説明

ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】娯楽性の高いゲーム装置を表現する。
【解決手段】ゲーム端末10において、RSS取得部41はウェブサーバからRSSを取得し、アイテム選択部42は対象となるアイテムを選択し、形態素解析部43は選択されたアイテムのタイトルを形態素解析する。単語取得部45は、候補抽出部44により抽出された単語の中からユーザが選択した単語を取得する。学習部46は、選択された単語の情報をユーザから受け付ける。辞書登録部47は、受け付けた単語の情報をユーザ辞書記憶部64のユーザ辞書に登録する。クイズ制御部51は、コンテンツに関するクイズゲームを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関し、特に、キャラクタに単語を学習させて会話や言葉遊びなどを楽しむゲーム装置及びゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタを育てて、その成長を楽しむゲームが人気を博している。中でも、ユーザがキャラクタに単語を学習させ、キャラクタが学習した単語を使って自発的に発話して、会話を行うゲームは、自分の教育により好みのキャラクタに成長していく過程を、会話を通して楽しむことができ、より一層キャラクタへの愛着を感じさせることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、このようなゲームにおいて、よりバリエーションに富んだ単語を効率良く学習させるための技術を想到するに至った。本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より娯楽性の高いゲーム装置を実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のある態様は、ゲーム装置に関する。このゲーム装置は、ネットワークを介して、複数の形態素からなる文を取得する取得部と、取得した文を形態素解析して形態素に分解する形態素解析部と、分解された形態素の中から辞書に登録する単語を選択する単語選択部と、選択された単語に関する情報をユーザから受け付ける学習部と、受け付けた単語に関する情報を辞書に登録する辞書登録部と、を備えることを特徴とする。
【0005】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より娯楽性の高いゲーム装置を実現する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本実施の形態のゲーム装置は、キャラクタに言葉を覚えさせ、覚えた言葉を使って自発的に発話するキャラクタとの間で会話を楽しむゲームを提供する。ユーザの教育の内容によって、キャラクタが状況に応じた正しい発話を行ったり、逆に突拍子な内容の発言を行ったりして、意外性に富んだ会話の展開を楽しむことができる。また、ユーザ自身が教育することで、キャラクタに対する愛着が沸き、より一層キャラクタとの会話を楽しむことができる。
【0008】
キャラクタに学習させる単語は、ユーザが入力することもできるが、本実施の形態では、ウェブサーバなどの情報提供サーバからネットワークを介して入手した文中から単語を抽出してキャラクタに学習させる機能を提供する。これにより、ユーザが単語を入力する手間を省き、より簡単に単語の学習を促進させることができる。また、ウェブサーバから情報を入手することで、よく耳にする言葉や、その時に流行している言葉などをキャラクタに学習させることができる。
【0009】
更に、本実施の形態のゲーム装置は、ウェブサーバが提供するサイトの概要を記述したRSS(RDF Site Summary or Rich Site Summary or Really Simple Syndication)などを取得して、サイトに含まれるコンテンツに関連したクイズなどのゲームを提供する。ゲームの後に、ゲームに利用したコンテンツを表示可能とすることで、コンテンツへのアクセスを促進し、コンテンツの閲覧頻度を高めることができる。これにより、コンテンツやウェブサーバの価値を向上させることができる。
【0010】
図1は、実施の形態に係るゲームシステム1の構成を示す。本実施の形態のゲームシステム1において、ユーザのゲーム端末10a、10b、10c(以下、これらを総称して「ゲーム端末10」という)と、コンテンツを配信するウェブサーバ3は、インターネット2を介して接続されている。
【0011】
ゲーム端末10は、ウェブサーバ3からRSSを取得し、RSSに含まれる文を用いたゲームを実行する。例えば、RSSに含まれる文を用いてキャラクタに対する授業を行い、文中に含まれる単語をキャラクタに学習させる。また、RSSに含まれる文を用いたクイズを出題する。ゲーム端末10は、ゲームの終了後に、ゲームに用いたコンテンツをウェブサーバ3から取得して表示する。
【0012】
ゲーム端末10aは、インターネット2に接続可能なパーソナルコンピュータ4に、USBケーブルなどを介して接続することにより、ウェブサーバ3からRSSやコンテンツを取得する。ゲーム端末10bは、無線通信などにより、インターネット2に接続するためのアクセスポイント5を介してウェブサーバ3に接続し、RSSやコンテンツを取得する。ゲーム端末10cは、赤外線通信などにより、RSSやコンテンツを既に取得している他のゲーム端末10aに接続し、RSSやコンテンツを取得する。
【0013】
図2は、ゲーム端末10の構成を示す。ゲーム端末10は、コントローラ20、入力部30、通信部31及び32、制御部40、テンプレート記憶部60、辞書記憶部62、ユーザ辞書記憶部64、画像処理部66、及び表示装置68を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0014】
入力部30は、ユーザが操作するコントローラ20から入力される制御信号を受け付ける。通信部31は、インターネット2を介したウェブサーバ3との間の通信を制御する。また、通信部31は、USBケーブルなどを介したパーソナルコンピュータ4などの装置との間の通信を制御する。通信部32は、赤外線通信などを介した他のゲーム端末10との間の通信を制御する。制御部40は、入力部30が受け付けたユーザからの指示に基づいてゲームプログラムを実行する。
【0015】
辞書記憶部62は、単語の読み、表記、品詞、種別などの情報を登録した辞書のデータを保持する。後述するユーザ辞書と区別するために、この辞書を「システム辞書」と呼ぶ。単語の種別は、主に名詞を分類するために設けられており、例えば、「人名」、「場所」、「職業」、「人の様子」、「食べ物」、「飲み物」などの種別に分類してもよい。このシステム辞書は、日本語入力の際の漢字変換のための辞書として用いられるとともに、形態素解析部43における形態素解析に用いられる。
【0016】
ユーザ辞書記憶部64は、ユーザがキャラクタに学習させた単語の情報を登録した辞書のデータを保持する。ユーザ辞書記憶部64には、単語の読み、表記、品詞、種別などの情報のほか、その単語をユーザが好きか否か、辞書記憶部62のシステム辞書からコピーされた単語か新たに学習された単語か、ユーザにより入力された単語かウェブサーバ3から入手された単語か、などの情報を登録してもよい。
【0017】
テンプレート記憶部60は、キャラクタの発話のテンプレートを保持する。テンプレートは、例えば、「明日天気がよければ○○に行きたいなあ」など、単語を埋め込むべき空欄が設けられており、その空欄に埋め込むべき単語の種別が指定される。例えば、前述の文の○○には、「場所」を示す単語が埋め込まれることで、文として完成する。キャラクタは、ユーザ辞書に登録された単語をテンプレートに埋め込んだ文を発話するので、ユーザが教えた単語を使ってユーザと会話することになる。これにより、ユーザに、更にキャラクタに単語を教えたいという意欲を喚起し、ゲームへの興味を惹起することができる。
【0018】
制御部40は、RSS取得部41、アイテム選択部42、形態素解析部43、候補抽出部44、単語取得部45、学習部46、辞書登録部47、生成部48、コンテンツ表示部49、会話制御部50、クイズ制御部51、及び辞書送受信部52を含む。
【0019】
単語取得部45は、キャラクタに学習させる単語を取得する。単語は、ユーザから直接入力を受け付けてもよいし、ウェブサーバ3から取得したRSSに含まれる単語の中から選択してもよい。前者の場合、単語取得部45は、表示装置68に単語の入力を受け付けるための画面を提示し、入力部30を介してユーザから単語の入力を受け付ける。後者の場合、後述するように、ウェブサーバ3から取得したRSSに含まれる文を形態素解析することにより抽出された単語の中から学習する単語を取得する。
【0020】
RSS取得部41は、通信部31を介して、ウェブサーバ3からRSSを取得する。図3は、RSS取得部41が取得したRSSデータの例を示す。このRSSは、ウェブサーバ3が配信するニュースサイトの概要を記述したものであり、「item」要素には、ニュースヘッドラインの各記事の情報が記述されている。「item」要素の子要素として、「title」要素には見出しが、「link」要素には記事本文のURLが、「description」要素には記事の概要が、それぞれ記述されている。
【0021】
アイテム選択部42は、RSS取得部41が取得したRSSデータに含まれる複数のアイテム(item)要素の中から、単語を抽出する対象となるアイテム要素を選択する。アイテム選択部42は、RSSデータに含まれる複数のアイテム要素の一覧を表示装置68に提示してユーザから選択を受け付けてもよいし、所定の条件にしたがって自動的にアイテム要素を選択してもよい。例えば、1番目のアイテム要素から順にアイテムを選択するようにしてもよい。
【0022】
形態素解析部43は、アイテム選択部42により選択されたアイテム要素のタイトル(title)要素を取得し、辞書記憶部62に格納されたシステム辞書を用いて、そのタイトル要素の要素値を形態素解析して単語に分解する。システム辞書には、前述したように、単語の種別が登録されているので、形態素解析部43は、文を単語に分解するとともに、辞書に登録されている単語の種別を判定する。
【0023】
候補抽出部44は、形態素解析部43により分解された単語の中から、学習対象となる単語の候補を抽出する。候補抽出部44は、辞書に登録されていなかった未知語を優先的に学習の候補として抽出してもよい。また、名詞、動詞、形容詞、形容動詞などを優先的に抽出してもよい。逆に、助詞や助動詞などは新しく学習する余地が少なく、テンプレートに埋め込んで新しい文を生成するためのバリエーションが少ないので、候補として抽出しないようにしてもよい。
【0024】
学習部46は、学習対象となる単語に関する情報をユーザから受け付け、単語の意味などを学習する。学習部46は、ユーザがその単語を好きか嫌いかなどの質問をユーザに提示し、ユーザから回答を受け付けることにより、単語に関する情報を収集してもよい。学習部46は、単語の品詞や種別に応じて質問を変更してもよい。例えば、動詞を学習するときには、その動詞が自動詞か他動詞かなどの情報を受け付けてもよいし、名詞を学習するときには、その名詞がいずれの種別に属するかをユーザから受け付けてもよい。また、例えば種別が「食べ物」である名詞を学習するときには、その食べ物がおいしいか否か、値段が高いか安いかなどをユーザに問い合わせ、その回答をユーザ辞書に登録してもよい。
【0025】
辞書登録部47は、学習部46が受け付けた単語に関する情報を、ユーザ辞書記憶部64に格納されているユーザ辞書に登録する。これにより、新たな単語が辞書に登録され、キャラクタの発話などに利用可能となる。すなわち、キャラクタが新たな単語を学習する。辞書登録部47は、辞書記憶部62に格納されたシステム辞書に登録されている単語をユーザ辞書に登録する場合は、システム辞書に登録されている情報をコピーしてもよい。
【0026】
生成部48は、テンプレートの空欄にユーザ辞書に登録された単語を埋め込んで、新たな文を生成する。テンプレートの空欄に埋め込むべき単語の品詞や種別が指定されている場合は、指定された品詞や種別の単語をユーザ辞書から読み出して空欄に埋め込む。テンプレートは、テンプレート記憶部60から読み出されてもよいし、後述するように、クイズ制御部51などが生成したものであってもよい。生成部48は、ユーザ辞書だけでなく、システム辞書に登録された単語を埋め込んで、新たな文を生成してもよい。また、予めユーザ辞書に一般的な単語を登録しておいてもよい。
【0027】
会話制御部50は、キャラクタの発話を制御する。会話制御部50は、キャラクタが発話するタイミングになったときに、テンプレート記憶部60から発話のテンプレートを読み出し、生成部48により文を生成させる。会話制御部50は、必ずしも正確な単語をテンプレートに埋め込んで発話する必要はなく、同じ種別ではあるが通常は用いられないような単語を埋め込んで発話することにより、意外な面白さを提供することができる。
【0028】
クイズ制御部51は、学習した単語を利用したクイズゲームを制御する。クイズ制御部51は、ウェブサーバ3から取得したRSSに含まれる文と、その文に含まれる単語を別の単語に置換した文とを選択肢として提示し、RSSに含まれる文がいずれであるかを問うクイズを出題する。そのために、クイズ制御部51は、RSS取得部41が取得したRSSの中から、アイテム選択部42により問題となる文を選択させ、形態素解析部43により形態素解析させる。クイズ制御部51は、形態素解析された文から、特定の単語を空欄としてテンプレートを生成し、生成部48に新たな文を生成させて選択肢とする。クイズ制御部51は、正解となる元の文と、生成部48により生成された不正解となる文とを選択肢として表示して、ユーザに出題する。
【0029】
コンテンツ表示部49は、ウェブサーバ3からコンテンツを取得して表示する。コンテンツ表示部49は、ウェブページを閲覧するためのブラウザであってもよい。コンテンツ表示部49は、単語をキャラクタに学習させる授業ゲームや、クイズ制御部51によるクイズゲームなどが実行された後に、ゲームに利用されたアイテムのリンク(link)要素に記述されたURLにアクセスし、コンテンツを取得して表示する。
【0030】
辞書送受信部52は、通信部32を介して、ユーザ辞書記憶部64に格納されたユーザ辞書を他のゲーム端末10との間で送受信する。他のゲーム端末10からユーザ辞書を受信してユーザ辞書記憶部64に格納することで、他のユーザがキャラクタに学習させた単語を自身のユーザ辞書に登録したり、他のユーザが学習させた単語を使ってキャラクタに発話させたりすることができる。これにより、他のユーザと話題を共有したり、他のユーザがどのような単語が好きで、どのような単語を学習させているのかを知ることができるという楽しさを味わうことができる。他のユーザから取得したユーザ辞書を自身のユーザ辞書にマージしてもよいし、ユーザごとに別のユーザ辞書としてユーザ辞書記憶部64に格納してもよい。
【0031】
つづいて、ゲームの表示画面を参照しながら、具体例を説明する。まず、単語をキャラクタに学習させる授業ゲームについて説明する。
【0032】
図4は、RSSを利用した授業ゲームの開始画面を示す。ウェブサーバ3がRSSを提供しているサイトが登録されており、ユーザがサイトを選択してゲームの開始を要求すると、ゲームが開始される。ここでは、図3に示したRSSに対応する「○○ニュース」のサイトが選択されている。
【0033】
図5は、ゲームの対象となるアイテムが選択されて表示された画面を示す。サイトが選択されると、RSS取得部41が選択されたサイトのウェブサーバ3からRSSを取得し、アイテム選択部42がゲームの対象となるアイテムを選択する。ここでは、図3に示したRSSの最初のアイテムのタイトルである「新宿御苑で桜が満開」が表示されている。
【0034】
図6は、学習させる単語の選択画面を示す。「新宿御苑で桜が満開」という文を形態素解析部43により形態素解析すると、名詞「新宿御苑」、助詞「で」、名詞「桜」、助詞「が」、名詞「満開」に分解される。これらのうち、名詞「桜」と名詞「満開」は辞書記憶部62のシステム辞書に既に登録されているものとする。候補抽出部44は、名詞である「新宿御苑」、「桜」、「満開」を学習対象の単語の候補として抽出し、ユーザに提示する。ユーザが学習させる単語を選択して決定ボタンを押すと、単語取得部45は、選択された単語を学習対象として取得する。
【0035】
図7は、単語の学習画面を示す。学習部46は、学習させる単語の情報をユーザから受け付ける。ここでは、「新宿御苑」という単語をユーザが好きか否かを問い合わせている。
【0036】
図8は、単語の学習画面を示す。学習部46は、学習させる単語の種別をユーザから受け付ける。ここでは、「新宿御苑」という単語が「行くトコロ」、すなわち場所を示す名詞であるという情報を受け付けている。
【0037】
図9は、学習結果の確認画面を示す。ここでは、「新宿御苑」が「行くトコロ」で「好き」であるという学習結果を提示して、ユーザに確認を求めている。
【0038】
図10は、単語の読みの確認画面を示す。「新宿御苑」という単語は、辞書記憶部62のシステム辞書に登録されていなかった未知語なので、読みをユーザに確認する。ここでは、「しんじゅくぎょえん」という読みの候補を提示して、正しいか否かをユーザに問い合わせている。正しくない場合は、学習部46は、ユーザから正しい読みの入力を受け付ける。学習が終了すると、辞書登録部47がユーザ辞書記憶部64のユーザ辞書に学習結果を登録する。これで、単語を学習させる授業ゲームが終了する。ゲームの終了後に、コンテンツ表示部49により、この記事の本文を表示させてもよい。
【0039】
次に、RSSに記述された記事の見出しを利用したクイズゲームについて説明する。
【0040】
図11は、クイズの出題画面を示す。クイズ制御部51は、図3のRSSの2番目のアイテムの見出しである「××証券社長が逆ギレ」という文を用いたクイズを出題している。形態素解析部43によりこの文を形態素解析させると、種別が「社名」である名詞「××証券」、種別が「職業」である名詞「社長」、助詞「が」、名詞「逆ギレ」に分解される。クイズ制御部51は、名詞「社長」を空欄としてテンプレートを作成し、生成部48に選択肢を生成させる。生成部48は、ユーザ辞書を参照して、種別が「職業」である名詞「オニよめ」と「パイロット」を抽出し、2つの選択肢を生成している。クイズ制御部51は、元の正解の選択肢と、生成された2つの選択肢を表示してクイズを出題する。
【0041】
図12は、コンテンツを表示するか否かを問い合わせる画面を示す。コンテンツ表示部49は、単語の学習やクイズなどのゲームが終了すると、そのゲームに利用したコンテンツを表示するか否かを問い合わせる。ここで、ユーザが表示を要求すると、コンテンツ表示部49は、ウェブサーバ3からコンテンツを取得して表示する。
【0042】
図13は、コンテンツが表示された画面を示す。このように、単にRSSの内容を表示してコンテンツへのアクセスを可能とするだけでなく、コンテンツに関連したゲームを行て、ゲームに利用したコンテンツを表示させることにより、コンテンツに対する興味を喚起し、効果的にコンテンツへユーザを誘導することができる。これにより、コンテンツに対するアクセスを増加させることができ、ひいては、コンテンツ及びコンテンツを配信するウェブサーバ3の価値を向上させることができる。広告などのコンテンツの提供主体としては、閲覧数を増加させることができ、より効果的な広告を行うことができるし、ウェブサーバ3の運営主体としては、ページビューが増加することにより、広告の掲載料やウェブサーバ3の使用料などを増加させることができる。
【0043】
図14は、実施の形態に係るゲーム制御方法の手順を示すフローチャートである。ゲームが開始されると、RSS取得部41がウェブサーバ3からRSSを取得し(S10)、アイテム選択部42がアイテムを選択し(S12)、形態素解析部43が選択されたアイテムのタイトルを形態素解析する(S14)。ゲームモードが単語学習である場合(S16のY)、単語取得部45は、候補抽出部44により抽出された単語の中からユーザが選択した単語を取得する(S18)。学習部46は、選択された単語の情報をユーザから受け付ける(S20)。辞書登録部47は、受け付けた単語の情報をユーザ辞書に登録する(S22)。
【0044】
ゲームモードがクイズである場合(S16のN)、クイズ制御部51は、形態素解析された文から単語を抜いてテンプレートを作成して生成部48に選択肢を生成させ(S24)、生成された選択肢と元の文とを表示してクイズを出題する(S26)。ゲームが終了すると、コンテンツ表示部49がゲームに利用したコンテンツをウェブサーバ3から取得して表示する(S28)。
【0045】
ユーザ辞書に単語を登録するときに、その単語の流行の度合いを示す流行度を取得して登録しておいてもよい。そして、生成部48において文を生成する際に、単語の流行度を参照して、テンプレートに埋め込む単語を決定してもよい。流行度は、例えば、ウェブサーバ3が配信するコンテンツの中で、その単語が使われている頻度をウェブサーバ3から取得し、それを流行度としてもよい。また、RSS取得部41が取得したRSS又はコンテンツ表示部49が取得したコンテンツに含まれる文を形態素解析部43により形態素解析し、使用されている単語の頻度を累計したものを流行度としてもよい。これにより、会話制御部50やクイズ制御部51において、流行している単語を優先的に用いてキャラクタを発話させたり、クイズを出題したりすることができる。また、逆に、意図的に流行していない単語を用いて、意外な内容の発話を行ったり、クイズの難易度を調整したりすることができる。また、単語取得部45が、「最近○○が流行っているみたいだけど、なに?」などとキャラクタに発話させて、流行度の高い単語を優先的に学習候補として選択させるようにしてもよい。
【0046】
ユーザ辞書に、更に、単語の登録日時、文の生成に利用された日時、回数などを登録しておき、生成部48においてテンプレートに埋め込む単語を決定する際に参照してもよい。例えば、最後に発話されてから所定の期間以上経過した単語を抽出して、「そういえば昔、○○の話をしたよね。」という文を生成してキャラクタに発話させてもよい。また、流行度を更に参照して単語を決定してもよい。また、流行度を時系列的に記録しておき、流行度が過去に比べて下降した単語を使って、「最近、○○って聞かなくなったけど、どうなったんだろう?」などと発話させてもよい。
【0047】
ゲーム端末10間でユーザ辞書を交換する場を提供する管理サーバを設けてもよい。管理サーバは、ユーザの情報をデータベースに登録し、ユーザからユーザ辞書の交換を要求されたときに、交換する相手に関する条件を取得し、条件に合致したユーザをデータベースを参照して検索する。例えば、データベースに、ユーザの年齢、性別、住所、趣味などの属性情報を登録しておき、検索を可能としてもよい。これにより、他のユーザとの間でユーザ辞書を交換し、他のユーザが学習させた単語を自分のユーザ辞書に登録したり、他のユーザが学習させた単語を用いたクイズや会話などを楽しむことができる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施の形態に係るゲームシステムの構成を示す図である。
【図2】ゲーム端末の構成を示す図である。
【図3】RSS取得部が取得したRSSデータの例を示す図である。
【図4】RSSを利用した授業ゲームの開始画面を示す図である。
【図5】ゲームの対象となるアイテムが選択されて表示された画面を示す図である。
【図6】学習させる単語の選択画面を示す図である。
【図7】単語の学習画面を示す図である。
【図8】単語の学習画面を示す図である。
【図9】学習結果の確認画面を示す図である。
【図10】単語の読みの確認画面を示す図である。
【図11】クイズの出題画面を示す図である。
【図12】コンテンツを表示するか否かを問い合わせる画面を示す図である。
【図13】コンテンツが表示された画面を示す図である。
【図14】実施の形態に係るゲーム制御方法の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 ゲームシステム、2 インターネット、3 ウェブサーバ、4 パーソナルコンピュータ、5 アクセスポイント、10 ゲーム端末、20 コントローラ、30 入力部、31,32 通信部、40 制御部、41 RSS取得部、42 アイテム選択部、43 形態素解析部、44 候補抽出部、45 単語取得部、46 学習部、47 辞書登録部、48 生成部、49 コンテンツ表示部、50 会話制御部、51 クイズ制御部、52 辞書送受信部、60 テンプレート記憶部、62 辞書記憶部、64 ユーザ辞書記憶部、66 画像処理部、68 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、複数の形態素からなる文を取得する取得部と、
取得した文を形態素解析して形態素に分解する形態素解析部と、
分解された形態素の中から辞書に登録する単語を選択する単語選択部と、
選択された単語に関する情報をユーザから受け付ける学習部と、
受け付けた単語に関する情報を辞書に登録する辞書登録部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
単語を埋め込むべき空欄を有する文のテンプレートを取得し、取得したテンプレートの空欄に、前記辞書に登録された単語を埋め込んで新たな文を生成する生成部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
キャラクタの発話のテンプレートを格納したテンプレート保持部と、
前記テンプレート保持部に格納されたテンプレートを用いて前記生成部に文を生成させ、生成された文を前記キャラクタの発話とする会話制御部と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記取得部により取得された文と、その文に含まれる単語を前記辞書に登録された別の単語に置換した文とを選択肢として提示し、前記取得部により取得された文がいずれであるかを問うクイズを出題するクイズ制御部を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記クイズ制御部は、前記取得部により取得された文を、前記形態素解析部により形態素に分解し、分解された形態素の少なくとも一部を空欄としたテンプレートを用いて前記生成部に文を生成させ、生成された文を前記選択肢とすることを特徴とする請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記辞書登録部は、同じ品詞の単語を複数の種別に分類したときに、登録しようとする単語が属する種別を取得して、前記単語に対応付けて辞書に登録し、
前記生成部は、前記テンプレートの空欄に埋め込むべき単語の種別を取得し、その種別の単語を前記辞書から読み出してテンプレートに埋め込むことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記形態素解析部による形態素解析に利用される辞書と、前記学習部により学習された単語を登録するユーザ辞書と、を更に備え、
前記辞書登録部は、単語に関する情報を前記ユーザ辞書に登録し、
前記生成部は、前記ユーザ辞書に登録された単語をテンプレートに埋め込んで新たな文を生成することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記辞書登録部は、登録しようとする単語の流行度を取得して、前記単語に対応づけて辞書に登録し、
前記生成部は、単語の流行度に基づいて、テンプレートに埋め込む単語を選択することを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
他のゲーム装置との間で前記辞書を送受信する辞書送受信部を更に備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
ネットワークを介して、複数の形態素からなる文を取得するステップと、
取得した文を形態素解析して形態素に分解するステップと、
分解された形態素の中から辞書に登録する単語を選択するステップと、
選択された単語に関する情報をユーザから受け付けるステップと、
受け付けた単語に関する情報を辞書に登録するステップと、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項11】
ネットワークを介して、複数の形態素からなる文を取得する機能と、
取得した文を形態素解析して形態素に分解する機能と、
分解された形態素の中から辞書に登録する単語を選択する機能と、
選択された単語に関する情報をユーザから受け付ける機能と、
受け付けた単語に関する情報を辞書に登録する機能と、
をコンピュータに実現させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
ネットワークを介して、複数の形態素からなる文を取得する機能と、
取得した文を形態素解析して形態素に分解する機能と、
分解された形態素の中から辞書に登録する単語を選択する機能と、
選択された単語に関する情報をユーザから受け付ける機能と、
受け付けた単語に関する情報を辞書に登録する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−301272(P2007−301272A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134775(P2006−134775)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】