説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】 ゲームプログラムにおいて、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにする。
【解決手段】 第1イベントが行われたときには、第1操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、打者キャラクタ72の打撃動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理である第1ゲーム制御手段に相当する第1キャラクタ表示処理を行う(S57)。第1イベントが開始されていないときには、第1操作データ、第2操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、投手キャラクタ70の球種設定動作及び打者キャラクタ72の打撃設定動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理である第2ゲーム制御手段に相当する第2キャラクタ表示処理を行う(S64)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、ネットワークを介して対戦可能なゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムによって実現されるゲーム装置及びゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及やインターネット接続におけるデータ転送速度の高速化によって、インターネットを介して接続されたサーバ装置と複数のユーザがそれぞれ使用する複数の端末装置とを用いたネットワークゲームが行われている。この種のネットワークゲームとしては、複数のユーザがサーバ装置を介して1対1で対戦可能な野球、サッカー、格闘技等の種々の通信対戦型のものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このような通信対戦型のネットワークゲームでは、第1ユーザが使用する第1端末装置と、第2ユーザが使用する第2端末装置とが、それぞれインターネットを介してサーバ装置に接続されている。また、サーバ装置を設けずに、第1端末装置と第2端末装置とで直接データのやりとりを行う、いわゆるP2P(Peer to Peer)によるネットワークゲームを行うものが知られている。P2Pによるネットワークゲームでは、第1端末装置と第2端末装置との間にサーバ装置を介在させることがないので、多数のユーザがサーバ装置に一極集中することがなくなり、このため第1端末装置と第2端末装置とで円滑な通信が行うことができる。
【0004】
このようなP2Pによるネットワークゲームに用いられる第1端末装置及び第2端末装置は、たとえば第1ユーザ及び第2ユーザの家庭にそれぞれ設置されたパーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機器である。第1端末装置及び第2端末装置は、ゲームのキャラクタを表示可能な表示部や、表示部に表示されたキャラクタを操作するための操作部や、インターネットに接続されゲームデータを外部と送受信するための通信部を有している。また、第1端末装置及び第2端末装置には、操作部の操作に応じたゲーム制御や、表示部にゲームのキャラクタを表示させる表示制御や、ゲームデータを外部と通信によってやりとりする通信制御等を行うゲームプログラムがそれぞれ内蔵されている。ここでは、第1端末装置の通信部と第2端末装置の通信部とが、インターネットを介してゲームデータを通信することにより、第1ユーザ及び第2ユーザが通信対戦することができる。
【0005】
この種のP2Pによるネットワークゲームでは、たとえば第1ユーザが第1端末装置の操作部を操作すると、第1端末装置の操作部の操作に関する情報を含むゲームデータがインターネットを介して第1端末装置の通信部から第2端末装置の通信部へ送信される。第2端末装置は、第1端末装置の操作部の操作に関する情報に基づいて、ゲーム制御処理を行い、たとえば第1端末装置の操作部の操作に応じたゲームのキャラクタの動作を第2端末装置の表示部に表示するようになっている。同様に、第2ユーザが第2端末装置の操作部を操作すると、第2端末装置の操作部の操作に関する情報を含むゲームデータが、インターネットを介して第1端末装置の通信部へ送信され、第2端末装置の操作部の操作に応じたゲームのキャラクタの動作を第1端末装置の表示部に表示するようになっている。ここでは、第1端末装置及び第2端末装置の表示部は、第1端末装置及び第2端末装置の操作部の操作に応じて常に同一の画面が表示されるようになっている。
【特許文献1】特許第3412693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のP2Pによるネットワークゲームでは、第1端末装置及び第2端末装置の表示部は、第1端末装置及び第2端末装置の操作部の操作に応じて常に同一の画面が表示されるようになっている。しかし、第1端末装置及び第2端末装置の表示部に同一の画面を表示させるには、第1端末装置の操作部と第2端末装置の操作部との両方の操作に関する操作データを受け付けた後に表示処理を行うため、操作部の操作と表示部の表示との間に数フレームのタイムラグが生じることがある。このように操作部の操作と表示部の表示との間にずれが生じると、ユーザの操作が表示部に即時反映されないので、ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができず、特に、即時性が要求される対戦型のネットワークゲームでは、円滑なゲーム進行を妨げるおそれがある。
【0007】
そこで、たとえば第1端末装置の操作部の操作に応じた表示を、第1端末装置の表示部には即時行い、第2端末装置の表示部には数フレーム遅延させて行うようにして、第1端末装置及び第2端末装置の表示部に異なった画面を表示させることが考えられる。しかし、第1端末装置と第2端末装置とで表示部に異なった画面が表示されると、たとえば第1端末装置に表示されていたキャラクタが第2端末装置の表示部に表示されないことになり、ユーザのゲームにおける興趣性を著しく低下させるおそれが生じる。
【0008】
本発明の課題は、ゲームプログラムにおいて、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられたコンピュータに、第1端末装置に設けられた第1操作部及び第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲームプログラムである。そして、このゲームプログラムは、コンピュータに以下の機能を実現させる。
【0010】
(1)第1操作部の操作に関する第1操作データを受け付ける第1操作データ受付機能。
【0011】
(2)第1操作データを第2端末装置に送信し、第2操作部の操作に関する第2操作データを受信する第1通信機能。
【0012】
(3)第1通信機能によって受信した第2操作データを受け付ける第2操作データ受付機能。
【0013】
(4)所定のイベントが行われたか否かを判別する第1イベント判別機能。
【0014】
(5)第1イベント判別機能によって所定のイベントが行われたと判別されたとき、第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理を行う第1ゲーム制御機能。
【0015】
(6)第1イベント判別機能によって所定のイベントが行われていないと判別されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる各種のゲーム制御処理を行う第2ゲーム制御機能。
【0016】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第1端末装置において以下の処理が実行される。まず、第1操作部の操作に関する第1操作データが受け付けられる。また、第1操作データが第2端末装置に送信され、第2操作部の操作に関する第2操作データが受信されるとともに、受信した第2操作データが受け付けられる。そして、所定のイベントが行われたか否かが判別され、第1イベント判別機能によって所定のイベントが行われたと判別されたとき、第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理が行われる。一方、第1イベント判別機能によって所定のイベントが行われていないと判別されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる各種のゲーム制御処理が行われる。
【0017】
このゲームプログラムでは、所定のイベントが行われたとき、第1操作データに基づいて第1ゲーム制御機能による各種のゲーム制御処理が行われ、所定のイベントが行われていないとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる各種のゲーム制御処理が行われる。各種のゲーム制御処理は、たとえば第1端末装置に設けられた第1表示部に各種の表示処理を行う制御である。所定のイベントは、たとえばゲーム進行におけるキャラクタが所定の動作を行うことが可能な状態である。
【0018】
ここでは、所定のイベントが行われたときには、たとえば従来のように第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うのではなく、第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映される。第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映されると、ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができ、特に、即時性が要求される対戦型のネットワークゲームでは、円滑なゲーム進行を行うことができる。
【0019】
一方、所定のイベントが行われていないときには、たとえば第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことができるので、第2端末装置に設けられた第2表示部と同一の表示画面を表示させることができ、このためユーザのゲームにおける興趣性を損なうことがなくなる。
【0020】
このように、所定のイベントが行われているか否かによって第1ゲーム制御機能及び第2ゲーム制御機能のいずれかの処理を行うことにより、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができる。
【0021】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1のゲームプログラムにおいて、第1ゲーム制御機能及び第2ゲーム制御機能は、第1端末装置に設けられた第1表示部に各種の表示処理を行う機能である。このゲームプログラムでは、所定のイベントが行われたときには、第1ゲーム制御機能によって第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映され、このためユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。また、所定のイベントが行われていないときには、第2ゲーム制御機能によって第1操作データ及び第2操作データの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことにより、第1端末装置の第1表示部に第2端末装置の第2表示部と同一の表示画面を表示させることができるので、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことがなくなる。
【0022】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項2のゲームプログラムにおいて、第1ゲーム制御機能は、第2端末装置に設けられた第2表示部の表示画面と異なる表示画面を第1表示部に表示させる表示処理を行う機能である。第2ゲーム制御機能は、第2表示部の表示画面と同一の表示画面を第1表示部に表示させる表示処理を行う機能である。このゲームプログラムでは、所定のイベントが行われたときには、第1ゲーム制御機能によって第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第2端末装置に設けられた第2表示部と異なる表示画面を表示させている。また、所定のイベントが行われていないときには、第2ゲーム制御機能によって第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことにより、第2端末装置に設けられた第2表示部と同一の表示画面を表示させている。ここでは、所定のイベントが行われているか否かによって、第1表示部に、第2表示部と異なる表示画面を表示させたり、第2表示部と同一の表示画面を表示させることにより、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにすることができる。
【0023】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項1から3のいずれかのゲームプログラムにおいて、ネットワークを介して第2端末装置と通信対戦可能な第1端末装置に設けられたコンピュータに、第1端末装置及び第2端末装置にそれぞれ設けられた第1操作部及び第2操作部の操作によって第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを、以下の機能をさらに加えることによって実現可能なゲームプログラムである。
【0024】
(7)第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付ける第1非操作データ受付機能。
【0025】
(8)第1非操作データを第2端末装置に送信し、第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受信する第2通信機能。
【0026】
(9)第2通信機能によって受信した第2非操作データを受け付ける第2非操作データ受付機能。
【0027】
(10)第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理を行う第3ゲーム制御機能。
【0028】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データが受け付けられる。また、第1非操作データが第2端末装置に送信され、第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データが受信されるとともに、受信した第2非操作データが受け付けられる。そして、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理が行われる。
【0029】
このゲームプログラムでは、所定のイベントが行われているか否かに関わらず、第1操作データ及び第2操作データを含まない第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理が行われる。各種のゲーム制御処理は、たとえばゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行う制御処理である。ここでは、たとえば所定のイベントが行われたときに第1ゲーム制御機能によって第1表示部に第2表示部と異なる表示画面を表示させていても、第3ゲーム制御機能によって第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理が行われるので、各種のゲーム制御処理については第1端末装置と第2端末装置とでタイムラグが生じることがなくなり、たとえば所定のイベントが終了したときに即座に第2ゲーム制御機能によって第1表示部に第2表示部と同一の表示画面を表示させることができる。
【0030】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項4のゲームプログラムにおいて、第3ゲーム制御機能は、第1表示部に行われる各種の表示処理を含まない各種のゲーム制御処理を行う機能である。このゲームプログラムでは、各種のゲーム制御処理は、たとえばゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行う制御処理であって、第1ゲーム制御機能及び第2ゲーム制御機能等によって第1表示部に行われる各種の表示処理を含まない制御処理である。ここでは、各種の表示処理を含まない各種のゲーム制御処理については第1端末装置と第2端末装置とでタイムラグが生じることがなくなるので、たとえば所定のイベントが終了したときに即座に第2ゲーム制御機能によって第1表示部に第2表示部と同一の表示画面を表示させることができる。
【0031】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項1から5のいずれかのゲームプログラムにおいて、所定のイベントは、第1操作部及び第2操作部のいずれかによって所定の操作が行われたときに開始する。このゲームプログラムでは、たとえば所定のイベントは、第2操作部の所定の操作が行われたときに開始するようにすることができる。
【0032】
請求項7に係るゲームプログラムは、請求項1から6のいずれかのゲームプログラムにおいて、所定のイベントは、第1操作部及び第2操作部のいずれかによって所定の操作が行われたときに終了する。このゲームプログラムでは、たとえば所定のイベントは、第1操作部の所定の操作が行われたときに終了するようにすることができる。
【0033】
請求項8に係るゲームプログラムは、請求項1から6のいずれかのゲームプログラムにおいて、所定のイベントは、第1操作部及び第2操作部のいずれかによって所定の操作が行われていないとき、所定のゲーム時間が経過したときに終了する。このゲームプログラムでは、第1操作部または第2操作部によって所定の操作が行われていないときでも、予め設定しておいた所定のゲーム時間が経過したときに所定のイベントを終了させることができる。
【0034】
請求項9に係るゲーム装置は、ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられ、第1端末装置に設けられた第1操作部及び第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲーム装置であって、第1操作データ受付手段と、第1通信手段と、第2操作データ受付手段と、第1イベント判別手段と、第1ゲーム制御手段と、第2ゲーム制御手段とを備えている。
【0035】
第1操作データ受付手段において、第1操作部の操作に関する第1操作データが受け付けられる。第1通信手段において、第1操作データが第2端末装置に送信され、第2操作部の操作に関する第2操作データが受信される。第2操作データ受付手段において、第1通信手段によって受信した第2操作データが受け付けられる。第1イベント判別手段において、所定のイベントが行われたか否かが判別される。第1ゲーム制御手段において、第1イベント判別手段によって所定のイベントが行われたと判別されたとき、第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理が行われる。第2ゲーム制御手段において、第1イベント判別手段によって所定のイベントが行われていないと判別されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御手段と異なる各種のゲーム制御処理が行われる。
【0036】
請求項10に係るゲーム方法は、ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられたコンピュータにより、第1端末装置に設けられた第1操作部及び第2端末装置に設けられた第2操作部によって第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲーム方法であって、第1操作データ受付ステップと、第1通信ステップと、第2操作データ受付ステップと、第1イベント判別ステップと、第1ゲーム制御ステップと、第2ゲーム制御ステップとを備えている。
【0037】
第1操作データ受付ステップにおいて、第1操作部の操作に関する第1操作データが受け付けられる。第1通信ステップにおいて、第1操作データが第2端末装置に送信され、第2操作部の操作に関する第2操作データが受信される。第2操作データ受付ステップにおいて、第1通信手段によって受信した第2操作データが受け付けられる。第1イベント判別ステップにおいて、所定のイベントが行われたか否かが判別される。第1ゲーム制御ステップにおいて、第1イベント判別ステップによって所定のイベントが行われたと判別されたとき、第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理が行われる。第2ゲーム制御ステップにおいて、第1イベント判別ステップによって所定のイベントが行われていないと判別されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御ステップと異なる各種のゲーム制御処理が行われる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、ゲームプログラムにおいて、所定のイベントが行われたとき、第1操作データに基づいて第1ゲーム制御機能による各種のゲーム制御処理が行われ、所定のイベントが行われていないとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる各種のゲーム制御処理が行われる。ここでは、所定のイベントが行われたときには、第1ゲーム制御機能によって第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映され、このためユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。また、所定のイベントが行われていないときには、第2ゲーム制御機能によって第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことにより、第2端末装置に設けられた第2表示部と同一の表示画面を表示させることができるので、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことがなくなる。したがって、所定のイベントが行われているか否かによって第1ゲーム制御機能及び第2ゲーム制御機能のいずれかの処理を行うことにより、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
〔ネットワークゲームシステムの構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての第1端末装置101と、第1端末装置101とインターネット100を介して通信対戦可能な第2端末装置102と、第1端末装置101及び第2端末装置102の接続をインターネット100を介して認証する認証サーバ103とが接続されたネットワークゲームシステムの構成を示すブロック図である。また、図2は、第1端末装置101の一例としての構成を示すブロック図である。
【0040】
図1に示すネットワークゲームシステムは、第1端末装置101及び第2端末装置102と、認証サーバ103とを備えている。第1端末装置101及び第2端末装置102と認証サーバ103とは、インターネット100を介して相互に通信可能なように接続されている。
【0041】
第1端末装置101及び第2端末装置102は、ユーザである会員が使用する端末装置であり、たとえば各ユーザの家庭にそれぞれ設置されたネットワークゲームとしての野球ゲームを実行可能なパーソナルコンピュータである。認証サーバ103は、ユーザである会員が第1端末装置101及び第2端末装置102を用いてゲーム空間において行う野球ゲームを実行するために、対戦するユーザを決定したり、会員登録の確認や課金等のために各ユーザを認証するためのサーバ装置である。第1端末装置101及び第2端末装置102には、ネットワークゲームを実行するためのゲームプログラムが格納されており、第1端末装置101と第2端末装置102とで直接データのやりとりを行う、いわゆるP2P(Peer to Peer)によるネットワークゲームを行うようになっている。このため、認証サーバ103には、ネットワークゲームを実行するためのゲームプログラムが格納されておらず、各ユーザの認証を行うための認証プログラムのみが主に格納されている。なお、第1端末装置101及び第2端末装置102以外にも、複数のユーザが使用する図示しない複数の端末装置がインターネット100に接続されており、認証サーバ103によって2つの端末装置ごとに対戦相手が決定されるようになっている。
【0042】
インターネット100では、たとえばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)にしたがって、第1端末装置101及び第2端末装置102と、認証サーバ103との間で相互に種々の情報等が送受信される。特に、P2P接続される第1端末装置101と第2端末装置102との間では、TCP/IPのトランスポート層上の通信方式であるUDP(User Datagram Protocol)によって種々の情報等が通信される。UDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わない、すなわちデータを相手側の端末に送りっぱなしにする通信方式であるので、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いといった特徴を有している。このため、大量のデータを相互に高速通信する対戦型のネットワークゲームでは、UDPが多く使用されている。なお、インターネット100を使用する場合、通常、第1端末装置101及び第2端末装置102はモデム等を介して所定のプロバイダサーバに接続され、プロバイダサーバを経由してインターネット100に接続される場合が多いが、説明を容易にするため、プロバイダサーバの図示及び説明を省略している。
【0043】
第1端末装置101及び第2端末装置102を使用するユーザは、ネットワークゲームを管理している会社が提供する所定のサービスを受けるために登録を行った会員であり、たとえば、第2端末装置102を使用する第2ユーザがゲーム空間において投手キャラクタ(現実の野球の試合における投手に相当)を操作するとともに、第1端末装置101を使用する第1ユーザが同じゲーム空間において打者キャラクタ(現実の野球の試合における打者に相当)を操作することによって、投手キャラクタが投げたボールオブジェクト(現実の野球の試合におけるボールに相当)を打者キャラクタが打つ野球ゲームによる通信対戦を行う。
【0044】
〔ネットワークゲーム装置の構成〕
第1端末装置101は、図1及び図2に示すように、第1制御部1aと、第1記憶部2aと、第1表示部3aと、第1音声出力部4aと、第1操作部5aと、第1通信部6aとから構成されており、それぞれがバス30aを介して接続される。バス30aは、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、第1制御部1a、第1記憶部2a、第1音声出力部4a、第1操作部5a及び第1通信部6aは、パーソナルコンピュータ内に含まれており、第1表示部3aは、パーソナルコンピュータの外部に接続されたディスプレイモニタ内に含まれている。
【0045】
第1制御部1aは、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。第1制御部1aは、たとえば図2に示すように、CPU7a(Central Processing Unit)と、信号処理プロセッサ8aと、画像処理プロセッサ9aとから構成されている。CPU7aと信号処理プロセッサ8aと画像処理プロセッサ9aとは、それぞれがバス30aを介して互いに接続されている。
【0046】
CPU7aは、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7aは、信号処理プロセッサ8aに対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8aは、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9aは、主に、信号処理プロセッサ8aの計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12aに書き込む処理を行っている。
【0047】
第1記憶部2aは、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。第1記憶部2aは、たとえば図2に示すように、記録媒体10aと、インターフェース回路11aと、RAM12a(Random Access Memory)とから構成されている。記録媒体10aには、インターフェース回路11aが接続されている。そして、インターフェース回路11aとRAM12aとはバス30aを介して接続されている。
【0048】
記録媒体10aは、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10aは、たとえばパーソナルコンピュータの内部に設置されたハードディスクドライブであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10aには、パーソナルコンピュータの内部に設置された読取装置から読み取り可能なCD−ROMも含まれており、このCD−ROMは、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータをインストールするための初期プログラムが格納されている。なお、ハードディスクドライブは、ユーザ固有のデータであるゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。
【0049】
RAM12aは、記録媒体10aから読み出された各種データを一時的に格納したり、第1制御部1aからの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12aには、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0050】
第1表示部3aは、主に、画像処理プロセッサ9aによってRAM12aに書き込まれた画像データや、記録媒体10aから読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。第1表示部3aは、たとえば図2に示すように、液晶ディスプレイ21aと、インターフェース回路22aと、D/Aコンバータ23a(Digital−To−Analogコンバータ)とから構成されている。液晶ディスプレイ21aにはD/Aコンバータ23aが接続されており、D/Aコンバータ23aにはインターフェース回路22aが接続されている。そして、インターフェース回路22aにバス30aが接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路22aを介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号が液晶ディスプレイ21aに画像として出力される。なお、D/Aコンバータ23aを設けずに、デジタル画像信号が液晶ディスプレイ21aに画像として出力されるようにしてもよいし、液晶ディスプレイに代えてCRT(陰極線管)に画像を出力するようにしてもよい。
【0051】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0052】
第1音声出力部4aは、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。第1音声出力部4aは、たとえば図2に示すように、スピーカー13aと、増幅回路14aと、D/Aコンバータ15aと、インターフェース回路16aとから構成されている。スピーカー13aには増幅回路14aが接続されており、増幅回路14aにはD/Aコンバータ15aが接続されており、D/Aコンバータ15aにはインターフェース回路16aが接続されている。そして、インターフェース回路16aにバス30aが接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16aを介してD/Aコンバータ15aに供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14aによって増幅され、スピーカー13aから音声として出力される。
【0053】
第1操作部5aは、図2に示すように、主に、キーボード17aと、マウス18aと、操作情報インターフェース回路19aと、インターフェース回路20aとから構成されている。キーボード17a及びマウス18aには、操作情報インターフェース回路19aが接続されており、操作情報インターフェース回路19aにはインターフェース回路20aが接続されている。そして、インターフェース回路20aにバス30aが接続されている。
【0054】
キーボード17a及びマウス18aは、プレイヤーが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤーの操作に応じた操作信号をCPU7aに送出する。キーボード17aの操作は、たとえば上下左右方向のキーの操作によって、キャラクタやカーソルを液晶ディスプレイ21aの画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7aに与えるために使用される。また、たとえばキーボード17aのSキーの操作によって、投手キャラクタを液晶ディスプレイ21aの画面上で投球動作させたり、打者キャラクタを液晶ディスプレイ21aの画面上で打撃動作させたりするコマンドをCPU7aに与える。また、たとえばSPACEキーの操作によって、試合を中断したり、たとえばESCキーの操作によって、試合を終了するコマンドをCPU7aに与える。なお、キーボード17aの操作は、マウス18aの操作(クリックや移動操作)に代替可能であり、たとえばF11キーの操作によって、キーボード17aの操作とマウス18aの操作とを切り替えるコマンドをCPU7aに与える。
【0055】
第1通信部6aは、図2に示すように、主に、通信情報インターフェース回路24aと、インターフェース回路25aと、モデム26aとから構成されている。モデム26aには、通信情報インターフェース回路24aが接続されており、通信情報インターフェース回路24aにはインターフェース回路25aが接続されている。そして、インターフェース回路25aにバス30aが接続されている。
【0056】
モデム26aは、パーソナルコンピュータの内部または外部に装着されたNIC(Network Interface Card)を介して接続され、所定のプロバイダサーバを経由してインターネット100に接続するための装置である。モデム26aは、所定のプロバイダサーバに接続したときに貸与されインターネット100上で唯一のアドレスであるグローバルIPアドレスを得ることができ、これによりユーザを識別することが可能になるとともに、インターネット100側から内部に接続することが可能になる。なお、モデム26aを介してUDP通信するときには、NICに接続されるルータ等において、専用のポート(たとえば12079番等)の通信を許可する必要がある。ここでは、モデム26aを介してインターネット100に接続され、後述する第2端末装置102のモデム26bとP2P接続が可能になる。
【0057】
第2端末装置102は、第1端末装置101と同一の構成であって、図1に示すように、第2制御部1bと、第2記憶部2bと、第2表示部3bと、第2音声出力部4bと、第2操作部5bと、第2通信部6bとから構成されている。第2制御部1b、第2記憶部2b、第2表示部3b、第2音声出力部4b、第2操作部5b及び第2通信部6bの構成は、前述した第1制御部1a、第1記憶部2a、第1表示部3a、第1音声出力部4a、第1操作部5a及び第1通信部6aの構成と同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。なお、第1端末装置101の図番aに第2端末装置102の図番bが対応しており、たとえば第2端末装置102には、第1端末装置101のモデム26aに対応する図示しないモデム26bが設けられている。ここでは、モデム26bを介してインターネット100に接続され、第1端末装置101のモデム26aとP2P接続が可能になる。
【0058】
以上のような構成からなるネットワークゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。
第1ユーザが使用する第1端末装置101上においてネットワークゲームアプリケーションが起動されると、CPU7aが、記録媒体10aに記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10aから画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12aに格納される。また、キーボード17a及びマウス18aからの操作情報や、モデム26aを介して得られる第2端末装置102からの各種の情報も、RAM12aに格納される。そして、CPU7aが、RAM12aに格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12aに格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0059】
画像データの場合、CPU7aからのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8aが、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9aが、信号処理プロセッサ8aの計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12aへの書き込み処理などを行う。そして、RAM12aに書き込まれた画像データが、インターフェース回路22aを介してD/Aコンバータ23aに供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ23でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データは液晶ディスプレイ21aに供給され画像として表示される。
【0060】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8aが、CPU7aからのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8aから出力されて、インターフェース回路16aを介してD/Aコンバータ15aに供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14aを介してスピーカー13aから音声として出力される。
【0061】
なお、第2ユーザが使用する第2端末装置102上における動作は、第1ユーザが使用する第1端末装置101上における動作と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0062】
〔ネットワークゲーム装置における各種処理概要〕
本実施形態の第1端末装置101及び第2端末装置102において実行されるネットワークゲームは、前述したように通信対戦可能な野球ゲームである。第1端末装置101は、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって、液晶ディスプレイ21aに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。第2端末装置102は、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって、液晶ディスプレイ21bに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。ここでは、第2端末装置102を使用する第2ユーザが投手キャラクタ70(図4〜図8参照)を操作するとともに、第1端末装置101を使用する第1ユーザが打者キャラクタ72(図4〜図8参照)を操作することによって、投手キャラクタ70が投げたボールオブジェクト74(図4〜図8参照)を打者キャラクタ72が打つ野球ゲームを実現可能になっている。図3は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能を示すブロック図である。
【0063】
第1端末装置101では、図3に示すように、第1制御部1aは、第1操作データ受付手段50と、第2操作データ受付手段51と、第1非操作データ受付手段52と、第2非操作データ受付手段53と、第1通信手段54と、第2通信手段55と、第1イベント判別手段56と、第1ゲーム制御手段57と、第2ゲーム制御手段58と、第3ゲーム制御手段59とを主に備えている。
【0064】
第1操作データ受付手段50は、第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第1操作データは、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって、打者キャラクタ72を打撃動作させることができる打撃情報である。
【0065】
第2操作データ受付手段51は、第2操作部5bの操作に関する第2操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第2操作データは、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって、投手キャラクタ70を投球動作させることができる投球情報である。
【0066】
第1非操作データ受付手段52は、第1操作部5aの操作に関する第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第1非操作データは、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって、打者キャラクタ72を打撃動作させる打撃情報を除く、ゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行うための制御情報である。
【0067】
第2非操作データ受付手段53は、第2操作部5bの操作に関する第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第2非操作データは、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって、投手キャラクタ70を投球動作させる投手情報を除く、ゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行うための制御情報である。
【0068】
第1通信手段54は、第1操作部5aの操作に関する第1操作データを第1通信部6aから第2通信部6bに送信し、第2操作部5bの操作に関する第2操作データを第2通信部6bから第1通信部6aに受信する機能によって実現される手段である。
【0069】
第2通信手段55は、第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを第1通信部6aから第2通信部6bに送信し、第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データを第2通信部6bから第1通信部6aに受信する機能によって実現される手段である。
【0070】
第1イベント判別手段56は、所定のイベントが行われたか否かを判別する機能によって実現される手段である。所定のイベントとは、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって投手キャラクタ70を投球動作させることができる投球情報を受け付けたとき開始し、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって打者キャラクタ72を打撃動作させる打撃情報を受け付けたとき終了するイベントである。すなわち、所定のイベントは、投手キャラクタ70が投球動作を行い、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントである。
【0071】
第1イベント判別手段56における制御処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0072】
まず、投手キャラクタ70が投球動作を開始したか否かを判断する(S41)。投手キャラクタ70が投球動作を開始したか否かの判断は、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって得られる投球情報を受け付けたときに投手キャラクタ70が投球動作を開始したと判断し、第1イベントが開始される(S42)。また、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって得られる投球情報を受け付けないときは、投手キャラクタ70が投球動作を開始していないと判断し、第1イベントが開始されない。
【0073】
第1イベントが開始されると、打者キャラクタ72が打撃動作を開始したか否かを判断する(S43)。打者キャラクタ72が打撃動作を開始したか否かの判断は、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって得られる打撃情報を受け付けたときに打者キャラクタ72が打撃動作を開始したと判断し、第1イベントが終了する(S44)。
【0074】
また、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって得られる打撃情報を受け付けないときは、所定時間が経過しているか否かを判断する(S45)。所定時間が経過しているとき、すなわち打者キャラクタ72がボールオブジェクト74を見送った状態であるときは、打者キャラクタ72が打撃動作を終了したと判断し、第1イベントが終了する(S44)。所定時間が経過していないときは、再度、打者キャラクタ72が打撃動作を開始したか否かを判断し、最終的には第1イベントが終了する(S44)。そして、投手キャラクタ70が投球動作を開始したか否かを判断する処理(S41)を繰り返す。
【0075】
第1ゲーム制御手段57は、第1イベント判別手段56によって所定のイベントが行われたと判別されたとき、第1操作部5aの操作に関する第1操作データのみに基づいて、第1表示部3aに各種の表示処理を行う機能によって実現される手段である。具体的には、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントであるとき、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって打者キャラクタ72を打撃動作させることができる打撃情報のみを処理することによって、ボールオブジェクト74及び打者キャラクタ72の動作が動画として第1表示部3aに表示される。ここでは、打者キャラクタ72を動作させるための第1操作部5aからの信号が制御部1たとえばCPU7aに認識されると、CPU7aからの指示に基づいて、打者キャラクタ72に対応する打者用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8aと画像処理プロセッサ9aとによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12aから液晶ディスプレイ21aに供給されて、打者キャラクタ72のスイング動作が動画として液晶ディスプレイ21aに表示される。
【0076】
第2ゲーム制御手段58は、第1イベント判別手段56によって所定のイベントが行われていないと判別されたとき、第1操作部5aの操作に関する第1操作データ及び第2操作部5bの操作に関する第2操作データに基づいて、第1表示部3aに各種の表示処理を行う機能によって実現される手段である。具体的には、投手キャラクタ70が投球動作を行う前と、打者キャラクタ72が打撃動作を行った後とで行われる第1イベントでないとき、たとえば守備キャラクタ78(図7及び図8参照)が守備動作を行うとき、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって得られる第1操作データ及び第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって得られる第2操作データの2つのデータを処理することによって、各種の処理に対応する画面が第1表示部3aに表示される。ここでは、守備キャラクタ78を動作させるための第2操作部5bからの信号が第1通信手段54を介して制御部1たとえばCPU7aに認識されると、CPU7aからの指示に基づいて、守備キャラクタ78に対応する守備者用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8aと画像処理プロセッサ9aとによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12aから液晶ディスプレイ21aに供給されて、守備キャラクタ72のキャッチング等の守備動作が動画として液晶ディスプレイ21aに表示される。
【0077】
第3ゲーム制御手段59は、第1ゲーム制御手段57及び第2ゲーム制御手段58の表示処理を含まないゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行う制御処理を行う手段であって、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置102の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理を行う機能によって実現される手段である。ここでは、第1ゲーム制御手段57及び第2ゲーム制御手段58の各種の表示処理を含まない各種のゲーム制御処理について第1端末装置101と第2端末装置102とでタイムラグが生じることがなくなる。
【0078】
第1ゲーム制御手段57、第2ゲーム制御手段58及び第3ゲーム制御手段59における制御処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
図11の第1イベント判別手段56における制御処理によって、第1イベントが開始されたか否かを判断する(S51)。
【0080】
第1イベントが開始されたと判断されると、すなわち投手キャラクタ70が投球動作を行い、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントであるとき、第1操作データ受付手段50によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付け(S52)、第1非操作データ受付手段52によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付け(S53)、第2非操作データ受付手段53によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受け付ける(S54)。なお、ここでは、第2操作データ受付手段51によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データを受け付ける処理は行わないようになっている。
【0081】
次に、第1操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、各キャラクタを動作させるためのゲーム演算処理である第3ゲーム制御手段59に相当する第1キャラクタ制御処理を行う(S55)。第1キャラクタ制御処理にて各キャラクタの動作が決定されると(S56)、たとえば打者キャラクタ72の打撃動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理である第1ゲーム制御手段57に相当する第1キャラクタ表示処理を行う(S57)。
【0082】
第1イベントが開始されていないと判断されると、すなわち投手キャラクタ70が投球動作を行う前と、打者キャラクタ72が打撃動作を行った後とで行われる第1イベントでないとき、第1操作データ受付手段50によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付け(S58)、第2操作データ受付手段51によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データを受け付け(S59)、第1非操作データ受付手段52によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付け(S60)、第2非操作データ受付手段53によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受け付ける(S61)。
【0083】
次に、第1操作データ、第2操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、各キャラクタを動作させるためのゲーム演算処理である第3ゲーム制御手段59に相当する第2キャラクタ制御処理を行う(S62)。第2キャラクタ制御処理にて各キャラクタの動作が決定されると(S63)、たとえば投手キャラクタ70の球種設定動作及び打者キャラクタ72の打撃設定動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理である第2ゲーム制御手段58に相当する第2キャラクタ表示処理を行う(S64)。
【0084】
ここでは、第1イベントが行われたときには、第2操作データを受け付けずに、第1操作データ、表示制御に影響を及ぼしにくい第1非操作データ及び第2非操作データを受け付けた後に第1端末装置101の第1表示部3aに表示処理を行うので、第2操作データを受け付ける場合に比して、第1操作部5aの操作が第1表示部3aに即時に反映される。第1ユーザの操作が第1表示部3aに即時に反映されると、第1ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。なお、第1イベントが行われたときには、第1端末装置101の第1表示部3aの表示画面は、第2端末装置102の第2表示部3bの表示画面と異なっているが、第2端末装置102においても第1端末装置101と同一の第1非操作データ及び第2非操作データを受け付けているので、第1端末装置101の第1制御部で行われる演算処理と、第2端末装置102の第2制御部1bで行われる演算処理とでは、同一の処理が行われる。
【0085】
また、第1イベントが行われていないときには、第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1端末装置101の第1表示部3aに表示処理を行うので、第2端末装置102の第2表示部3bと同一の表示画面を表示させることができる。なお、第1イベントが行われているときと同様に、第1端末装置101の第1制御部1aで行われる演算処理と、第2端末装置102の第2制御部1bで行われる演算処理とでは、同一の処理が行われているので、表示演算処理を含まないゲーム演算処理ではタイムラグが生じない。
【0086】
なお、第2ユーザが使用する第2端末装置102上における機能は、第1ユーザが使用する第1端末装置101上における機能と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0087】
〔ネットワークゲームの一例としての野球ゲームにおける各種処理概要〕
本実施形態の野球ゲームにおける進行手順及び対応する各種処理を、図4〜図8の表示画面を示す図、図9以下に示すフローチャートを用いて説明する。
【0088】
まず、ネットワークゲームシステムの全体のゲーム進行制御処理について図9を用いて説明する。
【0089】
第1ユーザが使用する第1端末装置101上において、ネットワークゲームアプリケーションを起動し、初期画面においてネット対戦を行うモードを選択する。すると、第1端末装置101は、第1通信部6aを介してインターネット100を経由して認証サーバ103に接続される。ここでは、各ユーザが予め会員登録しておく必要があり、会員登録のときに登録したユーザ名、パスワードを入力することにより、認証サーバ103への接続が許可される(S1)。また、第2ユーザが使用する第2端末装置102においても、第1端末装置101と同様に、第2通信部6bを介してインターネット100を経由して認証サーバ103に接続される。
【0090】
第1端末装置101及び第2端末装置102が、インターネット100を経由して認証サーバ103に接続されると、認証サーバ103上で公開された各ユーザのプロフィール情報(ユーザ名やユーザに関する情報やグローバルIPアドレス等)を参照することが可能になる。この情報を参照し、たとえば第1端末装置101を使用する第1ユーザが第2端末装置102を使用する第2ユーザと対戦したい場合、第1ユーザは対戦相手設定画面から第2ユーザを選択する(S2)。すると、認証サーバ103は第1ユーザが第2ユーザへ接続したい旨を伝達する接続要求を第2端末装置102へ送信する(S3)。認証サーバ103に接続された第2端末装置102は、第1ユーザからの接続要求を受信し、接続を許可するか、拒否するかを選択することが可能になる。そして、第2ユーザが第1ユーザからの接続を許可することを選択すると(S4)、接続許可情報が認証サーバ103を介して第2端末装置102から第1端末装置101へ送信され、第1端末装置101と第2端末装置102との接続が確立される(S5)。
【0091】
第1端末装置101と第2端末装置102とがP2P接続されると、ネットワークゲームアプリケーション上において各種の設定を行った後、ゲームスタートのコマンドを選択し、たとえば野球ゲームが開始される(S6)。ネットワークゲームアプリケーション上において、ゲーム終了のコマンドを選択したり、所定のゲーム時間が経過したり、あるいは第1端末装置101または第2端末装置102がインターネット100との接続が切断されたときは、野球ゲームが終了する(S7)。
【0092】
次に、野球ゲームにおけるゲーム進行及び具体的な操作及び表示等の制御処理について、説明する。
【0093】
本野球ゲームでは、図4〜図6に示すように、第2端末装置102を使用する第2ユーザが投手キャラクタ70を操作し、第1端末装置101を使用する第1ユーザが打者キャラクタ72を操作することによって、投手キャラクタ70が投げたボールオブジェクト74を打者キャラクタ72が打つゲームを行う。また、図7及び図8に示すように、第2端末装置102を使用する第2ユーザが守備キャラクタ78を操作することによって、守備フィールド77に移動したボールオブジェクト74を捕球するゲームを行う。なお、図4〜図6に示す表示画面を、投手キャラクタ70、捕手キャラクタ71及び打者キャラクタ72が表示された対戦画面と称し、図7及び図8に示す表示画面を、投手キャラクタ70、打者キャラクタ72及び守備キャラクタ78が表示された全体画面と称する。
【0094】
本野球ゲームにおける対戦画面では、図4に示すように、投手キャラクタ70は画面の略中央部に、捕手キャラクタ71は画面の上部に、打者キャラクタ72は画面の右側部に、表示されている。投手キャラクタ70のグラブには、ボールオブジェクト74が表示されており、投手キャラクタ70が投球開始する前であることを示している。また、投手キャラクタ70の周囲には、球種情報を設定するための6方向の三角形状の球種選択オブジェクト73が表示されており、たとえば上方向を選択するとストレート、下方向を選択するとフォークを投球できるようになっている。打者キャラクタ72の側方のホームベース上方には、矩形のストライクゾーン76が表示されている。また、打者キャラクタ72の側方のホームベース上方には、打者キャラクタ72が打撃動作を行う際にバットキャラクタの打撃位置を設定するための略十字状のミートカーソル75が表示されており、略十字状の中心部分をボールオブジェクト74にミートさせることにより、ヒット性の打撃を行えるようになっている。
【0095】
なお、図4は、対戦画面において投手キャラクタ70が球種設定を行うことが可能な表示画面を示す図であり、図5は、投手キャラクタ70が投球動作を行ったとき、打者キャラクタ72が打撃動作を行うことが可能な表示画面を示す図であり、図6は対戦画面において打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときの表示画面を示す図である。したがって、投手キャラクタ70が球種設定を行う図4では、球種選択オブジェクト73及びストライクゾーン76が表示されているが、図5や図6では、球種選択オブジェクト73及びストライクゾーン76が表示されていない。また、打者キャラクタ72が打撃動作を行う図4や図5では、ミートカーソル75が表示されているが、図6では、ミートカーソル75が表示されていない。また、図5では、ボールオブジェクト74は、ボールの軌道に合わせて形状が異なるようになっており、たとえば投手キャラクタ70の付近ではオブジェクトの大きさが小さくなるように、かつ打者キャラクタ72の付近ではオブジェクトの大きさが大きくなるように動画で表示される。また、図6では、打者キャラクタ72は、バットキャラクタのスイングの様子が動画で表示される。
【0096】
本野球ゲームにおける全体画面では、図7及び図8に示すように、球場全体を視認可能な守備フィールド77が表示されており、守備フィールド77の各守備位置に配置された投手キャラクタ70及び守備キャラクタ78が表示されている。また、表示画面の下部には打者キャラクタ72としてのバットオブジェクトが振り切った状態で表示されており、打撃操作を行った後であることを示している。また、図7では、ボールオブジェクト74は、レフト方向に移動している様子が動画で表示される。また、レフトの守備キャラクタ78がボールオブジェクト74方向に移動し、捕球動作を行う様子が動画で表示される。
【0097】
次に、野球ゲームにおいて、第1端末装置101及び第2端末装置102の操作及び表示についてのゲーム進行制御処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。特に、ここでは、第2端末装置102側が投球及び守備を行い、第1端末装置101側が打撃を行う例について説明する。
【0098】
まず、投手キャラクタ70が投げたボールオブジェクト74を打者キャラクタ72が打つゲームを行う野球ゲームを行うとき、第2端末装置102では、図4に示す対戦画面が第2表示部3bに表示される(S11)。このとき、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の図4に示す対戦画面が第1表示部3aに表示される(S31)。
【0099】
次に、第2端末装置102において、第2操作部5bの操作によって球種選択オブジェクト73を選択し、同時にたとえば第2操作部5bの操作によって捕手キャラクタ71のミット位置を移動させることによって投球方向を指定するコース選択を行い、第2操作部5bの操作、たとえばキーボード17aのSキーの操作で投球開始を行うことにより投球動作情報を受け付け(S12)、投球動作を決定する(S13)。たとえば、球種選択オブジェクト73の上方向のオブジェクトが選択された場合は、ストレートを投球する動作が決定される。
【0100】
第2端末装置102において、投球動作が決定されると、投球動作情報が、第2端末装置102の第2通信部6bから送信され(S14)、第1端末装置101の第1通信部6aに受信される(S32)。そして、第2端末装置102では、投球動作を行った図5に示す対戦画面が第2表示部3bに表示され(S15)、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の投球動作を行った図5に示す対戦画面が第1表示部3aに表示される(S33)。なお、ここで表示されるボールオブジェクト74の動作は、第2操作部5bの操作によって決定された投球動作情報によって予めプログラミングされた移動動作を行うようになっている。
【0101】
第1端末装置101において、投球動作情報が受信されると、第1操作部5aの操作によって略十字状のミートカーソル75を移動させ、移動するボールオブジェクト74をミートする位置に合わせた状態で、第2操作部5bの操作、たとえばキーボード17aのSキーの操作で打撃開始を行うことにより打撃動作情報を受け付け(S34)、打撃動作を決定する(S35)。打撃動作が決定されると、第1端末装置101では、打撃動作を行った図6に示す対戦画面が第1表示部3aに表示される(S36)。ここでは、第1操作部5aの操作が即時に第1表示部3aに反映されるので、第1ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。
【0102】
このとき、第2端末装置102では、投球動作を行った図5に示す対戦画面が第2表示部3bに表示されており、たとえば第1操作部5aの操作によって決定された打撃動作情報に関わらず予めプログラミングされたダミーの打撃動作を表示するようになっており(S16)、このため第1表示部3aに表示された第1操作部5aの操作によって決定された打撃動作情報を反映した正確な表示画面とは異なった表示になっている。
【0103】
次に、第1端末装置101において、打撃動作情報が、第1端末装置101の第1通信部6aから送信され(S37)、第2端末装置102の第2通信部6bに受信される(S17)。そして、第2端末装置102では、打撃動作を行った図7に示す全体画面が第2表示部3bに表示され(S18)、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の打撃動作を行った図7に示す全体画面が第1表示部3aに表示される(S38)。このとき、第1端末装置101の第1制御部1a及び第2端末装置102の第2制御部1bでは、同一の打撃動作情報を得ているので、第1表示部3a及び第2表示部3bに図7に示す同一の全体画面が表示される。
【0104】
なお、打者キャラクタ72が空振りしたり、ボールオブジェクト74を見送ってスイング動作を行わなかったときは、第1表示部3a及び第2表示部3bに全体画面を表示させる(S18、S38)のに代えて、第1表示部3a及び第2表示部3bに同一の対戦画面が表示される。この対戦画面には、たとえば打撃結果(空振り)や投球結果(カウント)が表示される。打撃結果や投球結果が表示された後には、最初の図4に示す対戦画面が第1表示部3a及び第2表示部3bに表示される(S11、S31)。
【0105】
次に、第2端末装置102において、第2操作部5bの操作によって、守備キャラクタ78を選択し、たとえばレフトの守備キャラクタ78をキーボード17aの上下左右方向キー及びSキーの操作で守備者を決定することにより守備動作情報を受け付け(S19)、守備動作を決定する(S20)。守備動作が決定されると、守備動作情報が、第2端末装置102の第2通信部6bから送信され(S21)、第1端末装置101の第1通信部6aに受信される(S39)。そして、第2端末装置102では、守備動作を行った図8に示す全体画面が第2表示部3bに表示され(S22)、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の守備動作を行った図8に示す全体画面が第1表示部3aに表示される(S40)。
【0106】
ここでは、第2端末装置102側が投球及び守備を行い、第1端末装置101側が打撃を行う例について説明したが、攻守が交代した場合は、第1端末装置101及び第2端末装置102の操作及び表示についてのゲーム進行制御処理が入れ替わるものであるから、攻守が交代した場合の説明は省略する。
【0107】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としてのパーソナルコンピュータを用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は前記実施形態に限定されず、ネットワークゲームを行うことができれば、家庭用ビデオゲーム装置や、携帯電話、携帯情報端末等の他の端末装置にも同様に適用することができる。
【0108】
(b) 前記実施形態では、記録媒体の一例として、ハードディスクドライブやCD−ROMを例にあげて説明したが、たとえばコンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、DVD、UMD、ROMカセット、あるいは家庭用ビデオゲーム装置用のカートリッジ等であってもよい。また、ゲームを実行するプログラムを提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、たとえばネットワークゲームを管理している会社が提供するホームページ等からインターネット100を介してダウンロード可能な場合は、ゲーム進行プログラム等をホームページから直接ダウンロードして実行できるようにしてもよい。
【0109】
(c) 前記実施形態では、ネットワークゲームの一例として、予め登録した会員が対戦する野球ゲームについて例示したが、ネットワークゲームは前記実施形態に限定されず、ユーザ間で対戦を行うネットワークゲームであれば、種々のゲームに適用することができる。たとえば、サッカーや格闘技等の種々のスポーツゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム等に同様に適用することができる。
【0110】
具体的には、サッカーゲームのPK戦において、たとえば第2端末装置102を使用する会員がゲーム空間においてキッカーキャラクタ(現実のサッカーの試合におけるキッカーに相当)を操作するとともに、第1端末装置101を使用する会員が同じゲーム空間においてキーパーキャラクタ(現実のサッカーの試合におけるキーパーに相当)を操作することによって、キッカーキャラクタが蹴ったボールオブジェクト(現実のサッカーの試合におけるボールに相当)をキーパーキャラクタが受けるようなゲームにも本発明を適用できる。
【0111】
(d) 前記実施形態では、第1イベント判別手段56は、第1イベントの開始及び終了は、投球動作を開始したか、打撃操作を開始したか、あるいは所定時間が経過したかによって、判断していたが、たとえば投球動作を開始したか、打撃操作を開始したかによって、図13に示すように、判断する構成にしてもよい。
【0112】
(e) 前記実施形態では、第1ゲーム制御手段57及び第3ゲーム制御手段59は、第1イベントが行われたときには、第1操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて第1キャラクタ制御処理及び第1キャラクタ表示処理を行っていたが、図14に示すように、第1操作データ及び第1非操作データのみに基づいて、第3キャラクタ制御処理及び第3キャラクタ表示処理を行うようにしてもよい。
【0113】
第1イベントが開始されたと判断されると、すなわち投手キャラクタ70が投球動作を行い、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントであるとき、第1操作データ受付手段50によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付け(S65)、第1非操作データ受付手段52によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付ける(S66)。次に、第1操作データ及び第1非操作データに基づいて、各キャラクタを動作させるためのゲーム演算処理である第3ゲーム制御手段59に相当する第3キャラクタ制御処理を行う(S67)。第3キャラクタ制御処理にて各キャラクタの動作が決定されると(S68)、たとえば打者キャラクタ72が打撃動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理である第1ゲーム制御手段57に相当する第3キャラクタ表示処理を行う(S69)。
【0114】
なお、この場合には、第1端末装置101の第1表示部3aの表示画面は、第2端末装置102の第2表示部3bの表示画面と異なり、第1端末装置101の第1制御部で行われる演算処理と、第2端末装置102の第2制御部1bで行われる演算処理とでは、異なった処理が行われている。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態によるネットワークゲームシステムの構成を示すブロック図。
【図2】前記ネットワークゲームシステムのユーザ側端末の構成を示すブロック図。
【図3】前記ユーザ側端末の機能を示すブロック図。
【図4】前記ネットワークゲームの対戦画面において投手キャラクタが球種設定を行うことが可能な表示画面を示す図。
【図5】前記対戦画面において投手キャラクタが投球動作を行ったとき、打者キャラクタが打撃動作を行うことが可能な表示画面を示す図。
【図6】前記対戦画面において打者キャラクタが打撃動作を行ったときの表示画面を示す図。
【図7】全体画面において打球がフィールドに移動し、守備キャラクタが守備動作を行うことが可能な表示画面を示す図。
【図8】前記全体画面において守備キャラクタが守備動作を行ったときの表示画面を示す図。
【図9】前記ネットワークゲームシステムの全体のゲーム進行制御処理を示すフローチャート。
【図10】前記投手キャラクタが投球動作を行ってから、前記守備キャラクタが守備動作を行うまでの表示制御処理を示すフローチャート。
【図11】第1イベント判別制御処理を示すフローチャート。
【図12】前記第1イベント判別制御処理によって受け付けられるデータに基づく表示制御処理を示すフローチャート。
【図13】他の実施形態の図11に相当する図。
【図14】他の実施形態の図12に相当する図。
【符号の説明】
【0116】
1a、1b 第1制御部、第2制御部
2a、2b 第1記憶部、第2記憶部
3a、3b 第1表示部、第2表示部
4a、4b 第1音声出力部、第2音声出力部
5a、5b 第1操作部、第2操作部
6a、6b 第1通信部、第2通信部
50 第1操作データ受付手段
51 第2操作データ受付手段
52 第1非操作データ受付手段
53 第2非操作データ受付手段
54 第1通信手段
55 第2通信手段
56 第1イベント判別手段
57 第1ゲーム制御手段
58 第2ゲーム制御手段
59 第3ゲーム制御手段
70 投手キャラクタ
72 打者キャラクタ
74 ボールオブジェクト
100 インターネット
101 第1端末装置
102 第2端末装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、ネットワークを介して対戦可能なゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムによって実行されるゲーム装置及びゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及やインターネット接続におけるデータ転送速度の高速化によって、インターネットを介して接続されたサーバ装置と複数のユーザがそれぞれ使用する複数の端末装置とを用いたネットワークゲームが行われている。この種のネットワークゲームとしては、複数のユーザがサーバ装置を介して1対1で対戦可能な野球、サッカー、格闘技等の種々の通信対戦型のものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このような通信対戦型のネットワークゲームでは、第1ユーザが使用する第1端末装置と、第2ユーザが使用する第2端末装置とが、それぞれインターネットを介してサーバ装置に接続されている。また、サーバ装置を設けずに、第1端末装置と第2端末装置とで直接データのやりとりを行う、いわゆるP2P(Peer to Peer)によるネットワークゲームを行うものが知られている。P2Pによるネットワークゲームでは、第1端末装置と第2端末装置との間にサーバ装置を介在させることがないので、多数のユーザがサーバ装置に一極集中することがなくなり、このため第1端末装置と第2端末装置とで円滑な通信が行うことができる。
【0004】
このようなP2Pによるネットワークゲームに用いられる第1端末装置及び第2端末装置は、たとえば第1ユーザ及び第2ユーザの家庭にそれぞれ設置されたパーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機器である。第1端末装置及び第2端末装置は、ゲームのキャラクタを表示可能な表示部や、表示部に表示されたキャラクタを操作するための操作部や、インターネットに接続されゲームデータを外部と送受信するための通信部を有している。また、第1端末装置及び第2端末装置には、操作部の操作に応じたゲーム制御や、表示部にゲームのキャラクタを表示させる表示制御や、ゲームデータを外部と通信によってやりとりする通信制御等を行うゲームプログラムがそれぞれ内蔵されている。ここでは、第1端末装置の通信部と第2端末装置の通信部とが、インターネットを介してゲームデータを通信することにより、第1ユーザ及び第2ユーザが通信対戦することができる。
【0005】
この種のP2Pによるネットワークゲームでは、たとえば第1ユーザが第1端末装置の操作部を操作すると、第1端末装置の操作部の操作に関する情報を含むゲームデータがインターネットを介して第1端末装置の通信部から第2端末装置の通信部へ送信される。第2端末装置は、第1端末装置の操作部の操作に関する情報に基づいて、ゲーム制御処理を行い、たとえば第1端末装置の操作部の操作に応じたゲームのキャラクタの動作を第2端末装置の表示部に表示するようになっている。同様に、第2ユーザが第2端末装置の操作部を操作すると、第2端末装置の操作部の操作に関する情報を含むゲームデータが、インターネットを介して第1端末装置の通信部へ送信され、第2端末装置の操作部の操作に応じたゲームのキャラクタの動作を第1端末装置の表示部に表示するようになっている。ここでは、第1端末装置及び第2端末装置の表示部は、第1端末装置及び第2端末装置の操作部の操作に応じて常に同一の画面が表示されるようになっている。
【特許文献1】特許第3412693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のP2Pによるネットワークゲームでは、第1端末装置及び第2端末装置の表示部は、第1端末装置及び第2端末装置の操作部の操作に応じて常に同一の画面が表示されるようになっている。しかし、第1端末装置及び第2端末装置の表示部に同一の画面を表示させるには、第1端末装置の操作部と第2端末装置の操作部との両方の操作に関する操作データを受け付けた後に表示処理を行うため、操作部の操作と表示部の表示との間に数フレームのタイムラグが生じることがある。このように操作部の操作と表示部の表示との間にずれが生じると、ユーザの操作が表示部に即時反映されないので、ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができず、特に、即時性が要求される対戦型のネットワークゲームでは、円滑なゲーム進行を妨げるおそれがある。
【0007】
そこで、たとえば第1端末装置の操作部の操作に応じた表示を、第1端末装置の表示部には即時行い、第2端末装置の表示部には数フレーム遅延させて行うようにして、第1端末装置及び第2端末装置の表示部に異なった画面を表示させることが考えられる。しかし、第1端末装置と第2端末装置とで表示部に異なった画面が表示されると、たとえば第1端末装置に表示されていたキャラクタが第2端末装置の表示部に表示されないことになり、ユーザのゲームにおける興趣性を著しく低下させるおそれが生じる。
【0008】
本発明の課題は、ゲームプログラムにおいて、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられたコンピュータに、第1端末装置に設けられた第1操作部の操作によって第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて第1キャラクタと対戦するゲームを実現可能なゲームプログラムである。そして、このゲームプログラムは、コンピュータに以下の機能を実現させる。
【0010】
(1)第1操作部の操作によって第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データを第1端末装置に設けられた第1制御部により受け付ける処理を行う第1操作データ受付機能。
【0011】
(2)第1操作データを第2端末装置に設けられた第2通信部に第1端末装置に設けられた第1通信部によって送信する処理を行い、第2操作部の操作によって第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データを第1通信部によって受信する処理を行う第1通信機能。
【0012】
(3)第1通信機能によって受信処理された第2操作データを第1制御部により受け付ける処理を行う第2操作データ受付機能。
【0013】
(4)第2操作データ受付機能によって第2操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、第1操作データ受付機能によって第1操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かを第1制御部により判別する処理を行う第1イベント判別機能。
【0014】
(5)第1イベント判別機能によって第1イベントが行われたと第1制御部により判別処理されたとき、第1操作データのみに基づいて、第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第1ゲーム制御機能。
【0015】
(6)第1イベント判別機能によって第1イベントが行われていないと第1制御部により判別処理されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第2ゲーム制御機能。
【0016】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第1端末装置において以下の処理が実行される。まず、第1操作部の操作によって第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データが受け付けられる。また、第1操作データが第2端末装置に送信され、第2操作部の操作によって第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データが受信されるとともに、受信した第2操作データが受け付けられる。そして、第2操作データ受付機能によって第2操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、第1操作データ受付機能によって第1操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かが判別され、第1イベント判別機能によって第1イベントが行われたと判別されたとき、第1操作データのみに基づいて、第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。一方、第1イベント判別機能によって第1イベントが行われていないと判別されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。
【0017】
このゲームプログラムでは、第1イベントが行われたとき、第1操作データのみに基づいて第1ゲーム制御機能による第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われ、第1イベントが行われていないとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる
【0018】
ここでは、第1イベントが行われたときには、たとえば従来のように第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うのではなく、第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映される。第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映されると、ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができ、特に、即時性が要求される対戦型のネットワークゲームでは、円滑なゲーム進行を行うことができる。
【0019】
一方、第1イベントが行われていないときには、たとえば第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことができるので、第2端末装置に設けられた第2表示部と同一の表示画面を表示させることができ、このためユーザのゲームにおける興趣性を損なうことがなくなる。
【0020】
このように、第1イベントが行われているか否かによって第1ゲーム制御機能及び第2ゲーム制御機能のいずれかの処理を行うことにより、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができる
【0021】
請求項に係るゲームプログラムは、請求項のゲームプログラムにおいて、第1ゲーム制御機能は、第2端末装置に設けられた第2表示部の表示画面と異なる表示画面を第1表示部に表示させる表示処理を行う機能である。第2ゲーム制御機能は、第2表示部の表示画面と同一の表示画面を第1表示部に表示させる表示処理を行う機能である。このゲームプログラムでは、第1イベントが行われたときには、第1ゲーム制御機能によって第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第2端末装置に設けられた第2表示部と異なる表示画面を表示させている。また、第1イベントが行われていないときには、第2ゲーム制御機能によって第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことにより、第2端末装置に設けられた第2表示部と同一の表示画面を表示させている。ここでは、第1イベントが行われているか否かによって、第1表示部に、第2表示部と異なる表示画面を表示させたり、第2表示部と同一の表示画面を表示させることにより、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにすることができる。
【0022】
請求項に係るゲームプログラムは、請求項1又は2のゲームプログラムにおいて、ネットワークを介して第2端末装置と通信対戦可能な第1端末装置に設けられたコンピュータに、第1端末装置に設けられた第1操作部の操作によって第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて第1キャラクタと対戦するゲームを、以下の機能をさらに加えることによって実現可能なゲームプログラムである。
【0023】
(7)第1操データ以外の第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1非操作データを第1制御部により受け付ける処理を行う第1非操作データ受付機能。
【0024】
(8)第1非操作データを第2通信部に第1通信部によって送信する処理を行い、第2操作データ以外の第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2非操作データを第1通信部によって受信する処理を行う第2通信機能。
【0025】
(9)第2通信機能によって受信処理された第2非操作データを第1制御部により受け付ける処理を行う第2非操作データ受付機能。
【0026】
(10)第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理と同一の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理を行う第3ゲーム制御機能。
【0027】
このプログラムによって実現されるゲームでは、第1操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第1非操作データが受け付けられる。また、第1非操作データが第2端末装置に送信され、第2操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第2非操作データが受信されるとともに、受信した第2非操作データが受け付けられる。そして、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理が行われる。
【0028】
このゲームプログラムでは、第1イベントが行われているか否かに関わらず、第1操作データ及び第2操作データ以外の第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理と同一の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理が行われるここでは、たとえば第1イベントが行われたときに第1ゲーム制御機能によって第1表示部に第2表示部と異なる表示画面を表示させていても、第3ゲーム制御機能によって第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理と同一の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理が行われるので、第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理については第1端末装置と第2端末装置とでタイムラグが生じることがなくなり、たとえば第1イベントが終了したときに即座に第2ゲーム制御機能によって第1表示部に第2表示部と同一の表示画面を表示させることができる。
【0029】
請求項に係るゲームプログラムは、請求項4のゲームプログラムにおいて、第3ゲーム制御機能は、第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理以外の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理を行う機能であるここでは、第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理以外の第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる演算処理については第1端末装置と第2端末装置とでタイムラグが生じることがなくなるので、たとえば第1イベントが終了したときに即座に第2ゲーム制御機能によって第1表示部に第2表示部と同一の表示画面を表示させることができる
【0030】
請求項に係るゲーム装置は、ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられ、第1端末装置に設けられた第1操作部の操作によって第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて第1キャラクタと対戦するゲームを実行可能なゲーム装置であって、第1操作データ受付手段と、第1通信手段と、第2操作データ受付手段と、第1イベント判別手段と、第1ゲーム制御手段と、第2ゲーム制御手段とを備えている。
【0031】
第1操作データ受付手段において、第1操作部の操作によって第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データを第1端末装置に設けられた第1制御部により受け付ける処理が行われる。第1通信手段において、第1操作データを第2端末装置に設けられた第2通信部に第1端末装置に設けられた第1通信部によって送信する処理が行われ、第2操作部の操作によって第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データを第1通信部によって受信する処理が行われる。第2操作データ受付手段において、第1通信手段によって受信処理された第2操作データを第1制御部により受け付ける処理が行われる。第1イベント判別手段において、第2操作データ受付手段によって第2操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、第1操作データ受付手段によって第1操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かを第1制御部により判別する処理が行われる。第1ゲーム制御手段において、第1イベント判別手段によって第1イベントが行われたと第1制御部により判別処理されたとき、第1操作データのみに基づいて、第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。第2ゲーム制御手段において、第1イベント判別手段によって第1イベントが行われていないと第1制御部により判別処理されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。
【0032】
請求項に係るゲーム制御方法は、ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置設けられた第1操作部の操作によって第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて第1キャラクタと対戦するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、第1操作データ受付ステップと、第1通信ステップと、第2操作データ受付ステップと、第1イベント判別ステップと、第1ゲーム制御ステップと、第2ゲーム制御ステップとを備えている。
【0033】
第1操作データ受付ステップにおいて、第1操作部の操作によって第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データを第1端末装置に設けられた第1制御部により受け付ける処理が行われる。第1通信ステップにおいて、第1操作データを第2端末装置に設けられた第2通信部に第1端末装置に設けられた第1通信部によって送信する処理が行われ、第2操作部の操作によって第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データを第1通信部によって受信する処理が行われる。第2操作データ受付ステップにおいて、第1通信ステップによって受信処理された第2操作データを第1制御部により受け付ける処理が行われる。第1イベント判別ステップにおいて、第2操作データ受付ステップによって第2操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、第1操作データ受付ステップによって第1操作データを第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かを第1制御部により判別する処理が行われる。第1ゲーム制御ステップにおいて、第1イベント判別ステップによって第1イベントが行われたと第1制御部により判別処理されたとき、第1操作データのみに基づいて、第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。第2ゲーム制御ステップにおいて、第1イベント判別ステップによって第1イベントが行われていないと第1制御部により判別処理されたとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、ゲームプログラムにおいて、第1イベントが行われたとき、第1操作データのみに基づいて第1ゲーム制御機能による第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われ、第1イベントが行われていないとき、第1操作データ及び第2操作データに基づいて、第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である第1表示部に第1キャラクタ及び第2キャラクタを動作させる表示処理が行われる。ここでは、第1イベントが行われたときには、第1ゲーム制御機能によって第1操作データのみを受け付けた後に表示処理を行うので、第1ユーザの操作が第1表示部に即時反映され、このためユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。また、第1イベントが行われていないときには、第2ゲーム制御機能によって第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1表示部に表示処理を行うことにより、第2端末装置に設けられた第2表示部と同一の表示画面を表示させることができるので、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことがなくなる。したがって、第1イベントが行われているか否かによって第1ゲーム制御機能及び第2ゲーム制御機能のいずれかの処理を行うことにより、ユーザのゲームにおける興趣性を損なうことなく、円滑なゲーム進行を行うことができるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔ネットワークゲームシステムの構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての第1端末装置101と、第1端末装置101とインターネット100を介して通信対戦可能な第2端末装置102と、第1端末装置101及び第2端末装置102の接続をインターネット100を介して認証する認証サーバ103とが接続されたネットワークゲームシステムの構成を示すブロック図である。また、図2は、第1端末装置101の一例としての構成を示すブロック図である。
【0036】
図1に示すネットワークゲームシステムは、第1端末装置101及び第2端末装置102と、認証サーバ103とを備えている。第1端末装置101及び第2端末装置102と認証サーバ103とは、インターネット100を介して相互に通信可能なように接続されている。
【0037】
第1端末装置101及び第2端末装置102は、ユーザである会員が使用する端末装置であり、たとえば各ユーザの家庭にそれぞれ設置されたネットワークゲームとしての野球ゲームを実行可能なパーソナルコンピュータである。認証サーバ103は、ユーザである会員が第1端末装置101及び第2端末装置102を用いてゲーム空間において行う野球ゲームを実行するために、対戦するユーザを決定したり、会員登録の確認や課金等のために各ユーザを認証するためのサーバ装置である。第1端末装置101及び第2端末装置102には、ネットワークゲームを実行するためのゲームプログラムが格納されており、第1端末装置101と第2端末装置102とで直接データのやりとりを行う、いわゆるP2P(Peer to Peer)によるネットワークゲームを行うようになっている。このため、認証サーバ103には、ネットワークゲームを実行するためのゲームプログラムが格納されておらず、各ユーザの認証を行うための認証プログラムのみが主に格納されている。なお、第1端末装置101及び第2端末装置102以外にも、複数のユーザが使用する図示しない複数の端末装置がインターネット100に接続されており、認証サーバ103によって2つの端末装置ごとに対戦相手が決定されるようになっている。
【0038】
インターネット100では、たとえばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)にしたがって、第1端末装置101及び第2端末装置102と、認証サーバ103との間で相互に種々の情報等が送受信される。特に、P2P接続される第1端末装置101と第2端末装置102との間では、TCP/IPのトランスポート層上の通信方式であるUDP(User Datagram Protocol)によって種々の情報等が通信される。UDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わない、すなわちデータを相手側の端末に送りっぱなしにする通信方式であるので、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いといった特徴を有している。このため、大量のデータを相互に高速通信する対戦型のネットワークゲームでは、UDPが多く使用されている。なお、インターネット100を使用する場合、通常、第1端末装置101及び第2端末装置102はモデム等を介して所定のプロバイダサーバに接続され、プロバイダサーバを経由してインターネット100に接続される場合が多いが、説明を容易にするため、プロバイダサーバの図示及び説明を省略している。
【0039】
第1端末装置101及び第2端末装置102を使用するユーザは、ネットワークゲームを管理している会社が提供する所定のサービスを受けるために登録を行った会員であり、たとえば、第2端末装置102を使用する第2ユーザがゲーム空間において投手キャラクタ(現実の野球の試合における投手に相当)を操作するとともに、第1端末装置101を使用する第1ユーザが同じゲーム空間において打者キャラクタ(現実の野球の試合における打者に相当)を操作することによって、投手キャラクタが投げたボールオブジェクト(現実の野球の試合におけるボールに相当)を打者キャラクタが打つ野球ゲームによる通信対戦を行う。
【0040】
〔ネットワークゲーム装置の構成〕
第1端末装置101は、図1及び図2に示すように、第1制御部1aと、第1記憶部2aと、第1表示部3aと、第1音声出力部4aと、第1操作部5aと、第1通信部6aとから構成されており、それぞれがバス30aを介して接続される。バス30aは、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、第1制御部1a、第1記憶部2a、第1音声出力部4a、第1操作部5a及び第1通信部6aは、パーソナルコンピュータ内に含まれており、第1表示部3aは、パーソナルコンピュータの外部に接続されたディスプレイモニタ内に含まれている。
【0041】
第1制御部1aは、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。第1制御部1aは、たとえば図2に示すように、CPU7a(Central Processing Unit)と、信号処理プロセッサ8aと、画像処理プロセッサ9aとから構成されている。CPU7aと信号処理プロセッサ8aと画像処理プロセッサ9aとは、それぞれがバス30aを介して互いに接続されている。
【0042】
CPU7aは、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7aは、信号処理プロセッサ8aに対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8aは、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9aは、主に、信号処理プロセッサ8aの計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12aに書き込む処理を行っている。
【0043】
第1記憶部2aは、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。第1記憶部2aは、たとえば図2に示すように、記録媒体10aと、インターフェース回路11aと、RAM12a(Random Access Memory)とから構成されている。記録媒体10aには、インターフェース回路11aが接続されている。そして、インターフェース回路11aとRAM12aとはバス30aを介して接続されている。
【0044】
記録媒体10aは、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10aは、たとえばパーソナルコンピュータの内部に設置されたハードディスクドライブであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10aには、パーソナルコンピュータの内部に設置された読取装置から読み取り可能なCD−ROMも含まれており、このCD−ROMは、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータをインストールするための初期プログラムが格納されている。なお、ハードディスクドライブは、ユーザ固有のデータであるゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。
【0045】
RAM12aは、記録媒体10aから読み出された各種データを一時的に格納したり、第1制御部1aからの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12aには、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0046】
第1表示部3aは、主に、画像処理プロセッサ9aによってRAM12aに書き込まれた画像データや、記録媒体10aから読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。第1表示部3aは、たとえば図2に示すように、液晶ディスプレイ21aと、インターフェース回路22aと、D/Aコンバータ23a(Digital−To−Analogコンバータ)とから構成されている。液晶ディスプレイ21aにはD/Aコンバータ23aが接続されており、D/Aコンバータ23aにはインターフェース回路22aが接続されている。そして、インターフェース回路22aにバス30aが接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路22aを介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号が液晶ディスプレイ21aに画像として出力される。なお、D/Aコンバータ23aを設けずに、デジタル画像信号が液晶ディスプレイ21aに画像として出力されるようにしてもよいし、液晶ディスプレイに代えてCRT(陰極線管)に画像を出力するようにしてもよい。
【0047】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0048】
第1音声出力部4aは、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。第1音声出力部4aは、たとえば図2に示すように、スピーカー13aと、増幅回路14aと、D/Aコンバータ15aと、インターフェース回路16aとから構成されている。スピーカー13aには増幅回路14aが接続されており、増幅回路14aにはD/Aコンバータ15aが接続されており、D/Aコンバータ15aにはインターフェース回路16aが接続されている。そして、インターフェース回路16aにバス30aが接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16aを介してD/Aコンバータ15aに供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14aによって増幅され、スピーカー13aから音声として出力される。
【0049】
第1操作部5aは、図2に示すように、主に、キーボード17aと、マウス18aと、操作情報インターフェース回路19aと、インターフェース回路20aとから構成されている。キーボード17a及びマウス18aには、操作情報インターフェース回路19aが接続されており、操作情報インターフェース回路19aにはインターフェース回路20aが接続されている。そして、インターフェース回路20aにバス30aが接続されている。
【0050】
キーボード17a及びマウス18aは、プレイヤーが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤーの操作に応じた操作信号をCPU7aに送出する。キーボード17aの操作は、たとえば上下左右方向のキーの操作によって、キャラクタやカーソルを液晶ディスプレイ21aの画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7aに与えるために使用される。また、たとえばキーボード17aのSキーの操作によって、投手キャラクタを液晶ディスプレイ21aの画面上で投球動作させたり、打者キャラクタを液晶ディスプレイ21aの画面上で打撃動作させたりするコマンドをCPU7aに与える。また、たとえばSPACEキーの操作によって、試合を中断したり、たとえばESCキーの操作によって、試合を終了するコマンドをCPU7aに与える。なお、キーボード17aの操作は、マウス18aの操作(クリックや移動操作)に代替可能であり、たとえばF11キーの操作によって、キーボード17aの操作とマウス18aの操作とを切り替えるコマンドをCPU7aに与える。
【0051】
第1通信部6aは、図2に示すように、主に、通信情報インターフェース回路24aと、インターフェース回路25aと、モデム26aとから構成されている。モデム26aには、通信情報インターフェース回路24aが接続されており、通信情報インターフェース回路24aにはインターフェース回路25aが接続されている。そして、インターフェース回路25aにバス30aが接続されている。
【0052】
モデム26aは、パーソナルコンピュータの内部または外部に装着されたNIC(Network Interface Card)を介して接続され、所定のプロバイダサーバを経由してインターネット100に接続するための装置である。モデム26aは、所定のプロバイダサーバに接続したときに貸与されインターネット100上で唯一のアドレスであるグローバルIPアドレスを得ることができ、これによりユーザを識別することが可能になるとともに、インターネット100側から内部に接続することが可能になる。なお、モデム26aを介してUDP通信するときには、NICに接続されるルータ等において、専用のポート(たとえば12079番等)の通信を許可する必要がある。ここでは、モデム26aを介してインターネット100に接続され、後述する第2端末装置102のモデム26bとP2P接続が可能になる。
【0053】
第2端末装置102は、第1端末装置101と同一の構成であって、図1に示すように、第2制御部1bと、第2記憶部2bと、第2表示部3bと、第2音声出力部4bと、第2操作部5bと、第2通信部6bとから構成されている。第2制御部1b、第2記憶部2b、第2表示部3b、第2音声出力部4b、第2操作部5b及び第2通信部6bの構成は、前述した第1制御部1a、第1記憶部2a、第1表示部3a、第1音声出力部4a、第1操作部5a及び第1通信部6aの構成と同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。なお、第1端末装置101の図番aに第2端末装置102の図番bが対応しており、たとえば第2端末装置102には、第1端末装置101のモデム26aに対応する図示しないモデム26bが設けられている。ここでは、モデム26bを介してインターネット100に接続され、第1端末装置101のモデム26aとP2P接続が可能になる。
【0054】
以上のような構成からなるネットワークゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。
【0055】
第1ユーザが使用する第1端末装置101上においてネットワークゲームアプリケーションが起動されると、CPU7aが、記録媒体10aに記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10aから画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12aに格納される。また、キーボード17a及びマウス18aからの操作情報や、モデム26aを介して得られる第2端末装置102からの各種の情報も、RAM12aに格納される。そして、CPU7aが、RAM12aに格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12aに格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0056】
画像データの場合、CPU7aからのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8aが、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9aが、信号処理プロセッサ8aの計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12aへの書き込み処理などを行う。そして、RAM12aに書き込まれた画像データが、インターフェース回路22aを介してD/Aコンバータ23aに供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ23でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データは液晶ディスプレイ21aに供給され画像として表示される。
【0057】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8aが、CPU7aからのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8aから出力されて、インターフェース回路16aを介してD/Aコンバータ15aに供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14aを介してスピーカー13aから音声として出力される。
【0058】
なお、第2ユーザが使用する第2端末装置102上における動作は、第1ユーザが使用する第1端末装置101上における動作と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0059】
〔ネットワークゲーム装置における各種処理概要〕
本実施形態の第1端末装置101及び第2端末装置102において実行されるネットワークゲームは、前述したように通信対戦可能な野球ゲームである。第1端末装置101は、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって、液晶ディスプレイ21aに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。第2端末装置102は、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって、液晶ディスプレイ21bに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。ここでは、第2端末装置102を使用する第2ユーザが投手キャラクタ70(図4〜図8参照)を操作するとともに、第1端末装置101を使用する第1ユーザが打者キャラクタ72(図4〜図8参照)を操作することによって、投手キャラクタ70が投げたボールオブジェクト74(図4〜図8参照)を打者キャラクタ72が打つ野球ゲームを実現可能になっている。図3は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能を示すブロック図である。
【0060】
第1端末装置101では、図3に示すように、第1制御部1aは、第1操作データ受付手段50と、第2操作データ受付手段51と、第1非操作データ受付手段52と、第2非操作データ受付手段53と、第1通信手段54と、第2通信手段55と、第1イベント判別手段56と、第1ゲーム制御手段57と、第2ゲーム制御手段58と、第3ゲーム制御手段59とを主に備えている。
【0061】
第1操作データ受付手段50は、第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第1操作データは、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって、打者キャラクタ72を打撃動作させることができる打撃情報である。
【0062】
第2操作データ受付手段51は、第2操作部5bの操作に関する第2操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第2操作データは、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって、投手キャラクタ70を投球動作させることができる投球情報である。
【0063】
第1非操作データ受付手段52は、第1操作部5aの操作に関する第1操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第1非操作データは、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって、打者キャラクタ72を打撃動作させる打撃情報を除く、ゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行うための制御情報である。
【0064】
第2非操作データ受付手段53は、第2操作部5bの操作に関する第2操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受け付ける機能によって実現される手段である。第2非操作データは、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって、投手キャラクタ70を投球動作させる投手情報を除く、ゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行うための制御情報である。
【0065】
第1通信手段54は、第1操作部5aの操作に関する第1操作データを第1通信部6aから第2通信部6bに送信し、第2操作部5bの操作に関する第2操作データを第2通信部6bから第1通信部6aに受信する機能によって実現される手段である。
【0066】
第2通信手段55は、第1操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第1非操作データを第1通信部6aから第2通信部6bに送信し、第2操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第2非操作データを第2通信部6bから第1通信部6aに受信する機能によって実現される手段である。
【0067】
第1イベント判別手段56は、第1イベントが行われたか否かを判別する機能によって実現される手段である。第1イベントとは、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって投手キャラクタ70を投球動作させることができる投球情報を受け付けたとき開始し、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって打者キャラクタ72を打撃動作させる打撃情報を受け付けたとき終了するイベントである。すなわち、第1イベントは、投手キャラクタ70が投球動作を行い、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われイベントである。
【0068】
第1イベント判別手段56における制御処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
まず、投手キャラクタ70が投球動作を開始したか否かを判断する(S41)。投手キャラクタ70が投球動作を開始したか否かの判断は、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって得られる投球情報を受け付けたときに投手キャラクタ70が投球動作を開始したと判断し、第1イベントが開始される(S42)。また、第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって得られる投球情報を受け付けないときは、投手キャラクタ70が投球動作を開始していないと判断し、第1イベントが開始されない。
【0070】
第1イベントが開始されると、打者キャラクタ72が打撃動作を開始したか否かを判断する(S43)。打者キャラクタ72が打撃動作を開始したか否かの判断は、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって得られる打撃情報を受け付けたときに打者キャラクタ72が打撃動作を開始したと判断し、第1イベントが終了する(S44)。
【0071】
また、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって得られる打撃情報を受け付けないときは、所定時間が経過しているか否かを判断する(S45)。所定時間が経過しているとき、すなわち打者キャラクタ72がボールオブジェクト74を見送った状態であるときは、打者キャラクタ72が打撃動作を終了したと判断し、第1イベントが終了する(S44)。所定時間が経過していないときは、再度、打者キャラクタ72が打撃動作を開始したか否かを判断し、最終的には第1イベントが終了する(S44)。そして、投手キャラクタ70が投球動作を開始したか否かを判断する処理(S41)を繰り返す。
【0072】
第1ゲーム制御手段57は、第1イベント判別手段56によって第1イベントが行われたと判別されたとき、第1操作部5aの操作に関する第1操作データのみに基づいて、第1表示部3aに各種の表示処理を行う機能によって実現される手段である。具体的には、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントであるとき、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって打者キャラクタ72を打撃動作させることができる打撃情報のみを処理することによって、ボールオブジェクト74及び打者キャラクタ72の動作が動画として第1表示部3aに表示される。ここでは、打者キャラクタ72を動作させるための第1操作部5aからの信号が制御部1たとえばCPU7aに認識されると、CPU7aからの指示に基づいて、打者キャラクタ72に対応する打者用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8aと画像処理プロセッサ9aとによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12aから液晶ディスプレイ21aに供給されて、打者キャラクタ72のスイング動作が動画として液晶ディスプレイ21aに表示される。
【0073】
第2ゲーム制御手段58は、第1イベント判別手段56によって第1イベントが行われていないと判別されたとき、第1操作部5aの操作に関する第1操作データ及び第2操作部5bの操作に関する第2操作データに基づいて、第1表示部3aに各種の表示処理を行う機能によって実現される手段である。具体的には、投手キャラクタ70が投球動作を行う前と、打者キャラクタ72が打撃動作を行った後とで行われる第1イベントでないとき、たとえば守備キャラクタ78(図7及び図8参照)が守備動作を行うとき、第1ユーザが第1操作部5aを操作することによって得られる第1操作データ及び第2ユーザが第2操作部5bを操作することによって得られる第2操作データの2つのデータを処理することによって、各種の処理に対応する画面が第1表示部3aに表示される。ここでは、守備キャラクタ78を動作させるための第2操作部5bからの信号が第1通信手段54を介して制御部1たとえばCPU7aに認識されると、CPU7aからの指示に基づいて、守備キャラクタ78に対応する守備者用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8aと画像処理プロセッサ9aとによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12aから液晶ディスプレイ21aに供給されて、守備キャラクタ72のキャッチング等の守備動作が動画として液晶ディスプレイ21aに表示される。
【0074】
第3ゲーム制御手段59は、第1ゲーム制御手段57及び第2ゲーム制御手段58の表示処理以外のゲーム進行するために必要な各種のデータの演算処理を行う制御処理を行う手段であって、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、第2端末装置102の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理を行う機能によって実現される手段である。ここでは、第1ゲーム制御手段57及び第2ゲーム制御手段58の各種の表示処理以外の各種のゲーム制御処理について第1端末装置101と第2端末装置102とでタイムラグが生じることがなくなる。
【0075】
第1ゲーム制御手段57、第2ゲーム制御手段58及び第3ゲーム制御手段59における制御処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0076】
図11の第1イベント判別手段56における制御処理によって、第1イベントが開始されたか否かを判断する(S51)。
【0077】
第1イベントが開始されたと判断されると、すなわち投手キャラクタ70が投球動作を行い、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントであるとき、第1操作データ受付手段50によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付け(S52)、第1非操作データ受付手段52によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付け(S53)、第2非操作データ受付手段53によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受け付ける(S54)。なお、ここでは、第2操作データ受付手段51によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データを受け付ける処理は行わないようになっている。
【0078】
次に、第1操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、各キャラクタを動作させるためのゲーム演算処理であ第1キャラクタ制御処理を行う(S55)。第1キャラクタ制御処理にて各キャラクタの動作が決定されると(S56)、たとえば打者キャラクタ72の打撃動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理であ第1キャラクタ表示処理を行う(S57)。
【0079】
第1イベントが開始されていないと判断されると、すなわち投手キャラクタ70が投球動作を行う前と、打者キャラクタ72が打撃動作を行った後とで行われる第1イベントでないとき、第1操作データ受付手段50によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付け(S58)、第2操作データ受付手段51によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データを受け付け(S59)、第1非操作データ受付手段52によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付け(S60)、第2非操作データ受付手段53によって第2操作部5bの操作に関する第2操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受け付ける(S61)。
【0080】
次に、第1操作データ、第2操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて、各キャラクタを動作させるためのゲーム演算処理であ第2キャラクタ制御処理を行う(S62)。第2キャラクタ制御処理にて各キャラクタの動作が決定されると(S63)、たとえば投手キャラクタ70の球種設定動作及び打者キャラクタ72の打撃設定動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理であ第2キャラクタ表示処理を行う(S64)。
【0081】
ここでは、第1イベントが行われたときには、第2操作データを受け付けずに、第1操作データ、表示制御に影響を及ぼしにくい第1非操作データ及び第2非操作データを受け付けた後に第1端末装置101の第1表示部3aに表示処理を行うので、第2操作データを受け付ける場合に比して、第1操作部5aの操作が第1表示部3aに即時に反映される。第1ユーザの操作が第1表示部3aに即時に反映されると、第1ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。なお、第1イベントが行われたときには、第1端末装置101の第1表示部3aの表示画面は、第2端末装置102の第2表示部3bの表示画面と異なっているが、第2端末装置102においても第1端末装置101と同一の第1非操作データ及び第2非操作データを受け付けているので、第1端末装置101の第1制御部で行われる演算処理と、第2端末装置102の第2制御部1bで行われる演算処理とでは、同一の処理が行われる。
【0082】
また、第1イベントが行われていないときには、第1操作データと第2操作データとの両方のデータを受け付けた後に第1端末装置101の第1表示部3aに表示処理を行うので、第2端末装置102の第2表示部3bと同一の表示画面を表示させることができる。なお、第1イベントが行われているときと同様に、第1端末装置101の第1制御部1aで行われる演算処理と、第2端末装置102の第2制御部1bで行われる演算処理とでは、同一の処理が行われているので、表示演算処理以外のゲーム演算処理ではタイムラグが生じない。
【0083】
なお、第2ユーザが使用する第2端末装置102上における機能は、第1ユーザが使用する第1端末装置101上における機能と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0084】
〔ネットワークゲームの一例としての野球ゲームにおける各種処理概要〕
本実施形態の野球ゲームにおける進行手順及び対応する各種処理を、図4〜図8の表示画面を示す図、図9以下に示すフローチャートを用いて説明する。
【0085】
まず、ネットワークゲームシステムの全体のゲーム進行制御処理について図9を用いて説明する。
【0086】
第1ユーザが使用する第1端末装置101上において、ネットワークゲームアプリケーションを起動し、初期画面においてネット対戦を行うモードを選択する。すると、第1端末装置101は、第1通信部6aを介してインターネット100を経由して認証サーバ103に接続される。ここでは、各ユーザが予め会員登録しておく必要があり、会員登録のときに登録したユーザ名、パスワードを入力することにより、認証サーバ103への接続が許可される(S1)。また、第2ユーザが使用する第2端末装置102においても、第1端末装置101と同様に、第2通信部6bを介してインターネット100を経由して認証サーバ103に接続される。
【0087】
第1端末装置101及び第2端末装置102が、インターネット100を経由して認証サーバ103に接続されると、認証サーバ103上で公開された各ユーザのプロフィール情報(ユーザ名やユーザに関する情報やグローバルIPアドレス等)を参照することが可能になる。この情報を参照し、たとえば第1端末装置101を使用する第1ユーザが第2端末装置102を使用する第2ユーザと対戦したい場合、第1ユーザは対戦相手設定画面から第2ユーザを選択する(S2)。すると、認証サーバ103は第1ユーザが第2ユーザへ接続したい旨を伝達する接続要求を第2端末装置102へ送信する(S3)。認証サーバ103に接続された第2端末装置102は、第1ユーザからの接続要求を受信し、接続を許可するか、拒否するかを選択することが可能になる。そして、第2ユーザが第1ユーザからの接続を許可することを選択すると(S4)、接続許可情報が認証サーバ103を介して第2端末装置102から第1端末装置101へ送信され、第1端末装置101と第2端末装置102との接続が確立される(S5)。
【0088】
第1端末装置101と第2端末装置102とがP2P接続されると、ネットワークゲームアプリケーション上において各種の設定を行った後、ゲームスタートのコマンドを選択し、たとえば野球ゲームが開始される(S6)。ネットワークゲームアプリケーション上において、ゲーム終了のコマンドを選択したり、所定のゲーム時間が経過したり、あるいは第1端末装置101または第2端末装置102がインターネット100との接続が切断されたときは、野球ゲームが終了する(S7)。
【0089】
次に、野球ゲームにおけるゲーム進行及び具体的な操作及び表示等の制御処理について、説明する。
【0090】
本野球ゲームでは、図4〜図6に示すように、第2端末装置102を使用する第2ユーザが投手キャラクタ70を操作し、第1端末装置101を使用する第1ユーザが打者キャラクタ72を操作することによって、投手キャラクタ70が投げたボールオブジェクト74を打者キャラクタ72が打つゲームを行う。また、図7及び図8に示すように、第2端末装置102を使用する第2ユーザが守備キャラクタ78を操作することによって、守備フィールド77に移動したボールオブジェクト74を捕球するゲームを行う。なお、図4〜図6に示す表示画面を、投手キャラクタ70、捕手キャラクタ71及び打者キャラクタ72が表示された対戦画面と称し、図7及び図8に示す表示画面を、投手キャラクタ70、打者キャラクタ72及び守備キャラクタ78が表示された全体画面と称する。
【0091】
本野球ゲームにおける対戦画面では、図4に示すように、投手キャラクタ70は画面の略中央部に、捕手キャラクタ71は画面の上部に、打者キャラクタ72は画面の右側部に、表示されている。投手キャラクタ70のグラブには、ボールオブジェクト74が表示されており、投手キャラクタ70が投球開始する前であることを示している。また、投手キャラクタ70の周囲には、球種情報を設定するための6方向の三角形状の球種選択オブジェクト73が表示されており、たとえば上方向を選択するとストレート、下方向を選択するとフォークを投球できるようになっている。打者キャラクタ72の側方のホームベース上方には、矩形のストライクゾーン76が表示されている。また、打者キャラクタ72の側方のホームベース上方には、打者キャラクタ72が打撃動作を行う際にバットキャラクタの打撃位置を設定するための略十字状のミートカーソル75が表示されており、略十字状の中心部分をボールオブジェクト74にミートさせることにより、ヒット性の打撃を行えるようになっている。
【0092】
なお、図4は、対戦画面において投手キャラクタ70が球種設定を行うことが可能な表示画面を示す図であり、図5は、投手キャラクタ70が投球動作を行ったとき、打者キャラクタ72が打撃動作を行うことが可能な表示画面を示す図であり、図6は対戦画面において打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときの表示画面を示す図である。したがって、投手キャラクタ70が球種設定を行う図4では、球種選択オブジェクト73及びストライクゾーン76が表示されているが、図5や図6では、球種選択オブジェクト73及びストライクゾーン76が表示されていない。また、打者キャラクタ72が打撃動作を行う図4や図5では、ミートカーソル75が表示されているが、図6では、ミートカーソル75が表示されていない。また、図5では、ボールオブジェクト74は、ボールの軌道に合わせて形状が異なるようになっており、たとえば投手キャラクタ70の付近ではオブジェクトの大きさが小さくなるように、かつ打者キャラクタ72の付近ではオブジェクトの大きさが大きくなるように動画で表示される。また、図6では、打者キャラクタ72は、バットキャラクタのスイングの様子が動画で表示される。
【0093】
本野球ゲームにおける全体画面では、図7及び図8に示すように、球場全体を視認可能な守備フィールド77が表示されており、守備フィールド77の各守備位置に配置された投手キャラクタ70及び守備キャラクタ78が表示されている。また、表示画面の下部には打者キャラクタ72としてのバットオブジェクトが振り切った状態で表示されており、打撃操作を行った後であることを示している。また、図7では、ボールオブジェクト74は、レフト方向に移動している様子が動画で表示される。また、レフトの守備キャラクタ78がボールオブジェクト74方向に移動し、捕球動作を行う様子が動画で表示される。
【0094】
次に、野球ゲームにおいて、第1端末装置101及び第2端末装置102の操作及び表示についてのゲーム進行制御処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。特に、ここでは、第2端末装置102側が投球及び守備を行い、第1端末装置101側が打撃を行う例について説明する。
【0095】
まず、投手キャラクタ70が投げたボールオブジェクト74を打者キャラクタ72が打つゲームを行う野球ゲームを行うとき、第2端末装置102では、図4に示す対戦画面が第2表示部3bに表示される(S11)。このとき、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の図4に示す対戦画面が第1表示部3aに表示される(S31)。
【0096】
次に、第2端末装置102において、第2操作部5bの操作によって球種選択オブジェクト73を選択し、同時にたとえば第2操作部5bの操作によって捕手キャラクタ71のミット位置を移動させることによって投球方向を指定するコース選択を行い、第2操作部5bの操作、たとえばキーボード17aのSキーの操作で投球開始を行うことにより投球動作情報を受け付け(S12)、投球動作を決定する(S13)。たとえば、球種選択オブジェクト73の上方向のオブジェクトが選択された場合は、ストレートを投球する動作が決定される。
【0097】
第2端末装置102において、投球動作が決定されると、投球動作情報が、第2端末装置102の第2通信部6bから送信され(S14)、第1端末装置101の第1通信部6aに受信される(S32)。そして、第2端末装置102では、投球動作を行った図5に示す対戦画面が第2表示部3bに表示され(S15)、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の投球動作を行った図5に示す対戦画面が第1表示部3aに表示される(S33)。なお、ここで表示されるボールオブジェクト74の動作は、第2操作部5bの操作によって決定された投球動作情報によって予めプログラミングされた移動動作を行うようになっている。
【0098】
第1端末装置101において、投球動作情報が受信されると、第1操作部5aの操作によって略十字状のミートカーソル75を移動させ、移動するボールオブジェクト74をミートする位置に合わせた状態で、第2操作部5bの操作、たとえばキーボード17aのSキーの操作で打撃開始を行うことにより打撃動作情報を受け付け(S34)、打撃動作を決定する(S35)。打撃動作が決定されると、第1端末装置101では、打撃動作を行った図6に示す対戦画面が第1表示部3aに表示される(S36)。ここでは、第1操作部5aの操作が即時に第1表示部3aに反映されるので、第1ユーザが操作に対するゲームの爽快感を得ることができる。
【0099】
このとき、第2端末装置102では、投球動作を行った図5に示す対戦画面が第2表示部3bに表示されており、たとえば第1操作部5aの操作によって決定された打撃動作情報に関わらず予めプログラミングされたダミーの打撃動作を表示するようになっており(S16)、このため第1表示部3aに表示された第1操作部5aの操作によって決定された打撃動作情報を反映した正確な表示画面とは異なった表示になっている。
【0100】
次に、第1端末装置101において、打撃動作情報が、第1端末装置101の第1通信部6aから送信され(S37)、第2端末装置102の第2通信部6bに受信される(S17)。そして、第2端末装置102では、打撃動作を行った図7に示す全体画面が第2表示部3bに表示され(S18)、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の打撃動作を行った図7に示す全体画面が第1表示部3aに表示される(S38)。このとき、第1端末装置101の第1制御部1a及び第2端末装置102の第2制御部1bでは、同一の打撃動作情報を得ているので、第1表示部3a及び第2表示部3bに図7に示す同一の全体画面が表示される。
【0101】
なお、打者キャラクタ72が空振りしたり、ボールオブジェクト74を見送ってスイング動作を行わなかったときは、第1表示部3a及び第2表示部3bに全体画面を表示させる(S18、S38)のに代えて、第1表示部3a及び第2表示部3bに同一の対戦画面が表示される。この対戦画面には、たとえば打撃結果(空振り)や投球結果(カウント)が表示される。打撃結果や投球結果が表示された後には、最初の図4に示す対戦画面が第1表示部3a及び第2表示部3bに表示される(S11、S31)。
【0102】
次に、第2端末装置102において、第2操作部5bの操作によって、守備キャラクタ78を選択し、たとえばレフトの守備キャラクタ78をキーボード17aの上下左右方向キー及びSキーの操作で守備者を決定することにより守備動作情報を受け付け(S19)、守備動作を決定する(S20)。守備動作が決定されると、守備動作情報が、第2端末装置102の第2通信部6bから送信され(S21)、第1端末装置101の第1通信部6aに受信される(S39)。そして、第2端末装置102では、守備動作を行った図8に示す全体画面が第2表示部3bに表示され(S22)、第1端末装置101では、第2表示部3bに表示された同一の守備動作を行った図8に示す全体画面が第1表示部3aに表示される(S40)。
【0103】
ここでは、第2端末装置102側が投球及び守備を行い、第1端末装置101側が打撃を行う例について説明したが、攻守が交代した場合は、第1端末装置101及び第2端末装置102の操作及び表示についてのゲーム進行制御処理が入れ替わるものであるから、攻守が交代した場合の説明は省略する。
【0104】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としてのパーソナルコンピュータを用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は前記実施形態に限定されず、ネットワークゲームを行うことができれば、家庭用ビデオゲーム装置や、携帯電話、携帯情報端末等の他の端末装置にも同様に適用することができる。
【0105】
(b) 前記実施形態では、記録媒体の一例として、ハードディスクドライブやCD−ROMを例にあげて説明したが、たとえばコンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、DVD、UMD、ROMカセット、あるいは家庭用ビデオゲーム装置用のカートリッジ等であってもよい。また、ゲームを実行するプログラムを提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、たとえばネットワークゲームを管理している会社が提供するホームページ等からインターネット100を介してダウンロード可能な場合は、ゲーム進行プログラム等をホームページから直接ダウンロードして実行できるようにしてもよい。
【0106】
(c) 前記実施形態では、ネットワークゲームの一例として、予め登録した会員が対戦する野球ゲームについて例示したが、ネットワークゲームは前記実施形態に限定されず、ユーザ間で対戦を行うネットワークゲームであれば、種々のゲームに適用することができる。たとえば、サッカーや格闘技等の種々のスポーツゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム等に同様に適用することができる。
【0107】
具体的には、サッカーゲームのPK戦において、たとえば第2端末装置102を使用する会員がゲーム空間においてキッカーキャラクタ(現実のサッカーの試合におけるキッカーに相当)を操作するとともに、第1端末装置101を使用する会員が同じゲーム空間においてキーパーキャラクタ(現実のサッカーの試合におけるキーパーに相当)を操作することによって、キッカーキャラクタが蹴ったボールオブジェクト(現実のサッカーの試合におけるボールに相当)をキーパーキャラクタが受けるようなゲームにも本発明を適用できる。
【0108】
(d) 前記実施形態では、第1イベント判別手段56は、第1イベントの開始及び終了は、投球動作を開始したか、打撃操作を開始したか、あるいは所定時間が経過したかによって、判断していたが、たとえば投球動作を開始したか、打撃操作を開始したかによって、図13に示すように、判断する構成にしてもよい。
【0109】
(e) 前記実施形態では、第1ゲーム制御手段57及び第3ゲーム制御手段59は、第1イベントが行われたときには、第1操作データ、第1非操作データ及び第2非操作データに基づいて第1キャラクタ制御処理及び第1キャラクタ表示処理を行っていたが、図14に示すように、第1操作データ及び第1非操作データのみに基づいて、第3キャラクタ制御処理及び第3キャラクタ表示処理を行うようにしてもよい。
【0110】
第1イベントが開始されたと判断されると、すなわち投手キャラクタ70が投球動作を行い、打者キャラクタ72が打撃動作を行ったときまでの間に行われる第1イベントであるとき、第1操作データ受付手段50によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データを受け付け(S65)、第1非操作データ受付手段52によって第1操作部5aの操作に関する第1操作データ以外の各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付ける(S66)。次に、第1操作データ及び第1非操作データに基づいて、各キャラクタを動作させるためのゲーム演算処理であ第3キャラクタ制御処理を行う(S67)。第3キャラクタ制御処理にて各キャラクタの動作が決定されると(S68)、たとえば打者キャラクタ72が打撃動作を第1端末装置101の第1表示部3aに表示させるための表示処理であ第3キャラクタ表示処理を行う(S69)。
【0111】
なお、この場合には、第1端末装置101の第1表示部3aの表示画面は、第2端末装置102の第2表示部3bの表示画面と異なり、第1端末装置101の第1制御部で行われる演算処理と、第2端末装置102の第2制御部1bで行われる演算処理とでは、異なった処理が行われている。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の一実施形態によるネットワークゲームシステムの構成を示すブロック図。
【図2】前記ネットワークゲームシステムのユーザ側端末の構成を示すブロック図。
【図3】前記ユーザ側端末の機能を示すブロック図。
【図4】前記ネットワークゲームの対戦画面において投手キャラクタが球種設定を行うことが可能な表示画面を示す図。
【図5】前記対戦画面において投手キャラクタが投球動作を行ったとき、打者キャラクタが打撃動作を行うことが可能な表示画面を示す図。
【図6】前記対戦画面において打者キャラクタが打撃動作を行ったときの表示画面を示す図。
【図7】全体画面において打球がフィールドに移動し、守備キャラクタが守備動作を行うことが可能な表示画面を示す図。
【図8】前記全体画面において守備キャラクタが守備動作を行ったときの表示画面を示す図。
【図9】前記ネットワークゲームシステムの全体のゲーム進行制御処理を示すフローチャート。
【図10】前記投手キャラクタが投球動作を行ってから、前記守備キャラクタが守備動作を行うまでの表示制御処理を示すフローチャート。
【図11】第1イベント判別制御処理を示すフローチャート。
【図12】前記第1イベント判別制御処理によって受け付けられるデータに基づく表示制御処理を示すフローチャート。
【図13】他の実施形態の図11に相当する図。
【図14】他の実施形態の図12に相当する図。
【符号の説明】
【0113】
1a、1b 第1制御部、第2制御部
2a、2b 第1記憶部、第2記憶部
3a、3b 第1表示部、第2表示部
4a、4b 第1音声出力部、第2音声出力部
5a、5b 第1操作部、第2操作部
6a、6b 第1通信部、第2通信部
50 第1操作データ受付手段
51 第2操作データ受付手段
52 第1非操作データ受付手段
53 第2非操作データ受付手段
54 第1通信手段
55 第2通信手段
56 第1イベント判別手段
57 第1ゲーム制御手段
58 第2ゲーム制御手段
59 第3ゲーム制御手段
70 投手キャラクタ
72 打者キャラクタ
74 ボールオブジェクト
100 インターネット
101 第1端末装置
102 第2端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられたコンピュータに、前記第1端末装置に設けられた第1操作部及び前記第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって前記第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1操作部の操作に関する第1操作データを受け付ける第1操作データ受付機能と、
前記第1操作データを前記第2端末装置に送信し、前記第2操作部の操作に関する第2操作データを受信する第1通信機能と、
前記第1通信機能によって受信した前記第2操作データを受け付ける第2操作データ受付機能と、
所定のイベントが行われたか否かを判別する第1イベント判別機能と、
前記第1イベント判別機能によって前記所定のイベントが行われたと判別されたとき、前記第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理を行う第1ゲーム制御機能と、
前記第1イベント判別機能によって前記所定のイベントが行われていないと判別されたとき、前記第1操作データ及び前記第2操作データに基づいて、前記第1ゲーム制御機能と異なる各種のゲーム制御処理を行う第2ゲーム制御機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1ゲーム制御機能及び前記第2ゲーム制御機能は、前記第1端末装置に設けられた第1表示部に各種の表示処理を行う機能である、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1ゲーム制御機能は、前記第2端末装置に設けられた第2表示部の表示画面と異なる表示画面を前記第1表示部に表示させる表示処理を行う機能であり、
前記第2ゲーム制御機能は、前記第2表示部の表示画面と同一の表示画面を前記第1表示部に表示させる表示処理を行う機能である、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記第1操作操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第1非操作データを受け付ける第1非操作データ受付機能と、
前記第1非操作データを前記第2端末装置に送信し、前記第2操作データを含まない各種のゲーム制御に関する第2非操作データを受信する第2通信機能と、
前記第2通信機能によって受信した前記第2非操作データを受け付ける第2非操作データ受付機能と、
前記第1非操作データ及び前記第2非操作データに基づいて、前記第2端末装置の各種のゲーム制御処理と同一の各種のゲーム制御処理を行う第3ゲーム制御機能と、
をさらに実現させるための請求項1から3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第3ゲーム制御機能は、前記第1表示部に行われる各種の表示処理を含まない各種のゲーム制御処理を行う機能である、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記所定のイベントは、前記第1操作部及び前記第2操作部のいずれかによって所定の操作が行われたときに開始する、請求項1から5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記所定のイベントは、前記第1操作部及び前記第2操作部のいずれかによって所定の操作が行われたときに終了する、請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記所定のイベントは、前記第1操作部及び前記第2操作部のいずれかによって所定の操作が行われていないとき、所定のゲーム時間が経過したときに終了する、請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられ、前記第1端末装置に設けられた第1操作部及び前記第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって前記第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲーム装置であって、
前記第1操作部の操作に関する第1操作データを受け付ける第1操作データ受付手段と、
前記第1操作データを前記第2端末装置に送信し、前記第2操作部の操作に関する第2操作データを受信する第1通信手段と、
前記第1通信手段によって受信した前記第2操作データを受け付ける第2操作データ受付手段と、
所定のイベントが行われたか否かを判別する第1イベント判別手段と、
前記第1イベント判別手段によって前記所定のイベントが行われたと判別されたとき、前記第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理を行う第1ゲーム制御手段と、
前記第1イベント判別手段によって前記所定のイベントが行われていないと判別されたとき、前記第1操作データ及び前記第2操作データに基づいて、前記第1ゲーム制御手段と異なる各種のゲーム制御処理を行う第2ゲーム制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項10】
ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられたコンピュータにより、前記第1端末装置に設けられた第1操作部及び前記第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって前記第1端末装置に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲーム方法であって、
前記第1操作部の操作に関する第1操作データを受け付ける第1操作データ受付ステップと、
前記第1操作データを前記第2端末装置に送信し、前記第2操作部の操作に関する第2操作データを受信する第1通信ステップと、
前記第1通信ステップによって受信した前記第2操作データを受け付ける第2操作データ受付ステップと、
所定のイベントが行われたか否かを判別する第1イベント判別ステップと、
前記第1イベント判別ステップによって前記所定のイベントが行われたと判別されたとき、前記第1操作データに基づいて、各種のゲーム制御処理を行う第1ゲーム制御ステップと、
前記第1イベント判別ステップによって前記所定のイベントが行われていないと判別されたとき、前記第1操作データ及び前記第2操作データに基づいて、前記第1ゲーム制御ステップと異なる各種のゲーム制御処理を行う第2ゲーム制御ステップと、
を備えたゲーム方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられたコンピュータに、前記第1端末装置に設けられた第1操作部の操作によって前記第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、前記第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって前記第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて前記第1キャラクタと対戦するゲームを実現可能なゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1操作部の操作によって前記第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データを前記第1端末装置に設けられた第1制御部により受け付ける処理を行う第1操作データ受付機能と、
前記第1操作データを前記第2端末装置に設けられた第2通信部に前記第1端末装置に設けられた第1通信部によって送信する処理を行い、前記第2操作部の操作によって前記第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データを前記第1通信部によって受信する処理を行う第1通信機能と、
前記第1通信機能によって受信処理された前記第2操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行う第2操作データ受付機能と、
前記第2操作データ受付機能によって前記第2操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、前記第1操作データ受付機能によって前記第1操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かを前記第1制御部により判別する処理を行う第1イベント判別機能と、
前記第1イベント判別機能によって前記第1イベントが行われたと前記第1制御部により判別処理されたとき、前記第1操作データのみに基づいて、前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第1ゲーム制御機能と、
前記第1イベント判別機能によって前記第1イベントが行われていないと前記第1制御部により判別処理されたとき、前記第1操作データ及び前記第2操作データに基づいて、前記第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第2ゲーム制御機能と、
を実現させるためのゲームプログラム
【請求項2】
前記第1ゲーム制御機能は、前記第2端末装置に設けられた第2表示部の表示画面と異なる表示画面を前記第1表示部に表示させる表示処理を行う機能であり、
前記第2ゲーム制御機能は、前記第2表示部の表示画面と同一の表示画面を前記第1表示部に表示させる表示処理を行う機能である、請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記第1操データ以外の前記第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1非操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行う第1非操作データ受付機能と、
前記第1非操作データを前記第2通信部に前記第1通信部によって送信する処理を行い、前記第2操作データ以外の前記第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2非操作データを前記第1通信部によって受信する処理を行う第2通信機能と、
前記第2通信機能によって受信処理された前記第2非操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行う第2非操作データ受付機能と、
前記第1非操作データ及び前記第2非操作データに基づいて、前記第2端末装置の前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる演算処理と同一の前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる演算処理を行う第3ゲーム制御機能と、
をさらに実現させるための請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第3ゲーム制御機能は、前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理以外の前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる演算処理を行う機能である、請求項に記載のゲームプログラム
【請求項5】
ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置に設けられ、前記第1端末装置に設けられた第1操作部の操作によって前記第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、前記第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって前記第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて前記第1キャラクタと対戦するゲームを実行可能なゲーム装置であって、
前記第1操作部の操作によって前記第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データを前記第1端末装置に設けられた第1制御部により受け付ける処理を行う第1操作データ受付手段と、
前記第1操作データを前記第2端末装置に設けられた第2通信部に前記第1端末装置に設けられた第1通信部によって送信する処理を行い、前記第2操作部の操作によって前記第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データを前記第1通信部によって受信する処理を行う第1通信手段と、
前記第1通信手段によって受信処理された前記第2操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行う第2操作データ受付手段と、
前記第2操作データ受付手段によって前記第2操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、前記第1操作データ受付手段によって前記第1操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かを前記第1制御部により判別する処理を行う第1イベント判別手段と、
前記第1イベント判別手段によって前記第1イベントが行われたと前記第1制御部により判別処理されたとき、前記第1操作データのみに基づいて、前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第1ゲーム制御手段と、
前記第1イベント判別手段によって前記第1イベントが行われていないと前記第1制御部により判別処理されたとき、前記第1操作データ及び前記第2操作データに基づいて、前記第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第2ゲーム制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項6】
ネットワークを介して第2ユーザが使用する第2端末装置と通信対戦可能な第1ユーザが使用する第1端末装置設けられた第1操作部の操作によって前記第1端末装置に設けられた第1表示部に表示された第1キャラクタを動作させ、前記第2端末装置に設けられた第2操作部の操作によって前記第1表示部に表示された第2キャラクタを動作させて前記第1キャラクタと対戦するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
前記第1操作部の操作によって前記第1キャラクタを動作させることができる動作情報である第1操作データを前記第1端末装置に設けられた第1制御部により受け付ける処理を行う第1操作データ受付ステップと、
前記第1操作データを前記第2端末装置に設けられた第2通信部に前記第1端末装置に設けられた第1通信部によって送信する処理を行い、前記第2操作部の操作によって前記第2キャラクタを動作させることができる動作情報である第2操作データを前記第1通信部によって受信する処理を行う第1通信ステップと、
前記第1通信ステップによって受信処理された前記第2操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行う第2操作データ受付ステップと、
前記第2操作データ受付ステップによって前記第2操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行ったとき開始し、前記第1操作データ受付ステップによって前記第1操作データを前記第1制御部により受け付ける処理を行ったとき終了する第1イベントが行われたか否かを前記第1制御部により判別する処理を行う第1イベント判別ステップと、
前記第1イベント判別ステップによって前記第1イベントが行われたと前記第1制御部により判別処理されたとき、前記第1操作データのみに基づいて、前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第1ゲーム制御ステップと、
前記第1イベント判別ステップによって前記第1イベントが行われていないと前記第1制御部により判別処理されたとき、前記第1操作データ及び前記第2操作データに基づいて、前記第1ゲーム制御機能と異なる表示処理である前記第1表示部に前記第1キャラクタ及び前記第2キャラクタを動作させる表示処理を行う第2ゲーム制御ステップと、
を備えたゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−263069(P2006−263069A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83880(P2005−83880)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】