説明

ゲーミングマシン及びその制御方法

【課題】スキャッタシンボルを表示することが可能なゲーミングマシンにおいて、スキャッタシンボルに関する新たな特徴を付加することで、ゲームの面白みを一層向上させることのできるゲーミングマシンを提供する。
【解決手段】本発明のスロットマシンは、特定の条件が成立した場合には、通常のシンボル停止表示が行われる前に、1個以上の特定のスキャッタシンボルが停止表示され、その後、特定のスキャッタシンボルを含む全てのシンボルのいずれかが停止表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーミングマシン及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の種類のシンボルをスクロール表示した後に停止表示し、停止表示されたシンボルの組合せに基づいて遊技媒体(例えば、コイン)を付与するスロットマシンが知られている。このようなスロットマシンは、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
また、従来のスロットマシンのなかには、特許文献4〜5に開示されているように、ウィニングライン上に再配置されたシンボルのコンビネーションによって決定される配当と、スキャッタシンボルの表示数によって決定される配当との2種類の配当を行うスロットマシンが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6960133号明細書
【特許文献2】米国特許第6012983号明細書
【特許文献3】米国特許第6093102号明細書
【特許文献4】米国特許第6604999号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0065124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スキャッタシンボルの表示数に基づく配当は、一般的に、停止表示されたスキャッタシンボルの数に比例して多くなるように定められている。遊技者は、目視により、瞬間的にスキャッタシンボルの数を凡そ把握することができるので、シンボルの停止表示が完了した瞬間に、付与されるであろう配当の量をある程度予測することができる。よって、遊技者は、複雑なルール等を覚えなくとも、直感的に遊技を楽しむことができる。
【0006】
本発明者は、この点に着目し、スキャッタシンボルを表示することが可能なスロットマシンにおいて、スキャッタシンボルに関する新たな特徴を付加することで、遊技の面白みを一層向上させることができるのではないかという考えに至った。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スキャッタシンボルを表示することが可能なゲーミングマシンにおいて、遊技の面白みを一層向上させることが可能なゲーミングマシン、及び、その制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記構成を備えるゲーミングマシンを提供する。
(1)すなわち、上記ゲーミングマシンは、特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうちの何れかのシンボルを停止表示させることが可能な表示領域を複数有するシンボル表示装置を備える。
また、上記ゲーミングマシンは、下記(A)〜(C)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラを備える。
(A)特定の条件が成立した場合、上記シンボル表示装置の有する複数の表示領域のうち少なくとも1の表示領域において、上記特定シンボルを停止表示させた後、上記特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理、
(B)上記特定の条件が成立しなかった場合、全ての上記複数の表示領域において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理、及び、
(C)上記処理(A)又は上記処理(B)により停止表示された特定シンボルの個数に基づいて、配当を付与する処理。
【0009】
(1)の発明によれば、停止表示された特定シンボルの個数に基づいて配当が付与される。すなわち、特定シンボルは、スキャッタシンボルである。
特定の条件が成立しなかった場合には、全ての表示領域において、特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルが停止表示される。複数種類のシンボルが停止表示されることを、以下では、「通常のシンボル停止表示」とも言う。
一方、特定の条件が成立した場合(例えば、所定の数値範囲に属する乱数が抽出された場合)には、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボルが停止表示される。従って、それだけ多数の特定シンボルが停止表示される可能性が高くなる。それに伴って、遊技者に付与される配当の大きさもまた、大きくなる可能性が高い。
従って、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボルが停止表示された場合には、遊技者に対して、高配当への期待感を抱かせることができる。そして、特定シンボルの停止表示という、遊技者が視覚的に容易に把握することができる出来事を発端として、遊技者の期待感を駆り立てることができる点で、遊技者の直感に訴えかけることが可能である。これにより、遊技に対する遊技者の興奮度を高めることができる。
【0010】
また、一般に、スキャッタシンボルを表示することが可能なスロットマシンにおいては、停止表示されるスキャッタシンボルの個数が多いほど、大きな配当が付与されるよう構成されているが、停止表示されることとなるスキャッタシンボルの個数が多くなるほど、当該個数のスキャッタシンボルが停止表示される確率は低くなる。従って、多数のスキャッタシンボルが停止表示されることによって高配当を獲得することに対して、遊技者に期待感を抱いてもらいにくい。この点、(1)の発明によれば、特定の条件が成立することにより、遊技者に対して、高配当への期待感を抱かせることができるため、ギャンブル性の高い遊技を求める遊技者の要望に応えることができ、そのような遊技者の射幸心を充分に満たすことができる。
【0011】
また、上記(1)のゲーミングマシンは、下記構成を備えることが望ましい。
(2)すなわち、上記シンボル表示装置は、特定シンボルを停止表示させることが可能なシンボル表示領域を複数有し、背後を透視することが可能な第1シンボル表示装置と、
上記第1シンボル表示装置の背後に設けられており、上記シンボル表示領域と対向する位置において、上記特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうちの何れかのシンボルを停止表示させることが可能な第2シンボル表示装置とからなり、上記処理(A)は、特定の条件が成立した場合、上記第1シンボル表示装置の有する複数のシンボル表示領域のうち少なくとも1のシンボル表示領域において、上記特定シンボルを停止表示させた後、上記シンボル表示領域と対向する上記第2シンボル表示装置上の位置において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理であり、上記処理(B)は、上記特定の条件が成立しなかった場合、上記第1シンボル表示装置には特定シンボルを停止表示させずに、上記シンボル表示領域と対向する上記第2シンボル表示装置上の位置において上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理である。
【0012】
(2)の発明によれば、第1シンボル表示装置と第2シンボル表示装置との2つのシンボル表示装置によって、シンボルの停止表示が行われる。ゲーミングマシンは、2つのシンボル表示装置において、斬新な演出を伴うシンボルの停止表示を行ったり、複雑なシンボル同士の組合せを明瞭に示したりすることができる。その結果、遊技者を惹きつける魅力ある演出や遊戯性を持つゲーミングマシンを提供することができる。
【0013】
また、上記(2)のゲーミングマシンは、下記構成を備えることが望ましい。
(3)すなわち、上記第1シンボル表示装置は、特定シンボルを停止表示させることが可能なシンボル表示領域を複数有する透明液晶パネルを備え、上記第2シンボル表示装置は、
上記透明液晶パネルの背後に設けられており、外周面に上記特定シンボルを含む複数種類のシンボルが描かれ、上記シンボル表示領域と対向する位置において何れかのシンボルを停止表示させることが可能なリールを備え、上記処理(A)は、特定の条件が成立した場合、上記透明液晶パネルの有する複数のシンボル表示領域のうち少なくとも1のシンボル表示領域において、上記特定シンボルを停止表示させた後、上記リールの回転を停止させることにより、上記シンボル表示領域と対向する位置において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理であり、上記処理(B)は、上記特定の条件が成立しなかった場合、上記透明液晶パネルには特定シンボルを停止表示させずに、上記リールの回転を停止させることにより、上記シンボル表示領域と対向する位置において上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理である。
【0014】
(3)の発明によれば、特定の条件が成立したとき、まず始めに、透明液晶パネルにおいて特定シンボルが停止表示される。続いて、回転するリールが停止し、リールに描かれたシンボルが停止表示されることで、通常のシンボル停止表示が行われる。つまり、特定の条件が成立したとき、透明液晶パネルと、リールというそれぞれ異なるシンボル表示装置においてシンボルの停止表示が行われる。このことから、2つの異なるシンボルの停止表示方法の組合せによる意外性のある演出を行うことができる。
その結果、遊技者を充分に楽しませ、シンボル表示装置に注目させることができる。
【0015】
また、上記(1)のゲーミングマシンは、下記構成を備えることが望ましい。
(4)すなわち、上記処理(A)は、(A−1)特定の条件が成立した場合、上記シンボル表示装置の有する複数の表示領域のうち少なくとも1の表示領域において、上記特定シンボルを停止表示させる処理、(A−2)上記処理(A−1)により停止表示された特定シンボルの停止態様が所定の停止態様である場合、上記処理(A−1)により特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、さらに上記特定シンボルを停止表示させる処理、及び、(A−3)上記処理(A−1)により特定シンボルが停止表示されず、且つ、上記処理(A−2)により特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理である。
【0016】
(4)の発明によれば、シンボル表示領域において、特定シンボルが所定の停止態様で停止表示されたとき、さらに特定シンボルが追加で停止表示される。これにより、多くの特定シンボルが停止する機会、すなわち、遊技者に多くの配当が付与される機会がより増えることとなる。その結果、多くの配当が付与されることを期待しながら遊技を行う遊技者の射幸心を満たし、遊技者を一層遊技に熱中させることができる。
【0017】
また、本発明は、下記構成を備えるゲーミングマシンの制御方法を提供する。
(5)すなわち、上記ゲーミングマシンの制御方法は、下記(A)〜(C)の段階を含む。
(A)特定の条件が成立した場合、上記シンボル表示装置の有する複数の表示領域のうち少なくとも1の表示領域において、上記特定シンボルを停止表示させた後、上記特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる段階、(B)上記特定の条件が成立しなかった場合、全ての上記複数の表示領域において、上記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる段階、及び、(C)上記段階(A)又は上記段階(B)により停止表示された特定シンボルの個数に基づいて、配当を付与する段階。
【0018】
(5)の発明によれば、停止表示された特定シンボルの個数に基づいて配当が付与される。すなわち、特定シンボルは、スキャッタシンボルである。
特定の条件が成立しなかった場合には、全ての表示領域において、特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルが停止表示される。複数種類のシンボルが停止表示されることを、以下では、「通常のシンボル停止表示」とも言う。
一方、特定の条件が成立した場合(例えば、所定の数値範囲に属する乱数が抽出された場合)には、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボルが停止表示される。従って、それだけ多数の特定シンボルが停止表示される可能性が高くなる。それに伴って、遊技者に付与される配当の大きさもまた、大きくなる可能性が高い。
従って、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボルが停止表示された場合には、遊技者に対して、高配当への期待感を抱かせることができる。そして、特定シンボルの停止表示という、遊技者が視覚的に容易に把握することができる出来事を発端として、遊技者の期待感を駆り立てることができる点で、遊技者の直感に訴えかけることが可能である。これにより、遊技に対する遊技者の興奮度を高めることができる。
【0019】
また、一般に、スキャッタシンボルを表示することが可能なスロットマシンにおいては、停止表示されるスキャッタシンボルの個数が多いほど、大きな配当が付与されるよう構成されているが、停止表示されることとなるスキャッタシンボルの個数が多くなるほど、当該個数のスキャッタシンボルが停止表示される確率は低くなる。従って、多数のスキャッタシンボルが停止表示されることによって高配当を獲得することに対して、遊技者に期待感を抱いてもらいにくい。この点、(5)の発明によれば、特定の条件が成立することにより、遊技者に対して、高配当への期待感を抱かせることができるため、ギャンブル性の高い遊技を求める遊技者の要望に応えることができ、そのような遊技者の射幸心を充分に満たすことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スキャッタシンボルを表示することが可能なゲーミングマシンにおいて、遊技の面白みを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図1B】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図1C】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図1D】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含む遊技システムを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのリールの周面に描かれたシンボルの配列を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの配当量決定テーブルを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行されるシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される通常シンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行されるシンボル表示領域抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される残りシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【図17】本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンの特定シンボル再追加処理のフローチャートを示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のフローチャートを示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のフローチャートを示す図である。
【図22】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【図23】本発明の第2実施形態におけるシンボル表示領域と表示窓との位置関係を示す図である。
【図24】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行されるシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図25】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される特定シンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである
【図26】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンのリールシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
【図27】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【図28】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される払出数決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図29】本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される特定シンボル合算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図30】本発明の第3実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【図31】本発明の第3実施形態における第1シンボル表示領域と第2シンボル表示領域との位置関係を示す図である。
【図32】本発明の第3実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される払出数決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図33A】本発明の第4実施形態に係る第1特定シンボルと第2特定シンボルとを示す図である。
【図33B】本発明の第4実施形態に係る第1特定シンボルと第2特定シンボルとが重なった様子を示す図である。
【図34】本発明の第4実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される特定シンボル合算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図35】本発明の第4実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態(第1実施形態〜第4実施形態)について説明する。
【0023】
まず、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
図1Bは、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
図1Cは、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
図1Dは、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像及び下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【0024】
[第1実施形態]
まず、図1(図1A〜図1D)を用いて、第1実施形態の概要について説明する。
第1実施形態に係るゲーミングマシン1(図4参照)によれば、下側画像表示パネル141(本発明におけるシンボル表示装置)に表示されるビデオリールにおいて、複数のシンボルが停止表示されるが、特定の条件が成立したか否かによって、シンボルの停止表示に係る処理が異なっている。なお、本実施形態では、特定の条件として、所定の数値範囲に属する乱数が抽出されること、という条件を採用している。
【0025】
特定の条件が成立しなかった場合には、全てのシンボル表示領域3において、特定シンボルを含む複数種類のシンボルがスクロール表示された後、何れかのシンボルが停止表示される。シンボル表示領域3は、ビデオリールを構成する20個のシンボル表示領域3(3a〜3t)(図1A〜図1D参照)である。第1実施形態における各シンボル表示領域3は、本発明における表示領域に相当するものである。なお、特定シンボルを含む複数種類のシンボルがスクロール表示された後、何れかのシンボルが停止表示されることを、以下では、「通常のシンボル停止表示」とも言う。
【0026】
一方、特定の条件が成立した場合には、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボルが停止表示される。
特定の条件が成立すると、図1Aに示すように、上側画像表示パネル131において、第1特別画像150が表示される。本実施形態では、第1特別画像150として、いきり立ったマンモスを示す画像が表示される。このとき、下側画像表示パネル141には、シンボルがスクロール表示されている。
【0027】
その後、図1Bに示すように、上側画像表示パネル131において、第2特別画像151が表示される。本実施形態では、第2特別画像151として、マンモスの足踏みを示す画像が表示される。そして、下側画像表示パネル141では、一部又は全部のシンボル表示領域3(3a〜3t)において、特定シンボル100(本実施形態では「MAMMOTH」)が停止表示される。
このように、あたかもマンモスが足踏みした衝撃によって、特別シンボル100が停止表示されたかのような演出が行われる。
図1Bでは、特定シンボル100が8個停止表示された様子を示している。
【0028】
その後、特定シンボル100が停止表示されずにスクロール表示が継続されていたシンボル表示領域3において、通常のシンボル停止表示が行われる。
図1Cでは、通常のシンボル停止表示により、4個の特定シンボル100が停止表示され、ビデオリールにおいて合計12個の特定シンボル100が停止表示された様子を示している。
【0029】
本実施形態では、ビデオリールにおいて停止表示された特定シンボルの個数に基づいて、配当が付与される。
通常のシンボル停止表示が行われた後、上側画像表示パネル131において、特定シンボル数表示画像250と、文字画像251とが表示される。図1Dに示すように、特定シンボル数表示画像250は、停止表示された特定シンボル100の個数を報知する。文字画像251は、特定シンボル100の個数に応じたコインの払出数を報知する。
【0030】
以上、図1A〜図1Dを用いて、第1実施形態の概要について説明した。
以下、更に、第1実施形態について詳述する。
【0031】
[機能フロー図の説明]
図2を参照して、本実施形態に係るゲーミングマシンの基本的な機能について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【0032】
〈コイン投入・スタートチェック〉
まず、ゲーミングマシンは、BETボタンが遊技者により押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタンが遊技者により押されたか否かをチェックする。
【0033】
〈シンボル決定〉
次に、ゲーミングマシンは、スピンボタンが遊技者により押されると、特定シンボル追加ボーナス決定のための乱数値と、シンボル決定用乱数値とを抽出する。特定シンボル追加ボーナス決定のための乱数値が、所定の数値範囲に含まれるとき(特定の条件が成立したとき)、さらに、特定シンボル抽籤用乱数値を抽出して、各シンボル表示領域3に特定シンボルを停止表示させるか否かをそれぞれ決定する。また、シンボル決定用乱数値を用いて、ディスプレイ上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときに遊技者に表示するシンボルを決定する。
【0034】
〈シンボル表示〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、シンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボルが遊技者に表示されるようにスクロールを停止させる。
【0035】
〈入賞判定〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、遊技者に表示された各シンボルの個数が入賞に係るものであるか否かを判定する。
【0036】
〈払い出し〉
次に、ゲーミングマシンは、遊技者に表示された各シンボルの個数が入賞に係るものであるとき、そのシンボルの個数に応じた特典を遊技者に与える。
例えば、ゲーミングマシンは、コインの払い出しに係る個数のシンボルが表示されたとき、そのシンボルの個数に応じた数のコインを遊技者に払い出す。
【0037】
また、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルが所定の個数以上表示されたとき、ボーナスゲームを開始する。なお、本実施形態では、ボーナスゲームとして、コインを消費することなく、停止予定シンボルの決定に係る抽籤が所定回数にわたって行われる遊技(フリーゲーム)が行われる。
【0038】
また、ゲーミングマシンは、ジャックポットトリガーに係るシンボルが所定の個数以上表示されたとき、ジャックポット額のコインを遊技者に払い出す。ジャックポットは、各ゲーミングマシンにおいて遊技者が消費したコインの一部をジャックポット額として累積していき、ジャックポットトリガーが成立したゲーミングマシンがあったとき、そのゲーミングマシンに対して、累積したジャックポット額のコインを払い出す機能をいう。
ゲーミングマシンは、1回の遊技ごとに、ジャックポット額に蓄積する額(累積額)を算出し、外部制御装置へ送信する。外部制御装置は、各ゲーミングマシンから送信されてきた累積額をジャックポット額に累積していく。
【0039】
また、ゲーミングマシンには、上記特典のほか、ミステリーボーナスや、インシュランスといった特典が設けられている。
ミステリーボーナスは、専用の抽籤に当籤することによって、予め定められた額のコインの払い出しが行われるものである。ゲーミングマシンは、スピンボタンが押されると、ミステリーボーナス用乱数値を抽出し、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを抽籤により決定する。
【0040】
インシュランスは、ボーナスゲームが長期間行われていない状況から遊技者を救済することを目的として設けられる機能である。本実施形態では、インシュランスを有効とするか否かは、遊技者が任意に選択可能となっている。インシュランスを有効にする場合、所定のインシュランス加入額と引き換えになる。
ゲーミングマシンは、インシュランスが有効とされた場合、遊技回数のカウントを開始する。そして、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームなどによる多額の払い出しが行われることなく、カウントした遊技回数が予め定められた回数に達したとき、インシュランス用に設定された額のコインの払い出しを行う。
【0041】
〈演出の決定〉
ゲーミングマシンは、ディスプレイによる画像の表示、ランプによる光の出力、及びスピーカによる音の出力によって演出を行う。ゲーミングマシンは、演出用乱数値を抽出し、抽籤により決定されたシンボルなどに基づいて、演出の内容を決定する。
【0042】
[ゲームシステムの全体]
ゲーミングマシンの基本的な機能についての説明は以上である。次に、図3を参照して、ゲーミングマシンを含むゲームシステムについて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【0043】
ゲームシステム300は、複数のゲーミングマシン1と、各ゲーミングマシン1と通信回線301を介して接続された外部制御装置200とを備えている。
【0044】
外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を制御するものである。本実施形態において、外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を有する遊技施設に設置されているいわゆるホールサーバである。各ゲーミングマシン1にはそれぞれ固有の識別番号が付されており、外部制御装置200は、識別番号により、各ゲーミングマシン1から送られてくるデータの出所を判別している。また、外部制御装置200からゲーミングマシン1にデータを送信する場合にも、識別番号を用いて送信先を指定している。
【0045】
なお、ゲームシステム300は、カジノ等の様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよいし、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、遊技施設のフロアやセクションごとに遊技システム300が構築されてもよい。通信回線301は、有線であっても無線であってもよく、専用回線又は交換回線等を採用することが可能である。
【0046】
[ゲーミングマシンの全体構造]
本実施形態に係るゲームシステムについての説明は以上である。次に、図4を参照して、ゲーミングマシン1の全体構造について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【0047】
ゲーミングマシン1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。また、本実施形態では、後述するバーコード付きチケットも用いられる。なお、遊技媒体はこれらに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネーなどを採用することもできる。
【0048】
ゲーミングマシン1は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。
【0049】
メインドア13の中央には、下側画像表示パネル141が設けられている。下側画像表示パネル141は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。下側画像表示パネル141は、シンボル表示領域3を有する。
本実施形態において、ビデオリールとは、複数のシンボルがその周面に描かれた機械式リールの回転及び停止の動作を映像により表現するものである。各ビデオリールには、予め定められた複数(本実施形態では22個)のシンボルからなるシンボル列が割り当てられている(後述の図5を参照)。
【0050】
シンボル表示領域3では、各ビデオリールに割り当てられたシンボル列がそれぞれスクロールされ、所定時間の経過後、停止する。その結果、それぞれのシンボル列の一部(本実施形態では連続する4個のシンボル)が遊技者に表示される。
シンボル表示領域4には、各ビデオリールに応じて、上段、中央上段、中央下段及び下段の4つの領域にそれぞれ1個のシンボルが表示される。つまり、シンボル表示領域4には、5列×4個の20個のシンボルが表示される。
【0051】
また、下側画像表示パネル141は、クレジット数表示領域142を有する。クレジット数表示領域142には、遊技者が所有するコインであってゲーミングマシン1内部に預けられたコインの数(以下、クレジット数)が表示される。
【0052】
また、下側画像表示パネル141には、タッチパネル114が内蔵されている。遊技者は下側画像表示パネル141に触れることで各種の指示を入力することができる。
【0053】
下側画像表示パネル141の下方には、コントロールパネル30に配された各種ボタンをはじめ、遊技者による操作の対象となる各種装置が配されている。
【0054】
スピンボタン31は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始する際に用いられるものである。チェンジボタン32は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられるものである。CASHOUTボタン33は、ゲーミングマシン1内部に預けられているコインをコイントレイ15に払い出す際に用いられるものである。
【0055】
1−BETボタン34及び最大BETボタン35は、ゲーミングマシン1内部に預けられているコインから遊技に用いるコインの数(以下、BET数)を決定するためのものである。1−BETボタン34は、上記BET数を1枚単位で決定する際に用いられるものである。最大BETボタン35は、上記BET数を規定上限数とする際に用いられるものである。
【0056】
コイン受入口36は、コインを受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣を受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣が適正であるか否かを選別し、適正な紙幣をキャビネット11内に受け入れる。なお、紙幣識別器115は、後述するバーコード付チケット175を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0057】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル131が設けられている。上側画像表示パネル131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス12には、スピーカ112及びランプ111が設けられている。ゲーミングマシン1では、画像の表示、音の出力及び光の出力によって演出が実行される。
【0058】
上側画像表示パネル131の下方には、チケットプリンタ171と、カードスロット176と、データ表示器174と、キーパッド173とが設けられている。
【0059】
チケットプリンタ171は、クレジット数や日時やゲーミングマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット175として出力するものである。遊技者は、バーコード付チケット175をゲーミングマシンに読み取らせて遊技を行ったり、バーコード付チケット175を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0060】
カードスロット176は、所定のデータが記憶されているカードを挿入するためのものである。例えば、カードには、遊技者を識別するためのデータ、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶されている。
カードスロット176に挿入されたカードは、後述のカードリーダ172によってデータの読み取り及びデータの書き込みが行われる。なお、カードには、コイン、紙幣又はクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。
【0061】
データ表示器174は、蛍光ディス遊技者LED等からなり、例えば、カードリーダ172が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド173を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド173は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0062】
[ビデオリールのシンボル列]
ゲーミングマシン1の全体構造についての説明は以上である。次に、図5を参照して、ゲーミングマシン1のビデオリールが有するシンボル列の構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのリールの周面に描かれたシンボルの配列を示す図である。
【0063】
ビデオリールには、コードナンバー「00」〜「21」に対応する22個のシンボルから構成されるシンボル列が割り当てられている。
【0064】
シンボルの種類には、「MAMMOTH」、「JACKPOT 7」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」及び「APPLE」が設けられている。
【0065】
[ゲーミングマシンが備える回路の構成]
ゲーミングマシン1のビデオリールが有するシンボル列の構成についての説明は以上である。次に、図6を参照して、ゲーミングマシン1が備える回路の構成について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【0066】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53と、メモリカード54に対応したカードスロット55と、GAL(Generic Array Logic)56に対応したICソケット57とを備えている。
【0067】
メモリカード54は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、抽籤プログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている(例えば後述の図8〜図17を参照)。また、上記ゲームプログラムには、各ビデオリールに割り当てられたシンボル列の構成を規定するデータ(図5を参照)が含まれている。
【0068】
抽籤プログラムは、各シンボル表示領域3の停止予定シンボルを抽籤により決定するためのプログラムである。停止予定シンボルは、シンボル列を構成する22個のシンボルのうち、各シンボル表示領域3において表示する1個のシンボルを決定するためのデータである。
【0069】
上記抽籤プログラムには、シンボル決定データが含まれている。シンボル決定データは、各ビデオリールに応じて、シンボル列を構成する22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれが均等の確率(つまり、1/22)で決定されるように乱数値を規定するデータである。
22個のシンボルのそれぞれが決定される確率は基本的に均等である。ただし、22個のシンボルの中に含まれる各種シンボルの個数が異なるので、各種シンボルが決定される確率は異なる(つまり、重みが生じる)。例えば、図5を参照すると、ビデオリールのシンボル列には、シンボル「JACKPOT7」は1個含まれているのに対して、シンボル「ORANGE」は5個含まれている。したがって、前者は「1/22」の確率で決定されるのに対して、後者は「5/22」の確率で決定されることになる。
【0070】
なお、本実施の形態では、ビデオリールのシンボル列を構成するシンボルの個数が同じとなるようにデータが規定されているが、ビデオリールに応じて、シンボル列を構成するシンボルの個数が異なるようにしても良い。例えば、第1ビデオリールのシンボル列は22個のシンボルから構成される一方で、第2ビデオリールのシンボル列は30個のシンボルから構成されるようにしても良い。これにより、各ビデオリールに応じて各種シンボルが決定される確率を設定する際の自由度が増す。
【0071】
また、カードスロット55は、メモリカード54を挿抜可能なように構成されており、IDEバスによってマザーボード70に接続されている。
【0072】
GAL56は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL56は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
【0073】
また、ICソケット57は、GAL56を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。メモリカード54を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、又は、メモリカード54に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、ゲーミングマシン1で行われる遊技の内容を変更することができる。
【0074】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53は、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。PCIバスは、マザーボード70とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード70からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0075】
ROM52には、認証プログラムが記憶される。ブートROM53には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラム及び予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0076】
マザーボード70は、メインCPU71と、ROM72と、RAM73と、通信用インターフェイス82とを備えている。マザーボード70は、本発明におけるコントローラに相当する。本実施形態では、メインCPU71という1個のCPUによってコントローラが構成されることとしているが、本発明におけるコントローラは、複数のCPUから構成されていてもよい。
【0077】
ROM72は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU71により実行されるBIOS等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU71によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。
【0078】
RAM73には、メインCPU71が動作する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM73には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
【0079】
通信インターフェイス82は、通信回線301を介して、サーバ等の外部制御装置200との通信を行うためのものである。また、マザーボード70には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)90及び本体PCB110が、それぞれUSBによって接続されている。さらに、マザーボード70には、電源ユニット81が接続されている。
電源ユニット81からマザーボード70に電力が供給されると、マザーボード70のメインCPU71が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
【0080】
ドアPCB90及び本体PCB110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU71により動作が制御される周辺装置が接続されている。
ドアPCB90には、コントロールパネル30、リバータ91、コインカウンタ92C及び冷陰極管93が接続されている。
【0081】
コントロールパネル30には、前述の各ボタンに対応して、スピンスイッチ31S、チェンジスイッチ32S、CASHOUTスイッチ33S、1−BETスイッチ34S及び最大BETスイッチ35Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンが遊技者によって押されたことを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0082】
コインカウンタ92Cは、コイン受入口36に入れられたコインが材質や形状等が適正であるか否かを選別し、適正なコインを検出したとき、メインCPU71に対して信号を出力する。また、適正でないコインは、コイン払出口15Aから排出される。
【0083】
リバータ91は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ92Cによって選別された適正なコインを、ホッパー113又はキャッシュボックス(図示せず)に振り分ける。ホッパー113がコインで満たされていない場合はホッパー113に、ホッパー113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
【0084】
冷陰極管93は、上側画像表示パネル131及び下側画像表示パネル141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0085】
本体PCB110には、ランプ111、スピーカ112、ホッパー113、コイン検出部113S、タッチパネル114、紙幣識別器115、グラフィックボード130、チケットプリンタ171、カードリーダ172、キースイッチ173S及びデータ表示器174が接続されている。
【0086】
ランプ111は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ112は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
【0087】
ホッパー113は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口15Aからコイントレイ15に払い出す。コイン検出部113Sは、ホッパー113により払い出されるコインを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0088】
タッチパネル114は、下側画像表示パネル上で遊技者の指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU71に対して出力する。紙幣識別器115は、適正な紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に応じた信号をメインCPU71に対して出力する。
【0089】
グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル131及び下側画像表示パネル141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。下側画像表示パネル141には、5つのビデオリールが表示され、各ビデオリールが有するシンボル列のスクロール及びその停止の動作が表示される。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDPや、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAM等を備えている。
【0090】
また、グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0091】
チケットプリンタ171は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、RAM73に記憶されたクレジット数、日時やゲーミングマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット175として出力する。
【0092】
カードリーダ172は、カードスロット176に入れられたカードについて、記憶されているデータを読み取ってメインCPU71へ送信したり、メインCPU71からの制御信号に基づいてデータの書き込みを行ったりする。
【0093】
キースイッチ173Sは、キーパッド173に設けられており、キーパッド173が遊技者によって操作されたとき、所定の信号をメインCPU71へ出力する。
【0094】
データ表示器174は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ172が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド173を介して入力されたデータを表示する。
【0095】
[配当量決定テーブルの構成]
ゲーミングマシン1の回路構成についての説明は以上である。次に、図7を参照して、配当量決定テーブルについて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの配当量決定テーブルを示す図である。
【0096】
配当量決定テーブルにおいては、停止表示されたシンボルの種類及び個数と対応付けて、配当量が設定されている。
【0097】
例えば、シンボル表示領域3に5個の「MAMMOTH」が停止表示されたとき、配当量は、BETされたコイン1枚につき、コイン30枚である。また、例えば、図1Dに示すように、100枚のコインがBETされ、12個の「MAMMOTH」が停止表示されたとき、配当量は、“30×(12−4)×100=24000”より、コイン24000枚である。
【0098】
また、配当量決定テーブルにおいては、特別な賞も設定されている。
「JACKPOT 7」は、ジャックポットトリガーに係るシンボルである。シンボル表示領域3にシンボル「JACKPOT 7」が5個以上停止表示された場合、入賞役は「ジャックポット」となり、払出数としてジャックポット額が決定される。
「APPLE」は、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルである。シンボル表示領域3にシンボル「APPLE」が5個以上停止表示された場合、入賞役は「ボーナスゲームトリガー」となり、次回の遊技からボーナスゲームが開始される。
【0099】
[プログラムの内容]
シンボル組合せテーブルについての説明は以上である。次に、図8〜図21を参照して、ゲーミングマシン1により実行されるプログラムについて説明する。
【0100】
〈メイン制御処理〉
まず、図8を参照して、メイン制御処理について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
【0101】
はじめに、ゲーミングマシン1に電源が投入されると、メインCPU71は、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54から認証したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを読み出し、RAM73に書き込む(ステップS11)。
【0102】
次に、メインCPU71は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS12)。例えば、BET数や抽籤により決定されたシンボルなど、RAM73の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータがクリアされる。
【0103】
次に、メインCPU71は、後で図9を参照して説明するコイン投入・スタートチェック処理を行う(ステップS13)。この処理では、BETスイッチやスピンスイッチの入力のチェックなどが行われる。
【0104】
次に、メインCPU71は、シンボル抽籤処理を行う(ステップS14)。シンボル抽籤処理については、図10を用いて後に詳述する。
【0105】
次に、メインCPU71は、ミステリーボーナス抽籤処理を行う(ステップS15)。この処理では、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを決定する抽籤が行われる。例えば、メインCPU71は、「0〜99」の範囲からミステリーボーナス用乱数値を抽出し、抽出された乱数値が「0」である場合に、ミステリーボーナストリガーを成立させる。
【0106】
次に、メインCPU71は、演出内容決定処理を行う(ステップS16)。メインCPU71は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽籤により決定する。
【0107】
次に、メインCPU71は、シンボル表示制御処理を行う(ステップS17)。シンボル表示制御処理については、後に図16を用いて詳述する。
【0108】
次に、メインCPU71は、特定シンボル再追加処理を行う(ステップS30)。この処理では、ステップS17で停止表示された特定シンボルの停止態様に基づいて、停止表示されたシンボルのうち一部のシンボルが特定シンボル100に置き換えられる。特定シンボル再追加処理については、図17を用いて後に詳述する。
【0109】
次に、メインCPU71は、後で図18を参照して説明する払出数決定処理を行う(ステップS18)。この処理では、シンボル表示領域3に停止表示されたシンボルの種類と個数とに基づいて払出数が決定され、RAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0110】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS19)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、後で図20を参照して説明するボーナスゲーム処理を行う(ステップS20)。
【0111】
次に、メインCPU71は、ステップS20の処理の後、又はステップS19においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、ミステリーボーナストリガーが成立したか否かを判別する(ステップS21)。メインCPU71は、ミステリーボーナストリガーが成立したと判別したときには、ミステリーボーナス処理を行う(ステップS22)。この処理では、ミステリーボーナス用に設定された払出数(例えば300)がRAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0112】
メインCPU71は、ステップS22の処理の後、又はステップS21においてミステリーボーナストリガーが成立していないと判別したときには、後で図19を参照して説明するインシュランスチェック処理を行う(ステップS23)。この処理では、インシュランスによる払い出しを行うか否かがチェックされる。
【0113】
次に、メインCPU71は、払出処理を行う(ステップS24)。メインCPU71は、払出数記憶領域に格納されている値を、RAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。なお、CASHOUTスイッチ33Sの入力に基づいてホッパー113の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値に応じたコインをコイン払出口15Aから排出するようにしても良い。また、チケットプリンタ171の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値が記録されたバーコード付チケットを発行するようにしても良い。この処理が行われた後、ステップS12に移る。
【0114】
〈コイン投入・スタートチェック処理〉
次に、図9を参照して、コイン投入・スタートチェック処理について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0115】
はじめに、メインCPU71は、コインカウンタ92Cによりコインの投入を検出したか否かを判別する(ステップS41)。メインCPU71は、コインの投入を検出したと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値を加算する(ステップS42)。なお、コインの投入に加えて、紙幣識別器115により紙幣の投入を検出したか否かを判別し、紙幣の投入を検出したと判別したときに、紙幣に応じた値をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算するようにしても良い。
【0116】
メインCPU71は、ステップS42の後、又はステップS41においてコインの投入を検出していないと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS43)。メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、BETボタンの操作受付を許可する(ステップS44)。
【0117】
次に、メインCPU71は、BETボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS45)。メインCPU71は、BETボタンが遊技者によって押されたことをBETスイッチにより検出したときは、BETボタンの種別に基づいて、RAM73に設けられているBET数記憶領域に格納されている値を加算し、クレジット数記憶領域に格納されている値を減算する(ステップS46)。
【0118】
次に、メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であるか否かを判別する(ステップS47)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であると判別したときには、BET数記憶領域に格納されている値の更新を禁止する(ステップS48)。メインCPU71は、ステップS48の後、又はステップS47においてBET数記憶領域に格納されている値は最大ではないと判別したときには、スピンボタンの操作受付を許可する(ステップS49)。
【0119】
メインCPU71は、ステップS49の後、ステップS45においてBETボタンの操作を検出していないと判別したとき、又はステップS43においてクレジット数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、スピンボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS50)。メインCPU71は、スピンボタンの操作を検出していないと判別したときには、ステップS41に移る。
【0120】
メインCPU71は、スピンボタンの操作を検出したと判別したときには、後で図10を参照して説明するジャックポット関連処理を行う(ステップS51)。この処理では、ジャックポット額に累積する額が算出され、外部制御装置200に送信される。
【0121】
次に、メインCPU71は、後で図11を参照して説明するインシュランス関連処理を行う(ステップS52)。この処理では、インシュランスによる払い出しが行われる契機となる遊技回数のカウントが行われる。この処理が行われると、コイン投入・スタートチェック処理を終了する。
【0122】
次に、図10を参照して、シンボル抽籤処理について説明する。
図10は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行されるシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0123】
まず、メインCPU71は、特定シンボル追加ボーナス決定用の乱数値を抽出する(ステップS25)。
【0124】
次に、メインCPU71は、ステップS25で抽出した乱数値を基に、特定シンボル追加ボーナスが成立したか否かを判断する(ステップS26)。この処理において、メインCPU71は、ステップS25で抽出した乱数値が所定の数値範囲に含まれるか否かを判断し、所定の数値範囲に含まれるときに、特定シンボル追加ボーナスが成立したと判断する。
【0125】
特定シンボル追加ボーナスが成立していないと判断したとき、メインCPU71は、通常シンボル抽籤処理を実行する(ステップS29)。通常シンボル抽籤処理では、全てのシンボル表示領域3において停止表示されるシンボルが決定される。通常シンボル抽籤処理については、図13を用いて後に詳述する。
ステップS29を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0126】
一方、ステップS26において、特定シンボル追加ボーナスが成立したと判断したとき、メインCPU71は、シンボル表示領域抽籤処理を実行する(ステップS27)。シンボル表示領域抽籤処理では、特定シンボルを停止表示させるシンボル表示領域が抽籤により決定される。シンボル表示領域抽籤処理については、図14を用いて後に詳述する。
【0127】
次に、メインCPU71は、残りシンボル抽籤処理を実行する(ステップS28)。シンボル抽籤処理では、ステップS27において特定シンボルを停止表示させるシンボル表示領域として決定されなかったシンボル表示領域に停止表示させるシンボルを決定する。残りシンボル抽籤処理については、図15を用いて後に詳述する。
【0128】
ステップS28を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0129】
〈ジャックポット関連処理〉
次に、図11を参照して、ジャックポット関連処理について説明する。
図11は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
【0130】
はじめに、メインCPU71は、累積額を算出する(ステップS71)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値と予め設定された累積割合との積をもとめ、ジャックポット額への累積額を算出する。
【0131】
次に、メインCPU71は、算出された累積額を外部制御装置200に対して送信する(ステップS72)。外部制御装置200は、累積額を受信すると、ジャックポット額を更新する。この処理が行われると、ジャックポット関連処理を終了する。
【0132】
〈インシュランス関連処理〉
次に、図12を参照して、インシュランス関連処理について説明する。
図12は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のフローチャートを示す図である。
【0133】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS91)。インシュランス有効フラグは、後で図21を参照して説明するインシュランス選択処理において、遊技者によりインシュランスを有効にする指示が入力されたときにオンにセットされる。
【0134】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス関連処理を終了する。一方で、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、RAM73に設けられているインシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値を更新する(ステップS92)。インシュランス用遊技回数記憶領域は、インシュランスによる払い出しが行われるまでの遊技回数を記憶する領域である。ステップS92の処理において、メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値に1を加算する。この処理が行われると、インシュランス関連処理を終了する。
【0135】
次に、図13を参照して、通常シンボル抽籤処理について説明する。
図13は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される通常シンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0136】
はじめに、メインCPU71は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS111)。次に、メインCPU71は、各シンボル表示領域3の停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS112)。メインCPU71は、各ビデオリールに応じて抽籤を行い、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)の何れかを停止予定シンボルとして決定する。このとき、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれは均等の確率(つまり、1/22)で決定される。
【0137】
次に、メインCPU71は、決定した各シンボル表示領域3の停止予定シンボルをRAM73に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS113)。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
【0138】
次に、図14を参照して、シンボル表示領域抽籤処理について説明する。
図14は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行されるシンボル表示領域抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0139】
まず、メインCPU71は、特定シンボル100が停止表示されるシンボル表示領域3を決定するための乱数値を抽出する(ステップS120)。この処理において、メインCPU71は、シンボル表示領域3毎にそれぞれ乱数値を抽出する。すなわち、メインCPU71は、合計20個の乱数値を抽出する。
【0140】
次に、メインCPU71は、ステップS120で抽出された乱数値を基に、特定シンボル100を停止表示させるシンボル表示領域3を決定する(ステップS121)。この処理において、メインCPU71は、各シンボルマトリクス3と対応づけて抽出された20個の乱数値が、それぞれ、所定の数値範囲に含まれるか否かを判断する。そして、メインCPU71は、所定の数値範囲に含まれる乱数値と対応付けられたシンボル表示領域3を、特定シンボル100を停止させるシンボル表示領域3に決定する。
【0141】
次に、メインCPU71は、ステップS121において決定したシンボル表示領域3の停止予定シンボルを特定シンボルとして、RAM73に設けられている特定シンボル格納領域に格納する(ステップS122)。ステップS122を実行後、メインCPU71は、シンボルマトリクス抽籤処理を終了する。
【0142】
次に、図15を参照して、残りシンボル抽籤処理について説明する。
図15は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される残りシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0143】
まず、メインCPU71は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS125)。この処理において、メインCPU71は、停止予定シンボルが決定されていないシンボル表示領域3毎にそれぞれ乱数値を抽出する。
【0144】
次に、メインCPU71は、停止予定シンボルが決定されていないシンボル表示領域3における停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS126)。すなわち、特定シンボルを停止表示させると決定されたシンボル表示領域3(図14のステップS121を参照)以外のシンボル表示領域3における停止予定シンボルを決定する。
【0145】
次に、メインCPU71は、ステップS126において決定した各シンボル表示領域3の停止予定シンボルをRAM73に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS127)。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
【0146】
〈シンボル表示制御処理〉
次に、図16を参照して、シンボル表示制御処理について説明する。
図16は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【0147】
はじめに、メインCPU71は、下側画像表示パネル141において、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始する(ステップS131)。
【0148】
次に、メインCPU71は、特定シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて、特定シンボル100を停止表示させる(ステップS135)。この処理において、特定シンボル100を停止表示させるシンボル表示領域3として決定されたシンボル表示領域3(図14のステップS121参照)に、特定シンボル100を停止表示させる。
【0149】
次に、メインCPU71は、シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを停止する(ステップS132)。この処理が行われると、シンボル表示制御処理を終了する。
【0150】
次に、図17を参照して、特定シンボル再追加処理について説明する。
図17は、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシンの特定シンボル再追加処理のフローチャートを示す図である。
【0151】
まず、メインCPU71は、図16で説明したシンボル表示制御処理によって、シンボル表示領域3a〜3dの4つのシンボル表示領域3に停止表示されたシンボルが、全て特定シンボル100であるか否かを判断する(ステップS240)。すなわち、メインCPU71は、ビデオリールにおける一番左側の列に特定シンボル100が4つ連なって表示されているか否かを判断する。
【0152】
シンボル表示領域3a〜3dの4つのシンボル表示領域3に停止表示されたシンボルのうち少なくとも1のシンボルが、特定シンボル100ではないと判断したとき、メインCPU71は、処理をステップS242に進める。
一方、シンボル表示領域3a〜3dの4つのシンボル表示領域3に停止表示されたシンボルが、全て特定シンボル100であると判断したとき、メインCPU71は、シンボル表示領域3e〜3hに特定シンボル100を再配置させることを決定し、特定シンボル格納領域に格納する(ステップS241)。本明細書において、「再配置」とは、一度停止表示されたシンボルが、スクロール表示されることなく、別のシンボルに置き換えられて再度停止表示されることを言う。
次に、メインCPU71は、処理をステップS242に進める。
【0153】
メインCPU71は、シンボル表示領域3e〜3h、3i〜3l、3m〜3p、及び、3q〜3tについても、ステップS240〜ステップS241と同様の処理を実行する(ステップS242〜ステップS249)。
すなわち、メインCPU71は、4つの特定シンボル100が連なって1列に停止表示されたとき、その隣の列に4つの特定シンボル100を再配置することを決定する。
【0154】
ステップS240〜ステップS249を実行後、メインCPU71は、特定シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて、特定シンボルの再配置を実行する(ステップS250)。
【0155】
〈払出数決定処理〉
次に、図18を参照して、払出数決定処理について説明する。
図18は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【0156】
はじめに、メインCPU71は、ジャックポットに当選したか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU71は、ジャックポットに当選していないと判別したときには、シンボルの数に対応する払出数を決定する(ステップS152)。例えば、コインが1枚BETされ、「BELL」が5個停止表示されたとき、払出数として「8」が決定される(図7を参照)。
また、この処理において、メインCPU71は、シンボル格納領域に格納されたデータと、特定シンボル格納領域に格納されたデータとに基づいて、停止表示された特定シンボルの個数をカウントし、カウントされた個数に基づいて、払出数を決定する。例えば、図1に示す例では、シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて特定される特定シンボル個数(4個)と、特定シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて特定される特定シンボル個数(8個)との合計(12個)がカウントされ、この個数と、BETされたコインの枚数(100)とに基づいて、払出数「24000」が決定される。
なお、いずれのシンボルも5個以上停止表示されなかったときは払出数として「0」が決定される。次に、メインCPU71は、決定した払出数を払出数記憶領域に格納する(ステップS153)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0157】
メインCPU71は、ジャックポットに当選したと判別したときには、ジャックポットに当選した旨を外部制御装置200に対して通知する(ステップS154)。なお、外部制御装置200は、通知を受けると、それまでに更新してきたジャックポット額をゲーミングマシン1に対して送信する。このとき、ジャックポット額の一部(例えば80パーセント)を払い出しの対象とし、残り(例えば20パーセント)を次回のジャックポットトリガー成立時に備えて繰り越すようにしても良い。
【0158】
次に、メインCPU71は、外部制御装置200よりジャックポット額を受信する(ステップS155)。次に、メインCPU71は、受信したジャックポット額を払出数記憶領域に格納する(ステップS156)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0159】
〈インシュランスチェック処理〉
次に、図19を参照して、インシュランスチェック処理について説明する。
図19は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0160】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS171)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0161】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、所定の役が当選したか成立したか否かを判別する(ステップS172)。本実施形態では、所定の役の当選として「ボーナスゲームトリガー」、「ジャックポット」及び「ミステリーボーナス」を対象としている。
【0162】
メインCPU71は、所定の役の当選していないと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数(例えば300)に達したか否かを判別する(ステップS173)。メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達していないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0163】
メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達したと判別したときには、インシュランス額に基づいて払出処理を行う(ステップS174)。メインCPU71は、インシュランス額として予め定められた額(例えば200)をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。
【0164】
メインCPU71は、ステップS174の後、又はステップS172において所定の役が当選したと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値をリセットする(ステップS175)。次に、メインCPU71は、インシュランス有効フラグをオフにする(ステップS176)。この処理が行われると、インシュランスチェック処理を終了する。
【0165】
〈ボーナスゲーム処理〉
次に、図20を参照して、ボーナスゲーム処理について説明する。
図20は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【0166】
はじめに、メインCPU71は、ボーナスゲーム数を決定する(ステップS191)。メインCPU71は、ボーナスゲーム数決定用乱数値を抽出し、例えば「50」、「70」及び「100」といった複数種類のボーナスゲーム数の何れかを抽籤により決定する。
【0167】
次に、メインCPU71は、決定したボーナスゲーム数をRAM73に設けられているボーナスゲーム数記憶領域に格納する(ステップS192)。
【0168】
次に、メインCPU71は、図8を参照して説明したステップS12の処理と同様に、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS193)。次に、メインCPU71は、図13を参照して説明した通常シンボル抽籤処理を行う(ステップS194)。次に、メインCPU71は、図8を参照して説明したステップS16の処理と同様に、演出内容決定処理を行う(ステップS195)。次に、メインCPU71は、図16を参照して説明したシンボル表示制御処理を行う(ステップS196)。次に、メインCPU71は、図14を参照して説明した払出数決定処理を行う(ステップS197)。
【0169】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS198)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、追加するボーナスゲーム数を決定する(ステップS199)。前述のステップS191の処理と同様に、ボーナスゲーム数の決定が行われる。次に、メインCPU71は、決定したボーナスゲーム数をボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値に加算する(ステップS200)。
【0170】
メインCPU71は、ステップS200の処理の後、又はステップS198においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、払出処理を行う(ステップS201)。この払出処理では、メインCPU71は、前述のステップS197の払出数決定処理にて払出数記憶領域に格納された値を、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値に加算する。ボーナス用払出数記憶領域は、ボーナスゲーム中に決定された払出数の合計を記憶する領域である。
そして、ボーナスゲーム処理が終了すると、メインCPU71は、図8を参照して説明したステップS24の払出処理にて、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値をRAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。つまり、ボーナスゲームにおいて決定された払出数の合計がまとめて払い出されることになる。なお、コイン払出口15Aからコインを排出するようにしても良いし、バーコード付チケットを発行するようにしても良い。
【0171】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値を1減算する(ステップS202)。次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS203)。メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、ステップS193の処理に移る。一方で、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、ボーナスゲーム処理を終了する。ボーナスゲーム処理が終了すると、図8を参照して説明したステップS21の処理に移る。
【0172】
〈インシュランス選択処理〉
次に、図21を参照して、インシュランス選択処理について説明する。
図21は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のフローチャートを示す図である。
【0173】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS221)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス無効画像を表示する(ステップS222)。メインCPU71は、インシュランス無効画像を表示する指令をグラフィックボード130に対して送信する。グラフィックボード130は、その指令に基づいて、インシュランス無効画像を生成し、下側画像表示パネル141に表示する。
インシュランス無効画像としては、例えば、「INSURANCE BET $1.00 TOUCH TO BET」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスを有効にするか否かの選択を遊技者に促すとともに、インシュランスを有効にするために必要な額を遊技者に知らせるための画像である。遊技者は、タッチパネル114上の所定箇所に触れることによって、インシュランスを有効にする旨の指示を入力することができる。
【0174】
続いて、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有るか否かを判別する(ステップS223)。メインCPU71は、インシュランス有効指示入力がないと判別したときには、インシュランス有効フラグはオフのまま、ステップS221に移る。その一方で、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有ると判別したときには、インシュランス有効フラグをオンにする(ステップS224)。
【0175】
次に、メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値からインシュランス加入値を減算する(ステップS225)。本実施形態では、例えば1ドルに相当する値がクレジット数記憶領域に格納されている値から減算される。メインCPU71は、ステップS225の後、又はステップS221においてインシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、インシュランス有効画像を表示する(ステップS226)。
インシュランス有効画像としては、例えば、「INSURANCE継続中 WIN 200 CREDIT」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスが有効である旨、及びインシュランスの条件が満たされると「200」の値がクレジット数記憶領域に格納されている値に加算される旨を遊技者に知らせる画像である。この処理が行われると、ステップS221に移る。
【0176】
以上、図1〜図21を用いて、第1実施形態について説明した。
【0177】
第1実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、特定の条件が成立した場合(例えば、所定の数値範囲に属する乱数が抽出された場合)には、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボルが停止表示される。従って、それだけ多数の特定シンボルが停止表示される可能性が高くなる。それに伴って、遊技者に付与される配当の大きさもまた、大きくなる可能性が高い。
従って、通常のシンボル停止表示が行われる前に、特定シンボル100が停止表示された場合には、遊技者に対して、高配当への期待感を抱かせることができる。そして、特定シンボルの停止表示という、遊技者が視覚的に容易に把握することができる出来事を発端として、遊技者の期待感を駆り立てることができる点で、遊技者の直感に訴えかけることが可能である。これにより、遊技に対する遊技者の興奮度を高めることができる。
【0178】
また、一般に、スキャッタシンボル(特定シンボル100)を表示することが可能なスロットマシンにおいては、停止表示されるスキャッタシンボルの個数が多いほど、大きな配当が付与されるよう構成されているが、停止表示されることとなるスキャッタシンボルの個数が多くなるほど、当該個数のスキャッタシンボルが停止表示される確率は低くなる。従って、多数のスキャッタシンボルが停止表示されることによって高配当を獲得することに対して、遊技者に期待感を抱いてもらいにくい。この点、本発明の第1実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、特定の条件が成立することにより、遊技者に対して、高配当への期待感を抱かせることができるため、ギャンブル性の高い遊技を求める遊技者の要望に応えることができ、そのような遊技者の射幸心を充分に満たすことができる。
【0179】
さらに、第1実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、シンボル表示領域4において、特定シンボル100が1列に4個連なって停止表示されたとき、さらに特定シンボル100が追加で停止表示される。これにより、多くの特定シンボルが停止する機会、すなわち、遊技者に多くの配当が付与される機会がより増えることとなる。その結果、多くの配当が付与されることを期待しながら遊技を行う遊技者の射幸心を満たし、遊技者を一層遊技に熱中させることができる。
【0180】
また、上記ゲーミングマシン1によれば、特定シンボル100が1列に4個連なって停止表示される、という遊技者の直感に訴える態様で停止表示されることで、より多くの特定シンボル100が停止表示される。その結果、シンボルの変動表示に対して、遊技者に強い興味と関心を持たせることができる。
【0181】
[第2実施形態]
第1実施形態では、下側画像表示パネル141という1個のシンボル表示装置において、シンボルの停止表示が行われる場合について説明した。
これに対し、第2実施形態では、液晶表示装置245と、リール式シンボル表示装置146という2個のシンボル表示装置において、シンボルの停止表示が行われる場合について説明する。
リール式シンボル表示装置146では、通常のシンボル停止表示が行われる。一方、液晶表示装置245では、特定の条件が成立した場合に、特定シンボルが停止表示される。
本発明におけるシンボル表示装置は、このように、複数のシンボル表示装置から構成されていてもよい。
【0182】
なお、液晶表示装置245は、透明液晶パネル145を備えており、背後を透視することが可能である。リール式シンボル表示装置146は、外周面に複数のシンボルが描かれた機械式のリール314を備えている。液晶表示装置245は、本発明における第1シンボル表示装置に相当し、リール式シンボル表示装置146は、本発明における第2シンボル表示装置に相当する。
【0183】
以下においては、第1実施形態に係るゲーミングマシン1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。
また、第1実施形態における説明が第2実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
【0184】
まず、図22〜図23を用いて、第2実施形態に係るゲーミングマシン1について説明する。
図22は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
図23は、本発明の第2実施形態におけるシンボル表示領域と表示窓との位置関係を示す図である。
【0185】
第2実施形態に係るゲーミングマシン1において、キャビネット11の内部には、リール式シンボル表示装置146が設けられている。リール式シンボル表示装置146は、5個のリール314(314a、314b、314c、314d、314e)を備える。各リール314は、回転及び停止させることが可能である。各リール314の外周面には、22個の図柄からなるシンボル列が描かれている。リール式シンボル表示装置146には、その背面を視認可能な20個の表示窓6(6a〜6t)が形成されていて、各表示窓6を介してリール314の外周面に描かれたシンボルが20個表示される。
【0186】
リール式シンボル表示装置146の前面には、液晶表示装置245が設けられている。液晶表示装置245には、20個のシンボル表示領域5(5a〜5t)が設けられており、各シンボル表示領域5において特定シンボルを1個ずつ表示することが可能である。
【0187】
図23に示すように、各シンボル表示領域5は、該シンボル表示領域5と対向する位置に存在する表示窓6と対を形成している。対を形成しているシンボル表示領域5と表示窓6とは、本発明における表示領域を構成するものである。例えば、図23に示すシンボル表示領域5aと表示窓6aとは、本発明における表示領域の1つの構成する。
【0188】
液晶表示装置245は、透明液晶パネル145を備える。透明液晶パネル145は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この透明液晶パネル145の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態で白表示(表示面側に透過した光が外部より視認可能である)となる構成である。
これにより、特定シンボルが停止表示されていないシンボル表示領域5と対向する位置に形成された表示窓6を介して、リール314において停止されたシンボルを視認することが可能となる。一方、特定シンボルが停止表示されたシンボル表示領域5と対向する位置に形成された表示窓6からは、リール314において停止されたシンボルを視認することができない。
【0189】
なお、第2実施形態に係るゲーミングマシン1では、1つのリール314の外周面に描かれたシンボル列が、4つの表示窓6を介して表示されるが、1つのリール314の外周面に描かれたシンボル列が、1つの表示窓6を介して表示される構成であっても良い。
【0190】
次に、図24を参照して、シンボル抽籤処理について説明する。
図24は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行されるシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0191】
まず、メインCPU71は、ステップS325〜ステップS326の処理を実行するが、これらの処理は、図10で説明したステップS25〜ステップS26と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
【0192】
ステップS326において、特定シンボル追加ボーナスが成立したと判断したとき、メインCPU71は、特定シンボル数決定処理を実行する(ステップS327)。特定シンボル数決定処理では、特定シンボルが停止表示されるシンボル表示領域5の数が、1〜20のいずれか1に決定される。
第1実施形態では、シンボル表示領域5毎に特定シンボルを停止表示されるか否かが決定される。一方、第2実施形態では、特定シンボルが停止表示されるシンボル表示領域5の数が決定される。
【0193】
次に、メインCPU71は、特定シンボル抽籤処理が実行される(ステップS328)。特定シンボル抽籤処理では、特定シンボルが表示されるシンボル表示領域5が決定される。特定シンボル抽籤処理については、図25を用いて後に詳述する。
【0194】
ステップS328を実行後、又は、ステップS326において特定シンボル追加ボーナスが成立していないと判断したとき、メインCPU71は、リールシンボル抽籤処理を実行する。リールシンボル抽籤処理は、リール314によって停止表示されるシンボルを決定する処理である。リールシンボル抽籤処理については、図26を用いて後に詳述する。
【0195】
ステップS329を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0196】
次に、図25を参照して、特定シンボル抽籤処理について説明する。
図25は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される特定シンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである
【0197】
まず、メインCPU71は、特定シンボル100が停止表示されるシンボル表示領域5の数だけ、乱数値を抽出する(ステップS421)。特定シンボル100が停止表示されるシンボル表示領域5の数は、特定シンボル数決定処理(図24のステップS327を参照)によって決定される。
【0198】
次に、メインCPU71は、抽出した乱数値に対応するシンボル表示領域5を特定する(ステップS422)。なお、図示しないが、第2実施形態においては、20個のシンボル表示領域5の夫々と、乱数の属し得る数値範囲とが対応付けられたテーブルを示すデータが、メモリカード54に記憶されている。
【0199】
次に、メインCPU71は、特定されたシンボル表示領域5の停止予定シンボルを、RAM73に設けられている特定シンボル格納領域に格納する(ステップS423)。
ステップS423を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0200】
次に、図26を参照して、リールシンボル抽籤処理について説明する。
図26は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンのリールシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
【0201】
まず、メインCPU71は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS451)。
次に、メインCPU71は、各リール314における停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS452)。メインCPU71は、各リール314に応じて抽籤を行い、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)の何れかを停止予定シンボルとして決定する。このとき、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれは均等の確率(つまり、1/22)で決定される。
【0202】
次に、メインCPU71は、決定した各リール314の停止予定シンボルをRAM73に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS453)。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
【0203】
次に、図27を参照して、シンボル表示制御処理について説明する。
図27は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【0204】
はじめに、メインCPU71は、各リール314のシンボル列のスクロールを開始する(ステップS461)。
【0205】
次に、メインCPU71は、特定シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて、特定シンボル100を停止表示させる(ステップS465)。この処理において、特定シンボル100を停止表示させるシンボル表示領域5として決定されたシンボル表示領域5(図25のステップS422参照)に、特定シンボル100を停止表示させる。
【0206】
次に、メインCPU71は、シンボル格納領域に格納されたデータに基づいて、リール314のスクロールを停止する(ステップS462)。この処理が行われると、シンボル表示制御処理を終了する。
【0207】
次に、図28を参照して、払出数決定処理について説明する。
図28は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される払出数決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0208】
まず、メインCPU71は、ジャックポットに当選したか否かを判断する(ステップS481)。
ジャックポットに当選していないと判断したとき、メインCPU71は、特定シンボル合算処理を実行する(ステップS482)。特定シンボル合算処理については、図29を用いて後に詳述する。
【0209】
次に、メインCPU71は、払出数を示す払出数データをRAM73の払出数記憶領域に格納する(ステップS483)。
ステップS483を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0210】
一方、ステップS481において、ジャックポットに当選したと判断したとき、メインCPU71は、ステップS484〜ステップS486の処理を実行するが、これらの処理は、図18で説明したステップS154〜ステップS156と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
【0211】
次に、図29を参照して、特定シンボル合算処理について説明する。
図29は、本発明の第2実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される特定シンボル合算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0212】
まず、メインCPU71は、特定シンボル格納領域に格納されたデータと、シンボル格納領域に格納されたデータとに基づいて、シンボル表示領域5に停止表示された特定シンボル100の個数と、リール314に描かれた特定シンボルのうち表示窓6に対応する位置で停止された特定シンボル100の個数との合計数を示す値を、特定シンボル数記憶領域に格納する(ステップS501)。
【0213】
次に、メインCPU71は、特定シンボルが停止表示されたシンボル表示領域5と対向する位置に形成された表示窓6に対応する位置で停止された特定シンボル100の個数を示す値を、重複特定シンボル数記憶領域に格納する(ステップS502)。
例えば、シンボル表示領域5cに特定シンボル100が停止表示されたとき、表示窓6cに対応する位置で停止された特定シンボル100がこの処理でカウントされる。
【0214】
次に、メインCPU71は、特定シンボル数記憶領域に格納された値から、重複特定シンボル数記憶領域に格納された値を減じた値に基づいて、払出数を決定する(ステップS503)。
ステップS503を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0215】
以上、図22〜図29を用いて、第2実施形態について説明した。
【0216】
第2実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、特定の条件が成立したとき、まず始めに、透明液晶パネル145において特定シンボルが停止表示される。続いて、回転するリール314が停止し、リール314に描かれたシンボルが停止表示されることで、通常のシンボル停止表示が行われる。つまり、特定の条件が成立したとき、透明液晶パネルと、リールというそれぞれ異なるシンボル表示装置においてシンボルの停止表示が行われる。このことから、2つの異なるシンボルの停止表示方法の組合せによる意外性のある演出を行うことができる。
その結果、遊技者を充分に楽しませ、シンボル表示装置に注目させることができる。
【0217】
また、第2実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、透明液晶パネル145において表示された特定シンボル100と重なる位置で、リール314において特定シンボル100が停止表示されても、リール314において停止表示された該特定シンボル100によって払出額の加算は行われない。よって、透明液晶パネル145とリール314とで、特定シンボル100が重なって表示されると、遊技者にまるで損をしたかのような錯覚を与え、くやしがらせることができる。一方、透明液晶パネル145とリール314とに表示された特定シンボル100が重ならずに表示されたとき、遊技者にうまくいったと感じさせることができる。このように、遊技者を一喜一憂させ、遊技者の感情を揺さぶる興趣の深い遊技を提供することができる。
【0218】
[第3実施形態]
第2実施形態では、第2シンボル表示装置として、リール式シンボル表示装置146を採用する場合について説明した。
これに対し、第3実施形態では、第2シンボル表示装置として、下側画像表示パネル147を採用する場合について説明する。すなわち、第3実施形態では、本発明におけるシンボル表示装置が、2枚の液晶ディスプレイによって構成されている。下側画像表示パネル147において、通常のシンボル停止表示が行われる。
【0219】
以下においては、上述した実施形態に係るゲーミングマシン1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。
また、上述した実施形態における説明が第3実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
【0220】
まず、図30〜図31を用いて、第3実施形態に係るゲーミングマシン1について説明する。
図30は、本発明の第3実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
図31は、本発明の第3実施形態における第1シンボル表示領域と第2シンボル表示領域との位置関係を示す図である。
【0221】
メインドア13の中央前面には、第2実施形態と同様の液晶表示装置245が設けられている。第2実施形態におけるシンボル表示領域5(5a〜5t)を、第3実施形態では、第1シンボル表示領域5(5a〜5t)と呼ぶ。
【0222】
また、メインドア13の中央背面には、下側画像表示パネル147が設けられている。下側画像表示パネル147には、20個の第2シンボル表示領域7(7a〜7t)が設けられており、各第2シンボル表示領域7においてシンボルを1個ずつ表示することが可能である。
【0223】
図31に示すように、各第1シンボル表示領域5は、該シンボル表示領域5と対向する位置に存在する第2シンボル表示領域7と対を形成している。対を形成している第1シンボル表示領域5と第2シンボル表示領域7とは、本発明における表示領域を構成するものである。例えば、図31に示す第1シンボル表示領域5aと第2シンボル表示領域7aとは、本発明における表示領域の1つを構成する。
【0224】
ここで、第3実施形態に係るゲーミングマシン1が備えるグラフィックボード130について説明する。グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。
【0225】
VDPは、透明液晶パネル145でのシンボル表示に係る制御信号と、下側画像表示パネル147でのシンボル表示に係る制御信号とをそれぞれ受信する。そして、それらの信号に基づいて得られるデータをビデオRAMに記憶させる。ここで、第1シンボル表示領域5に特定シンボルを表示させる旨の信号を受信した場合、VDPは、該第1シンボル表示領域5に表示させる画像を示す画像データとして、特定シンボルを示す画像データを、ビデオRAMに記憶させる。この場合、VDPは、該第1シンボル表示領域5と対向する位置に設けられた第2シンボル表示領域7に表示させる画像を示す画像データは、ビデオRAMに記憶させない。
VDPは、ビデオRAMに記憶された画像データに基づいて、透明液晶パネル145及び下側画像表示パネル147に画像を表示させる。
【0226】
例えば、透明液晶パネル145の第1シンボル表示領域5aにおいて、「MAMMOTH」を表示させる旨の信号を受信し、下側画像表示パネル147の第2シンボル表示領域7aにおいて、「APPLE」を表示させる旨の信号を受信したとき、VDPは、第1シンボル表示領域5aにおいて、「MAMMOTH」を停止表示させるためのデータのみを、ビデオRAMに記憶させる。
その結果、第1シンボル表示領域5aにおいて「MAMMOTH」は表示されるが、第2シンボル表示領域7aにおいて「APPLE」は表示されない。これにより、「MAMMOTH」と「APPLE」のように、異なるシンボルが重なって表示され、演出の美観が損なわれるのを防ぐことができる。
【0227】
また、透明液晶パネル145の第1シンボル表示領域5aにおいて、「MAMMOTH」を表示させる旨の信号を受信し、下側画像表示パネル147の第2シンボル表示領域7aにおいて、「MAMMOTH」を停止表示させる旨の信号を受信したとき、VDPは、第1シンボル表示領域5aにおいて「MAMMOTH2」を停止表示させるためのデータを、ビデオRAMに記憶させる。この場合、ビデオRAMには、第1シンボル表示領域5aにおいて「MAMMOTH」を停止表示させるためのデータも、第2シンボル表示領域7aにおいて「MAMMOTH」を停止表示させるためのデータも記憶されない。
「MAMMOTH2」は、「MAMMOTH」と色違いのシンボルである(図示せず)。そして、VDPは、ビデオRAMに記憶されたデータに基づいて、第1シンボル表示領域5aにおいて、「MAMMOTH2」を表示させる。
これにより、同じシンボルが重なって表示されたことを遊技者に効果的に報知することが可能となる。
以上、第3実施形態に係るゲーミングマシン1が備えるグラフィックボード130について説明した。
【0228】
次に、図32を参照して、払出数決定処理について説明する。
図32は、本発明の第3実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される払出数決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0229】
まず、メインCPU71は、ジャックポットに当選したか否かを判断する(ステップS471)。
ジャックポットに当選していないと判断したとき、メインCPU71は、特定シンボル格納領域に格納されたデータと、シンボル格納領域に格納されたデータとに基づいて、第1シンボル表示領域5に表示する旨決定されたシンボルの個数と、第2シンボル表示領域7に表示する旨決定されたシンボルの個数との合計数を、シンボルの種類ごとにカウントし、カウントされたシンボルの種類ごとの個数に基づいて、払出数を決定する(ステップS472)。
【0230】
次に、メインCPU71は、払出数を示す払出数データをRAM73の払出数記憶領域に格納する(ステップS473)。
ステップS473を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0231】
一方、ステップS471において、ジャックポットに当選したと判断したとき、メインCPU71は、ステップS474〜ステップS476の処理を実行するが、これらの処理は、図18で説明したステップS154〜ステップS156と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
【0232】
以上、図30〜図32を用いて、第3実施形態について説明した。
【0233】
第3実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、液晶表示装置245と下側画像表示パネル147との2つのシンボル表示装置によって、シンボルの停止表示が行われる。2つのシンボル表示装置は共に液晶ディスプレイである。従って、ゲーミングマシンは、斬新な演出を伴うシンボルの停止表示を行ったり、複雑なシンボル同士の組合せを明瞭に示したりすることができる。その結果、遊技者を惹きつける魅力ある演出や遊戯性を持つゲーミングマシンを提供することができる。
【0234】
また、第3実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、第1シンボル表示領域5に表示する旨決定された特定シンボルの個数と、第2シンボル表示領域7に表示する旨決定された特定シンボルの個数との合計数に基づいて、払出数が決定される。よって、より多い払い出しを遊技者に提供する機会が増えることとなる。その結果、遊技者の射幸心を充分に満たすゲーミングマシンを提供することができる。
【0235】
[第4実施形態]
以下においては、上述した実施形態に係るゲーミングマシン1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。
また、上述した実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
【0236】
まず、図33A〜図33Bを用いて、第4実施形態に係るシンボルの停止表示について説明する。
図33Aは、本発明の第4実施形態に係る第1特定シンボルと第2特定シンボルとを示す図である。
図33Bは、本発明の第4実施形態に係る第1特定シンボルと第2特定シンボルとが重なった様子を示す図である。
【0237】
第1特定シンボル101は、第1シンボル表示領域5に表示され得るシンボルである。一方、第2特定シンボル102は、第2シンボル表示領域7に表示され得るシンボルである。
第1特定シンボル101と第2特定シンボル102とは、いずれも、本発明における特定シンボルに相当する。
図33Aでは、第1特定シンボルが第1シンボル表示領域5aに停止表示され、第2特定シンボルが第2シンボル表示領域7aに停止表示された様子を示している。
【0238】
第1シンボル表示領域5において第1特定シンボルを表示する旨決定され、該第1シンボル表示領域5と対向する位置に設けられた第2シンボル表示領域7において第2特定シンボルを表示する旨決定されたとき、グラフィックボード130が備えるVDPは、第1シンボル表示領域5において第1特定シンボルを停止表示させるためのデータと、第2シンボル表示領域7において第2特定シンボルを停止表示させるためのデータとを、ビデオRAMに記憶させる。
その結果、遊技者からは、第1特定シンボル101と第2特定シンボル102とが重なった様子(2匹のマンモスが重なっている様子)が見えることとなる(図33B参照)。
【0239】
次に、図34を用いて、第4実施形態に係る払出数の決定処理について説明する。
図34は、本発明の第4実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される特定シンボル合算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0240】
まず、メインCPU71は、特定シンボル格納領域に格納されたデータと、シンボル格納領域に格納されたデータとに基づいて、第1シンボル表示領域5に停止表示された第1特定シンボルの個数と、第2シンボル表示領域7に停止表示された第2特定シンボルの個数との合計数を示す値を、特定シンボル数記憶領域に格納する(ステップS551)。
【0241】
次に、メインCPU71は、第1特定シンボルが停止表示された第1シンボル表示領域5と対向する位置に設けられた第2シンボル表示領域7に停止表示された第2特定シンボルの個数(重複特定シンボル数ともいう)を示す値を、重複特定シンボル数記憶領域に格納する(ステップS552)。
【0242】
次に、メインCPU71は、特定シンボル数記憶領域に格納された値に重複特定シンボル数記憶領域に格納された値を加えた値に基づいて、払出数を決定する(ステップS553)。
ステップS553を実行後、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0243】
次に、第4実施形態に係るゲーミングマシンにおいて実行される演出について説明する。
【0244】
図35は、本発明の第4実施形態に係るゲーミングマシンが備える上側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【0245】
第1特定シンボルが停止表示された第1シンボル表示領域5と対向する位置に設けられた第2シンボル表示領域7において第2特定シンボルが停止表示されたとき、上側画像表示パネル131において、スペシャルマンモス画像155が表示される。スペシャルマンモス画像155によって、遊技者は、重複特定シンボル数を知ることができる。
図35では、重複特定シンボル数が2個であることを報知するスペシャルマンモス画像155が表示されている。
また、第1特定シンボルが停止表示された第1シンボル表示領域5と対向する位置に設けられた第2シンボル表示領域7において第2特定シンボルが停止表示されたとき、スピーカ112を介して、マンモスの鳴き声が発せられ(図示せず)、スペシャルマンモス画像155による報知と併せて、音による報知も行われる。
【0246】
以上、図33〜図35を用いて、第4実施形態について説明した。
【0247】
第4実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、2つのシンボル表示装置において、特定シンボル100が重なって表示されるとき、重なった特別シンボル100の数だけ、さらなる払出数の加算が行われる。そのため、遊技者に特別シンボル100が重なって表示されると共に、多くの配当の払出しが行われることを期待させ、シンボルの停止表示の帰趨に注目させることができる。その結果、遊技者の射幸心を満足させながら、遊技自体にも強い興味を抱かせることができる。
【0248】
以上、本発明の実施形態(第1実施形態〜第4実施形態)について説明した。
上述した実施形態では、特定の条件が、「所定の数値範囲に属する乱数が抽出されること」という条件である場合について説明した。しかし、本発明における特定の条件は、特に限定されない。例えば、本発明における特定の条件は、所定回数の遊技が行われたことという条件であってもよい。また、本発明における特定の条件は、BETすることが可能な上限値のBETによって行われた遊技の回数が所定回数に達すること、という条件であってもよい。また、本発明における特定の条件は、前回の遊技において停止表示されたシンボルの停止態様が所定の停止態様であること、という条件であってもよい。
【0249】
また、本発明における「特定シンボルの個数に基づいて配当を付与する処理」は、遊技媒体を払い出す処理に限定されない。「特定シンボルの個数に基づいて配当を付与する処理」は、例えば、ボーナスゲーム(例えば、フリーゲーム)を実行する処理であってもよく、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を適宜採用することができる。
【0250】
また、上述した実施形態では、特定シンボルが1列に4個連なって停止表示された場合に、さらに特定シンボルが停止表示される場合について説明した。特定シンボルが1列に4個連なって停止表示されることは、本発明における特定シンボルの停止態様が所定の停止態様であることに相当する。本発明においては、このように、所定のラインに沿って特定シンボルが停止表示された場合に、さらに特定シンボルが停止表示されるような構成を採用することができる。もっとも、本発明における所定の停止態様は、この例に限定されない。本発明においては、例えば、所定数個以上の特定シンボルが停止表示された場合に、さらに特定シンボルが停止表示されるように構成されていてもよい。
【0251】
また、本発明は、下記構成を備えることも望ましい。
すなわち、本発明におけるシンボル表示装置は、N行M列からなるM×N個の表示領域を有する。各表示領域には、夫々1個のシンボルを表示することが可能である。各表示領域を、左からカウントした際にm番目であり、下からカウントした際にn番目である場合、(m,n)のように表すこととする。例えば、左下の表示領域は(1,1)のように表され、右下の表示領域は(M,1)のように表され、左上の表示領域は(1,N)のように表され、右上の表示領域は(M,N)のように表される。
そして、本発明に係るゲーミングマシンによれば、特定の条件が成立した場合、左から第X列目においてY個の特定シンボルが停止表示されるときには、(X,1)、(X,2)、・・・(X,Y)というY個の表示領域において特定シンボルが停止表示される。
これにより、各列において特定シンボルが下から積み上がっていくような演出を行うことができ、遊技者に対して、マンモスが上から落ちてきたかのような印象を与えることができる。
【0252】
また、上述した実施形態では、全てのシンボルがスキャッタシンボル(すなわち、表示された個数に基づいて配当が付与されるシンボル)で構成されている場合について説明した。しかし、本発明においては、トリガーシンボルのみがスキャッタシンボルであればよく、他のシンボルは、スキャッタシンボルでなくてもよい。他のシンボルは、例えば、入賞ライン上に停止表示されたことを条件として配当が付与されることとなるシンボルであってもよい。
【0253】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0254】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0255】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【符号の説明】
【0256】
1 ゲーミングマシン
3(3a〜3t) シンボルマトリクス
4 シンボル表示領域
71 メインCPU
72 ROM
73 RAM
100 特定シンボル
130 グラフィックボード
131 上側画像表示パネル
141 下側画像表示パネル
143 配当数表示画像
144 BET数表示画像
150 第1特別画像
151 第2特別画像
200 外部制御装置
250 特定シンボル数表示画像
251 文字画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構成を備えるゲーミングマシンであって、
特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうちの何れかのシンボルを停止表示させることが可能な表示領域を複数有するシンボル表示装置と、
下記(A)〜(C)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
(A)特定の条件が成立した場合、前記シンボル表示装置の有する複数の表示領域のうち少なくとも1の表示領域において、前記特定シンボルを停止表示させた後、前記特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理、
(B)前記特定の条件が成立しなかった場合、全ての前記複数の表示領域において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理、及び、
(C)前記処理(A)又は前記処理(B)により停止表示された特定シンボルの個数に基づいて、配当を付与する処理。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーミングマシンであって、
前記シンボル表示装置は、
特定シンボルを停止表示させることが可能なシンボル表示領域を複数有し、背後を透視することが可能な第1シンボル表示装置と、
前記第1シンボル表示装置の背後に設けられており、前記シンボル表示領域と対向する位置において、前記特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうちの何れかのシンボルを停止表示させることが可能な第2シンボル表示装置とからなり、
前記処理(A)は、
特定の条件が成立した場合、前記第1シンボル表示装置の有する複数のシンボル表示領域のうち少なくとも1のシンボル表示領域において、前記特定シンボルを停止表示させた後、前記シンボル表示領域と対向する前記第2シンボル表示装置上の位置において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理であり、
前記処理(B)は、
前記特定の条件が成立しなかった場合、前記第1シンボル表示装置には特定シンボルを停止表示させずに、前記シンボル表示領域と対向する前記第2シンボル表示装置上の位置において前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理である。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーミングマシンであって、
前記第1シンボル表示装置は、
特定シンボルを停止表示させることが可能なシンボル表示領域を複数有する透明液晶パネルを備え、
前記第2シンボル表示装置は、
前記透明液晶パネルの背後に設けられており、外周面に前記特定シンボルを含む複数種類のシンボルが描かれ、前記シンボル表示領域と対向する位置において何れかのシンボルを停止表示させることが可能なリールを備え、
前記処理(A)は、
特定の条件が成立した場合、前記透明液晶パネルの有する複数のシンボル表示領域のうち少なくとも1のシンボル表示領域において、前記特定シンボルを停止表示させた後、前記リールの回転を停止させることにより、前記シンボル表示領域と対向する位置において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理であり、
前記処理(B)は、
前記特定の条件が成立しなかった場合、前記透明液晶パネルには特定シンボルを停止表示させずに、前記リールの回転を停止させることにより、前記シンボル表示領域と対向する位置において前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理である。
【請求項4】
請求項1に記載のゲーミングマシンであって、
前記処理(A)は、
(A−1)特定の条件が成立した場合、前記シンボル表示装置の有する複数の表示領域のうち少なくとも1の表示領域において、前記特定シンボルを停止表示させる処理、
(A−2)前記処理(A−1)により停止表示された特定シンボルの停止態様が所定の停止態様である場合、前記処理(A−1)により特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、さらに前記特定シンボルを停止表示させる処理、及び、
(A−3)前記処理(A−1)により特定シンボルが停止表示されず、且つ、前記処理(A−2)により特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる処理である。
【請求項5】
下記構成を備えるゲーミングマシンの制御方法であって、
前記ゲーミングマシンは、
特定シンボルを含む複数種類のシンボルのうちの何れかのシンボルを停止表示させることが可能な表示領域を複数有するシンボル表示装置と、
コントローラとを備え、
前記制御方法は、
(A)特定の条件が成立した場合、前記シンボル表示装置の有する複数の表示領域のうち少なくとも1の表示領域において、前記特定シンボルを停止表示させた後、前記特定シンボルが停止表示されなかった表示領域において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる段階、
(B)前記特定の条件が成立しなかった場合、全ての前記複数の表示領域において、前記複数種類のシンボルのうち何れかのシンボルを停止表示させる段階、及び、
(C)前記段階(A)又は前記段階(B)により停止表示された特定シンボルの個数に基づいて、配当を付与する段階
を含む。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−19638(P2011−19638A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166145(P2009−166145)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】