説明

ゲートウェイ装置

【課題】通信異常発生時に、問題発生箇所の切り分けと原因特定を容易にし、問題解決に要する時間の短縮と労力の低減を可能とするゲートウェイ装置を提供する。
【解決手段】プロトコル変換処理部21の汎用LAN5側にトレース処理部22aを、同時ネットワーク3側にトレース処理部22bを設ける。トレース処理部22a、22bは、プロトコル変換処理部21の前後においてプロトコル変換処理部21を双方向に通過するデータのコピーを取得し、これをトレース共通処理部23に転送する。トレース共通処理部23は受けたデータに時刻を付して、トレース領域24に時系列に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、独自ネットワークに接続されている端末と汎用LANに接続されている端末とを接続するためのゲートウェイ装置に関し、特に異常発生時のデバッグ性能を向上させたゲートウェイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、従来のゲートウェイ装置について説明する。図10は、従来のゲートウェイ装置20を使用するネットワーク70を示す図である。ゲートウェイ装置20を介して独自ネットワーク30に接続されている旧端末40a、40bと、汎用LAN50に接続されている新端末60が接続され、これらが全ネットワーク70を構成している。
ゲートウェイ装置20は、規格の異なる2種類のネットワークに接続されている端末同士を接続するために、端末間を送受信されるデータのプロトコル変換をおこなう装置である。
まず、新端末60から旧端末40a、40bへデータ送信を行う場合を例に説明する。新端末60とゲートウェイ装置20間及びゲートウェイ装置20と旧端末40a、40b間はそれぞれ別のプロトコルによる処理が行われるため、別々のシーケンス処理がなされて通信が行われる。新端末60は汎用LANのフォーマットに乗せてゲートウェイ装置20へデータを送る。ゲートウェイ装置20では、新端末60からのデータを独自プロトコルのフォーマットに変換して旧端末40a、40bへと送信する。
新端末60と旧端末40a、40b間で通信中に何らかの異常により通信ができなくなった場合、通信データのトレースを採って解析を実施することになる。トレースは、ネットワーク上にトラップを設けて、個別にトレースすることになる。特許文献1では、同一ネットワーク上におけるこのようなトレース手段を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−92358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本システムのように別々のプロトコルを変換して橋渡しするようなゲートウェイ装置の場合、何らかの異常により端末間の通信できない状態が発生した場合には、その原因が汎用LAN側の異常であるのか、独自ネットワーク側の異常であるのかの判断ができない。さらに、詳細に問題箇所を特定するには、新端末、ゲートウェイ装置、旧端末のそれぞれにおいて、異常となっている現象をもとに、どのようなトレースを採るのかを検討し、トレースを残す仕掛けを入れ、それぞれのトレースを個別に採取し、トレース情報を突き合わせて解析する必要があった。そのため問題解決までに非常に多くの時間と労力を要していた。
【0005】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、通信異常発生時の問題発生箇所の切り分けと最終的な原因特定を容易にし、問題解決に要する時間の短縮と労力の低減を可能とするゲートウェイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るゲートウェイ装置は、第1のネットワークと第2のネットワークとの間に設置して、プロトコル変換を行うプロトコル変換処理部を備えたゲートウェイ装置であって、
ゲートウェイ装置は、プロトコル変換処理部の第1のネットワーク側に接続され、第1のネットワークに接続された端末と第2のネットワークに接続された端末との間でプロトコル変換処理部を通過して送受信されるデータのコピーを取得する第1のトレース処理部と、
プロトコル変換処理部の第2のネットワーク側に接続され、第2のネットワークに接続された端末と第1のネットワークに接続された端末との間でプロトコル変換処理部を通過して送受信されるデータのコピーを取得する第2のトレース処理部と、
第1のトレース処理部及び第2のトレース処理部からデータの転送を受けて、データを時系列にトレース領域に記録するトレース共通処理部を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るゲートウェイ装置は、プロトコル変換処理部の第1のネットワーク側に接続され、第1のネットワークに接続された端末と第2のネットワークに接続された端末との間でプロトコル変換処理部を通過して送受信されるデータのコピーを取得する第1のトレース処理部と、
プロトコル変換処理部の第2のネットワーク側に接続され、第2のネットワークに接続された端末と第1のネットワークに接続された端末との間でプロトコル変換処理部を通過して送受信されるデータのコピーを取得する第2のトレース処理部と、
第1のトレース処理部及び第2のトレース処理部からデータの転送を受けて、データを時系列にトレース領域に記録するトレース共通処理部を備えたことを特徴とするものなので、異なるネットワーク間を往来するデータでも、時系列にプロトコル変換前後のデータをトレースすることで、障害発生後に個別にトレースした後でデータを突き合わせて調査する必要がなく、異常個所の切り分けおよび特定までの所要時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1におけるネットワークのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図4】本発明の実施の形態2における記録可否設定テーブルの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3におけるゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図6】本発明の実施の形態3におけるライブチェック機能の概略シーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態4におけるゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図8】本発明の実施の形態4におけるライブチェック機能の概略シーケンス図である。
【図9】本発明の本実施の形態5におけるゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図10】従来のゲートウェイ装置を用いたネットワーク構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム構成図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるゲートウェイ装置2の内部構成図である。
全体としてのシステム構成は、「背景技術」において説明したシステム構成と同じである。ゲートウェイ装置2を介して、第1のネットワークとしての汎用LAN5に接続されている新端末6と、第2のネットワークとしての独自ネットワーク3に接続されている旧端末4とが接続されている。
ゲートウェイ装置2の内部構造を説明する。プロトコル変換処理部21は、ゲートウェイ装置2の中核機能を司り、ここを通過して汎用LAN5側と独自ネットワーク3側の間を行き交うデータに対して通信プロトコルの変換処理を施すことにより、両者間のデータ通信の橋渡しをする。
【0010】
プロトコル変換処理部21の汎用LAN5側にはトレース処理部22aが、プロトコル変換処理部21の独自ネットワーク3側にはトレース処理部22bが接続されている。
トレース処理部22a、22bは、プロトコル変換処理部21を通過する前後の通信データのコピーを取得し、後述するトレース共通処理部23へ転送する機能を有する。
つまり、トレース処理部22aにあっては、汎用LAN5側からプロトコル変換処理部21へ流れる直前のデータ及び、独自ネットワーク側からプロトコル変換処理部21を通過してプロトコル変換を済ませた直後のデータのコピーを取得して、これらのデータをトレース共通処理部23へ転送する。
また、トレース処理部22bにあっては、独自ネットワーク3側からプロトコル変換処理部21へ流れる直前のデータ及び、汎用LAN5側からプロトコル変換処理部21を通過してプロトコル変換を済ませた直後のデータのコピーを取得して、これらのデータをトレース共通処理部23へ転送する。
【0011】
トレース共通処理部23は、トレース処理部22a、22bからの転送データを受けて、これらのデータを記録領域であるトレース領域24に時系列に記録する機能を有する。
受信処理部25aは汎用LAN5側からゲートウェイ装置2に、プロトコル変換のために入るデータを受信し,受信処理部25bは独自ネットワーク3側からゲートウェイ装置2にプロトコル変換のために入るデータを受信する。
また、送信処理部26aは、ゲートウェイ装置2から汎用LAN5側へプロトコル変換後のデータを送出し,送信処理部26bは、ゲートウェイ装置2から独自ネットワーク3側へプロトコル変換後のデータを送出する。
【0012】
次に、新端末6から旧端末4へデータを送る場合の一連の動作について説明する。
ある新端末6が、ある旧端末4宛てに送信したデータは、ゲートウェイ装置2の汎用LAN側の受信処理部25aで受信され、トレース処理部22aへ渡される。トレース処理部22aは、このデータをプロトコル変換処理部21へ更に受け渡すと同時に、このデータのコピーをトレース共通処理部23へ転送する。トレース共通処理部23は、現在時刻と受け取ったデータ内容をトレース領域24に書き込む。
一方、プロトコル変換処理部21は、受け取ったデータを独自ネットワーク3側へ流すデータ形式に変換し、変換後のデータを独自ネットワーク3側のトレース処理部22bへ渡す。
【0013】
データを受け取ったトレース処理部22bは、このデータを送信処理部26bに渡すと同時に、先に述べたトレース処理部22aの場合と同様に、このデータのコピーをトレース共通処理部23へ転送する。トレース共通処理部23は、現在時刻と受け取ったデータ内容をトレース領域24に書き込む。
送信処理部26bへ渡されたデータは独自ネットワーク3側へ送出される。
【0014】
次に、旧端末4から新端末6へデータを送る場合の一連の動作について説明する。
ある旧端末4が、ある新端末6宛てに送信したデータは、ゲートウェイ装置2の独自ネットワーク3側の受信処理部25bで受信され、トレース処理部22bへ渡される。トレース処理部22bは、このデータをプロトコル変換処理部21へ更に受け渡すと同時に、このデータのコピーをトレース共通処理部23へ転送する。トレース共通処理部23は、現在時刻と受け取ったデータ内容をトレース領域24に書き込む。
一方、プロトコル変換処理部21は、受け取ったデータを汎用LAN5側へ流すデータ形式に変換し、変換後のデータを汎用LAN5側のトレース処理部22aへ渡す。
【0015】
データを受け取ったトレース処理部22aは、このデータを送信処理部26aに渡すと同時に、先に述べたトレース処理部22bの場合と同様に、このデータのコピーをトレース共通処理部23へ転送する。トレース共通処理部23は、現在時刻と受け取ったデータ内容をトレース領域24に書き込む。
送信処理部26aへ渡されたデータは汎用LAN5側へ送出される。
【0016】
ゲートウェイ装置2は、先述のデータ記録用に現在時刻を保持している。さらに、トレース領域24は有限であるので、あらかじめ登録できる件数は決定しておく。例えば1000件登録できるものとしておくと、登録する件数が1000件を超えた場合には、古いトレース情報から上書きされるものとする。
新端末6から旧端末4、旧端末4から新端末6のデータ送受信はランダムに行われるため、トレース共通処理部23では、トレース領域24の書き込み処理は時系列に記録されることとなる。トレース情報を参照する場合には、デバッグ用PC7を接続し、トレース表示機能8によりトレースを参照する。
【0017】
この発明の実施の形態1に係るゲートウェイ装置によれば、異なるネットワーク間を往来するデータでも、時系列にプロトコル変換前後のデータをトレースすることで、障害発生後に個別にトレースした後でデータを突き合わせて調査する必要がなく、異常個所の切り分けおよび特定までの所要時間を短縮することができる。
【0018】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図3に基づいて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、すべてのデータをトレース領域24に順次記録しているが、問題となっていない端末のトレースは不要な場合もある。
また、トレースを採るということは、ゲートウェイ装置202内部の処理にとっては、負荷となるため、通常稼働時は不必要なトレースは採らない処理とし、デバッグ時にのみ必要なトレースを選択して採るという使い方も可能としたい。本実施の形態2では、通過するデータの送信元端末及びそのデータの送信先端末をチェックし、当該データをトレース共通処理部223に転送して記録するか否かを判断するトレース制御機能をトレース処理部222a、222bに設けている。そして、トレース処理部222a、222bの各トレース制御機能は、後述する記録可否設定テーブル9a、9bを元に、通過するすべてのデータについて、これらをトレース共通処理部223へ転送するか、しないかの判断をする。
【0019】
記録可否設定テーブル9a、9bの内容はゲートウェイ装置202に接続したデバッグ用PC7で編集することができる。
【0020】
図4(a)は、記録可否設定テーブル9aの構成を示す図である。図4(b)は、記録可否設定テーブル9bの構造を示す図である。
各図の端末番号は、汎用LAN5側および独自ネットワーク3側のすべての端末を特定できる一意の番号である。トレース処理部222a、222bは、トレース処理部222a、222bを通過するデータを取得すると、それぞれのデータに記録された当該データの送信元端末と送信先端末の端末番号を調べる。そして、それぞれの端末番号に相当する記録可否設定テーブル9a、9bの送信元フラグ欄の値と送信先フラグ欄の値を取得する。送信元フラグ欄の値と送信先フラグ欄の値が共にONの場合は、当該データをトレース共通処理部223に転送する。
【0021】
例えば、図4(a)の場合、端末番号が3の送信元欄および送信先欄のフラグは共にONであり、端末番号が254の送信元欄および送信先欄のフラグも共にONである。
この場合、トレース処理部222aを通過して、汎用LAN5に接続された端末番号が3である新端末6003と、独自ネットワーク3に接続された、端末番号が254である旧端末4254との間で双方向に通信されるデータがトレース共通処理部223に転送される。
【0022】
また、例えば図4(b)の場合、トレース処理部222bがトレース共通処理部223に転送するデータは、汎用LAN5に接続された端末番号が3である新端末6003から、独自ネットワーク3に接続された端末番号が254である旧端末4254へ送信されるデータだけである。
【0023】
ここで、記録可否設定テーブル9a、9bには、同一の端末が、送信元であり、かつ送信先でもある組合せも存在することになるが、そのようなデータは受信処理部25a、25bでフィルタリングされるので無視して良い。
【0024】
2種類の記録可否設定テーブル9a、9bを利用することによって、プロトコル変換処理部21を通過する前後において、全てデータについてそれらの記録の可否を設定することができる。
【0025】
この発明の実施の形態2に係るゲートウェイ装置202によれば、必要なトレースを個別に指定できるため、記録すべきデータ量を大幅に減少できる。
また、特定の端末間の送受信データを、送受信方向を指定し、プロトコル変換の前後において選択して記録できるので、データ解析が容易になり、異常個所の切り分けおよび特定までの所要時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図5、図6に基づいて実施の形態1と異なる点を中心に説明する。図5は本実施の形態3におけるゲートウェイ装置302の内部構成図である。
実施の形態1では、例えばノイズなどによる一過性の通信異常が発生した場合は、各端末側の問題か、ゲートウェイ装置2側の問題か、その他のネットワーク上の問題であるのかを切り分けできない。そこで、本実施の形態3ではライブチェック機能322をプロトコル変換処理部321に設けている。
ライブチェック機能322は全ネットワークを構成する端末群の健全性をチェックする機能である。その他は実施の形態1と同じである。
【0027】
図6は、ライブチェック機能322の概略シーケンス図である。
ライブチェック機能322の動作について説明する。
図6に示すとおり、ゲートウェイ装置302は電源ONの後、汎用LAN5側及び独自ネットワーク3側の各端末からの最初の通常データパケット待ちの状態となる。
【0028】
例えば、独自ネットワーク3側の旧端末4からの最初の通常データパケットを受信すると、ライブチェック機能322が有効となり、受信したデータパケットの中身を解析して送信元端末を割り出し、以降、当該送信元端末に対して定期的にライブチェック送信を行う。
ライブチェックパケットは、ゲートウェイ装置302のプロトコル変換処理部に備えたライブチェック機能322が、通常データとは全く別のライブチェック専用のパケットを生成して送信元端末へ送信する。
【0029】
このライブチェックパケットを受信した旧端末4は、自身が正常であることを示す応答パケットを返信する。これを定期的に繰り返す。汎用LAN5側も同様である。
このライブチェック機能322の動作の結果発生する送受信データも、トレース処理部22a、22bを介してトレース共通処理部23に転送され、トレース領域24に記録される。
【0030】
この発明の実施の形態3に係るゲートウェイ装置302によれば、プロトコル変換処理部321にライブチェック機能322を持たせて、プロトコル変換処理部321と各端末の間で送受信されるライブチェック専用のパケットデータについても同時にトレースできるので、問題箇所の切り分けが可能となり、デバッグ作業時間を大幅に短縮することができる。なお、この実施の形態では、実施の形態1との差異を述べたが、実施の形態2と組み合わせても良い。
【0031】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図7に基づいて実施の形態3と異なる点を中心に説明する。
図7は本実施の形態4におけるゲートウェイ装置402の内部構成図である。
図8は実施の形態4のライブチェック機能422の概略シーケンス図を示す。
実施の形態3のゲートウェイ装置302と、この実施の形態4のゲートウェイ装置402との違いはライブチェック機能の動作だけである。
【0032】
トレース領域24は有限であり、独自ネットワーク3側に接続される旧端末4は1台とは限らない。ある1台の旧端末からのライブチェックパケットにエラーが検出され続けるような場合は、調査が必要である。しかし、エラーが繰り返し検出されても、正常な旧端末との間のトレースデータが同じように記録され続ける、トレース領域24に記録されたエラーデータが上書きされてしまう恐れがある。
そこで、この実施の形態4のライブチェック機能422には、実施の形態3のライブチェック機能に加えてライブチェック機能を開始後、連続して一定回数ライブチェックパケットの応答が帰ってこない、或いは同一エラーが発生したと判断する場合には、異常発生とみなしてすべてのトレースを停止させる機能を持たせた。
例えば、図8に示すようにエラーを3回連続で検出した場合には、異常とみなして全てのトレース処理を停止させる。
【0033】
この発明の実施の形態4に係るゲートウェイ装置402によれば、正常な端末のトレースデータによりトレース領域に記録されたエラー情報が上書きされ、有益な情報までもが消されることを防ぐことができる。
【0034】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図9に基づいて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9は本実施の形態5におけるゲートウェイ装置502の内部構成図である。キューイング機能10はトレースパケットを時系列にモニタ出力する機能である。モニタリング機能11はトレースをモニタリングする機能である。その他は実施の形態2と同じである。
実施の形態1では、トレース領域24にトレース情報を記録し、それをトレース表示機能8で表示させているが、本実施の形態5では、トレースパケットをそのままトレースモニタ用のキューイング機能10に備えたキューに入れ、モニタリング機能11がそのキューからデータを順次引き抜き、常時トレースパケットをデバッグ用PC7へ出力するようにする。
【0035】
これにより、デバッグ用PC7では、市販のキャプチャーソフトを使用してパケットをモニタリングすることができ、解析性を向上させることができる。
なお、実施の形態1と異なる部分について説明したが、その他の実施の形態に係るゲートウェイ装置と組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0036】
2,20,202,302,402,502 ゲートウェイ装置、
21 プロトコル変換処理部、22a,22b,222a,222b トレース処理部、23 トレース共通処理部、24 トレース領域、25a,25b 受信処理部、
26a,26b 送信処理部、3,30 独自ネットワーク、
321 プロトコル変換処理部、322,422 ライブチェック機能、
4,4a,4b,40a,40b,4252,4253,4254 旧端末、
5,50 汎用LAN、6,60,6003 新端末、7 デバッグ用PC、
8 トレース表示機能、9a,9b 記録可否設定テーブル、10 キューイング機能、11 モニタリング機能、70 全ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークと第2のネットワークとの間に設置して、プロトコル変換を行うプロトコル変換処理部を備えたゲートウェイ装置であって、
前記ゲートウェイ装置は、前記プロトコル変換処理部の前記第1のネットワーク側に接続され、前記第1のネットワークに接続された端末と前記第2のネットワークに接続された端末との間で前記プロトコル変換処理部を通過して送受信されるデータのコピーを取得する第1のトレース処理部と、
前記プロトコル変換処理部の前記第2のネットワーク側に接続され、前記第2のネットワークに接続された端末と前記第1のネットワークに接続された端末との間で前記プロトコル変換処理部を通過して送受信されるデータのコピーを取得する第2のトレース処理部と、
前記第1のトレース処理部及び前記第2のトレース処理部から前記データの転送を受けて、前記データを時系列にトレース領域に記録するトレース共通処理部を備えたことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
前記第1のトレース処理部及び前記第2のトレース処理部は、前記第1のネットワークと前記第2のネットワークに接続されている全ての端末について、
それぞれの端末が、プロトコル変換処理部を通過するデータの送信元である場合における前記データの記録の要否を示す送信元フラグと、
それぞれの端末が前記データの送信先である場合における前記データの記録の要否を示す送信先フラグとを記載する記録可否設定テーブルを備え、
前記データの送信元端末に対応する送信元フラグの設定と、前記データの送信先端末に対応する送信先フラグの設定が、共にONの時のみ前記データを前記トレース共通処理部に転送するトレース制御機能を有することを特徴とする請求項1に記載のゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記ゲートウェイ装置は、この装置を通過するデータの送信元端末に対して、以後定期的に、稼働確認用のライブチェック信号を送信し、前記ライブチェック信号に対する前記送信元端末からの応答を監視するライブチェック機能を備え、
前記トレース共通処理部は、前記ライブチェック信号の送受信データも他の送受信データと合わせて時系列に記録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゲートウェイ装置。
【請求項4】
所定の回数連続して前記送信元端末からの前記応答が無いことを前記ライブチェック機能が検出したときは、
前記トレース共通処理部は、送受信データの前記トレース領域への書き込みを以後停止することを特徴とする請求項3に記載のゲートウェイ装置。
【請求項5】
前記トレース領域への記録に代えて、前記トレース共通処理部を通過するデータを順次画面表示するパケットモニタリング機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−223199(P2011−223199A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88690(P2010−88690)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】