説明

コネクタ及び検出スイッチ

【課題】挿抜されるメモリカード等の電子部品の装着状態を好適に検出することができ、且つ、実装スペースの省スペース化を実現すること。
【解決手段】カード検出スイッチ160Aは、挿入口101を介してハウジング110の収容部102にメモリカード20が装着状態を検出する。カード検出スイッチ160Aは可動端子161と固定端子162とを有し、可動端子161は、挿入されるメモリカード20により押圧されて変位するカード接触部163aとカード接触部163aの変位に伴いカード接触部163aの変位方向と同方向に変位する可動接点部164aとを有する。固定端子162は、ハウジング110に、可動接点部164aの変位方向と交差する方向に突出して配置され、可動接点部164aが変位して摺動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入されるメモリカード等の電子部品を検出する検出スイッチを有するコネクタ及び検出スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からデジタルカメラなどのデータの記憶媒体として、樹脂製の薄板状の筐体を有するメモリカードが広く用いられており、種々の種類や規格の小型のメモリカードが知られている。最近では、携帯電話用のデータの記憶媒体としてもメモリカードが用いられており、非常に小型のメモリカードも市販されている。
【0003】
これらのメモリカードを記憶媒体とするデジタルカメラや携帯電話などの電子機器には、メモリカード用のコネクタ(コネクタ)が設けられ、メモリカードは、メモリカードコネクタに挿入することで電子機器に装着される。
【0004】
このようなメモリカードコネクタには、例えば、特許文献1に示すように、コネクタ本体に挿入されるメモリカードが接点部分を接離させることにより、メモリカード自体の状態を電気的に検出する検出スイッチが設けられている。検出スイッチとしては、カード挿入を検出するカード検出スイッチがある。
【0005】
図11は、従来のメモリカードコネクタにメモリカードが挿入されたことを検出するカード検出スイッチの従来構成を示す図である。
【0006】
図11に示す従来のカード検出スイッチ1は、コネクタ本体3において、装着されるメモリカード2の挿入方向に沿って延在する一方の案内側壁4側に設けられている。
【0007】
カード検出スイッチ1は、コネクタ本体3の案内側壁4に沿って配置された第2接点部材5と、第2接点部材5に対して幅方向に並べて離間して配置された第1接点部材6とから構成されている。
【0008】
第1接点部材6は、コネクタ本体3の幅方向で第2接点部材5に対向し、案内側壁4側から挿入経路内に突出する折曲部7を有する。
【0009】
メモリカード2が装着位置に在るときは、第1接点部材6の折曲部7がメモリカード2の側面によって押され、これにより折曲部7の基端が第2接点部材5に当接し、第1接点部材6と第2接点部材5は電気的に導通状態(クローズ)となる。
【0010】
このように従来のメモリカードコネクタでは、挿入方向に沿う一方の案内側壁4側において、初期状態では、第2接点部材5と第1接点部材6は電気的に遮断状態(オープン)である。これに対して、メモリカードが挿入されると、第1接点部材6が側方に撓むことで第2接点部材5に接触し、第2接点部材5と第1接点部材6は電気的に導通状態となる。また、メモリカード2をコネクタ本体3から抜去すると、第1接点部材6の折曲部7は復帰して第1接点部材6と第2接点部材5は電気的に遮断状態となる。このようにして、メモリカードの挿入を検出している。なお、これら第1接点部材6と第2接点部材5の終端は、コネクタ本体3が実装される図示しないプリント基板のカード検出回路に接続されている。
【0011】
この従来のメモリカードコネクタにおいて、第2接点部材5が可撓性を有する材料で形成されている場合、第1接点部材6の折曲部7によって、メモリカード2の側方、つまり、当該メモリカード2から離間する方向に撓むことになる。これにより第1接点部材6及び第2接点部材5の接点同士はワイピング(摺動)して接触させることができ、樹脂製のカード側面と第1接点部材6との接触によって発生するカードの削りカスが接点同士に介在することによって生じる接触不良を防止できる。
【0012】
カードの挿入によって接触する接点部材同士が摺動する、所謂ワイピングの機能を有する構成として特許文献2に開示された検出スイッチが知られている。
【0013】
特許文献2の検出スイッチでは、第1接点部材は、カードの挿入方向に沿って揺動自在に配置され、前端部がカードの面方向で屈曲ないし湾曲成形されており、その縁に第1接点が形成されている。また、第2接点部材は、後端部をカードの厚さ方向で屈曲ないし湾曲成形されており、その縁に、第1接点と対向する第2接点を有する。特許文献2では、カード挿入によって第1接点部材は撓み、第1接点がカードの側方に変位して、第2接点を押圧して、第2接点は、カードの厚さ方向に変位する。このように特許文献2ではカー挿入によって第1接点と第2接点とは互いに摺動(ワイピング)しながら接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−22870号公報
【特許文献2】特開2002−324629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、近年、メモリカードが搭載される電子機器の小型化が図られ、これに伴って電子機器にメモリカードを搭載するためのメモリカードコネクタ自体の小型化、実装スペースの省スペース化が望まれている。
【0016】
従来の特許文献1及び特許文献2のメモリカードコネクタは、メモリカードの挿入によってカードの側方に可動する第1接点部材の可動領域と、第1接点部材に接触してカードの側方又はカードの厚み方向に撓む第2接点部材の可動領域と有する。
【0017】
このため、コネクタ本体において、挿入されるメモリカードの側方で、第1接点部材の可動及び第2接点部材が撓むためのスペースの双方を確保する必要があり、コネクタ自体の外形を大きくしてしまい、コネクタの小型化が困難であるという問題がある。
【0018】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、挿抜されるメモリカード等の電子部品の装着状態を好適に検出することができ、且つ、実装スペースの省スペース化を実現するコネクタ及び検出スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のコネクタは、挿入口から挿入される電子部品を収容する収容部を構成するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記電子部品の装着状態を検出する検出スイッチと、を有し、前記検出スイッチは、挿入される前記電子部品により押圧されて変位する接触部と前記接触部の変位に伴い前記接触部の変位方向と同方向に変位する可動接点部とを有する可動端子と、前記ハウジングに、前記可動接点部の変位方向と交差する方向に突出して配置され、前記可動接点部が変位して摺動する固定端子とを備える構成を採る。
【0020】
本発明の検出スイッチは、挿入口を介して電子部品が挿入されるコネクタのハウジングに設けられ、挿入される前記電子部品を検出する検出スイッチにおいて、挿入される前記電子部品により押圧されて変位する接触部と前記接触部の変位に伴い前記接触部の変位方向と同方向に変位する可動接点部とを有する可動端子と、前記ハウジングに、前記可動接点部の変位方向と交差する方向に突出して配置され、変位する前記可動接点部が摺動する固定端子とを有する構成を採る。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、挿抜されるメモリカード等の電子部品の装着状態を好適に検出することができ、且つ、実装スペースの省スペース化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコネクタと当該コネクタに装着されるメモリカードとを示す斜視図
【図2】同コネクタにおいて検出スイッチを備えるハウジングの斜視図
【図3】同コネクタのハウジングの平面図
【図4】同コネクタのハウジングの正面図
【図5】同コネクタに装着されるメモリカードを示す平面図
【図6】ハウジングの切欠部を示す図3のA−A線矢視端面図
【図7】固定端子と可動端子の接点部との位置関係を示す図
【図8】コネクタにおけるカード検出スイッチの動作の説明に供する図
【図9】コネクタにおけるカード検出スイッチの動作の説明に供する図
【図10】コネクタにおけるカード検出スイッチの動作の説明に供する図
【図11】従来のメモリカードコネクタにおけるメモリカード挿入を検出するカード検出スイッチの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、コネクタを、挿入される電子部品をメモリカードとしたカードコネクタとして説明するが、これに限らない。コネクタは、挿入される電子部品の装着状態を検出する機能を有する構成であれば、どのような電子部品に対して用いられるコネクタとしてもよい。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態に係るコネクタと当該コネクタに装着されるメモリカードとを示す斜視図、図2は同コネクタにおいて検出スイッチを備えるハウジングの斜視図である。図3は、同コネクタのハウジングの平面図であり、図4は同コネクタのハウジングの正面図である。なお、本実施の形態では、メモリカードが挿入される挿入口101を前とし、この前を基準にコネクタの後、左、右を規定する。
【0025】
図1に示すカードコネクタ100は、ハウジング110(図2参照)にシールドカバー180を被せることによって、一側面部分に形成された挿入口101から挿入されるメモリカード20を収容する矩形板状をなす。カードコネクタ100は、図2及び図3に示すように、内部に検出スイッチ160A、160Bを備える。
【0026】
ハウジング110は、図2に示すように合成樹脂等の絶縁材により前面と上面とを開口した箱状に形成され、肉薄の底板部120、両側壁部130、140及び後端側壁部150を備える。このハウジング110に、下方に開口する断面コ字状のシールドカバー180(図1参照)を上方から被せることによって、挿入されるメモリカード20を収容する収容部102が形成されている。
【0027】
なお、このカードコネクタ100は、挿入されるメモリカード20の形状に対応して形成されている。カードコネクタ100に装着されるメモリカード20は、一般的に、データの消去・書き込みを自由に行なうことができ、電源を切っても内容が消えないフラッシュメモリ(Flash Memory)を備えるものである。ここでメモリカード20ついて説明する。
【0028】
図5は本発明の一実施の形態に係るコネクタに装着されるメモリカードを示す平面図である。
【0029】
図5に示すように、メモリカード20は、内部にIC(図示しない)を収容した樹脂製の薄板状をなし、一方の面(裏面)の先端部には、ハウジング110の複数のコンタクトピン170とそれぞれ接続する電極(パット)21が幅方向に複数並べて配設されている。また、メモリカード20の両側部22、23には長手方向に沿って一方の面(裏面)側と側方(幅方向)に開口する溝が形成されている。
【0030】
平面視矩形板状のメモリカード20には、先端部20aの他側部(表面20b側から見たメモリカード20において、カードコネクタ100に対する挿入方向を先端側とした右側部)22側の角部を切り欠いてなる切欠部24が形成されている。この切欠部24によりメモリカード20の先端部20aは、先端に向かって基端部側よりも幅が狭くなっている。
【0031】
また、メモリカード20の一側部(挿入方向側を先端側とした左側部)23には、カード書き込み禁止を示す識別部として機能する凹部25が形成されている。この凹部25に隣接して識別片26が配置され、識別片26は、メモリカード20の他側部23の延在方向に沿って凹部25側にスライド移動する。この識別片26をスライド移動させることによって凹部25は閉塞され、凹部25内における識別片26の位置に応じてカード20への書き込みの可否は変更される。
【0032】
メモリカード20は、自由にデータの読み書きが行えるものであるが、複写が自由にできないものであってもよい。このメモリカード20は、SDカード(Secure Digital memory card)としているが、これに限らず、PCカード,コンパクトフラッシュ(登録商標)カード,スマートメディア、メモリースティック等としてもよい。
【0033】
メモリカード20が装着されるハウジング110には、図2及び図3に示すように、底板部120の後端側に、幅方向に並べて複数のコンタクトピン170が設けられている。これらコンタクトピン170は、それぞれ可撓性を有し、底板部120から上方に突出して設けられている。コンタクトピン170の突出する接点部171は、収容部102内において、メモリカード20のパット(図参照)に対応する位置に配置され、それぞれ下方に移動自在な接点部171である。これら接点部171は、収容部102に収容されるメモリカード20の電極21(図5参照)に押圧されることで、電極21と対応する組同士で接触して、それぞれ電気的に接続される。
【0034】
なお、ハウジング110に取り付けられるコンタクトピン170は、ハウジング110に取り付けられる他の導電性部品とともに、インサート成形によってハウジング110に組み付けられる。
【0035】
ハウジング110において底板部120の両辺から立ち上がる両側壁部130、140は、カード挿入口101からコネクタ100内に挿入されるメモリカード20を後端側壁部150側に案内する。
【0036】
具体的には、右側壁部130及び左側壁部140には、それぞれ内壁面の下辺部から収容部102側に突出するガイドレール133、143が設けられている。これらガイドレール133、143は、ハウジング110の内側で、両側壁部130、140の下辺部に沿って延在し、それぞれの上面で、挿入口101から挿入されるメモリカード20の両側部23、22を収容部102内へ好適に案内する。これにより、メモリカード20が収容部102に収容された際に、ガイドレール133、143のそれぞれの上面上には、メモリカード20の両側部22、23が配置される。ここでは、ガイドレール133、143は、メモリカード20の両側部22、23(図5参照)に形成された溝部に沿って摺動する。
【0037】
ハウジング110における両側壁部130、140のうち一方の側壁部、ここでは右側の側壁部130には、隔壁部190によって、収容部102に対して仕切られた切欠部134、135が形成されている(図3参照)。
【0038】
切欠部134、135は、図3に示すように、側壁部130内に、隔壁部190を挟み収容部102に沿って形成され、それぞれ挿入口101側で収容部102と連通している。切欠部134、135の収容部102との連通部分は、当該連通部分に隣接する部分を含むガイドレール133の一部及び底板部120の一部を挿入口101側に切り欠くとともに挿入方向側に隔壁部190に沿って底板部120を切り欠いてなる開口部124、126と連通している。切欠部134、135は、開口部124、126とともに、ハウジング110に検出スイッチ配設領域を形成している。
【0039】
これら検出スイッチ配置領域に、カード検出スイッチ160A及びカード書込要否検出スイッチ(「書込可否検出スイッチ」ともいう)160Bが右側壁部130の延在方向、つまり挿入方向に沿って配置されている。
【0040】
図6は、ハウジングの切欠部134、135を示す図3のA−A線矢視端面図である。
【0041】
図2,図3及び図6に示す切欠部134、135内に、当該右側壁部130に沿ってカード検出スイッチ160A及びカード書込可否検出スイッチ160Bの可動接点部164aが配置されている。
【0042】
図2、図3及び図6に示す検出スイッチ160A、160Bは、収容部102に挿入されるメモリカード20を電気的に検出する。具体的には、カード検出スイッチ160Aは、収容部102に挿入されるメモリカード20(図5参照)自体を検出し、書込可否検出スイッチ160Bは、挿入して装着されるメモリカード20の識別片26(図5参照)の位置を検出する。
【0043】
カード検出スイッチ160A及び書込可否検出スイッチ160Bは、略同様の構成、機能を有し、略同様に取り付けられているため、カード検出スイッチ160Aの構成のみ説明し、書込可否検出スイッチ160Bは省略する。
【0044】
カード検出スイッチ160Aは、図3及び図6に示すように、収容部102内で揺動自在に配置され、挿入されるメモリカード20に押圧されて可動する可動端子161と、ハウジング110側に固定された固定端子162とを備える。
【0045】
可動端子161及び固定端子162はそれぞれ金属板を加工してなる。
【0046】
可動端子161は、図2及び図3に示すように、挿入されるメモリカード20に接触するカード接触部163aと、カード接触部163aへの接触により固定端子162に接離する可動接点部164aとを有する。
【0047】
可動端子161は、可撓性を有する長尺の導電性部材(ここでは金属板)からなり、ガイドレール133の一部(第1ガイドレール133a)からオーバーハングした状態で設けられ、弾性変形して先端部側は、検出スイッチ配置領域内において揺動自在となっている。なお、書込可否検出スイッチ160Bでは、可動端子161は、第2ガイドレール133b(図2及び図3参照)から突出して設けられている。
【0048】
具体的に、可動端子161は、第1ガイドレール133aの奥側端面から挿入方向に沿って、第1ガイドレール133aの延長線上に延在して設けられ、先端部を、カード挿入領域に連通する収容部102内に配置させた可動アーム部163を有する(図2及び図3参照)。
【0049】
図2、図3及び図4に示すように、収容部102に配置される可動アーム部163の先端部が、収容部102に挿入されるメモリカード20に接触するカード接触部163aとなっている。
【0050】
カード接触部163aは、第1ガイドレール133aに沿って配置され、先端部を収容部102側に折曲することより形成されてなり、挿入方向に沿って上方に傾斜する傾斜面を有する。この傾斜面で、収容部102内に挿入されるメモリカード20に接触し、メモリカード20に挿入方向に押圧されることによってカード接触部163aは、収容部102から底板部120側に移動する。
【0051】
このように可動アーム部163は、ハウジング110に対して、挿入口101側から挿入方向に沿って延在し、基端部側を中心に揺動して、収容部102に位置する先端部のカード接触部163aを収容部102内から離間する方向に変位自在に設けている。
【0052】
また、可動アーム部163には、先端部に可動接点部164aが形成され、且つ、可動アーム部163の延在方向に沿って延在する接点アーム部164が連結されている。
【0053】
接点アーム部164は、図2、図3及び図6に示すように、右側壁部130内に、収容部102に沿って形成された切欠部134内に配置され、可動アーム部163とともに揺動自在となっている。
【0054】
接点アーム部164は、可動アーム部163の延在方向と交差する方向、ここでは、右側壁部130側に延びる連結片部164bを介して、可動アーム部163に沿って延在する接点アーム部本体164cを有する。この接点アーム部本体164cの先端部に可動接点部164aが形成されている。
【0055】
連結片部164bは、開口部124と切欠部134とを連通させる連通口内に配置されている。なお、この連通口は、挿入方向側の両側で、右側壁部130と、切欠部134及び収容部102を仕切る隔壁部190とにより仕切られている。
【0056】
接点アーム部本体164cは、図6に示すように連結片部164bの先端部から、メモリカード20の挿入方向、つまり、ハウジング110の後方に向かって延在しており、ここでは、可動アーム部163と平行に配置されている。
【0057】
接点アーム部164(具体的には接点アーム部本体164c)は、ここでは、平面視して、可動アーム部163よりも長尺に形成され、先端の可動接点部164aが、可動アーム部163の先端のカード接触部163aよりも後方に位置している(図3参照)。
【0058】
本実施の形態の可動端子161では、接点アーム部164を、平面視して、可動接点部164aの位置が、カード接触部163aから、可動アーム部163の基端部からカード接触部163aまでの長さに相当する長さ分、後方に位置するように形成されている。
【0059】
このように、可動アーム部163では、揺動中心となる基端部から可動接点部164aまでのスパンが、基端部からカード接触部163aまでのスパンよりも長くなるように形成されている。これにより、可動アーム部163では、基端部を中心に一定範囲可動した際に、可動アーム部163における先端側のカード接触部163aの変位量よりも接点アーム部164における先端部である可動接点部164aの変位量が大きくなっている。
【0060】
可動端子161では、一枚の金属板を加工することによって可動アーム部163、接点アーム部164、可動接点部164a、連結片部164bが形成されている。すなわち、可動端子161は、金属板を加工して帯状部分の中央部分から一側方に分岐する分岐帯状部を備えた帯状加工体を形成し、この帯状加工体において、帯状部分を可動アーム部163とし、分岐後の部分であって、水平方向に分岐する分岐帯状部を板状の連結片部164bとし、水平方向に突出する連結片部164bの先端部を折曲して立ち上げることによって接点アーム部164の基端部を形成し、この基端部から、可動アーム部163の長手方向に沿って延在する棒状部材を接点アーム部164の本体とする。この接点アーム部164は、可動アーム部163と並行に延在し、可動アーム部163よりもコネクタの奥側に長く、棒状部材の先端部分を可動接点部164aとして形成する。
【0061】
なお、可動アーム部163と連結片部164bとの接合部分は、リブ161cにより補強されている。
【0062】
このように構成された可動端子161において、切欠部134内に配置される可動接点部164aの軌道上には固定端子162が配置されている。
【0063】
図7は、固定端子と可動端子の接点部との位置関係を示す図であり、両者の接点部分をコネクタの奥側から見た要部断面図である。
【0064】
図7に示すように固定端子162は絞り形状をなし、後端側壁部150と右側壁部130との角部分を切り欠いてなる切欠部134の領域内に、切欠部134の側面から可動端子161の可動接点部164aの移動領域と交差するように突出して設けられている。
【0065】
ここでは、固定端子162において切欠部134の側面(具体的には切欠部134を左側で仕切る後端側壁部150の部分)からの突出方向は、可動接点部164aの移動方向に沿って下るように傾斜する方向である。これにより、可動接点部164aは可動して、固定端子162に当接し、当該固定端子162を傾斜方向に摺動しつつ接触状態で固定される。
【0066】
ここでは、固定端子162は、切欠部134の側方の鉛直壁面に対して45度以上の傾きで突出して形成されている。固定端子162は、後端側壁部150に、水平面に対して40度以上90度未満の角度で設けられており、ここでは、固定端子162は後側壁部において切欠部134を左側で仕切る壁面部分に、挿入方向に沿って延在する鉛直面に対して略45度で傾斜するように設けられている。
【0067】
固定端子162は、常態時では、切欠部134内において、可動接点部164aの下方に配置される。固定端子162の上面(詳細には、可動接点部164aとの対向面)には、上端が湾曲し且つ、傾斜方向に延在する突部が形成されている。この突部が、可動接点部164aにおいて面取りされた湾曲する角部164f(図8参照)と接触する。
【0068】
固定端子162は、カード非装着時には、可動端子161と接触していない。つまり、カード検出スイッチ160Aは、カード非装着時にはオフ(電気的に遮断状態)であるノーマルオープンスイッチとしている。
【0069】
このようにハウジング110において、可動端子161の可動接点部164aと固定端子162とが接触する領域であるスイッチ接点部分(接点領域に相当)と、可動端子161のカード接触部163aと挿入されるメモリカード20とが接触する領域であるカード接触部分(接触領域に相当)とは、スイッチ接点部分とカード接触部分とを結ぶ直線上に配置された隔壁部190によって仕切られている。言い換えれば、隔壁部190は、カード接触部163aにおいて接触相手(メモリカード20)に接触する部分と、可動接点部164aと固定端子162との接点部分と、を結ぶ略直線上に、略直線と交差して設けられている。
【0070】
隔壁部190は右側壁部130の一部であり、連通口を挿入方向側で仕切る端部には、挿入口側につれて、収容部102から離間する幅方向に傾斜する傾斜面192を備える(図2参照)。
【0071】
すなわち、隔壁部190は、当該隔壁部190とハウジング110の幅方向で隣り合う収容部102を、ハウジング110の後方、つまり挿入方向に向かって狭くなるように画成している。この傾斜面192によって挿入されるメモリカード20を好適に収容部102内に案内させることができる。なお、隔壁部190は、ハウジング110と一体的に形成され、ハウジング110にインサート成形で設けられる導電性を有する金属材(ここでは金属板)により補強されている。詳細には、隔壁部190は、底板部120に略面一に埋設された金属板を折曲して挿入方向に延在するように立ち上がる金属片と、金属片を覆う樹脂材とにより形成されている。よって、隔壁部190は、内部の金属片により補強された状態になっている。
【0072】
また、ハウジング110における両側壁部130、140のうち他方の側壁部(左側壁部140)140側には、図示しないが、カードの挿抜によりハウジング底面上をメモリカードの挿抜方向に沿って前後に移動するスライダと、スライダをメモリカード挿入口側に向けて付勢するコイルスプリングとを含むイジェクト機構が配設される。なお、イジェクト機構は、メモリカードを、コネクタ100に完全に挿入された挿入完了位置と、その手前の挿入位置で軽く保持するためのハーフロック位置との2箇所の位置で保持できる周知の技術であるため説明は省略する。図2では、左側壁部140内に、コイルスプリングを収容するスプリング収容部145と、スライダを挿入完了位置でロックするハートカム部146とが設けられている。
【0073】
このように構成されたコネクタ100おいて検出スイッチ160A、160Bの動作について説明する。
【0074】
図8〜図10は、コネクタ100における検出スイッチ160Aの動作の説明に供する図であり、切欠部134内における可動接点部164a及び固定端子162の位置関係をカード接触部163aの位置に対応させて示した要部断面図である。
【0075】
詳細には、図8〜図9は、切欠部134内の可動接点部164a及び固定端子162を挿入口101側から見た図であり、図8は、同検出スイッチ160Aの常態時である初期状態を示す図であり、図9は、同検出スイッチ160Aにおいて可動端子161が可動中の状態を示す図であり、図10は、同検出スイッチ160Aにおいて可動端子161の可動後の状態を示す図である。
【0076】
コネクタ100では、メモリカード20を挿入口101から挿入すると、メモリカード20は、ハウジング110のガイドレール133、143により後端側壁部150側に案内され、収容部102内を移動する。このとき、検出スイッチ160Aでは、可動端子161において、メモリカード20の収容領域内に位置するカード接触部163aが、メモリカード20と接触していないため、図8の初期位置の状態となっている。
【0077】
収容部102内を、ハウジング110の後方に移動するメモリカード20は、収容部102内に突出するカード接触部163aに当接し、当該カード接触部163aを押圧する。
【0078】
可動アーム部163の先端部に形成されたカード接触部163aがメモリカード20に下方に押圧されることによって、可動アーム部163自体が弾性変形して可動する。この可動アーム部163の可動によって、カード接触部163aが下方に変位するとともに、開口部124内に配置され、可動接点部164aを有する接点アーム部164も可動して下方(図8の矢印Dで示す固定端子162に接近する方向)に変位する。
【0079】
接点アーム部164の変位によって、接点アーム部164の先端に形成された可動接点部164aは、図9に示すように、下方の固定端子162に当接する。詳細には、下降する可動接点部164aは、面取りされた角部164f(図8参照)で固定端子162の突部に当接する。
【0080】
そして、メモリカード20が収容部102の奥側に更に挿入されることによって、カード接触部163aは更に下方に移動して変位し、これに伴い、接点アーム部164も更に下方に可動する。この動作に伴って可動接点部164aは、切欠部134内をさらに下方に移動して、当該固定端子162の傾斜する上面部分を摺動する。このとき、可動接点部164aでは、湾曲する角部164f(図8参照)が、固定端子162の上面の傾斜する突部に当接しつつ、突部に沿って突部上を矢印D1方向に摺動する。
【0081】
そして、メモリカード20が収容部102に収容されると、図10に示すように、固定端子162上を摺動する可動接点部164aは、当該固定端子162に押圧された状態で停止する。
【0082】
これにより、メモリカード20が収容部102に収容されてコネクタ100への装着が完了した状態では、メモリカード20は、電極21とコンタクトピン170とが電気的に接続した状態でコネクタ100に保持される。
【0083】
このとき、カード検出スイッチ160Aでは、可動端子161と固定端子162とが接触した状態、つまり、電気的に導通した状態で保持されることになる。よってカード検出スイッチ160Aは、カードが挿入完了状態、つまり、カード装着状態であることを検出する。
【0084】
このように、カード検出スイッチ160Aでは、挿入されるメモリカード20により押圧されて、カード接触部163aは、下方に変位することによって、収容部102に対して後退する。このカード接触部163aの後退移動に伴って、可動接点部164aはカード接触部163aと同方向に可動して、固定端子162に接触して導通する。
【0085】
また、カード検出スイッチ160Aでは、可動接点部164aは可動して、固定端子162に当接し、当該固定端子162を傾斜方向に摺動しつつ接触状態で固定される。
【0086】
これにより、カード検出スイッチ160Aは、可動接点部164aと固定端子162との接触部分が互いに摺動しつつ接触する、所謂、ワイピングしつつ接触することとなる。よって、カード検出スイッチ160Aでは、可動端子161における接点アーム部164の可動接点部164aが、固定端子162の斜面を摺動、つまり、滑り降りた分、両者間のクリーニングを発生させることができる。
【0087】
したがって、カード検出スイッチ160Aは、可動接点部164aの揺動によって、可動接点部164a及び固定端子162間に介在するゴミ等の異物を排除して、両者間における異物の介在を防止することができ、好適な導通状態又は絶縁状態を維持できる。
【0088】
このとき、カード検出スイッチ160Aでは、一方の接触端子である固定端子162は、自身が撓むことなく、可動端子161の可動接点部164aと接触している。ことため、従来の検出スイッチの構造と異なり、接触する端子の一方の可動領域のみ確保するだけでよく、双方の可動領域を確保する必要がない。
【0089】
よって、コネクタにおいてカード検出スイッチ160Aの占有スペースの省スペース化を図ることができ、コネクタ本体自体の小型化を図ることができる。
【0090】
可動アーム部163では、揺動中心となる基端部から可動接点部164aまでのスパンが、基端部からカード接触部163aまでのスパンよりも長いため、可動アーム部163が揺動する際に、可動接触部164aの変位量は、カード接触部163aの変位量よりも大きい。
【0091】
このため、可動アーム部163の撓み領域が規制される場合でも、カード接触部163aの変位に伴って変位する可動接点部164aの変位量を極力大きくして、固定端子162に対して確実に離間させることができる。
【0092】
また、可動する可動接点部164aが固定端子162を摺動する長さを大きくとる、つまり、ワイピングの範囲を広くとることができる。
【0093】
これにより、カード検出スイッチ160Aが、メモリカード20の大きさに対応した形状のコネクタにおいて規制されたスペースに搭載されても、安定して好適な検出を行うことができる。すなわち、カード検出スイッチ160Aでは、可動アーム部163の撓み領域が規制される場合でも、可動アーム部163の小さな撓みで、可動接点部164aの固定端子162に対する摺動範囲を大きくして、可動接点部164a及び固定端子162において互いに接触する部分どうしのクリーニング量を極力大きく確保できる。
【0094】
また、コネクタ100における検出スイッチ160Aは、メモリカード20の厚み範囲内といった限られた領域において、可動接点部164aの可動範囲を極力大きくとって、可動端子161の固定端子162への接圧(言い換えれば、可動端子161が固定端子162を押し付ける力)を十分に確保することができる。
【0095】
さらに、可動接点部164aは、面取りされた角部164f(図8参照)で固定端子162の突部に当接するため、可動アーム部163の可動によって、変位して固定端子162に押し付けられても固定端子162を損傷させることなく、固定端子162上を好適に摺動する。
【0096】
また、書込要否検出スイッチ160Bもカード検出スイッチ160Aと同様に構成され、且つ、同様にコネクタ100に搭載されているため、カード検出スイッチ160Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
つまり、書込要否検出スイッチ160Bでは、可動端子161において収容部102内に突出するカード接触部163aは、挿入されるメモリカード20(溝部を仕切る一側部23の切欠部分)により押圧され、可動接点部164aと固定端子162とが接触状態となる。
【0098】
よって、書込要否検出スイッチ160Bは、カード検出スイッチ160Aと同様に、可動端子161の可動接点部164aと固定端子162との接触部分に異物が挟まる場合でも、互いが摺り合いながら接離することにより摺り合う部分での異物を除去できる。
【0099】
また、書込要否検出スイッチ160Bは、メモリカード20の厚み範囲内といった限られた領域において、可動接点部164aの可動範囲を極力大きくとって、可動端子161の固定端子162への接圧を十分に確保することができる。
【0100】
メモリカード20が装着完了した状態では、メモリカード20において凹部25が識別片26で閉塞されている場合、カード接触部163aは、凹部25内の識別片26に下方から当接し、可動端子161と固定端子162とは接触状態したままとなる。これにより、書込可能状態であることを検出する。
【0101】
一方、メモリカード20において凹部25内に識別片26が配置されていない場合で、且つ、当該メモリカード20が収容部102の奥側まで移動して挿入完了状態時である場合、カード接触部163aは、切り欠かれた凹部25内に配置される。つまり、凹部25内に接触部163aが突出して復帰した状態となるため、可動アーム部163は復元し、接点アーム部164も元の状態(電気的に遮断状態)に戻る。これにより接点アーム部164の可動接点部164aは固定端子162から離間して、可動端子161と固定端子162との接触状態(電気的に導通状態)が解除される。よって、書込要否検出スイッチ160Bは、オープン状態となり、書込不可であることを検出する。
【0102】
これらカード検出スイッチ160A及び書込要否検出スイッチ160Bでは、メモリカード20の挿入によって可動端子161が可動し、固定端子162と接離する。
【0103】
コネクタ100においてカード検出スイッチ160A及び書込要否検出スイッチ160Bが動作する場合、それぞれのカード接触部163aは、挿入されるメモリカード20の一側部23と摺動を繰り返す。これにより、カード接触部163aに接触するメモリカード20における樹脂製の一側部23の摺動部分は必然的に削れ、削りカスが発生する。
【0104】
本実施の形態に係るコネクタ100のカード検出スイッチ160A及び書込要否検出スイッチ160Bでは、カード接触部163a及びメモリカード20のカード接触部分と、可動接点部164a及び固定端子162のスイッチ接点部分(接点領域)とが、ハウジング110の一側壁部(ここでは右側壁部130)側で近接して配置されている。
【0105】
そして、これらカード接触部分とスイッチ接点部分との間には、カード接触部分とスイッチ接点部分とを結ぶ直線上に配置された隔壁部190により仕切られている。すなわち、スイッチ接点部分は、隔壁部190によって、カード接触部163aが位置する収容部102から隔離されている。
【0106】
このように本実施の形態では、挿入口101から挿入されるメモリカード20を収容する収容部102を備えるハウジング110に、カード検出スイッチ(検出部)160A及び書込可否検出スイッチ(検出部)160Bが設けられている。
【0107】
カード検出スイッチ160Aは、メモリカード20の収容部102への装着完了し、書込可否検出スイッチ(検出部)160Bは、メモリカード20へのデータの書込可否を検出する。書込可否検出スイッチ160Bは、カード検出スイッチ160Aと同様に構成されており、それぞれ、ハウジング110に固定される固定端子162と、挿入口101側から挿入方向に延出して配置され、撓み変形により揺動する可動端子161とを備える。
【0108】
可動端子161は、収容部102内に突出して配置され、且つ、収容部102に挿入されるメモリカード20により押圧されて収容部102から収容部102を仕切る壁部(底板部120)側に後退するカード接触部163aと、カード接触部163aの移動(変位)に伴い、カード接触部163aと同方向に移動(変位)して、固定端子162に接触して導通する可動接点部164aとを有する。
【0109】
可動端子161は、長尺の金属板を加工してなり、挿入口側から挿入方向に延出されている。カード接触部163aは、収容部102内に突出させてなる可動アーム部163の先端部であり、可動アーム部163の可動により収容部102から後退自在となっている。接点アーム部164は、可動アーム部163から分岐して固定端子162の方向に延在するように形成され、可動アーム部163の可動に伴い可動して、先端部の可動接点部164aが固定端子162に摺動しつつ接触状態となって導通する。
【0110】
また、ハウジング110内においてカード接触部163aと可動接点部164aとの間には、可動接点部164aの固定端子162との接点領域を、カード接触部163aのメモリカード20との接触領域から隔離する隔壁部190が設けられている。すなわち、コネクタ100では、隔壁部190によって、カード検出スイッチ160A及び書込要否検出スイッチ160Bのそれぞれにおける可動端子161と固定端子162とのスイッチ接点部分を、収容部102から隔離している。
【0111】
このため、収容部102にゴミが入った場合でも、スイッチ接点部分の接触不具合が発生しにくく、可動端子161及び固定端子162を好適に接離させることができる。
【0112】
また、隔壁部190は、メモリカード20の挿抜によってメモリカード20がカード接触部163aに接触し、且つ、摺動することによって削りカスが発生しても、可動接点部164aと固定端子162とのスイッチ接点部分に移動することを防止する。
【0113】
これにより、スイッチ接点部分である可動接点部164aと固定端子162との間に削りカスが介在することによる接触不具合が発生することがなく、メモリカード20の挿入及び書込要否を確実に検出することができる。
【0114】
このように、本実施の形態によれば、挿入して電気的に接続されるメモリカード20の小型化に伴い小型化及び実装スペースの省スペース化を図ることができるとともに、メモリカード20の挿抜によってメモリカード20の筐体の削りカスが発生しても、各スイッチ160A、160Bの接触状態を好適に行うことができる。よって、挿入により装着されるメモリカード20の挿入検出及び書込可否検出を好適に行うことができる。
【0115】
なお、本実施の形態では、可動接点部164aが可動するハウジング110の切欠部134内において、固定端子162を左側壁面から下方に向かって傾斜して突出させた構成としたが、これに限らず、固定端子162は、可動端子161の可動接点部164aが摺動後に接触した状態で保持される構成であればどのように設けられても良い。例えば、切欠部134を右側で仕切る右側壁部から切欠部134を左側で仕切る左側壁面にむかって下方に傾斜して突出して設け、下降する可動接点部164aが摺動しつつ接触した状態で互いの接触状態を保持されるようにしてもよい。
【0116】
また、可動接点部164aは、固定端子162の基端部側から自由端である先端側に向かって摺動するように、ハウジング110に設けた構成としたが、先端側から基端側に摺動するように設けてもよい。
【0117】
また、本実施の形態のコネクタ100では、カード検出スイッチ160A及び書込要否検出スイッチ160Bをノーマルオープンスイッチとしたが、これに限らずノーマルクローズスイッチとしてもよい。この場合、カード挿入の際に、固定端子162から可動端子161が離間することによってカード挿入を検出する。
【0118】
また、本実施の形態のコネクタ100は、電極21を有するメモリカード20を挿入して装着し、電極21をコンタクトピン170に電気的に接続するものとしたが、挿入して電気的に接続させるものであれば、どのような電子部品を装着してもよい。
【0119】
なお、上記本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改変をなすことができ、そして本発明が該改変させたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明に係るコネクタ及び検出スイッチは、挿抜されるメモリカード等の電子部品の装着状態を好適に検出することができ、且つ、実装スペースの省スペース化を実現できる効果を有し、特にメモリカード用コネクタとして有用である。
【符号の説明】
【0121】
20 メモリカード
21 電極
100 カードコネクタ
101 挿入口
102 収容部
110 ハウジング
120 底板部
124 開口部
130 右側壁部
134、135 切欠部
160A カード検出スイッチ
160B 書込要否検出スイッチ
161 可動端子
162 固定端子
163 可動アーム部
163a カード接触部
164 接点アーム部
164a 可動接点部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入口から挿入される電子部品を収容する収容部を構成するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記電子部品の装着状態を検出する検出スイッチと、
を有し、
前記検出スイッチは、
挿入される前記電子部品により押圧されて変位する接触部と前記接触部の変位に伴い前記接触部の変位方向と同方向に変位する可動接点部とを有する可動端子と、
前記ハウジングに、前記可動接点部の変位方向と交差する方向に突出して配置され、前記可動接点部が変位して摺動する固定端子と、
を備える、
コネクタ。
【請求項2】
前記可動接点部は、変位した際に前記固定端子を摺動する湾曲した角部を有する、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジング内には、前記接触部と前記可動接点部との間に、前記可動接点部の前記固定端子との接点領域を、前記接触部の前記電子部品との接触領域から隔離する隔壁部が設けられている、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記可動端子は、挿入方向に沿って延在し、且つ、撓み変形して基端側の端部を中心に揺動するように前記ハウジングに設けられ、
前記可動端子において、前記可動接点部は、前記接触部よりも前記ハウジングの奥側に形成されている、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項5】
前記可動端子は、
挿入方向に沿って配置され、撓みにより変形して揺動する可動アーム部と、
前記可動アーム部から前記収容部外方に分岐して形成され、先端部が前記可動アーム部の先端部よりも前記ハウジングの奥側に位置する接点アーム部と、
を備え、
前記接触部は、前記可動アーム部の挿入方向側の端部から前記収容部内に突出して設けられ、前記電子部品の押圧により前記収容部から後退する方向に変位して可動アーム部を揺動させ、
前記可動接点部は、前記接点アーム部の先端部に形成され、前記可動アーム部の揺動に伴う前記接点アーム部の揺動によって固定端子に当接して摺動する、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項6】
挿入口を介して電子部品が挿入されるコネクタのハウジングに設けられ、挿入される前記電子部品を検出する検出スイッチにおいて、
挿入される前記電子部品により押圧されて変位する接触部と前記接触部の変位に伴い前記接触部の変位方向と同方向に変位する可動接点部とを有する可動端子と、
前記ハウジングに、前記可動接点部の変位方向と交差する方向に突出して配置され、変位する前記可動接点部が摺動する固定端子と、
を有する検出スイッチ。
【請求項7】
前記可動接点部は、変位した際に、前記固定端子に当接する湾曲した角部を有する請求項6記載の検出スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−40175(P2011−40175A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183760(P2009−183760)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】