説明

コネクタチェッカ

【課題】電気機器内の端子に対してコネクタを接続する場合に、手動による差し込み接続
が、正規どおりに行なわれていなければ、この端子とコネクタの部分の電気抵抗が大きく
なり、この電気器具の使用のために通電されたとき、この部分が発熱して発火に至る虞が
ある。また、この手動による差し込み接続が正規どおりに行なわれなければ、電気接続不
良となって、この電気器具の正常な動作が得られなくなる虞もある。本発明では、端子と
コネクタの接続が正規通り行われたか否かをチェックする技術を提供する。
【解決手段】作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気的変化を検出する筋力
検出部と、前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較する比較部と、前記比
較部の出力に基づき所定の報知を行なう報知部からなるコネクタチェッカ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理機器等の電気機器の組み立ての際に行なわれる内部の電気配線の端子接
続が規定どおりに行なわれるためのコネクタチェッカに関する。
【背景技術】
【0002】
直流モータにより油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプによってオイルタンク内のオイルを
油圧シリンダ内に送ることによりピストンが進出し、押圧力を発生させて圧着を行なう電
動圧着工具において、油圧ポンプ等の油圧回路が寿命等により、十分な油圧を出力するこ
とができなかったときに生じる圧着不良を事前に把握するための技術がある。
この技術構成は、電動油圧圧着工具の油圧シリンダ8内の油圧を圧力センサ9で検出し
、又は、直流モータ13の駆動電流を電流検出器14で検出し、これらの検出電圧値が所
定電圧値を超えたかどうかの判定を比較回路10で行い、この比較回路10の判定結果に
応じてLED12を点灯させるものである。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−136420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1のものは、油圧ポンプ等の油圧回路が寿命等により十分な油圧を出力す
ることができなかったときに生じる圧着不良を事前に把握するための技術である。
しかし、調理機器等の電気機器の組み立ての際に行なわれる内部の電気配線の接続作業
において、作業者が手動にて、リード線に接続されたコネクタを部品等から突出した端子
へ差し込み接続することにより、電気接続が行われる組み立て作業が行なわれいる。この
作業は、例えば、調理機器内の奥側部分に固定した基板から突出した端子に対して、手を
差し入れてコネクタを差し込む作業等が行なわれる場合がある。
【0005】
調理機器等の電気機器において、端子とコネクタの接続が、振動等によって外れないよ
うにするために、例えば、78.4Nのように、かなり強い力によってコネクタと端子と
を接続しなければならない構成のものが採用されることが多々ある。
【0006】
本発明では、このように、強い力でコネクタと端子とを接続しなければならない電気接
続作業において、この手動による差し込み接続が、正規どおり確実に行なわれたか否かを
、作業者又は管理者が確認できるコネクタチェッカを提供するものである。
このため、上記のように、調理機器内の奥側部分において端子に対してコネクタを接続
する場合に、正規どおり確実に作業が行なわれたか否かを確認できる点で効果があるコネ
クタチェッカを提供できるものである。
【0007】
この手動による差し込み接続が、正規どおりに行なわれていなければ、この端子とコネ
クタの部分の電気抵抗が大きくなり、この電気機器の使用のために通電されたとき、この
部分が発熱して発火に至る虞がある。また、この手動による差し込み接続が正規どおりに
行なわれなければ、電気接続不良となって、この電気機器の正常な動作が得られなくなる
虞もある。
【0008】
また、端子とコネクタの接続が、振動等によって外れないようにするために、かなり強
い力で端子とコネクタの差し込み接続をしなければならない構成のものでは、作業者の手
に掛かる負担が大きく、この作業を継続して長時間行なう場合には、腱鞘炎になることが
危惧される。
本発明では、端子とコネクタの接続作業回数をカウントし、所定カウントに達したこと
を作業者又は管理者が確認することにより、このような腱鞘炎の予防を行なうことができ
る技術を提供できるものでもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明のコネクタチェッカは、作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気
的変化を検出する筋力検出部と、前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較
する比較部と、前記比較部の出力に基づき所定の報知を行なう報知部からなる。
【0010】
第2発明のコネクタチェッカは、作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気
的変化を検出する筋力検出部と、前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較
する比較部と、前記測定値が前記基準値以上のときの前記比較部の出力に基づき正規の作
業が達成できたことを報知する報知部からなる。
【0011】
第3発明のコネクタチェッカは、通常作業指定部と、基準値収集指定部と、作業者の手
または腕の筋肉の変化によって生じる電気的変化を検出する筋力検出部と、前記筋力検出
部によって得られる測定値を基準値と比較する比較部と、前記比較部の出力に基づき正規
の作業が達成できたことを報知する報知部を備え、前記基準値は、前記基準値収集指定部
による指定状態において、コネクタを端子に差し込む複数回の作業ごとに前記筋力検出部
によって得られる測定値が制御部にて算出された平均値であり、前記通常作業指定部によ
る指定状態において、前記測定値が前記基準値以上のときの前記比較部の出力に基づき正
規の作業が達成できたことを前記報知部にて報知することを特徴とする。
【0012】
第4発明のコネクタチェッカは、作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気
的変化を検出する筋力検出部と、前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較
する比較部と、前記比較部の出力に基づき正規の作業が達成できたことを報知する報知部
を備え、更に、コネクタを端子に差し込む複数回の作業ごとに前記筋力検出部によって得
られる測定値の平均値を算出すると共に、前記平均値を新たな基準値とする制御部を設け
たことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、コネクタを端子に差し込む複数回の作業ごとに、正規の力によってコ
ネクタが端子に差し込まれたか否かがチェックできるため、その作業ごとにコネクタと端
子の部分を目視確認する必要がなく、作業の効率化ができる。特に、配線基板が調理機器
の奥側に配置されているような電気機器では、コネクタと端子の部分を目視確認すること
ができないが、このような場合でも、報知部の報知状態によって、コネクタが端子に正規
の状態で差し込まれたことを確認できるものとなる。
【0014】
また、コネクタを端子に正規の状態に差し込むときに発生する電気信号は、作業者ごと
に異なり、また同じ作業者であってもその日の作業者の状態によって異なる。このため、
作業を行なう前や、その日の作業時間中等の適宜時点において、筋力検出部によって得ら
れる測定値の平均値を取って、これを基準値とすることにより、作業開始時または作業開
始からの所定時間間隔ごとに、自動的に基準値の補正ができることとなり、作業の体調変
化等による作業力の変化をキャッチし易くなり、チェックを的確に行なうことができ、安
定した作業チェックができるものとなる。
【0015】
なお、測定値が基準値以上のときの比較部の出力に基づき、正規の作業が達成できたこ
とを報知部にて報知し、測定値が基準値未満のときの比較部の出力に基づき、正規の作業
が未達成であることを報知部にて報知するようにすれば、作業が未達か達成できたかの判
断がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るコネクタチェッカの筋力検出部を有するバンドを作業者の手首に取り付けた説明図である。
【図2】図1のバンドを展開した図である。
【図3】本発明に係るコネクタチェッカの制御回路図である。
【図4】本発明が適用されるコネクタと端子の一つの形態を示す図である。
【図5】図4のコネクタが端子に挿入された部分の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のコネクタチェッカは、作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気的
変化を検出する筋力検出部1と、筋力検出部1によって得られる測定値を基準値と比較す
る比較部2と、比較部2の出力に基づき所定の報知を行なう報知部3からなる。
【実施例1】
【0018】
以下、具体的に本発明のコネクタチェッカCCKを説明する。筋力検出部1は、作業者
の手または腕に着脱自在な可撓性のバンド4に取り付けられており、作業者の手または腕
の筋肉の動き、即ち運動または変化によって生じる電気的変化を検出するものである。バ
ンド4は、両端部に接合部4A、4Bが形成され、接合部4A、4Bは、互いに重なり合
った状態で押し圧によって接合し、引き剥がし操作にてその接合が解除される面ファスナ
ーである。接合部4A、4Bの構成はこれに限らない。また、作業者の手または腕に着脱
自在であればよく、全体が伸縮自在な環状帯バンド構成でもよい。
【0019】
筋力検出部1は、作業者の手または腕の筋肉の動き、即ち運動または変化によって生じ
る電気的変化を検出するセンサ5Aと、センサ5Aで検出した電気的変化をアナログデー
タまたはデジタルデータに処理し、測定値のデータとして出力する第1制御部6を備え、
これらは電池7を電源として動作する。筋力検出部1は、センサ5Aによって、作業者の
手または腕の筋肉の動きによって生じる電気的変化を検出するものであり、このため、セ
ンサ5Aによる電気的変化として、歪センサによる電気的抵抗、圧電素子による電圧、人
体電流検知素子による電流、一対の電極間の静電容量検出センサによる静電容量、または
周波数センサにより変化する周波数等の、一つまたは複数で構成された測定データを検出
するものである。
【0020】
第1制御部6から出力される測定値のデータは、有線または無線によって第2制御部8
へ送られる。測定値のデータを無線によって送るためには、第1制御部6は、特定周波数
でもって測定値のデータを送信するための送信部を備えている。
【0021】
第2制御部8は、作業者の近くまたは、特定の管理者が認識できる場所に設置される。
第2制御部8は、主制御部9と、比較部2と、報知制御部3Aを備えている。主制御部9
には、スイッチで構成した通常作業指定部10と、スイッチで構成した基準値収集指定部
11と、測定値のデータと基準値のデータを記憶するメモリ12と、腱鞘炎防止用報知部
13が接続されている。
【0022】
報知部3は、報知制御部3Aと、報知制御部3Aに接続された光による報知用のLED
14A、14B、または音による報知用ブザー15を備えている。
【0023】
図4には、本発明が適用されるコネクタ16と端子17の一つの形態を示す図である。
端子17は電気部品であるコンデンサ18から突出形成され、コネクタ16は、絶縁被覆
されたリード線19の端部に、圧着または半田付けにて接続されている。コネクタ16は
、平板状のベース部16Bの左右両側に内側に湾曲した包持部16Aを一体に形成してお
り、端子17にコネクタ16を差し込んだ状態で、図5に示すように、左右の包持部16
Aの若干の弾性を利用して、左右の包持部16Aの内側端部16Cとベース部16Bとで
、端子17を挟持するものである。
【0024】
電気器具の一つとして、鍋等を加熱するための誘導加熱コイルを備えた電磁調理機器に
あっては、誘導加熱コイルへ電力を供給する電気回路の中に組み込まれる部品の一つとし
て、コンデンサ18が接続されるが、このコンデンサ18の端子17へコネクタ16を接
続することにより、所定の回路が形成される。この場合、コンデンサ18は電磁調理機器
の奥側に取り付けた基板に支持されており、この状態で、作業者はコンデンサ18の端子
17へコネクタ16を接続する。この接続は作業者が手を挿入して行なうため、端子17
とコネクタ16の接続が正規の通り行われていることの確認が必要である。本発明は、こ
の確認を的確に行なえるものである。
【0025】
この接続作業において、コンデンサ18の端子17へコネクタ16を接続するために必
要な最低限の挿入力を設定し、これを基準値とする。例えば、調理機器等の電気器具にお
いて、端子17とコネクタ16の接続が、振動等によって外れないようにするために、端
子17とコネクタ16の接続を正規の状態に行うためには、例えば、78.4Nのように
、かなり強い力によってコネクタ16と端子17とを接続しなければならない構成のもの
が採用されることが多々ある。この場合、基準値を78.4Nと設定すればよい。
【0026】
そして、実際の作業において行なわれるところの端子17へコネクタ16を接続する挿
入力を測定値として、この測定値が基準値以上であれば、端子17へコネクタ16が正規
の状態に挿入されたと判定し、もしこの測定値が基準値に達しなければ、端子17へコネ
クタ16が正規の状態に挿入されなかったと判定する。このいずれかの判定または両方の
判定に基づき、光、音等による報知を行なうことにより、作業が正規に行われたか否かを
その作業者又は管理者が把握できるものとなる。
【0027】
前記基準値と後述の測定値とを比較部2で比較するために、前記基準値は、測定値が電
気的抵抗、電圧、電流、静電容量、または周波数等の一つまたは複数で構成される場合は
、これと同質の値である。前記基準値は、アナログデータまたはデジタルデータのいずれ
でもよいが、基準値設定キーを設けた装置を準備すれば、この基準値設定キーを操作して
基準値を入力し、これをメモリ12に格納する。しかし、この方式では基準値設定キーを
設けた装置が必要となるため、これに替わる方式として、図1乃至図3に示すコネクタチ
ェッカCCKによって、実際の作業を行なう前の予備作業において収集した値の平均値を
基準値とするために、基準値設定作業を行なう方式を採用することができる。
【0028】
この基準値設定キーを設けた装置を必要としない方式について、以下に説明する。バン
ド4を作業者の手または腕に巻いた状態に取り付ける。リセットスイッチ20を押してコ
ネクタチェッカCCKをリセットする。この状態で、基準値収集指定部11のスイッチを
押してONさせることにより、基準値設定モードとなる。基準値収集指定部11のスイッ
チは、押したときのみONし押圧を解除したときOFFするスイッチである。この基準値
設定モードにおいて、作業者は、端子17へコネクタ16を接続する作業を複数回行なう
。例えば10回の作業を行なうことにより、筋力検出部1によって、作業者の手または腕
の筋肉の動きによって生じる電気的抵抗、電圧、電流、静電容量、または周波数等の一つ
または複数で構成された10個の測定値としてのデータが第1制御部6から主制御部9へ
入力され、この平均値がメモリ12に記憶される。この平均値が基準値データとなる。
【0029】
このようにして基準値デーを取ったのち、通常作業指定部10のスイッチを押してON
させることにより、通常作業モードとなる。通常作業指定部10のスイッチは、押したと
きのみONし押圧を解除したときOFFするスイッチである。この状態で実際の作業を始
める。通常作業モードにおいて、作業者は端子17へコネクタ16を接続する作業を行な
う。作業者が端子17へコネクタ16を接続するごとに、筋力検出部1によって、作業者
の手または腕の筋肉の動きによって生じる電気的抵抗、電圧、電流、静電容量、または周
波数等の一つまたは複数で構成された測定値としてのデータが第1制御部6から主制御部
9へ入力され、この測定値のデータがメモリ12に記憶されると共に、この作業ごとの回
数(作業回数という)が、主制御部9に含まれるカウンタ部9Aによってカウントされる

【0030】
そして、この測定値のデータは、主制御部9によってメモリ12から読み出された基準
値データと比較部2で比較される。比較部2での比較によって、測定値が基準値以上であ
れば、端子17へコネクタ16が正規の状態に挿入されたことであり、そのときの比較部
2の出力が報知制御部3Aへ入力され、青色発光のLED14Aが発光して、端子17へ
コネクタ16が正規の状態に挿入されたことを光によって報知する。また、LED14A
の発光と共に、またはLED14Aの発光の替わりに、報知用ブザー15を動作して、端
子17へコネクタ16が正規の状態に挿入されたことを音により報知する。この報知によ
って、作業者又は管理者は、端子17へコネクタ16が正規の状態に挿入されたことを認
識でき、次の作業に取り掛かることができる。
【0031】
また、比較部2での比較によって、測定値が基準値未満であれば、端子17へコネクタ
16が正規の状態に挿入されなかったことであり、そのときは比較部2の出力が生じない
ので、作業者は、比較部2の出力が生じるまで、端子17へコネクタ16を挿入する作業
を行なうこととなる。
【0032】
なお、比較部2は、測定値データと基準値データとの比較に応じた出力を発生するよう
にすれば、測定値が基準値未満の範囲では、その出力レベルが報知制御部3Aの閾値に達
しないため、報知制御部3Aによって赤色発光のLED14Bが発光して、端子17へコ
ネクタ16が正規の状態に挿入されない状態を報知する。そして、測定値が基準値以上で
あれば、その出力レベルが報知制御部3Aの閾値に達するため、報知制御部3Aによって
青色発光のLED14Aが発光して、端子17へコネクタ16が正規の状態に挿入された
ことを光によって報知する。また、LED14Aの発光と共に、またはLED14Aの発
光の替わりに、報知用ブザー15を動作して、端子17へコネクタ16が正規の状態に挿
入されたことを音により報知する。この報知によって、作業者又は管理者は、端子17へ
コネクタ16が正規の状態に挿入されたことを認識でき、次の作業に取り掛かることがで
きる。
【0033】
また、端子17へコネクタ16を挿入する作業回数は、カウンタ部9Aによってカウン
トされる。このカウントされた回数が、所定回数(これは、腱鞘炎になる虞がある基準と
なる回数である)以上になれば、そのときのカウンタ部9Aの出力によって、腱鞘炎防止
用報知部13が動作して、赤色や橙色等目立つ発光のLEDを発光し、またはブザー等の
警報器が動作して、警報を発する。この警報によって、腱鞘炎防止のためにそのときの作
業者の交代か、その作業の停止等の措置を講じることができる。
【0034】
上記では、筋力検出部1と第2制御部8とを分離した構成において説明したが、筋力検
出部1と第2制御部8が半導体集積回路構成によって小型化されることによって、バンド
4に取り付けられたハンディタイプの構成であってもよい。
【0035】
上記の場合は、端子17へコネクタ16を挿入する実際の作業を行なう前の予備作業に
おいて収集した値の平均値を基準値としているが、一人の作業者が継続して端子17へコ
ネクタ16を挿入する作業を行なう場合は、作業者の体調変化や時間の経過によって、正
規の状態に端子17へコネクタ16を挿入する作業力が変化する。また、端子17へコネ
クタ16を挿入する作業者を、その日の途中から交代する場合や、日によって異なる作業
者が行う場合は、その作業者によって端子17へコネクタ16を挿入する作業力が変化す
る。このため、基準値として平均値を算出する場合は、それに適応した状態での基準値と
することがより好ましいものとなる。このための方式を以下に説明する。
【0036】
これは、基準値取得を予備作業において行なうことなく、コネクタを端子に差し込む実
際の作業時間中において、基準値取得を行なう。このため、コネクタを端子に差し込む作
業ごとに筋力検出部1によって得られる測定値、即ち、筋力検出部1によって、作業者の
手または腕の筋肉の動きによって生じる電気的抵抗、電圧、電流、静電容量、または周波
数等の一つまたは複数で構成された10個の測定値としてのデータが第1制御部6から主
制御部9へ入力され、この平均値がメモリ12に記憶される。この平均値が基準値データ
となる。基準値取得を実際の作業時間中において行なうものであるため、この基準値取得
は、その日の作業開始時点からの筋力検出部1によって得られる測定値の所定回数の平均
値を取る場合と、その日の作業開始から所定の作業回数ごとに筋力検出部1によって得ら
れる測定値の所定回数の平均値を取る場合と、またはその日の所定時刻ごとに筋力検出部
1によって得られる測定値の所定回数の平均値を取る場合と、またはその日の作業開始か
ら所定時間ごとに筋力検出部1によって得られる測定値の所定回数の平均値を取る場合の
いずれでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係るコネクタチェッカは、上記実施例に示した構成に限定されず、本発明の技
術範囲において種々の形態を包含するものである。このため、端子17へコネクタ16を
挿入する作業箇所は、電磁調理機器のコンデンサ18に限らず、他の電機機器における端
子とコネクタの接続であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・・筋力検出部
2・・・・・比較部
3・・・・・報知部
3A・・・・報知制御部
4・・・・・バンド
5A・・・・センサ
6・・・・・第1制御部
7・・・・・電池
8・・・・・第2制御部
9・・・・・主制御部
10・・・・通常作業指定部
11・・・・基準値収集指定部
12・・・・メモリ
13・・・・腱鞘炎防止用報知部
14A、14B・・・・報知用のLED
15・・・・報知用ブザー
16・・・・コネクタ
17・・・・端子
18・・・・コンデンサ
19・・・・リード線
20・・・・リセットスイッチ
CCK・・・コネクタチェッカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気的変化を検出する筋力検出部と、
前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較する比較部と、前記比較部の出力
に基づき所定の報知を行なう報知部からなるコネクタチェッカ。
【請求項2】
作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気的変化を検出する筋力検出部と、
前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較する比較部と、前記測定値が前記
基準値以上のときの前記比較部の出力に基づき正規の作業が達成できたことを報知する報
知部からなるコネクタチェッカ。
【請求項3】
通常作業指定部と、基準値収集指定部と、作業者の手または腕の筋肉の変化によって生
じる電気的変化を検出する筋力検出部と、前記筋力検出部によって得られる測定値を基準
値と比較する比較部と、前記比較部の出力に基づき正規の作業が達成できたことを報知す
る報知部を備え、前記基準値は、前記基準値収集指定部による指定状態において、コネク
タを端子に差し込む複数回の作業ごとに前記筋力検出部によって得られる測定値が制御部
にて算出された平均値であり、前記通常作業指定部による指定状態において、前記測定値
が前記基準値以上のときの前記比較部の出力に基づき正規の作業が達成できたことを前記
報知部にて報知することを特徴とするコネクタチェッカ。
【請求項4】
作業者の手または腕の筋肉の変化によって生じる電気的変化を検出する筋力検出部と、
前記筋力検出部によって得られる測定値を基準値と比較する比較部と、前記比較部の出力
に基づき正規の作業が達成できたことを報知する報知部を備え、更に、コネクタを端子に
差し込む複数回の作業ごとに前記筋力検出部によって得られる測定値の平均値を算出する
と共に、前記平均値を新たな基準値とする制御部を設けたことを特徴とするコネクタチェ
ッカ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−186632(P2010−186632A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29840(P2009−29840)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】