説明

コネクタ

【課題】AMCコネクタは、AMC実施形態に応じて内部部品が交換可能に構成され、所定の製品仕様、設計に合う柔軟性を提供する。
【解決手段】コネクタは、第1コネクタ106、ケース130と、第2のコネクタ138と、セパレータ132と、一対の補強バー134,136と、一対のフレキシブル回路とを備える。第1のコネクタはケースの第1の開口154内に位置し、第2のコネクタはケースの第2の開口内に位置する。補強バーはケース内に配置される。第1のコネクタはフレキシブル回路の第1の端部151を受け、フレキシブル回路の第2の端部は補強バーと第2のコネクタとの間に挟まれる。

【発明の詳細な説明】
【先の出願との優先権関係】
【0001】
本件出願は、2004年6月18日に出願された米国仮出願番号60/580,760の利益を主張するとともに、参照することによりこれを組み入れる。
【技術分野】
【0002】
ここに説明されている実施形態は、一般的にコネクタに係り、特にプリント回路基板等を接続するためのコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0003】
PCI産業コンピュータ製造業者グループ(PICMG)先進メザニンカード(AMC)は、広範囲の高速度メザニンカードに関するものである。AMCは、キャリヤボードの機能性を拡げるモジュラアドオンまたは“チャイルド”カードを規定している。しばしば、メザニンと呼ばれ、これらのカードは“AMCモジュール”または“モジュール”と呼ばれる。AMCモジュールは、AMCコネクタに差し込むことによってキャリヤボードに並列しかつキャリヤボードに一体化される。キャリヤボードは最小の“インテリジェンス”を有した受動ボードから高性能のシングルボードコンピュータまでに及ぶ。
【0004】
AMCは、PICMG3.0先進TCA仕様の長所を利用するように設計されており、キャリヤグレードは、信頼性、有用性、及びサービス性(RAS)を必要とする。AMCモジュールはAMCコネクタに交換可能に挿入され、キャリヤボードに並列に装着されるように設計されている。キャリヤフェイスプレートは、モジュールがAMCベイに挿入されうる1または2以上の開口を提供する。モジュールカードガイドはモジュールのAMCコネクタへの挿入を支持し、AMCベイは、EMI遮蔽と同様に、機械的なサポートを提供する。AMCモジュールとキャリヤとの間の連結性は、キャリヤボードに取り付けられているAMCコネクタを介して提供される。AMCコネクタはAMCモジュールの後部でキャリヤボード上に在る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コネクタ(コネクタユニットとも呼ぶこともできる)の実施形態が説明される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、コネクタは、ケースと、第1および第2のコネクタと、セパレータと、少なくとも1つの補強バーと、少なくとも1つのフレキシブル回路とを備える。第1のコネクタはケースの第1の開口内に位置し、第2のコネクタはケースの第2の開口内に位置する。セパレータはケース内に配置され、第1および第2のコネクタの間に位置する。補強バーはケース内に配置され、セパレータおよび第2のコネクタの間に位置する。第1のコネクタはフレキシブル回路の第1の端部を受け、フレキシブル回路の第2の端部は補強バーと第2のコネクタとの間に挟まれる。
【0007】
一実施形態によれば、補強バーは、補強板(補強片ともいう)を受けるスロットを有する。補強片は金属を含み、補強バーはこの金属よりも導電性の低い材料を含む。補強片はスロット内に位置し、スロットが形成される補強片の面よりも下方に位置する。
【0008】
一実施形態によれば、補強バーおよびフレキシブル回路はそれぞれ少なくとも1つの貫通する孔を有し、第2のコネクタは少なくとも1つの爪を有し、この爪はフレキシブル回路の孔を通って補強バーの孔に挿入される。この実施形態に代えて、あるいはこれに加えて、第2のコネクタおよびフレキシブル回路はそれぞれ孔を有し、補強バーは、フレキシブル回路の孔を通って第2のコネクタの孔に挿入される爪を有してもよい。
【0009】
更なる実施形態によれば、第1のコネクタは、フレキシブル回路の第1の端部を受ける開口を有する。このような実施形態において、キー(テンションバーともいう)は開口に挿入されてフレキシブル回路の第1の端部を第1のコネクタの少なくとも1つのコンタクト要素に押し付け、これにより第1のコネクタのコンタクト要素をフレキシブル回路の第1の端部に電気的に連結する。
【0010】
一実施形態によれば、第1のコネクタは、回路基板の端部を受けるためのカードスロットコネクタ備える。他の実施例では、第2のコネクタは回路基板と補強バーとの間に挟まれる押圧コネクタを備える。
【0011】
他の実施形態によれば、ケースは少なくとも1つの溝を有し、第2のコネクタは該溝に挿入される少なくとも1つのラッチを有する。溝はラッチのフックが挿入される開口部をさらに有する。
【0012】
更なる実施形態によれば、コネクタは2つのフレキシブル回路(すなわち、第1および第2のフレキシブル回路)を有する。このような実施形態では、セパレータは第1および第2のフレキシブル回路の間に挟まれる。更なるオプションとして、コネクタは一対の補強バーをさらに有し、第1の補強バーは第1および第2のフレキシブル回路の間に挟まれ、第2のフレキシブル回路は第1および第2の補強バーの間に挟まれる。
【0013】
一実施形態によれば、第1および/または第2のコネクタはコンタクト組立体を有し、このコンタクト組立体は成型物を貫通する複数のコンタクト要素を備える。成型物は、前記少なくとも1つのコネクタに形成された容器に挿入される少なくとも1つのエクステントを有する。複数のコンタクト要素は、成型物に沿って配列される1またはそれ以上のグループを形成する。コンタクト要素のグループは型から形成され、この型は複数のコンタクト要素とキャリヤを備え、各コンタクト要素はキャリヤに連結される端部を有する。
【0014】
コネクタの実施形態は、第1および第2の回路基板を連結するシステムの一部として用いることもできる。例えば、一実施形態では、第1のコネクタが第1の回路基板を受け、コネクタのケースが第2の回路基板に近接して位置することができ、このとき、第2のコネクタおよびフレキシブル回路の第2の端部が、補強バーと第2の回路基板との間に挟まれる(および/または押圧される、および/または締め付けられる)。コネクタと反対側の第2の回路基板の表面に近接して配置されるプレートを設けてもよい。少なくとも1つの締結具は、コネクタ、第2の回路基板、およびプレートを貫通し、締結具を締め付けることによりコネクタ、第2の回路基板、およびプレートを連結するとともに、第2の回路基板およびケースを付勢する力を与え、これにより、第2のコネクタおよびフレキシブル回路の第2の端部が補強バーおよび第2の回路基板の間に挟まれる/押圧される。
【0015】
使用に際して、コネクタ/コネクタユニットの実施形態は、第1の回路基板がコネクタユニットの第1のコネクタに挿入される方法に利用することができる。この方法では、第2の回路基板の第1の面は、コネクタユニットの第2のコネクタに近接するコネクタユニットに接触する。プレートは、第2の回路基板の第1の面とは反対側にある第2の回路基板の第2の面に近接し、少なくとも1つの締結具は、コネクタユニット、第2の回路基板、およびプレートを貫通し、第2の回路基板をコネクタユニットに向けて付勢し、これにより第2のコネクタが第2の回路基板およびコネクタユニットの補強バーの間に挟まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここに説明されるコネクタユニット(単にコネクタとも呼ばれる)の実施形態は、プリント回路基板等の複数の回路基板を個別の接続(すなわち個別のコネクタ)を有したコネクタとともに各基板に接続するために使用可能である。コネクタは、1または2以上のフレキシブルプリント回路または個別の接続を互いに接続するフレキシブル材料のケーブルを含むこともできる。
【0017】
2004年6月18日に出願された米国仮出願番号60/580,760は、その全体が本件明細書に参照によって組み入れられる。ここに説明されている多くの実施形態は、PCI産業コンピュータ製造業者グループ(PICMG)によって定義されている規格を有した典型的な先進メザニンカード(AMC)の実施形態の形で説明されている。AMCの動作特徴は、PICMG AMC.0仕様RC1.1 (PICMG AMC.0 RC1.1とも言われる)として2004年12月3日にPICMGによって製作された“先進メザニンカード基準仕様”という題名の文書に説明されている。この文書は全体として参照によって組み入れられている。
【0018】
図1は、典型的なAMC実施形態に基づいた2つのプリント回路基板102,104(PCB)を接続するコネクタ/コネクタユニット100を示している。図2は図1とは反対側から見たコネクタ100を示している。図1および図2で示される典型的なAMC実施形態においては、コネクタ100はAMCキャリヤ102とも言うことができるPCBの1つに装着されている。コネクタ100はAMC(プラグイン)モジュールまたはコンポーネント104と称される他のPCBの1つの端部を受け入れるカードエッジコネクタ106と呼ばれる容器を有している。本明細書の理解を容易にするために、モジュール104を受け入れるカードエッジコネクタ106を有したコネクタ100の側部がコネクタ100のモジュール側または正面側と称され、モジュール側と反対側はコネクタ100の後ろ側と称される。
【0019】
図3はキャリヤ102の下方から見たコネクタ100およびPCB102,104を示している。図3に示すように、コネクタ100はキャリヤの底面に位置する補強板108と結合してキャリヤ104に装着されている。1つの実施例においては、補強板はある種の金属から構成されている。別の実施例においては、補強板は比較的剛性のある重合体および/またはプラスチック材料から構成されている。
【0020】
図4は、図1から図3に示すコネクタ100、PCB102,104、および補強バー108の分解斜視図であり、モジュール104のカードエッジ110がコネクタ100のカードエッジコネクタ106から取り除かれた状態で示されている。図4に示すように、コネクタ100は一対の押さえねじ112,114(すなわち、ねじ部品)によってキャリヤ102に装着されており、これら一対の押さえねじ112,114は、キャリヤ102に形成された対応する装着孔116,118を通り、さらにキャリヤ102を貫通する装着孔120,122を通って延びている。補強板108は、キャリヤ102の装着孔120,122と同一間隔で配置された一対の孔124,126を有しており、補強板108の孔124,126がキャリヤ102の装着孔120,122と整合して、押さえねじがこれらの孔を通るようになっている。補強板108の孔124,126にはねじが形成されており、これらが押さえねじ112,114のねじ部と係合して、コネクタ100、キャリヤ102および補強板108を互いに固定している。ねじ孔124,126の代替として(またはそれに加えて)、ねじ112,114を固定するナットを設け、コネクタ100、キャリヤ102および補強板108を保持することができる。
【0021】
図5および6は、典型的なAMC実施形態に基づいたコネクタ100の分解斜視図である。図5および図6に示すように、コネクタ100は、カードエッジコネクタ106、一対のフレキシブルプリント回路128,129(FPC)、ケース130(またはハウジング)、セパレータ132、一対の補強バー134,136、および一対の押圧コネクタコンポーネント140,142によって形成された押圧コネクタ138を含む各種の部品から構成されている。コネクタ100は一対の締め付けピン144,146も含んでいる。使用中においては、ケース内で組み立てられた種々の個々の部品は、コネクタが浮動状態となることを許容し、各基板位置の許容差を確保するのに役立つ。
カードエッジコネクタ106はその中にモジュール104を受け入れるためのカードスロット148を有してもよい。
【0022】
各FPC128,129は一対の対向端部を有しており、各端部はコンタクト150,151,152,153(信号パッドとも呼ぶことができる)を有している。FPC128,129の上コンタクト150,152はカードエッジコネクタ106に挿入可能および/または連結可能であり、それゆえFPC128,129の下コンタクト151,153はカードエッジコネクタコンポーネント106から垂れ下がっている。少なくとも1つの実施形態においては、FPCは、処理後においても柔軟性がある絶縁層の上または絶縁層の間に配置されるプリント回路または導電性パターンを備えている。1つの実施形態においては、FPCはYFlexとして知られている高性能、高速度のFPCを備えている。FPCの代替物として、コネクタ100の実施形態は柔軟性のある材料のケーブルを用いたものであってもよい。
【0023】
ケース130は、カードエッジコネクタ106およびFPC128,129を受け入れるための上部開口154を有している。ケース130はコネクタ100のモジュール側に棚156を含むこともでき、カードエッジコネクタ106は、上部開口154に挿入されたときに、棚156上に載ることができる。ケース130は、カードエッジコネクタ106がケース130の上部開口154に挿入されるときにカードエッジコネクタ106の位置決めに役立つように、カードエッジコネクタ106の両側に形成された対応する隆起部162,164を受け入れるようになっている一対の側部溝158,160を含んでもよい。ケースは締め付けピン144,146を受け入れるための孔166,168を含んでもよい。カードエッジコネクタ106の隆起部162,164は、締め付けピン144,146が孔166,168に挿入されたときに締め付けピン144,146の端部を受けるためのスペース170,172または中断部を含んでもよく、これにより、カードエッジコネクタがケースの上部開口に挿入されたときにカードエッジコネクタを比較的固定された位置に保持するのに役立つ。図6に示すように、ケースは、その底部に形成された下部開口173を有しており、またケースの裏側(すなわち、コネクタのモジュール側とは反対側のケースの側部)の下部領域に延びる側部領域175も有する。
【0024】
セパレータ132は、概略水平な下部174と概略垂直な上部176を有した概略L字型の形状を有している。上部174は、その上部が概略三角形状の横断面を有するように上部エッジ178に向かってテーパ状になってもよい。セパレータ132の上面は、セパレータ132の剛性を高めるための複数の横向突起(例えば、突起180,182)を含んでもよい。横向突起は、等間隔でかつ実質的に互いに平行であるようにセパレータ132の上面に配置してもよい。セパレータ132の上部176は、さらに隣接する対をなす突起(例えば、突起180,182)間に形成される貫通孔(例えば、孔184)を含んでもよい。これらの孔の代替物として、セパレータ132の上部176はセパレータの上部の両面(孔と同一の位置に)に対応する窪みを含んでもよい。いずれの実施形態においても、孔/窪みは、上部176の全体の強度を減ずることなく、重量およびセパレータ132において用いられる材料を減らすのに役立つ。セパレータ132の下部174の底面は、下部174の外側エッジに沿って延びる、肉厚の、または補強された領域186を含んでもよく、これにより補強材132の下部174に付加的な強度および剛性が与えられる。
【0025】
図7および図8は、典型的なAMC実施形態において、ケース130に挿入されたときのカードエッジコンポーネント106の位置を示している。図8に最良に示されるように、カードエッジコンポーネント106およびFPC128は、カードエッジコンポーネント106がケース130の棚156に隣接して位置するようにケース130の上部開口154に挿入することができる。ケース132に挿入される際、FPC128,129の下端151,153は、ケース130に挿入される。このとき、一方の端部151(すなわち、前方のFPC128の下端)は、棚156の底部に沿って延び、かつケース130のモジュール側に沿って下方にかつ内方に延びる。一方、他方の端部153(すなわち、後方のFPC129の下端)は、この端部153の一部がケース130の下部開口173から露出するようにケース130の反対側の内面に沿って延びる。
【0026】
図9および図10は、典型的なAMC実施形態において、ケース130に挿入されたセパレータ132の位置を示している。使用中は、セパレータ132は、ケース130内の2つのFPC128,129間の十分な隙間を維持するために役立つ。ケース130に挿入された状態では、セパレータ132の上部176はケース130の棚156の後ろ側で上方に延び、2つのFPC128,129を互いに分離する。この位置では、FPC128の下端コンタクト151に最も近いFPC128の前部190が、棚156の底部とセパレータ132の下部174との間に挟まれる。セパレータ132の下部174の前端188は、FPC128の下端151をケース130内のモジュール側に近づけるとともに、他方のFPC129の下端153から離間させる。
【0027】
図11および図12は、典型的なAMC実施形態において、ケース130に挿入されたときの補強バー134,136の位置を示している。使用中においては、補強バー134,136は、キャリヤボード102の押圧部の下方に位置する補強板108と釣り合いを保つのに役立つ。また、補強バー134,136は、モジュール104のカードスロット106への挿入を容易にするだけでなく、コネクタ100およびプリント回路基板102のたわみをコントロールすることができる。補強バー134,136は、これらがセパレータの下部174の下方に位置するようにケース130内に位置している。前方補強バー134は、前方補強バー134とコネクタ100のモジュール側を決定するケース130の前側の内面との間にFPC128の前部190が挟まれるようにケース130内に位置する。後方補強バー136は、FPC128の後端152に最も近いFPC128の下部192が、後方補強バー136とセパレータ132の下部174との間、および逆L字型の2つの補強バー134,136の間に挟まれるようにケース130内に位置してもよい。
【0028】
図11および図12に示す後方補強バー136に最良に表されているように、それぞれの補強バー134,136の底部には、互いに離間する複数の開口部194,196,198,200が形成されていてもよい。これに対応して、それぞれの押圧コネクタコンポーネント140,142の頂部に、上方に延びる複数の爪(例えば、押圧コネクタコンポーネント142の爪202,204,206,208)が形成されていてもよい。この場合、これらの爪(ピンと呼ぶこともできる)202,204,206,208は、補強バー134,136の開口部194,196,198,200と同じ間隔で離間し、爪202,204,206,208が開口部194,196,198,200に挿入される。
【0029】
代替として(あるいはこれらと組み合わせて)、(補強バーから下方に延びる)爪が補強バー134,136上に位置し、これらの爪を受ける孔が押圧コネクタコンポーネント140,141の頂部に位置するように配置を逆にしてもよい。FPC128,129の各下コンタクト151,153は、補強バー134,136の開口部(例えば、開口部194,196,198,200)および押圧コネクタコンポーネント140,142の爪(例えば、爪202,204,206,208)と同じように離間した、同じ数の貫通孔(例えば、コンタクト153の孔210,212,214,216)を有していてもよい。この場合、図14および図15に最良に示されるように、爪は、隣接する下コンタクト151,153の孔(例えば、コンタクト153の孔210,212,214,216)を通って延び、FPC128,129は押圧コネクタコンポーネント140,142と補強バー134,136との間に位置する。開口部(例えば、開口部194,196,198,200)、爪(例えば、爪202,204,206,208)、および孔(例えば、孔210,212,214,216)をこのように配置することにより、FPCコンタクト151,153を押圧コネクタ138のコンタクト素子(例えば、コンタクト素子312)に整列させることができ、爪は配列の誤りを正す、あるいは防ぐことに役立つ。
【0030】
図13,14,15は、典型的なAMC実施形態に基づいた完全に組み立てられた後のコネクタ100を示す。図16,17,18,19は、ケース内の部品の配置関係がよく分かるようにケースを取り除いたときの典型的なコネクタ100を示す。完全に組み立てられたコネクタ100においては、押圧コネクタコンポーネント140,142は、補強バー134,136の下にそれぞれ位置するようにケース130に挿入される。
【0031】
図14,15,18,19に最良に示されているように、前方FPC128の下コンタクト151が前方補強バー134と前方押圧コンタクトコンポーネント140との間に挟まれ、後方FPC129の下コンタクト153が後方補強バー136および前方押圧コンタクトコンポーネント142との間に挟まれるように、FPC128,129の前部190および下部192を折り曲げてもよい。この構成において、各補強バー134,136の開口部(例えば、開口部194,196,198,200)および隣接する下コンタクト151,153の孔(例えば、コンタクト153の孔210,212,214,216)の位置を一致させることによって、隣接する押圧コネクタコンポーネント140,142の爪(例えば、爪202,204,206,208)が孔を通って開口部に挿入されるようにしてもよい(例えば、爪202が孔210を通って開口部194に挿入されるようにしてもよい)。
【0032】
図13に最良に示されるように、後方補強バー136および後方押圧コネクタコンポーネント142のそれぞれの裏側部(すなわち後部)がケース130の裏側の下部に延びる下部開口173の側部領域175から露出するとともに、押圧コネクタコンポーネント140,142の底部がケース130の底に形成された下部開口173から露出するように、後方補強バー136および後方押圧コネクタコンポーネント142をケース130内に位置させてもよい。
【0033】
図20乃至図31は、典型的なAMC実施形態に基づいたカードエッジコネクタ106およびFPC128,129の組立体を示す。図20乃至図23に示すように、カードエッジコネクタ106の組立体は、ケースもしくはハウジング218と、一対のコンタクト組立体220,222とを具備している。
【0034】
カードエッジコネクタ106のカードスロット148は、ケーシング218の前面224に形成されている。カードスロット148は一般に長方形の周縁部を有し、この周縁部は、長い上端および下端と、短い側端とを有している。ケーシング218は一対の縦側壁226,227を有しており、これらの縦側壁226,227はカードスロットの上端および下端からケーシング218のオープンバック230まで延びている。これらの側壁は、カードスロット148の上方および下方において、ケーシング218の内側に上部溝228および下部溝229を形成する。カードスロット148は、複数グループのコンタクトスロット232,234,236,238,240,242(各グループのコンタクトスロットは1またはそれ以上のコンタクトスロット(例えば、コンタクトスロット243)を備える)を含み、これらのコンタクトスロットは各縦側壁226,227を横切り、前面224からケーシング218のオープンバック230まで延びている。図20乃至図22に示す典型的な実施形態に描かれているように、コンタクトスロットグループは、上下に隣接して整列する1またはそれ以上のグループを形成するように配列されている。グループ232,234,236,238,240,242の正確な配列は、各グループにおける個々のコンタクトスロットの配列と同様に、好ましい実施例に依存する。
【0035】
ケーシング218は、カードエッジコネクタ106の端部に形成された隆起部162,164およびスペース/中断部170,172を含んでいてもよい。加えて、ケーシング218の上面244は、複数の円形および長方形(または正方形)の上孔(例えば、上孔246,248)を含んでいてもよい。同様に、ケーシング218の下面245も同様の孔(例えば、孔249)を含んでいてもよい。
【0036】
各コンタクト組立体220,222は、インサート成型物250と、このインサート成型物250を通って延びる複数のコンタクト(例えば、コンタクト252)とを備えている。このコンタクトが集合して、1またはそれ以上のコンタクトグループ254,256,258(各グループは1またはそれ以上のコンタクトから構成される)が形成される。
【0037】
各コンタクト(例えば、コンタクト252)は、インサート成型物250の長手方向とは反対の側部から延びる対向する前端領域260および後端領域262を有している。前端領域260は、ヘアピンターン264と、2つの湾曲部266,268からなるS字カーブとを有する蛇行領域を含み、S字カーブはコンタクト252の前端270の近くで終結する。後端領域262は複数の対向するカーブまたは湾曲部272,274を有し、コンタクト252の後端276で終結している。一実施例では、各コンタクトの前方および後方領域260,262は弾力的に撓るように構成されており、各コンタクトは導電性材料(例えば、ある種の金属など)から構成されている。
【0038】
図24に示すように、製造に際して、コンタクトグループ278は、その後端276から延びるキャリヤ280(図24参照)と一体に形成されてもよい。キャリヤ280はコンタクトグループ278から切断されてもよく、この場合は、切断された端部がコンタクトの後端(例えば、後端276)を構成する。この実施例をコンタクトの形成に用いるに際して、高速アプリケーション用のコンタクトの後端276に、極めて短い(あるいは全く無い)切れ端が形成される。切れ端が後端276に形成されると、信号が切れ端を進み、さらに戻って次の信号と干渉し、結果として干渉信号を生じさせる。したがって、カードエッジコネクタのコンタクト要素を形成するために図24に示す実施形態を用いることは、ある実施例にとっては有利である。
【0039】
各コンタクト組立体220,222は、ケーシング218に形成された対応する溝228,229内に挿入される。この場合、コンタクト組立体220,222の各コンタクト(例えば、コンタクト252)は、カードスロット148の隣接する側壁226,227に形成された対応するコンタクトスロット(例えば、コンタクトスロット243)に挿入される。このとき、コンタクトの前端領域260は、ケーシング218の前面224に向かって延び、さらに、後端領域262はケーシング218の後部230に向かって延びる。図21および図22に示すように、実施形態として、側壁226,227に形成されたコンタクトスロットの数は、ケーシング218に形成された隣接する溝228,229に挿入されるコンタクト組立体220,222のコンタクトの数よりも多くてもよい。
【0040】
図23の断面図に最良に示されているように、前端領域260が互いに略対向しつつ後端領域262の最も外側の湾曲部274が互いに略対向するように、コンタクト組立体220,222がそれぞれの溝228,229内で方向づけられる。
【0041】
各コンタクト組立体220,222のインサート成型物250は、図25に示すように、概略長方形または台形の複数の止め具282,284,286,288を有していてもよい。コンタクト組立体220,222がケーシング218に挿入されると、ケーシング218の上側溝228に挿入されたコンタクト組立体220の止め具は、ケーシング218の上孔(例えば、ケーシングの長方形の孔248)の少なくとも一部に挿入される。一方、ケーシング218の下側溝229に挿入されたコンタクト組立体222の止め具は、同様に、ケーシング218の下孔249の少なくとも一部に挿入される。各コンタクト組立体220,222のインサート成型物250は、止め具282,284,286,288の反対側に1またはそれ以上の突起部290,292を有していてもよい。コンタクト組立体220,222がケーシング218に挿入されると、この突起部290,292は、カードスロット148の隣接する側壁226,227に形成された対応する受け口または窪みに挿入される。インサート成型物250の止め具282,284,286,288および突起部290,292は、各コンタクト組立体220,222をケーシング218内の適正な位置に固定するのに役立つ。使用に際しては、インサート成型物250は、コンタクト要素のコンタクト組立体220,222への組み込みを容易にし、隣接するコンタクト要素の間にある一定の空間は高速信号インピーダンス制御を向上させる。
【0042】
図27乃至図31は、FPC128,129がカードエッジコネクタ106に挿入される様子を示すとともに、カードエッジコネクタ106およびFPC128,129に対するテンションバー294の位置を示すものである。コンタクト組立体220,222がケーシング218に挿入された後、FPC128,129の上端150,152がケーシング218のオープンバック230からカードスロット148に挿入され、これにより、FPC128,129の上コンタクト150,152は、上下コンタクト組立体220,222のコンタクトの後端領域262の間に挟まれる。
【0043】
図31および図32に示すように、テンションバー294(キーと呼ぶこともできる)は、ケーシング218のオープンバック230からカードスロット148に挿入され、これにより、テンションバー294は、2つのFPC128,129の上コンタクト150,152との間に挟まれる(押し込まれる)。テンションバー294は、2つのFPC128,129の間のクリアランスよりも大きな幅(その頂部と底部の間として定義される)を有してもよい。これにより、テンションバー294はカードエッジコネクタ106のコンタクト(FPCの外側に位置する)をFPC128,129上のコンタクト(またはパッド)150,152に接触させることができる。図31に示すように、2つのFPC128,129の上コンタクト150,152の間にテンションバー294を押し込むことによって、各上コンタクト150,152はコンタクト組立体220,222のコンタクトの後端領域262に対して固定される(接触する)。このように、テンションバー294を挿入することにより、FPC128,129の上コンタクト150,152と、コンタクト組立体220,222のコンタクトの後端領域262との接触を維持することができる。
【0044】
図30に最良に示されるように、テンションバー294をFPCの上コンタクト150,152の間に押し込む作業を容易にするために、テンションバー294はテーパ前部294を有してもよい。また、テンションバー294の各端部は、ケーシング218に形成された切り欠き302,304に挿入されるタブ298,300を有してもよい。この場合、切り欠き302,304はケーシング218のオープンバック230に隣接した位置に形成される。タブ298,300および切り欠き302,304は、テンションバー294をケーシング218に挿入しやすくするために、また一旦挿入されたテンションバー294の位置を固定するために実施例に含ませてもよい。
【0045】
上述したように、押圧コネクタ138は、一対の押圧コネクタコンポーネント140,142から形成される。図32乃至図42は、典型的なAMC実施形態に従った押圧コネクタ138を形成するために使用される典型的な押圧コネクタコンポーネント306の各要素を示す。図32乃至図35は、典型的な押圧コネクタコンポーネント306の組み立てられた状態を示し、図36乃至図38は典型的な押圧コネクタコンポーネント306の分解斜視図である。押圧コネクタコンポーネント306は押圧コンタクト組立体308およびコンポーネント本体部310を含んでいる。
【0046】
図39乃至図41は押圧コンタクト組立体308をさらに詳細に示す。押圧コンタクト組立体308は、インサート成型物314から延びる複数のコンタクトまたはコンタクト要素(例示的なコンタクト要素312に代表される)を含む点で、コンタクト組立体220,222に類似する。コンタクト要素312は、複数のコンタクト要素316,318,320にグループ化され、各グループは互いに離間するコンタクト要素312を1つ以上有している。典型的な実施形態に示すように、押圧コンタクト組立体308は、少なくとも3つのグループのコンタクト要素を有する。すなわち、インサート成型物314の各端部に隣接するグループ(例えば、グループ316,320)と、インサート成型物314の中間領域に位置する少なくとも1つの他のグループ318である。
【0047】
典型的なコンタクト要素312に代表されるように、各コンタクト要素は、一対の端領域322,324(簡易かつ明瞭に説明するため、以下、上領域および下領域という)を有し、これらの領域は中間領域326によって連結されている。各端領域322,324は、該端領域の末端332,334の近傍に位置するヘアピンカーブまたは湾曲部328,330を含んでもよい。一実施形態では、コンタクト要素312の下端領域324は、下ヘアピンカーブ330と下末端334との間に位置する一対の横切り欠きまたは横溝336,338を含んでもよい。一実施形態では、各コンタクト要素312は弾力的に撓るように構成されており、導電性材料(例えば、ある種の金属など)から構成されている。
【0048】
押圧コンタクト組立体308のインサート成型物314は一般に細長く、また、上述したように、貫通する複数のコンタクト要素312を有し、これらのコンタクト要素は複数のグループ316,318,320の中に配列される。典型的な実施形態に示すように、各コンタクト要素312の中間領域326は、インサート成型物314の縦上面340および縦底面342を通って延び、これにより、各コンタクト要素312の上端領域322は縦上面340から外側に延び、各コンタクト要素312の下端領域324は縦底面342から外側に延びる。各コンタクト要素312のヘアピンカーブ328,330がインサート成型物314の縦裏面344の向きと略同じ方向に外側に延びるように、各コンタクト要素312はインサート成型物に対して方向づけられる。使用に際しては、インサート成型物314は、コンタクト要素312のコンポーネント本体部310への挿入を容易にし、さらに隣接するコンタクト要素312の一定の空間を維持し、これによって高速信号インピーダンス制御を向上させることができる。
【0049】
インサート成型物314の縦裏面344は、外側に延びる複数のエクステントを有してもよく、隣接するエクステント346,348,350,352,354,356の間には空間が形成される。図37,38,41に最良に示されるように、各エクステント346,348,350,352,354,356は、外側に突出するこぶ(例えば、こぶ358)を有していてもよい。インサート成型物314の前部縦側面360も、外側に突出する複数のエクステント362,363,364,365,366,367,368,369,370,371を有してもよい。これらのエクステント362,363,364,365,366,367,368,369,370,371は、互いに離間する対としてグループ化される。また、これらのエクステントは、各対のエクステント(例えば、エクステント362,363)が縦裏面344の2つのエクステントの間の空間(例えば、エクステント346,348の間の空間)の位置と略一致するように方向づけされる。
【0050】
押圧コンタクト組立体306のコンポーネント本体部310は、その所定の面(例えば、前面)に形成された容器372を有しており、この容器は押圧コンタクト組立体308を受けるために設けられる。組み立てる際、押圧コンタクト組立体308のインサート成型物314が容器に挿入され、これにより、各リアエクステント346,348,350,352,354,356が、容器372の後部に形成された空間373,374,375,376,377,378に挿入される。コンポーネント本体部310の前面は、容器372に形成された複数のコンタクトスロット(例えば、コンタクトスロット379)を有している。これらのコンタクトスロットは、グループ380,381,382,384,386,388(押圧コンタクト組立体308のコンタクト要素316,318,320のグループに対応する)として配列される。これらのコンタクトスロットは、インサート成型物314が容器372(図32および図34参照)に挿入されるときにコンタクト要素312の端領域322,324を受けるためのものである。
【0051】
部品コネクタコンポーネント306の一実施例として、コンポーネント本体部310の各端部に可撓性のラッチ390,391またはロック機構を設けてもよい。このような実施形態のコネクタ100を組立てる際、一対の押圧コネクタコンポーネント140,142は、ケース130の下部開口173に挿入される。このとき、押圧コネクタコンポーネント140,142のラッチ390,391は、ケース130の内側端壁に沿って形成された端溝394,396,398,400にスライド可能に挿入される。これにより、ラッチ390,391はケース130内の端溝394,396,398,400に係合し、押圧コネクタコンポーネント140,142のケース130内部における位置を固定することができる(図6および図13参照)。各ラッチ390,391は、フック293を有するアーム292をその端部に備えてもよい。
【0052】
押圧コネクタコンポーネント140,142がケース130に挿入されると、ラッチ390,391はケース130の端溝394,396,398,400に滑り込み、これにより各押圧コネクタ140,142をコネクタ100の他の部品に整列させることができる。各端溝394,396,398,400は、フック293に係合するフック孔または窪み(例えば、孔401,402)を有しており、これにより押圧コネクタコンポーネント140,142を整列させるとともにケース130内での位置を固定することができる(すなわち、押圧コネクタコンポーネント140,142がケースからずり落ちることがない)。典型的なコネクタ100に示すように、一実施形態として、端溝孔401,402がケース130の隣接する側壁を貫通してもよい。一実施形態では、ケース130に形成された端溝394,396,398,400は、ケース130内で押圧コネクタコンポーネント140,142が動くことができる程度に十分なクリアランスを提供するように構成され、これにより、押圧コネクタ138をボード102に連結するときにケース130内の押圧コネクション部品140,142が押圧可能となる。
【0053】
図42に示すように、コンタクト要素の各グループ(例えば、グループ318)は、その一実施形態として、単一の型403から形成されてもよい。この型403はグループ318内の各コンタクト要素312の端部(例えば、端部334)または端領域(例えば、端領域324)に連結されるキャリヤ部404を含んでいる。このような実施形態において、キャリヤ部404は複数のフィンガー(例えば、フィンガー406,408)を含んでいてもよく、この場合、隣接する対のフィンガーにはグループ318内のコンタクト要素312の各端部(例えば、端部334)または端領域(例えば、端領域324)が連結される。このような型403を用いることにより、各グループのコンタクト要素(例えば、図42に示すグループ318)を単一の要素として製造することができ、また、インサート成型物314をその周りに形成する際の位置決めやセッティングを容易にすることができる。
【0054】
一旦インサート成型物314がコンタクト要素312の中間領域326の周囲に形成された後は、キャリヤ部404をコンタクト要素312の端領域(例えば、端領域324)から切り離すことができる。上述したように、高速アプリケーション用のコンタクト要素は、干渉信号を減少させるために、切れ端が極めて短いか、あるいは全く無いように構成される。図42に示す実施形態を押圧コネクタコンポーネントのコンタクト要素の形成に使用することは、端部に形成される切れ端が極めて短いか、あるいは切れ端が全く無いコンタクト要素を形成するのに都合がよい。
【0055】
コネクタ100の各補強バー134,136は、図43および図44に示す典型的な補強バー410を用いることができる。補強バー410の上面には、補強バー410の両端間を延びる縦スロット412が形成されている。縦スロット412には細長い補強片414が挿入され、これにより、補強バー410に付加的な剛性を与えることができ、補強バー410の望ましくない屈曲または反りを防止することができる。一実施形態では、補強片414は、ある種の金属から形成される。このような実施形態においては、補強バー本体134,136は非導電性/絶縁性の材料(例えば、非導電性または低導電性プラスチック、および/または重合材料)から形成され、これによりFPC128,129の電気線とメタル補強片414との間に十分なクリアランスと絶縁性を提供することができる。
【0056】
一実施形態では、補強片414の各端部には、外側に延びる横エクステント416,418が形成されており、これにより、補強片を縦スロットに挿入する、または縦スロットから取り出すときに補強片を保持するための接触点を提供することができる。図43に示すように、各横エクステント416,418は、隣接する補強片414と端が揃い、かつ平行な略直線状の外端と、アーチ型の窪んだ内端とを有してもよく、これにより、補強片414を縦スロット412に挿入するとき、または縦スロット412から取り除くときに横エクステント416,418がひっかかってしまうことを防止することができる。
【0057】
縦スロット412は一対のサイドスロット420,422を有しており、これらは縦スロット412の各端部に隣接している。一実施形態においては、サイドスロット420,422は、縦スロット412の縦軸に対して略垂直に延びる。サイドスロット420,422は補強バー410に含まれてもよく、これにより補強片414の縦スロット412への挿入を容易にすることができるとともに、補強片414が縦スロット412に挿入された後に補強バー410にひびが入ったり割れたりすることを防止することができる。
【0058】
使用に際して、押圧コネクタ138(例えば、各押圧コネクタコンポーネント140,142)は、押さえねじ112,114および底補強板108によりキャリヤボード102に対して押圧され(これによりボードに連結される)、押圧コネクタ138がボード102に押圧される位置でケース130を保持する。この構成では、押圧コネクタ138は補強バー134,136によってケース130の内部で支持される。補強バー134,136および底補強板108は押圧コンタクト(例えば、コンタクト要素312)、ボード102、およびFPC128,129を挟み、これらの間の良好な接続を形成する。
【0059】
AMC実施形態では、コネクタ100の実施形態は、「Zプラガブル」面が装着された押圧コネクタとして機能する。コネクタ100はコンセプトにおいてモジュール化されており、3つの基本パートから構成される。すなわち、AMCモジュール104およびFPC128,129に係合するコンタクト、およびキャリヤボード102およびFPC128,129に係合するコンタクトである。AMC実施形態では、多くの内部部品がB,B+,AB,およびA+B+コネクタと共に交換可能に構成され(AMC仕様として定義される)、ケース130の外側の形状のみが異なる(AMCコネクタの異なるタイプに従う)。このように、所定の製品仕様および/または設計に合う柔軟性を提供することによって製造を容易にすることができる。
【0060】
コネクタの実施形態は、第1および第2の回路基板を連結するシステムの一部として用いることもできる。例えば、一実施形態では、第1のコネクタが第1の回路基板を受け、コネクタのケースが第2の回路基板に近接して位置することができ、このとき、第2のコネクタおよびフレキシブル回路の第2の端部が、補強バーと第2の回路基板との間に挟まれる(および/または押圧される、および/または締め付けられる)。コネクタと反対側の第2の回路基板の表面に近接して配置されるプレートを設けてもよい。少なくとも1つの締結具は、コネクタ、第2の回路基板、およびプレートを貫通し、締結具を締め付けることによりコネクタ、第2の回路基板、およびプレートを連結するとともに、第2の回路基板およびケースを付勢する力を与え、これにより、第2のコネクタおよびフレキシブル回路の第2の端部が補強バーおよび第2の回路基板の間に挟まれる/押圧される。
【0061】
使用に際して、コネクタ/コネクタユニットの実施形態は、第1の回路基板がコネクタユニットの第1のコネクタに挿入される方法に利用することができる。この方法では、第2の回路基板の第1の面は、コネクタユニットの第2のコネクタに近接するコネクタユニットに接触する。プレートは、第2の回路基板の第1の面とは反対側にある第2の回路基板の第2の面に近接し、少なくとも1つの締結具は、コネクタユニット、第2の回路基板、およびプレートを貫通し、第2の回路基板をコネクタユニットに向けて付勢し、これにより第2のコネクタが第2の回路基板およびコネクタユニットの補強バーの間に挟まれる。
【0062】
本明細書を参照するに際して、頂、底、前、後などの用語を使用してきたが、これらの用語は単に実施形態をより理解しやすくするために用いられたものであり、実施形態の方向を限定するものではないことは、特に当業者にとって自明のことである。例えば、実施形態の方向は逆さまでもよく(横向き、あるいは他の方向を向いてもよく)、記載された要素間の関係に影響を与えることなく頂および底を逆にすることができることは言うまでもない。
【0063】
これまで種々の実施形態について述べてきたが、これらは例として提供されたものに過ぎず、これに限定されるものではない。したがって、いかなる実施形態の幅や範囲も上述の典型的な実施形態によって限定されるものではなく、クレームおよびその均等の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】典型的なAMC実施形態に基づいた2つのプリント回路基板(PCB)を接続するためのコネクタを示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す典型的なAMC実施形態をコネクタの反対側からみた概略斜視図である。
【図3】図1に示す典型的なAMC実施形態をキャリヤの底面から見た概略斜視図であり、また補強プレートを示す図である。
【図4】図1に示す典型的なAMC実施形態の概略分解斜視図であり、モジュールのカードエッジがコネクタのカードエッジコネクタから取り除かれた状態で示されている。
【図5】典型的なAMC実施形態に基づいたコネクタの概略分解斜視図である。
【図6】図5に示す典型的なコネクタを反対側から見た概略分解斜視図である。
【図7】典型的なAMC実施形態に基づいたコネクタの部分的な概略分解斜視図であり、ケースに挿入されたときのカードエッジコネクタの位置を説明するものである。
【図8】図7に示す典型的なコネクタの概略横断面図であり、部分的な分解図である。
【図9】典型的なAMC実施形態に基づいたコネクタの部分的な概略分解斜視図であり、ケースに挿入されたときのセパレータの位置を説明するものである。
【図10】図9に示す典型的なコネクタの概略横断面図であり、部分的な分解図である。
【図11】典型的なAMC実施形態に基づいたコネクタの部分的な概略分解斜視図であり、ケースに挿入されたときの補強バーの位置を説明するものである。
【図12】図11に示す典型的なコネクタの概略横断面図であり、部分的な分解図である。
【図13】典型的なAMC実施形態に基づいた完全に組み立てられたコネクタを示す概略斜視図である。
【図14】図13に示す典型的なコネクタの概略横断面図である。
【図15】図13に示す典型的なコネクタの概略横断面斜視図である。
【図16】ケース内のコネクタの他の部品の位置が分かるように外側ケースを取り除いたときの典型的なAMC実施形態に基づいたコネクタを示す概略斜視図である。
【図17】図16に示す典型的なコネクタコンポーネントを反対側から見た概略斜視図である。
【図18】図16に示す典型的なコネクタコンポーネントの概略横断面図である。
【図19】図16に示す典型的なコネクタコンポーネントの概略横断面斜視図である。
【図20】典型的なAMC実施形態に基づいたカードエッジコネクタコンポーネントの組立体の概略分解斜視図である。
【図21】図20に示す典型的な組立体を示す概略斜視図であり、組み立てられた状態を示す。
【図22】図21に示す典型的な組立体を反対側から見たときの概略斜視図である。
【図23】図21に示す典型的な組立体を示す概略横断面図である。
【図24】典型的なAMC実施形態に基づいたカードエッジコネクタ用の典型的なコンタクト要素の概略斜視図である。
【図25】典型的なAMC実施形態に基づいたカードエッジコネクタのコンタクト組立体の概略斜視図である。
【図26】図25に示す典型的なコンタクト組立体を示す概略側面図である。
【図27】典型的なAMC実施形態に基づいたカードエッジコネクタコンポーネント、一対のフレキシブルプリント回路、およびテンションバーの概略分解斜視図である。
【図28】図27に示す典型的なカードエッジコネクタコンポーネント、フレキシブルプリント回路、およびテンションバーを下から見た概略分解斜視図である。
【図29】図27に示す典型的なカードエッジコネクタコンポーネント、フレキシブルプリント回路、およびテンションバーが組み立てられたときのこれらの配置関係を示す概略斜視図である。
【図30】図29に示す典型的な組立体を示す分解断面図であり、テンションバーが挿入される様子を示す。
【図31】図29に示す典型的な組立体を示す分解断面図である。
【図32】典型的なAMC実施形態に基づいた押圧コネクタコンポーネントを示す斜視図である。
【図33】図32に示す典型的な押圧コネクタコンポーネントを反対側から見たときの斜視図である。
【図34】図32に示す典型的な押圧コネクタコンポーネントの概略断面斜視図である。
【図35】図32に示す典型的な押圧コネクタコンポーネントの概略断面図である。
【図36】典型的なAMC実施形態に基づいた押圧コネクタコンポーネントを示す分解斜視図である。
【図37】図36に示す典型的な押圧コネクタコンポーネントを反対側から見たときの分解斜視図である。
【図38】典型的なAMC実施形態に基づいた押圧コネクタコンポーネントを示す概略分解図であり、押圧コンタクト組立体が挿入されるときの様子を示す。
【図39】典型的なAMC実施形態に基づいた押圧コネクタコンポーネントの押圧コンタクト組立体を示す概略平面図である。
【図40】図39に示す典型的な押圧コンタクト組立体を示す拡大図である。
【図41】図39に示す典型的な押圧コンタクト組立体をその端部から見たときの概略正面図である。
【図42】典型的なAMC実施形態に基づいた押圧コンタクト組立体のコンタクト要素にキャリヤ部が取り付けられたときの概略斜視図である。
【図43】典型的なAMC実施形態に基づいた補強バーの概略分解斜視図である。
【図44】典型的なAMC実施形態に基づいた補強バーの概略斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1および第2の開口を有するケースと、
少なくとも第1および第2のコネクタと、
前記ケース内に配置された少なくとも1つの補強バーと、
少なくとも第1および第2の端部を有する少なくとも1つのフレキシブル回路とを備え、
前記第1のコネクタは前記第1の開口内に位置し、
前記第2のコネクタは前記第2の開口内に位置し、
前記第1のコネクタは前記フレキシブル回路の前記第1の端部を受け、
前記フレキシブル回路の前記第2の端部は、前記補強バーと前記第2のコネクタとの間に挟まれることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項2】
前記補強バーは補強板を含むことを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
前記補強板は金属を含み、前記補強バーは前記金属よりも導電性の低い材料を含むことを特徴とする請求項2に記載のコネクタユニット。
【請求項4】
前記補強板は、前記フレキシブル回路に対向する前記補強バーの面から離間して配置されることを特徴とする請求項2に記載のコネクタユニット。
【請求項5】
前記補強バーおよび前記フレキシブル回路は、それぞれ少なくとも1つの貫通する孔を有し、前記第2のコネクタは、前記フレキシブル回路の前記孔を通って前記補強バーの前記孔に挿入される少なくとも1つの爪を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項6】
前記第2のコネクタおよび前記フレキシブル回路は、それぞれ少なくとも1つの貫通する孔を有し、前記補強バーは、前記フレキシブル回路の前記孔を通って前記第2のコネクタの前記孔に挿入される少なくとも1つの爪を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項7】
少なくとも1つのコネクタは、回路基板の端部を受けるためのカードスロットコネクタを備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項8】
前記カードスロットコネクタは浮動状態で前記ケースに組み付けられることを特徴とする請求項7に記載のコネクタユニット。
【請求項9】
前記第1のコネクタは、前記フレキシブル回路の前記第1の端部を受けるための開口を有し、さらに前記開口に挿入されて前記フレキシブル回路の前記第1の端部を前記第1のコネクタの少なくとも1つのコンタクト要素に押し付けるためのキーを有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項10】
少なくとも1つのコネクタは、回路基板と前記補強バーとの間に押圧される押圧コネクタを備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項11】
前記押圧コネクタは浮動状態で前記ケースに組み付けられることを特徴とする請求項10に記載のコネクタユニット。
【請求項12】
前記ケースは少なくとも1つの溝を有し、前記少なくとも1つのコネクタは、前記溝に挿入される少なくとも1つのラッチを有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項13】
前記溝は開口部を有し、前記ラッチは前記開口部に挿入されるフックを有することを特徴とする請求項12に記載のコネクタユニット。
【請求項14】
前記少なくとも1つのフレキシブル回路は、少なくとも第1および第2のフレキシブル回路と、該第1および第2のフレキシブル回路の間に挟まれるセパレータとを有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項15】
前記少なくとも1つの補強バーは、少なくとも第1および第2の補強バーを備え、前記第1の補強バーは前記第1および第2のフレキシブル回路の間に挟まれ、前記第2のフレキシブル回路は前記第1および第2の補強バーの間に挟まれることを特徴とする請求項14に記載のコネクタユニット。
【請求項16】
前記コネクタのうちの少なくとも1つは、成型物を貫通する複数のコンタクト要素を備えたコンタクト組立体を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項17】
前記成型物は、前記少なくとも1つのコネクタに形成された容器に挿入される少なくとも1つのエクステントを有することを特徴とする請求項16に記載のコネクタユニット。
【請求項18】
前記複数のコンタクト要素は、前記成型物に沿って配列される1またはそれ以上のグループを形成することを特徴とする請求項16に記載のコネクタユニット。
【請求項19】
コンタクト要素の少なくとも1つのグループは、複数のコンタクト要素を備えた型から形成され、それぞれの前記複数のコンタクト要素はキャリヤに連結される端部を有することを特徴とする請求項16に記載のコネクタユニット。
【請求項20】
前記カードスロットコネクタは、型から形成される複数のコンタクト要素を有し、各コンタクト要素はキャリヤに連結される端部を有することを特徴とする請求項7に記載のコネクタユニット。
【請求項21】
前記押圧コネクタは、型から形成される複数のコンタクト要素を有し、各コンタクト要素はキャリヤに連結される端部を有することを特徴とする請求項10に記載のコネクタユニット。
【請求項22】
ケース、少なくとも第1および第2のコネクタ、少なくとも1つの補強バー、および少なくとも1つのフレキシブル回路を有するコネクタユニットと、
第1の回路基板と、
第2の回路基板とを備え、
前記第1のコネクタは前記ケースの第1の開口内に位置し、
前記第2のコネクタは前記ケースの第2の開口内に位置し、
前記第1のコネクタは前記フレキシブル回路の第1の端部を受け、
前記フレキシブル回路の第2の端部は前記補強バーと前記第2のコネクタとの間に挟まれ、
前記第1のコネクタは前記第1の回路基板を受け、
前記コネクタユニットのケースは、前記第2のコネクタおよび前記フレキシブル回路の第2の端部が前記補強バーと前記第2の回路基板との間に挟まれるように前記第2の回路基板に近接して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記コネクタユニットと反対側の前記第2の回路基板の面に近接するプレートと、前記コネクタユニット、第2の回路基板、および前記プレートを貫通する少なくとも1つの締結具とをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
第1の回路基板をコネクタユニットの第1のコネクタに挿入し、
前記コネクタユニットの第2のコネクタに近接する前記コネクタユニットに第2の回路基板の第1の面を接触させ、
前記第2の回路基板の第1の面とは反対側にある前記第2の回路基板の第2の面にプレートを近接させ、
少なくとも1つの締結具を、前記コネクタユニット、第2の回路基板、および前記プレートに挿通して前記第2の回路基板を前記コネクタユニットに向けて付勢し、前記第2のコネクタを前記第2の回路基板と前記コネクタユニット内の補強バーとの間に挟むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2006−4949(P2006−4949A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−178631(P2005−178631)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(505026457)ヤマイチ エレクトロニクス ユー.エス.エー., インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】