説明

コンテナ型データセンター

【課題】本発明は、震動を抑えるコンテナ型データセンターを提供する。
【解決手段】本発明に係るコンテナ型データセンターは、コンテナ及び前記コンテナに設置された複数のキャビネットを備え、各々の前記キャビネットの底壁及び頂壁は、第一減震装置及び第二減震装置をそれぞれ備え、前記第二減震装置は、減震部品と、前記減震部品と前記コンテナとの間に設置され、且つ前記減震部品と前記コンテナとを接続する接続機構と、を備え、前記接続機構を調整して、前記減震部品を前記コンテナに当接又は離脱させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ型データセンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナ型データセンターは、移動させる際、或いは強い地震などが起きた際に、前記コンテナ型データセンター内の電子装置が震動するなどして損傷する恐れがあり、このような状況が発生した場合、コンテナ型データセンターは正常に作動できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、防震コンテナ型データセンターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、本発明に係るコンテナ型データセンターは、コンテナ及び前記コンテナに設置された複数のキャビネットを備え、各々の前記キャビネットの底壁及び頂壁は、第一減震装置及び第二減震装置をそれぞれ備え、前記第二減震装置は、減震部品と、前記減震部品と前記コンテナとの間に設置され、且つ前記減震部品と前記コンテナとを接続する接続機構と、を備え、前記接続機構を調整して、前記減震部品を前記コンテナに当接又は離脱させる。
【発明の効果】
【0005】
本発明のコンテナ型データセンターは、第一減震装置及び第二減震装置の減震部品が、前記コンテナからの震動及び衝撃を抑えるため、前記取付フレーム上の電子装置の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係るコンテナ型データセンターの分解斜視図である。
【図2】図1に示した本発明に係るコンテナ型データセンターの第一減震装置の分解図である。
【図3】図1に示した本発明に係るコンテナ型データセンターの第二減震装置の分解図である。
【図4】図1に示したコンテナ型データセンターの組立図である。
【図5】図4に示したコンテナ型データセンターのV−V線に沿った断面図である。
【図6】本発明に係るコンテナ型データセンターの第一実施形態の使用状態を示した図である。
【図7】本発明に係るコンテナ型データセンターの第二実施形態の斜視図である。
【図8】図7に示した本発明に係るコンテナ型データセンターの第二減震装置の分解図である。
【図9】図7に示した本発明に係るコンテナ型データセンターの第二減震装置のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】本発明に係るコンテナ型データセンターの第二実施形態の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係るコンテナ型データセンターについて詳細に説明する。
【0008】
図1及び図2に示したように、本発明に係るコンテナ型データセンターは、コンテナ300と、前記コンテナ300に設置される複数のキャビネット20と、を備え、該各々のキャビネット20は、底壁22及び頂壁24をそれぞれ備える。また、前記各々のキャビネット20の底壁22及び頂壁24は、第一減震装置40及び第二減震装置60をそれぞれ備える。
【0009】
前記コンテナ300の一つの側縁には、固定梁310が設けられ、該固定梁310には、複数のネジ孔302が設けられている(図5を参照)。
【0010】
前記第一減震装置40は、支承装置42及び二つの滑動装置44を備え、前記支承装置42は、ブラケット422及び前記二つの滑動装置44にそれぞれ対応する二つのスライドレール428を備える。前記ブラケット422は、互いに平行に設置された二つの支承片424を備え、該各々の支承片424には、複数のネジ孔426がそれぞれ設けられている。前記各々のスライドレール428は、複数の貫通孔が設けられた底板4282と、前記底板4282の両側から外に向かってそれぞれ延伸して形成された二つの支承板4284及び前記底板4282の内部に固定されたスライドバー4286と、を備える。また、前記各々の支承板4284には、複数の固定孔4288がそれぞれ設けられている。
【0011】
前記滑動装置44は、取付フレーム444と、減震部446と、二つの滑車447及び蓋体449と、を備える。前記取付フレーム444は、細長い形状の滑動フレーム4442を備え、前記滑動フレーム4442の中央部には、固定部4444が突設されている。前記固定部4444の頂部の長手方向両端部には、長方形の取付孔4446がそれぞれ設けられており、各々の前記取付孔4446の両側には、複数の貫通孔4451が設けられている。前記滑動フレーム4442の底部の長手方向両端部には、外に向かって延伸する固定板4448がそれぞれ形成されている。前記減震部446は、ゴム又はプラスチックなどの減震材料からなり、長方形の辺フレーム4464及び該辺フレーム4464の頂部に設置された減震片4462を備える。また、前記減震片4462は、前記辺フレーム4464の所定の位置に設置され、且つその両端には、前記辺フレーム4464と共同で開口を形成する。前記減震片4462には、複数の貫通孔4466が設けられている。各々の滑車447は、ホイール4472及び前記ホイール4472の両端に設置された二つの阻止片4450を備える。前記阻止片4450の外側には、前記ホイール4472に対して垂直に接続片4474がそれぞれ設置されている。また、各々の前記接続片4474には、複数のネジ孔4476が設けられている。
【0012】
前記蓋体449は、矩形の頂板4492及び前記頂板4492の周辺から、下方に向かって延伸する四つの側板4494を備える。前記頂板4492及び前記四つの側板4494は共に、収容槽4496を形成する。また、前記頂板4492には、複数の貫通孔4498が設けられている。
【0013】
図3を参照すると、前記第二減震装置60は、減震部品62及び接続機構64を備える。前記減震部品62は、ゴム又はプラスチックなどの減震材料で形成された円柱体であり、前記減震部品62の頂部の中央には、固定部622が設けられている。前記固定部622は、ネジ孔である。前記接続機構64は、両端にネジ山がそれぞれ設けられた連接棒642及び二つのナット644を備える。
【0014】
図4〜図6を参照すると、前記支承装置42を組み立てる際、複数のネジ4453によって、二つの前記スライドレール428の底板4282の貫通孔(図示せず)を貫通させ、且つ対応する前記ブラケット422の前記ネジ孔426にそれぞれ螺合させる。これにより、前記スライドレール428は前記ブラケット422と組み立てられる。次いで、前記ブラケット422を、螺設又は鋲接などの接続方法によって、前記コンテナ300内に固定する。
【0015】
各々の前記滑動装置44を組み立てる際、前記滑車447を前記取付フレーム444の取付孔4446に設置し、次いで複数のネジ4453を、前記滑車447の前記ネジ孔4476及び各々の取付孔4446の両側の貫通孔に貫通させて、前記滑車447を前記取付フレーム444に固定させる。次いで、前記減震部446を、前記取付フレーム444の前記固定部4444に係合させる。この時、前記減震片4462は前記取付フレーム444の頂部と当接し、前記辺フレーム4464は前記取付フレーム444の側面と当接する。次いで、前記蓋体449によって、前記減震部446を覆う。これにより、前記減震部446は前記収容槽4496内に収容される。次いで複数のネジ4453を、前記取付フレーム444の頂部の貫通孔、前記減震部446の前記減震片4462の前記貫通孔4466及び前記蓋体449の前記頂板4492の前記貫通孔4498の順でこれらに貫通させて、前記キャビネット20の前記底壁22に前記滑動装置44を固定し、前記二つの滑動装置44を前記スライドレール428に対応させて、前記キャビネット20の底部に設置する。
【0016】
前記第二減震装置60の前記連接棒642の一端は、前記ナット644を貫通した後、前記減震部品62の前記固定部622に螺合され、他端は、前記コンテナ300内の前記ネジ孔302に螺合される。
【0017】
前記キャビネット20は、二つの前記滑動装置44により、前記支承装置42の二つのスライドレール428に沿って移動し、前記キャビネット20の前記頂壁24が前記第二減震装置60の前記減震部品62の底部と正対するようにする。次いで、前記第二減震装置60の前記連接棒642を回転して、前記第二減震装置60の前記減震部品62を前記キャビネット20の前記頂壁24に接触させる。次いで複数のネジ4453によって、前記取付フレーム444の前記固定板4448の前記貫通孔4449をそれぞれ貫通させ、且つ前記二つのスライドレール428の前記固定孔4288内に螺合させて、前記キャビネット20を前記コンテナ300に固定する。
【0018】
前記キャビネット20内の電子装置を交換又は修理したい場合、前記第二減震装置60の前記連接棒642を回転させて、前記減震部品62を前記キャビネット20の前記頂壁24から離す。次いで、前記取付フレーム444及び前記スライドレール428に螺設したネジ4453を外して、前記キャビネット20をスライドさせれば、前記キャビネット20内に設置された電子装置を取り外すことができ、交換又は修理が可能である。
【0019】
以上により、前記第一減震装置40の前記減震部446及び前記第二減震装置60の前記減震部品62は、前記コンテナ型データセンターが受ける震動及び衝撃を抑えて、前記キャビネット20内部の電子装置の損傷を防止することができる。
【0020】
図7〜図10を参照すると、本発明のコンテナ型データセンターの第二実施形態は、第一実施形態とその構成はほぼ同じであるが、異なる部分は、第一実施形態の前記コンテナ300の頂部に第二減震装置80が設置されることである。前記第二減震装置80は、ゴム又はプラスチックなどの減震材料で形成された減震部品84及び接続機構83を備える。前記接続機構83は、細長い形状の係止部86と、二つのボルト82及び複数のナット88と、を備える。
【0021】
前記減震部品84の両端には、階段孔842がそれぞれ設けられている。各々の前記階段孔842は、下方に設置された大径孔844と、上方に設置された小径孔846と、前記大径孔844と前記小径孔846との間に設置された階段部847と、を備える。
【0022】
前記係止部86の長さは、前記減震部品84の長さと同じであり、また、前記係止部86の両端には、貫通孔862が設けられている。
【0023】
各々のボルト82の一端には、直径が前記小径孔846の直径より大きく、前記大径孔844の直径より小さい頭部822が設けられている。
【0024】
前記第二減震装置80を組み立てる際、二つの前記ボルト82は、前記減震部品84の前記階段孔842、前記係止部86の対応する貫通孔862及びナット88の順でこれらを貫通し、前記コンテナ300の頂部と接続する。以上により、前記第二減震装置80は、前記コンテナ300の頂部に固定される。
【0025】
使用の際、前記第二減震装置80の前記ナット88を回転させて、前記減震部品84を前記キャビネット20に当接又は離脱させる。
【0026】
また、前記コンテナ型データセンターは、必要に応じて、複数の前記第二減震装置80を設置することができる。
【0027】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0028】
300 コンテナ
310 固定梁
302、426、4476 ネジ孔
20 キャビネット
22 底壁
24 頂壁
40 第一減震装置
42 支承装置
422 ブラケット
424 支承片
428 スライドレール
4282 底板
4284 支承板
4286 スライドバー
4288 固定孔
44 滑動装置
444 取付フレーム
4442 滑動フレーム
4444 固定部
4446 取付孔
4448 固定板
4449、4498、4451、202、862、4466 貫通孔
4453 ネジ
446 減震部
4462 減震片
4464 辺フレーム
447 滑車
4472 ホイール
4474 接続片
449 蓋体
4492 頂板
4494 側板
4496 収容槽
60、80 第二減震装置
62、84 減震部品
64、83 接続機構
642 連接棒
622 固定部
842 階段孔
844 大径孔
846 小径孔
847 階段部
86 係止部
82 ボルト
822 頭部
88、644 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ及び前記コンテナに設置された複数のキャビネットを備え、
各々の前記キャビネットの底壁及び頂壁は、第一減震装置及び第二減震装置をそれぞれ備え、前記第二減震装置は、減震部品と、前記減震部品と前記コンテナとの間に設置され、且つ前記減震部品と前記コンテナとを接続する接続機構と、を備え、
前記接続機構を調整して、前記減震部品を前記コンテナと当接又は離脱させることを特徴とするコンテナ型データセンター。
【請求項2】
前記減震部品の頂部には、固定部が設けられており、前記コンテナの頂部には、複数のネジ孔が設けられており、前記接続機構は、両端にネジ山が設けられた連接棒を備え、前記連接棒の一端は前記減震部品の固定部と螺合し、他端は前記ネジ孔と螺合することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ型データセンター。
【請求項3】
前記接続機構は、係止部と、二つのボルト及び複数のナットと、を備え、前記減震部品の両端には、階段孔がそれぞれ設けられ、前記係止部の両端には貫通孔が設けられ、二つの前記ボルトは、前記減震部品の前記階段孔と、前記係止部の前記貫通孔及び前記ナットと、を貫通し、且つ前記コンテナと接続することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテナ型データセンター。
【請求項4】
各々の前記階段孔は、下方に設置された大径孔と、上方に設置された小径孔及び前記大径孔と前記小径孔との間に設置された階段部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のコンテナ型データセンター。
【請求項5】
各々の前記ボルトの底面は前記大径孔に収容され、前記階段部と接触する頭部を備えることを特徴とする請求項4に記載のコンテナ型データセンター。
【請求項6】
前記減震部品及び前記係止部は、それぞれ対応する前記ナット及び前記ボルトの頭部と係合し、前記ナットを回転させて、前記減震部品及び前記係止部を前記コンテナに当接又は離脱させることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ型データセンター。
【請求項7】
前記第一減震装置は、支承装置及び前記支承装置にスライド可能に設置された滑動装置を備え、前記滑動装置は、前記コンテナの底部に固定され、前記滑動装置は、震動を抑える減震部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のコンテナ型データセンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−4097(P2013−4097A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134588(P2012−134588)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】