングユニットの少なくとも周辺部の上に、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている輪郭ビードを成形する方法であって、射出ヘッド内に出口開口を通して射出された前記材料がその後成形キャビティ内に広がって(penetrates)前記成形された輪郭ビードを形成する方法に関する。
【0002】
本発明は同様に、この方法を実施する装置と、この方法の実施によって得られるグレージングユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
複数の構成要素からなるプラスチック材料の成形は、長い間知られてきており、例えば「カプセル封入」として知られる技術により、特に、RIM(「反応射出成形」)として知られる技術の実施によって、グレージングユニット、特に自動車グレージングユニットの周縁部上にポリウレタン輪郭ビードを形成するのに使用されている。
【0004】
構成要素、この例では少なくともポリオールおよびイソシアン酸塩を互いに混合させ、シールを形成する最終材料が泡、凹凸などの形状で点欠陥がない均質外観を有するようにするために、当業者は常に、射出ヘッド内の出口開口と成形キャビティ自体の間に配置され、それによって成形ビードを実現することが可能になる分配経路または混合キャビティおよび/または均質化キャビティタイプの中間手段を通して材料が進む必要があると考えていた。
【0005】
この中間手段の目的は、積層方法で、泡を形成することなく反応混合物を金型内に流すことを可能にすることであった。
【0006】
材料の射出の方向に関して成形キャビティの前に配置された、この混合および/または均質化キャビティは時々、「射出コーン」または「射出ブレード」、または実際「射出スプルー」または「静的混合器」と呼ばれる。このキャビティは時々、絞り部、すなわちその断面が減少する部分を備えている。
【0007】
射出された材料が熱硬化性プラスチックである場合、中間手段内に存在する材料全体は処分しなければならない。というのは、再利用することができないからである。次に、この中間手段内に存在する材料の量は、特に混合および均質化効果がそこで実現される場合、成形ビードの製造のために成形キャビティ内に射出された材料の合計量の最大3分の1を占めている可能性がある。
【0008】
さらに、中間手段内に配置された材料と、時に製品の「射出閾値」と呼ばれる成形ビードを形成する材料の間の連結領域は、ばり(flash)の切断を、その後にこの領域内のその部分の外観の違いをマスキングするために切断領域の研磨を含む仕上げ工程を行うことを必要とする。というのは、材料の2つの部分の間の切断は決して円滑でも直線でもないからである。このステップは自動化することが難しいので、その手動の実現により製造中の費用の追加が生じる。
【0009】
この射出閾値は時に、さらに、輪郭ビードのリップの端部に位置決めされるので、このステップは、ばりの切断中、およびその後の研磨中にリップを損傷しないように注意深く実行しなければならない。
【0010】
さらに、混合および/または均質化を実現することを可能にするキャビティは普通、金型を作る部分の1つで空洞化されている。したがって、このキャビティの存在により金型の実現および製造の前の調査が複雑になる。このキャビティの存在によりまた、金型の設計の費用の追加が生じる。
【0011】
複雑な形状の成形のために、特に、キャビティに含まれる材料を中間手段から放出することが可能なように、平行移動および/または回転動作によって離型中に推進される、金型要素、または「楔」を備えた混合および/または均質化キャビティを実現する必要が時としてある。この種類の複雑な構成は明らかに、金型の実現前の調査において、また金型の製造において費用の実質的な追加を生じる。これらの実現は加えて、金型の保守を複雑にする。というのは、このような良くない機能は材料損失を生じ、したがって輪郭ビードが作られる材料の質を損なう可能性があるからである。
【0012】
製造パラメータにしたがって必要な中間手段の寸法を決めることができるように、多くの作業が当業者に利用可能である。
【0013】
さらに、当業者は欧州特許出願第629482号による特定のタイプの射出経路に精通している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上に規定したような中間手段の存在を必要とせず、したがってその実現のための手段は設計および使用するのがより簡単であまり面倒ではない、多構成要素材料用の射出方法を提案することによって、従来技術の欠点を緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明者らは、驚くべきことに、材料を中間手段を通過させることなく、直接成形キャビティ内への材料の射出を実現することが完全に可能であることを認識した。
【0016】
本発明はまた、その幅広い意味において、少なくとも1つの射出ヘッドの助けをかりてグレージングユニットの少なくとも周辺部の上に、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている輪郭ビードを成形する方法であって、射出ヘッド内に出口開口を通して射出された前記材料がその後成形キャビティ内に広がって前記成形された輪郭ビードを形成する方法であって、射出ヘッド内の前記出口開口を通して射出された材料は前記成形キャビティ内に直接広げることを特徴とする方法に関する。
【0017】
この成形キャビティは、射出された材料がその間に広がる成形壁面によって、またビードが付着するグレージングユニットによって画定されている。
【0018】
したがって、複数の構成要素からなり、射出ヘッド内の前記出口開口から射出されたプラスチック材料は、前記出口開口と前記成形キャビティの間に配置された分配経路または混合キャビティタイプの中間手段を通って進まない。射出ヘッド内の出口開口と、輪郭ビードが上に形成される隣接するグレージングユニットの表面の間の距離は、完成製品上のこのレベルで輪郭ビードの高さに相当し、他の材料は失われない。
【0019】
本発明の意味において、「多構成要素プラスチック材料」という用語は、網目を付けるために、プラスチック材料自体が複数のモノマーの混合および相互作用を必要とすることを伝えることを意図し、したがって、選択した用語は、例えば、触媒および/または促進剤などの、少ないまたは極めて少ない割合(10%未満の割合)の1つまたは複数の重合剤を必要とするプラスチック材料を含んでいない。
【0020】
本発明の実現のために使用される材料としては、多構成要素プラスチック材料とは別に、例えば、ガラス繊維などの補強要素を挙げることができる。ポリウレタン系を備えたプラスチック材料の場合、これらの補強要素が知られている方法で多価アルコールに加えられる。
【0021】
材料は、前記成形キャビティの壁面のレベルで前記出口開口を通して射出されることが好ましい、すなわち、出口開口の中間平面はこの場所で壁面の中間平面内に実質的に合流される。
【0022】
さらに、材料は、隣接するグレージングユニットの平面とほぼ垂直な流れにより、前記出口開口を通して射出されることが好ましい。
【0023】
本発明は同様に、グレージングユニットの少なくとも周辺部の上に、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている輪郭ビードを成形する装置であって、前記装置は材料がこれを通して射出される出口開口を有する少なくとも1つの射出ヘッドと、前記成形された輪郭ビードを形成するための成形キャビティとを備えた装置であって、射出ヘッド内の前記出口開口は前記成形キャビティ内に直接現れることを特徴とする装置に関する。
【0024】
したがって、この装置は、前記出口開口と前記成形キャビティの間に配置された、分配経路または混合キャビティタイプの中間手段を備えていない。
【0025】
出口開口は、前記成形キャビティの壁面と同一平面に配置されていることが好ましい。しかし、本発明による出口開口は、この位置(最大でも約数ミリメートルで、5mm未満)で成形キャビティの壁面に対して僅かに突出するように等しく配置することができるが、これによりその後、最終製品上に中空マークが作り出される。本発明による出口開口は、この位置(最大でも約数ミリメートルで、5mm未満)で成形キャビティの壁面に対して僅かに後退して配置することができるが、これにより最終製品上に突出マークが作り出される。
【0026】
射出ヘッド内の出口開口は、材料が成形キャビティ内に広がることを可能にするように、材料の射出中に開き、残りの時間は閉じている可動フラップ弁を備えている。
【0027】
したがって、輪郭ビードの修復は必要ない。というのは、射出ヘッド内に残っている材料と成形ビードを形成する材料の間の連結領域のレベルでの破断は、可動フラップ弁の動作によりきれいだからである。
【0028】
従来、射出ヘッドは成形要素のそばに固定されており、その少なくとも1つは輪郭ビードの成形前後にそれぞれグレージングユニットの装填および取外しを可能にするように移動可能である。というのは、この射出ヘッドは、複数の構成要素が中で互いに混合され、構成要素は各材料射出期間の間に再循環することを意図しているという事実により複雑だからである。しかし、本発明の実施のために、発明者らは金型の壁面内に射出ヘッドを配置することが完全に可能であり、したがって、この金型が移動可能である場合、各成形サイクル中に射出ヘッドに動作を加えることが可能であることを認識した。
【0029】
したがって、一変更形態では、本発明による装置の射出ヘッドは可動金型要素に固定して連結されている。
【0030】
同様に、一変更形態では、射出ヘッド内の出口開口は、グレージングユニットの隣接した受け平面とほぼ垂直に配置された軸を有するほぼ円形断面を有する。したがって、射出がグレージングユニットの主な平面に隣接して実現される場合、この軸はグレージングユニットのこの主な表面に垂直であり、射出がグレージングユニットの縁部に隣接して実現される場合、開口の軸はその後この縁部と垂直である。
【0031】
本発明は同様に、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている成形された輪郭ビードを備えた少なくとも1つの周辺部上に設けられたグレージングユニットであって、ビードは本発明による方法の実施によって作り出されるユニットに関する。
【0032】
本発明によるグレージングユニットの輪郭ビードは、ばり取りのいかなるマークまたは痕跡も含んでいないが、材料の射出が実現された場所に射出マークを含んでいる可能性がある。
【0033】
この射出マークは、グレージングユニットが嵌合すると、ほとんどまたはまったく見えない輪郭ビード上の位置に配置されていることが好ましい。
【0034】
したがって有利には、本発明により、金型の上流部に中間手段を提供する必要がなく、この部分は射出ヘッドと成形キャビティ自体の間に配置されている。金型の設計および製造はしたがって、簡単であり、あまり面倒ではない。
【0035】
また有利には、本発明により、中間手段の良くない画定またはその良くない実現の場合に陥るリスクが取り除かれる。実際、中間手段が適切に調査されず、最終的に不十分であることが証明されると、成形キャビティの一部と一体的に作られているので、修復が必要となった場合、金型部を設備から引き出し、機械加工を勧めなければならならず、これは長く費用がかかり、成形装置の完全な停止を必要とする。
【0036】
さらに、射出ヘッド内の出口開口と成形ビードを形成する材料の間の連結領域は、仕上げステップを行うことがなくなる。というのは、この領域は円滑で直線的であるからである。したがって、この仕上げステップの費用の節約が達成される。
【0037】
この連結領域は普通、最終的に完成部品上でほとんど見えない位置に設けられている。というのは、これは普通目立ったままであるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明のより優れた理解は、添付の図面と共に、非限定的な例示的な実施形態の以下の詳細な説明から得られる。
【0039】
様々な代表的な要素間の割合は、解釈するのをより容易にするように、これらの図面で厳格には見られないことを指摘する。
【0040】
図1および2は、複数の構成要素、ここではポリウレタン系材料からなるポリマープラスチック材料でできている輪郭ビード(1)が、知られている方法で実現されるグレージングユニット(2)を示している。
【0041】
ビード(1)を作り出す方法は、「カプセル封入」と言われる。というのは、図2から分かるように、成形キャビティ(5)を画定する2つの中空成形要素、上側成形要素(5’)および下側成形要素(5”)でできている金型を備えた成形装置(10)の助けをかりてビード(1)を成形するステップを含んでいるからである。これらの各成形要素は普通、金属ブロックの機械加工によって作り出される。
【0042】
普通、一方の成形要素、ここでは下側成形要素(5”)が固定され、もう一方が移動可能であるが、両方の成形要素を移動可能に準備することが同様に可能である。
【0043】
成形のために、多構成要素プラスチック材料は、2つの成形要素(5’、5”)の結合平面のレベルにほぼ位置決めされた射出ヘッド(3)内側で混合され、出口開口(4)を通して金型の方向に排出される。
【0044】
成形キャビティ(5)内に広がって成形された輪郭ビードを形成する前に、射出ヘッド(3)を通して射出された材料は分配経路(15)を通して進み、この経路はしばしば円筒形であり、しばしば部分的に上側成形要素(5’)内で、また部分的に下側成形要素(5”)内で切断されている。
【0045】
図1では、ビード(1)はグレージングユニット(2)の周辺全体上に配置されているが、このビードはグレージングユニットの周辺のちょうど一部、またはどんなものであれグレージングユニットのあらゆる部分上に完全に十分に位置決めすることができる。
【0046】
成形のために、各成形要素はウェザーストリップシステム(7)によりグレージングユニット(2)の上で再び閉じられるが、より明確にするために、下側金型要素(5”)のウェザーストリップシステム(7)だけを示した。
【0047】
ポリマー材料の射出中に金型の内側で十分な圧力を保持することを可能にするのは、これらのウェザーストリップシステムである。
【0048】
これらのウェザーストリップシステムはまた、ある程度、グレージングユニットの製造許容範囲を修正することが可能である、すなわち、金型内のグレージングユニットの呼び寸法で生じる可能性がある変化を補償することが可能である。
【0049】
各ウェザーストリップシステムは、グレージングユニットの周辺上に位置決めされたリングシールを構成し、ここでは垂直方向に配向された軸Xを有する。というのは、射出は水平方向に位置決めされたグレージングユニット上で行われるからである。しかし、射出が垂直方向に位置決めされたグレージングユニット上で行われる場合、軸Xは同様に水平方向に配向させることができる、またはあらゆる他の方法で配向させることができる。
【0050】
ウェザーストリップシステム(7)は、例えば、シリコーンで作ることができる。
【0051】
ここでは、射出圧力はしばしば、特にPU−RIMに対して数バールから数十バールに近づくことを念頭に置くべきである。
【0052】
グレージングユニット(2)は、モノリシックグレージングユニット、すなわち単一シートの材料で作ることができるもの、または多層グレージングユニット、すなわち積層グレージングユニットの場合に少なくとも1層の接着材料、または二重グレージングユニットの場合少なくとも1つの中間層が間に挿入される複数のシートでできているものであってもよい。材料のシートは、鉱物、特にガラス、または有機物、特にプラスチック材料であってもよい。
【0053】
グレージングユニット(2)は、したがって車両用グレージングユニット、特にフロントガラス、横窓、後部三角窓、または実際ルーフパネルなど固定されたグレージングユニットであってもよい。
【0054】
車両グレージングユニットの場合、グレージングユニットは普通、図2にから分かるように、少なくともその周辺に、装飾用トリム(8)を有する。この装飾用トリムは普通、グレージングユニットの内面上、または合成グレージングユニット用グレージングユニットの中間面上で実現されるエナメルコーティングから得られるが、同様に利用されるシート、特に有機材料でできているシートの材料の部分的および/または周辺着色から得られる可能性がある。図示した場合では、この装飾用トリム(8)は、車両の内部に向かって面することを意図しているグレージングユニットの面でグレージングユニット(2)の下で実現される。
【0055】
射出ヘッド(3)および射出段階外で材料を再循環させるシステムの原理を、図3に詳細に示す。
【0056】
射出ヘッド(3)は、材料射出期間外に出口開口(4)を閉じる可動フラップ弁(9)をその遠位端に備えている。
【0057】
したがって、フラップ弁(9)が閉じており、プラスチック材料が金型内に射出されない場合、各構成要素AおよびBはリザーバから吸い上げられ、ヘッド内部を循環し、そのそれぞれのリザーバ内に送り戻される。構成要素AとBの間には接触がない。
【0058】
それぞれのリザーバに向かう2つの戻り流が遮断され、2つの構成要素AおよびBが射出ヘッド内部での接触を行い、混合され、出口開口(4)を通して排出され、フラップ弁(9)が開いているのは、材料が金型内に射出される段階の間のみである。
【0059】
従来技術では、射出されたプラスチック材料の成分の混合が射出ヘッド内で行われ、完全な均質化がしばしば分配経路(15)の下流端で得られる。得られた混合が完全ではなく、射出された材料が受け入れられない欠点を示す場合、これらの欠点を軽減するために射出パラメータを最適化する反復過程を開始する、またはさらに分配経路(15)を組み込む金型の一部を作り直す必要がある。これは明らかに、時間およびしたがってお金の実質的な損失が生じる。
【0060】
さらに特に、射出サイクルの終わりにフラップ弁(9)の閉じる瞬間に分配経路(15)内に配置された材料全体が失われ、廃棄しなければならない。
【0061】
図4および5は、本発明によれば、複数の構成要素、ここではポリウレタンで構成されたポリマープラスチック材料でできている輪郭ビード(1)が実現されるグレージングユニット(2)を示している。
【0062】
ビード(1)の成形は、図5から分かるように、成形キャビティ(5)を画定する2つの中空成形要素、上側成形要素(5’)および下側成形要素(5”)でできている金型を備えた成形装置(11)の助けをかりて行われる。
【0063】
確立することができるように、図4および5に示す本発明による装置は、射出ヘッド(3)内の前記出口開口(4)を通して射出される材料が、前と同様に、前記出口開口(4)と前記成形キャビティ(5)の間に配置された分配経路または混合キャビティタイプの中間手段を通して進むことなく、前記成形キャビティ(5)内に直接広げるという点において、図1および2に示す従来技術のものとは異なる。
【0064】
ここで使用される射出ヘッドは前と同じであるが、前に説明したように位置決めされてはいない。ここでは、成形要素、この場合は、材料が成形キャビティ(5)の壁面(6)のレベルで出口開口(4)を通して射出されるように固定された成形要素である下側成形要素(5’)と一体化されている。
【0065】
ここで図示した本発明の場合は、材料射出期間外に出口開口(4)を閉じる可動フラップ弁(9)は、壁面(6)に対して同一平面上にある。
【0066】
したがって、ある種の中間手段内で失われる材料はなく、大量生産運転では、材料の節約が実質的に得られる。
【0067】
射出されたプラスチック材料の成分の混合は、射出ヘッド内で行われる。得られる混合が完全ではなく、射出された材料が受け入れられない欠点を示す場合、これらの欠点を軽減するために射出パラメータを最適化する反復過程を開始する必要がある。
【0068】
構成要素の混合を完了させるためには、射出ヘッド内で、射出方向に関してフラップ弁(9)の前に、絞り部、すなわち構成部品混合導管の断面が小さくなる部分を設けることが可能である。
【0069】
驚くべきことに、さらに、射出パラメータは1つの成形から別の成形まで簡単に再生可能であり、新しい部品運転が異なる金型形状で開始すると、前に実現された射出が正しかった場合、さらに射出材料の量が変わった場合、新しい射出を最適化し、必要な品質を得るために少数の試用で十分であるが、混合物を均質化する中間手段がない。
【0070】
出口開口(4)は、グレージングユニットの隣接する受け入れ平面と垂直に配置された軸Zを有するほぼ円形断面を有する。
【0071】
さらに、車両グレージングユニットの場合、グレージングユニットは普通、その周辺の少なくとも一部に、装飾用トリム(8)を有する。
【0072】
ここに示す本発明の場合、フラップ弁のレベルに作られる可能性がある円形マークはグレージングユニットが嵌合すると車両の外側から見えないように、射出はグレージングユニットが嵌合すると、車両の外側から見えないビードの面で射出が実現される。
【0073】
さらに、同じ理由で、射出は装飾用トリム(8)の後ろにあるビードの面上で実現される。
【0074】
射出は同様に、どこでも、グレージングユニットが嵌合すると隠されるグレージングユニットの領域内で実現される。
【0075】
同様に、車両グレージングユニットの場合、ビード(1)の成形前に1つ(または複数)のインサートを成形要素(5’、5”)内に位置決めし、それによってビードがこの(または、これらの)インサートを組み込むことが可能である。
【0076】
この(または、これらの)インサートは、ビード(1)とほぼ完全に一体化された(1つまたは複数の)補強インサート、またはグレージングユニットをこれを受けることを意図した湾部内に締め付けるように、ビードを越えて全体的に突起する(1つまたは複数の)締付インサートであってもよい。
【0077】
図5から分かるようにグレージングユニット(2)は、凹凸または泡のいずれもなく円滑であり、ばりを含んでいないが、射出が実現された場所に配置された射出マークを含む適切な表面品質を有するポリマー材料でできている輪郭ビード(1)を備えている。金型から離れた後、このグレージングユニットはその後、ちょうどそのまま顧客まで運ばれる。金型から出る際、顧客への運搬の前にばり取り動作は行われない。
【0078】
本発明は例として上に説明した。当業者は、それでも、特許請求の範囲によって規定されたような特許の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる変更形態を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】水平方向に配向されたグレージングユニット上の従来技術の成形装置の単純化した底面図であり、グレージングユニットの底表面での実現したレベルを示す図である。
【図2】図1のC−C’に沿った断面図である。
【図3】射出ヘッドを供給するために、プラスチック材料の2つの構成要素を再循環させる原則を示す図である。
【図4】水平方向に配向されたグレージングユニット上の本発明の成形装置の単純化した底面図であり、グレージングユニットの底表面での実現したレベルを示す図である。
【図5】図4のD−D’に沿った断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの射出ヘッド(3)の助けをかりてグレージングユニット(2)の少なくとも周辺部の上に、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている輪郭ビード(1)を成形する方法であって、射出ヘッド(3)内に出口開口(4)を通して射出された前記材料がその後成形キャビティ(5)内に広がって前記成形された輪郭ビードを形成する方法であって、射出ヘッド(3)内の前記出口開口(4)を通して射出された材料が前記成形キャビティ(5)内に直接広げることを特徴とする、方法。
【請求項2】
射出ヘッド(3)内の前記出口開口(4)から射出された材料が、前記出口開口(4)と前記成形キャビティ(5)の間に配置された分配経路または混合キャビティタイプの中間手段を通って進まないことを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
【請求項3】
材料が、前記成形キャビティ(5)の壁面(6)内の前記出口開口(4)を通して射出されることを特徴とする、請求項1または2に記載の成形方法。
【請求項4】
材料が、隣接するグレージングユニットの平面とほぼ垂直な流れにより、前記出口開口(4)を通して射出されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の成形方法。
【請求項5】
グレージングユニット(2)の少なくとも周辺部の上に、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている輪郭ビード(1)を成形する装置(11)であって、前記装置は前記材料がこれを通して射出される出口開口(4)を有する少なくとも1つの射出ヘッド(3)と、前記成形された輪郭ビードを形成するための成形キャビティ(5)とを備えた装置であって、射出ヘッド(3)内の前記出口開口(4)が前記成形キャビティ(5)内に直接現れることを特徴とする、装置。
【請求項6】
前記出口開口(4)と前記成形キャビティ(5)の間に配置された、分配経路または混合キャビティタイプの中間手段を備えていないことを特徴とする、請求項5に記載の装置(11)。
【請求項7】
前記出口開口(4)が、前記成形キャビティ(5)の壁面(6)と同一平面に配置されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の装置(11)。
【請求項8】
射出ヘッド(3)が、可動金型要素(5’)に固定連結されていることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の装置(11)。
【請求項9】
前記出口開口(4)が、グレージングユニットの隣接する受け入れ平面とほぼ垂直に配置された軸Zを有するほぼ円形断面を有することを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の装置(11)。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法の実施によって作り出される、複数の構成要素、特にポリウレタン系材料からなるプラスチック材料でできている成形された輪郭ビード(1)を備えた少なくとも1つの周辺部上に設けられた、グレージングユニット(2)。
【請求項11】
輪郭ビード(1)が、ばり取りのいかなるマークまたは痕跡も含んでいないことを特徴とする、請求項10に記載のグレージングユニット(2)。
【請求項12】
輪郭ビード(1)が、材料の射出が実現された場所に射出マークを含んでいることを特徴とする、請求項10または11に記載のグレージングユニット(2)。
【請求項13】
前記射出マークが、グレージングユニットが嵌合すると、ほとんどまたはまったく見えない輪郭ビード上の位置に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のグレージングユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−531346(P2008−531346A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557527(P2007−557527)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050144
【国際公開番号】WO2006/092472
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(399052888)サン−ゴバン グラス フランス (23)
【Fターム(参考)】