説明

コンクリート成形体の貫通孔成形型

【課題】貫通孔を、その内径が全長に亘って目的とする径となるように貫通孔を成形でき、また作業性を良好となし得るコンクリート成形体の貫通孔の成形型を提供する。
【解決手段】ゴム膨張管14を備えた加圧膨張体12と、ゴム膨張管14の外周側に配置され、円弧形状をなす複数の鋼片34-1,34-2,34-3に周方向に3分割された鋼製筒体34と、更にその外側に鋼製筒体34に外挿された弾性を有する外挿チューブ36との複合構造をなし、型枠にセットされてコンクリート成形体に貫通孔を成形する貫通孔成形型10において、ゴム膨張管14の最大膨張限度を規定する筒状の膨張リミッターとしての可撓筒体32を設けておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴム膨張管を膨張させた状態でコンクリート打設及び固化を行うことにより、コンクリート成形と同時にコンクリート成形体に貫通孔を成形する貫通孔成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、型枠のコンクリート成形空間に流動状態のコンクリート(生コンクリート)を打設及び固化させてコンクリートブロック等のコンクリート成形体を成形すると同時に、コンクリート成形体に貫通孔を成形することが行われている。
【0003】
コンクリート成形体に貫通孔を成形する目的は様々であるが、その1つとして、かかる貫通孔をコンクリート成形体同士を締結一体化するための孔として利用すること、具体的には互いに締結一体化すべきコンクリート成形体の一方にかかる貫通孔を成形しておいて、他方のコンクリート成形体から突出させた鉄筋をこの貫通孔に挿入し、その状態で貫通孔内に流動状態のモルタルを充填及び固化させることで、それら一対のコンクリート成形体を互いに締結一体化することが行われている。
【0004】
コンクリート成形体にこのような貫通孔を成形する手段の一例が下記特許文献1に開示されている。図13はその具体例を示している。
図13において、200は型枠(ここではコ字形状のコンクリート成形体の成形用型枠)で、204はその型枠200におけるコンクリート成形空間である。
206は貫通孔成形用の加圧膨張体で(ここでは加圧膨張体206自体が貫通孔成形型を成している)、ゴム膨張管208を主要素として備えている。
【0005】
この図13に示す成形方法では、加圧膨張体206を型枠200のコンクリート成形空間204にセットして、これを支持部210の保持孔212に嵌めて保持させ、その後加圧膨張体206内部に加圧流体を導入してゴム膨張管208を膨張及び拡径させ、その状態でコンクリート成形空間204に流動状態のコンクリートを打設及び固化させることにより、コンクリート成形すると同時にコンクリート成形体に加圧膨張体206にて貫通孔を成形する。
その後加圧膨張体206から加圧流体を抜いてゴム膨張管208を縮径させ、加圧膨張体206をコンクリート成形体の貫通孔から抜き出す。
【0006】
以上は加圧膨張体206をコンクリート成形空間に縦向きに挿入セットして縦の貫通孔を成形する場合の例であるが、加圧膨張体206をコンクリート成形空間に横向きに挿入セットし、横方向の貫通孔を加圧膨張体206にて成形することも行われている。
【0007】
ところでこのようにして加圧膨張体206のゴム膨張管208を膨張させてコンクリート成形体に貫通孔を成形する場合、加圧膨張体206、詳しくはゴム膨張管208内部に導入される加圧エア等の加圧流体と、コンクリート成形空間に打設された流動状態のコンクリートとの比重の差による浮力によって或いはコンクリートの打設圧力によって、加圧膨張体206のゴム膨張管208が曲り変形してしまい、そのことによって貫通孔を目的とした直線形状(直芯形状)に良好に成形できないといった問題が生ずる。
【0008】
例えば上記したように貫通孔に鉄筋を挿入してコンクリート成形体同士を締結一体化する場合、その貫通孔には厳密な直芯性が要求されるが、図13に示すような加圧膨張体206を貫通孔成形型として用いる場合には、その貫通孔を直芯形状に良好に成形できない。
この問題点を解決することを狙いとしたものが下記特許文献2に開示されている。
図14及び図15はその具体例を示している。
【0009】
図において、214はコンクリート成形体の貫通孔を成形する貫通孔成形型で、ゴム膨張管208と端部部材216,218とを備えた加圧膨張体206の他に、ゴム膨張管208に外挿された鋼製筒体(剛性筒体)220、及び更にこれに外挿されたゴム製の外挿チューブ222からなる複合構造となしてある。
【0010】
ここで鋼製筒体220は、図15(イ)に示しているように中心角が約120°の円弧形状をなす3つの鋼片220-1,220-2,220-3に周方向に3分割されており、それら鋼片220-1〜220-3が外挿チューブ222とゴム膨張管208との間の空間に保持されている。
【0011】
図15(ロ)に示すようにこの貫通孔成形型214では、ゴム膨張管208を膨張させて拡径させたときに、鋼片220-1〜220-3の径方向の移動を伴って3分割して成る鋼製筒体220及び外挿チューブ222が共に拡径して外挿チューブ222が型枠200の嵌合孔224に密着嵌合する。尚このとき、3つの鋼片220-1,220-2,220-3は嵌合孔224に対応した径の断面円形の円筒を形成する。
この状態でコンクリート成形空間204にコンクリート打設及び固化させることで、コンクリート成形体及び貫通孔を同時に成形することができる。
【0012】
これら図14及び図15に示す貫通孔成形型214の場合、鋼製筒体220の有する剛性によって、即ち曲げ変形に対する抵抗によって貫通孔に一定の直芯性を持たせることができる。
しかしながらこの貫通孔成形型214には未だ様々な問題点が内在している。
【0013】
この貫通孔成形型214の場合、内部に導入される加圧エア等の加圧流体の圧力が過大であると、図14に示す嵌合孔224と224との間の中間部分で、鋼片220-1〜220-3の曲げ変形を伴って加圧膨張体206におけるゴム膨張管208が過剰に膨張して大径化してしまい、貫通孔の軸方向の中間部分の径が目的とする径よりも過大となったり、或いは貫通孔全体の形状が変形し、場合によって十分な直芯性が得られなかったりする。
【0014】
通常、ゴム膨張管208内部に導入するエア等の加圧流体はその圧力を管理するが、そのようにしても加圧膨張体206個々について内部圧力を厳密に一定圧力にコントロールすることは難しく、またたとえそれができたとしても、貫通孔成形型214を型枠200にセットした状態でコンクリート成形空間204に打設したコンクリートが自己発熱により温度上昇したとき(その温度は70〜100℃にも達する)、その熱によって内部の加圧流体が膨張して、ゴム膨張管208が型枠200へのセット時よりも大径化し、結果として貫通孔の孔径が目標値に対して大径化してしまう。
【0015】
更に図14及び図15に示す貫通孔成形型214は、鋼製筒体220を構成する各分割片220-1,220-2,220-3が周方向に移動制限されておらず、周方向の移動が自由であることから以下のような問題を生じる。
【0016】
即ち、加圧膨張体206から加圧流体を抜き出してゴム膨張管208を径方向に収縮させたとき、3分割された各鋼片220-1,220-2,220-3が周方向の移動を伴って図12に示すように互いに部分的に重なり合ってしまい(図12では鋼片34-1,34-2,34-3、図12の内容については後に詳しく説明する)、各鋼片220-1,220-2,220-3が周方向に不均等に配置した状態となってしまう。
このようになると、コンクリート及び貫通孔成形後において、貫通孔成形型214を型枠200から抜き出すことが場合によって困難となってしまう。
【0017】
更にこのような状態で貫通孔成形型214を次の貫通孔成形に用いたとき、詳しくは再び加圧膨張体206の内部に加圧流体を導入して、ゴム膨張管208を径方向に膨張させ、3分割の鋼片220-1,220-2,220-3を径方向外方に位置移動させて拡げたときに、それら鋼片220-1,220-2,220-3が正しく円筒形状を形成せず、このことが貫通孔の直芯性を損なう原因となってしまう。
【0018】
これを防止するためには、ゴム膨張管208の収縮によって周方向に位置移動した鋼片220-1,220-2,220-3を、再びそれらが重なり合わない正規の位置、即ち各鋼片220-1,220-2,220-3が周方向に偏り無く均等に分散して位置するように各鋼片220-1,220-2,220-3の位置を修正することが必要となるが、その作業は面倒な作業となり、コンクリート成形及び貫通孔成形の作業能率を大きく低下させてしまう。
【0019】
その他、上記の貫通孔成形型214は、これにより得られる貫通孔の内周面が平滑な面となってしまう問題点も有している。
貫通孔の内周面がこのような平滑面であると、そこにモルタルを充填して固化させたとき、充填モルタルと貫通孔内周面との固着力が弱いものとなり、貫通孔において締結一体化したコンクリート成形体同士を引き離す方向に過大な力が作用したとき、充填モルタルが貫通孔から抜ける恐れが生ずる。
【0020】
尚、下記特許文献3にはゴム膨張管自身の外周面に凹凸形状を付与した例が開示されているが、このものを本発明の貫通孔成形型に適用しても貫通孔内周面に所望の凹凸形状を付与することはできない。
【0021】
本発明に対する他の先行技術として下記特許文献4に開示されたものがある。
但しこの特許文献4に開示のものも本発明とは異なったもので、本発明の課題としている問題点を解決することができない。
【0022】
【特許文献1】実公平5−23284号公報
【特許文献2】特開平11−320534号公報
【特許文献3】特開2006−272624号公報
【特許文献4】特開平9−123144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は以上のような事情を背景とし、貫通孔をその内径が貫通孔全長に亘って目的とする径となるように成形できる、ゴム膨張管,剛性筒体を備えた貫通孔成形型を提供することを目的としてなされたものである。
また本発明の他の目的は、剛性筒体の分割片をゴム膨張管の膨張,収縮時に正しく位置保持し得て、作業性を良好となし得る貫通孔成形型を提供することを目的とする。
本発明の更に他の目的は、貫通孔内周面を凹凸形状に成形し得て、その内部に充填したモルタル等との固着力を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
而して請求項1のものは、(イ)コンクリート成形体に成形すべき貫通孔に対応した長さを有するゴム膨張管を備え、内部への加圧流体の導入により該ゴム膨張管を膨張させて拡径させる加圧膨張体と、(ロ)該ゴム膨張管の外周側に配置されるとともに円弧形状をなす複数の分割片に周方向に分割され、該ゴム膨張管の膨張に伴ってそれら分割片が径方向に拡がって全体として円筒を形成する剛性筒体と、(ハ)該剛性筒体に外挿され、外周面の成形面において前記貫通孔の内周面を成形する弾性若しくは可撓性を有する外挿チューブと、の複合構造をなし、型枠のコンクリート成形空間にセットされて前記ゴム膨張管の膨張により該コンクリート成形空間へのコンクリートの打設及び固化によるコンクリート成形体の成形時に前記貫通孔を成形する、コンクリート成形体の貫通孔成形型において、前記ゴム膨張管の全長に亘って該ゴム膨張管に外挿され、該ゴム膨張管の膨張時に径方向の最大膨張限度を規定する筒状の膨張リミッターが設けてあることを特徴とする。
【0025】
請求項2のものは、請求項1において、前記膨張リミッターが可撓性の布にて構成してあることを特徴とする。
【0026】
請求項3のものは、(イ)コンクリート成形体に成形すべき貫通孔に対応した長さを有するゴム膨張管を備え、内部への加圧流体の導入により該ゴム膨張管を膨張させて拡径させる加圧膨張体と、(ロ)該ゴム膨張管の外周側に配置されるとともに円弧形状をなす複数の分割片に周方向に分割され、該ゴム膨張管の膨張に伴ってそれら分割片が径方向に拡がって全体として円筒を形成する剛性筒体と、(ハ)該剛性筒体に外挿され、外周面の成形面において前記貫通孔の内周面を成形する弾性若しくは可撓性を有する外挿チューブと、の複合構造をなし、型枠のコンクリート成形空間にセットされて前記ゴム膨張管の膨張により該コンクリート成形空間へのコンクリートの打設及び固化によるコンクリート成形体の成形時に前記貫通孔を成形する、コンクリート成形体の貫通孔成形型において、前記剛性筒体における前記分割片のそれぞれを独立に軸方向に挿入させる挿入部を複数有して該挿入部にて各分割片を保持し、前記ゴム膨張管の膨張及び収縮の際に各分割片の周方向の移動を制限し且つ該ゴム膨張管の最大膨張時に、各分割片を予め定めた位置であって各分割片が全体として前記円筒を形成する位置に位置保持する保持部が設けてあることを特徴とする。
【0027】
請求項4のものは、請求項3において、前記保持部は、周方向に配置された前記複数の挿入部のそれぞれの間に、該挿入部同士を周方向に繋ぐ可撓性の繋ぎ部を該挿入部に対応して複数有しており、該繋ぎ部の可撓変形に基いて、前記挿入部に保持された各分割片を前記ゴム膨張管の膨張・収縮に伴って径方向に移動可能とするものとなしてあることを特徴とする。
【0028】
請求項5のものは、請求項4において、前記保持部の全体が可撓性を有する布にて構成してあることを特徴とする。
【0029】
請求項6のものは、(イ)コンクリート成形体に成形すべき貫通孔に対応した長さを有するゴム膨張管を備え、内部への加圧流体の導入により該ゴム膨張管を膨張させて拡径させる加圧膨張体と、(ロ)該ゴム膨張管の外周側に配置されるとともに円弧形状をなす複数の分割片に周方向に分割され、該ゴム膨張管の膨張に伴ってそれら分割片が径方向に拡がって全体として円筒を形成する剛性筒体と、(ハ)該剛性筒体に外挿され、外周面の成形面において前記貫通孔の内周面を成形する弾性若しくは可撓性を有する外挿チューブと、の複合構造をなし、型枠のコンクリート成形空間にセットされて前記ゴム膨張管の膨張により該コンクリート成形空間へのコンクリートの打設及び固化によるコンクリート成形体の成形時に前記貫通孔を成形する、コンクリート成形体の貫通孔成形型において、前記ゴム膨張管の全長に亘って該ゴム膨張管に外挿され、該ゴム膨張管の膨張時に径方向の最大膨張限度を規定する筒状の膨張リミッターが設けてあるとともに、前記剛性筒体における前記分割片のそれぞれを独立に軸方向に挿入させる挿入部を複数有して該挿入部にて各分割片を保持し、前記ゴム膨張管の膨張及び収縮の際に各分割片の周方向の移動を制限し且つ該ゴム膨張管の最大膨張時に、各分割片を予め定めた位置であって各分割片が全体として前記円筒を形成する位置に位置保持する保持部が設けてあり、且つ該保持部が前記膨張リミッターに一体に備えてあることを特徴とする。
【0030】
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記外挿チューブは外周面が凹凸形状となしてあり、該凹凸形状によって前記貫通孔の内周面を対応した凸凹形状に成形するものとなしてあることを特徴とする。
【0031】
請求項8のものは、請求項1〜7の何れかにおいて、前記分割片のそれぞれの軸方向の位置を規定する位置決部が設けてあることを特徴とする。
【0032】
請求項9のものは、請求項1〜8の何れかにおいて、前記加圧膨張体は前記ゴム膨張管の末端を閉鎖する閉鎖部材を備えているとともに、該閉鎖部材には軸方向に突出する、該ゴム膨張管よりも小径の位置決ピンが設けてあり、前記剛性筒体及び外挿チューブの末端を前記型枠の内面に当接させる状態に該位置決ピンが該型枠の位置決孔に挿入されて前記加圧膨張体,剛性筒体及び外挿チューブの末端を位置決めするようになしてあり、且つ該外挿チューブの末端の位置に該末端を閉鎖する、径方向に伸縮性を備えた蓋体が設けてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0033】
以上のように請求項1のものは、ゴム膨張管を備えた加圧膨張体と、ゴム膨張管の外周側に配置され、周方向に複数の分割片に分割された剛性筒体と、その更に外側に外挿された外挿チューブとを有する複合構造の貫通孔成形型において、ゴム膨張管の全長に亘って外挿され、ゴム膨張管の膨張時に径方向の最大膨張限度を規定する筒状の膨張リミッターを設けたもので、この請求項1によれば、加圧流体の導入によってゴム膨張管を膨張させたときに、膨張リミッターの働きによりゴム膨張管の膨張径を全長に亘って均等且つ一定の径となすことができる。
【0034】
また膨張リミッターの働きによりゴム膨張管の最大膨張径が規制されるため、加圧膨張体の内部に導入される加圧流体の圧力が少々高くなっても、そのことによってゴム膨張管の膨張径が増大してしまうのが防止され、従って加圧膨張体の内部に導入する加圧流体の圧力の管理が容易となるとともに、貫通孔成形型を型枠にセットした状態でコンクリートを打設したとき、コンクリートの発熱によって加圧流体の温度が上昇しても、そのことによってゴム膨張管が一定限度以上に拡径することが防止される。
従ってこの請求項1の貫通孔成形型を用いることで、コンクリート成形体の貫通孔を全長に亘って均等な径で且つ目的とする径に良好に成形することが可能となる。
【0035】
この場合において、上記膨張リミッターは可撓性の布にて構成しておくことができる(請求項2)。
【0036】
次に請求項3は、剛性筒体における分割片のそれぞれを独立に軸方向に挿入させる挿入部を複数有して、それら挿入部にて各分割片を保持し、ゴム膨張管の膨張及び収縮の際に各分割片の周方向の移動を制限し、且つゴム膨張管の最大膨張時に各分割片を予め定めた位置であって各分割片が全体として円筒を形成する位置に位置保持する保持部を設けたものである。
【0037】
この請求項3によれば、ゴム膨張管の膨張及び収縮の際に、各分割片を位置保持して周方向の自由な移動を制限でき、従ってゴム膨張管の収縮時に各分割片が周方向の移動によって互いに一部重なり合った状態となって、コンクリート及び貫通孔成形後に貫通孔成形型を貫通孔から抜き出すことが困難になるといった問題を解決でき、また周方向に位置の乱れた各分割片を再び正規の位置に位置修正する作業を不要化することができ、作業能率を高めることができる。
【0038】
またゴム膨張管を膨張させたときに、各分割片が予め定めた位置に位置してそれらが全体として目的とする形状(真円形状)の円筒を形成できるため、各分割片が周方向に偏って位置することにより貫通孔の成形形状が曲り形状となったりするのを防止でき、貫通孔における直芯性を高めることができる。
また貫通孔の断面形状を良好な円形状に成形することが可能となる。
【0039】
この請求項3では、複数の分割片のそれぞれを、これに対応した挿入部に挿入して保持するようになしており、従って単に各分割片を挿入部に挿入するだけで、これら分割片を簡単に保持部にて位置保持することが可能であるとともに、かかる分割片を挿入部から抜差しするだけで、必要が生じたとき分割片或いは保持部を単独で容易に新規のもの或いは別のものと取り替えることができる利点が得られる。
【0040】
この場合において、請求項4に従い上記保持部には周方向に配置された複数の挿入部のそれぞれの間に、挿入部同士を周方向に繋ぐ可撓性の繋ぎ部を挿入部に対応して複数設けておくことができる。
この請求項4によれば、それら繋ぎ部の可撓変形に基いて、詳しくはゴム膨張管の収縮時に繋ぎ部が弛むことによって、或いはゴム膨張管の膨張時に繋ぎ部が弛み状態から伸び切って引張状態に変化することにより、挿入部に保持された各分割片を径方向に移動させ、剛性筒体の径をゴム膨張管の膨張,収縮に伴って増大,減少させることができる。
【0041】
そしてこのようにすれば、各分割片を周方向に移動制限しつつゴム膨張管の膨張及び収縮に伴って、容易に剛性筒体の径を拡大及び縮小させることができる。
【0042】
この場合において上記保持部は、その全体を可撓性を有する布にて構成しておくことができる(請求項5)。
【0043】
請求項6は、ゴム膨張管の最大膨張限度を規定する膨張リミッターと、剛性筒体における各分割片を位置保持する保持部とを貫通孔成形型に共に備えたもので、この請求項6によれば、膨張リミッターによるゴム膨張管の全長に亘る均等な膨張規制作用と、保持部による各分割片の位置保持に基づく、ゴム膨張管の膨張時の各分割片による良好な円筒の形成作用とにより、コンクリート成形体における貫通孔の直芯性をより一層高めることができる。
【0044】
ここで膨張リミッターと保持部とは別々に構成しておくことも可能であるが、この請求項6では保持部が膨張リミッターに一体に備えてあり、これにより所要の部材点数を少なくすることができ、貫通孔成形型の構成を簡単化することができるとともに、組付けの手間も削減することができる。
【0045】
次に請求項7は、上記外挿チューブの外周面を凹凸形状となし、その凹凸形状によって、貫通孔の内周面を対応した凸凹形状に成形するようになしたものである。
【0046】
このようにすることによって、貫通孔内の充填モルタルと貫通孔の内壁との固着力を効果的に高強度となすことができ、コンクリート成形体同士を貫通孔において鉄筋等により締結一体化した場合において、それらコンクリート成形体同士に引離し方向の強い力が働いても充填モルタルが貫通孔から抜ける恐れがなく、コンクリート成形体同士を強固に一体結合状態となすことができる。
尚この場合において、凹凸形状の凹部と凸部との径方向の寸法差は、ゴム膨張管の径方向の膨張・収縮の寸法よりも小寸法となしておく。
【0047】
この外挿チューブは、直接コンクリート内面に接する部材であり、従って劣化が激しく、寿命の短いものである。
しかるに本発明によれば、外挿チューブの凹凸部が摩耗その他の劣化により形状崩れした場合においても、単に外挿チューブだけを単独で取り替えるだけで、凹凸形状を元の形状に戻すことができる。
また貫通孔内周面の凹凸形状を異なるものに変更する場合であっても、外挿チューブを取り替えるだけで簡単に目的を達成することができる。
【0048】
次に請求項8は、上記分割片のそれぞれの軸方向の位置を規定する位置決部を設けたもので、この請求項8によれば、その位置決部によって鋼片の軸方向位置を位置決めして保持することができ、貫通孔成形の際の作業能率を高めることができる。
【0049】
ここでその軸方向の位置決部は、保持部における上記挿入部を底付きのポケット形状となして、そのポケットの底を軸方向の位置決部となしておくことができる。
【0050】
次に請求項9は、ゴム膨張管の末端を閉鎖する閉鎖部材を加圧膨張体に備えるとともに、その閉鎖部材に軸方向に突出する小径の位置決ピンを設け、剛性筒体及び外挿チューブの末端を型枠の内面に当接させる状態に、位置決ピンを型枠の位置決孔に挿入して加圧膨張体,剛性筒体及び外挿チューブの末端を位置決めするようになし、且つその外挿チューブの末端の位置に、その末端を閉鎖する径方向に伸縮性を備えた蓋体を設けたものである。
【0051】
このように加圧膨張体,剛性筒体及び外挿チューブの末端を型枠の内面に当接させる状態に、貫通孔成形型を型枠のコンクリート成形空間にセットする場合、貫通孔成形型のコンクリート成形空間への挿入限度を容易に管理することができる。
【0052】
一方でそのようになした場合、コンクリート成形空間に打設された流動状態のコンクリートが、外挿チューブ及び剛性筒体の内側の空間に侵入して、そこで固まってしまう問題が生ずる。
そうなるとゴム膨張管を収縮させても剛性筒体及び外挿チューブが収縮できず、貫通孔成形型を成形した貫通孔から抜き出すことができなくなってしまう。
【0053】
しかるにこの請求項9では外挿チューブの末端にこれを閉鎖する蓋体が設けてあるため、そうした不具合を良好に解決することができる。
またその蓋体は径方向に伸縮性を備えているため、かかる蓋体の存在の下でも容易に剛性筒体及び外挿チューブを、ゴム膨張管の膨張,収縮に伴って径方向に膨張及び収縮させることができる。
ここで蓋体は剛性筒体の末端を当接させるように設けておき、その蓋体にて、剛性筒体における各分割片の軸方向の位置を規定する位置決部となしておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は本実施形態の貫通孔成形型で、その構成部材として加圧膨張体12を有している。
14はその加圧膨張体12の主要素をなすゴム膨張管で、加圧前の状態において図中左右方向(軸方向)に断面円形且つ軸方向に沿って同径の直管形状をなしている。
ここでゴム膨張管14は、図2に示すように内面ゴム層16と、補強層18と、外面ゴム層20との積層構造をなしている。
【0055】
本実施形態において、このゴム膨張管14の補強層18は、図2の部分拡大図に示しているように縦方向(軸方向)に引き揃えた補強糸18aにて構成してあり、周方向に巻回する補強糸は備えていない。
【0056】
その結果として、ゴム膨張管14は軸方向に実質的に殆んど収縮することなく、膨張により拡径することができる。
例えば、補強糸を正逆両方向にスパイラル状に巻回及び編組して成る補強層をゴム膨張管14内部に埋設した場合、ゴム膨張管14は半径方向に膨張するのに伴って軸方向に収縮運動する。
しかるに補強層18を、縦方向に引き揃えた補強糸18aのみにて構成しておいた場合、実質的に軸方向の収縮を伴わないでゴム膨張管14を径方向に膨張させることができる。
またこの縦の補強糸18aによって、ゴム膨張管18に周方向に亀裂発生し且つ成長するのを抑制することができる。
【0057】
図2に示しているように加圧膨張体12は、ゴム膨張管14の各端部に取り付けられた口金具(端部部材)22と、金属製のエンドキャップ(端部部材)24とを備えている。
これら口金具22及びエンドキャップ24はそれぞれ嵌入部26を備えていて、それら嵌入部26がゴム膨張管14の内部に嵌入され、その状態でゴム膨張管14の端部外周面で径方向に縮径された締付スリーブ28による締付力で、ゴム膨張管14の各端部に固定されている。
【0058】
ここで口金具22及びエンドキャップ24のそれぞれの嵌入部26には、外周面に沿って断面鋸歯形状の複数の係合歯29が設けられており、それら係合歯29がゴム膨張管14の内面に食い込むことによって、口金具22及びエンドキャップ24がゴム膨張管14から抜け防止されている。
【0059】
尚、口金具22にはカプラ30がねじ接続されており、そのカプラ30の中心の導入口を通じて、加圧膨張体12の内部、具体的にはゴム膨張管14の内部に加圧エア(加圧流体)が導入されるようになっている。
【0060】
一方エンドキャップ24は底付きのもので、このエンドキャップ24によって、ゴム膨張管14の末端部(図中右端部)が閉鎖されている。
【0061】
尚この加圧膨張体12は全長が約1500mm程度の長さのものであり、またゴム膨張管14は、加圧前即ち膨張前の形状において、その外径が34mm程度の太さのものである。
このゴム膨張管14は、内部への加圧エアの導入により外径48mm程度まで膨張し拡径する。
但しゴム膨張管14の膨張能力はこれよりも大きいものであるが、後述の膨張リミッターとしての可撓筒体32によって最大膨張径が48mmφ程度に規制される。
【0062】
図1に示しているように貫通孔成形型10は、加圧膨張体12の外周側に、径方向外方に向って順次に外挿された膨張リミッターとしての可撓筒体32と、鋼製筒体(剛性筒体)34と、外挿チューブ36とを更に有している。
ここで可撓筒体32,鋼製筒体34及び外挿チューブ36は何れも加圧膨張体12の実質全長に亘って設けられている。
【0063】
尚この外挿チューブ36においても、ゴム膨張管14に設けた補強層18と同様の構成の補強層37、詳しくは補強糸18aを縦方向に引き揃えて成る補強層37が断面の中間部に埋設してある。
従ってこの外挿チューブ36もまた、実質的に軸方向に収縮することなく径方向に膨張可能である。
【0064】
外挿チューブ36は、ここではゴム製(弾性を有する樹脂製のものであっても良い)で円筒形状(膨張前の外径が50mmφ)をなしており、その外周面の形状が、図6(A)に示しているように外周面に沿って螺旋をなし、軸方向に所定ピッチで突出形成された断面台形状の凸部38と、凸部38と38との間の螺旋の且つ対応する断面逆台形状の凹部40とを有する凹凸形状とされている。
【0065】
ここで図6(A)に示す外挿チューブ36の外周面の凹凸形状は次のようにして形成することができる。
即ち、図7(I)に示しているように未加硫ゴム状態の外挿チューブ36の外周面に、断面形状が逆台形状をなす加硫ゴムの紐54をスパイラルに巻き付け、その後図7(II)に示しているように布テープ56を加硫ゴムの紐54の外側から更に巻き付ける。
【0066】
このときの布テープ56による押付力によって、加硫ゴムの紐54の大部分が未加硫ゴム状態の外挿チューブ36の内部に食い込み、また加硫ゴムの紐54と54との間の部分の未加硫ゴムが、紐54の沈み込み方向と逆向きに一部浮上りを生ずる。
【0067】
そしてその状態で全体を加熱し加硫処理を行うと、加熱による膨張で加硫ゴムの紐54と54との間の部分が更に浮き上って、図7(III)に示すように外挿チューブ36の外周面と加硫ゴムの紐54の外面とがほぼ面一となり、そして加硫ゴムの紐54を取り外すことによって、外挿チューブ36の外周面に図6(A)に示すスパイラル形状の凸部38と凹部40とが形成される。
【0068】
このとき、加硫ゴムの紐54は予め加硫されたものであることから、加硫ゴムの紐54と外挿チューブ36の未加硫ゴムとは固着せず、図7(III)の示すようにして加硫ゴムの紐54を簡単に外挿チューブ36から引き剥がすことができる。
【0069】
尚、凸部38及び凹部40の断面形状は他の様々な形状となすことも可能である。
例えば図6(B)に示しているように凸部38を断面山形状に、また凹部40を丸みを有する湾曲形状となすこともできる。
【0070】
この図6(B)に示す凹凸形状についても同様に、対応する断面形状を有する加硫ゴムの紐を用いて成形することができるし、或いは他の様々な断面形状を有する加硫ゴムの紐若しくは加硫ゴム以外のその他の紐やロープその他を用いて、外挿チューブ36の外周面に様々な凹凸形状を付与することが可能である。
但し何れの場合においても凹凸形状における凹部と凸部との径方向の寸法差は、ゴム膨張管14の径方向の膨張寸法よりも小寸法となしておくことが必要である。
【0071】
一方鋼製筒体34は、図3及び図5に示しているように中心角が約120°の円弧形状をなす3つの鋼片(分割片)34-1,34-2,34-3に周方向に3分割されている。
ここで3つの鋼片34-1,34-2,34-3は、ゴム膨張管14の膨張時に径方向外方に拡がって、後述の型枠58の円形の嵌合孔62に外挿チューブ36を介して嵌合する、嵌合孔62に対応した径の断面形状が円形の円筒を形成する(図5(B)参照)。
円弧形状をなす各鋼片34-1,34-2,34-3の円弧の曲率半径がそのように定められている。
【0072】
図4に上記膨張リミッターとしての可撓筒体32の構成が具体的に示してある。
この可撓筒体32は引張強度が強く且つ伸び率の小さな布を円筒に形成した可撓性のもので、その外周側の軸方向の各端部と中間部とに、上記鋼片34-1,34-2,34-3をそれぞれ保持する保持部42A,42C及び42Bが一体に設けられている。
【0073】
ここで保持部42Aは、鋼片34-1,34-2,34-3にそれぞれ対応した円弧形状をなす3つの挿入部42A-1,42A-2,42A-3と、それら挿入部42A-1,42A-2,42A-3の間において各挿入部を繋ぐ可撓性の繋ぎ部44Aを有している。
【0074】
また同様に保持部42Cも、各鋼片34-1,34-2,34-3に対応した、それぞれ円弧形状をなす挿入部42C-1,42C-2,42C-3と、それらを繋ぐ可撓性の繋ぎ部44Cを有しており、更に軸方向中間の保持部42Bもまた、各鋼片34-1,34-2,34-3に対応した、それぞれ円弧形状をなす挿入部42B-1,42B-2,42B-3と、それらを繋ぐ可撓性の繋ぎ部44Bを有している。
【0075】
ここで各挿入部42A-1〜42A-3,42B-1〜42B-3,42C-1〜42C-3のそれぞれは、部分的な円筒形状をなす内側部46と外側部48とを有していて、それらの間に円弧形状をなす挿入空間50を有しており、その内側部46及び繋ぎ部44A,44B,44Cが、それぞれ上記の可撓筒体32の各一部にて構成されている。
【0076】
上記各鋼片34-1,34-2,34-3は、これら挿入部に軸方向に挿入されて保持部42A,42B,42Cにて周方向の移動を制限された状態で保持されている。
【0077】
尚図4中右端の保持部42Cについては、各挿入部42C-1,42C-2,42C-3が図1に示す底52付きのポケット形状をなしており、その底52が、各鋼片34-1,34-2,34-3の軸方向端を位置決めする位置決部を成している。
【0078】
尚各挿入部における外側部48もまた、可撓筒体32を構成する布と同材質の布が用いられており、従って各保持部42A,42B,42Cもまたその全体が同じ材質の布にて構成されている。
【0079】
即ち鋼製筒体34における各鋼片34-1,34-2,34-3は、図1に示しているようにその末端(図中右端)が挿入部42C-1,42C-2,42C-3の底52に当接する状態に、保持部42A,42B,42Cにて保持されている。
尚この実施形態では、上記可撓筒体32及び保持部42A,42B,42Cを構成する布として、ポリエステル樹脂製等のガラス繊維などの無機材からなる布、あるいは麻・綿等の有機材からなる布のいずれでもよく、引張強度500〜60000(N/3cm)、伸び率10〜35%(N/3cm)[JIS L 1096(8.12)カットスリッブ法]であることが望ましい。
【0080】
次に本実施形態の貫通孔成形型10を用いてコンクリート成形体を成形すると同時に貫通孔を成形する際の手順を、貫通孔成形型10の作用とともに図8及び図9に基づいて具体的に説明する。
この施工例は貫通孔成形型10を横向きにセットして貫通孔を成形する場合の例で、図8において58は型枠であり、この型枠58に一対の左右の嵌合孔(ここでは内径60mmφ)62が設けられている。
【0081】
この例では、予め用意した鉄筋60を型枠58内部にセットし、そして外表面に離型剤を塗布してある本実施形態の貫通孔成形型10を、図8(II)に示しているように型枠58のコンクリート成形空間59に横向きに挿入し、そしてこれを嵌合孔62内に遊嵌させる。
このとき、貫通孔成形型10を口金22とは反対側の末端のエンドキャップ24の側から型枠58内に挿入する。
尚、図8(II)以下の各図において、鉄筋60は省略して示してある。
【0082】
以上のようにして貫通孔成形型10を型枠58にセットしたら、次に加圧膨張体12の内部に加圧エアを導入してゴム膨張管14を膨張させ、これを拡径させる。
このとき、図5(A)に示しているよう図4の可撓筒体32の各保持部42A,42B,42Cにて収縮状態に保持されていた各鋼片34-1,34-2,34-3は、ゴム膨張管14の膨張による拡径によって径方向外方に押し拡げられ、図5(B)に示すように各鋼片34-1,34-2,34-3が全体として円筒を形成する(各鋼片34-1,34-2,34-3の間の隙間部分を除いて)。
その際、図5(A)に示す状態では弛んだ状態にあった保持部42A,42B,42Cの各繋ぎ部44が、ゴム膨張管14の拡径膨張によって弛み解消し、周方向に伸び切って引張状態となる。
【0083】
そしてこの繋ぎ部44の可撓変形により且つ繋ぎ部44が伸び切って引張状態となることで、各保持部42A,42B,42Cにて保持されていた鋼製筒体34における鋼片34-1,34-2,34-3が、断面真円形状の円筒を形成すると同時に、高強度の布製の可撓筒体32全体が周方向に伸び切った引張状態となり、かかる可撓筒体32自体、それ以上の拡径が不能の状態となる。
【0084】
ここにおいて可撓筒体32がゴム膨張管14に対する膨張リミッターとしての働きを発揮し、ゴム膨張管14がそれ以上膨張阻止される。
この時点で鋼製筒体34が、ゴム膨張管14の拡径膨張に伴って拡径したゴム製の外挿チューブ36を介して型枠58の嵌合孔62に密着状態に嵌合し、その状態で外挿チューブ36が嵌合孔62をシールする。
【0085】
そこで次に図9(III)に示しているように型枠58内部に流動状態のコンクリート(生コンクリート)を打設し、その後型枠58全体を振動させてコンクリートを型枠58内部の隅々まで充填した上で、打設コンクリートの養生を行い、その後冷却して打設したコンクリートを固化させる。
【0086】
ここにおいて図9(IV)に示しているようにコンクリート成形体64が成形されると同時に、かかるコンクリート成形体64に横向きの貫通孔66が成形される。
この貫通孔66の内周面形状は、外挿チューブ36の上記の凹凸形状に基いて、断面逆台形状の凸部68と台形状の凹部70とを有する凹凸形状に成形される。
その後、加圧膨張体12内部の加圧エアを抜いてゴム膨張管14を縮径させる。
【0087】
このとき、本実施形態のように鋼製筒体34における各鋼片34-1,34-2,34-3を位置保持し、周方向の移動を制限していないと、即ち各鋼片34-1,34-2,34-3が周方向に自由に移動できると、ゴム膨張管14を収縮させたとき、図12の比較例図に示しているように、各鋼片34-1,34-2,34-3が周方向に不規則に移動してしまって、各鋼片34-1,34-2,34-3が部分的に重なり合った状態となり、各鋼片34-1,34-2,34-3が周方向に偏在してしまう。
【0088】
この場合貫通孔成形型10が十分に径方向に収縮させることができず、場合によって貫通孔成形型10をコンクリート成形体64の貫通孔66から抜き出すことができなくなってしまう。
【0089】
また図12に示す状態で再び別のコンクリート成形体64及び貫通孔66を成形すべく、貫通孔成形型10のゴム膨張管14内部に加圧エアを導いて膨張させたとき、各鋼片34-1,34-2,34-3が周方向に不均等に偏在したまま径方向外方に押し拡げられてしまい、その結果それら鋼片34-1,34-2,34-3がゴム膨張管14の膨張状態で良好な円筒形状を形成しなくなる。
【0090】
図1の例で言えば、ゴム膨張管14に対して上方部分に鋼片が存在しない状態となってしまい、従って加圧膨張体12がコンクリートの打設圧力によるコンクリートの流動や比重差によって図中上向きに変形し易くなり、貫通孔66を直芯形状に成形できなくなってしまう場合が生ずる。
【0091】
しかるに本実施形態ではゴム膨張管14を収縮させたときに、各鋼片34-1,34-2,34-3が図5(A)に示すように保持部42A,42B,42Cの位置保持作用によって、周方向に綺麗に並んだ状態、即ちそれらが周方向に均等に位置した状態となり、従ってその状態でゴム膨張管14内部に加圧エアを再び導入してゴム膨張管14を拡径させたとき、各鋼片34-1,34-2,34-3が均等に径方向外方に押し拡げられて、図5(B)に示すような綺麗な真円形状の円筒を形成する。
【0092】
また収縮状態で各鋼片34-1,34-2,34-3が周方向に偏在して部分的な重なりが生ずるといったことが防止されるため、貫通孔成形型10を十分に目的の径まで縮径させて、これを容易に成形した貫通孔66から軸方向に抜き出すことが可能となる。
【0093】
以上のような本実施形態によれば、加圧エアの導入によってゴム膨張管14を膨張させたときに、可撓筒体32の膨張リミッターとしての働きにより、ゴム膨張管14の膨張径を全長に亘って均等且つ一定の径となすことができる。
【0094】
また可撓筒体32の膨張リミッターとしての働きによりゴム膨張管14の最大膨張径が規制されるため、加圧膨張体12の内部に導入される加圧エアの圧力が少々高くなっても、そのことによってゴム膨張管14の膨張径が増大してしまうのが防止され、従って加圧膨張体12の内部に導入する加圧エアの圧力の管理が容易となるとともに、貫通孔成形型10を型枠58にセットした状態でコンクリートを打設したとき、コンクリートの発熱によって加圧エアの温度が上昇しても、そのことによってゴム膨張管14が一定限度以上に拡径することが防止される。
従ってこの実施形態の貫通孔成形型10を用いることで、コンクリート成形体64の貫通孔66を全長に亘って均等な径で且つ目的とする径に良好に成形することが可能となる。
【0095】
また本実施形態では、挿入部42A-1〜42A-3,42B-1〜42B-3,42C-1〜42C-3を複数有して、それら挿入部にて各鋼片34−1,34−2,34−3を保持し、ゴム膨張管14の膨張及び収縮の際に各鋼片34−1,34−2,34−3の周方向の移動を制限し、且つゴム膨張管14の最大膨張時に各鋼片を予め定めた位置であって各鋼片が全体として円筒を形成する位置に位置保持する保持部を設けているため、ゴム膨張管14の膨張及び収縮の際に、各鋼片34−1,34−2,34−3の周方向の自由な移動を制限でき、ゴム膨張管14の収縮時に各鋼片が一部重なり合った状態となることによって貫通孔66成形後に貫通孔成形型10を抜き出すことが困難になるといった問題も生じない。
また周方向に位置の乱れた各鋼片を再び正規の位置に位置修正する作業を不要化することができ、作業能率を高めることができる。
【0096】
更にこの実施形態では、複数の鋼片34−1,34−2,34−3のそれぞれを、これに対応した挿入部42A-1〜42A-3,42B-1〜42B-3,42C-1〜42C-3に軸方向に挿入して保持するようになしているため、単に各鋼片をそれら挿入部に挿入するだけで、位置保持状態とすることができ、またこれら鋼片を挿入部に対して抜差しするだけで、必要が生じたとき鋼片34−1,34−2,34−3或いは保持部42A,42B,42Cを一体に設けた可撓筒体32を単独で容易に新規のもの或いは別のものと取り替えることができる。
【0097】
また本実施形態では保持部42A,42B,42Cに、周方向の複数の挿入部42A-1〜42A-3,42B-1〜42B-3,42C-1〜42C-3のそれぞれを周方向に繋ぐ可撓性の繋ぎ部44を設けてあるため、それら繋ぎ部44の可撓変形に基いて、挿入部42A-1〜42A-3,42B-1〜42B-3,42C-1〜42C-3に保持された各鋼片34−1,34−2,34−3を位置保持状態で容易に径方向外方及び内方に移動させ得、鋼製筒体34をゴム膨張管14の膨張,収縮に伴って容易に径変化させることができる。
【0098】
更に本実施形態では、ゴム膨張管14の最大膨張限度を規定する膨張リミッターとしての可撓筒体32と、鋼製筒体34における各鋼片34−1,34−2,34−3を位置保持する保持部42A,42B,42Cとを貫通孔成形型10に共に備え、可撓筒体32によるゴム膨張管14の全長に亘る均等な膨張規制作用と、保持部42A,42B,42Cによる各鋼片34−1,34−2,34−3の位置保持に基づく、ゴム膨張管14の膨張時の各鋼片34−1,34−2,34−3による良好な円筒の形成作用とにより、コンクリート成形体64における貫通孔66の直芯性をより一層高めることができる。
【0099】
加えてこの実施形態では保持部42A,42B,42Cが可撓筒体32に一体に設けてあるため、所要の部材点数を少なくすることができ、貫通孔成形型10の構成を簡単化することができるとともに、組付けの手間も削減することができる。
【0100】
この他、本実施形態では外挿チューブ36の外周面を凹凸形状となし、その凹凸形状によって、貫通孔の内周面を対応した凸凹形状に成形するようになしているため、貫通孔66内の充填モルタルと貫通孔66の内壁との固着力を効果的に高強度となすことができ、コンクリート成形体64同士を貫通孔66において鉄筋等により締結一体化した場合において、それらコンクリート成形体64同士に引離し方向の強い力が働いても充填モルタルが貫通孔66から抜ける恐れがなく、コンクリート成形体64同士を強固に一体結合状態となすことができる。
【0101】
この外挿チューブ36は、直接コンクリート内面に接する部材であり、従って劣化が激しく、寿命の短いものであるが、本実施形態では、外挿チューブ36の凹凸部が摩耗その他の劣化により形状崩れした場合においても、単に外挿チューブ36だけを単独で取り替えるだけで、凹凸形状を元の形状に戻すことができる。
また貫通孔66内周面の凹凸形状を異なるものに変更する場合であっても、外挿チューブ36を取り替えるだけで簡単に目的を達することができる。
【0102】
加えて本実施形態では挿入部42C−1、42C−2、42C−3を底52付きのポケット形状になして、この底52部を鋼片34−1,34−2,34−3の軸方向の位置決部となしていることから、貫通孔66成形の際の作業能率を高めることができる。
【0103】
図10は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、外挿チューブ36のエンドキャップ24側の末端(図中下端)を、ゴムや樹脂等の弾性を有する蓋体72にて閉鎖するとともに、口金具22側の反対側の端部においてヘッドカバー74により外挿チューブ36の上端を閉鎖し、貫通孔成形型10を構成した例である。
尚、他の構成については上記実施形態と基本的に同様である。
【0104】
但しここでは金属製のエンドキャップ24に軸方向且つ図中下向きに突出する、ゴム膨張管14よりも小径の位置決ピン76が設けてあり、この位置決ピン76が、蓋体72の中心孔78を挿通して下向きに突出している。
【0105】
ここで蓋体72は、鋼製筒体34における各鋼片34-1,34-2,34-3の軸方向の末端位置を位置決めする位置決部としての働きも備えている。
従ってこの実施形態では、図4の保持部42Cにおけるポケット形状の挿入部42C-1,42C-2,42C-3の底52を無くしておくこともできる(但しこの実施形態では各挿入部42C-1,42C-2,42C-3が底52を有するポケット形状となしてある)。
尚、蓋体72は外周端が外挿チューブ36の外周面に密着状態で接着固定されている。
【0106】
この例の貫通孔成形型10は、図11に示しているように型枠58に縦向きに挿入セットされて、縦の貫通孔を成形する場合に用いて特に好適である。
但し上記実施形態と同様に、これを型枠58に横向きに挿入セットし、横向きの貫通孔を成形する場合にも用いることは可能である。
【0107】
但し何れの場合においても貫通孔成形型10は、図11(B)に示すように位置決ピン76を除く貫通孔成形型10の末端の端面(図中下端の端面)を型枠58の内面に当接させ、位置決ピン76を、型枠58に形成した位置決ピン76に対応した径の位置決孔82に挿入させる状態に、型枠58にセットする。
【0108】
その状態で型枠58内部にコンクリートを打設し、コンクリート成形体64を成形すると同時に、コンクリート成形体64に貫通孔66を成形する。
このとき、蓋体72が設けられていないと、型枠58内部に打設されたコンクリートが外挿チューブ36及び鋼製筒体34の内部に侵入して、その状態で侵入したコンクリートが固化してしまう。
【0109】
そうなるとゴム膨張管14の内部から加圧エアを抜いてゴム膨張管14を縮径させても、鋼製筒体34及び外挿チューブ36が縮径することができず、貫通孔成形型10を貫通孔66から抜き出すことができなくなる。
【0110】
しかるにこの実施形態では、蓋体72が設けられていて、外挿チューブ36及び鋼製筒体34の内部に流動状態のコンクリートが侵入するのが防止されているため、そうした不具合を生じることなく、貫通孔66成形後においてゴム膨張管14を縮径させることで、貫通孔成形型10を貫通孔66から支障無く且つ容易に抜き出すことができる。
【0111】
本実施形態によれば貫通孔成形型10のコンクリート成形空間59への挿入限度を容易に管理することができる。
【0112】
また蓋体72は径方向に伸縮性を備えているため、かかる蓋72の存在の下でも容易に鋼製筒体34及び外挿チューブ36を、ゴム膨張管14の膨張,収縮に伴って径方向に膨張及び収縮させることができる。
【0113】
以上本発明の実施形態を詳述したが、これはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では鋼製筒体34を周方向に3分割して構成しているが、2分割若しくは4分割以上に分割することも可能であるし、また剛性筒体を鋼材以外の剛性の材料で構成したり、場合によって外挿チューブ36を弾性を有しない可撓性の部材で構成して、かかる外挿チューブ36にて膨張リミッターとしての働きを行わせることも可能である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の一実施形態の貫通孔成形型を示した図である。
【図2】同実施形態における加圧膨張管を示した図である。
【図3】同実施形態における鋼製筒体を示した図である。
【図4】同実施形態における可撓筒体を示した図である。
【図5】同実施形態の貫通孔成形型の軸直角方向断面を縮径状態および拡径状態で示した図である。
【図6】同実施形態における外挿チューブを示した図である。
【図7】図6(A)示した外挿チューブの製造方法の工程説明図である。
【図8】図1の貫通孔成形型を用いてコンクリート成形体の貫通孔を成形する際の作用説明図である。
【図9】図8に続く作用説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態の貫通孔成形型を示した図である。
【図11】図10の貫通孔成形型を用いてコンクリート成形体の貫通孔を成形する際の作用説明図である。
【図12】本願発明の貫通孔成形型の利点を説明するために比較例として示した比較例図である。
【図13】従来公知の貫通孔成形用の加圧膨張体を型枠とともに示す斜視図である。
【図14】図13に示したものとは別の従来公知の貫通孔成形型を示した図である。
【図15】図14の貫通孔成形型の軸直角方向断面を縮径状態および拡径状態で示した図である。
【符号の説明】
【0115】
10 貫通孔成形型
12 加圧膨張体
14 ゴム膨張管
24 エンドキャップ(閉鎖部材)
32 可撓筒体(膨張リミッター)
34 鋼製筒体(剛性筒体)
34−1,34−2,34−3 鋼片(分割片)
36 外挿チューブ
38 凸部
40 凹部
42A,42B,42C 保持部
42A―1〜42A―3,42B―1〜42B―3,42C―1〜42C―3 挿入部
44,44A,44B,44C 繋ぎ部
52 底
58 型枠
59 コンクリート成形空間
64 コンクリート成形体
68 凸部
70 凹部
72 蓋体
76 位置決ピン
82 位置決孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)コンクリート成形体に成形すべき貫通孔に対応した長さを有するゴム膨張管を備え、内部への加圧流体の導入により該ゴム膨張管を膨張させて拡径させる加圧膨張体と、(ロ)該ゴム膨張管の外周側に配置されるとともに円弧形状をなす複数の分割片に周方向に分割され、該ゴム膨張管の膨張に伴ってそれら分割片が径方向に拡がって全体として円筒を形成する剛性筒体と、(ハ)該剛性筒体に外挿され、外周面の成形面において前記貫通孔の内周面を成形する弾性若しくは可撓性を有する外挿チューブと、の複合構造をなし、型枠のコンクリート成形空間にセットされて前記ゴム膨張管の膨張により該コンクリート成形空間へのコンクリートの打設及び固化によるコンクリート成形体の成形時に前記貫通孔を成形する、コンクリート成形体の貫通孔成形型において
前記ゴム膨張管の全長に亘って該ゴム膨張管に外挿され、該ゴム膨張管の膨張時に径方向の最大膨張限度を規定する筒状の膨張リミッターが設けてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項2】
請求項1において、前記膨張リミッターが可撓性の布にて構成してあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項3】
(イ)コンクリート成形体に成形すべき貫通孔に対応した長さを有するゴム膨張管を備え、内部への加圧流体の導入により該ゴム膨張管を膨張させて拡径させる加圧膨張体と、(ロ)該ゴム膨張管の外周側に配置されるとともに円弧形状をなす複数の分割片に周方向に分割され、該ゴム膨張管の膨張に伴ってそれら分割片が径方向に拡がって全体として円筒を形成する剛性筒体と、(ハ)該剛性筒体に外挿され、外周面の成形面において前記貫通孔の内周面を成形する弾性若しくは可撓性を有する外挿チューブと、の複合構造をなし、型枠のコンクリート成形空間にセットされて前記ゴム膨張管の膨張により該コンクリート成形空間へのコンクリートの打設及び固化によるコンクリート成形体の成形時に前記貫通孔を成形する、コンクリート成形体の貫通孔成形型において
前記剛性筒体における前記分割片のそれぞれを独立に軸方向に挿入させる挿入部を複数有して該挿入部にて各分割片を保持し、前記ゴム膨張管の膨張及び収縮の際に各分割片の周方向の移動を制限し且つ該ゴム膨張管の最大膨張時に、各分割片を予め定めた位置であって各分割片が全体として前記円筒を形成する位置に位置保持する保持部が設けてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項4】
請求項3において、前記保持部は、周方向に配置された前記複数の挿入部のそれぞれの間に、該挿入部同士を周方向に繋ぐ可撓性の繋ぎ部を該挿入部に対応して複数有しており、該繋ぎ部の可撓変形に基いて、前記挿入部に保持された各分割片を前記ゴム膨張管の膨張・収縮に伴って径方向に移動可能とするものとなしてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項5】
請求項4において、前記保持部の全体が可撓性を有する布にて構成してあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項6】
(イ)コンクリート成形体に成形すべき貫通孔に対応した長さを有するゴム膨張管を備え、内部への加圧流体の導入により該ゴム膨張管を膨張させて拡径させる加圧膨張体と、(ロ)該ゴム膨張管の外周側に配置されるとともに円弧形状をなす複数の分割片に周方向に分割され、該ゴム膨張管の膨張に伴ってそれら分割片が径方向に拡がって全体として円筒を形成する剛性筒体と、(ハ)該剛性筒体に外挿され、外周面の成形面において前記貫通孔の内周面を成形する弾性若しくは可撓性を有する外挿チューブと、の複合構造をなし、型枠のコンクリート成形空間にセットされて前記ゴム膨張管の膨張により該コンクリート成形空間へのコンクリートの打設及び固化によるコンクリート成形体の成形時に前記貫通孔を成形する、コンクリート成形体の貫通孔成形型において
前記ゴム膨張管の全長に亘って該ゴム膨張管に外挿され、該ゴム膨張管の膨張時に径方向の最大膨張限度を規定する筒状の膨張リミッターが設けてあるとともに、
前記剛性筒体における前記分割片のそれぞれを独立に軸方向に挿入させる挿入部を複数有して該挿入部にて各分割片を保持し、前記ゴム膨張管の膨張及び収縮の際に各分割片の周方向の移動を制限し且つ該ゴム膨張管の最大膨張時に、各分割片を予め定めた位置であって各分割片が全体として前記円筒を形成する位置に位置保持する保持部が設けてあり、
且つ該保持部が前記膨張リミッターに一体に備えてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかにおいて、前記外挿チューブは外周面が凹凸形状となしてあり、該凹凸形状によって前記貫通孔の内周面を対応した凸凹形状に成形するものとなしてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかにおいて、前記分割片のそれぞれの軸方向の位置を規定する位置決部が設けてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかにおいて、前記加圧膨張体は前記ゴム膨張管の末端を閉鎖する閉鎖部材を備えているとともに、該閉鎖部材には軸方向に突出する、該ゴム膨張管よりも小径の位置決ピンが設けてあり、前記剛性筒体及び外挿チューブの末端を前記型枠の内面に当接させる状態に該位置決ピンが該型枠の位置決孔に挿入されて前記加圧膨張体,剛性筒体及び外挿チューブの末端を位置決めするようになしてあり、
且つ該外挿チューブの末端の位置に該末端を閉鎖する、径方向に伸縮性を備えた蓋体が設けてあることを特徴とするコンクリート成形体の貫通孔成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−184235(P2009−184235A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26743(P2008−26743)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(393012297)トーヨー産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】