説明

ケースモールド型コンデンサ

【課題】ハイブリッド自動車等に使用されるケースモールド型コンデンサに関し、小型薄型化と大容量化の両立を目的とする。
【解決手段】バスバー2、3で接続した金属化フィルムコンデンサ素子1をケース4に収容して樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、金属化フィルムコンデンサ素子1を、PPフィルム上に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを巻芯上に巻回し、扁平化して断面小判形の素子を形成し、この素子断面の長径をa、短径をbとした時のa/b=3以上でa=60mm以上、かつ、誘電体フィルム厚の3〜10倍厚のPPフィルムを5〜10T巻回した巻芯を用い、巻芯から素子外周面までを14mm以下とした構成により巻芯強度を最適にでき、大容量で小型薄型化を図って体積効率を向上させた金属化フィルムコンデンサ素子とこれを用いたケースモールド型コンデンサが実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に使用され、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路の平滑用、フィルタ用、スナバ用に最適な金属化フィルムコンデンサを用いたケースモールド型コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インバータ機器に用いられる金属化フィルムコンデンサにおいて、小型化、高性能化、低コスト化のための開発が盛んに行われている。また、インバータ機器に用いられる金属化フィルムコンデンサには、使用電圧の高電圧化、大電流化、大容量化等が要求されるため、並列接続した複数のコンデンサ素子をケース内に収納し、このケース内に樹脂を注型したケースモールド型コンデンサが開発され、使用されている。
【0003】
図7(a)、(b)はこの種の従来のケースモールド型コンデンサの構成を示した正面断面図と側面断面図であり、図7において、11は金属化フィルムを巻回または積層したコンデンサ素子、12はこのコンデンサ素子11を収納したコンデンサケース、13はコンデンサケース12に充填されたエポキシ樹脂、14はこのエポキシ樹脂13上に充填されたウレタン樹脂、15はコンデンサ素子11に接続されると共に外部機器等に接続するための接続端子、16は樹脂注型部に注型するためのコンデンサケース12の開口部、17はコンデンサ素子11の両端に設けた一対の電極である。
【0004】
そして、上記コンデンサ素子11は、片面または両面に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対の金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向するように巻回し、断面が楕円形または小判形に形成され、両端面に一対の電極17を設けたものであり、これらを複数個並べている。また、接続端子15は複数個のコンデンサ素子11の各電極17に接続することでコンデンサ素子11を並列に接続し、さらに外部と接続できるようにしている。また、コンデンサケース12は、コンデンサ素子11を収納すると共に接続端子15の一部を内蔵している。そして、接続端子15の一部はコンデンサケース12から突出させ、外部機器等と接続できるようにしている。
【0005】
さらに、ケース開口部16からコンデンサケース12内にエポキシ樹脂13を注型し、硬化させた後にウレタン樹脂14を注型しており、このようにすることで図7(b)で示すようにエポキシ樹脂13とウレタン樹脂14の2層構造となるようにしているものであった。
【0006】
このように構成された従来のケースモールド型コンデンサは、コンデンサ素子11を耐熱性、耐湿性、耐絶縁性に優れたエポキシ樹脂13にて外装した後、エポキシ樹脂13層上に弾性があり、割れにくいウレタン樹脂14層を形成することにより、耐熱性、耐湿性、耐絶縁性に優れ、かつ、ヒートショック試験等の耐環境性の向上を図れるケースモールド型コンデンサを得ることができるというものであった。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2003−338423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記従来のケースモールド型コンデンサでは、更なる大容量化と小型薄型化の市場要望に対応するために、大容量化を実現し、かつ、限られたスペース内に収容するコンデンサ素子の形状を工夫して体積効率を向上させようとした場合には、更なる扁平化が必要であり、これを実現するには多くの問題を有するものであった。
【0009】
すなわち、上記扁平形のコンデンサ素子を作製するには、大型の円形のコンデンサ素子を作製し、これを扁平に加工して作製する方法が最も量産に適した方法であるが、この場合には巻芯の強度が大きな問題となり、巻芯の強度が強過ぎると巻回後に巻芯を抜き取る際に抜き難く、さらに、扁平に加工するのが難しいと共に加工後に元に戻ろうとして膨れが発生し、また逆に、巻芯の強度が弱過ぎると扁平に加工した後のコンデンサ素子の強度が弱くなって希望する形状を維持できないという課題があった。
【0010】
本発明はこのような従来の課題を解決し、大容量で小型薄型化を図って体積効率を向上させ、しかも生産性、信頼性に優れたケースモールド型コンデンサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも一つの金属化フィルムコンデンサ素子を、外部接続用の端子部を一端に設けたバスバーで接続し、これをケース内に収容して少なくとも上記バスバーの端子部を除いて樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記金属化フィルムコンデンサ素子は、ポリプロピレンからなる誘電体フィルム上に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対の金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向するように巻芯上に巻回して扁平化することにより断面小判形に形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の両端面に夫々設けられた一対の取り出し電極からなり、上記コンデンサ素子の小判形に形成された断面の長径をa、同短径をbとした場合のa/b=3以上でa=60mm以上、かつ、上記金属化フィルムを構成する誘電体フィルム厚の3〜10倍厚のポリプロピレンフィルムを5〜10ターン巻回した巻芯を用い、この巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を14mm以下とした構成のものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によるケースモールド型コンデンサは、断面が小判形に形成されたコンデンサ素子の扁平率を大きくし、かつ大容量化を図っても、巻芯の強度を最適な値に設定することが可能になるため、大容量で小型薄型化を図って体積効率と放熱性を向上させた金属化フィルムコンデンサ素子が実現でき、この金属化フィルムコンデンサ素子を用いて大容量で小型薄型化を図り、信頼性に優れたケースモールド型コンデンサを実現することができるという効果が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態)
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態によるケースモールド型コンデンサの構成を示した斜視図、図2と図3は同モールド前の斜視図であり、図1〜図3において、1は断面小判形に形成された金属化フィルムコンデンサ素子を示し、この金属化フィルムコンデンサ素子1はポリプロピレンからなる誘電体フィルムの片面または両面に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対の金属化フィルムが誘電体フィルムを介して対向するように巻回し、両端面に亜鉛を溶射したメタリコン電極を形成することによってP極電極1aとN極電極1bを夫々設けて構成されたものであり、詳細は後述する。
【0015】
2は上記金属化フィルムコンデンサ素子1のP極電極1a側に接合される錫めっき銅板製のP極バスバー、2aはこのP極バスバー2の一端に設けられた電極となる舌片状の半田付け部、2bはこのP極バスバー2から引き出すように設けられた外部接続用のP極端子であり、このようにP極バスバー2は板状の基材を打ち抜き加工した平板状に構成されているものである。
【0016】
3は上記金属化フィルムコンデンサ素子1のN極電極1b側に接合される錫めっき銅板製のN極バスバー、3aはこのN極バスバー3の一端に設けられた電極となる舌片状の半田付け部、3bはこのN極バスバー3から引き出すように設けられた外部接続用のN極端子であり、このようにN極バスバー3は板状の基材を打ち抜き加工した後に、金属化フィルムコンデンサ素子1の周面と接する主要平面部の一端から半田付け部3aを、他端からN極端子3bを、夫々反対方向に折り曲げた階段状に構成されているものである。
【0017】
4は上記P極バスバー2とN極バスバー3が接合されて連結された金属化フィルムコンデンサ素子1を収納する樹脂製のケースであり、このようにP極バスバー2とN極バスバー3が接合されてケース4内に収納された金属化フィルムコンデンサ素子1は、P極端子2bとN極端子3bがケース4の同一辺から隣接して表出した状態で図示しないモールド樹脂によってモールドされることにより構成されるものである。
【0018】
図4(a)、(b)は上記金属化フィルムコンデンサ素子1を構成するコンデンサ素子を示した正面図と斜視図であり、図4において、5は巻芯、6はポリプロピレンからなる誘電体フィルム上に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムであり、上記巻芯5を図示しない巻芯保持治具で保持した状態で巻芯5の外表面に金属化フィルム6を巻回し、巻回後に上記図示しない巻芯保持治具を巻芯5から抜き取ることによりコンデンサ素子が構成されているものである。
【0019】
なお、本実施の形態によるコンデンサ素子は、図4(a)に示すように円柱状に巻回した後、図4(b)に示すように、図中の上下方向から潰し加工を行って扁平化したものである。また、図中の符号tは、巻芯5からコンデンサ素子の外周面までの寸法を示すものである。
【0020】
以下、具体的な実施例について説明する。
【0021】
(実施例1)
厚み3μm、幅80mmのポリプロピレンからなる誘電体フィルムを用いて構成した金属化フィルムを用い、巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法が7.8mmとなるように巻芯上に巻回して静電容量が150μFのコンデンサ素子を作製した。続いて、これを扁平加工してコンデンサ素子断面の長径aが78.4mm、同短径bが15.6mmとなるようにして、a/bが約5.0、コンデンサ素子の体積効率が95.7%となるようにした。このコンデンサ素子の中心におけるリプル発熱ΔT(K)を測定した結果をコンデンサ素子の仕様と併せて、以下に説明する各実施例と共に(表1)に示す。
【0022】
(実施例2)
巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を9.4mm、コンデンサ素子断面の長径aを65.9mm、同短径bを18.8mmとすることにより、a/bが約3.5、コンデンサ素子の体積効率が93.3%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0023】
(実施例3)
巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を10.2mm、コンデンサ素子断面の長径aを61.2mm、同短径bを20.4mmとすることにより、a/bが3.0、コンデンサ素子の体積効率が91.8%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0024】
(実施例4)
巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を11.3mm、コンデンサ素子断面の長径aを55.6mm、同短径bを22.6mmとすることにより、a/bが約2.5、コンデンサ素子の体積効率が90.7%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0025】
(実施例5)
巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を14.0mm、コンデンサ素子断面の長径aを46.8mm、同短径bを28.0mmとすることにより、a/bが約1.7、コンデンサ素子の体積効率が83.4%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0026】
(実施例6)
巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を15.1mm、コンデンサ素子断面の長径aを44.3mm、同短径bを30.2mmとすることにより、a/bが約1.5、コンデンサ素子の体積効率が80.0%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0027】
(実施例7)
誘電体フィルムの厚みを3.5μm、巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を10.0mm、コンデンサ素子断面の長径aを82.7mm、同短径bを20.0mmとすることにより、a/bが約4.2、コンデンサ素子の体積効率が52.3%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0028】
(実施例8)
誘電体フィルムの厚みを4μm、巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を13.4mm、コンデンサ素子断面の長径aを80.2mm、同短径bを26.8mmとすることにより、a/bが約3.0、コンデンサ素子の体積効率が31.0%となるようにした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0029】
【表1】

【0030】
なお、(表1)における体積効率の計算は、以下に示す(数1)により求めたものである。
【0031】
【数1】

【0032】
また、図5(a)〜(d)は上記実施例1、実施例2、実施例4、実施例6により作製されたコンデンサ素子の断面図、図6は上記各実施例により得られたコンデンサ素子の体積効率とコンデンサ素子中心のリプル発熱の関係を示した特性図である。
【0033】
(表1)ならびに図6から明らかなように、扁平加工したコンデンサ素子の長径aと同短径bの比率である扁平率a/bが大きくなるにつれてコンデンサ素子中心のリプル発熱も小さくなっていることが分かる。また、巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法が小さいほどコンデンサ素子中心のリプル発熱が小さいことも分かる。これは、発熱はコンデンサ素子の中心部が一番高いため、巻回した誘電体フィルムの総厚みを薄くすれば発熱を抑えることができることを意味しているものである。
【0034】
また、実施例7、実施例8は誘電体フィルムの厚みが厚くなったことにより体積効率が低下しており、特に実施例8においては体積効率の低下が著しいことが分かる。
【0035】
このように本実施の形態による金属化フィルムコンデンサは、誘電体フィルムの厚みを3.5μm以下、扁平率a/bを3.0以上とした場合に、高い体積効率を維持しつつ、コンデンサ素子中心のリプル発熱を小さく抑えることができるものである。
【0036】
次に、上記実施例1、実施例2、実施例3のコンデンサ素子を用い、このコンデンサ素子に使用する巻芯の仕様を変化させた場合の特性を評価した。
【0037】
以下、具体的な実施例について説明する。
【0038】
(実施例1−1)
厚み10.5μmのポリプロピレンフィルムを10ターン巻回し、終端部分を溶着してヒートシール部を設けた巻芯を作製し、この巻芯を用いて上記実施例1と同様のコンデンサ素子を作製した。このコンデンサ素子の外観と、90℃、600V、30Arms通電時の寿命試験で容量減少5%に達する時間を測定して評価した結果を巻芯の仕様と併せて、以下に説明する各実施例と共に(表2)に示す。
【0039】
(実施例1−2)
厚み12μmのポリプロピレンフィルムを8ターン巻回した以外は実施例1−1と同様にして作製した。
【0040】
(実施例1−3)
厚み18μmのポリプロピレンフィルムを8ターン巻回した以外は実施例1−1と同様にして作製した。
【0041】
(実施例1−4)
厚み35μmのポリプロピレンフィルムを5ターン巻回した以外は実施例1−1と同様にして作製した。
【0042】
(実施例1−5)
厚み3μmのポリプロピレンフィルムを30ターン巻回した以外は実施例1−1と同様にして作製した。
【0043】
(実施例1−6)
厚み38μmのポリプロピレンフィルムを5ターン巻回した以外は実施例1−1と同様にして作製した。
【0044】
(実施例2−1)
厚み18μmのポリプロピレンフィルムを8ターン巻回し、終端部分を溶着してヒートシール部を設けた巻芯を作製し、この巻芯を用いて上記実施例2と同様のコンデンサ素子を作製した。
【0045】
(実施例2−2)
厚み100μmのポリプロピレンフィルムを1ターン巻回した以外は実施例2−1と同様にして作製した。
【0046】
(実施例3−1)
厚み18μmのポリプロピレンフィルムを8ターン巻回し、終端部分を溶着してヒートシール部を設けた巻芯を作製し、この巻芯を用いて上記実施例3と同様のコンデンサ素子を作製した。
【0047】
(実施例3−2)
厚み100μmのポリプロピレンフィルムを1ターン巻回した以外は実施例3−1と同様にして作製した。
【0048】
【表2】

【0049】
(表2)から明らかなように、巻芯を構成するポリプロピレンフィルムの厚みが3μmと薄いものを用いた実施例1−5の場合には、巻芯の強度が弱すぎるために巻芯保持治具を抜き取る際に巻芯の一部が巻芯保持治具と共に移動してはみ出してしまい、外観不良を引き起こすだけでなく、容量減少率も大きなものとなる。
【0050】
また逆に、巻芯を構成するポリプロピレンフィルムの厚みが38μmと厚いものを用いた実施例1−6の場合には、巻芯の強度が強すぎるために、扁平加工後に元に戻ろうとして膨れが発生してしまい、外観不良を引き起こすだけでなく、容量減少率も大きなものとなり、さらに、ポリプロピレンフィルムの厚みを100μmと厚くした実施例2−2、実施例3−2のものは、この現象が顕著に現れる。
【0051】
以上の結果から、本実施の形態による金属化フィルムコンデンサに用いる巻芯は、金属化フィルムを構成する誘電体フィルム厚の3〜10倍厚のポリプロピレンフィルムを5〜10ターン巻回して構成するのが最も好ましいことが分かる。
【0052】
このように本発明によるケースモールド型コンデンサは、大容量で小型薄型化を図って体積効率を向上させた金属化フィルムコンデンサ素子を用いることにより、小型薄型化ならびに大容量化を同時に図ることができるようになるものである。
【0053】
また、このように小型薄型化と大容量化を両立できることに伴い、デッドスペースの削減や有効活用が可能になり、これにより従来は不可能であった、種類が異なる金属化フィルムコンデンサ素子を同一ケース内に収容することも可能になるものである。そして、この種類が異なる金属化フィルムコンデンサ素子として最も効果が大きいものの一つが、平滑用コンデンサとノイズ除去用コンデンサの組み合わせであり、さらにこれらの種類が異なる金属化フィルムコンデンサ素子を同一バスバーを用いて接続することにより、さらなる小型化と低コスト化を図ることができるようになるという格別の効果を奏するものである。なお、上記ノイズ除去用コンデンサとは、サージ電圧を吸収するスナバコンデンサ、またはラジオ周波数帯域のノイズを除去するコモンモードコンデンサ(Y型コンデンサ)等を意味するものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によるケースモールド型コンデンサは、小型薄型化と大容量化を同時に実現できるという効果を有し、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路の平滑用等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態によるケースモールド型コンデンサの構成を示した斜視図
【図2】同モールド前の斜視図
【図3】同モールド前の斜視図
【図4】(a)同金属化フィルムコンデンサ素子を構成するコンデンサ素子の正面図、(b)同斜視図
【図5】(a)同実施例1により作製されたコンデンサ素子の断面図、(b)同実施例2により作製されたコンデンサ素子の断面図、(c)同実施例4により作製されたコンデンサ素子の断面図、(d)同実施例6により作製されたコンデンサ素子の断面図
【図6】同実施の形態により得られたコンデンサ素子の体積効率と素子中心のリプル発熱の関係を示した特性図
【図7】(a)従来のケースモールド型コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同側面断面図
【符号の説明】
【0056】
1 金属化フィルムコンデンサ素子
1a P極電極
1b N極電極
2 P極バスバー
2a、3a 半田付け部
2b P極端子
3 N極バスバー
3b N極端子
4 ケース
5 巻芯
6 金属化フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの金属化フィルムコンデンサ素子を、外部接続用の端子部を一端に設けたバスバーで接続し、これをケース内に収容して少なくとも上記バスバーの端子部を除いて樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記金属化フィルムコンデンサ素子は、ポリプロピレンからなる誘電体フィルム上に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対の金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向するように巻芯上に巻回して扁平化することにより断面小判形に形成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の両端面に夫々設けられた一対の取り出し電極からなり、上記コンデンサ素子の小判形に形成された断面の長径をa、同短径をbとした場合のa/b=3以上でa=60mm以上、かつ、上記金属化フィルムを構成する誘電体フィルム厚の3〜10倍厚のポリプロピレンフィルムを5〜10ターン巻回した巻芯を用い、この巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を14mm以下としたものであるケースモールド型コンデンサ。
【請求項2】
金属化フィルムコンデンサ素子を構成する誘電体フィルムの厚みを3.5μm以下とした請求項1に記載のケースモールド型コンデンサ。
【請求項3】
金属化フィルムコンデンサ素子の定格容量が150μF以上、定格時の電位傾度が150V/μm以上とした請求項1に記載のケースモールド型コンデンサ。
【請求項4】
複数の金属化フィルムコンデンサ素子に夫々形成された一対の取り出し電極の極性を夫々揃え、この一対の取り出し電極に一対のバスバーを夫々接続した請求項1に記載のケースモールド型コンデンサ。
【請求項5】
一対のバスバーに夫々設けられた外部接続用の端子部を同一辺から取り出すようにした請求項1に記載のケースモールド型コンデンサ。
【請求項6】
種類が異なる金属化フィルムコンデンサ素子を同一ケース内に収容した請求項1に記載のケースモールド型コンデンサ。
【請求項7】
種類が異なる金属化フィルムコンデンサ素子を同一バスバーを用いて接続した請求項6に記載のケースモールド型コンデンサ。
【請求項8】
種類が異なる金属化フィルムコンデンサ素子として、平滑用コンデンサとノイズ除去用コンデンサを用いた請求項6に記載のケースモールド型コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−81006(P2007−81006A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264959(P2005−264959)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】