説明

ゲル形態のリフレッシュクリームファンデーション

本発明は、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物と;(b)少なくとも一の極性変性ポリマーを含有する化粧品組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物と;(b)少なくとも一の極性変性ポリマーを含有する新規組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの組成物、特に化粧品組成物は、目的とする基体(substrate)に容易にかつ快適に適用されるように開発されている。残念なことに、これらの組成物の多くは、実際には適用が困難で、適用時に滑らかな感触を有さない。さらに、組成物は、しばしばべとつき感を生じる傾向にあり、適用性及び展伸性に乏しい。同様に、着色化粧品に「耐移り性」を付与するためにシリコーン樹脂を使用すると、上に開示したものと同じ欠点に悩まされることになる。
【0003】
よって、高価な成分及び/又は処理技術を使用する必要なく、保湿性及び/又は長時間にわたる化粧持ちを伴う、良好なテクスチャー及び感触を有しうる組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様は、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物と;(b)少なくとも一の極性変性ポリマーを含む組成物に関する。
【0005】
また本発明は、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物;(b)少なくとも一の極性変性ポリマー;及び(c)水を含む組成物に関する。
【0006】
さらに本発明は、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物;(b)少なくとも一の極性変性ポリマー;及び(c)着色剤を含む組成物に関する。
【0007】
またさらに本発明は、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物;(b)少なくとも一の極性変性ポリマー;及び(c)少なくとも一の油を含む組成物に関する。
【0008】
また本発明は、(a)少なくとも一のポリアミン及び/又は超分枝状ポリオールと、少なくとも一の極性変性ポリマーとの反応生成物;及びb)糖シリコーン界面活性剤及びゲル化剤から選択される少なくとも一の化合物を含む組成物に関する。
【0009】
さらに本発明は、(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物;及び(b)少なくとも一の極性変性ポリマーとを組合せることにより製造される組成物に関する。
【0010】
本発明の第2の態様は、上に開示した組成物を基体に適用することを含む、ケラチン基体をメークアップする方法に関する。
【0011】
この組成物は、驚くべきことに、ケラチン基体に豊富な量の保湿化を示し、及び/又はシリコーン樹脂及び伝統的な皮膜形成体(film former)の不在下で長く持つことが示された。さらに、本組成物は独特のテクスチャーをもたらし、また安定である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な記載
実施例以外、又は特に示さない限りは、成分の量及び/又は反応条件表す全ての数値は、いずれの場合においても、「約」なる用語により変更されることが理解される。
【0013】
ここで使用される「皮膜形成体」又は「皮膜形成剤(film forming agent )」は、少なくとも一の溶媒(例えば、水又は有機溶媒)に溶解させた後、該少なくとも一の溶媒が、基体上で蒸発し、吸収され及び/又は消散した後に、それが適用される基体上に皮膜を残すポリマーを意味する。
【0014】
ここで使用される「粘着性」とは、2つの物質の間の接着性を意味する。例えば、2つの物質に間の粘着性が大きければ大きい程、物質の間の接着性は増す。
【0015】
ここで使用される「ケラチン基体」には、限定されるものではないが、皮膚、唇、毛髪及び爪が含まれる。
【0016】
ここで使用される「置換された」とは、少なくとも一の置換基を有することを意味する。置換基の非限定的例には、原子、例えば酸素原子及び窒素原子、並びに官能基、例えばヒドロキシル基、エーテル基、アルコキシ基、アシルオキシアルキル基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、カルボン酸基、アミン基、アシルアミノ基、アミド基、ハロゲン含有基、エステル基、チオール基、スルホナート基、チオスルファート基、シロキサン基、及びポリシロキサン基が含まれる。該置換基はさらに置換されていてもよい。
【0017】
ここで定義される場合、安定性は、25℃で8週間、制御された環境チャンバーに組成物を配することによって、試験される。この試験では、サンプルの物理的状態を、チャンバーに配したときに検査する。次に、サンプルを24時間、3日、1週間、2週間、4週間及び8週間で、再度検査する。各検査においては、サンプルを、組成物の異常、例えば組成物がエマルションの形態ならば相分離、組成物がスティックの形態ならば曲がり又は傾き、融解性、又はシネレシス性(又は発汗性)について調査する。また安定性を、37℃、40℃、45℃、50℃、及び凍結解凍条件下で、8週間の試験を繰り返すことによりさらに試験する。これらの試験のいずれにおいても、組成物の機能を妨害する異常が観察された場合は、組成物は安定性を欠くものと考えられる。当業者であれば、意図する用途に基づき、組成物の機能を妨害する異常を容易に認識するであろう。
【0018】
ここで使用される「揮発性」とは、約100℃未満の引火点を有することを意味する。ここで使用される「非揮発性」とは、約100℃以上の引火点を有することを意味する。
【0019】
ここで使用される「少なくとも一」なる表現は一又は複数であることを意味し、よって個々の成分並びに混合物/組合せを含む。
【0020】
実施例以外、又は特に示さない限りは、成分の量及び/又は反応条件を表す全ての数値は、いずれの場合においても、示された数字の10%〜15%以内を意味する「約」なる用語により変更されることが理解される。
【0021】
ここで使用される「耐水性」とは、撥水能力及び水に対する耐性を意味する。耐水性は、このような特性を評価する当該技術分野で知られている任意の方法により評価することができる。例えば、マスカラ用組成物はつけまつげに適用されてもよく、ついで、所定時間、例えば20分水に配してもよい。予め確定されている時間の経過後、つけまつげを水から取り出し、例えばペーパーシート等の材料上に渡す。ついで、材料上に残った残留物の程度を評価し、他の組成物、例えば商業的に入手可能な組成物と比較してもよい。
【0022】
同様に、例えば組成物を皮膚に適用し、所定時間、皮膚を水に浸してもよい。ついで、予め確定されている時間後、皮膚に残存する組成物の量を評価し、比較してもよい。例えば、製品の大部分が着用者、例えば睫毛、皮膚等に残っているならば、組成物は耐水性があるとされる。本発明の好ましい実施態様では、組成物はほとんど又は全く帯着者から移動しない。
【0023】
ここで使用される「長時間にわたる帯着性」を有する組成物とは、長時間経過後、裸眼で見て、適用時と同じ又は実質的に同じ色調が保持されている組成物を意味する。長時間にわたる帯着性は、このような特性を評価するための、当該技術分野で知られている任意の方法により評価されうる。例えば、長時間にわたる帯着性は、ヒトの毛髪、皮膚又は唇に組成物を適用し、長時間経過後の組成物の色調を評価することを含む試験により評価され得る。例えば、組成物の色調を、毛髪、皮膚又は唇への適用直後に評価し、所定時間後に、これらの特徴を再評価して、比較してもよい。さらに、これらの特徴は、他の組成物、例えば商業的に入手可能な組成物に対して、評価することができる。
【0024】
ここで使用される「耐移り性」とは、例えば食事又は飲用により、グラス、衣類又は皮膚等の他の物質と接触することで、容易には除去されないという組成物が示す品質を意味する。耐移り性は、このような評価のための当該技術分野で知られている任意の方法により評価されうる。例えば、組成物の耐移り性は「キス」テストにより評価されうる。「キス」テストは、ヒトのケラチン物質、例えば毛髪、皮膚又は唇に組成物を適用し、適用から所定時間後、例えば適用から2分後に、ペーパーシート等の材料を、毛髪、皮膚又は唇にこすりつけることを含むものでありうる。同様に、組成物の耐移り性は、毛髪、皮膚又は唇への組成物の適用から所定時間後に、任意の他の基体に着用者から移動した、例えば個人の毛髪、皮膚又は唇から着用している衣服の衿に移動した製品の量によっても評価されうる。ついで、基体(例えば、衿又は紙)に移動した組成物の量を評価し、比較することができる。例えば、製品の大部分が着用者の毛髪、皮膚又は唇に残っているならば、組成物は耐移り性があるとされる。さらに、移った量は、他の組成物、例えば商業的に入手可能な組成物と比較してもよい。本発明の好ましい実施態様では、組成物は、全く又はほとんど、毛髪、皮膚又は唇から基体に移動しない。
【0025】
極性変性ポリマー
本発明によれば、少なくとも一の極性変性ポリマーを含有する組成物が提供される。ここで使用される場合「極性変性ポリマー」とは、「油溶性の極性変性ポリマー」及び/又は「油溶性の高炭素極性変性ポリマー」を意味する。
【0026】
油溶性の極性変性ポリマー
本発明によれば、少なくとも一の油溶性の極性変性ポリマーを含有する組成物が提供される。ここで使用される「極性変性ポリマー」とは、親水性単位で変性された疎水性ホモポリマー又はコポリマーを意味する。ここで使用される「油溶性」とは、極性変性ポリマーが油に可溶性であることを意味する。
【0027】
疎水性のホモポリマー及び/又はコポリマーの適切なモノマーには、限定されるものではないが、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含む、環状、直鎖状又は分枝状で、置換又は未置換のC2−C20化合物、例えばスチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、イソペンテン、イソプレン、ヘキセン、イソヘキセン、デセン、イソデセン、及びオクタデセンが含まれる。好ましくは、モノマーは、C2−C8化合物、より好ましくはC2−C6化合物、最も好ましくはC2−C4化合物、例えばエチレン、プロピレン及びブチレンである。
【0028】
適切な親水性単位には、限定されるものではないが、無水マレイン酸、アクリラート類、アクリル酸アルキル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、及びアクリル酸ブチル、及びポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。
【0029】
本発明において、極性変性ポリマーは油溶性である;すなわち、ポリマーは、ポリマー全体を水溶性又は油不溶性にするのに十分な量の疎水性単位を含んでいない。好ましい実施態様では、極性変性ポリマーは、親水性単位と同量の疎水性モノマー(1:1の比率)、又は親水性単位よりも多くの疎水性モノマーを含有する。特に好ましい実施態様では、極性変性ポリマーは、50%以下の親水性単位(ポリマーの重量に基づき)、40%以下の親水性単位、30%以下の親水性単位、20%以下の親水性単位、10%以下の親水性単位、5%以下の親水性単位、4%以下の親水性単位、又は3%以下の親水性単位を含む。
【0030】
好ましくは、極性変性ポリマーは、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、ポリマーの重量に対して約0.5%〜約10%の親水性単位、好ましくは約1%〜約8%の親水性単位を有する。特に好ましい親水的に変性されたポリマーは、エチレン及び/又はプロピレンのホモポリマー及びコポリマーで、無水マレイン酸単位で変性されているものである。
【0031】
本発明の好ましい実施態様によれば、極性変性ポリマーはロウである。特に好ましい実施態様によれば、極性変性ロウはメタロセン触媒を介して製造され、極性基又は単位並びに疎水性骨格を含む。適切な変性ロウには、その全内容が出典明示によりここに援用される米国特許出願公開第20070031361号に開示されているものが含まれる。特に好ましい極性変性ロウはC2−C3極性変性ロウである。
【0032】
本発明の好ましい実施態様によれば、極性変性ロウは疎水性モノマーのホモポリマー及び/又はコポリマーロウをベースにしており、25000g/mol以下、好ましくは1000〜22000g/mol、特に好ましくは4000〜20000g/molの重量平均分子量Mw、15000g/mol以下、好ましくは500〜12000g/mol、特に好ましくは1000〜5000g/molの数平均分子量Mn、1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、さらに好ましくは2〜2.5の範囲のモル質量分布Mw/Mnを有し、メタロセン触媒により得られる。また、極性変性ロウは、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、好ましくは75℃以上、より好ましくは90℃以上の融点、例えば90℃〜160℃、好ましくは100℃〜150℃の融点を有する。
【0033】
コポリマーロウの場合、コポリマー骨格の全重量に基づき、一方のモノマーに由来する0.1〜30.0重量%の構造単位と、他方のモノマーに由来する70.0〜99.9重量%の構造単位を有していることが好ましい。このようなホモポリマー及びコポリマーロウは、例えばここで特定されるメタロセン触媒を使用し、その全内容が出典明示によりここに援用される欧州特許第571882号に記載された方法により作製することができる。適切な調製方法は、例えば、メタロセン触媒の存在下でのオレフィンの懸濁重合、溶液重合、及び気相重合を含み、モノマーの重合がまた可能である。
【0034】
極性変性ロウは、酸素含有ガス、例えば空気を用いて酸化させることにより、又は極性モノマー、例えばマレイン酸又はアクリル酸又はこれらの酸の誘導体とグラフト反応させることにより、上述したホモポリマー及びコポリマーから、知られた方法で生成させることができる。空気を用いた酸化によるメタロセンポリオレフィンロウの極性変性は、例えば欧州特許出願公開第0890583A1に記載されており、グラフト化による変性は、例えば米国特許第5998547号に記載されており、双方の全内容は、それらの全てが出典明示によりここに援用される。
【0035】
許容可能な極性変性ロウには、限定されるものではないが、無水マレイン酸、アクリラート、メタクリラート、ポリビニルピロリドン(PVP)等、親水性単位で変性されている、エチレン及び/又はプロピレン基のホモポリマー及び/又はコポリマーが含まれる。好ましくは、C2−C3ロウは、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、ロウの重量に関して、約0.5%〜約10%の親水性単位、好ましくは約1%〜約8%の親水性単位を有する。特に好ましくは、親水的に変性したロウは、無水マレイン酸単位で変性した、エチレン及び/又はプロピレンのホモポリマー及びコポリマーである。
【0036】
本発明で使用される特に好ましいC2−C3極性変性ロウは、リコケア(LICOCARE)又はリコセン(LICOCENE)の商品名でクラリアント社(Clariant)から商業的に入手可能な、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン-無水マレイン酸の変性ロウ(「PEMA」、「PPMA」、「PEPPMA」)であり、このようなロウの特定の例には、例えばPP207との命名を有し、リコケアなる名称でクラリアント社から市販されている製品が含まれる。
【0037】
他の適切な極性変性ポリマーには、限定されるものではないが、ハネウェル社(Honeywell)のA-C573A(エチレン-無水マレイン酸コポリマー;Drop Point, Mettler :106℃)、ハネウェル社のA-C596A(プロピレン-無水マレイン酸コポリマー;Drop Point, Mettler:143℃)、ハネウェル社のA-C597(プロピレン-無水マレイン酸コポリマー;Drop Point, Mettler:141℃)、エチレンと無水マレイン酸の1:1コポリマーであるゼマック(ZeMac)(登録商標)コポリマー(ヴェルテルス社(VERTELLUS))、イソバム(ISOBAM)の商品名で(クラレ社(Kuraray)から)販売されているポリイソブチレン-無水マレイン酸、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich)から販売されているポリイソプレン-グラフト-無水マレイン酸、シェブロン・フィリップ・ケミカル社(Chevron Philips Chemcial Co.,)から販売されているポリ(無水マレイン酸-オクタデセン)、アルケマ社(Arkema)からロタダー(Lotader)(例えば、2210、3210、4210、及び3410グレード)の商品名で販売されているポリ(エチレン-コ-アクリル酸ブチル-コ-無水マレイン酸)、ロタダーの名称でアルケマ社から販売されている、アクリル酸ブチルが他のアクリル酸アルキル(アクリル酸メチル[グレード3430、4404、及び4503]、及びアクリル酸エチル[グレード6200、8200、3300、TX8030、7500、5500、4700、及び4720])で置き換えられてるコポリマー、及びISP社からACO-5013の名称で販売されているイソブチレン無水マレイン酸コポリマーが含まれる。
【0038】
本発明の他の実施態様によれば、極性変性ポリマーはロウではない。本発明のこれらの実施態様によれば、極性変性ポリマーは、疎水性モノマーのホモポリマー及び/又はコポリマーをベースにしており、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、1000000g/mol以下、好ましくは1000〜250000g/mol、特に好ましくは5000〜50000g/molの重量平均分子量Mwを有する。
【0039】
これらの実施態様によれば、極性変性ポリマーは、ブロックコポリマー、グラフト化コポリマー、又は交互コポリマー等のポリマーに典型的には関連した任意の形態とすることができる。例えば、極性変性ポリマーは、例えばグラフト化を含む任意の手段により、親水性基(例えば、無水マレイン酸)が結合している疎水性骨格(例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン)を含むことができる。結合基は任意の配向(例えば、骨格に沿って、アタクティック、アイソタクティック又はシンジオタクティック)を有することができる。
【0040】
好ましくは、油溶性の極性変性ポリマーは、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、組成物の全重量に対して約1%〜約30%、好ましくは組成物の全重量に対して約3%〜約17%、最も好ましくは約5%〜約15%である。
【0041】
油溶性の高炭素極性変性ポリマー
本発明によれば、少なくとも一の油溶性の高炭素極性変性ポリマーを含有する組成物が提供される。ここで使用される「極性変性ポリマー」は、親水性単位で変性されている疎水性のホモポリマー又はコポリマーを意味する。ここで使用される場合、「油溶性」とは、極性変性ポリマーが油に溶解することを意味する。「高炭素」とは、20以上の炭素原子を意味する。
【0042】
疎水性ホモポリマー及び/又はコポリマーに適したモノマーには、限定されるものではないが、全ての範囲及びそれらの間の部分的範囲を含む、環状、直鎖状又は分枝状で、置換又は未置換のC22−C40化合物、例えばC22−C28化合物、C24−C26化合物、C26−C28化合物、及びC30−C38化合物が含まれる。好ましくは、モノマーは、C24−26化合物、C26−C28化合物、又はC30−C38化合物である。
【0043】
適切な親水性単位には、限定されるものではないが、無水マレイン酸、アクリラート類、アクリル酸アルキル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、及びアクリル酸ブチル、及びポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。
【0044】
好ましい実施態様によれば、油溶性の高炭素極性変性ポリマーはロウである。また好ましくは、油溶性の高炭素極性変性ポリマーロウは、次の特性の一又は複数を有する:
全ての範囲及びそれらの間の部分的範囲を含み、30000g/mol以下、好ましくは500〜10000g/mol、及び特に好ましくは1000〜5000g/molの重量平均分子量Mw;
全ての範囲及びそれらの間の部分的範囲を含み、15000g/mol以下、好ましくは500〜12000g/mol、特に好ましくは1000〜5000g/molの数平均分子量Mn;
全ての範囲及びそれらの間の部分的範囲を含み、1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、さらに好ましくは2〜2.5の範囲のモル質量分布Mw/Mn;及び/又は
示差走査熱量測定により測定して、全ての範囲及びそれらの間の部分的範囲を含み、8%〜60%、好ましくは9%〜40%、より好ましくは10%〜30%の結晶化度。
【0045】
コポリマーロウに関して好ましい実施態様では、コポリマー骨格の全重量に基づき、一方のモノマーに由来する0.1〜30.0重量%の構造単位と、他方のモノマーに由来する70.0〜99.9重量%の構造単位を有していることが好ましい。
【0046】
本発明のロウは、例えば、その全内容が出典明示によりここに援用される欧州特許出願公開第571882号に記載された方法により作製される、ホモポリマー又はコポリマーをベースにすることができる。適切な調製方法は、触媒の存在下でのオレフィンの懸濁重合、溶液重合、及び気相重合を含み、モノマーの重合がまた可能である。
【0047】
油溶性の高炭素極性変性ポリマーロウは、酸素含有ガス、例えば空気を用いて酸化させることにより、又は極性モノマー、例えばマレイン酸又はアクリル酸又はこれらの酸の誘導体とグラフト反応させることにより、上述したホモポリマー及びコポリマーから、公知の方式で生成させることができる。空気を用いた酸化によるポリオレフィンロウの極性変性は、例えば欧州特許出願公開第0890583A1号に記載されており、グラフト化による変性は、例えば米国特許第5998547号に記載されており、双方の全内容は、それらの全てが出典明示によりここに援用される。
【0048】
許容可能な油溶性の高炭素極性変性ポリマーロウには、限定されるものではないが、C24、C25及び/又はC26基のホモポリマー及び/又はコポリマー、C26、C27及び/又はC28基のコポリマー、又はC30−C38基のコポリマーで、親水性単位、例えば無水マレイン酸、アクリラート、メタクリラート、ポリビニルピロリドン(PVP)等で変性されているものが含まれる。好ましくは、油溶性の高炭素極性変性ポリマーロウは、全ての範囲及びそれらの間の部分的範囲を含み、ロウの重量に対して、約5%〜約30%の親水性単位、より好ましくは約10%〜約25%の親水性単位を有する。特に好ましい親水的に変性されたロウは、無水マレイン酸で変性されたC26、C27及び/又はC28のホモポリマー及びコポリマーである。
【0049】
本発明で使用される特に好ましい油溶性の高炭素極性変性ポリマーロウは、リコケア(LICOCARE)又はリコセン(LICOCENE)の商品名で、クラリアント社から商業的に入手可能な、C26−C28αオレフィン無水マレイン酸コポリマーロウである。このようなロウの特定の例には、2025のMwと11%の結晶化度を有する、無水マレイン酸の変性ロウであり、例えばCM401の命名を有するリコケアなる名称でクラリアント社から市販されている生成物、パフォーマ(Performa)(登録商標)V1608の名称で、ベイカー・ヒュージズ社(Baker Hughes)から販売されているC30−C38オレフィン/イソプロピルマレアート/無水マレイン酸のコポリマー、及び交互エステルとカルボン酸基を有するC24−C26側鎖のある極性骨格をベースにした、リコケアCA301 LP3346の商品名で、クラリアント社から商業的に入手可能なC24−C26αオレフィンアクリラートコポリマーロウが含まれる。
【0050】
本発明の他の実施態様によれば、極性変性ポリマーはロウではない。本発明のこれらの実施態様によれば、極性変性ポリマーは、疎水性モノマーのホモポリマー及び/又はコポリマーをベースにしており、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、1000000g/mol以下、好ましくは1000〜250000g/mol、特に好ましくは5000〜50000g/molの重量平均分子量Mwを有する。
【0051】
これらの実施態様によれば、極性変性ポリマーは、ブロックコポリマー、グラフト化コポリマー、又は交互コポリマー等のポリマーに典型的には関連した任意の形態とすることができる。例えば、極性変性ポリマーは、例えばグラフト化を含む任意の手段により、親水性基(例えば、無水マレイン酸)が結合している、疎水性骨格(例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン)を含むことができる。結合基は任意の配向(例えば、骨格に沿って、アタクティック、アイソタクティック又はシンジオタクティック)を有することができる。
【0052】
好ましくは、油溶性の高炭素極性変性ポリマーは、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、組成物の全重量に対して約1%〜約30%、好ましくは組成物の全重量に対して約3%〜約17%、最も好ましくは約5%〜約15%である。
【0053】
ポリオール、ゲル化剤、糖シリコーン界面活性剤、ポリアミン
本発明によれば、(1)少なくとも一の極性変性ポリマーと(2)少なくとも2のヒドロキシル基を有する超分枝状ポリオール、糖シリコーン界面活性剤、ポリアミン及びゲル化剤から選択される少なくとも一の化合物を含有する組成物が提供される。本発明において、組成物は、ポリアミン及び/又は超分枝状ポリオール及び/又は糖シリコーン界面活性剤及び/又はゲル化剤を含みうる。
【0054】
糖シリコーン界面活性剤
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも一の糖シリコーン界面活性剤を含有する組成物が提供される。本発明の糖シリコーン界面活性剤は、次の式:
Sach−X−Dn−X−Sach
を有する。
ここで、Sachは複数のヒドロキシル基を有する糖部分を表す。適切な糖部分には、限定されるものではないが、単糖類、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、マンノース、ソルボーズ等をベースにしたもの、及びオリゴ糖類、例えばスクロース、ラクトース、パラチノース(palatinose)、ラフィノース、ラクトスクロース、グルコシルスクロース、ガラクトシル-スクロース、キシロビオース等をベースにしたものが含まれる。好ましくは、糖部分は、単糖類、最も好ましくはグルコースをベースにしている。
またXは、その内部鎖に、一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を有することが可能な、直鎖状又は分枝状で、飽和又は不飽和のC1からC40の炭化水素ベース基を表す。好ましくは、Xは、少なくとも一のN原子を有する直鎖状で未置換のアルキル基、最も好ましくは、1−6の炭素原子と少なくとも一のN原子を有する、直鎖状で未置換のアルキル基を表す。
Dは、式R2SiOのシリコーンベース基を表し、ここでR2は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC1からC10の炭化水素ベース基を表す。好ましくは、R2は未置換のC1からC3のアルキル基(メチル、エチル、プロピル)、最も好ましくはメチル基である。
nは、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、1〜1000、好ましくは100〜500、より好ましくは250〜400、さらに好ましくは300〜350の数を表す。
【0055】
好ましくは、このような糖シリコーン界面活性剤は、ラクトン形態の糖類と、アミノ形態のD基とを反応させ、糖部分とシリコーン部分との間に、N原子を有するアルキル基Xを形成させることにより調製される。
【0056】
特に好ましい糖シリコーン界面活性剤には、グルコンアミドエチルアミノプロピルシリコーン、ラクトビオノラクトンシロキサン、又はその混合物が含まれる。
【0057】
好ましくは、糖シリコーン界面活性剤は、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、組成物の全重量に対して約0.5%〜約25%、好ましくは組成物の全重量に対して約0.75%〜約15%、最も好ましくは約1%〜約10%を表す。
【0058】
超分枝状ポリオール化合物
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも一の超分枝状ポリオール化合物を含有する組成物が提供される。本発明において、超分枝状ポリオール化合物は、極性変性ロウの骨格において、親水性基と反応可能な、少なくとも2のヒドロキシル基を有する。
【0059】
時折「アセチル価」とも称される「ヒドロキシル数」又は「ヒドロキシル価」は、物質がアセチル化され得る程度を示す数であり;1gのアセチル化サンプルの鹸化において遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。好ましい実施態様によれば、少なくとも一の超分枝状ポリオールは、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、50〜250、好ましくは75〜225、より好ましくは100〜200、さらに好ましくは125〜175、例えば90〜150のヒドロキシル数を有する。
【0060】
本発明によれば、「超分枝状ポリオール」は、デンドリマー、超分枝状高分子、及び他のデンドロンベースの構造体を意味する。超分枝状ポリオールは、一般的に樹状構造を有する3次元的に高度に分枝した分子として記述することができる。それらは、少なくとも2がヒドロキシル基である多くの末端基により特徴付けられる。樹枝状又は「樹状」構造は、分子当たり多くの末端基を有するコンパクトな球状又は準球状構造に至る中央の多官能性コア分子からの規則的な対称分枝を示す。超分枝状ポリオールの適切な例は、米国特許第7423104号、及び米国特許出願公開第2008/0207871号及び同2008/0286152号に見出すことができ、その全ての全内容は出典明示によりここに援用される。他の適切な例には、アルコール官能性オレフィンポリマー、例えばニュー・フェーズ・テクノロジー社(New Phase Technologies)から入手可能なものが含まれる。
【0061】
デンドリマーは、各繰り返し単位にポリマー分枝点を有する、コア部分の周囲に層状に作られた正確な単分散構造となる傾向がある。超分枝状ポリマーはデンドリマーに類似した多くの特徴を有する傾向にあるが、多分散系で、複数の高度に分枝したセグメントが成長し又は結合している比較的直鎖状のセグメントを含んでいる傾向を有している。
【0062】
さらに、「超分枝状ポリマー」は、主要分枝又は二次分枝のいずれかを形成し、それぞれ同一又は異なっていてもよい少なくとも一の少なくとも三官能性分枝点を有し、互いに異なり独立している少なくとも2の少なくとも三官能性の分枝点を形成可能である、少なくとも2、例えば3のポリマー状分枝状部を有するポリマーを意味する。各分枝点は、例えば少なくとも一の鎖の内部に配置されていてもよい。分枝は、例えば多官能性化合物により互いに結合していてもよい。
【0063】
ここで使用される場合、「三官能性分枝点」とは、その少なくとも2の分枝状部が、化学的組成及び/又は構造において異なっていてもよい、3つのポリマー分枝間の接合点を意味する。例えば、ある分枝は親水性であってもよく、すなわち主として親水性モノマーを含有していてもよく、他の分枝は疎水性であってよく、すなわち主として疎水性モノマーを含んでいてもよい。さらに分枝は、ランダムモノマー又はブロックポリマーを形成してもよい。
【0064】
ここで使用される場合、「少なくとも三官能性分枝状部」とは、少なくとも3つのポリマー性分枝間の接合点、例えば、少なくともn−1の分枝状部が化学的組成及び/又は構造において異なっているnのポリマー分枝を意味する。
【0065】
ここで使用される場合、「内部鎖(chain interior)」とは、この鎖の2つの端部を形成する原子を除き、ポリマー鎖内に位置している原子を意味する。
【0066】
ここで使用される場合、「主要分枝」とは、重量パーセントが最も高いモノマーを含む分枝又はポリマー配列を意味する。
【0067】
主要分枝ではない分枝は「二次分枝」と呼ばれる。
【0068】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、超分枝状ポリオールは、疎水性内部鎖を有する。好ましくは、内部鎖は、一又は複数の炭化水素基、一又は複数のケイ素ベース基、又はその混合物を含む。特に好ましい内部鎖は、オレフィン性ポリマー又はコポリマー、及び/又はシリコーンポリマー又はコポリマーを含む。
【0069】
適切なオレフィン性モノマーには、限定されるものではないが、分子当たり約2〜約30の炭素原子を有し、少なくとも一のオレフィン性二重結合を有し、非環式、環式、多環式、末端α、内部、直鎖状、分枝状、置換、未置換、官能性及び/又は非官能性である化合物が含まれる。例えば、適切なモノマーには、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、及びイソブチレンが含まれる。
【0070】
内部鎖に含まれる適切なシリコーン基には、「D」基(例えば、ジメチコーン又は置換ジメチコーン基)が含まれる。
【0071】
例示的な構造体は以下の通りである:

ここで、Xはヒドロキシル官能性に対応し、Rは、メチル基又は好ましくは2−30原子を有するアルキル基に対応する。
【0072】
好ましい実施態様によれば、少なくとも一の超分枝状ポリオールは、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、約3000〜25000、好ましくは4000〜22000、さらに好ましくは5000〜20000、例えば4000〜5500の分子量(Mw)を有する。
【0073】
好ましい実施態様によれば、少なくとも一の超分枝状ポリオールは、90°Fで、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、1000〜8000センチポアズ(cps)、好ましくは2000〜7000cps、さらに好ましくは3000〜6000cpsの粘度を有する。
【0074】
好ましい実施態様によれば、少なくとも一の超分枝状ポリオールは、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、組成物の全重量に対して約0.1〜約15重量%、好ましくは約1〜約10重量%、最も好ましくは約2〜約8重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在する。
【0075】
好ましくは、ポリオール対油溶性の極性変性ポリマーの重量比は、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、4:1〜1:4、好ましくは3:1〜1:3、さらに好ましくは2:1〜1:2である。
【0076】
好ましい実施態様によれば、極性変性ポリマーは油性担体中に存在し、ポリオールは、本発明の組成物の生成中に、油性担体に混合される。極性変性ポリマーは、典型的には室温で固体であるため、油性担体はポリオールと組合せる前にポリマーを液化するため、好ましくは加熱される。好ましくは、油性担体は極性変性ポリマーの融点を超えて、典型的には約70℃、80℃、90℃、100℃又は110℃まで加熱される。ついで、極性変性ポリマーは、室温、又はわずかに高温(室温と極性変性ポリマーが液化又は溶解する温度との間の温度)、例えば約30℃、40℃、50℃、60℃又は70℃で、少なくとも約30分の混合中に、ポリオールと組合せられることが好ましい。
【0077】
本発明のいくつかの実施態様によれば、ポリオールは水性担体中に存在可能で、極性変性ポリマーは、水性担体と油性担体とを組合せることにより、ポリオールと組合せることができる。他の実施態様によれば、ポリオールは水性担体中に存在する必要はない−ポリオールをまず油性担体に添加し、ついで水を混合物に添加することもできる。
【0078】
ポリアミン化合物
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも一のポリアミン化合物を含有する組成物が提供される。本発明によれば、ポリアミン化合物は、極性変性ポリマーの親水性基との反応に利用可能な少なくとも2の第1級アミン基を有している。
【0079】
特に好ましい実施態様によれば、ポリアミン化合物は、ポリアルキレンイミン、好ましくはC2−C5ポリアルキレンアミン化合物、より好ましくはポリエチレンイミン又はポリプロピレンイミンである。最も好ましくは、ポリアルキレンアミンはポリエチレンイミン(「PEI」)である。ポリアルキレンアミン化合物は、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含む、500−200000の範囲の平均分子量を有する。
【0080】
好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は、分枝状ポリマーの形態でポリエチレンイミン化合物を含む。このようなポリマーの商業的に入手可能な例は、ルパソール(LUPASOL)又はポリイミン(POLYIMIN)の商品名で、BASF社から入手可能である。このようなポリエチレンイミンの非限定的例には、ルパソール(登録商標)PS、ルパソール(登録商標)PL、ルパソール(登録商標)PR8515、ルパソール(登録商標)G20、ルパソール(登録商標)G35が含まれる。
【0081】
本発明の他の実施態様によれば、ポリアミン類、例えばポリエチレンイミン類及びポリプロピレンイミン類は、デンドリマーの形態でありうる。このようなデンドリマーの非限定的例は、DSM社により製造され、及び/又はその内容が出典明示によりここに援用される米国特許第5530092号及び米国特許第5610268号に開示されている。このようなポリマーの商業的に入手可能な例には、スターバースト(STARBURST)(登録商標)の名称で販売されているデンドリテック社(DENDRITECH)のポリアミドアミン又はポリプロピレンイミンポリマーが含まれる。
【0082】
本発明の他の実施態様によれば、ポリアルキレンアミンの誘導体は適切なポリアミンである。このような誘導体には、限定されるものではないが、アルキル化誘導体、ポリアルキレンアミン類へのアルキルカルボン酸の付加生成物、ポリアルキレンアミン類へのケトン類及びアルデヒド類の付加生成物、ポリアルキレンアミン類へのイソシアナート類及びイソチオシアナート類の付加生成物、ポリアルキレンアミン類へのアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシドブロックポリマーの付加生成物、ポリアルキレンアミン類の第4級化誘導体、ポリアルキレンアミン類へのシリコーンの付加生成物、及びポリアルキレンアミン類及びジカルボン酸のコポリマーが含まれる。さらに適切なポリアミン類には、限定されるものではないが、ポリビニルイミダゾール類(ホモポリマー又はコポリマー)、ポリビニルピリジン類(ホモポリマー又はコポリマー)、ビニルイミダゾールモノマーを含有する化合物(例えば、出典明示によりここに援用される米国特許第5677384号を参照)、及び塩基性側鎖を有するアミノ酸をベースとしたポリマー(好ましくは、ヒスチジン、リジン及びアルギニンから選択される少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%のアミノ酸を含有するタンパク質及びペプチドから選択)が含まれる。上述したような適切なポリアミンには、その内容が出典明示によりここに援用される、米国特許第6162448号に開示及び記載のものが含まれる。このようなポリマーの商業的に入手可能な例には、ポリビニルアミン/ホルムアミド、例えばBASF社からルパミン(Lupamine)(登録商標)の名称で販売されているもの、植物由来のキトサン、例えばISP社からキオスメチン(Kiosmetine)(登録商標)又はキトザイム(Kitozyme)(登録商標)の名称で販売されているもの、又はコポリマー845が含まれる。
【0083】
好ましい実施態様によれば、少なくとも一のポリアミン化合物は、全ての範囲及びこの範囲内の部分的範囲を含み、組成物の全重量に対して約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、さらに好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在している。
【0084】
好ましくは、極性変性ポリマーと反応するポリアミン化合物の量は、ポリアミン化合物の少なくとも2のアミン基が、極性変性ポリマーと反応して、極性変性ポリマーの親水性基とアミン基との間に連結又は結合を形成するような量である。反応生成物を得るために、極性変性ポリマーと反応するポリアミン化合物の適切な量は、ポリアミン化合物の反応性アミン基の数/量、及び極性変性ポリマーの対応する反応性基(例えば、無水マレイン酸基)の数/量に鑑み、容易に決定することができる。好ましい実施態様によれば、過度の極性変性ポリマー(ポリアミンの反応性アミン基に対する、ポリマーの対応する反応性基の相対的な数/量により決定)が、ポリアミンと反応させられる。好ましくは、極性変性ポリマーに対するポリアミンの比率は、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、0.005〜1、好ましくは0.006〜0.5、さらに好ましくは0.007〜0.1である。
【0085】
ゲル化剤
本発明の好ましい実施態様によれば、セルロース、及びその誘導体から選択される少なくとも一のゲル化剤を含有する組成物が提供される。このようなゲル化剤は、典型的には組成物の水性相に見出される。
【0086】
適切なセルロース及びその誘導体の例には、限定されるものではないが以下のものが含まれる:
セルロースポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及び第4級セルロース誘導体;
セルロース増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース、グアーガム及びその誘導体、例えばヒドロキシプロピルグアー、微生物由来のガム類、例えばキサンタンガム及びスクレログルカンガム;
第4級セルロース誘導体及び非環式アミン側基を有するポリアクリラート類。第4級セルロース誘導体には、例えば次のものが含まれる:
少なくとも一の脂肪鎖を有する基、例えば少なくとも8の炭素原子を有するアルキル、アリールアルキル、及びアルキルアリール基、及びその混合物で変性された第4級セルロース;
少なくとも一の脂肪鎖を有する基、例えば少なくとも8の炭素原子を有するアルキル、アリールアルキル、及びアルキルアリール基、及びその混合物で変性された第4級ヒドロキシエチルセルロース;
ポリクオータニウム-37(ウルトラゲル(Ultragel)300の商品名でコグニス社(Cognis)から、サルケア(SalCARE)の商品名でチバ社(Ciba)から商業的に入手可能なもの);ヒドロキシアルキルセルロースポリマー及びアルキルヒドロキシアルキルセルロースポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース(セロサイズ(Cellosize)及びナトロゾール(Natrosol)の商品名で、アメルコール社(Amerchol)及びダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)及びハーキュレス社(Hercules)から商業的に入手可能なもの)、ヒドロキシプロピルセルロース(クリューセル(Klucel)の商品名でハーキュレス社から入手可能なもの)、及びセチルヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾールの商品名でハーキュレス社から入手可能なもの);
カルボキシメチルセルロース(アクアロン(Aqualon)の商品名でハーキュレス社から入手可能なもの)、天然又は合成ガム類、及びデンプン;
C8−C30脂肪鎖を有する第4級アルキルヒドロキシエチルセルロースは、例えば、アメルコール社から販売されている製品クアトリソフト(Quatrisoft)LM200、クアトリソフトLM-X 529-18-A、クアトリソフトLM-X 529-18(C12アルキル)、及びクアトリソフトLM-X 529-8(C18アルキル)、及びクロダ社(Croda)から販売されている製品クロダセル(Crodacel)QM、クロダセルQL(C12アルキル)及びクロダセルQS(C18アルキル)を含む。
【0087】
特に好ましい増粘剤は、多糖類又は多糖類誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、ヒドロキシメチルセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシブチルメチルセルロース、デンプン及びデンプン誘導体である。
【0088】
特に好ましいレオロジー修正剤は、セチルヒドロキシエチルセルロース、第4級セルロース、及びヒドロキシエチルセルロースである。
【0089】
好ましくは、ゲル化剤は、それらの間の全ての範囲及び部分的範囲を含み、組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5.0重量%、さらに好ましくは約1.0重量%〜約4.0重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在している。
【0090】
反応生成物
本発明の好ましい実施態様によれば、極性変性ポリマーは、最小でもポリアミンを可溶化させるのに十分な量の、水の存在下で、ポリアミン化合物と反応させられ、反応生成物を形成する。好ましい実施態様によれば、反応生成物は水不溶性である。
【0091】
如何なる特定の理論にも拘束されることは望まないが、100℃以下の温度での、極性変性ポリマーとポリアミンの第1級アミン基との反応により、無水物環が開環し、半アミド・半酸架橋生成物が形成されると考えらる。しかしながら、100℃以上の温度での、極性変性ポリマーとポリアミンの第1級アミン基との反応により、無水物環が開環し、イミド架橋生成物が形成される。前者の生成物は後者の生成物よりも好ましい。反応生成物を形成するのに、全てのアミン基と全ての親水性基が互いに反応することが必要であるわけではない。むしろ、組成物は、反応生成物に加えて、遊離ポリアミン及び/又は遊離極性変性ポリマーを含みうる。
【0092】
また、如何なる特定の理論にも拘束されることは望まないが、ポリアミン(類)はポリアミンのアミン基と極性変性ポリマーの親水性基(例えば、無水マレイン酸基と結合するカルボン酸基)との間の静電気的相互作用により、極性変性ポリマー(類)と非共有的に会合し、超分子が形成可能であると考えられる。例えば、特に無水マレイン酸基に関して、水の存在下、これらの基は開環し、超分子カプセルとして作用する疎水性ネットワーク及び親水性コア架橋剤とのポリマー・ポリマー複合体を形成するイオン性相互作用を介して、ポリアミンのプロトン化第1級アミン類と相互作用可能なジカルボン酸基が形成可能である。多量の無水マレイン酸基が存在する場合、ポリアミンの第2級アミン基はプロトン化され、カルボン酸アルキルと相互作用する。
【0093】
好ましい実施態様によれば、極性変性ポリマーは油性担体中に存在し、ポリアミン化合物は水性担体中に存在し、反応は油性担体と水性担体とを組合せることにより生じる。極性変性ポリマーは、典型的には室温で固体であるため、油性担体は水性担体と組合せる前にポリマーを液化するため、好ましくは加熱される。好ましくは、油性担体は極性変性ポリマーの融点を超えて、典型的には約80℃、90℃又は100℃まで加熱される。
【0094】
如何なる特定の理論にも拘束されることを意図するものではないが、この理由は、極性変性ポリマーがポリアミンと組合せられる際に生じる化学的及び物理的反応のためであり、形成される後続の反応生成物は、驚くべきことに、また予期しないことに、その疎水性マトリックスの内部に多量の水分子を捕捉することができると考えられる。得られた生成物は、際だって皮膜を形成可能であり、自己乳化し、耐水性もある。さらに、生成物は安定しており、種々のタイプの成分を担持することができる。
【0095】
同様に、本発明の好ましい実施態様によれば、無水系(油相のみ)における極性変性ポリマーとポリオールとの反応により、反応生成物を生じせしめることができる。如何なる特定の理論にも拘束されることを意図するものではないが、極性変性ポリマーと超分枝状ポリオールとの反応生成物は、極性溶媒中で膨張可能で、水相に分散可能な、エステル架橋を有するエラストマー型化合物である。
【0096】

好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は、水をさらに含有する。典型的には、水は組成物に存在するポリアミンを可溶化するのに十分な量で存在する。水は、典型的には、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、約5重量%〜約50重量%、例えば約10重量%〜約40重量%、例えば約25重量%〜約35重量%の量で存在し、全ての重量は組成物の全重量に基づく。特に好ましい実施態様によれば、油中水型エマルションを形成させるのに十分な量の水が存在する。
【0097】
任意の成分
ゲル化剤
セルロース及びその誘導体以外の付加的なゲル化剤を使用することが望ましい場合もある。このような他のゲル化剤の例には以下のものが含まれる。
水溶性のゲル化ポリマー、例えば:
タンパク質、例えば植物由来のタンパク質、特に小麦タンパク質及び大豆タンパク質;動物由来のタンパク質、例えばケラチン類、特にケラチン加水分解物及びスルホンケラチン;
アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性キチン又はキトサンポリマー;及び
合成増粘剤、例えばアクリル酸とアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマー;
脂肪酸アミド類、例えばココナツジエタノールアミド及びモノエタノールアミド、及びカルボン酸アルキルエーテルのオキシエチレン化モノエタノールアミド、及び会合性ポリマー。
カチオン性の会合性ポリマーには、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:
ジイソシアナート類及び不安定水素を有する官能基を持つ種々の化合物から形成され得るカチオン性の会合性ポリウレタン類。不安定水素を有する官能基は、アルコール、第1級及び第2級アミン、及びチオール官能基で、ジイソシアナート官能基との反応後に、ポリウレタン類、ポリ尿素、及びポリチオ尿素をそれぞれ付与するものから選択される。「本発明で使用可能なポリウレタン類」なる表現には、これらの3種類のポリマー、すなわちポリウレタンそれ自体、ポリ尿素及びポリチオ尿素、及びそれらのコポリマーが含まれる。このような化合物の例には、限定されるものではないが、メチレンジフェニルジイソシアナート、メチレンシクロヘキサンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ブタンジイソシアナート、及びヘキサンジイソシアナート;及び
カルボキシビニルポリマー、アクリル酸/ポリアリルスクロースコポリマー、ポリアクリル化合物及びアクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー(カルボポールの商品名で商業的に入手可能なもの)が含まれる。
【0098】
存在するならば、このような他のゲル化剤は、組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5.0重量%、さらに好ましくは約1.0重量%〜約4.0重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在する。
【0099】
水以外の揮発性溶媒
本発明の化粧品組成物は、少なくとも一の揮発性溶媒を含有可能である。本発明の実施態様によれば、少なくとも一の揮発性溶媒は、揮発性シリコーン油又は揮発性非シリコーン油から選択可能である。
【0100】
適切な揮発性シリコーン油には、限定されるものではないが、2〜7のケイ素原子を有し、室温で6cSt以下の粘度を有する直鎖状又は環状のシリコーン油が含まれ、これらのシリコーン類は1〜10の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基で置換されていてもよい。本発明で使用され得る特定の油には、オクタメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン及びそれらの混合物が含まれる。使用され得る他の揮発性油には、6cStの粘度を有するKF96A、94℃の引火点を有する信越の市販品が含まれる。好ましくは、揮発性シリコーン油は少なくとも40℃の引火点を有する。
【0101】
揮発性シリコーン油の非限定的例を、以下の表1に列挙する。

【0102】
適切な揮発性非シリコーン油は、揮発性の炭化水素油、アルコール、揮発性エステル及び揮発性エーテルから選択される。このような揮発性の非シリコーン油の例には、限定されるものではないが、8〜16の炭素原子を有する揮発性の炭化水素油、及びそれらの混合物、特に分枝状のCからC16アルカン類、例えばCからC16イソアルカン類(イソパラフィン類としても知られている)、イソドデカン、イソデカン、例えばアイソパー(Isopar)又はパーメチル(Permethyl)の商品名で販売されている油、分枝状のCないしC16エステル、例えばイソヘキシル又はイソデシルのネオペンタノアート、及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、揮発性の非シリコーン油は少なくとも40℃の引火点を有する。
【0103】
揮発性非シリコーン油の非限定的例を、以下の表2に列挙する。

【0104】
存在するならば、少なくとも一の揮発性溶媒は、全ての範囲及びその間の部分的範囲を含み、約20重量%〜約90重量%、例えば約30重量%〜約80重量%、及び約35重量%〜約75重量%の量で組成物存在し、全ての重量は組成物の全重量に基づく。
【0105】
油溶性の極性変性ポリマー用の非揮発性油
本発明の化粧品組成物は、油溶性の極性変性ポリマーを可溶化可能な少なくとも一の非揮発性溶媒を含有できる。ここで使用される場合、「非揮発性」なる用語は、約100℃以上の沸点を有することを意味する。
【0106】
本発明で使用可能な非揮発性油の例には、限定されるものではないが、極性油、例えば以下のものが含まれる:
− グリセロールの脂肪酸エステルからなる高含有量のトリグリセリドを有し、その脂肪酸が可変長さの鎖を有することができ、これらの鎖が直鎖状又は分枝状で、飽和又は不飽和とできる、炭化水素ベースの植物性油;これらの油は、特に小麦胚芽油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、カリテバター、ヒマシ油、スイートアルモンド油、マカダミア油、アプリコット油、大豆油、菜種油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ゴマ種油、マロー油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、グレープシード油、クロフサスグリの種油、マツヨイグサ油、穀類油、大麦油、キノア油、オリブ油、ライ麦油、ベニバナ油、ククイノキ油、トケイソウ油、又はマスクローズ油;又はカプリル/カプリン酸のトリグリセリド、例えばステアリネリーズ・デュボア社(Stearineris Dubois)から販売されているもの、又はダイナミットノーベル社(Dynamit Nobel)からミグリオール(Miglyol)810、812及び818の名称で販売されているものである。
− Rが7〜19の炭素原子を含む、1〜40の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の高級脂肪酸残基を表し、Rが3〜20の炭素原子を含む、1〜40の炭素原子を有する分枝状の炭化水素ベース鎖を表し、R+R≧10である、式RCOORの合成油又はエステル、例えばプルセリン油(オクタン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、C12ないしC15の安息香酸アルキル、ミリスチン酸イソプロピル、2-エチルヘキシルパルミタート、及びアルコール又は多価アルコールのオクタノアート、デカノアート又はリシノレアート;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル又はリンゴ酸ジイソステアリル;及びペンタエリトリトールエステル;
− 10〜40の炭素原子を有する合成エーテル;
− CないしC26脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール;及び
− その混合物。
【0107】
さらに、本発明で使用可能な炭化水素油の例には、限定されるものではないが、非極性油、例えば分枝状及び非分枝状の炭化水素、及びポリオレフィン類を含む炭化水素ロウ、特にワセリン(ペトロラタム)、パラフィン油、スクワラン、スクワレン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリブテン、鉱物性油、ペンタヒドロスクアレン、及びそれらの混合物が含まれる。
【0108】
少なくとも一の非揮発性溶媒は、もし存在するならば、約1重量%〜約20重量%、例えば約1.5重量%〜約10重量%、例えば約2重量%〜約5重量%の量で、本発明の組成物に好ましくは存在し、全ての重量は組成物の全重量に基づく。
【0109】
本発明の組成物は、他の成分をさらに含有することができる。それらの例には、限定されるものではないが、着色料、例えば顔料及び染料、共溶媒(揮発性及び/又は非揮発性)、ロウ、可塑剤、防腐剤、フィラー、活性成分、例えば皮膚及び毛髪を処理(トリートメント)するために使用されるもの、及びサンスクリーン剤が含まれる。
【0110】
驚くべきことに、本発明の組成物は、高い耐移動性及び長時間にわたる帯着性があり、不溶性成分を担持するためのベース/マトリックスとして有効であるために、シリコーン樹脂、乳化剤又はゲル化剤を使用する必要がないことが見出された。また、得られた生成物により、高価な成分及び/又はプロセシング技術を使用する必要なく、高度な保湿性及び/又は長時間にわたる帯着性を伴う、ゲルテクスチャー及び好適な感触を有することのできる組成物が提供される。
【0111】
本発明の組成物は、不溶性の成分、例えば顔料を担持可能であり、安定していて、展伸が容易であり、快適な適用感を有する耐水性皮膜の使用が所望されている、任意の用途に使用可能である。
【0112】
本発明を、次の非限定的例に関してさらに記載する。特に示さない限りは、全ての部及びパーセントは重量対重量の割合基準である。
【実施例】
【0113】
実施例1 以下に開示の成分を含有する化粧品組成物を調製した。

(*) PP207は、リコケアPP207LP3349の商品名でクラリアント社から商業的に入手可能な、直鎖状ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウである。
【0114】
1.容器Aにおいて、PP207を、完全に溶解するまで、イソヘキサデカン及びイソドデカンに溶解させた。温度を90℃にした。
2.温度を維持しつつ、完全に溶解するまで、超分枝状ポリオール、乳化剤及び顔料粉砕物を容器Aに添加した。
3.別の容器Bにおいて、糖シリコーン界面活性剤、水、ポリエチレンイミン、セルロース、及び防腐剤を90℃で混合した。
4.Bを、高剪断(〜700rpm)でゆっくりと、Aに添加した。
5.高剪断混合を維持しつつ、70℃−80℃で20分、加熱し続けた。
6.混合しつつ、混合物を室温まで冷却した。
【0115】
実施例2 以下に開示の成分を含有する化粧品組成物を調製した。

(*) PP207は、リコケアPP207LP3349の商品名でクラリアント社から商業的に入手可能な、直鎖状ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウである。
【0116】
1.容器Aにおいて、PP207を、完全に溶解するまで、イソヘキサデカン及びイソドデカンに溶解させた。温度を90℃にした。
2.温度を維持しつつ、完全に溶解するまで、乳化剤及び顔料粉砕物を容器Aに添加した。
3.別の容器Bにおいて、糖シリコーン界面活性剤、水、ポリエチレンイミン、セルロース、及び防腐剤を90℃で混合した。
4.Bを、高剪断(〜700rpm)でゆっくりと、Aに添加した。
5.高剪断混合を維持しつつ、70℃−80℃で20分、加熱し続けた。
6.混合しつつ、混合物を室温まで冷却した。
【0117】
実施例3 唇用組成物

【0118】
手順
1.次のものを適切な大きさのビーカーAに添加し、95℃まで加熱した:非揮発性溶媒、ポリエチレン400、及び直鎖状のポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウ。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソン(Silverson)ミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリン、糖シリコーン界面活性剤及びPEI-35をDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、乳化速度を5分間、200rpmまで低下させた。
7.80℃で、内容物をリップスティック鋳型に注いだ。
8.鋳型のリップスティックを、−10℃で15分、冷却用トンネル配した。冷却し、鋳型のリップスティックを冷却用トンネルから取り出し、25℃で平衡にし、リップスティックを25℃まで解凍した後に、鋳型から取り出した。
【0119】
実施例4 唇用組成物

【0120】
手順
1.次のものを適切な大きさのビーカーAに添加し、95℃まで加熱した:非揮発性溶媒、及び直鎖状のポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウ。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリン、糖シリコーン界面活性剤及びPEI-35をDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、内容物が25℃に冷却するまで、乳化速度を5分間、200rpmまで低下させた。
7.主ビーカーAの内容物を容器に注いだ。
【0121】
実施例5

【0122】
手順
1.次のものを適切な大きさのビーカーAに添加し、95℃まで加熱した:非揮発性溶媒、ポリエチレン400、及び油溶性の高炭素極性変性ポリマー。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリン、糖シリコーン界面活性剤及びPEI-35をDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、乳化速度を5分間、200rpmまで低下させた。
7.80℃で、内容物をリップスティック鋳型に注いだ。
8.鋳型のリップスティックを、−10℃で15分、冷却用トンネル配した。冷却し、鋳型のリップスティックを冷却用トンネルから取り出し、25℃で平衡にし、リップスティックを25℃まで解凍した後に、鋳型から取り出した。
【0123】
実施例6

【0124】
手順
1.次のものを適切な大きさのビーカーAに添加し、95℃まで加熱した:非揮発性溶媒、及び油溶性の高炭素極性変性ポリマー。
十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
2.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。別のビーカー2において、グリセリン、糖シリコーン界面活性剤及びPEI-35をDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
3.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、内容物が25℃に冷却するまで、乳化速度を5分間、200rpmまで低下させた。
4.主ビーカーAの内容物を容器に注いだ。
【0125】
実施例7

【0126】
手順
1.主ビーカーAに、次のもの:イソドデカン、C20-C40パレス-10、ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウ、及びプロピルパラベンを添加した。ついで、固形物が全て溶解するまで、内容物を90℃まで加熱した。
2.主ビーカーに酸化鉄を添加し、850RPMで1時間、バッチの均質化を開始した(温度を85−90℃に維持した)。
3.別のビーカーBに、脱イオン水、二ナトリウムEDTA、リン酸セチルカリウム、メチルパラベン、グルコンアミドエチルアミノプロピルシリコーン(及び)アルコール及びポリエチレンイミン(PEI-35)を添加した。均質になるまでこれらを混合した。内容物を90℃まで加熱した。
4.ビーカーBの内容物をビーカーAにゆっくりと添加した。ついで、混合物にシメチコンを添加した。AとBの混合後に、5分間、ゲルの形成が観察された。
5.ゲルの形成中、250RPMから100RPM、さらに50RPMと、混合速度を低下させた。
6.ゲルネットワークが十分な粘度になった時、スイープブレードに交換した。50RPMを使用して冷却し始めた。
7.35℃で、フェノキシエタノール(及び)メチルパラベン(及び)イソプロピルパラベン(及び)イソブチルパラベン(及び)ブチルパラベンの混合物を添加した。
8.25℃まで冷却し続けた。
【0127】
実施例8 リップスティック用組成物

【0128】
手順
1.適切な大きさのビーカーAに次のものを添加し、95℃まで加熱した:ポリグリセリル-2、トリイソステアラート、ネオペンタン酸オクチルドデシル、水素化ポリデセン、超分枝状ポリオール、ポリエチレン400、ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウ。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料、トリカプリリン及びマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリンとPEI-35をDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。
7.その後、乳化速度を5分間、2000rpmまで低下させた。
8.80℃で、内容物をリップスティック鋳型に注いだ。
9.鋳型のリップスティックを、−10℃で15分、冷却用トンネル配した。冷却し、鋳型のリップスティックを冷却用トンネルから取り出し、25℃で平衡にし、リップスティックを25℃まで解凍した後に、鋳型から取り出した。
【0129】
実施例9 リップグロス用組成物

【0130】
手順
1.適切な大きさのビーカーAに次のものを添加し、95℃まで加熱した:ポリグリセリル-2、トリイソステアラート、ネオペンタン酸オクチルドデシル、水素化ポリデセン、超分枝状ポリオール、ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウ。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料、トリカプリリン及びマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリンとPEI-35をDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。
7.その後、内容物が25℃に冷却するまで、乳化速度を5分間、200rpmまで低下させた。
主ビーカーAの内容物を容器に注いだ。
【0131】
実施例10 マスカラ用組成物
工程1:PPMA-PEIゲルの作製

【0132】
手順
1.主ビーカーAに、イソドデカン、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウ、プロピルパラベンを添加る。固形物が全て溶解するまで、内容物を90℃まで加熱。
2.主ビーカーに酸化鉄を添加し、850RPMで1時間、バッチの均質化を開始(温度を85−90℃に維持)。
3.別のビーカーBに、DIイオン水、二ナトリウムEDTA、リン酸セチルカリウム、メチルパラベン、ペンチレングリコールを添加。均質になるまで混合。90℃まで加熱。
4.副ビーカーBにPEIを添加し、PEIが溶解するまで混合(温度を85−90℃に維持)。
5.副ビーカーを主ビーカーAにゆっくりと添加。ついで、混合物にシメチコンを添加。AとBの混合後に、5分間、ゲルの形成が観察された。
6.ゲルの形成中、250RPMから100RPM、さらに50RPMと、混合速度を低下させる。
7.ゲルネットワークが十分な粘度になったとき、スイープブレードに交換。50RPMを使用して冷却開始。
8.35℃で、フェノキシエタノール(及び)メチルパラベン(及び)イソプロピルパラベン(及び)イソブチルパラベン(及び)ブチルパラベンの混合物を添加。
9.25℃まで冷却し続け、バッチを25℃で落とす。
【0133】
工程2:PPMA-PEIゲルとポリオールの混合

【0134】
手順:
1.超分枝状ポリアルファオレフィンを40℃まで加熱した。
2.200RPM下で20分、9:1の比率に従い、PPMA-PEIゲルと超分枝状ポリアルファオレフィンとを混合した。
【0135】
実施例11

(*) PP207は、リコケアPP207LP3349の商品名でクラリアント社から商業的に入手可能な、直鎖状ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウである。
【0136】
1.容器Aにおいて、PP207を、完全に溶解するまで、イソヘキサデカン及びイソドデカンに溶解させた。温度を90℃にした。
2.温度を維持しつつ、完全に溶解するまで、超分枝状ポリオール、乳化剤及び顔料粉砕物を容器Aに添加した。
3.別の容器Bにおいて、水、ポリエチレンイミン、セルロース、及び防腐剤を90℃で混合した。
4.Bを、高剪断(〜700rpm)でゆっくりと、Aに添加した。
5.高剪断混合を維持しつつ、70℃−80℃で20分、加熱し続けた。
6.混合しつつ、混合物を室温まで冷却した。
【0137】
実施例12 リップスティック

【0138】
手順
1.A相物質を適切な大きさのビーカーAに添加し、95℃まで加熱した。
2.混合物が均質になった時、B相物質を添加し、95℃まで加熱した。
3.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
4.温度を85℃までわずかに低下させた。
5.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
6.別のビーカー2において、C相物質を添加し、混合し、85℃まで加熱した。
7.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、乳化速度を5分間、2000rpmまで低下させた。
8.80℃で、内容物をリップスティック鋳型に注いだ。
9.鋳型のリップスティックを、−10℃で15分、冷却用トンネル配した。冷却し、鋳型のリップスティックを冷却用トンネルから取り出し、25℃で平衡にし、リップスティックを25℃まで解凍した後に、鋳型から取り出した。
【0139】
実施例13 マスカラ用組成物

【0140】
手順
1.適切な大きさの金属容器に、プロピルパラベン、油溶性の極性変性ポリマー、及び超分枝状ポリオールを添加し、固形物が溶解するまで90℃で加熱した。
2.全ての固形物が溶解した時、イソドデカンをバッチに添加した。
3.酸化鉄をバッチに添加し、少なくとも1時間均質化した。
4.水浴を具備する副タンクBに、B相を添加し、均質になるまでバッチにおいて混合した。バッチを90℃まで加熱した。
5.副タンクBを20分混合した。
6.双方のタンクが所定温度になった時、850rpmで均質化しつつ、主タンクAに副タンクBをゆっくりと添加した。
7.5分均質化した後、シメチコンをバッチに添加し、90℃で30分均質化した。
8.自然に25℃までバッチを冷却した。
9.35℃で容器AにD相を添加し、さらに25℃まで冷却した。
10.内容物を適切な容器に注いだ。
【0141】
実施例14 リップスティック

【0142】
手順
1.適切な大きさのビーカーAに次のものを添加し、95℃まで加熱した:ポリグリセリル-2、トリイソステアラート、ネオペンタン酸オクチルドデシル、水素化ポリデセン、超分枝状ポリオール、ポリエチレン400、有色顔料、油溶性の極性変性ポリマー、トリカプリリン。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリンをDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。
7.その後、乳化速度を5分間、2000rpmまで低下させた。
8.80℃で、内容物をリップスティック鋳型に注いだ。
9.鋳型のリップスティックを、−10℃で15分、冷却用トンネル配した。冷却し、鋳型のリップスティックを冷却用トンネルから取り出し、25℃で平衡にし、リップスティックを25℃まで解凍した後に、鋳型から取り出した。
【0143】
実施例15 リップグロス

【0144】
手順
1.適切な大きさのビーカーAに次のものを添加し、95℃まで加熱した:ポリグリセリル-2、トリイソステアラート、ネオペンタン酸オクチルドデシル、水素化ポリデセン、超分枝状ポリオール、有色顔料、油溶性の極性変性ポリマー、トリカプリリン。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリンをDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。
7.その後、乳化速度を5分間、200rpmまで低下させた。
8.主ビーカーAの内容物を容器に注いだ。
【0145】
実施例16 ファンデーション

【0146】
手順
1.容器Aにおいて、油溶性の極性変性ポリマーと超分枝状ポリオールを、完全に溶解するまで、イソドデカンに溶解させた。温度を90℃にした。
2.温度を維持しつつ、完全に溶解するまで、ポリグリセリル-2-トリイソステアラートと顔料を容器Aに添加した。
3.別の容器Bにおいて、水、グリセリン、及び防腐剤を混合し、90℃まで加熱した。
4.容器Bの内容物を、高剪断(〜1000rpm)でゆっくりと、容器Aの内容物に添加した。
5.高剪断混合を維持しつつ、70℃−80℃で20分、加熱し続けた。
6.混合しつつ、混合物を室温まで冷却した。
【0147】
実施例17及び18(エマルション)

【0148】
手順
1.容器Aに油を添加し、90℃まで加熱した。ついで、リコケアPP207を添加し、ロウが溶解するまで混合した。ポリオールを添加し、その後混合した。
2.他の容器において、B相を調製し、80℃まで加熱した。
3.B相をゆっくりとA相に添加し、2000rpmの速度で30分混合した。
4.混合速度を2000rpmに維持しつつ、混合物をゆっくりと室温まで冷却した。
5.得られた物質はゲルであった。
【0149】
実施例19−22 無水組成物

【0150】
手順
1.容器Aに油を添加し、90℃まで加熱した。ついで、リコケアPP207を添加し、ロウが溶解するまで混合した。超分枝状ポリオールを添加し、その後混合した。
2.20時間混合したところ、得られた生成物はゲル状であった。
【0151】
実施例23 無水組成物

【0152】
手順
1.容器Aに油を添加し、90℃まで加熱した。ついで、リコケアPP207を添加し、ロウが溶解するまで混合した。超分枝状ポリオールを添加し、その後混合した。
2.クエン酸水を、容器Aの混合物にゆっくりと添加した。
3.混合物を90℃まで加熱し、24時間保持した。
4.混合速度を2000rpmに維持しつつ、混合物をゆっくりと室温まで冷却した。
5.得られた物質はゲルであった。
【0153】
実施例24 リップスティック

【0154】
実施例25

(*) PP207は、リコケアPP207LP3349の商品名でクラリアント社から商業的に入手可能な、直鎖状ポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマーロウである。
【0155】
手順
1.容器Aにおいて、PP207を、完全に溶解するまで、イソヘキサデカン及びイソドデカンに溶解させた。温度を90℃にした。
2.温度を維持しつつ、完全に溶解するまで、超分枝状ポリオール、乳化剤及び顔料粉砕物を容器Aに添加した。
3.別の容器Bにおいて、水、セルロース、及び防腐剤を室温で混合した。
4.Bを、高剪断(〜700rpm)でゆっくりと、Aに添加した。
5.高剪断混合を維持しつつ、70℃−80℃で20分、加熱し続けた。
6.混合しつつ、混合物を室温まで冷却した。
【0156】
実施例26 リップスティック

【0157】
手順
1.適切な大きさのビーカーAに次のものを添加し、95℃まで加熱した:非揮発性溶媒、超分枝状ポリオール、ポリエチレン400、C26−28極性変性ロウ。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリンをDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、乳化速度を5分間、2000rpmまで低下させた。
7.80℃で、内容物をリップスティック鋳型に注いだ。
8.鋳型のリップスティックを、−10℃で15分、冷却用トンネル配した。冷却し、鋳型のリップスティックを冷却用トンネルから取り出し、25℃で平衡にし、リップスティックを25℃まで解凍した後に、鋳型から取り出した。
【0158】
実施例27 リップグロス

【0159】
手順
1.適切な大きさのビーカーAに次のものを添加し、95℃まで加熱した:非揮発性溶媒、超分枝状ポリオール、C26−28極性変性ロウ。
2.十分な固形物が溶解した時、内容物を、全ての固形物が95℃で溶解するまで、中程度の速度で混合した。
3.温度を85℃までわずかに低下させ、顔料とマイカを添加した。
4.温度を85−90℃に維持しつつ、乳化のために、主ビーカーAの内容物をシルバーソンミキサーに移した。
5.別のビーカー2において、グリセリンをDI水に添加し、混合し、85℃まで加熱した。
6.副ビーカーBの内容物を、シルバーソンミキサー下で30分、9000rpmで乳化させつつ、ビーカーAに滴下した。その後、内容物が25℃に冷却するまで、乳化速度を5分間、2000rpmまで低下させた。
7.主ビーカーAの内容物を容器に注いだ。
【0160】
実施例28 ファンデーション

【0161】
手順
1.容器Aにおいて、油溶性の高炭素極性変性ポリマーと超分枝状ポリオールを、完全に溶解するまで、イソドデカンに溶解させた。温度を90℃にした。
2.温度を維持しつつ、完全に溶解するまで、ポリグリセリル-2-トリイソステアラートと顔料を容器Aに添加した。
3.別の容器Bにおいて、水、セルロース、及び防腐剤を混合し、90℃まで加熱した。
4.容器Bの内容物を、高剪断(〜1000rpm)でゆっくりと、容器Aの内容物に添加した。
5.高剪断混合を維持しつつ、70℃−80℃で20分、加熱し続けた。
6.混合しつつ、混合物を室温まで冷却した。
【0162】
実施例29−34 反応生成物

【0163】
手順
1.容器Aに油を添加し、110℃まで加熱した。ついで、リコケアCM401を添加し、ロウが溶解するまで混合した。
2.ついで、超分枝状ポリオールを添加し、140℃で混合した。
3.反応生成物がゲル状になるまで、45分〜6時間混合した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物と;(b)少なくとも一の極性変性ポリマーを含有する組成物。
【請求項2】
少なくとも一の揮発性物質をさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも一の非揮発性油をさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、グルコンアミドエチルアミノプロピルシリコーンである糖シリコーン界面活性剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
糖シリコーン界面活性剤が、組成物の重量に対して約0.5〜約25重量%の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
組成物がセルロースゲル化剤を含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が少なくとも一のポリアミンを含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が少なくとも一の超分枝状ポリオールを含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも一のポリアミンが分枝状ポリアルキレンイミンである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
ポリアミンが、組成物の重量に対して約0.05〜約20重量%の量で存在している、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
極性変性ポリマーが、組成物の重量に対して約1〜約30重量%の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
極性変性ポリマーが、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン-無水マレイン酸変性ロウである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
極性変性ポリマーが油溶性の極性変性ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
極性変性ポリマーが油溶性の高炭素極性変性ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
組成物の重量に対して約5〜約50重量%の量の水をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
エマルションの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
超分枝状ポリオールが100〜200のヒドロキシル数を有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
ゲル化剤が、組成物の重量に対して約0.1〜約10重量%の量で存在している、請求項6に記載の組成物。
【請求項19】
超分枝状ポリオールが、組成物の重量に対して約0.1〜約15重量%の量で存在している、請求項8に記載の組成物。
【請求項20】
(a)糖シリコーン界面活性剤、ゲル化剤、ポリアミン及び超分枝状ポリオールから選択される少なくとも一の化合物と;(b)少なくとも一の極性変性ポリマーを含有する組成物を基体に、メークアップするのに十分な量適用することを含む、ケラチン基体のメークアップ方法。

【公表番号】特表2012−532110(P2012−532110A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517857(P2012−517857)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040387
【国際公開番号】WO2011/008540
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】