説明

コネクタ

【課題】
高速での信号伝達特性の良好なコネクタを提供すること。
【解決手段】
1側と2側を接続するコネクタであって、電源用の電位又はグランド電位に保持される1側の板状端子と、前記板状端子上に配設される第1絶縁部と、信号線に接続され、前記第1絶縁部に保持され、前記第1絶縁部に対して突出する突出部を有するプラグと、2側の第2絶縁部と、前記第2絶縁部に保持され、1側と2側が接続されると前記プラグの前記突出部の側面に先端部が係合するばね状の第1端子と、前記第2絶縁部に保持され、1側と2側が接続されると前記板状端子に当接する電源又はグランド用の第2端子とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号を伝送するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高周波信号を伝送するための種々のコネクタがある。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−005272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のコネクタは、雄側と雌側を接続する際に、信号線を伝送するための端子は、グランド基板との間の距離が変化する方向に変位されるため、複数の信号線の各々に接続される端子と、グランド端子との高さにばらつきが生じる可能性があった。
【0005】
信号線に接続される端子とグランド端子との高さのばらつきは、信号線に接続される端子の特性インピーダンスのばらつきや不整合に繋がるため、信号の劣化、損失の増大等が生じ、高速での信号伝送に障害が生じる可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、高速での信号伝達特性の良好なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面のコネクタは、1側と2側を接続するコネクタであって、電源用の電位又はグランド電位に保持される1側の板状端子と、前記板状端子上に配設される第1絶縁部と、信号線に接続され、前記第1絶縁部に保持され、前記第1絶縁部に対して突出する突出部を有するプラグと、2側の第2絶縁部と、前記第2絶縁部に保持され、1側と2側が接続されると前記プラグの前記突出部の側面に先端部が係合するばね状の第1端子と、前記第2絶縁部に保持され、1側と2側が接続されると前記板状端子に当接する電源又はグランド用の第2端子とを含む。
【0008】
また、前記第1端子は、1側と2側が接続される際に、前記板状端子の表面に平行な方向に拡げられることにより、前記先端部が前記プラグの前記突出部の側面に係合してもよい。
【0009】
また、前記第1端子は、前記先端部を対で有し、前記対の先端部で前記プラグの前記突出部を挟むことにより、前記プラグの前記突出部の両側面に係合してもよい。
【0010】
また、前記対の先端部は、前記第2絶縁部から突出する長さが異なってもよい。
【0011】
また、前記板状端子は、1側と2側が接続されると、平面視で、前記第1端子及び前記第2端子が前記第2絶縁部から突出する部分の全体と重なる大きさを有してもよい。
【0012】
また、前記プラグの前記突出部の板厚方向は、前記板状端子に対して起立するように角度を有してもよい。
【0013】
また、前記第1端子及び前記第2端子は、平面視で、2つの第2端子の間に、2つの第1端子が配列されるように、前記第2絶縁部に保持されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
高速での信号伝達特性の良好なコネクタを提供できるという特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1のコネクタを示す斜視図である。
【図2】実施の形態1のコネクタ100に含まれる第1端子21と第2端子22を示す平面図である。
【図3】実施の形態1のコネクタ100の接続状態を示す図である。
【図4】実施の形態2のコネクタ200を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2のコネクタ200のコネクタ部同士を接続工程を段階的に示す図である。
【図6】実施の形態2のコネクタ200のコネクタ部同士を接続工程を段階的に示す図である。
【図7】実施の形態3のコネクタ300を示す斜視図である。
【図8】実施の形態3のコネクタを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、コネクタを適用した実施の形態について説明する。
【0017】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1のコネクタを示す斜視図である。
【0018】
実施の形態1のコネクタ100は、図1(A)に示すコネクタ部10と、図1(B)に示すコネクタ部20とを含む。
【0019】
コネクタ部10は、板状端子11、第1絶縁部12、及びプラグ13を含む雄型のコネクタ部である。板状端子11とプラグ13は、片側が第1絶縁部12とインサート成型されることによって保持されている。なお、図1(A)にはプラグ13を2つ示すが、プラグ13の数は3つ以上であってもよい。
【0020】
板状端子11は、例えば、銅板で構成され、電源用の電位又はグランド電位に保持される。
【0021】
第1絶縁部12は、板状端子11上に配設されており、樹脂等の絶縁材料で構成される。第1絶縁部12は、板状端子11の上でプラグ13を保持するための保持部12Aを有する。第1絶縁部12は、板状端子11とプラグ13とを電気的に絶縁する。
【0022】
プラグ13は、一対のプラグ部131、132を含み、例えば、銅製である。プラグ部131、132は、ともに第1絶縁部12の保持部12Aに保持され、板状端子11上で第1絶縁部12から突出している。プラグ部131、132は、互いに絶縁されており、第1絶縁部12の内部を通じて、図示しない信号線等に接続される。
【0023】
プラグ部131、132は、突出部131A、132Aを有する。突出部131A、132Aは、第1絶縁部12に保持されている保持部131B、132Bに対してL字型に折り曲げられている。このため、突出部131A、132Aの板厚方向は、板状端子11に対して起立するように角度を有する。
【0024】
このようなプラグ13は、例えば、プラグ部131、132で位相の異なる高周波信号を伝送するために用いることができる。
【0025】
図1(B)に示すコネクタ部20は、第1端子21、第2端子22、グランド端子23、及び第2絶縁部24を含む。第1端子21、第2端子22、及びグランド端子23は、例えば、銅製であり、片側が第2絶縁部24とインサート成型されることによって保持されている。
【0026】
第1端子21は、端子部211、212を有する。端子部211と端子部212は、第2絶縁部24内に含まれる部分で接続されており、平面視でU字型の板ばねになっている。端子部211は、端子部212よりも長くなるように形成されている。
【0027】
端子部211、212は、コネクタ部10とコネクタ部20が接続される場合に、根本部211A、212Aから先端部211B、212Bまで、コネクタ部10の板状端子11との距離が等距離になるように、すなわち、根本部211A、212Aから先端部211B、212Bまで板状端子11と平行になるように、第2絶縁部24によって保持されている。
【0028】
第2端子22は、第1端子21の左右を入れ替えた構造を有しており、端子部221、222を有する。端子部221と端子部222は、第2絶縁部24内に含まれる部分(破線で示す部分)で接続されており、平面視でU字型の板ばねになっている。端子部221は、端子部222よりも長くなるように形成されている。
【0029】
端子部221、222は、コネクタ部10とコネクタ部20が接続される場合に、根本部221A、222Aから先端部221B、222Bまで、コネクタ部10の板状端子11との距離が等距離になるように、すなわち、根本部221A、222Aから先端部221B、222Bまで板状端子11と平行になるように、第2絶縁部24によって保持されている。
【0030】
第1端子21及び第2端子22は、コネクタ部10とコネクタ部20が接続される場合に、それぞれ、コネクタ部10のプラグ部131、132と係合することにより、電気的に接続される端子である。
【0031】
グランド端子23は、第1絶縁部24の突出部24Aで保持されており、長手方向に対して垂直な方向に撓むことのできる板ばねによって構成されている。グランド端子23は、先端側に折り曲げ部23Aを有し、グランド端子23は、コネクタ部10とコネクタ部20が接続される場合に、折り曲げ部23Aが板状端子11の表面に当接し、板状端子11と電気的に接続される。
【0032】
ここで、第1端子21と第2端子22の構造を図2を用いてさらに詳しく説明する。
【0033】
図2は、実施の形態1のコネクタ100に含まれる第1端子21と第2端子22を示す平面図である。
【0034】
第1端子21と第2端子22は、図2に示すように、U字型の板ばねになっている。
【0035】
端子部211、212は、先端部211Bと212Bの少し手前で、互いの方向に突出する突出部211C、212Cを有する。突出部211C、212Cは、コネクタ部10とコネクタ部20が接続される場合に、プラグ部131の突出部131Aと係合する。
【0036】
第1端子21は、U字型の板ばねであるため、突出部211C、212Cの間の間隔Aは、プラグ部131の突出部131Aの幅よりも狭く設定されている。
【0037】
これは、第2端子22の突出部221C、222Cの間の間隔Aについても同様であり、突出部221C、222Cの間の間隔Aは、プラグ部131の突出部131Bの幅よりも狭く設定されている。
【0038】
次に、コネクタ部10とコネクタ部20が接続した状態について説明する。
【0039】
図3は、実施の形態1のコネクタ100の接続状態を示す図である。
【0040】
図3(A)に示すように、コネクタ部10とコネクタ部20を接続すると、プラグ13の突出部131Aの両側面に第1端子21の端子部211、212が係合し、プラグ13の突出部132Aの両側面に第2端子22の端子部221、222が係合する。この状態では、第1端子21及び第2端子22のU字型の板ばねは、自然長よりも拡げられた状態であり、板ばねの復元力により、突出部131A、132Aの両側面に密着している。
【0041】
また、図3(A)、(B)に示すように、グランド端子23は、先端側にある折り曲げ部23Aが板状端子11の表面に密着している。
【0042】
また、図3(A)、(B)に示すように、板状端子11は、コネクタ部10とコネクタ部20を接続した状態で、第2絶縁部24まで到達する大きさを有しており、端子部211、212、及びグランド端子23の全体と重なる大きさを有する。
【0043】
このようにして、実施の形態1のコネクタ100によれば、コネクタ部10とコネクタ部20が接続した状態で、プラグ13のプラグ部131と第1端子21、プラグ部132と第2端子22、板状端子11とグランド端子23の間における電気的接続を確保することができる。
【0044】
また、プラグ13に接続される第1端子21、第2端子22は、例えば、高周波信号等を伝送するために用いられるが、コネクタ部10とコネクタ部20とを接続する場合に、第1端子21と第2端子22は、板状端子11に対して平行な方向に変位する。
【0045】
このため、第1端子21と第2端子22の高さを揃えてコネクタ部20を作製しておけば、コネクタ部10との接続後に、第1端子21と第2端子22の間で、板状端子11に対する高さにばらつきが生じることを抑制することができる。
【0046】
このため、第1端子21と第2端子22との特性インピーダンスのばらつきやインピーダンスの不整合の発生を抑制することができる。
【0047】
また、この結果、信号の劣化、損失の増大等を抑制し、高速での信号伝達特性の良好なコネクタ100を提供することができる。
【0048】
また、第1端子21と第2端子22は、長さの異なる端子部211、212、端子部221、222をそれぞれ有する。端子部211、221同士と、端子部212、222同士との長さは、同一であってもよいが、端子部211、212同士と、端子部221、222同士の長さが異なることにより、コネクタ部10とコネクタ部20の係合時に、プラグ13のプラグ部131、132に端子部211、221が係合するタイミングと、プラグ部131、132に端子部212、222が係合するタイミングとをずらすことができる。これにより、コネクタ部10とコネクタ部20の係合時に、プラグ13のプラグ部131、132にかかる応力を少なくすることができるので、プラグ13のプラグ部131、132に係合し易くなる。また、少ない応力でコネクタ部10とコネクタ部20を係合させることができるので、プラグ33のプラグ部131、132をより薄くすることができる。
【0049】
また、板状端子11は、コネクタ部10とコネクタ部20を接続した状態で、端子部211、212、及びグランド端子23の全体と重なる大きさを有するため、複数のコネクタ100を重ねた場合に、重ね合わせたコネクタ100同士の間を板状端子11で遮蔽することができる。このため、重ね合わせたコネクタ100に含まれる端子部211、212、及びグランド端子23同士のクロストークの発生を抑制でき、高速での信号伝達特性の良好なコネクタ100を提供することができる。
【0050】
また、平面視で、2本のグランド端子23の間にプラグ13に接続される第1端子21、第2端子22を配設したので、第1端子21、第2端子22、及びグランド端子23を横方向に多数配列した場合に、横方向における第1端子21及び第2端子22同士のクロストークを抑制することができる。
【0051】
<実施の形態2>
図4は、実施の形態2のコネクタ200を示す斜視図である。
【0052】
実施の形態2のコネクタ200は、プラグと、第1端子及び第2端子の形状が実施の形態1のコネクタ100と異なる。その他の構成は実施の形態1のコネクタ100と同一であるため、同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
実施の形態2のコネクタ200は、プラグ33、第1端子41、第2端子42の構造が実施の形態1のコネクタ100のプラグ部13、第1端子21、第2端子22の構造と異なる。以下相違点を中心に説明する。
【0054】
図4(A)に示すように、プラグ33は、第1絶縁部12によって保持されている。また、第1端子41、第2端子42は、第2絶縁部24によって保持されている。
【0055】
プラグ33のプラグ部331、332の突出部331A、332Aには折り曲げ部331B、332Bが形成されている。折り曲げ部331B、332Bは、互いに接近する方向に折り曲げられている。
【0056】
図4(B)に示すように、第1端子41は、端子部411、412を含む。第1端子41は、平面視でU字型の板ばねで構成される。端子部411の構造は、実施の形態1の端子部211の構造と同一であるが、端子部412は、直線状である。端子部411は、端子部412よりも長くなるように形成されている。
【0057】
また、端子部411の先端部411Bよりも少し根本部411A側に形成された突出部411Cと、端子部412の先端部412Aとの間の間隔Bは、プラグ部331の突出部331Aを含む幅よりも狭く設定されている。
【0058】
同様に、第2端子42は、端子部421、422を含む。第2端子42は、平面視でU字型の板ばねで構成される。端子部421の構造は、実施の形態1の端子部221の構造と同一であるが、端子部422は、直線状である。端子部421は、端子部422よりも長くなるように形成されている。
【0059】
また、端子部421の先端部421Bよりも少し根本部421A側に形成された突出部421Cと、端子部422の先端部422Aとの間の間隔Bは、プラグ部332の突出部332Aを含む幅よりも狭く設定されている。
【0060】
また、図4(A)に示すように、第1端子41の端子部412と、第2端子42の端子部422の間には、第2絶縁部24の突出部24Bが配設されている。突出部24Bは、端子部412、422を保持している。
【0061】
次に、図5、図6を用いて実施の形態2のコネクタ200のコネクタ部同士を接続する方法と構造の詳細について説明する。図5(A)、(B)、図6(A)、(B)は、この順でコネクタ200に含まれるコネクタ部210、220を接続させる際の第1端子41、第2端子42の動きを段階的に示している。
【0062】
図5(A)に示す状態では、プラグ33のプラグ部331、332の突出部331A、332Aの先端が突出部411C及び突出部421Cと接している。この段階では、端子部412及び端子部422とプラグ33は接触していない。コネクタ部210とコネクタ部220をさらに接近させると、端子部412及び端子部422は、板ばねを拡げる(開く)方向に変位する。
【0063】
図5(B)に示す状態では、突出部411C及び突出部421Cが、折り曲げ部331B、332Bの外側の側面に係合している。突出部411C及び突出部421Cが、折り曲げ部331B、332Bに係合すると、プラグ33のプラグ部331、332は、折り曲げ部331B、332Bの分だけ板ばねが復元する(閉じる方向に変位する)。
【0064】
図6(A)に示す状態では、突出部411C及び突出部421Cは、折り曲げ部331B、332Bを通過し、端子部412、422の先端部412A、422Aが折り曲げ部331B、332Bの内側の側面に接近する。
【0065】
図6(B)に示す状態では、コネクタ部210とコネクタ部220は、完全に接続している。
【0066】
このように、端子部411がプラグ部331に接触するタイミングと、端子部412がプラグ部331に接触するタイミングとがずれるように、端子部411と端子部412の長さ、及び突出部411Cと先端部412Aの位置が設定されている。
【0067】
同様に、端子部421がプラグ部332に接触するタイミングと、端子部422がプラグ部332に接触するタイミングとがずれるように、端子部421と端子部422の長さ、及び突出部421Cと先端部422Aの位置が設定されている。
【0068】
これにより、端子部412と端子部422は可動しない接点となるので、端子部412と端子部422の距離を縮めることができ、また、プラグ33のプラグ部331とプラグ部332との距離も縮めることができるので、コネクタ200の小型化が可能になる。
【0069】
このようにして、実施の形態2のコネクタ200によれば、コネクタ部210とコネクタ部220が接続した状態で、プラグ33のプラグ部331と第1端子41、プラグ部332と第2端子42、板状端子11とグランド端子23の間における電気的接続を確保することができる。
【0070】
また、プラグ33に接続される第1端子41、第2端子42は、例えば、高周波信号等を伝送するために用いられるが、コネクタ部10とコネクタ部20とを接続する場合に、第1端子41と第2端子42は、板状端子11に対して平行な方向に変位する。
【0071】
このため、第1端子41と第2端子42の高さを揃えてコネクタ部220を作製しておけば、コネクタ部210との接続後に、第1端子41と第2端子42の間で、板状端子11に対する高さにばらつきが生じることを抑制することができる。
【0072】
このため、第1端子41と第2端子42との特性インピーダンスのばらつきやインピーダンスの不整合の発生を抑制することができる。
【0073】
また、この結果、信号の劣化、損失の増大等を抑制し、高速での信号伝達特性の良好なコネクタ200を提供することができる。
【0074】
<実施の形態3>
図7は、実施の形態3のコネクタ300を示す斜視図である。
【0075】
実施の形態3のコネクタ300は、プラグの形状を、実施の形態1の第1端子及び第2端子の形状と同じ形状にした点が実施の形態1のコネクタ100と異なる。その他の構成は実施の形態1のコネクタ100と同一であるため、同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図7(B)に示すコネクタ部310は、実施の形態1のコネクタ部10と同一である。
【0077】
一方、図7(A)に示すコネクタ部320は、コネクタ部310に含まれる第1端子21及び第2端子22と同一形状のプラグ部51、52を有するプラグ53を含む。
【0078】
図7(A)に示すように、プラグ部51は、端子部511、512を有する。端子部511と端子部512は、第1絶縁部12内に含まれる部分で接続されており、平面視でU字型の板ばねになっている。端子部511は、端子部512よりも長くなるように形成されている。なお、U字型の板ばねで構成されるプラグ部51の形状は、図2に示す第1端子21及び第2端子22と同一である。プラグ部51は、図7(B)に示す第1端子21と接続されるため、第1端子21に対して90°回転させた状態で第1絶縁部12に保持されている。
【0079】
同様に、プラグ部52は、端子部521、522を有する。端子部521と端子部522は、第1絶縁部12内に含まれる部分で接続されており、平面視でU字型の板ばねになっている。端子部521は、端子部522よりも長くなるように形成されている。なお、U字型の板ばねで構成されるプラグ部52の形状は、図2に示す第1端子21及び第2端子22と同一である。プラグ部52は、図7(B)に示す第2端子22と接続されるため、第2端子22に対して90°回転させた状態で第1絶縁部12に保持されている。
【0080】
このような実施の形態3のコネクタ部310とコネクタ部320とを接続すると、図8に示すように、プラグ部51と第1端子21が係合して接続され、プラグ部52と第2端子22が係合して接続される。
【0081】
このため、実施の形態3のコネクタ300によれば、コネクタ部310とコネクタ部320が接続した状態で、プラグ53のプラグ部51と第1端子21、プラグ部52と第2端子22、板状端子11とグランド端子23の間における電気的接続を確保することができる。
【0082】
また、第1端子21と第2端子22の高さを揃えてコネクタ部320を作製するとともに、プラグ部51とプラグ部52の高さを揃えてコネクタ部310を作製すれば、コネクタ部310と320を接続した後に、第1端子21及びプラグ部51の接続状態と、第2端子22及びプラグ部52の接続状態とを揃えることができ、ばらつきが生じることを抑制することができる。
【0083】
このため、第1端子21と第2端子22との特性インピーダンスのばらつきやインピーダンスの不整合の発生を抑制することができる。
【0084】
また、この結果、信号の劣化、損失の増大等を抑制し、高速での信号伝達特性の良好なコネクタ300を提供することができる。
【0085】
また、第1端子21と第2端子22は、長さの異なる端子部211、212、端子部221、222をそれぞれ有し、プラグ部51とプラグ部52も、長さの異なる端子部511、512、端子部521、522をそれぞれ有するため、コネクタ部310と320とを容易に接続することができる。
【0086】
以上、本発明の例示的な実施の形態のコネクタについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
100 コネクタ
10 コネクタ部
11 板状端子
12 第1絶縁部
12A 保持部
13 プラグ
131、132 プラグ部
131A、132A 突出部
131B、132B 保持部
21 第1端子
22 第2端子
23 グランド端子
24 第2絶縁部
211、212 端子部
211A、212A 根本部
211B、212B 先端部
211C、212C 突出部
221、222 端子部
221A、222A 根本部
221B、222B 先端部
221C、222C 突出部
200 コネクタ
33 プラグ
41 第1端子
42 第2端子
331、332 プラグ部
331A、332A 突出部
331B、332B 折り曲げ部
411、412 端子部
411A 根本部
411B 先端部
411C 突出部
412A 先端部
421、422 端子部
421A 根本部
421B 先端部
421C 突出部
422A 先端部
51、52 プラグ部
53 プラグ
511、512 端子部
521、522 端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1側と2側を接続するコネクタであって、
電源用の電位又はグランド電位に保持される1側の板状端子と、
前記板状端子上に配設される第1絶縁部と、
信号線に接続され、前記第1絶縁部に保持され、前記第1絶縁部に対して突出する突出部を有するプラグと、
2側の第2絶縁部と、
前記第2絶縁部に保持され、1側と2側が接続されると前記プラグの前記突出部の側面に先端部が係合するばね状の第1端子と、
前記第2絶縁部に保持され、1側と2側が接続されると前記板状端子に当接する電源又はグランド用の第2端子と
を含む、コネクタ。
【請求項2】
前記第1端子は、1側と2側が接続される際に、前記板状端子の表面に平行な方向に拡げられることにより、前記先端部が前記プラグの前記突出部の側面に係合する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1端子は、前記先端部を対で有し、前記対の先端部で前記プラグの前記突出部を挟むことにより、前記プラグの前記突出部の両側面に係合する、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記対の先端部は、前記第2絶縁部から突出する長さが異なる、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記板状端子は、1側と2側が接続されると、平面視で、前記第1端子及び前記第2端子が前記第2絶縁部から突出する部分の全体と重なる大きさを有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記プラグの前記突出部の板厚方向は、前記板状端子に対して起立するように角度を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1端子及び前記第2端子は、平面視で、2つの第2端子の間に、2つの第1端子が配列されるように、前記第2絶縁部に保持される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−222403(P2011−222403A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92222(P2010−92222)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】