説明

コネクタカバー部材及び配線基板

【課題】配線基板の帯電を低減させることで、潜在的なノイズによる悪影響を取り除く。
【解決手段】グラウンド端子31と信号端子33とを備えた配線コネクタ30が取り付けられている配線基板50に、本発明に係るコネクタカバー部材1を取り付けることで上記課題を解決する。コネクタカバー部材1は、配線基板50に設けられた配線コネクタ30に取り付けることによってその配線基板50に帯電した静電気を除去する部材であり、配線コネクタ30が有するグラウンド端子31に着脱可能に接続できる第1端子11と、その第1端子11に接続した抵抗体14と、その抵抗体14に配線材15を介して接続した外装部材16とを少なくとも有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板が有する配線コネクタに取り付けるコネクタカバー部材、及びそのコネクタカバー部材を取り付けた配線基板に関し、更に詳しくは、プリント配線基板等の配線基板に取り付けることによってその配線基板に帯電した静電気を除電することができるコネクタカバー部材、及びそのコネクタカバー部材を取り付けた配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報化社会を支えるコンピュータ等の電子機器は、その設置場所として、あらゆる場所に設置することが求められるようになってきている。このような設置場所の中には、電子機器の安定動作に対して必ずしも望ましい環境ではない場所もある。安定動作の阻害要因としては、温度、湿度、振動、粉塵、電磁ノイズ等がある。中でも、静電気放電ノイズに代表される電磁ノイズによる影響は、その発生が予期しにくいこと、再現性が乏しいこと、五感で察知しにくいことなどから、突如として安定動作を阻害することにつながることも少なくない。
【0003】
一方、高度で間断のない情報処理を担うシステムがある。そのようなシステムは、無停止で正常動作を継続することが要求される。こうしたシステムの運用における一つの特徴として、システムを動作させたまま故障した電子回路を部分的に交換して修理を行う技術(この行為は例えば「活線挿抜」と呼ばれている。)がある。そのために、作業者は動作中の電子機器の扉を開け、交換すべきプリント配線基板を抜き去り、代わりに正常動作が確認できているプリント配線基板を挿入するなどの作業を行っている。
【0004】
交換するプリント配線基板は、運搬や取り扱いの途中で静電気の帯電が起こらないように、導電性のトレーや保管庫に入れたり、導電性の袋に入れたりして運ばれてくる。これは、静電気が帯電することで、放電の際に生ずる急激な電荷の移動によるLSIの破壊を防ぐことを意図したものであり、これら導電性のトレー等の運搬部材は、静電気の帯電を抑制したり、帯電した静電気の除電を行ったりする機能を有している。このような保管、運搬技術は、一般に広く使われている。
【0005】
また、静電気を帯電した作業者がプリント配線基板を取り扱う際に、指先等を通じてプリント配線基板の接続端子に触れ、そこからその端子に接続されたLSIに電荷が侵入して、LSIを破壊してしまうこともある。それを防ぐ手段として、導電性の靴を履いたり、リストバンド、リストストラップ等と呼ばれる手首に取り付ける除電用の装具を用いたりしている。これらも特別な技術ではなく、一般に広く使われている。
【0006】
ところが、このような配慮を持って作業を行っても、時として、静電気放電ノイズが電子機器の動作に悪影響を与える場合がある。例えば、プリント配線基板を低湿度の環境で取り扱うと、プリント配線基板には静電気による電荷が蓄積される。その状態でプリント配線基板を機器に実装すると、放電により機器の内部で急激な電荷の移動が起き、強烈な電磁ノイズが発生する。この電磁ノイズはグラウンドに流れたりLSIの端子に流れ込んだりするものの他に、空間に輻射したりして、電気的に接続される電子回路はもとより、遠く離れた電子回路にも悪影響を及ぼす。この悪影響は、プリント配線基板を挿入する対象となる機器が動作中である無しにかかわらず発生することがある。動作中であれば、ノイズが信号として誤認識され、正常動作に悪影響を与え、ノイズのエネルギーが大きければLSI等の破壊を招く。また、機器が停止中であっても、放電時に発生する輻射により、周囲の動作機器にノイズが空中伝搬し、その影響で正常動作を阻害する要因となりうる。
【0007】
こうした問題を解決するため、下記(1)〜(3)の技術が提案されている。(1)設置場所の湿度を高くする。例えば相対湿度を高めに設定すれば、静電気の発生は徐々に抑えられる。(2)LSIに静電気によるストレスを与えない。例えば、プリント配線基板の端子(接続先のLSI)に触れないようにすれば、静電気による素子の破壊は起きない。(3)プリント配線基板に帯電した静電気を空気中に放出する。上述する想定環境とは異なるが、製造ラインで用いられる類似の技術として下記特許文献1がある。この特許文献1では、壊したくない電子回路を含んだアセンブリの伝送線とグラウンド線とを自己放電部品に接続し、帯電した電荷を空中に放出する技術を用いている。これら(1)〜(3)以外の関連技術として、下記特許文献2,3を例示する。
【0008】
【特許文献1】特開2007−305253号公報(第0021段落、第0046段落、図5)
【特許文献2】実開昭59−31799号公報(第4図、第5図)
【特許文献3】実開平2−98698号公報(第1図、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した(1)〜(3)の技術には次のような問題点がある。
【0010】
上記(1)の技術に対する問題点としては、湿度をコントロールするには設備の増強が必要であり、加湿器等の設置と運転には新たな費用と電力を要するなど、ユーザーから求められる低コスト運転に反し、また、省エネ時代にもそぐわない。
【0011】
上記(2)の技術に対する問題点としては、仮に端子に触れずにいたとしても、静電気が帯電したプリント配線基板を機器に挿入する際に、プリント配線基板に帯電していた電荷が機器の金属部分や接続先の端子に放電を起こし、電磁ノイズが他の回路に伝搬したり、また、放電に付随して発生する電磁輻射が他の電子機器の動作に悪影響を与えたりする可能性は避けられない。ここでの悪影響とは、前述したLSIの破壊も含むが、それ以外にも、電磁ノイズが原因で発生するLSIの誤動作も含む。
【0012】
上記(3)の技術に対する問題点としては、自己放電部品が搬送車に固定されていることにある。活線挿抜を行う状況を想定すると、交換するために準備されるプリント配線基板は、トレーや保管庫に入れられて現場に搬入される。この時点で、トレーや保管庫が搬送車に相当すると考えられることから、上記(3)の技術を用いるためには、トレーや保管庫に自己放電部品を取り付け、その自己放電部品に保護対象となるプリント配線基板の伝送線と接地線を接続しなければならない。その上で、そのトレーや保管庫から取り出して、対象の機器に当該プリント配線基板を実装することになるが、たとえ一時的ではあっても、周囲の環境如何では、当該プリント配線基板に静電気が帯電する可能性を残してしまう。特に、活線挿抜においては、人手によるハンドリングが行われることから、機械搬送の場合と比べて管理の不確実性は増し、静電気が帯電してしまう可能性は高い。
【0013】
本発明は、こうした問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、活線挿抜を行う際に、交換部品として準備される配線基板に、静電気による電荷の帯電を生じさせず、また、配線基板に帯電した電荷を除電することができる部材であって、配線基板の帯電を低減させて潜在的なノイズによる悪影響を取り除くことができるコネクタカバー部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうしたコネクタカバー部材を取り付けた配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明のコネクタカバー部材は、配線基板に設けられた配線コネクタが有するグラウンド端子に着脱可能に接続できる第1端子と、該第1端子に接続した抵抗体と、該抵抗体に配線材を介して接続した外装部材とを有し、前記配線コネクタに取り付けることによって前記配線基板に帯電した静電気を除去することを特徴とする。
【0015】
本発明のコネクタカバー部材の好ましい態様は、前記配線コネクタが有する電源端子に着脱可能に接続できる第2端子をさらに有し、該第2端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続したように構成する。
【0016】
本発明のコネクタカバー部材の好ましい態様は、前記配線コネクタが有する信号端子に着脱可能に接続できる第3端子をさらに有し、該第3端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続したように構成する。
【0017】
本発明のコネクタカバー部材の好ましい態様は、前記抵抗体と前記外装部材との直列抵抗値が10以上1011以下であるように構成する。このとき、前記外装部材の表面抵抗値が1011Ω以下で前記抵抗体の抵抗値が10Ω以上1011Ω以下となるように構成してもよいし、前記外装部材の表面抵抗値が10Ω以上1011Ω以下で前記抵抗体の抵抗値が1011Ω以下であるように構成してもよい。
【0018】
本発明のコネクタカバー部材の好ましい態様は、前記外装部材が、掴持部材としての凹凸を有するように構成する。
【0019】
上記課題を解決するための本発明の配線基板は、配線基板に設けられた配線コネクタが有するグラウンド端子に着脱可能に接続した第1端子と、該第1端子に接続した抵抗体と、該抵抗体に配線材を介して接続した外装部材とを有するコネクタカバー部材が、前記配線コネクタに取り付けられていることを特徴とする。
【0020】
本発明の配線基板の好ましい態様は、前記コネクタカバー部材が、前記配線コネクタが有する電源端子に着脱可能に接続した第2端子をさらに有し、該第2端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続したように構成する。
【0021】
本発明の配線基板の好ましい態様は、前記コネクタカバー部材が、前記配線コネクタが有する信号端子に着脱可能に接続した第3端子をさらに有し、該第3端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続したように構成する。
【0022】
本発明の配線基板の好ましい態様は、前記抵抗体と前記外装部材との直列抵抗値が10以上1011以下であるように構成する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のコネクタカバー部材によれば、第1端子に接続した抵抗体と、その抵抗体に配線材を介して接続した外装部材とを有するので、その第1端子が配線基板のグラウンド端子に接続することにより、配線基板に帯電している電荷は、グラウンド端子、第1端子、抵抗体、配線材、外装部材を経由して除電される。また、このコネクタカバー部材によれば、配線基板に帯電した電荷を人を介して放電できるが、コネクタカバー部材が有する抵抗により人が感電したと自覚するほどの電気が流れない(ビリッとしない。)ので、人への影響も低減できる。
【0024】
また、このコネクタカバー部材によれば、配線基板に設けられた配線コネクタを機械的に保護することができるとともに、帯電物の接触を防いで配線基板への電磁ノイズを軽減することができる。特に抵抗体は、急激な電荷移動を抑制したり外部から侵入する電磁ノイズを遮断又は減衰したりすることができるので、LSI等の回路を実装した配線基板を保護することができる。また、このコネクタカバー部材は配線基板の配線コネクタに着脱可能に取り付ける保護部材として作用するので、繰り返し使用することができるので経済的である。
【0025】
また、本発明のコネクタカバー部材によれば、電源端子は比較的広い面積を有して電荷を帯電し易いが、この電源端子に第2端子を接続することにより、効果的に除電することができる。また、信号端子に第3端子を接続することにより、外部からの電荷の侵入を防ぐことができる。
【0026】
また、本発明のコネクタカバー部材によれば、配線基板に設けられた配線コネクタを機械的に保護することができるとともに、帯電物の接触を防いで配線基板への電磁ノイズを軽減することができる。また、本発明のコネクタカバー部材は、配線基板の配線コネクタに着脱可能に取り付ける保護部材として作用するので、繰り返し使用することができるので経済的である。
【0027】
本発明の配線基板は、上記効果を奏するコネクタカバー部材が取り付けられているので、そのコネクタカバー部材が帯電している電荷を除電し且つ外部から侵入する電磁ノイズを遮断又は減衰する。その結果、配線基板に実装されているLSI等を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明のコネクタカバー部材及びプリント配線基板について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0029】
[コネクタカバー部材及び配線基板]
図1は、本発明のコネクタカバー部材の一例を示す分解構造図である。図2は、本発明のコネクタカバー部の一例(ピン型コネクタ)と、そのコネクタカバー部材を取り付ける配線基板の例を示す模式的な構成図であり、図3は、本発明のコネクタカバー部材の他の一例(平型コネクタ)と、そのコネクタカバー部材を取り付ける配線基板の例を示す模式的な構成図であり、図4は、本発明のコネクタカバー部材の他の一例(多ピンコネクタ)と、そのコネクタカバー部材を取り付ける配線基板の例を示す模式的な構成図である。図5は、配線基板の帯電メカニズムの説明図である。図6は、本発明のコネクタカバー部材を取り付けた配線基板の使用例を示す説明図である。
【0030】
図1示す本発明のコネクタカバー部材1は、図2に示すように、配線基板50が有する配線コネクタ30に取り付けられて用いられる。最初に、コネクタカバー部材1の取付対象である配線基板について簡単に説明する。配線基板50は、絶縁性基板にLSI等の各種の電子部品が実装され且つそれらの電子部品が配線されているものであり、一般にプリント配線基板と呼ばれている。こうした配線基板50は、図2〜図4に示すように、複数の端子で構成された配線コネクタ30を有している。そうした端子としては、配線基板30の種類や仕様によっても異なるので一概には言えないが、グラウンド端子31、電源端子、信号端子33等を有している。なお、それらの端子は通常、むき出しになっている。
【0031】
本発明のコネクタカバー部材1は、そうした配線基板50が有する配線コネクタ30に取り付けることができる部材である。すなわち、本発明のコネクタカバー部材1は、図1及び図2に示すように、配線基板50に設けられた配線コネクタ30に取り付けることによってその配線基板50に帯電した静電気を除去する部材である。そして、このコネクタカバー部材1は、配線基板50に設けられた配線コネクタ30が有するグラウンド端子31に着脱可能に接続できる第1端子11と、その第1端子11に接続した抵抗体14と、その抵抗体14に配線材15を介して接続した外装部材16とを少なくとも有する。
【0032】
また、本発明の配線基板61は、図2及び図6に示すように、配線コネクタ30を有し、その配線コネクタ30にコネクタカバー部材1が取り付けられているストック状態の配線基板である。そして、そのコネクタカバー部材1が、配線コネクタ30が有するグラウンド端子31に着脱可能に接続した第1端子11と、その第1端子11に接続した抵抗体14と、その抵抗体14に配線材15を介して接続した外装部材16とを有する。
【0033】
こうした本発明のコネクタカバー部材1及び配線基板61において、コネクタカバー部材1には、図1に示すように、配線コネクタ30の電源端子に着脱可能に接続できる第2端子12を有していてもよいし、配線コネクタ30の信号端子33に着脱可能に接続できる第3端子13を有していてもよい。
【0034】
以下、本発明のコネクタカバー部材1の各構成要素について説明する。なお、以下の例は一例であって、本発明のコネクタカバー部材1は、その要旨を有する範囲で各種の形態に変形可能である。
【0035】
(外装部材)
本発明のコネクタカバー部材1は、図1で例示するように、アルミダイカストからなる箱部材16aと蓋部材16bとで組み立てられた箱形の外装部材16で外形が構成されている。図1中、符号20は蓋部材16bを箱部材16aに取り付けるための止めネジである。
【0036】
なお、外装部材16の箱形の外形、及び箱部材16aと蓋部材16bとの組み合わせは、いずれも限定されず、箱形以外の外形形状であってもよいし、箱部材16aと蓋部材16bとの組み合わせ以外で構成したものであってもよい。例えば、図1で例示した箱部材16aは板金による曲げ加工によっても容易に実現できる。また、止めネジ20による取り付け構造も、図1の例では箱部材16aと蓋部材16bの2つの部材による合わせ構造としたが、より多い部品数で実現することも可能であり、逆に、一体成形した外装部材の中に、基板ユニット21を押し込む構造であってもよい。
【0037】
本発明は、配線基板50に帯電した電荷を本発明に係るコネクタカバー部材1を介して外部に除電し、また、外部からの電磁ノイズの侵入を本発明に係るコネクタカバー部材1で遮断又は減衰することを可能にしたものであり、具体的には、前者の帯電電荷を除電する場合においては、人体を経由して行われる場合を主に想定している。したがって、外装部材16は電気導電性であることが望ましいが、その電気導電性を有する部分(以下、導電部16’ともいう。)は外装部材16の全てであっても一部であってもよい。図1及び図2の例では、外装部材16をアルミダイカストで構成しているのでその全てが電気導電性の導電部16’となっているが、外装部材16の一部を導電部(16’)として電気導電性を持たせたものであってもよい。
【0038】
なお、後述する抵抗体の説明欄でも詳しく説明するが、本発明ではコネクタカバー部材全体で所定の抵抗値を示すことができれば上記効果を奏することができるので、必ずしも外装部材16が電気導電性である必要はなく、抵抗体であってもよい。そのため、以下では、外装部材16が電気導電性である場合と、外装部材16が抵抗体である場合に分けて説明する。
【0039】
外装部材16(「導電部16’」と読み替えることもできる。)が電気導電性である場合、その外装部材16の表面抵抗が0Ω以上1011Ω以下であることが好ましい。こうした表面抵抗を一部又は全部に有する外装部材16は、導電性材料で形成されることが望ましく、例えば図1の例で言えば、箱部材16aも蓋部材16bもアルミダイカスト等の金属材料で形成されていることが好ましいが、その材質は金属材料に限定されず、カーボン等の導電材料を含有する導電性樹脂で形成したものであってもよいし、表面活性剤を用いて表面抵抗を下げた導電性樹脂で形成したものであってもよいし、プラスチック等の絶縁材料の外表面に導電塗料、導電メッキ又は蒸着等の表面処理を施して導電性をもたせたものであってもよい。
【0040】
アルミダイカストで構成した図1の外装部材16は全ての部分で導電性を有しているが、上記のように、電気導電性を有する部分(導電部16’)は外装部材16の全てでなくてもよく、一部であってもよい。ただし、後述のように、一部に導電部16’を有する場合には、その導電部16’が人体等に容易に触れることができる位置であることが必要である。導電部16’を一部に設ける場合、別体として形成した導電部16’を非導電性部材に機械的に取り付けて構成してもよいし、非導電性の外装部材16に導電性の表面処理(導電塗装、導電メッキ、蒸着等)を施して導電部16’を構成してもよい。
【0041】
そうした導電部16’は、コネクタカバー部材1が備える配線材15と接続されている必要があり、その結果、コネクタカバー部材1を介して配線基板50に帯電した電荷を人体等を経由して外部に除電することができる。なお、図1の例では、配線材15は、導電部16’を有する外装部材16に電気的に接続するための導電パッド18に配線され、その導電パッド18は、金属等の導電ネジ18によって外装部材16(導電部16’)と電気的に接続している。
【0042】
一方、外装部材16が抵抗体である場合、後述の抵抗体の場合と同様、その外装部材16の表面抵抗は10以上1011Ω以下であることが好ましく、10Ω以上10Ω以下であることがより好ましい。こうした表面抵抗を一部又は全部に有する外装部材16は、いわゆる抵抗材料で形成されることが望ましく、例えば上記した表面抵抗となるように所定量の導電材料を含有させた樹脂で構成したり、所定の抵抗値を示す抵抗薄膜を表面に形成した絶縁材料で構成したりすることができる。
【0043】
図示しないが、外装部材16が掴持部材としての凹凸を有していてもよい。本発明のコネクタカバー部材1は、配線基板50に着脱可能に取り付けるものであるので、人が掴みやすい凹凸形状をしていれば、その部分を掴んで運んだり、配線基板50を収納ボックス(図6を参照)から取り出したり、配線基板50を基板ユニット(図示しない)に装着したりするのを容易にすることができる。いずれにしても、上記した外装部材16は、作業者が触れることにより、配線基板50に帯電した電荷を人体等を経由して外部に除電することができれば、その形状や構造は特に限定されない。
【0044】
(端子)
コネクタカバー部材1は、少なくとも第1端子11を1又は2以上有している。この第1端子11は、配線基板50が有する配線コネクタ30のグラウンド端子31に着脱可能に接続されている。また、コネクタカバー部材1には、配線基板50が有する配線コネクタ30の電源端子に着脱可能に接続する第2端子12を1又は2以上有していてもよいし、配線基板50が有する配線コネクタ30の信号端子33に着脱可能に接続する第3端子13を1又は2以上有していてもよい。こうした第2端子12と第3端子13は必要に応じて設けられる。
【0045】
これらの端子は、図1及び図2に示すように、抵抗体14と配線材15を介して外装部材16に接続されている。具体的には、図1では導電性の外装部材16を用いた例であるが、第1端子11は、ワイヤー配線材16、抵抗体14、プリント配線材15、導電パッド18、導電ネジ19を経由して導電性の外装部材16に電気的に接続されている。また、第3端子13の同様、ワイヤー配線材16’、抵抗体14’、プリント配線材15’、導電パッド18’、導電ネジ19’を経由して導電性の外装部材16に電気的に接続されている。
【0046】
各端子の形状は特に限定されず、取付対象である配線コネクタ30の形状に合わせて任意に構成されている。例えば図2の例では、配線コネクタ30の各端子31,33は雄型の円形ピンであるので、コネクタカバー部材1を構成する各端子11,13は、そうした円形ピンを挿着(円形ピンを挿入させて着けること。)できるレセプタクル形状(雌型)の円筒形状になっている。また、図3はパッドとバネの組み合わせからなるコネクタ構造であり、図3に示す例では、コネクタ配線基板50の各端子31’,33’は雌型平型コネクタ構造であるので、コネクタカバー部材1’を構成する各端子23は、そうした雌型構造に挿着する雄型の平形ピン形状になっている。また、図4の例では、配線コネクタ(図示しない)の各端子34は雄型の多ピン構造であるので、コネクタカバー部材1”を構成する各端子26は、そうした雄型の多ピン34を挿着できる雌型の多穴構造になっている。なお、図2〜図4の端子接続構造においては、雄・雌は逆であってもよいことは言うまでもない。
【0047】
こうした第1端子11等の各端子は外装部材16の前面、すなわちコネクタカバー部材1の、配線コネクタ30に対向する面に配置されている。
【0048】
(抵抗体、配線材)
本発明ではコネクタカバー部材全体で所定の抵抗値を示すことができれば上記効果を奏することができる。すなわち、抵抗体14と外装部材16との直列抵抗値が10以上1011以下、好ましくは10Ω以上10Ω以下であるように構成することができれば上記効果を奏することができる。したがって、抵抗体14と外装部材16とでその直列抵抗値を分担すればよく、例えば、外装部材16の表面抵抗値を0Ω以上1011Ω以下とし、抵抗体14の抵抗値を10Ω以上1011Ω以下としてもよいし、又は、外装部材16の表面抵抗値を10Ω以上1011Ω以下とし、抵抗体14の抵抗値を0Ω以上1011Ω以下であるように構成してもよい。そのため、必ずしも抵抗体14が抵抗材料である必要はなく、導電体であってもよいが、以下では、抵抗体14を文字通り抵抗体として機能させる場合について主に説明する。
【0049】
抵抗体14は、第1端子11に接続されるが、図1及び図2に示すように配線材22を介して接続されていてもよいし、図3に示すように直接接続されていてもよい。抵抗体14は、その抵抗が10Ω以上1011Ω以下であることが好ましく、10Ω以上10Ω以下であることがより好ましい。その抵抗値が10Ω未満では、抵抗値が低すぎて、電荷の急激な移動を抑制できないことになり、また、人が感電したと自覚する程度の電気が流れる(ビリッとする。)ことがある。一方、その抵抗値が1011Ωを超えると、抵抗値が高すぎて、電荷の迅速な除電が妨げられることなる。なお、抵抗体14の種類は限定されず、各種の個体の抵抗器や、絶縁基板17上に形成した抵抗薄膜等を適用できる。
【0050】
抵抗体14と第1端子11とは、図1に示すようなワイヤー配線材22で配線してもよいし、抵抗体14と導電パッド18とを接続するようなプリント配線材で配線してもよい。また、図3に示すように配線材を用いないで直接接続する場合には、ろう付けや導電ペーストで接合することが好ましい。配線材の材質は、通常は金属であり、ワイヤー配線材としては、銅ワイヤー配線その他の各種配線材を適用でき、プリント配線材の場合も、銅プリント配線その他各種配線材を適用できる。
【0051】
一方、抵抗体14と外装部材16(導電部16’)との接続も、上記同様、ワイヤー配線材で配線してもよいしプリント配線材で配線してもよい。図1の例では、プリント配線材15で導電パッド18に配線し、その導電パッド18と導電性の外装部材16とは、導電ネジ18で電気的に接続されている。また、図2の例では、途中までプリント配線材15で配線され、外装部材16への接続をワイヤー配線材22’で行っている。また、図3の例では、いずれもプリント配線材25で外装部材16に接続している。
【0052】
以上、本発明のコネクタカバー部材1について図1〜図4を参照して説明した。上記の例では、コネクタカバー部材1が第1端子11と第2端子13を備え、その第1端子11と第3端子13が配線コネクタ30のグラウンド端子31と信号端子33にそれぞれ接続されるように、配線コネクタ30にコネクタカバー部材1を取り付けている。その理由は、先ず、配線基板50に帯電した静電気の除電について言えば、静電気の除電は、コネクタカバー部材1の第1端子11をグラウンド端子31に接続することで十分な効果が得られるからである。
【0053】
静電気の除電に関して、次に有効な端子は電源端子であるため、コネクタカバー部材1の第2端子12を電源端子に接続することでさらに効果を高めることができる。いずれも、配線基板50の中で、比較的広い面積を有しており、電荷を帯電し易い構造となっているからであり、除電を効果的に行うことができる。また、それらには互いにデカップリングキャパシタ等、電荷を貯めることができる電気部品が接続されており、同様の理由で除電の効果が高いからである。電源端子は、これまでの図では省略しているが、配線コネクタ30に端子として準備されている場合も多い。
【0054】
第3端子13は、配線コネクタ30の信号端子33に接続されているが、その効果は、上記のような除電効果よりも、むしろ外部からの電荷の進入を抑制することにある。上記のように除電の効果だけを期待するのであれば、グラウンド端子31以外の端子にはコネクタカバー部材1との間でピン接続のみを行い、抵抗体には接続しないことでも構わない。また、ピン接続もしなくてもよい。特に、図4に示す多ピン構造の場合には、コネクタカバー部材1の端子のすべてに抵抗体を配置することはせず、一つのグラウンド端子だけに抵抗体を配置してもよい。ただし、この場合には、複数のグラウンド端子は直流電気的に互いが接続されている場合に限る。
【0055】
本発明のコネクタカバー部材1は配線コネクタ30に取り付けられ、その状態で配線基板50が運搬され、取り出され、基板ユニットに取り付けられる場合が想定される。したがって、コネクタカバー部材1と配線コネクタ30との挿着力は、取り出し等の作業時に加わる力よりも大きく、しっかり挿着されていることが好ましい。一方、コネクタカバー部材1と配線コネクタ30との挿着力が、取り出し等の作業時に加わる力よりも小さいか同程度の場合には、コネクタカバー部材1と配線基板50とを機械的に連結する取付治具(図示しない)が必要であるが、そうした取付治具を設けることにより、コネクタカバー部材1を配線コネクタ30に取り付けた状態で運搬、取り付け等の作業を問題なく行うことができる。
【0056】
以上の説明では、抵抗体14が文字通り抵抗体として機能する場合を説明したが、上記の通り、抵抗体14が導電体であってもコネクタカバー部材全体として所定の抵抗値を有していれば本発明の効果を奏することができる。外装部材16の説明欄にも記載したように、外装部材16を抵抗体として機能させる場合には、ここでの抵抗体14の抵抗値は、0Ω以上1011Ω以下の範囲としてもよい。こうした抵抗値の抵抗体14は、外装部材16の表面抵抗との直列抵抗値を考慮し、任意の材料で形成することができ、場合によっては抵抗約0Ωの導電材料(配線材15と同様の導電材料)で構成してもよいし、所定の抵抗値を示す導電薄膜や抵抗薄膜を絶縁基板17上に形成して構成することもできる。
【0057】
(帯電・除電メカニズム)
次に、帯電・除電メカニズムについて説明する。図5は、配線基板の帯電・除電メカニズムの説明図である。図5に示すように、配線基板50を構成する絶縁基材等の絶縁部51と、外部の絶縁物やほこり等の摩擦体53とが摩擦やはく離を起こすことで、それぞれの物体(絶縁部51と摩擦体53)に電荷が残留(帯電)する。図5では、摩擦体53に負電荷、配線基板50の絶縁部51に正電荷が帯電した例を示している。この帯電は正負の極性が入れ替わることもある。この帯電により、配線基板50のグラウンド配線やグラウンドプレーン等の導体部52は内部で電荷の移動が起こり、負電荷が絶縁部51の正電荷に引き寄せられることで分極が起こる。その結果、導体部52の下部には正電荷が現れる。
【0058】
ここで、絶縁部51の表面は高抵抗であるため、絶縁部51の一部が接地されても帯電電荷のほとんどは動けず、その場所にとどまる。これに引き寄せられて釣り合っている導体部52の負電荷は、絶縁部51の正電荷に釣り合っているので、急激な移動はできない。一方、導体部52に現れた正電荷は導体上を自由に動けるため、その一部が他の放電対象55等に触れると、急激な放電電流54によって電磁ノイズが発生する。本発明のコネクタカバー部材1は、こうした放電電流54をゆっくり流し、配線基板50の導体部52で自由に動ける電荷を除電する働きをするのである。
【0059】
本発明のコネクタカバー部材1は、こうした帯電・除電メカニズムに基づいて構成されたものであり、既に図2等で詳しく説明したように、静電気により配線基板50に帯電した電荷は、配線コネクタ30のグラウンド端子31や信号端子33から、コネクタカバー部材1の第1端子11や第3端子13を通って、抵抗体14、プリント配線材15、ワイヤー配線材22’を経由して外装部材16に達する。そのコネクタカバー部材1には作業者が触れるので、作業者の従来の除電経路を伝って除電される。
【0060】
また、コネクタカバー部材1が周囲の金属物、例えば機器のフレーム等に不意に接触した場合でも、内蔵した抵抗体14(又は所定の直列抵抗を持つコネクタカバー部材全体)が電荷の流れを制限するので、急激な電荷移動を発生させず、したがって、強烈な電磁ノイズの発生を防ぐことができる。これは、電磁誘導が電荷、電流、電束等の立ち上がり速度により左右されるからであり、抵抗体14(又は所定の直列抵抗を持つコネクタカバー部材全体)により抑制された立ち上がりは、そのまま電磁ノイズの低減を意味するからである。
【0061】
また、配線基板50にコネクタカバー部材1が取り付けられていることで、輸送時等に不意にコネクタ端子に触ることがなくなり、静電気によるLSI等の破壊を防止できる。仮にコネクタカバー部材1に帯電物が衝突した場合でも、内部の抵抗体14(又は所定の直列抵抗を持つコネクタカバー部材全体)による減衰効果が働き、LSI等の入力部へのストレスは軽減されることになる。
【0062】
(使用態様)
図6は、本発明のコネクタカバー部材を取り付けた配線基板の使用例を示す説明図である。図6に示すように、コネクタカバー部材1が取り付けられた本発明に係る配線基板61が運搬トレー60によって運ばれてきた場合、そうした配線基板61はコネクタカバー部材1を触って取り扱われる。このとき、配線基板61を取り扱う作業者は、背景技術として紹介したリストストラップ62等の除電装具を身につけていることから、リストストラップ62に取り付けられた抵抗体63を通じて、接地された電気回路が形成される。この抵抗体63は、一般にリストストラップ62に取り付けられているものであり、通常、1MΩ程度の抵抗値を持っている。こうした動作により、コネクタカバー部材1は除電効果を発揮する。図2等で既に説明したように、コネクタカバー部材1を備えた本発明に係る配線基板61は、配線コネクタ30のグラウンド端子31にコネクタカバー部材1の第1端子11が挿着され、その第1端子11から、抵抗体14、配線材15等を順次経由して、例えば導電部16’(導電性の外装部材16)に接続されている。このコネクタカバー部材1を作業者が触ることにより、図6の除電回路と合わせて除電経路が形成される。特に低湿環境の中で配線基板を取り扱うと、配線基板には従来同様、静電気が帯電し易いが、本発明によれば、作業者が配線基板を扱う際にコネクタカバー部材1に触れながら、或いは一時的に触れて作業することで、電荷は配線基板から人体を経由して除電される。さらに、コネクタカバー部材1が有する抵抗により人が感電したと自覚するほどの電気が流れない(ビリッとしない。)ので、人への影響も低減できる。
【0063】
つまり、図5の説明で発生した電荷は、コネクタカバー部材1の抵抗体14(又は所定の直列抵抗を持つコネクタカバー部材全体)とリストストラップ62の抵抗体63とを通して、放電電流54はゆっくり除電されるため、有害な電磁ノイズが発生しない。
【0064】
また、人手で扱わない場合において、配線基板50に取り付けたコネクタカバー部材1と放電対象55との接触が偶然に発生して、例えば図5のような放電電流54が流れる場合がある。そのような場合でも、内部の抵抗体14(又は所定の直列抵抗を持つコネクタカバー部材全体)の働きにより放電電流54の流れが抑制され、急激な流れにならないため、有害な電磁ノイズの発生が抑えられる。
【0065】
このように配線基板を扱って機器内に実装するまでは、本発明のコネクタカバー部材1を配線基板50に取り付けて本発明に係る配線基板61を構成しておく。そして、配線基板50を機器内に実装する際には、このコネクタカバー部材1を取り外し、代わりに正規のコネクタ(図示しない)を接続することになる。また、ここで外されたコネクタカバー部材1は、故障して取り外された配線基板に装着する等により、配線基板の供給元に返され、再利用することができる。
【0066】
以上まとめると、本発明のコネクタカバー部材1の第1の効果は、コネクタカバー部材を配線基板に取り付けることにより、配線基板に静電気による電荷が帯電した場合でも、その静電気を除電でき、その結果、機器の安定動作に影響を及ぼすような電磁ノイズの発生を低減することができる。
【0067】
第2の効果は、コネクタカバー部材を配線基板に取り付けることにより、信号端子がむき出しにならないことから、人体や什器等、外部の帯電物の接触や衝突等によるLSIの破壊を防止できる。その結果、コネクタカバー部材に外部から電荷が印加されても、内部に接続された抵抗体(又は所定の直列抵抗を持つコネクタカバー部材全体)が放電電流を制限するので、内部へのストレス低減を図ることができる。
【0068】
第3の効果は、コネクタカバー部材を配線基板に取り付けることにより、配線基板の各端子(グラウンド端子、電源端子、信号端子等)に外部からの機械的なストレスがかかることを防止でき、ピン曲がりなどを防止できる。
【0069】
第4の効果は、コネクタカバー部材を繰り返し使うことができるので、配線基板が備えるコネクタの種類と合致すれば、一度外したコネクタカバー部材であっても他の配線基板に繰り返し利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明のコネクタカバー部材の一例を示す分解構造図である。
【図2】本発明のコネクタカバー部の一例(ピン型コネクタ)と、そのコネクタカバー部材を取り付ける配線基板の例を示す模式的な構成図である。
【図3】本発明のコネクタカバー部材の他の一例(平型コネクタ)と、そのコネクタカバー部材を取り付ける配線基板の例を示す模式的な構成図である。
【図4】本発明のコネクタカバー部材の他の一例(多ピンコネクタ)と、そのコネクタカバー部材を取り付ける配線基板の例を示す模式的な構成図である。
【図5】配線基板の帯電・除電メカニズムの説明図である。
【図6】本発明のコネクタカバー部材を取り付けた配線基板の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1,1’,1” コネクタカバー部材
11 第1端子
12 第2端子
13 第3端子
14,14’ 抵抗体
15,15’ 配線材(プリント配線材)
16 外装部材
16a 箱部材
16b 蓋部材
16’ 導電部
17 絶縁基板
18,18’ 導電パッド
19,19’ 導電ネジ
20 止めネジ
21 基板ユニット
22,22’ ワイヤー配線材
23 コネクタカバー部材の端子
24 抵抗体
25 配線材
26 コネクタカバー部材の端子
30 配線コネクタ
31,31’ グラウンド端子
33,33’ 信号端子
34 配線コネクタの端子(多ピン)
50 配線基板
51 配線基板の絶縁部
52 配線基板の導体部
53 摩擦体
54 放電電流
55 放電対象
60 運搬トレー
61 コネクタカバー部材が取り付けられた配線基板
62 リストストラップ
63 抵抗体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板に設けられた配線コネクタが有するグラウンド端子に着脱可能に接続できる第1端子と、該第1端子に接続した抵抗体と、該抵抗体に配線材を介して接続した外装部材とを有し、前記配線コネクタに取り付けることによって前記配線基板に帯電した静電気を除去することを特徴とするコネクタカバー部材。
【請求項2】
前記配線コネクタが有する電源端子に着脱可能に接続できる第2端子をさらに有し、該第2端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続した、請求項1に記載のコネクタカバー部材。
【請求項3】
前記配線コネクタが有する信号端子に着脱可能に接続できる第3端子をさらに有し、該第3端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続した、請求項1又は2に記載のコネクタカバー部材。
【請求項4】
前記抵抗体と前記外装部材との直列抵抗値が10以上1011以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタカバー部材。
【請求項5】
前記外装部材の表面抵抗値が1011Ω以下で前記抵抗体の抵抗値が10Ω以上1011Ω以下、又は、前記外装部材の表面抵抗値が10Ω以上1011Ω以下で前記抵抗体の抵抗値が1011Ω以下である、請求項4に記載のコネクタカバー部材。
【請求項6】
前記外装部材が、掴持部材としての凹凸を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタカバー部材。
【請求項7】
配線基板に設けられた配線コネクタが有するグラウンド端子に着脱可能に接続した第1端子と、該第1端子に接続した抵抗体と、該抵抗体に配線材を介して接続した外装部材とを有するコネクタカバー部材が、前記配線コネクタに取り付けられていることを特徴とする配線基板。
【請求項8】
前記コネクタカバー部材が、前記配線コネクタが有する電源端子に着脱可能に接続した第2端子をさらに有し、該第2端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続した、請求項7に記載のプリント配線基板。
【請求項9】
前記コネクタカバー部材が、前記配線コネクタが有する信号端子に着脱可能に接続した第3端子をさらに有し、該第3端子を、抵抗体と配線材を介して前記外装部材に接続した、請求項7又は8に記載のプリント配線基板。
【請求項10】
前記抵抗体と前記外装部材との直列抵抗値が10以上1011以下である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−129500(P2010−129500A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305891(P2008−305891)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】