説明

コイル成形方法及びコイル成形装置

【課題】巻芯治具等を用いないでワイヤを曲げてコイルを成形し、ワイヤを曲げる工程で成形されたコイルの変形を抑えられるコイル成形方法及びコイル成形装置を提供する。
【解決手段】ワイヤ9を曲げてコイルを形成するコイル成形装置であって、供給源(リール11)から延びるワイヤ9を供給するワイヤ供給機10と、架台2に対してワイヤ供給機10を移動するワイヤ移動機20と、ワイヤ9を支持するワイヤ支持機(チャック機40)と、架台2に対してワイヤ支持機(チャック機40)を移動するワイヤ支持位置移動機(チャック移動機50)とを備え、ワイヤ供給機10からワイヤ9を引出すワイヤ引出工程と、ワイヤ9をワイヤ支持機(チャック機40)によって支持するワイヤ支持工程と、ワイヤ供給機10をワイヤ支持機(チャック機40)に対して動かすことでワイヤ9を曲げるワイヤ成形工程とを行う構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給源から延びるワイヤを曲げてコイルを形成するコイル成形方法及びコイル成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータのステータ等に用いられるコイル成形方法として、巻芯治具を用いないでワイヤを曲げてコイルを形成するものがある。
【0003】
特許文献1、2に開示されたコイル成形方法は、供給源からワイヤを引出す工程と、引き出されたワイヤをローラを支点に曲げる工程とを繰り返して行い、コイルを形成するようになっている。
【特許文献1】特開2004−104841号公報
【特許文献2】特開2003−264965号公報(特許3986330号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のコイル成形方法にあっては、引き出されたワイヤをローラを支点に曲げる工程にて、既に成形されたコイルが振り回されるため、コイルがこれに働く慣性力によって変形する可能性がある。
【0005】
このため、ワイヤを曲げる動作速度を高められず、生産性を高められないという問題点があった。
【0006】
また、大型のコイルを形成できないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、巻芯治具等を用いないでワイヤを曲げてコイルを成形し、ワイヤを曲げる工程で成形されたコイルの変形を抑えられるコイル成形方法及びコイル成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、供給源から延びるワイヤを曲げてコイルを形成するコイル成形方法であって、供給源からワイヤを引出すワイヤ引出工程と、ワイヤをワイヤ支持機によって支持するワイヤ支持工程と、供給源をワイヤ支持機に対して動かすことで供給源からワイヤ支持機へと延びるワイヤを曲げるワイヤ成形工程とを行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、供給源から延びるワイヤを曲げてコイルを形成するコイル成形装置であって、供給源から延びるワイヤを供給するワイヤ供給機と、架台に対してワイヤ供給機を移動するワイヤ移動機と、ワイヤを支持するワイヤ支持機と、架台に対してワイヤ支持機を移動するワイヤ支持位置移動機とを備え、ワイヤ供給機からワイヤを引出すワイヤ引出工程と、ワイヤをワイヤ支持機によって支持するワイヤ支持工程と、ワイヤ供給機をワイヤ支持機に対して動かすことでワイヤを曲げるワイヤ成形工程とを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、巻芯治具等を用いないでワイヤを曲げてコイルが成形される。
【0011】
ワイヤを曲げるワイヤ曲げ工程では、供給源からワイヤ支持機へと延びるワイヤをワイ
ヤ支持機に対して動かすため、から突出した状態で片持ち支持される既に成形されたコイルが振り回されることがなく、従来のようにコイルがこれに働く慣性力によって変形することを回避できる。
【0012】
これにより、コイルの形状精度が損なわれず、品質の向上がはかられるとともに、ワイヤを曲げる動作速度を高めて生産性の向上がはかれる。また、コイルの大きさや重量に対する限界を拡げられ、大型のコイルを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態を示すコイル成形装置の正面図。
【図2】同じくコイル成形装置の平面図。
【図3】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図4】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図5】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図6】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図7】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図8】同じく波巻きコイルを示す平面図。
【図9】同じくワイヤを示す断面図。
【図10】他の実施の形態を示すコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図11】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図12】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図13】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図14】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図15】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図16】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図17】同じく波巻きコイルの製造工程を示す概略構成図。
【図18】同じく波巻きコイルを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図8は、波巻きコイル90の平面図である。この波巻きコイル90は、ワイヤ(線材)9がパルス波状に曲折して延びており、図示しないコアに組み付けられてモータ等のステータ(多極電機子)を構成するものである。
【0016】
波巻きコイル90は、図8にて上下方向に延びる複数対のコイル縦辺部91、95と、図8にて左右方向に延びる複数対のコイル横辺部93、97とを有し、これらの間にコイル曲折部(角部)92、94、96、98が形成される。波巻きコイル90は、コイル縦辺部91、コイル曲折部92、コイル横辺部93、コイル曲折部94、コイル縦辺部95、コイル曲折部96、コイル横辺部97、コイル曲折部98が一つの平面に沿って延びるように2次元方向に成形されている。
【0017】
図9に示すように、ワイヤ9は、その断面が矩形をした、平角線が用いられる。ワイヤ9を平角線とすることにより、断面円形の丸線に比べてステータコイルにおけるワイヤ9の占積率を高められる。
【0018】
なお、これに限らず、ステータ等の仕様に応じて、ワイヤ9は、断面円形の丸線を用いてもよい。
【0019】
ワイヤ9の表面には絶縁皮膜が形成されている。
【0020】
図1は波巻きコイル90を自動的に製造するコイル成形装置1の正面図であり、図2は同じくコイル成形装置1の平面図である。ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平横方向、Y軸が略水平前後方向、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、コイル成形装置1の構成を説明する。
【0021】
コイル成形装置1は、主要構成部として、ワイヤ9を供給するワイヤ供給機10と、架台2に対してワイヤ供給機10を移動するワイヤ移動機20と、ワイヤ9を把持するチャック機40と、架台2に対してこのチャック機40を移動するチャック移動機50とを備える。
【0022】
架台2に対してワイヤ9を支持するワイヤ支持機として、チャック機40が設けられる。このチャック機40は、ワイヤ9を把持する受け側チャック41及び押さえ側チャック42とを備える。受け側チャック41がチャック台51に固定される。押さえ側チャック42と受け側チャック41とがチャック台51に対して水平軸まわりに回動可能に連結される。
【0023】
チャック機40は、押さえ側チャック42を回動させる開閉アクチュエータ43が設けられる。開閉アクチュエータ43はエアシリンダによって構成される。開閉アクチュエータ43が伸張作動することにより、押さえ側チャック42が閉じ、受け側チャック41との間にワイヤ9が把持される。開閉アクチュエータ43が収縮作動することにより、押さえ側チャック42が開き、受け側チャック41との間に把持されていたワイヤ9が放される。
【0024】
チャック機40は、これに限らず、対のチャック部材が支点を中心に回動して開閉するニッパ式チャック機を設けてもよい。また、対のチャック部材が略水平方向に平行移動して開閉するチャック機を設けてもよい。
【0025】
なお、ワイヤ9を支持するワイヤ支持機として、ワイヤ9を把持するチャック機40に限らず、ワイヤ9を挿通させて支持する溝状のスリットを有する支持部材を設けてもよい。
【0026】
架台2に対してワイヤ支持機を移動するワイヤ支持位置移動機としてチャック移動機50が設けられる。チャック移動機50は、チャック機40を搭載するチャック台51と、チャック機40をチャック台51に対してZ軸まわりに回動させるチャック回動手段と、チャック台51をX、Y、Zの3軸方向に移動するチャック移動手段とを有する。
【0027】
チャック回動手段として、チャック機40はチャック台51に対してZ軸まわりに回動可能に支持され、チャック機40をZ軸まわりに回動させる回動アクチュエータ55が設けられる。回動アクチュエータ55は、サーボモータによって構成される。
【0028】
チャック移動手段として、チャック台51をY軸方向に移動するY軸方向伸縮アクチュエータ52と、このY軸方向伸縮アクチュエータ52をZ軸方向に移動するZ軸方向伸縮アクチュエータ53と、このZ軸方向伸縮アクチュエータ53をX軸方向に移動するX軸方向伸縮アクチュエータ54とが設けられる。これらの各伸縮アクチュエータ52〜54は、サーボモータによって回転駆動されるボールネジと、このボールネジに螺合して平行移動する従動子等によって構成される。
【0029】
ワイヤ供給機10は、ワイヤ移動機20によって移動されるワイヤ供給台21と、ワイヤ供給台21上に取り付けられるワイヤ9が巻かれたリール11と、このリール11から
供給されるワイヤ9を繰り出すノズル12と、リール11とノズル12の間でワイヤ9を保持するワイヤ保持機13を備える。リール11はワイヤ9が渦巻き状に巻かれており、ワイヤ9の供給源となる。
【0030】
また、リール11はワイヤ供給機10に取り付けられなくてもよい。リール11はコイル成形装置1と別の場所(例えば床)に置かれ、ワイヤ9がワイヤ供給機10に供給されるようにしてもよい。
【0031】
ノズル12はワイヤ9が挿通する穴を有し、リール11から供給されるワイヤ9をこの穴から繰り出すようになっている。
【0032】
なお、これに限らず、ノズル12は、ワイヤ9に転接する複数のローラ(図示せず)を備え、リール11から供給されるワイヤ9をこれらのローラの間から繰り出す構成としてもよい。
【0033】
ワイヤ移動機20は、ワイヤ供給機10を搭載するワイヤ供給台21と、ワイヤ供給機10をワイヤ供給台21に対してZ軸まわりに回動させるワイヤ旋回手段と、ワイヤ供給台21をX、Yの3軸方向に移動するワイヤ移動手段とを有する。
【0034】
ワイヤ旋回手段として、ワイヤ供給機10はワイヤ供給台21に対してZ軸まわりに回動可能に支持され、ワイヤ供給機10をZ軸まわりに旋回させる旋回アクチュエータ25が設けられる。旋回アクチュエータ25は、サーボモータによって構成される。
【0035】
ワイヤ移動手段として、ワイヤ供給台21をY軸方向に移動するY軸方向伸縮アクチュエータ22と、このY軸方向伸縮アクチュエータ22をX軸方向に移動するX軸方向伸縮アクチュエータ24とが設けられる。これらの各伸縮アクチュエータ22、24は、サーボモータによって回転駆動されるボールネジと、このボールネジに螺合して平行移動する従動子等によって構成される。
【0036】
図示しないコントローラは、各伸縮アクチュエータ22、24、旋回アクチュエータ25、各伸縮アクチュエータ52〜54、回動アクチュエータ55、開閉アクチュエータ43等の作動をシーケンス制御し、ワイヤ9を曲折させて波巻きコイル90を自動的に形成する。
【0037】
コイル成形装置1は、次の各工程を順に行い、波巻きコイル90を形成する。以下、図3〜図7に基づいてコイル成形装置1の動作を説明する。
【0038】
まず、図3の(A)に示すように、ワイヤ供給機10のノズル12からワイヤ9が所定の長さだけ引出された状態にセットする。
【0039】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、図3の(B)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させ、ノズル12から延びるワイヤ9を開かれたチャック機40上にてX軸方向に延びるように配置する。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル縦辺部91となる部位)で把持する。
【0040】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図3の(C)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって90度曲折し、コイル曲折部92が成形される。
【0041】
このワイヤ曲げ工程にて、ワイヤ移動機20は、旋回アクチュエータ25の旋回中心をコイル曲折部92の曲率中心上に配置し、ワイヤ供給機10をコイル曲折部92の曲率中心について旋回させる。
【0042】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図4の(D)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をY軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル横辺部93となる。
【0043】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図4の(E)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル横辺部93となる部位)で把持する。
【0044】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図4の(F)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって90度曲折し、コイル曲折部94が成形される。
【0045】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図5の(G)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をX軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル縦辺部95となる。
【0046】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図5の(H)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル縦辺部95となる部位)で把持する。
【0047】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図5の(I)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって90度曲折し、コイル曲折部96が成形される。
【0048】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図6の(J)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をY軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル横辺部97となる。
【0049】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図6の(K)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル横辺部97となる部位)で把持する。
【0050】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図6の(L)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって90度曲折され、コイル曲折部98が成形される。
【0051】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図7の(M)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をX軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル縦辺部91となる。
【0052】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図7の(N)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル縦辺部91となる部位)で把持する。
【0053】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図7の(P)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって90度曲折し、コイル曲折部92が成形される。
【0054】
これらの動作が繰り返されることにより、コイル縦辺部91、コイル曲折部92、コイル横辺部93、コイル曲折部94、コイル縦辺部95、コイル曲折部96、コイル横辺部97、コイル曲折部98、コイル縦辺部91、コイル曲折部92、…からなる波巻きコイル90が形成される。こうして波巻きコイル90が形成されると、図示しないカッタ装置を作動させてワイヤ9を切断し、図示しない搬出機を作動させて形成された波巻きコイル90をコイル成形装置1から搬出する。
【0055】
ワイヤ曲げ工程では、ワイヤ供給機10が旋回してチャック機40から延びるワイヤ9が曲げられるとき、ワイヤ9のチャック機40に把持された部位(コイル縦辺部91、コイル横辺部93、コイル縦辺部95、コイル横辺部97のいずれか)が動かされないため、チャック機40から突出した状態で片持ち支持される部位(ワイヤ9の成形部)が振り回されることがなく、従来のように既に成形された波巻きコイル90がこれに働く慣性力によって変形することを回避できる。
【0056】
図5の(G)、図7の(M)に示すワイヤ引出工程では、ワイヤ供給機10をX軸方向に移動させてノズル12からワイヤ9を引出すため、既に成形された波巻きコイル90がX軸方向に移動せず、同じ位置に保持されるため、ワイヤ9の成形部がこれに働く慣性力によって変形することを回避できる。
【0057】
図4の(D)、図6の(J)に示すワイヤ引出工程では、ワイヤ供給機10をY軸方向に移動させてノズル12からワイヤ9を引出すようにしている。これにより、既に成形された波巻きコイル90がY軸方向に移動せず、同じ位置に保持されるため、ワイヤ9の成形部がこれに働く慣性力によって変形することを回避できる。
【0058】
Y軸方向伸縮アクチュエータ22、52が伸張作動する最大ストロークは、Y軸方向に延びる波巻きコイル90の全長より大きくなるように設定されている。これにより、波巻きコイル90を同じ位置に保持して、ワイヤ9が曲げられる位置(ワイヤ供給機10の旋回中心位置)をY軸方向に移動することができる。
【0059】
また、チャック機40が移動することで、ワイヤ9を引き出してもよい。ローラを駆動源によって回転し、ローラでワイヤ9を繰り出す構成であってもよい。この場合、チャック機40から突出した状態で片持ち支持される波巻きコイル90がチャック機40と共に動かされるが、このときにチャック機40はY軸方向(水平方向)に直進して波巻きコイル90を平行移動させるため、波巻きコイル90の動きが小さく抑えられ、波巻きコイル90がこれに働く慣性力によって変形することを十分に防止できる。
【0060】
また、ステータ等の仕様に応じて、波巻きコイル90は、四角形に沿って曲げられる形状に限らず、例えば三角形に沿って曲げられる形状にしてもよい。さらに、波巻きコイル90は、3次元方向に曲げられる波巻きコイル90を形成してもよい。この場合、コイルワイヤ引出工程にてワイヤ供給機10とチャック機40をZ軸方向に相対移動させることによって、ワイヤ9が3次元方向に曲げられる。
【0061】
また、ステータ等の仕様に応じて、波巻きコイル90は、例えばワイヤ9が渦巻き状に巻回されるコイルを有する構成としてもよい。この場合、ワイヤ成形工程におけるワイヤ供給機10の旋回方向を連続して同じ向きにすることによって、渦巻き状のコイルが形成される。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、供給源(リール11)から延びるワイヤ9を曲げてコイル90を形成するコイル成形方法であって、供給源(リール11)からワイヤ9を引出すワイヤ引出工程と、ワイヤ9をワイヤ支持機(チャック機40)によって支持するワイヤ支持工程と、供給源(リール11)をワイヤ支持機(チャック機40)に対して動かすことで供給源(リール11)からワイヤ支持機(チャック機40)へと延びるワイヤ9を曲げるワイヤ成形工程とを行う構成とした。
【0063】
また、本実施の形態では、供給源(リール11)から延びるワイヤ9を曲げてコイル90を形成するコイル成形装置であって、供給源(リール11)から延びるワイヤ9を供給するワイヤ供給機10と、架台2に対してワイヤ供給機10を移動するワイヤ移動機20と、ワイヤ9を支持するワイヤ支持機(チャック機40)と、架台2に対してワイヤ支持機(チャック機40)を移動するワイヤ支持位置移動機(チャック移動機50)とを備え、ワイヤ供給機10からワイヤ9を引出すワイヤ引出工程と、ワイヤ9をワイヤ支持機(チャック機40)によって支持するワイヤ支持工程と、ワイヤ供給機10をワイヤ支持機(チャック機40)に対して動かすことでワイヤ9を曲げるワイヤ成形工程とを行う構成とした。
【0064】
上記構成に基づき、巻芯治具等を用いないでワイヤ9を曲げて波巻きコイル90が成形される。
【0065】
ワイヤ9を曲げるワイヤ曲げ工程では、供給源(リール11)からワイヤ支持機(チャック機40)へと延びるワイヤ9をワイヤ支持機(チャック機40)に対して動かしてワイヤ9を曲げるため、チャック機40から突出した状態で片持ち支持される既に成形された波巻きコイル90が振り回されることがなく、従来のように成形された波巻きコイル90がこれに働く慣性力によって変形することを回避できる。
【0066】
これにより、波巻きコイル90の形状精度が損なわれず、品質の向上がはかられるとともに、ワイヤ9を曲げる動作速度を高めて生産性の向上がはかれる。また、波巻きコイル90の大きさや重量に対する限界を拡げられ、大型の波巻きコイル90を形成することが可能となる。
【0067】
本実施の形態では、ワイヤ供給機10は、ワイヤ移動機20によって移動されるワイヤ供給台21を備え、このワイヤ供給台21にワイヤ9の供給源としてワイヤ9が巻かれたリール11を取り付け、ワイヤ供給台21にリール11から供給されるワイヤ9を通すノズル12を取り付ける構成とした。
【0068】
上記構成に基づき、ワイヤ移動機20によってワイヤ供給台21を旋回することにより、チャック機40からノズル12へと延びるワイヤ9を旋回させてワイヤ9を曲げるワイ
ヤ成形工程が行われる。このワイヤ成形工程にて、ワイヤ供給台21上において振り回されるワイヤ9は、リール11とノズル12の間に両持ち支持されているため、ワイヤ9がこれに働く慣性力によって変形することを回避できる。
【0069】
次に図10〜18に示す他の実施の形態を説明する。これは基本的には図1〜9の実施の形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0070】
図18は、亀甲形波巻きコイル190の平面図である。この亀甲形波巻きコイル190は、ワイヤ9がパルス波状に曲折して延びており、図示しないコアに組み付けられてモータ等のステータ(多極電機子)を構成するものである。
【0071】
亀甲形波巻きコイル190は、図10にて上下方向に延びる複数対のコイル縦辺部101、107と、図10にて斜め横方向に延びる複数対のコイル斜辺部103、105、109、111とを有する。
【0072】
コイル縦辺部101、コイル斜辺部103とコイル斜辺部103、105、109、111との間にそれぞれコイル鈍角部(角部)102、106、108、112が形成される。このコイル鈍角部(角部)102、106、108、112にて、ワイヤ9が直角より大きな角度を持って曲折される。
【0073】
コイル縦辺部101、107と、コイル斜辺部103、105、109、111とコイル鈍角部102、106、108、112が平面に沿って延びるように2次元方向(X、Y軸方向)に曲折する。
【0074】
コイル斜辺部103、105の間、コイル斜辺部109、111の間にそれぞれコイル頂角捩れ部(捩れ部)104、110が形成される。コイル頂角捩れ部104、110にて、ワイヤ9が180°捩られるとともに、この捩れ部分が直角より小さな角度を持って曲折される。
【0075】
コイル頂角捩れ部104、110は、図18のA部に示すように、ワイヤ9が捩られることにより3次元方向(X、Y、Z軸方向)に曲折し、Z軸方向の段差を持つ。これにより、複数の亀甲形波巻きコイル190を図示しないステータに介装する場合、互いにZ軸方向に重なり合う各亀甲形波巻きコイル190が、コイル頂角捩れ部104、110の段差を介して隙間を少なくして並び、ステータコイルにおけるワイヤ9の占積率を高められる。
【0076】
図10は亀甲形波巻きコイル190を自動的に製造するコイル成形装置1の正面図である。
【0077】
ワイヤ移動機20は、架台2に対してワイヤ供給機10をワイヤ9まわりに回動させるワイヤ捩り手段を備える。
【0078】
このワイヤ捩り手段は、ノズル12をワイヤ9まわりに回動させるノズル回動アクチュエータ14を備えるとともに、リール11をノズル12と同じ軸上にて回動させるリール回動アクチュエータ26を備える。
【0079】
ノズル回動アクチュエータ14は、ワイヤ保持機13と共に設けられ、ワイヤ供給台21に対してノズル12を回動させ、ノズル12から繰り出されるワイヤ9を捩るように構成される。
【0080】
リール回動アクチュエータ26は、ワイヤ供給台21に対してリール11を回動させる。ノズル回動アクチュエータ14とリール回動アクチュエータ26とは、コントローラによって互いに同期して同一方向に同一角度づつ回動するように構成される。これにより、ノズル12がY軸まわりに回動してもリール11からノズル12へと送られるワイヤ9が捩れないように構成される。
【0081】
コントローラは、各伸縮アクチュエータ22、24、旋回アクチュエータ25、各伸縮アクチュエータ52〜54、回動アクチュエータ55、開閉アクチュエータ43、ノズル回動アクチュエータ14、リール回動アクチュエータ26等の作動をシーケンス制御し、ワイヤ9を曲折させて亀甲形波巻きコイル190を自動的に形成する。
【0082】
コイル成形装置1は、次の各工程を順に行い、亀甲形波巻きコイル190を形成する。以下、図11〜図16に基づいてコイル成形装置1の動作を説明する。
【0083】
まず、図11の(A)に示すように、ワイヤ供給機10のノズル12からワイヤ9が所定の長さだけ引出された状態にセットする。
【0084】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、図11の(B)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させ、ノズル12から延びるワイヤ9を開かれたチャック機40上にてX軸方向に延びるように配置する。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル縦辺部91となる部位)で把持する。
【0085】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図11の(C)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって例えば45度曲折し、コイル鈍角部102が成形される。
【0086】
このワイヤ曲げ工程にて、ワイヤ移動機20は、旋回アクチュエータ25の旋回中心をコイル鈍角部102の曲率中心上に配置し、ワイヤ供給機10をコイル鈍角部102の曲率中心について旋回させる。
【0087】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図12の(D)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をY軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル斜辺部103となる。
【0088】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図12の(E)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル斜辺部103となる部位)で把持する。
【0089】
〔ワイヤ捩り工程〕
続いて、図12の(F)に矢印で示すように、ノズル12とワイヤ供給機10を同一方向に例えば180度回動させる。これによって、ノズル12がこれから延びるワイヤ9を中心として180度回動し、ノズル12とチャック機40の間に延びるワイヤ9が180度捩られる。
【0090】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図13の(G)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって例えば90度曲折し、頂角捩れ部104が成形される。
【0091】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図13の(H)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル斜辺部105となる。
【0092】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図13の(I)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル斜辺部105となる部位)で把持する。
【0093】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図14の(J)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって例えば45度曲折し、コイル鈍角部106が成形される。
【0094】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図14の(K)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をX軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル縦辺部107となる。
【0095】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図14の(L)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル縦辺部107となる部位)で把持する。
【0096】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図15の(M)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって例えば45度曲折され、コイル鈍角部108が成形される。
【0097】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図15の(N)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をX軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル斜辺部109となる。
【0098】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図15の(O)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル斜辺部109となる部位)で把持する。
【0099】
〔ワイヤ捩り工程〕
続いて、図16の(P)に矢印で示すように、ノズル12とワイヤ供給機10を同一方向に例えば180度回動させる。これによって、ノズル12がこれから延びるワイヤ9を中心として180度回動し、ノズル12とチャック機40の間に延びるワイヤ9が180度捩られる。
【0100】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図16の(Q)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって例えば90度曲折し、頂角捩れ部110が成形される。
【0101】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図16の(R)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル斜辺部111となる。
【0102】
〔ワイヤ把持工程〕
続いて、チャック機40を開き、図17の(S)に矢印で示すように、チャック機40をノズル12の近傍に移動させる。そして、チャック機40を閉じてワイヤ9を所定位置(コイル斜辺部111となる部位)で把持する。
【0103】
〔ワイヤ曲げ工程〕
続いて、図17の(T)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10を反時計回り方向に旋回させる。これによって、チャック機40から延びるワイヤ9がノズル12によって例えば45度曲折し、コイル曲折部112が成形される。
【0104】
〔ワイヤ引出工程〕
続いて、図17の(U)に矢印で示すように、ワイヤ供給機10をX軸方向に移動させ、ノズル12から所定長さのワイヤ9を引出す。こうして引出されるワイヤ9の部位がコイル縦辺部101となる。
【0105】
これらの動作が繰り返されることにより、図18に示すように、コイル縦辺部101、コイル鈍角部102、コイル斜辺部103、コイル頂角捩れ部104、コイル斜辺部105、コイル鈍角部106、コイル縦辺部107、コイル鈍角部108、コイル斜辺部109、コイル頂角捩れ部110、コイル斜辺部111、コイル曲折部112、コイル縦辺部101、…からなる亀甲形波巻きコイル190が形成される。こうして亀甲形波巻きコイル190が形成されると、図示しないカッタ装置を作動させてワイヤ9を切断し、図示しない搬出機を作動させて形成された亀甲形波巻きコイル190をコイル成形装置1から搬出する。
【0106】
以上のように、本実施の形態では、ワイヤ移動機20は、架台2に対してワイヤ供給機10をワイヤ9まわりに回動させるワイヤ捩り手段を備える構成とした。
【0107】
上記構成に基づき、ワイヤ捩り工程では、ワイヤ供給機10が回動してチャック機40から延びるワイヤ9が捩られる。ワイヤ9が捩られるとき、ワイヤ9のチャック機40に把持された部位(コイル斜辺部103、109のいずれか)が動かされないため、チャック機40から突出した状態で片持ち支持される部位(ワイヤ9の成形部)が振り回されて変形することを回避できる。
【0108】
コイル頂角捩れ部104、110は、ワイヤ9が捩られて折り曲げられることにより3次元方向に曲折して段差を持つ。これにより、複数の亀甲形波巻きコイル190を図示しないステータに介装する場合、互いにZ軸方向に重なり合う各亀甲形波巻きコイル190が、コイル頂角捩れ部104、110の段差を介して隙間を少なくして並び、ステータコイルにおけるワイヤ9の占積率を高められる。
【0109】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の
変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明のコイル成形方法及びコイル成形装置は、ステータを構成するものに限らず、例えばコイル単体を構成するものや、他の電機子を構成するものにも利用できる。
【符号の説明】
【0111】
1 コイル成形装置
2 架台
9 ワイヤ(線材)
10 ワイヤ供給機
11 リール(供給源)
12 ノズル
13 ワイヤ保持機
14 ノズル回動アクチュエータ(ワイヤ捩り手段)
20 ワイヤ移動機
21 ワイヤ供給台
22 Y軸方向伸縮アクチュエータ
24 X軸方向伸縮アクチュエータ
25 旋回アクチュエータ
26 リール回動アクチュエータ(ワイヤ捩り手段)
40 チャック機(ワイヤ支持機)
41 受け側チャック
42 押さえ側チャック
43 開閉アクチュエータ
50 チャック移動機(ワイヤ支持位置移動機)
51 チャック台
52 Y軸方向伸縮アクチュエータ
53 Z軸方向伸縮アクチュエータ
54 X軸方向伸縮アクチュエータ
55 回動アクチュエータ
90 波巻きコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給源から延びるワイヤを曲げてコイルを形成するコイル成形方法であって、
前記供給源から前記ワイヤを引出すワイヤ引出工程と、
前記ワイヤをワイヤ支持機によって支持するワイヤ支持工程と、
前記供給源を前記ワイヤ支持機に対して動かすことで前記供給源から前記ワイヤ支持機へと延びる前記ワイヤを曲げるワイヤ成形工程とを行うことを特徴とするコイル成形方法。
【請求項2】
供給源から延びるワイヤを曲げてコイルを形成するコイル成形装置であって、
前記供給源から延びる前記ワイヤを供給するワイヤ供給機と、
架台に対して前記ワイヤ供給機を移動するワイヤ移動機と、
前記ワイヤを支持するワイヤ支持機と、
架台に対して前記ワイヤ支持機を移動するワイヤ支持位置移動機とを備え、
前記ワイヤ供給機から前記ワイヤを引出すワイヤ引出工程と、
前記ワイヤを前記ワイヤ支持機によって支持するワイヤ支持工程と、
前記ワイヤ供給機を前記ワイヤ支持機に対して動かすことで前記ワイヤを曲げるワイヤ成形工程とを行うことを特徴とするコイル成形装置。
【請求項3】
前記ワイヤ移動機は、前記ワイヤ供給機を前記ワイヤまわりに回動させるワイヤ捩り手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のコイル成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−166799(P2010−166799A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110841(P2009−110841)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000227537)日特エンジニアリング株式会社 (106)
【Fターム(参考)】