説明

ケーブル目隠し方法及び目隠し構造並びに該構造を備える電子機器

【課題】ケーブルを確実かつ容易に敷設でき、外部から見えないように、安全かつ容易に目隠しできるようにする。
【解決手段】開閉可能な筐体の内部底面にケーブルを納める程度の所定長のケーブル配設用溝部20を設け、ケーブル配設用溝部20にケーブル21を通した後、シート状又はフィルム状の目隠し材22によって、ケーブル21を覆って、目隠しする。目隠し材22は、ケーブル配設用溝部20に通されたケーブル21をその上方から目隠しするための平面部22aと、この平面部22aの縁端部のうち、ケーブル配設用溝部20内に配置される縁端部にて屈曲連設されて、L字曲げとされ、ケーブル21の動きを拘束し、このケーブル21の離脱露出を防止するための側壁部22bとからなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーブル目隠し方法及び目隠し構造並びに該構造を備える電子機器に関し、とくに、薄型の電子機器の開閉可能な筐体に適用して好適である。
【背景技術】
【0002】
電子機器の実装技術において、互いに離れた場所に実装される2つの基板(又は電子部品)間の接続には、各種のケーブルが用いられる(例えば、特許文献1参照)。このとき、もしも、実装されたケーブルがぶらぶらしていると、他の部品と干渉して実装不具合が発生する虞があるので、従来では、基板上に実装された固定金具等を用いて、あるいは、筐体に係止リブを設けて、ケーブルを仮留めすることで、他の実装部品との干渉を防止する工夫がなされていた。
【特許文献1】特開2002−287653号公報(段落0005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、携帯電話機等の筐体内で、例えば、無線部品や制御部品等が実装されるメイン基板と外部カードコネクタ等が実装されるサブ基板とが、電池パック収納部を間に挟んで、互いに遠く離れて実装され、これら2つの基板同士がケーブルで接続される構成では、次のような不具合が発生する虞があった。
すなわち、電池パック収納部の箇所は、エンドユーザが、自由に、筐体内部を見たり触ったりできる箇所である。それゆえ、もしも、エンドユーザが、電池パック収納部の傍を這うケーブルを故意に引き出そうとすると、あくまでも仮留めされただけのケーブルは、容易に引き抜かれることになる。そうすると、機器の安全性が阻害されたり、電気特性が劣化あるいは変動したり、ひどい場合には、機器の破壊を招いたりする虞がある。
【0004】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、他の部品と干渉することなく、ケーブルを確実かつ容易に敷設でき、かつ、外部から安全かつ容易に目隠しできる、特に、薄型の電子機器に適用して好適なケーブル目隠し方法及び目隠し構造並びに該構造を備える電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、電子機器の筐体の内部底面に配設されたケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し構造に係り、前記筐体の内部底面に所定長の段差部が設けられ、該段差部の下段に前記ケーブルが通され、かつ、該ケーブルにはシート状又はフィルム状の目隠し材が被せられ、該目隠し材は、前記段差部の上段に固定されていることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のケーブル目隠し構造に係り、前記目隠し材が、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記目隠し材が、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、該平面部の縁端部のうち、前記段差部内に配置される縁端部にて屈曲又は湾曲連設されて、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のケーブル目隠し構造に係り、前記目隠し材が、前記段差部の上段に接着又は粘着されて固定されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載のケーブル目隠し構造に係り、前記筐体には、エンドユーザが、開閉できる開閉蓋が設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記段差部の下段に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のケーブル目隠し構造に係り、前記筐体には、電池パックを収納するバッテリ収納部と、エンドユーザが、前記電池パックを交換するための開閉蓋とが設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載のケーブル目隠し構造に係り、前記段差部が、前記バッテリ収納部の底面に設けられていて、前記バッテリ収納部から前記電池パックが取り出され、前記バッテリ収納部の前記底面が露顕しても、前記段差部の下段に通された前記ケーブルは、前記目隠し材によって、秘匿される構成になされていることを特徴としている。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項1記載のケーブル目隠し構造に係り、前記段差部が、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けられていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項9記載の発明は、電子機器の筐体の内部に配設されたケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し構造に係り、前記筐体の内部底面に所定長の溝部が設けられ、該溝部に前記ケーブルが通され、該ケーブルにはシート状又はフィルム状の目隠し材が被せられ、該目隠し材は、前記溝部の外縁に固定されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載のケーブル目隠し構造に係り、前記目隠し材が、前記溝部に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴としている。
【0015】
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載のケーブル目隠し構造に係り、前記目隠し材が、前記溝部に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、該平面部の縁端部のうち、前記溝部内に配置される縁端部にて屈曲又は湾曲連設されて、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴としている。
【0016】
請求項12記載の発明は、請求項9記載のケーブル目隠し構造に係り、前記目隠し材が、前記溝部の外縁に接着又は粘着されて固定されていることを特徴としている。
【0017】
請求項13記載の発明は、請求項9記載のケーブル目隠し構造に係り、前記筐体には、エンドユーザが、開閉できる開閉蓋が設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記溝部に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項14記載の発明は、請求項9記載のケーブル目隠し構造に係り、前記筐体には、電池パックを収納するバッテリ収納部と、エンドユーザが、前記電池パックを交換するための開閉蓋とが設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記溝部に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項15記載の発明は、請求項14記載のケーブル目隠し構造に係り、前記段差部が、前記バッテリ収納部の底面に設けられていて、前記バッテリ収納部から前記電池パックが取り出され、前記バッテリ収納部の前記底面が露顕しても、前記溝部に通された前記ケーブルは、前記目隠し材によって、秘匿される構成になされていることを特徴としている。
【0020】
請求項16記載の発明は、請求項9記載のケーブル目隠し構造に係り、前記溝部が、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けられていることを特徴としている。
【0021】
請求項17記載の発明は、電子機器に係り、請求項1乃至16の何れか1に記載のケーブル目隠し構造を備えてなることを特徴としている。
【0022】
また、請求項18記載の発明は、電子機器の筐体の内部に配設されるケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し方法に係り、前記筐体の内部底面に所定長の段差部を設け、該段差部の下段に前記ケーブルを通した後、該ケーブルの上にシート状又はフィルム状の目隠し材を被せ、この状態で、該目隠し材を、前記段差部の上段に接着剤又は粘着剤を用いて固定することを特徴としている。
【0023】
また、請求項19記載の発明は、請求項18記載のケーブル目隠し方法に係り、前記目隠し材が、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴としている。
【0024】
また、請求項20記載の発明は、請求項18記載のケーブル目隠し方法に係り、前記段差部を、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けることを特徴としている。
【0025】
また、請求項21記載の発明は、電子機器の筐体の内部に配設されるケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し方法に係り、前記筐体の内部底面に所定長の溝部を設け、該溝部に前記ケーブルを通した後、該ケーブルの上にシート状又はフィルム状の目隠し材を被せ、この状態で、該目隠し材を、前記溝部の外縁に接着剤又は粘着剤を用いて固定することを特徴としている。
【0026】
また、請求項22記載の発明は、請求項18記載のケーブル目隠し方法に係り、前記目隠し材が、前記溝部に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴としている。
【0027】
また、請求項23記載の発明は、請求項21記載のケーブル目隠し方法に係り、前記段差部を、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
この例の構成によれば、筐体の内部底面に所定長の段差部又は溝部が設けられ、該段差部又は溝部の下段にケーブルが通され、該ケーブルにはシート状又はフィルム状の目隠し材が被せられているので、エンドユーザからケーブルを隠匿できる。該目隠し材は、前記段差部の上段に(両面)粘着材又は接着剤等を用いて、確実容易に固定できる。ここで、筐体底面を構成する素材との密着性(親和性)の良い粘着材又は接着剤を用いるようにすれば、容易には剥離できないので、ケーブルが故意に引き抜かれる虞はない。それゆえ、機器の安全性は保たれ、電気特性の劣化や変動を防止でき、機器破壊も免れる。
また、シート状又はフィルム状の目隠し材は、肉厚が薄いので、薄型の電子機器に適用して好適である。
【0029】
また、目隠し材は、断面L字曲げとするのが好ましい。断面L字曲げの構成によれば、平面部に側壁部が加わるので、側壁部の剛性によって、ケーブルのが目隠し材の外への動きが押さえられ、この結果、ケーブルが、目隠し材の下部に安定的に納まることとなる。それゆえ、ケーブルを確実に隠匿できる。加えて、側壁部は、位置決めとしても機能するので、目隠し材を一段と確実かつ容易に取着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
エンドユーザによって開閉可能な筐体の内部底面(例えば、電池パック収納部の内部底面)にケーブルを納める程度の所定長の段差部又は溝部を設け、該段差部の下段又は溝部に前記ケーブルを通した後、シート状又はフィルム状の目隠し材によって、ケーブルを覆って、目隠しする。目隠し材は、段差部の上段又は溝部の外縁にのみ、筐体底面との密着性の良い接着剤又は粘着材(好適には、両面粘着テープ)を用いて固定し、ケーブルには接着剤又は粘着材が付かないようにするのが好ましい。何故なら、ケーブルが目隠し材に貼り付けば、目隠し材にケーブルが付きまとい、位置決めや作業性に支障をきたすからである。シート状又はフィルム状の目隠し材であれば、肉厚が薄いので、内部底面との異質感、異材感がなく、その下のケーブルに気付かれる虞はなく、たとえ、シート状又はフィルム状の目隠し材を故意に引き剥がそうとされても、目隠し材は、筐体の内部底面との密着性の良い接着剤又は粘着材を用いて、筐体の内部底面に貼着されているので、簡単には、目隠し材を剥ぐことはできない。それゆえ、ケーブルを故意に引き抜かれる虞はない。
【実施例1】
【0031】
図1は、この発明の第1実施例に係る折畳式携帯電話機の表側外観構成を示す斜視図、図2は、同携帯電話機の裏側外観構成を示す斜視図、また、図3は、同携帯電話機の裏側外観構成を一部分解して示す分解斜視図である。また、図4は、この発明の第1実施例に係る同携帯電話機の下部筐体を構成するケースの構成を示す斜視図、図5は、同下部筐体(ケース)内のケーブル配設状態を示す平面図、また、図6は、この発明の第1実施例であるケーブル目隠し構造を分解して示す概略構成図で、同携帯電話機に組み込まれるケーブル目隠し構造を示す分解斜視図、図7は、同携帯電話機の下部筐体の外観構成を示す平面図、図8は、図7のA−A線に沿う同ケーブル目隠し構造を示す断面図、図9は、同ケーブル目隠し構造に用いられるシート状又はフィルム状の目隠し材の構成を示す斜視図、また、図10は、同目隠し材の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は端面図である。
【0032】
まず、図1乃至図5を参照して、この例のケーブル目隠し構造が適用される折畳式の携帯電話機1の概略構成について説明する。
この携帯電話機1は、図1乃至図3に示すように、上部筐体2と下部筐体3とがヒンジ部4を介して折畳み自在に結合されて構成されている。上記上部筐体2には、表示パネル5や図示せぬスピーカ等が搭載されていて、また、上記下部筐体3には、キー操作部6、カメラ7、電池パック8、図示せぬ制御部、無線部、及びマイクロホン等が搭載されている。また、下部筐体3は、上述の各部、各部品を搭載装着するためのケース9と、カメラ7が装着されたケースカバー10と、電池パック8交換用の開閉蓋11とから構成されている。上記ケース9は、例えばABS樹脂等の合成樹脂フレームと金属板とから構成されている。
【0033】
ケース9の上半部には、図5に示すように、CPU(中央処理装置)12aやメモリ12b等からなる制御部が搭載されたメイン回路基板(マザーボード)12が収納され、同図中(下端部を除く)概略下半部には、電池パック8を収納する電池パック収納部13が設けられている。また、同図中下端部には、サブ回路基板14が実装されている。このサブ回路基板14は、SIM(Subscriber Identity Module)カードコネクタ等の外部接続コネクタ15、スタッキングコネクタ16、及び図示せぬシリコンマイク等を実装した状態で、ケース9の下端部に設けられた高さの低い隔壁17(図4)で画成された短冊状の基板収納部18(図4)に位置決めされて収納されている。上記スタッキングコネクタ16は、ケース9の裏面に貼着された図示せぬキーフレキシブル基板と、メイン回路基板12との間を接続する役割を担っている。なお、この例の構成では、開閉蓋11を開けても、サブ回路基板14の配線構造が、外部から見えなくするために、図3に示すように、サブ回路基板14は、補強板金の天板部19によって被覆され、この天板部19は、ケース9にネジ締めされている。
【0034】
次に、図4乃至図10を参照して、この例のケーブル目隠し構造について説明する。
基板収納部18から電池パック収納部13に亘る部位に相当する、ケース9の内側縁部9aに隣接して沿う底面には、図4に示すように、ケーブル配設用溝部20が設けられている。このケーブル配設用溝部20は、図8に示すように、電池パック収納部13の底面13aよりも、細径のケーブル21を収納できる程度の浅い段差に凹設されている。かくして、ケース9の上半部に配設されたメイン回路基板12と、このメイン回路基板12から遠く離れた部位(ケース9の下端部)に配設されたサブ回路基板14とは、ケーブル配設用溝部20に配設された上記ケーブル21によって電気的に接続され、相互の間で各種信号の授受を行うことができる構成となっている。
【0035】
ケーブル21が配設されたケーブル配設用溝部20には、図3及び図6に示すように、シート状又はフィルム状の目隠し材22が被せられていて、図7に示す開閉蓋11が開けられても、外部から、ケーブル21を見ることも、ケーブル21に気付くこともできないようになっている。
【0036】
この例の目隠し材22は、図9及び図10に示すように、ケーブル配設用溝部20に通されたケーブル21をその上方から目隠しするための平面部22aと、この平面部22aの縁端部のうち、ケーブル配設用溝部20内に配置される縁端部にて屈曲連設又は湾曲連設されて、L字曲げとされ、ケーブル21の動きを拘束し、このケーブル21の離脱露出を防止するための側壁部22bとからなっている。目隠し材22の平面部22a裏面には、粘着性の良い両面粘着テープ23が貼付されている。両面粘着テープ23は、ケーブル配設用溝部20の外縁との粘着に留め、ケーブル配設用溝部20内にはみ出さないように、平面部22a裏面に貼付することが好ましい。何故なら、ケーブルが目隠し材に貼り付けば、目隠し材にケーブルが付きまとい、位置決めや作業性に支障をきたすからである。
【0037】
目隠し材22の好適な材質としては、例えば、PET(polyethylene terephthalate)フィルム又はPETシート等を挙げることができるが、これに限定するものではなく、必要に応じて、他の樹脂シートでも良く又は紙類等でも良い。
【0038】
この例の構成によれば、目隠し材として、肉厚が薄い目隠し材を用いるようにしたので、ケース9の内部底面の材質との異質感、異材感がなく、その下のケーブルに気付かれる虞はなく、たとえ、シート状又はフィルム状の目隠し材を故意に引き剥がそうとされても、目隠し材22は、ケース9の内部底面の材質との密着性の良い両面粘着テープを用いて、ケース9の内部底面に貼着されているので、簡単には、目隠し材22を剥ぐことはできない。それゆえ、ケーブルを故意に引き抜かれる虞はない。
【実施例2】
【0039】
上述の第1実施例では、ケース9の内側縁部9aに隣接して沿う底面にケーブル配設用溝部を設けるようにした場合について述べたが、これに代えて、この第2実施例では、ケース9の内部底面に所定長の段差部を設け、この段差部の下段にケーブルを通し、このケーブルに、例えばL字曲げされたシート状又はフィルム状の目隠し材を被せ、この目隠し材を、段差部の上段に粘着固定するようにしても良い。
【0040】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、この発明は、携帯電話機に限らず、他の電子機器にも適用できることは勿論である。なお、この明細書において、ケーブルとは、単線の絶縁電線に限らず、複数線、捩れ線、束線等も含まれる概念である。また、粘着材は、両面粘着テープに限定されず、他の粘着剤でも良く、接着剤を用いても良い。
【0041】
さらに、目隠し材の断面形状は、L字曲げに限定されものではなく、例えば、断面C字状でも良い。なお、溝部にケーブルを配設する場合には、側壁部を省略することができる。加えて、この発明が適用される部位は、電池パック収納部に限らないことは勿論である。開閉可能な部位であれば、この発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の第1実施例に係る折畳式携帯電話機の表側外観構成を示す斜視図である。
【図2】同携帯電話機の裏側外観構成を示す斜視図である。
【図3】同携帯電話機の裏側外観構成を一部分解して示す分解斜視図である。
【図4】この発明の第1実施例に係る同携帯電話機の下部筐体を構成するケースの構成を示す斜視図である。
【図5】同下部筐体(ケース)内のケーブル配設状態を示す平面図、また、図6は、この発明の第1実施例であるケーブル目隠し構造を分解して示す概略構成図である。
【図6】同携帯電話機に組み込まれるケーブル目隠し構造を示す分解斜視図である。
【図7】同携帯電話機の下部筐体の外観構成を示す平面図である。
【図8】図7のA−A線に沿う同ケーブル目隠し構造を示す断面図である。
【図9】同ケーブル目隠し構造に用いられるシート状又はフィルム状の目隠し材の構成を示す斜視図である。
【図10】同目隠し材の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は端面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 携帯電話機(電子機器)
3 下部筐体(筐体)
4 ケース(筐体の一部)
8 電池パック
9a ケースの内側縁部(筐体の内側縁部、筐体の一の側壁)
11 開閉蓋
12 メイン回路基板
13 電池パック収納部(バッテリ収納部)
13a 電池パック収納部の底面(筐体の内部底面、バッテリ収納部の底面)
14 サブ回路基板
18 基板収納部
20 ケーブル配設用溝部(溝部、段差部)
21ケーブル
22 目隠し材
22a 目隠し材の平面部
22b 目隠し材の側壁部
23 両面粘着テープ(接着又は粘着)
ケーブル目隠し構造




【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体の内部底面に配設されたケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し構造であって、
前記筐体の内部底面に所定長の段差部が設けられ、該段差部の下段に前記ケーブルが通され、かつ、該ケーブルにはシート状又はフィルム状の目隠し材が被せられ、該目隠し材は、前記段差部の上段に固定されていることを特徴とするケーブル目隠し構造。
【請求項2】
前記目隠し材は、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴とする請求項1記載のケーブル目隠し構造。
【請求項3】
前記目隠し材は、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、該平面部の縁端部のうち、前記段差部内に配置される縁端部にて屈曲又は湾曲連設されて、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴とする請求項1記載のケーブル目隠し構造。
【請求項4】
前記目隠し材は、前記段差部の上段に接着又は粘着されて固定されていることを特徴とする請求項1記載のケーブル目隠し構造。
【請求項5】
前記筐体には、エンドユーザが、開閉できる開閉蓋が設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記段差部の下段に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴とする請求項1記載のケーブル目隠し構造。
【請求項6】
前記筐体には、電池パックを収納するバッテリ収納部と、エンドユーザが、前記電池パックを交換するための開閉蓋とが設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴とする請求項1記載のケーブル目隠し構造。
【請求項7】
前記段差部は、前記バッテリ収納部の底面に設けられていて、前記バッテリ収納部から前記電池パックが取り出され、前記バッテリ収納部の前記底面が露顕しても、前記段差部の下段に通された前記ケーブルは、前記目隠し材によって、秘匿される構成になされていることを特徴とする請求項6記載のケーブル目隠し構造。
【請求項8】
前記段差部は、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のケーブル目隠し構造。
【請求項9】
電子機器の筐体の内部に配設されたケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し構造であって、
前記筐体の内部底面に所定長の溝部が設けられ、該溝部に前記ケーブルが通され、該ケーブルにはシート状又はフィルム状の目隠し材が被せられ、該目隠し材は、前記溝部の外縁に固定されていることを特徴とするケーブル目隠し構造。
【請求項10】
前記目隠し材は、前記溝部に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴とする請求項9記載のケーブル目隠し構造。
【請求項11】
前記目隠し材は、前記溝部に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、該平面部の縁端部のうち、前記溝部内に配置される縁端部にて屈曲又は湾曲連設されて、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴とする請求項9記載のケーブル目隠し構造。
【請求項12】
前記目隠し材は、前記溝部の外縁に接着又は粘着されて固定されていることを特徴とする請求項9記載のケーブル目隠し構造。
【請求項13】
前記筐体には、エンドユーザが、開閉できる開閉蓋が設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記溝部に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴とする請求項9記載のケーブル目隠し構造。
【請求項14】
前記筐体には、電池パックを収納するバッテリ収納部と、エンドユーザが、前記電池パックを交換するための開閉蓋とが設けられていて、該開閉蓋が開けられても、前記溝部に通された前記ケーブルは、前記目隠し材を被せられていて、外部から見えない構成になされていることを特徴とする請求項9記載のケーブル目隠し構造。
【請求項15】
前記段差部は、前記バッテリ収納部の底面に設けられていて、前記バッテリ収納部から前記電池パックが取り出され、前記バッテリ収納部の前記底面が露顕しても、前記溝部に通された前記ケーブルは、前記目隠し材によって、秘匿される構成になされていることを特徴とする請求項14記載のケーブル目隠し構造。
【請求項16】
前記溝部は、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けられていることを特徴とする請求項9記載のケーブル目隠し構造。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1に記載のケーブル目隠し構造を備えてなることを特徴とする電子機器。
【請求項18】
電子機器の筐体の内部に配設されるケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し方法であって、
前記筐体の内部底面に所定長の段差部を設け、該段差部の下段に前記ケーブルを通した後、該ケーブルの上にシート状又はフィルム状の目隠し材を被せ、この状態で、該目隠し材を、前記段差部の上段に接着剤又は粘着剤を用いて固定することを特徴とするケーブル目隠し方法。
【請求項19】
前記目隠し材は、前記段差部の前記下段に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴とする請求項18記載のケーブル目隠し方法。
【請求項20】
前記段差部を、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けることを特徴とする請求項18記載のケーブル目隠し方法。
【請求項21】
電子機器の筐体の内部に配設されるケーブルを目隠しするためのケーブル目隠し方法であって、
前記筐体の内部底面に所定長の溝部を設け、該溝部に前記ケーブルを通した後、該ケーブルの上にシート状又はフィルム状の目隠し材を被せ、この状態で、該目隠し材を、前記溝部の外縁に接着剤又は粘着剤を用いて固定することを特徴とするケーブル目隠し方法。
【請求項22】
前記目隠し材は、前記溝部に通された前記ケーブルをその上方から目隠しするための平面部と、前記ケーブルの動きを拘束し、該ケーブルの離脱露出を防止するための側壁部とからなることを特徴とする請求項21記載のケーブル目隠し方法。
【請求項23】
前記段差部を、前記筐体の一の側壁に沿う態様で、内側縁部に設けることを特徴とする請求項21記載のケーブル目隠し方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−199230(P2008−199230A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31428(P2007−31428)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】