説明

ケルセチン含有組成物

本発明はケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCを含有する組成物に関する。また、身体的もしくは精神的能力を増強し、または様々な疾患もしくは障害を治療するための当該組成物の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
ケルセチンなどの天然の抗酸化剤のいくつかは、急性期および慢性期のフリーラジカル誘発性疾患を抑制することが知られている。さらに、ある天然抗酸化剤は、たとえば、ヒドロキシラジカル、超酸化物、一酸化硫黄、二酸化硫黄、および二酸化窒素のような生体関連酸素種との反応において、相乗効果をしめす。
【発明の概要】
【0002】
(要約)
本発明の実施形態として、ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCを含有し、ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの重量比が、1:0.02〜1:0.2〜2.5である組成物であることを特徴とする。
【0003】
前記組成物は、乾燥物(たとえば、紛体もしくは錠剤)、または液体(たとえば、飲料もしくはシロップ)のどちらかの形態であり、ダイエット用サプリメントまたは薬剤として使用できる。ダイエット用サプリメントまたは薬剤は、錠剤、カプセル剤、ソフト剤、ゲル剤の形態でありうる。また、この組成物は食品にも使用できる。例としては、茶(たとえば、茶飲料やティバックの成分)、清涼飲料水、ジュース(たとえば、果物抽出物やジュース飲料)、牛乳、コーヒー、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、クッキー、シリアル、チョコレート、スナック菓子)が挙げられる。
【0004】
また他の実施形態としては、本発明は、実質的に、ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCからなるものである。本明細書中における「実質的に〜からなる」とは、配合成分を、前述した3成分および本明細書中に記述した1または2以上の対象となる疾患(たとえば、精神疲労、ウイルス感染、または腫瘍など)の治療効果のような基本的および新規の特性が実質的に影響されることのないものに限定したものである。このような組成物の例としては、前記3成分および医薬として認可された担体を含む組成物である。また別の例としては、3成分および種々の不活性添加物(たとえば、賦形剤、甘味料、人口調味料)を含むソフト剤組成物が挙げられる。
【0005】
さらに他の実施形態として、本発明は、身体的または精神的能力を増強する方法を特徴とする。この方法は、前記組成物の有効量を必要とする対象者へ投与することを含む。身体的能力の改善例として、スタミナ力の増加、並びにスピード、体力、力、持久力、柔軟性、敏捷性、バランス力、焦点調整力、反応時間、および疲労回復の改善が含まれる。精神的能力の改善例としては、鋭さ、注意持続時間、賢さ、認識能、および/または気分の高揚からの改善、並びにうつ、不安、および/もしくは精神疲労(たとえば、激しい運動からくるものなど)の回復または低減が挙げられる。組成物を適切に投与することで、対象者の身体的または精神的能力は、有害な副作用なしで、著しく増強されうる。
【0006】
さらに別の実施形態として、本発明は、前記組成物の有効量を必要とする対象者に投与することで、C反応性タンパク質関連障害(たとえば、循環器障害)を治療する、またはコレステロール値を低下させる方法である。
【0007】
また、さらに別の実施形態として、本発明は、以下に示す1または2以上の疾患を治療するために、前記組成物の有効量を、必要とする対象者に投与する方法である。前記疾患としては、自己免疫疾患、炎症性疾患、関節炎、腫瘍、糖尿病、性的機能不全、慢性便秘、風邪、ウイルス性および細菌性感染症(たとえば、上気道感染症など)、または神経変性疾患(たとえば、加齢脳変性疾患など)が挙げられる。
【0008】
また、本発明の範囲には、前記障害または疾患の治療時に使用する前述した組成物を含む組成物、および前記治療のための薬剤の製造のための当該組成物の使用も含まれる。
【0009】
本発明の1または2以上の実施形態の詳細を以下に記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、詳細な説明および請求項の範囲から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本発明は、少なくともある部分は、活性成分としてケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCを含む組成物が健康への相乗的有益性を示し、対象者の身体的または精神的能力を増強するが、その上、経口投与において、ケルセチン単独に比べてケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの組み合わせにより、血漿中のケルセチン濃度が著しく高くなるという、予期しなかった発見に基づいている。さらに関連して驚くべきことに、ケルセチン単独またはケルセチンおよびビタミンB3の組み合わせに比べ、ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの組み合わせは血漿中のケルセチン濃度を5倍まで高く維持できる。また、ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの組み合わせた場合の血漿中のケルセチンの半減期は、ケルセチン単独の2倍、並びにケルセチンおよびビタミンB3の組み合わせの約1.5倍もの長い半減期を示す。
【0011】
本発明における前記組成物のケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの重量比は、1:0.02〜1:0.2〜2.5であり、またはこの重量比の間である。たとえば、重量比は、1:0.04〜0.5:0.3〜2.0、1:0.05〜0.3:0.4〜1.5、1:0.05〜0.2:0.5〜1、および1:0.1〜0.2:0.5〜1である。望ましい組成比としては、約1:0.02:1、約1:0.04:1、約1:0.08:1、約1:0.05:1.5、および約1:0.16:1である。通常、対象者は、日に一度または定期的に、ケルセチンが100mg〜2g(望ましくは250mg〜1g)になる量の組成物を投与される。「ケルセチン」とは、ケルセチンアグリコンおよびケルセチン誘導体のどちらも意味し、たとえば、ケルセチン−3−O−グルコシド、ケルセチン−5−O−グルコシド、ケルセチン−7−O−グルコシド、ケルセチン−9−O−グルコシド、ケルセチン−3−O−ルチノシド、ケルセチン−3−O−[α−ラムノシル−(1→2)−α―ラムノシル−(1→6)]−β−グルコシド、ケルセチン3−O−ガラクトシド、ケルセチン7−O−ガラクトシド、ケルセチン3−O−ラムノシド、およびケルセチン7−O−ガラクトシドがある。消化後、ケルセチン誘導体はケルセチンアグリコンおよびその他の活性誘導体に変換され、体内へ吸収される。前述したケルセチンの量は、ケルセチンアグリコンまたはケルセチン誘導体のケルセチン部分を意味する。ケルセチンは純粋品または混合物の一成分(たとえば、植物抽出物)として組成物に添加できる。ケルセチンは、Quercegen Pharma LLC(Newton、MA)およびMerck KGaA(Brazil)から、QU995(99.5%ケルセチン含有)、QU985(98.5%ケルセチン含有)が市販品として入手可能である。本明細書における「ビタミンB3」は、種々の形態のビタミンB3を含み、ナイアシンアミド、ニコチン酸、ニコチンアミド、ヘキサニコチン酸イノシトールが挙げられる。本明細書における「ビタミンC」としては、ビタミンC(たとえば、L−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸、またはその両方)およびその塩(たとえばアスコルビン酸ナトリウム)が挙げられる。
【0012】
本発明の組成物は、種々の形態をとることができる。たとえば、ケルセチン、ナイアシンアミド、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、糖、コーンシロップ、スクラロース、大豆レシチン、コーンスターチ、クリセリン、パーム油、キシリトール、カラギーナン、FD&C黄色6番、FD&C黄色5番、並びに、天然および/または人口香料を含むソフト剤組成物が挙げられる。前記ソフト剤組成物(5.15g)として、ケルセチン 250mg、ビタミンB3(たとえば、ナイアシンアミド) 12.9mg、およびビタミンC(たとえば、L−アスコルビン酸およびアスコルビン酸ナトリウム) 382.8mgを例示できる。対象者は、前記ソフト剤組成物を毎日、1〜8個(たとえば、4個)摂取することができる。摂取量は、たとえば、治療する障害または疾患、および対象者の身体状態によって変えることができる。前記ソフト剤組成物のもうひとつの例として、ケルセチン 5.25wt%、ビタミンB3 0.25wt%、およびビタミンC(たとえば、L−アスコルビン酸およびアスコルビン酸ナトリウム) 7.81wt% が挙げられる。
【0013】
本発明の組成物は、さらに1または2以上の活性成分を含有することができ、活性成分としては、イソフラボン(たとえば、ゲニステインまたはゲニスチン)、クルクミン、レスベラトロール、イソケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)、CoQ10、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)などが挙げられる。前記活性成分は、純粋品または混合物(たとえば、植物または動物からの抽出物)の一成分として組成物に添加できる。前記活性成分の一日の服用量としては、たとえば、治療する障害または疾患、および対象者の身体状態によって、それぞれ変えることが望ましい。前記活性成分の一日の服用量は、それぞれ、クルクミン 20〜2,500mg(好ましくは250〜1,000mg)、レスベラトロール 10〜1,000mg(好ましくは100〜500mg)、イソケルセチン 10〜1,000mg(好ましくは100〜250mg)、EGCG 50〜1,000mg(好ましくは100〜700mg)、ゲニステイン/ゲニスチン 25〜300mg(好ましくは50〜100mg)、ルテオリン 10〜1,000mg(好ましくは100〜200mg)、EPA 50〜1,000mg(好ましくは70〜500mg)、およびDHA 50〜1,000mg(好ましくは80〜700mg)として例示できる。さらに、本発明の組成物は、甘みを付与することもでき、必要であれば、ソルビトール、マルチトール、水添グルコースシロップおよび水添でんぷん加水分解物、ブドウ糖果糖液糖、甘蔗糖、甜菜糖、ペクチン、並びにスクラロースのような甘味料を添加することができる。前記組成物は、また、アミノ酸、脂肪酸、タンパク質、繊維、ミネラル、調味料、または着色剤を含有することもできる。アミノ酸の例としては、テアニン(たとえば、L−テアニン)またはアラニン(たとえば、L−アラニン)が挙げられる。脂肪酸の例としては、ω−3−脂肪酸(たとえば、リノレン酸)、ω−6−脂肪酸(たとえば、リノール酸)、ω−9−脂肪酸(たとえば、オレイン酸)が挙げられる。タンパク質の例としては、大豆タンパク質またはチーア種子タンパク質のような、植物性タンパク質が挙げられる。繊維の例としては、大豆繊維、チーア種子繊維のような、植物性繊維が挙げられる。前記成分は、純粋品または混合物の一成分(たとえば、植物または動物からの抽出物)として前述した組成物に添加することができる。
【0014】
前記組成物が粉体である場合、飲料、ペースト、ゼリー、カプセル剤、または錠剤を容易に調製し、使用することができる。ラクトースおよびコーンスターチは通常、カプセル剤の希釈剤および錠剤の担体として使用される。潤滑剤は、たとえばステアリン酸マグネシウムがあるが、通常、錠剤に含有されている。
【0015】
本発明の組成物は、ダイエット用サプリメントまたは医薬用製剤として使用できる。ダイエット用サプリメントとしては、たとえばミネラルまたはアミノ酸のように、付加的な栄養物も含有することができる。前記組成物はまた、食品として使用できる。本明細書では、「食品」とは、標準的もしくは加速的成長を持続するため、またはスタミナおよび注意力を維持するための、人や動物に栄養を付与する液体および固体/半固体のあらゆる種類の物質を広く意味する。人の食品としての例としては、以下に限定されないが、茶飲料、ジュース、コーヒー、牛乳、ゼリー、クッキー、シリアル、チョコレート、スナック菓子、ハーブ抽出物、乳製品(たとえば、アイスクリーム、およびヨーグルト)、大豆製品(たとえば、豆腐)、および米製品が挙げられる。
【0016】
本発明の組成物は、有意に、コレステロール値およびC反応性タンパク質値のどちらも低下させ、並びにヘモグロビン値、網状赤血球数、および赤血球の質量を増加させる。たとえば、本発明の組成物は、C反応性タンパク質値が標準より高い対象者、および標準C反応性タンパク質値が標準である対象者のどちらにおいても、C反応性タンパク質値を低下させる。さらに、前記組成物は、たとえば、筋細胞および脳細胞におけるミトコンドリアの発生または保持率を増加させ、ミトコンドリアDNAの損傷およびミトコンドリアの損失を低下させ、またはシトクロムC値およびクエン酸シンターゼ活性を増加させる。そのため、前記組成物は人および動物のミトコンドリア欠損関連疾患の治療に有効である。前記組成物は遺伝子発現およびヘルパーT細胞(Th1)サイトカイン(たとえば、γインターフェロン)の活性を誘発し、またヘルパーT2細胞(Th2)サイトカイン(たとえば、インターロイキン13)を下方制御することもできる。さらに、前記組成物は、以下に示す3つの酵素の1または2以上の発現および/または活性を抑制する。前記酵素とは、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP1)、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)、シクロオキシゲナーゼ2(COX2)の3つである。また、前記組成物は、たとえば、エピレグリン媒介経路のような、上皮成長因子受容体によって媒介された経路を抑制することができる。前記組成物は、身体的もしくは精神的能力を増強または維持するため、身体的にストレスのかかった競技者または非競技者の感染症を減らすため、および激しい運動からの免疫機構回復を改善するために使用できる。また前記組成物は、サーチュインの活性化剤となりうる。
【0017】
また、前記組成物は、疾患や障害の治療にも使用でき、たとえば、C反応性タンパク質関連障害、自己免疫疾患(たとえば、多発性硬化症、甲状腺炎、リウマチ性関節炎、筋炎、狼瘡、または小児脂肪便症)、皮膚疾患(たとえば、アトピー性皮膚炎、じんましん、または乾癬)、肺疾患(たとえば、ぜんそく、肺線維症、または慢性閉塞性肺疾患前立腺炎疾患)、前立腺炎、関節炎、腫瘍、糖尿病(II型)、性的機能不全、慢性便秘、炎症性疾患(たとえば、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患)、感染症、神経変性疾患(たとえば、失語症、統合運動障害、自閉症、アスペルガー症、アルツハイマー病、および軽度認識障害)、および発達障害(たとえば、注意力欠如障害または注意欠陥過活動性障害)に使用でき、脳損傷(たとえば、脳による身体的損傷)の治療、集中力または気分の改善、免疫機構の改善、およびコレステロール値または血圧の低下のために使用できる。「C反応性タンパク質関連障害」とは、血液中のC反応性タンパク質の数が増加するあらゆる障害を意味し、たとえば、炎症または循環器障害(たとえば、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心臓疾患、脳梗塞、および末梢動脈障害疾患)が挙げられる。「腫瘍」とは、良性腫瘍または悪性腫瘍(たとえば、白血病、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、乳癌または肺癌)を意味する。「感染症」とは、ウイルス、細菌、寄生、および他の微生物からの感染症を意味する。前記組成物により治療可能なウイルス感染症の例として、インフルエンザ(たとえば、鳥インフルエンザまたはウイルスH5N1亜型A型インフルエンザ)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、単純ヘルペスウイルス感染症、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症、ライノウイルス(たとえば、ヒトライノウイルス)感染症、およびコロナウイルス感染症が挙げられる。前記組成物によるウイルス感染症の治療のメカニズムには、ウイルスのRNAまたはDNAの減少(たとえば、転写、逆転写、および翻訳の阻害により生じる)によるウイルス増殖の初期段階抑制が関与している。細菌感染症は、グラム陽性またはグラム陰性細菌による感染、および嫌気性または好気性細菌による感染がある。寄生感染症の例としては、リーシュマニア症、マラリア症、およびトリパノソーマ症が含まれる。感染症の他の例としては、呼吸器感染症、消化管感染症、尿路感染症、血液感染症、および神経系感染症が挙げられる。
【0018】
さらに、前記組成物は、前述した疾患または障害の自覚症状を治療するのに使用できる。たとえば、多発性硬化症の自覚症状を減少させるのに使用でき、その例として、筋衰弱、筋肉の萎縮、痛み(たとえば、顔面痛および原因が明確でない痛み)、電気ショック感覚、身体部分の位置感覚の喪失、筋肉運動の調整の失調(Loss of coordination)(たとえば、スピーチのとき)、微細運動を行っているときの身震い、急速交互運動の能力の喪失(たとえば、リズムに乗った動き)、および短期間または長期間の記憶喪失などが挙げられる。さらに別の例として、風邪およびインフルエンザの症状の発生率、重症度、並びに/または症状の持続も減少させるために使用することができる。さらに、前記組成物は、患者の生活の質を改善する、ダイエット用サプリメントとして使用することもできる。たとえば、前記組成物は、肥満を減少させたり(たとえば、体重管理計画として)、加齢を遅めたり、本来の免疫力を強めたり、ならびに皮膚状態、性的能力、および消化を改善するのに使用することができる。
【0019】
さらに、前記組成物は、グリベック、タキソール、およびタモキシフェンのような薬の化学療法から引き起こされる副作用を低減することにも使用でき、また、前記組成物を必要とする患者、たとえば、癌やAIDSの患者の活力を高めるものとしても使うことができる。さらに、人と馬などの動物のどちらにおいても、運動能力を増強するのに使用することができる。
【0020】
「改善」、「増強」、「治療」、および「低下」とは、本発明の組成物の有効量を対象者(1または2以上の前述した疾患を改善する必要のある人、あるいは1または2以上の前述した障害、あるいは1または2以上の障害または疾患の症状もしくは傾向を持っている人)に、1または2以上の前記疾患を改善、あるいは1または2以上の前記障害、あるいは1または2以上の前記症状もしくは傾向を抑制、治療、軽減、緩和、改善、および改良する目的で投与することを意味する。「投与」とは、あらゆる望ましい形態で、本発明の組成物を対象者へ、経口または非経口で与えることで、たとえば、食品、飲料、錠剤、カプセル剤、混濁液、および溶液が挙げられる。「非経口」とは、皮下の、皮肉の、静脈の、筋肉内の、関節内の、動脈内の、滑液嚢内の、胸骨内の、くも膜下腔の、病巣内の、および頭蓋内の注射を意味し、さらに、様々な注入技術のことである。「有効量」とは、身体的有用性(たとえば、持久力改善)または治療の有用性(たとえば、コレステロール値もしくはC反応性タンパク質値の低下、またはアテローム性動脈硬化症もしくは心臓疾患の危険性の低減)が付与されるのに十分な前記組成物の服用量である。vivoおよびvitroの研究より、最適な投与経路と服用量を決定することができる。
【0021】
前記組成物は、前記疾患の治療における有効性を事前にvitroでスクリーニングし、その後、動物実験および臨床試験により確認することができる。他の好適な分析的および生体的なアッセイは、当業者にとって自明である。たとえば、ケルセチンの生体利用性は、薬物動態実験を行うことにより測定でき、また血漿−薬の濃度時間曲線の曲線下の面積によって評価することができる。
(他の実施形態)
本明細書に開示されたすべての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせられうる。本明細書に開示されたそれぞれの特徴は、同一の、等価な、または類似の目的に資する他の特徴により置換されうる。よって、そうでないと明記しない限り、開示されたそれぞれの特徴は、等価な、または類似の上位概念の一連の特徴の例示にすぎない。
【0022】
上述の記載から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に把握することができ、その思想および範囲から逸脱することなく、本発明を種々の用途および条件に適合させる目的で種々の変更および修飾を加えることが可能である。よって、他の実施形態もまた、後述する特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCを含み、ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの重量比が、1:0.02〜1:0.2〜2.5である組成物。
【請求項2】
前記重量比が、1:0.05〜0.2:0.5〜1であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記重量比が、1:0.1〜0.2:0.5〜1であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記重量比が、1:0.04:1であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記重量比が、1:0.08:1であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
乾燥体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
液体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
食品である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
食品が、茶、清涼飲料、ジュース、牛乳、コーヒー、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、クッキー、シリアル、チョコレート、またはスナック菓子である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物がダイエット用サプリメント、または医薬用製剤である、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
組成物が錠剤、カプセル剤、ソフト剤、ゲル剤である、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
クルクミンをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
実質的にケルセチン、ビタミンB3およびビタミンCからなる組成物。
【請求項14】
ケルセチン、ビタミンB3、およびビタミンCの重量比が、1:0.02〜1:0.2〜2.5であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記重量比が、1:0.05〜0.2:0.5〜1である請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記重量比が、1:0.1〜0.2:0.5〜1である請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記重量比が、1:0.04:1である請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記重量比が、1:0.08:1である請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1または13に記載の組成物の有効量を、必要とする対象者に投与することを含む、身体的、または精神的な能力を増強する方法。
【請求項20】
一日にケルセチンが100mg〜2gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
一日にケルセチンが250mg〜1gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
一日にケルセチンが1gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
請求項1または13に記載の組成物の有効量を、必要とする対象者に投与する、C反応性タンパク質関連障害の治療方法。
【請求項24】
前記障害が循環器障害である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
一日にケルセチンが100mg〜2gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
一日にケルセチンが250mg〜1gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
一日にケルセチンが1gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
請求項1または13に記載の組成物の有効量を、必要とする対象者へ投与することにより、コレステロール値を低下させる方法。
【請求項29】
一日にケルセチンが100mg〜2gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
一日にケルセチンが250mg〜1gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
一日にケルセチンが1gとなる量の組成物を対象者へ投与することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
請求項1または13に記載の組成物の有効量を、必要とする対象者に投与することを含む疾患または障害の治療方法であって、前記疾患または障害が、自己免疫疾患、皮膚疾患、肺疾患、前立腺炎疾患、関節炎、腫瘍、糖尿病、性的機能不全、慢性便秘、感染症、または神経変性疾患である方法。
【請求項33】
前記自己免疫疾患が多発性硬化症、または小児脂肪便症である、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記腫瘍が、白血病、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、乳癌、または肺癌である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記感染症が、ウイルス感染または細菌感染である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記ウイルス感染が、インフルエンザ、ヒト免疫不全ウイルス感染、単純ヘルペスウイルス感染症であることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記神経変性疾患が、失読症、統合運動障害、自閉症、アスペルガー症、アルツハイマー病、または軽度認識障害であることを特徴とする、請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2009−543883(P2009−543883A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520941(P2009−520941)
【出願日】平成19年7月16日(2007.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/073578
【国際公開番号】WO2008/011363
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509016564)
【Fターム(参考)】