説明

コネクタ

【課題】コネクタ同士を容易で確実に嵌合でき、嵌合後のコネクタ同士を水密に保つことができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ1は雄コネクタ2と雌コネクタ3と雄コネクタ2に回転自在に設けられたレバー4と押圧凸部5を備えている。レバー4は回転することでコネクタ2,3を互いに接離させる。押圧凸部5はレバー4の平板部29から雌コネクタ3のフード部24に向かって突出している。押圧凸部5はコネクタ2,3同士が嵌合する際に雌コネクタ3のフード部24を雄コネクタ2のインナハウジング11に向かって押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに嵌合する雄型のコネクタと雌型のコネクタとこれらのうち一方に回転自在に設けられたレバーとを備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
雄型のコネクタと雌型のコネクタとを容易に嵌合するために、従来から多種多様なレバー式コネクタが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前述した所謂レバー式コネクタは、雄型のコネクタと、雄型のコネクタが内側に侵入して当該雄型のコネクタと嵌合する雌型のコネクタと、雄型のコネクタに回動自在に取り付けられたレバーとを備えている。雄型のコネクタは、箱状に形成され、前述した雌型のコネクタとの間を水密に保つパッキンが取り付けられている。
【0004】
雌型のコネクタは、筒状に形成されている。レバーは、雄型のコネクタに対して回動することで、コネクタ同士を接離させる。そして、レバーは、コネクタ同士を接離させて、コネクタ同士を嵌合させたり分離させたりする。
【特許文献1】特開平11−102747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のレバー式コネクタは、コネクタ同士が嵌合した後に、パッキンの弾性復元力によって、特に雌コネクタのハウジングの雄コネクタ寄りの先端部でかつ幅方向の中央部が拡がる傾向であった。このため、従来のレバー式コネクタは、コネクタ同士を水密に保つことが困難であった。
【0006】
また、前述した従来のレバー式コネクタにおいて、パッキンがコネクタ同士を確実に水密に保つことができるようにするためには、コネクタ同士の嵌合時のパッキンの弾性変形量(つぶれ量)を大きくすることが考えられる。しかしながら、この場合、コネクタ同士の嵌合時にレバーを回転するために必要となる操作力が強くなってコネクタ同士の嵌合が困難となったり、雌型のコネクタのハウジングによってパッキンがめくれて当該パッキンがコネクタ間を水密に保てないことが考えられる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、コネクタ同士を容易で確実に嵌合でき、嵌合後のコネクタ同士を水密に保つことができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のコネクタは、雄型のコネクタと、前記雄型のコネクタが内側に侵入して当該雄型のコネクタと嵌合する雌型のコネクタと、前記雄型のコネクタと前記雌型のコネクタとのうち一方のコネクタに回転自在に取り付けられているとともに、回転することで、前記雄型のコネクタと前記雌型のコネクタとを互いに接離させるレバーと、を備えたコネクタにおいて、前記レバーと前記雌型のコネクタとのうち一方から他方に向かって突出して設けられ、前記コネクタ同士が嵌合すると、前記雄型のコネクタと前記雌型のコネクタとが密着する方向に前記雌型のコネクタを押圧する押圧凸部を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の本発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記押圧凸部が、前記コネクタ同士の嵌合後に、前記雌型のコネクタの幅方向の中央部と、前記コネクタ同士の嵌合方向に対して直交する方向に並ぶ位置に配置されていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の本発明のコネクタは、請求項1又は請求項2に記載のコネクタにおいて、前記押圧凸部が、前記コネクタ同士の嵌合後に、前記雌型のコネクタの前記雄型のコネクタ寄りの先端部と、前記コネクタ同士の嵌合方向に対して直交する方向に並ぶ位置に配置されていることを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載した本発明のコネクタによれば、レバーと雌型のコネクタとのうち一方に、コネクタ同士の嵌合時に、コネクタ同士を密着させる押圧凸部を設けているので、雄型のコネクタのパッキンの弾性変形量(つぶれ量)を増やすことなく、嵌合後にコネクタ同士を水密に保つことができる。
【0012】
請求項2に記載した本発明のコネクタによれば、押圧凸部が雌型のコネクタの幅方向の中央部の近傍に配置されるので、当該押圧凸部が特にコネクタ同士の嵌合後に拡がり易い雌型のコネクタの幅方向の中央部を雄型のコネクタと確実に密着させることができる。
【0013】
請求項3に記載した本発明のコネクタによれば、押圧凸部が雌型のコネクタの雄型のコネクタ寄りの先端部の近傍に配置されるので、当該押圧凸部が特にコネクタ同士の嵌合後に拡がり易い雌型のコネクタの先端部を雄型のコネクタと確実に密着させることができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の本発明によれば、雄型のコネクタのパッキンの弾性変形量(つぶれ量)を増やすことなく、嵌合後にコネクタ同士を水密に保つことができる。このため、コネクタ同士の嵌合時に回転するために必要となるレバーの操作力が強くなることを防止でき、雌型のコネクタによってパッキンが捲られることを防止できる。したがって、レバーの操作力を強くすることがないので、コネクタ同士を容易で確実に嵌合できるとともに、パッキンが捲られることもないので、嵌合後のコネクタ同士を水密に保つことができる。
【0015】
請求項2に記載の本発明によれば、押圧凸部が雌型のコネクタの幅方向の中央部の近傍に配置されるので、当該押圧凸部が特にコネクタ同士の嵌合後に拡がり易い雌型のコネクタの幅方向の中央部を雄型のコネクタと確実に密着させることができる。したがって、嵌合後のコネクタ同士を確実に水密に保つことができる。
【0016】
請求項3に記載の本発明によれば、押圧凸部が雌型のコネクタの雄型のコネクタ寄りの先端部の近傍に配置されるので、当該押圧凸部が特にコネクタ同士の嵌合後に拡がり易い雌型のコネクタの先端部を雄型のコネクタと確実に密着させることができる。したがって、嵌合後のコネクタ同士をより確実に水密に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態にかかるコネクタを、図1ないし図6を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかるコネクタ1は、図1に示すように、雄型のコネクタ(以下、単に雄コネクタと呼ぶ)2と、雌型のコネクタ(以下、単に雌コネクタと呼ぶ)3と、レバー4と、一対の押圧凸部5と、を備えている。
【0018】
雄コネクタ2は、コネクタハウジング9と、図示しない雌型の端子金具(以下、雌端子と呼ぶ)と、パッキン10と、を備えている。コネクタハウジング9は、図1などに示すように、箱形のインナハウジング11と、筒形のアウタカバー12とを一体に備えている。インナハウジング11は、端子収容室13が設けられており、箱状に形成されている。インナハウジング11は、各々の端子収容室13に雌端子を収容する。
【0019】
アウタカバー12は、内側にインナハウジング11を収容した格好で、該インナハウジング11と一体に形成されている。アウタカバー12の内面は、インナハウジング11の外面と間隔をあけている。また、アウタカバー12の互いに相対する一対の内面には、図示しない一対のレバー用支持突起が設けられている。レバー用支持突起は、アウタカバー12の内面からコネクタハウジング9の内側に向かって立設している。レバー用支持突起は、それぞれ円柱状に形成されている。一対のレバー用支持突起は、互いに間隔をあけて配置され、アウタカバー12の雄コネクタ2の幅方向(図1中の奥行き方向)の中央に設けられている。
【0020】
なお、幅方向とは、コネクタ2,3同士が後述するように互いに嵌合又は分離する際に、これらのコネクタ2,3が相対的に移動(接離)する方向(図1中に矢印Sに示す)に対して直交している。また、幅方向とは、雄コネクタ2の雌端子同士が並ぶ方向及び雌コネクタ3の雄端子同士が並ぶ方向である。即ち、幅方向とは、雌端子及び雄端子の長手方向に対して直交している。コネクタ2,3同士が接離する方向Sは、特許請求の範囲に記載したコネクタ2,3同士の嵌合方向をなしている。また、コネクタハウジング9には、図2に示すように、インナハウジング11とアウタカバー12とを連結する連結リブ15が複数設けられている。
【0021】
パッキン10は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂(弾性材料)で構成されている。パッキン10は、輪状に形成されて、内側のインナハウジング11を通して、該インナハウジング11に取り付けられる。パッキン10には、コネクタハウジング9の外側に向かって凸のリップ16(図4に示す)が全周に亘って形成されている。リップ16は、図示例では、三つ設けられている。
【0022】
パッキン10は、コネクタ2,3同士が嵌合すると、雄コネクタ2のコネクタハウジング9のインナハウジング11の外面と、雌コネクタ3の後述するフード部24の内面との双方と接触して、これらの間を水密に保つ。即ち、パッキン10は、コネクタ2,3同士が嵌合すると、雄コネクタ2と雌コネクタ3との間を水密に保つ。
【0023】
また、雄コネクタ2のコネクタハウジング9には、雌コネクタ3の後述するコネクタハウジング22のロック突起と係合するロックアームが設けられている。雄コネクタ2は、ロックアームがロック突起と係合することで、雌コネクタ3と嵌合する。
【0024】
雌コネクタ3は、コネクタハウジング22と、図示しない雄型の端子金具(以下、雄端子と呼ぶ)を備えている。コネクタハウジング22は、雄端子の主に電線接続部を収容する箱状の本体部23と、雄端子の主に電気接触部を収容する筒状のフード部24とを一体に備えている。本体部23には、雄端子の電線接続部を収容する端子収容室25が設けられている。フード部24は、本体部23の外縁に連なって筒状に形成されている。フード部24は、内側に雄コネクタ2のインナハウジング11を収容して、該雄コネクタ2のアウタカバー12内に収容される。
【0025】
コネクタハウジング22には、ロック突起と、支点ガイド溝が設けられている。ロック突起とは、コネクタハウジング22の外面から凸に形成されている。ロック突起は、ロックアームと係合して、コネクタ2,3同士を嵌合する。
【0026】
支点ガイド溝は、コネクタハウジング22の互いに間隔をあけて相0対する一対の外壁の外面から凹に形成されている。支点ガイド溝は、コネクタ2,3同士が嵌合する際に、レバー4の後述する支点ボス7が侵入する。支点ガイド溝内に侵入した支点ボス7は、該支点ガイド溝内を移動自在である。支点ガイド溝は、支点ボス7と協同して、レバー4の回転動作によってコネクタ2,3同士を接離させる。
【0027】
前述した雌コネクタ3は、コネクタハウジング22のフード部24が雄コネクタ2のインナハウジング11とアウタカバー12との間に侵入し、かつロック突起がロックアームと係合して、雄コネクタ2と嵌合する。これらのコネクタ2,3は、互いに嵌合すると、雌端子と雄端子とが互いに電気的に接続して、当該端子に取り付けられた電線同士が電気的に接続する。
【0028】
レバー4は、図3に示すように、一対の平板部29と、これら一対の該平板部29の一端部同士を連結した操作板部30とを備えて、側方からみて全体としてコ字状に形成されている。平板部29は、それぞれ、帯板状に形成されている。一対の平板部29は、互いに間隔をあけて平行に配置されている。
【0029】
一対の平板部29には、それぞれ、一つの支点ボス7と、一対のガイド孔31とが設けられている。支点ボス7は、平板部29の操作板部30が連なっていない他端部に設けられている。支点ボス7は、円柱状に形成されており、平板部29の他端部から該一対の平板部29同士が近づく方向に突出している。即ち、支点ボス7は、平板部29から雄コネクタ2に嵌合する雌コネクタ3のコネクタハウジング22に向かって凸に形成されている。
【0030】
一対のガイド孔31は、平板部29を貫通している。一対のガイド孔31は、互いに間隔をあけて配置され、かつ平板部29の長手方向と幅方向との双方の中央部に設けられている。一方のガイド孔31の平面形状は、その長径が平板部29の長手方向に沿った楕円形状(小判状又は長孔形状ともいう)に形成されている。他方のガイド孔31の平面形状は、円弧状に延びた長孔形状に形成されている。他方のガイド孔31は、その曲率の中心が前述した一方のガイド孔31側に位置するように、円弧状に湾曲している。
【0031】
ガイド孔31内には、それぞれ、レバー用支持突起が侵入する。ガイド孔31内に侵入したレバー用支持突起は、該ガイド孔31内を移動自在となるとともに内で回転自在となる。また、ガイド孔31内にレバー用支持突起が侵入することで、レバー4は、平板部29の中央部を中心として回転自在に雄コネクタ2に取り付けられる。
【0032】
平板部29は、ガイド孔31内にレバー用支持突起が侵入することで、インナハウジング11とアウタカバー12との間に配置される。そして、平板部29は、レバー用支持突起が作用点用ガイド孔31内を移動しかつ内で回転自在となることで、その中央部を中心として、回転自在にコネクタハウジング9即ち雄コネクタ2に取り付けられる。
【0033】
前述したレバー4は、ガイド孔31内にレバー用支持突起が侵入して、インナハウジング11と間隔をあけた状態で雄コネクタ2に取り付けられる。そして、レバー4は、前述した中央部を中心として回転自在に雄コネクタ2に支持される。さらに、コネクタ2,3同士を嵌合する際に、レバー4に設けられた支点ボス7が支点ガイド溝内に侵入する。
【0034】
そして、レバー4は、前述した中央部を中心として雄コネクタ2のコネクタハウジング9に対して回転することで、支点ボス7が支点ガイド溝内を摺動(移動及び回転)して、雌コネクタ3と雄コネクタ2とを互いに接離させる。なお、接離とは、雄コネクタ2と雌コネクタ3とが、互いに近づいたり離れることを示している。レバー4は、コネクタ2,3同士を接離させて、これらのコネクタ2,3同士を嵌合させたり分離させる。
【0035】
押圧凸部5は、図3に示すように、それぞれ、レバー4の平板部29の長手方向の中央でかつ、コネクタ2,3同士が嵌合した際に、雌コネクタ3から離れた側の外縁部に設けられている。押圧凸部5は、レバー4の平板部29から当該平板部29同士が近づく方向に凸に形成されている。即ち、押圧凸部5は、コネクタ2,3同士が嵌合する際に、レバー4から雌コネクタ3に向かって突出している。
【0036】
また、押圧凸部5は、コネクタ2,3同士が嵌合する際に、雌コネクタ3のフード部24の雄コネクタ2寄りの先端部24aの幅方向の中央部24bと当接(干渉)して、当該フード部24の先端部24aの幅方向の中央部24bを雄コネクタ2のインナハウジング11に向かって押圧する。このため、押圧凸部5は、コネクタ2,3の嵌合後には、図2に示すように、雌コネクタ3のフード部24の雄コネクタ2寄りの先端部24aの幅方向の中央部24bと前述した接離する方向Sに直交する方向に並ぶ位置(の近傍)に配置される。
【0037】
前述したコネクタ1の雄コネクタ2と雌コネクタ3とを互いに嵌合させる際には、以下のように、組み立てる。まず、コネクタハウジング9内に電線付きの雌端子を収容して、雄コネクタ2のコネクタハウジング9にレバー4を取り付けるとともに、雌コネクタ3のコネクタハウジング22内に電線付きの雄端子を収容して、これらのコネクタ2,3を組み立てる。この状態では、レバー4は、平板部29の殆ど全体がインナハウジング11とアウタカバー12との間から突出した位置に位置付けられている。
【0038】
そして、コネクタ2,3同士を互いに近づけて、支点ガイド溝内に支点ボス7を侵入させ、かつ、図4に示すように、雄コネクタ2のインナハウジング11を雌コネクタ3のフード部24内に挿入するとともに、雌コネクタ3のフード部24を雄コネクタ2のアウタカバー12内に挿入する。そして、レバー4の操作板部30を押圧して、該レバー4を平板部29の殆ど全体がインナハウジング11とアウタカバー12との間に没する方向に回転する。
【0039】
すると、支点ボス7が、支点ガイド溝内を摺動して、図5に示すように、コネクタ2,3同士が互いに近づく。すると、押圧凸部5は、雌コネクタ3のフード部24の先端部24aの中央部24bと当接(干渉)して、当該フード部24の先端部24aの中央部24bを雄コネクタ2のインナハウジング11に向かって押圧する。
【0040】
そして、図6に示すように、押圧凸部5によって、雌コネクタ3のフード部24が雄コネクタ2のインナハウジング11と密着する方向に押圧されて、パッキン10の主にリップ16が弾性変形する。そして、図1及び図2に示すように、ロック突起とロックアームとが互いに嵌合して、コネクタ2,3同士が嵌合して、前述したコネクタ1が組み立てられる。
【0041】
図2に示すように、コネクタ2,3同士が嵌合した状態では、勿論、押圧凸部5は、フード部24の先端部24aの中央部24bを雄コネクタ2のインナハウジング11に向かって押圧している。このように、押圧凸部5は、コネクタ2,3同士が嵌合すると、雄コネクタ2と雌コネクタ3とが密着する方向に雌コネクタを押圧する。なお、コネクタ2,3同士を分離する際には、レバー4を先ほどとは逆向きに回転する。
【0042】
本実施形態によれば、レバー4と雌コネクタ3とにうちのレバー4に、コネクタ2,3同士の嵌合時に、コネクタ2,3同士を密着させる押圧凸部5を設けているので、雄コネクタ2のパッキン10の弾性変形量(つぶれ量)を増やさなくても、押圧凸部5がコネクタ2,3同士を密着させて、パッキン10を双方のコネクタ2,3に密着させることができる。したがって、雄コネクタ2のパッキン10の弾性変形量(つぶれ量)を増やすことなく、嵌合後にコネクタ2,3同士を密着させて当該コネクタ2,3同士を水密に保つことができる。
【0043】
このため、コネクタ2,3同士の嵌合時に回転するために必要となるレバー4の操作力が強くなることを防止でき、雌コネクタ3によってパッキン10が捲られることを防止できる。したがって、レバー4の操作力を強くすることがないので、コネクタ2,3同士を容易で確実に嵌合できるとともに、パッキン10が捲られることもないので、嵌合後のコネクタ2,3同士を水密に保つことができる。
【0044】
押圧凸部5が、雌コネクタ3のフード部24の幅方向の中央部24bの近傍に配置されるので、当該押圧凸部5が特にコネクタ2,3同士の嵌合後に拡がり易い雌コネクタ3のフード部24の幅方向の中央部24bを雄コネクタ2のインナハウジング11と確実に密着させることができる。したがって、嵌合後のコネクタ2,3同士を確実に水密に保つことができる。
【0045】
押圧凸部5が雌コネクタ3のフード部24の雄コネクタ2寄りの先端部24aの近傍に配置されるので、当該押圧凸部5が特にコネクタ2,3同士の嵌合後に拡がり易い雌コネクタ3のフード部24の先端部24aを雄コネクタ2のインナハウジング11と確実に密着させることができる。したがって、嵌合後のコネクタ2,3同士をより確実に水密に保つことができる。
【0046】
前述した実施形態では、雄コネクタ2にレバー4を取り付けているが、本発明では、雌コネクタ3にレバー4を取り付けても良い。また、前述した実施形態では、押圧凸部5をレバー4に設けているが、本発明では、雌コネクタ3のコネクタハウジング22のフード部24に押圧凸部5を設けても良い。
【0047】
また、前述した実施形態では、押圧凸部5を雌コネクタ3のフード部24の先端部24aの幅方向の中央部24bと接離する方向Sに直交する方向に並ぶ位置に配置しているが、本発明では、押圧凸部5を雌コネクタ3のフード部24の先端部24aの幅方向の中央部24bと接離する方向Sに直交する方向に並ぶ位置に配置しなくてもよい。
【0048】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図2】図1中のII部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1に示されたコネクタのレバーの斜視図である。
【図4】図2に示されたコネクタの雄コネクタと雌コネクタとを互いに近づける状態を示す断面図である。
【図5】図4に示された雄コネクタと雌コネクタとが更に近づいた状態を示す断面図である。
【図6】図5に示されたレバーに設けられた押圧凸部が雌コネクタのフード部の先端部を押圧した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 コネクタ
2 雄コネクタ(雄型のコネクタ)
3 雌コネクタ(雌型のコネクタ)
4 レバー
5 押圧凸部
24a 先端部
24b 中央部
S 接離する方向(嵌合方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄型のコネクタと、
前記雄型のコネクタが内側に侵入して当該雄型のコネクタと嵌合する雌型のコネクタと、
前記雄型のコネクタと前記雌型のコネクタとのうち一方のコネクタに回転自在に取り付けられているとともに、回転することで、前記雄型のコネクタと前記雌型のコネクタとを互いに接離させるレバーと、を備えたコネクタにおいて、
前記レバーと前記雌型のコネクタとのうち一方から他方に向かって突出して設けられ、前記コネクタ同士が嵌合すると、前記雄型のコネクタと前記雌型のコネクタとが密着する方向に前記雌型のコネクタを押圧する押圧凸部を備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記押圧凸部が、前記コネクタ同士の嵌合後に、前記雌型のコネクタの幅方向の中央部と、前記コネクタ同士の嵌合方向に対して直交する方向に並ぶ位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記押圧凸部が、前記コネクタ同士の嵌合後に、前記雌型のコネクタの前記雄型のコネクタ寄りの先端部と、前記コネクタ同士の嵌合方向に対して直交する方向に並ぶ位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−4271(P2008−4271A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169653(P2006−169653)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】