説明

ケーブル固定部材

【課題】小型化ができ、且つ低コストなケーブル固定部材を提供する。
【解決手段】1枚の帯状の金属板2を折り曲げ加工して形成され、3本のケーブルを構造物に固定するためのケーブル固定部材1であって、金属板2の両端部に形成された2つの締結固定フランジ3と、金属板2の中央部を境にしてその両側を断面C字状に折り曲げて形成され、ケーブルを挟持するための2つのC字状保持部4と、金属板2の中央部を境にしてその両側のC字状保持部4と締結固定フランジ3との間を断面半円弧状に折り曲げて形成され、対面することでケーブルを挟持する2つの半円弧状部5とを備えてなり、3本のケーブルの配置関係が横断面視で三角形状になるように、前記3本のケーブルを挟持するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両のサスペンション周りなどの狭いスペースに配索される3本のケーブルを構造物に固定するためのケーブル固定部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両のサスペンション周りなどの狭いスペースに配索される3本のケーブルは、ケーブルの近傍に配置される部品などへの接触(部品などの破損へ繋がる虞がある)を防止するために、ケーブル固定部材によって車体などの構造物に固定されて、その配索レイアウトが保持されるようになっている。
【0003】
しかして、ケーブルを構造物に固定するケーブル固定部材としては、例えば、図6に示すようなものがある。このケーブル固定部材60は、ケーブルを保持するための半円弧状溝61が形成された2つの半割れ部材62a,62bからなり、これら半割れ部材62a,62bを合体させて端部を構造物にボルト等で締結することで、ケーブルを並列して保持すると共に構造物に固定するようになっている。
【0004】
また、特許文献1には、2枚の帯状板材で構成され、組み付けが容易な配管の固定構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−208244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したケーブル固定部材60では、固定する3本のケーブルの配置が並列方向であるため、結果として、ケーブル固定部材60が占めるエリアが大きくなる傾向にある。これでは、狭いスペースにケーブルを配索する際の自由度が制限されるという問題がある。さらに、ケーブル固定部材60は、2つの半割れ部材62a,62bからなるため、即ち、ケーブル固定部材自体の部品点数が複数であるため、部品コストが高くなる傾向にある。
【0007】
また、特許文献1の固定構造では、板材で構成されているため固定構造自体が小型であり、ケーブルの配索スペースをコンパクト化できるが、帯状の2枚の板材で構成されており、上述同様、複数の部品からなるため部品コストがかかる。
【0008】
このような事情から、小型化ができ、且つ低コストなケーブル固定部材の提供が望まれていた。
【0009】
そこで、本発明の目的は、小型化ができ、且つ低コストなケーブル固定部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、1枚の帯状の金属板を折り曲げ加工して形成され、3本のケーブルを構造物に固定するためのケーブル固定部材であって、前記金属板の両端部に形成された2つのフランジと、前記金属板の基準部を境にしてその両側を断面C字状に折り曲げて形成され、前記ケーブルを挟持するための2つのC字状保持部と、前記金属板の基準部を境にしてその両側の前記C字状保持部と前記フランジとの間を断面半円弧状に折り曲げて形成され、対面することで前記ケーブルを挟持する2つの半円弧状部とを備えてなり、前記3本のケーブルの配置関係が横断面視で三角形状になるように、前記3本のケーブルを挟持することを特徴とするケーブル固定部材である。
【0011】
請求項2の発明は、前記2つのC字状保持部のそれぞれと前記2つの半円弧状部のいずれかに前記ケーブルを配置し、前記2つのC字状保持部のそれぞれを支点として前記金属板を前記フランジが対面、接触するように折り曲げることで、始めに前記2つのC字状保持部のそれぞれに前記ケーブルを挟持した後、前記2つの半円弧状部が対面してその間に前記ケーブルを挟持する請求項1に記載のケーブル固定部材である。
【0012】
請求項3の発明は、1枚の帯状の金属板を折り曲げ加工して形成され、3本のケーブルを構造物に固定するためのケーブル固定部材であって、前記金属板の両端部に形成された2つのフランジと、前記金属板の基準部、及び基準部の両側を断面C字状に折り曲げて形成され、前記ケーブルを挟持するための3つのC字状保持部とを備えてなり、前記3本のケーブルの配置関係が横断面視で三角形状になるように、前記3本のケーブルを挟持することを特徴とするケーブル固定部材である。
【0013】
請求項4の発明は、前記3つのC字状保持部のそれぞれに前記ケーブルを配置し、前記金属板の基準部を支点として前記金属板を前記フランジが対面、接触するように折り曲げることで、始めに基準部のC字状保持部に前記ケーブルを挟持した後、基準部の両側のC字状保持部のそれぞれに前記ケーブルを挟持する請求項3に記載のケーブル固定部材である。
【0014】
請求項5の発明は、前記C字状保持部には、前記金属板を前記フランジが対面、接触するように折り曲げた際に、折れ曲がり易いように、意図的に折り曲げたいラインに沿って、折り曲げ穴や切り込みが形成される請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル固定部材である。
【0015】
請求項6の発明は、前記ケーブルは、金属筒を介して挟持され、前記金属筒は、前記ケーブルの回転を防止すべく前記折り曲げ穴に嵌合する凸部を有する請求項5に記載のケーブル固定部材である。
【0016】
請求項7の発明は、前記金属筒の両端部には、前記ケーブルの長手方向の動きを拘束する鍔部が形成される請求項6に記載のケーブル固定部材である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、小型化ができ、且つ低コストなケーブル固定部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係るケーブル固定部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図2】金属筒を示す図であり、(a)は側面図、(b)は断面図、(c)はケーブルを保持したときの側面図であり、(d)は変形例を示す側面図である。
【図3】(a),(b)は図1のケーブル固定部材の作用を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るケーブル固定部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
【図5】(a),(b)は図4のケーブル固定部材の作用を説明する図である。
【図6】従来のケーブル固定部材を示す図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係るケーブル固定部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【0021】
図1(a)〜(d)に示すように、本実施の形態に係るケーブル固定部材1は、1枚の帯状の金属板2を折り曲げ加工して形成され、車両のサスペンション周りなどの狭いスペースに配索される3本のケーブルを構造物、即ち、車体に固定するためのものである。
【0022】
ケーブル固定部材1は、具体的には、金属板2の長さ方向の両端部に形成され、構造物に固定した際に固定部となる2つの締結固定フランジ3(フランジ)と、金属板2の中央部(基準部)を境にしてその両側を断面C字状に折り曲げて形成され、ケーブルを挟持するための2つのC字状保持部4と、金属板2の中央部を境にしてその両側のC字状保持部4と締結固定フランジ3との間を断面半円弧状に折り曲げて形成され、対面することでケーブルを挟持する2つの半円弧状部5とを備え、3本のケーブルの配置関係が横断面視で三角形状になるように、より詳しくは、3本のケーブルの中心を結んだ形状が三角状(二等辺三角形状や正三角形状)になるように、3本のケーブルを挟持するものである。
【0023】
金属板2としては、耐食性、耐久性に優れた金属からなるものを用いるとよい。金属板2の折り曲げ加工は、プレス加工など任意の方法で行うことができる。このように金属板2は、折り曲げ加工されるため、加工性に優れた金属である必要がある。金属板2の折り曲げ加工に際して、金属板2の折り曲げるべき部分に切り込みなどを形成して折り曲げ加工しやすくしてもよい。
【0024】
金属板2の両端の締結固定フランジ3には、対応する位置にボルト締め用のボルト穴6が形成される。詳細は後述するが、締結固定フランジ3を構造物にボルト締めすることで、ケーブル固定部材1にケーブルが保持されると共に、ケーブル固定部材1が構造物に固定される。
【0025】
C字状保持部4は、ケーブルを独立して保持することができるように、ケーブルの外周の大部分(少なくとも、180°分以上)を囲繞するような形状に形成される。また、C字状保持部4の底部には、複数(図1では3つ)の折り曲げ穴7が形成される。この折り曲げ穴7は、金属板2を締結固定フランジ3が対面、接触するように折り曲げた際に、C字状保持部4をその内面側に潰れるように折り曲げてC字状保持部4内にケーブルを挟持するように、C字状保持部4の底部を意図的に折れ曲がるようにするためのものである。つまり、折り曲げ穴7を形成することでその部分の剛性が他の部分よりも低くなり折れ曲がりやすくなる。また、折り曲げ穴7は、ケーブルの位置合わせをするためのケーブル位置確認用の目視穴としても機能する。
【0026】
なお、本実施の形態においては、C字状保持部4の底部が意図的に折れ曲がるように折り曲げ穴7を形成したが、折り曲げ穴7の代わりに、意図的に折り曲げたいラインに沿って、金属板2の外縁の一端側又は両端側から切り込みを形成することでも同じ効果を得られる。また、折り曲げ穴7をそのままで、両端に位置する折り曲げ穴7に向けて且つ意図的に折り曲げたいラインに沿って、金属板2の外縁から切り込みを形成するようにしても良い。この場合、図1に示すような折り曲げ穴7を意図的に折り曲げたい1つのラインに対して3つ形成する場合に比べ、更に、折り曲げ易くなる。
【0027】
半円弧状部5は、金属板2の中央部を対称軸として対称な位置に形成される。これにより、金属板2を締結固定フランジ3が対面、接触するように折り曲げた際に、半円弧状部5同士が対面し、その間にケーブルが挟持されるようになる。つまり、C字状保持部4は1つでケーブルを独立して保持することができるが、半円弧状部5は対面することで初めてケーブルを所望の保持力で保持することができる。
【0028】
これらC字状保持部4同士、及びC字状保持部4と半円弧状部5は、断面円弧状の接続部8,9によってなだらかに接続されている。
【0029】
このケーブル固定部材1に保持される3本のケーブルは、図2(a),(b)に示すような金属筒20を介して保持される。
【0030】
金属筒20は、両端に開口部21を有する中空の円筒からなる。開口部21の内周面は、ケーブルの挿入を容易にするために拡径されており、外周面には、ケーブル固定部材1に固定されたケーブルが長手方向に動くのを拘束し、ケーブルの抜けなどを防止するための鍔部22が形成されている。つまり、両端の鍔部22間の間隔は、金属板2の幅と略同じにされる。
【0031】
ケーブルをケーブル固定部材1に固定する際には、図2(c)に示すように、金属筒20内にケーブルを挿入した後、金属筒20を長手方向に沿って外周をかしめて(かしめ部23)、ケーブルの所定位置に金属筒20を固定する。本実施の形態では、金属筒20の外周を8点かしめした。
【0032】
なお、金属筒20のかしめ部23の形状は、図2(a)〜(c)に示した形状に限定されるものではなく、例えば、図2(d)に示すように、ケーブルの回転を防止すべく折り曲げ穴7に嵌合する凸部24を形成するようにしてもよい。
【0033】
次に、ケーブル固定部材1を用いたケーブルの固定を図3を用いて説明する。
【0034】
まず、図3(a)に示すように、2つのC字状保持部4内にケーブルA,Bをそれぞれ配置する。その後、2つのC字状保持部4の折り曲げ穴7が形成された底部のそれぞれを支点S1,S2として、金属板2を締結固定フランジ3が対面、接触するように折り曲げる。
【0035】
すると、2つのC字状保持部4のそれぞれがその内面側に潰れるように折れ曲がり、2つのC字状保持部4内にケーブルA,Bがそれぞれ挟持される。
【0036】
ケーブルA,Bが挟持された後、2つの半円弧状部5のいずれかにケーブルCを配置し、さらに金属板2を継続して折り曲げ、2つの半円弧状部5を対面させ、その間にケーブルCを挟持させる。
【0037】
その後、締結固定フランジ3を構造物30にボルト31などにより固定すると、ケーブルA,B,Cが横断面視で三角形状に固定され配索が完了する。このとき、ケーブルA,B,Cが横断面視で正三角形状に近い形状で保持されることで、各ケーブルA,B,Cがコンパクトに、且つ均等な力で固定される。そのため、C字状保持部4と半円弧状部5は、ケーブルA,B,Cをできるだけ正三角形状に保持するように構成するとよい。
【0038】
以上により、3本のケーブルA,B,Cがケーブル固定部材1に保持されると共に、ケーブル固定部材1が構造物30に固定される。なお、本実施の形態においては、ケーブルA,B,Cの挟持後に締結固定フランジ3を構造物30に固定したが、この動作を同時に行うようにしてもよい。これにより、ケーブルA,B,Cの固定作業がより短時間で行える。
【0039】
このように、本実施の形態に係るケーブル固定部材1では、始めにケーブルA,Bを挟持した後、ケーブルCを挟持させている。つまり、2段階でケーブルA,B,Cを固定している。このようにすることで、3本のケーブルA,B,Cを一度に固定するよりも各ケーブルA,B,Cの位置決めがし易くなるだけでなく、各ケーブルA,B,Cが設計どおりに配置することができるようになる。
【0040】
なお、図3(b)に示すように、構造物30の表面にケーブル固定部材1の表面形状に合わせた収容溝32を形成することで、ケーブル固定部材1を構造物30に固定する際に、ケーブル固定部材1と構造物30の位置決めが容易になり、従来に比べて固定作業を短時間で行うことができ、また、固定後は、振動などによるがたつきを防止することができる。
【0041】
以上、要するに、本実施の形態に係るケーブル固定部材1によれば、金属板2の両端部に形成された2つの締結固定フランジ3と、金属板2の中央部を境にしてその両側を断面C字状に折り曲げて形成され、ケーブルA,Bを挟持するための2つのC字状保持部4と、金属板2の中央部を境にしてその両側のC字状保持部4と締結固定フランジ3との間を断面半円弧状に折り曲げて形成され、対面することでケーブルCを挟持する2つの半円弧状部5とを備えるため、ケーブル固定部材1の小型化ができると共に、3本のケーブルA,B,Cを三角形状に挟持することができ、従来の並列方向に固定する場合に比べて、配索スペースをコンパクト化することができる。
【0042】
また、ケーブル固定部材1は、1枚の金属板2を折り曲げ加工して形成されるため部品点数が1つであり、従来のケーブル固定部材に比べて低コスト化を図れる。
【0043】
さらに、ケーブルA,B,Cを段階的に固定することができ、各ケーブルA,B,Cの位置決めがし易くなり、配索性を向上させることができる。
【0044】
次に、本発明の他の実施の形態に係るケーブル固定部材を説明する。
【0045】
図4(a),(b)に示すように、本発明の他の実施の形態に係るケーブル固定部材40は、金属板2の両端部に形成された2つの締結固定フランジ3(フランジ)と、金属板2の中央部(基準部)、及び中央部の両側を断面C字状に折り曲げて形成され、ケーブルA,B,Cを挟持するための3つのC字状保持部41〜43とを備えてなり、3本のケーブルA,B,Cを横断面視で逆三角形状に挟持するものである。
【0046】
つまり、上述のケーブル固定部材1と比べて、ケーブルA,B,Cを逆三角形状に保持する点が異なる。
【0047】
金属板2の中央部に形成されるC字状保持部41の底部には、ケーブル固定部材1のC字状保持部4と同様に折り曲げ穴7が形成される。また、C字状保持部42,43の締結固定フランジ3に近い側の側面には、折り曲げ穴7が形成される。なお、C字状保持部41の底部が一番最初に折れ曲がるように折り曲げ穴7の大きさを調整する。このように、折り曲げ穴7を形成することで、各ケーブルA,B,Cを段階的に固定することができる。
【0048】
C字状保持部41とC字状保持部42,43、及び締結固定フランジ3とC字状保持部42,43は、断面円弧状の接続部44,45によってなだらかに接続されている。
【0049】
このケーブル固定部材40を用いてケーブルA,B,Cを固定する際には、図5(a)に示すように、(1)各ケーブルA,B,Cをケーブル固定部材40の各C字状保持部41〜43内に配置した後、C字状保持部41の底部を支点S3として、金属板2を締結固定フランジ3が対面、接触するように折り曲げる。
【0050】
これにより、まずC字状保持部41がその内面側に潰れるように折れ曲がり、C字状保持部41内にケーブルAが挟持され、次いで、(2)C字状保持部42,43の側面が支点S4,S5となり、内面側に潰れるように折れ曲がり、(3)C字状保持部42,43内にケーブルB,Cがそれぞれ挟持される。
【0051】
その後、(4)締結固定フランジ3を構造物30にボルト31などにより固定すると、ケーブルA,B,Cが横断面視で逆三角形状に固定され配索が完了する。このとき、上述したように、構造物30の表面にケーブル固定部材40の表面形状に合わせた収容溝32を形成してもよい(図5(b))。
【0052】
このケーブル固定部材40でも、上述のケーブル固定部材1と同様の効果を得られる。即ち、ケーブル固定部材40によれば、配索スペースをコンパクト化することができ、且つ低コスト化を図ることができ、さらに配索性を向上させることができる。
【0053】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、C字状保持部4や半円弧状部5の内周面を、金属筒20のかしめ部23に係合するような溝付形状としてケーブルの長手方向の動きをより強固に規制するようにしてもよい。
【0055】
また、本発明の実施の形態では、帯状の金属板2の中央部を基準部とし、その基準部を境にして2つのC字状保持部4を形成したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲ならば、厳密に、中央部を基準部としなくても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 ケーブル固定部材
2 金属板
3 締結固定フランジ
4 C字状保持部
5 半円弧状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の帯状の金属板を折り曲げ加工して形成され、3本のケーブルを構造物に固定するためのケーブル固定部材であって、
前記金属板の両端部に形成された2つのフランジと、
前記金属板の基準部を境にしてその両側を断面C字状に折り曲げて形成され、前記ケーブルを挟持するための2つのC字状保持部と、
前記金属板の基準部を境にしてその両側の前記C字状保持部と前記フランジとの間を断面半円弧状に折り曲げて形成され、対面することで前記ケーブルを挟持する2つの半円弧状部とを備えてなり、
前記3本のケーブルの配置関係が横断面視で三角形状になるように、前記3本のケーブルを挟持することを特徴とするケーブル固定部材。
【請求項2】
前記2つのC字状保持部のそれぞれと前記2つの半円弧状部のいずれかに前記ケーブルを配置し、前記2つのC字状保持部のそれぞれを支点として前記金属板を前記フランジが対面、接触するように折り曲げることで、始めに前記2つのC字状保持部のそれぞれに前記ケーブルを挟持した後、前記2つの半円弧状部が対面してその間に前記ケーブルを挟持する請求項1に記載のケーブル固定部材。
【請求項3】
1枚の帯状の金属板を折り曲げ加工して形成され、3本のケーブルを構造物に固定するためのケーブル固定部材であって、
前記金属板の両端部に形成された2つのフランジと、
前記金属板の基準部、及び基準部の両側を断面C字状に折り曲げて形成され、前記ケーブルを挟持するための3つのC字状保持部とを備えてなり、
前記3本のケーブルの配置関係が横断面視で三角形状になるように、前記3本のケーブルを挟持することを特徴とするケーブル固定部材。
【請求項4】
前記3つのC字状保持部のそれぞれに前記ケーブルを配置し、前記金属板の基準部を支点として前記金属板を前記フランジが対面、接触するように折り曲げることで、始めに基準部のC字状保持部に前記ケーブルを挟持した後、基準部の両側のC字状保持部のそれぞれに前記ケーブルを挟持する請求項3に記載のケーブル固定部材。
【請求項5】
前記C字状保持部には、前記金属板を前記フランジが対面、接触するように折り曲げた際に、折れ曲がり易いように、意図的に折り曲げたいラインに沿って、折り曲げ穴や切り込みが形成される請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル固定部材。
【請求項6】
前記ケーブルは、金属筒を介して挟持され、前記金属筒は、前記ケーブルの回転を防止すべく前記折り曲げ穴に嵌合する凸部を有する請求項5に記載のケーブル固定部材。
【請求項7】
前記金属筒の両端部には、前記ケーブルの長手方向の動きを拘束する鍔部が形成される請求項6に記載のケーブル固定部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−77901(P2012−77901A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226769(P2010−226769)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】