説明

コモンモード電流検出器及び電力線通信装置

【課題】 コモンモード電流検出器及び電力線通信装置において、実際に発生しているコモンモード電流の検出を可能にしてそのレベルを判定可能にすること。
【解決手段】 電力線L又は該電力線Lに接続されたACケーブル10からの放射電磁波を受信するアンテナ部2と、アンテナ部2に接続されアンテナ部2に生じるコモンモード電流を検出する検出回路部3と、検出回路部3によるコモンモード電流の検出量が所定値以上か否かを判定する異常判定部4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力線通信における電波漏れ検出に好適なコモンモード電流検出器及びこれを備えた電力線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家屋等の建物内に配線されている電力線を介して通信機器間のデータ通信を行う電力線通信(PLC:Power Line Communication)が検討されている。この電力線通信では、通信時に電力線から屋内に電波が漏れる漏洩電磁界の問題があり、特に線路にコモンモード電流が発生すると漏洩電磁界が発生することがわかっている。
【0003】
また、電力線通信における電波漏れに関しては、LCL(縦電圧変換損)という概念がある。このLCLは、線路の平衡度を表すパラメータであり、線路から放射される妨害波のレベルに直接的に影響する極めて重要な特性である。具体的には、LCLが小さくなれば、電波漏れは増加する傾向にあり、日本の一般家屋では、LCLが平均30dB程度であり、最も悪い環境では、99%でLCLが16dB程度になると考えられている。
このため、従来、このような電波漏れを抑制する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、モデム本体と入出力端との間にコモンモードフィルタを設けた電力線通信用モデムが提案されている。この技術では、モデムにコモンモードフィルタを設けて、電力線やケーブルに発生するコモンモード電流によるコモンモードノイズを抑制しようとするものである。
【0005】
【特許文献1】特開2004−266634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電力線通信において、LCLは電力線の配線状態や接続する電気機器等の状態に応じて異なり、電力線の配線環境等によってコモンモード電流が変動し、増大したコモンモード電流に起因する電波が放射されて電波干渉を生じてしまう不都合がある。特許文献1の技術では、電力線通信装置にコモンモード電流の抑制手段を設けているが、画一的な抑制手段であるため、上述したように変動する実際のコモンモード電流、特に抑制可能なレベルを超えて増大したコモンモード電流に対応した適切な措置が困難であった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、実際に発生しているコモンモード電流の検出を可能にしてそのレベルを判定可能なコモンモード電流検出器及びこれを備えた電力線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のコモンモード電流検出器は、電力線又は該電力線に接続されたACケーブルからの同相信号又は放射電磁波を受信する受信部と、前記受信部に接続され前記受信部に生じるコモンモード電流を検出する検出回路部と、前記検出回路部によるコモンモード電流の検出量が所定値以上か否かを判定する異常判定部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このコモンモード電流検出器では、受信部が電力線又はACケーブルからの同相信号又は放射電磁波を受信し、その際に生じたコモンモード電流を検出回路部により検出すると共に、異常判定部により検出したコモンモード電流の検出量が所定値以上であるか否かを判定する。すなわち、受信部を測定したい電力線やACケーブルに対して近接させ放射電磁波を受信するか、接続して同相信号を受信すれば、これに接続される電力線通信装置の配線に生じるコモンモード電流が所定値以上になるか否かを判定することができる。これにより、所定値以上のコモンモード電流が発生する箇所では、電力線通信装置により電力線通信を停止する等の措置を適切に行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明のコモンモード電流検出器では、前記異常判定部が、前記検出量が所定値以上の際に警告表示又は警告音発生を行う異常警告部を備えていることを特徴とする。すなわち、このコモンモード電流検出器では、異常警告部がコモンモード電流の検出量が所定値以上である場合に警告表示又は警告音発生を行うので、配線環境の変更等によりコモンモード電流が所定値以上に増大した際に、容易に認識することができる。
【0011】
また、本発明のコモンモード電流検出器では、前記受信部が、外部に露出して設置されたアンテナ部であることを特徴とする。すなわち、このコモンモード電流検出器では、受信部が外部に露出して設置されたアンテナ部であるので、任意の外部空間にアンテナ部を設置することで設置箇所における放射電磁波を受信して、当該設置位置で生じるコモンモード電流を検出することができる。
【0012】
また、本発明のコモンモード電流検出器では、前記受信部が、前記ACケーブルの実線に沿って設けられたアンテナ線であることを特徴とする。すなわち、このコモンモード電流検出器では、受信部がACケーブルの実線に沿って設けられたアンテナ線であるので、ACケーブルの実線から放射される電磁波をアンテナ線で受信することで、ACケーブルに起因するコモンモード電流をより正確に検出することができる。
【0013】
また、本発明のコモンモード電流検出器では、前記受信部が、前記ACケーブルに接続され前記ACケーブル中の同相信号を受信する結合回路部であることを特徴とする。すなわち、このコモンモード電流検出器では、受信部がACケーブル中の同相信号を受信する結合回路部であるので、結合回路部によりACケーブルから同相信号を直接的に引き入れることでより正確にかつ高精度にコモンモード電流を検出することができる。
【0014】
本発明の電力線通信装置では、電力線に接続され電力線を介してデータ通信を行う電力線通信部と、上記本発明のコモンモード電流検出器とを備え、前記電力線通信部が、前記異常判定部により前記検出量が所定値以上と判定された際に、データ通信を停止することを特徴とする。すなわち、この電力線通信装置では、電力線通信部が、異常判定部によりコモンモード電流の検出量が所定値以上と判定された際に、データ通信を停止するので、電力線通信によって生じる電波放射が停止され、適切に電波干渉を防ぐことができる。
【0015】
また、本発明の電力線通信装置では、電力線に前記ACケーブルを介して接続される結合器と、電力線に前記ACケーブルを介して接続され前記電力線通信部に電力を供給するスイッチング電源と、前記結合器を収納する電磁波シールドケースを備え、前記コモンモード電流検出器の少なくとも前記受信部が、前記結合器と共に前記電磁波シールドケース内に収納されていることを特徴とする。すなわち、この電力線通信装置では、コモンモード電流検出器の受信部も、結合器と共に電磁波シールドケース内に収納されているので、コモンモード電流が検出しやすい結合器と同一ケース内に配されてコモンモード電流を検出し易くなる。また、電磁波シールドケースにより受信部が外部と空間的に独立されることから、外部からの干渉電波を遮断して検出精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るコモンモード電流検出器によれば、受信部が電力線又はACケーブルからの同相信号又は放射電磁波を受信し、検出回路部によりコモンモード電流を検出して、異常判定部により検出量が所定値以上であるか否かを判定するので、電力線又はACケーブルからのコモンモード電流を容易に検出し、異常なレベルか否かを判定することができる。すなわち、電力線の配線環境等に応じて変動するコモンモード電流を容易に把握でき、異常増大時には適切な対応を行うことが可能になる。したがって、本発明のコモンモード電流検出器を備えた電力線通信装置では、コモンモード電流の検出量が所定値以上に増大した場合に、電力線通信を停止することで、自動的に電波放射が停止されて、電波干渉を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るコモンモード電流検出器の第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
【0018】
本実施形態のコモンモード電流検出器1は、図1に示すように、電力線Lからの放射電磁波を受信するアンテナ部(受信部)2と、アンテナ部2に接続されアンテナ部2に生じるコモンモード電流を検出する検出回路部3と、検出回路部3によるコモンモード電流の検出量が所定値以上か否かを判定する回路である異常判定部4とを備えている。
【0019】
上記検出回路部3は、アンテナ部2に接続され周波数帯域を例えば2〜30MHzに制限するフィルタ5と、フィルタ5に接続されフィルタ5を介して入力されたコモンモード電流を増幅するアンプ部6と、アンプ部6に接続された直線検波器7と、直線検波器7とグランドGとの間に接続された検出側コンデンサ8とを備えている。なお、上記フィルタ5において、2〜30MHz内に周波数を制限しているのは、他のノイズを拾ってしまうことを防ぐためである。
【0020】
上記異常判定部4は、直線検波器7に接続され、上記検出量が所定値以上の際に警告表示及び警告音発生を行う異常警告部9が設けられている。この異常警告部9は、例えば上記検出量が所定値以上になると内蔵スピーカから警告音を発生させると共に、LED等の警告ランプを点灯して警告表示を行うようになっている。
【0021】
上記アンテナ部2は、外部に突出して設けられ電力線Lに接続された電力線通信装置のACケーブル10付近に設置される。特に、電力線通信装置において、電力線LにACケーブル10を介して接続される結合器11近くにアンテナ部2を配置することが好ましい。この結合器11は、ACケーブル10に接続された一対の結合器配線12と、一対の結合器配線12にそれぞれ接続された一対の結合器用コンデンサ13と、一端側がこれら結合器用コンデンサ13に接続されていると共に他端側が電力線通信装置の電力線通信部(図示略)への通信部信号線14に接続されたトランス15とで構成されている。
【0022】
この本実施形態のコモンモード電流検出器1では、アンテナ部2が電力線Lからの放射電磁波を受信し、その際に生じたコモンモード電流を検出回路部3により検出すると共に、異常判定部4により検出したコモンモード電流の検出量が所定値以上であるか否かを判定する。すなわち、アンテナ部2を測定したい電力線Lに近接させて設置すれば、これに接続される電力線通信装置の配線に生じるコモンモード電流が所定値以上になるか否かを判定することができる。これにより、所定値以上のコモンモード電流が発生する箇所では、電力線通信装置により電力線通信を停止する等の措置を適切に行うことが可能になる。
【0023】
特に、アンテナ部2が外部に露出して設置されているので、任意の外部空間にアンテナ部2を設置することで設置箇所における放射電磁波を受信して、当該設置位置で生じるコモンモード電流を検出することができる。
また、異常警告部9が、コモンモード電流の検出量が所定値以上である場合に警告表示及び警告音発生を行うので、配線環境の変更等によりコモンモード電流が所定値以上に増大した際に、容易に認識することができる。
【0024】
次に、本発明に係るコモンモード電流検出器及び電力線通信装置の第2実施形態を、図2から図4を参照しながら説明する。なお、以下の各実施形態おいて、上記実施形態で説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0025】
第2実施形態の電力線通信装置は、図2及び図3に示すように、電力線LにACケーブル10を介して接続される結合器11と、結合器11を介してACケーブル10に接続され電力線Lによりデータ通信を行う電力線通信部22と、電力線通信部22に接続されたオーディオ機器等のアプリケーションデバイス23と、ACケーブル10からの放射電磁波を受信してコモンモード電流を検出するコモンモード電流検出器21と、電力線LにACケーブル10を介して接続され電力線通信部22、アプリケーションデバイス23及びコモンモード電流検出器21に電力を供給するスイッチング電源24と、結合器11及びコモンモード電流検出器21を収納する電磁波シールドケース25とを備えている。
【0026】
上記電力線通信部22は、オーディオデータ等のデータを例えば複数のサブキャリアに分けて複数のサブキャリアに対応するキャリア周波数で電力線Lを介して送信及び受信するデータ送信部(図示略)及びデータ受信部(図示略)を有している。
上記スイッチング電源24は、電力線Lからの交流電圧を直流電圧に変換しスイッチング周波数に基づいて出力電圧を制御し、電力線通信部22、アプリケーションデバイス23及びコモンモード電流検出器21に電力供給するものである。
【0027】
上記結合器11は、上述した第1実施形態のものと同様に、ACケーブル10に接続された一対の結合器配線12と、一対の結合器配線12にそれぞれ接続された結合器用コンデンサ13と、一端側がこれら結合器用コンデンサ13に接続されていると共に他端側が電力線通信部22への通信部信号線14に接続されたトランス15とで構成されている。
【0028】
上記コモンモード電流検出器21は、上述した第1実施形態のものと同様の検出回路部3及び異常判定部4を備えているが、アンテナ部2が、図3及び図4に示すように、ACケーブル10内に埋め込まれ、ACケーブル10のAC線(実線)10aに沿って設けられたアンテナ線である点が異なっている。
【0029】
また、異常判定部4は、電力線通信部22に接続され、上記検出量が所定値以上と判定された際にその信号を電力線通信部22へ送信するように設定されている。
そして、電力線通信部22は、異常判定部4により上記検出量が所定値以上と判定された際に、その信号を異常判定部4より受け、データ通信を停止するように設定されている。
上記ACケーブル10は、先端部にコンセントプラグ26が接続され、電力線Lのコンセントジャック27に差し込まれて電力線Lに接続される。
【0030】
上記コンセントプラグ26は、図3に示すように、電力線Lの一対のコンセントジャック27に差し込み可能な一対のプラグ端子26aと、一対のプラグ端子26aに一端が接続されACケーブル10の一対のAC線10aに他端が接続される一対のプラグ信号線26bと、一対のプラグ信号線26bがキャンセル巻きで巻回された磁性体コア26cからなるコモンモードチョークコイル27と、コモンモードチョークコイル27を挟んで一対のプラグ信号線26bに並列に接続された一対のプラグ内コンデンサ26dと、プラグ信号線26bと磁性体コア26cとを覆って内部に収納する封止樹脂28とを備えている。すなわち、コモンモードチョークコイル27を挟むようにプラグ内コンデンサ26dが一対のプラグ信号線26bに架け渡されて接続されている。
【0031】
上記電磁波シールドケース25は、例えば金属製のケースや樹脂製ケース本体の表面又は内面に金属薄膜が形成されたものであり、電磁波を吸収、減衰、反射させて遮断する機能を有している。
スイッチング電源24と結合器11とコモンモード電流検出器21とは同一基板(図示略)上に設けられているが、結合器11及びコモンモード電流検出器21のみが電磁波シールドケース25に覆われて収納されている。なお、スイッチング電源24と結合器11とコモンモード電流検出器21とを別々の基板上に設け、結合器11及びコモンモード電流検出器21を搭載した基板ごと電磁波シールドケース25に収納しても構わない。
【0032】
結合器11と電力線通信部22とは、上述したように通信部信号線14で接続されている。この通信部信号線14及びACケーブル10のAC線10aは、より対線で構成されている。また、ACケーブル10は、図4に示すように、上記AC線10aと、AC線10aを覆う絶縁性の内側被覆材10bと、内側被覆材10bを覆うメッシュ銅線等の電磁波シールド材10cと、電磁波シールド材10cを覆う絶縁性の外側被覆材10dとを備えている。なお、アンテナ部2は、電磁波シールド材10cの内側に配されている。
【0033】
第2実施形態のコモンモード電流検出器21では、アンテナ部2がACケーブル10のAC線10aに沿って設けられたアンテナ線であるので、ACケーブル10のAC線10aから放射される電磁波を近接したアンテナ部2で受信することで、ACケーブル10に起因するコモンモード電流をより正確に検出することができる。
また、第2実施形態の電力線通信装置は、電力線通信部22が、異常判定部4によりコモンモード電流の検出量が所定値以上と判定された際に、データ通信を停止するので、電力線通信によって生じる電波放射が停止され、適切に電波干渉を防ぐことができる。
【0034】
なお、電磁波シールドケース25により結合器11が収納されているので、スイッチング電源24からのノイズが電磁波シールドケース25に吸収、遮断、反射されて結合器11の配線にノイズが重畳してコモンモード電流が増大することを防ぐことができると共に、スイッチング電源24を含む全体をシールドケースに収納する場合よりも小型化することができ、接地も容易となる。したがって、通信特性が改善され、通信距離及び通信信頼性が向上すると共に、全体として小型化が可能で、かつ低コストで作製することができる。
【0035】
また、より対線のAC線10aにより結合器11と電力線通信部22とを接続する通信部信号線14及びACケーブル10が構成されているので、通常の対線の場合、一定方向からの放射ノイズに対して対線の距離差が生じてしまい差動ノイズが生じやすいのに対し、対線の距離差が無いより対線のAC線10aでは、差動ノイズが生じ難く、ノイズの影響をさらに低減することができる。
【0036】
なお、電磁波シールドケース25及び電磁波シールド材10cは、スイッチング電源24からの放射ノイズだけでなく、電力線通信装置の周辺に設置されたパーソナルコンピュータやテレビジョン等の電源やACケーブルが近接する場合、これらから放射されるノイズに対してもノイズ低減効果を有している。
【0037】
次に、本発明に係るコモンモード電流検出器及び電力線通信装置の第3実施形態を、図5を参照しながら説明する。
【0038】
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、ACケーブル10のAC線10aに沿って受信部であるアンテナ部2が配されているのに対し、第3実施形態のコモンモード電流検出器31及びこれを備えた電力線通信装置では、図5に示すように、ACケーブル10に接続されACケーブル10中の同相信号を受信する結合回路部(受信部)32をアンテナ部2の代わりに備えている点である。
【0039】
上記結合回路部32は、ACケーブル10の一対のAC線10aに一端が接続された一対の結合線32aと、各結合線32aに一端が接続された一対の結合回路用コンデンサ32bとを備え、これら結合回路用コンデンサ32bの他端を接続する連結線32cにフィルタ5が接続されている。また、結合回路部32は、結合器11及び検出回路部3と共に電磁波シールドケース25内に収納されている。
【0040】
第3実施形態のコモンモード電流検出器31では、結合回路部32をACケーブル10に接続して同相信号を直接受信するので、結合回路部32によりACケーブル10から同相信号を直接的に引き入れることでより正確にかつ高精度にコモンモード電流を検出することができる。
また、結合回路部32も、結合器11及び検出回路部3と共に電磁波シールドケース25内に収納されているので、コモンモード電流が検出しやすい結合器11と同一ケース内に配されてコモンモード電流を検出し易くなる。また、電磁波シールドケース25により結合回路部32が外部と空間的に独立されることから、外部からの干渉電波を遮断して検出精度を向上させることができる。
【0041】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る第1実施形態のコモンモード電流検出器を示す回路構成を含む全体構成図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態のコモンモード電流検出器及び電力線通信装置において、電力線通信装置を示す全体構成図である。
【図3】第2実施形態において、ACケーブル及びコモンモード電流検出器を示す構成図である。
【図4】第2実施形態において、ACケーブルを示す断面図である。
【図5】本発明に係る第3実施形態のコモンモード電流検出器及び電力線通信装置において、電力線通信装置の結合器及びコモンモード電流検出器を示す回路構成を含む構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1、21、31…コモンモード電流検出器、2…アンテナ部(受信部)、3…検出回路部、4…異常判定部、9…異常警告部、10…ACケーブル、10a…AC線(ACケーブルの実線)、11…結合器、22…電力線通信部、24…スイッチング電源、25…電磁波シールドケース、32…結合回路部(受信部)、L…電力線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線又は該電力線に接続されたACケーブルからの同相信号又は放射電磁波を受信する受信部と、
前記受信部に接続され前記受信部に生じるコモンモード電流を検出する検出回路部と、
前記検出回路部によるコモンモード電流の検出量が所定値以上か否かを判定する異常判定部とを備えていることを特徴とするコモンモード電流検出器。
【請求項2】
請求項1に記載のコモンモード電流検出器において、
前記異常判定部が、前記検出量が所定値以上の際に警告表示又は警告音発生を行う異常警告部を備えていることを特徴とするコモンモード電流検出器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコモンモード電流検出器において、
前記受信部が、外部に露出して設置されたアンテナ部であることを特徴とするコモンモード電流検出器。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のコモンモード電流検出器において、
前記受信部が、前記ACケーブルの実線に沿って設けられたアンテナ線であることを特徴とするコモンモード電流検出器。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のコモンモード電流検出器において、
前記受信部が、前記ACケーブルに接続され前記ACケーブル中の同相信号を受信する結合回路部であることを特徴とするコモンモード電流検出器。
【請求項6】
電力線に接続され電力線を介してデータ通信を行う電力線通信部と、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコモンモード電流検出器とを備え、
前記電力線通信部が、前記異常判定部により前記検出量が所定値以上と判定された際に、データ通信を停止することを特徴とする電力線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電力線通信装置において、
電力線に前記ACケーブルを介して接続される結合器と、
電力線に前記ACケーブルを介して接続され前記電力線通信部に電力を供給するスイッチング電源と、
前記結合器を収納する電磁波シールドケースを備え、
前記コモンモード電流検出器の少なくとも前記受信部が、前記結合器と共に前記電磁波シールドケース内に収納されていることを特徴とする電力線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−172372(P2008−172372A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1849(P2007−1849)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】