説明

コンテナ積載用セミトレーラ

【課題】ボルスタの固定操作および固定解除操作の操作性を向上することにある。
【解決手段】ボルスタ41が台座部40に積載され上面に形成される第1の支持面15aでコンテナを支持するコンテナ支持位置と、ボルスタ41が台座部40の上面に形成される第2の支持面15bよりも下側となる退避位置とにヒンジ43により回転自在に台座部40に取り付けられ、このボルスタ41内に組み込まれるシャフトの回転により先端の係合頭部37および末端のロック部材が係合位置と開放位置とに回転自在である。ボルスタ41がコンテナ支持位置でありシャフトが係合位置のもとで、係合頭部37がコンテナを係合するとともにロック部材がボルスタ41を固定し、ボルスタ41が退避位置でありシャフトが係合位置のもとで、係合頭部37がボルスタ41を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトラクタに牽引されて走行し、積載されたコンテナを係合して運搬するためのコンテナ積載用セミトレーラに関する。
【背景技術】
【0002】
大型トラックで運搬できる積載物は重量や車両全長が定められているため、それ以上の重量や長尺の積載物を運搬する場合にはトラクタとトレーラとの連結車両が多く用いられる。牽引車であるトラクタと被牽引車であるトレーラの連結車両には、牽引車と被牽引車とに荷台が設けられたフルトレーラと、荷台が被牽引車のみに設けられたセミトレーラがある。被牽引車であるセミトレーラには駆動車輪が設けられておらず、追従走行する走行車輪が後端部に配置されており、前端部に備えたキングピンと牽引車であるトラクタの後端部に備えたカプラとを連結することによりトレーラを牽引する。
【0003】
積載されるコンテナをトレーラに固定するために、トレーラにはコーナーコーンと言われる係合頭部を有する係合部材が設けられている。係合部材はコンテナの四隅にそれぞれ形成された係合孔からコンテナ内に挿入されてコンテナに係合するようになっており、係合頭部は回転軸を中心にコンテナに係合する係合位置と係合を離脱する開放位置との間で回転する。トレーラに積載されるコンテナには、長さ寸法が20フィートの小型コンテナと長さ寸法が40フィートの大型コンテナとがあり、トレーラにコンテナを積載する際にはコンテナの長辺をトレーラの走行方向に平行に積載する。コンテナ積載用セミトレーラには小型コンテナ専用タイプと、大型コンテナ専用タイプと、両方のコンテナの何れをも積載し得る兼用タイプとがあり、兼用タイプのセミトレーラが特許文献1に記載されている。このセミトレーラは、小型コンテナ1つを積載して運搬する際にはトレーラの中央に配置し、大型コンテナ1つを積載して運搬する際にはトレーラの前端から後端にわたり配置する。
【特許文献1】特開平11−222072
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
兼用タイプのセミトレーラにおいては、小型コンテナ用の係合部材と大型コンテナ用の係合部材とが設けられることになる。大型コンテナが積載されるときには、大型コンテナと小型コンテナ用の係合部材との干渉を避けるために、小型コンテナ用の係合部材は首振り運動する反転式となっており、大型コンテナが積載されるときには小型コンテナ用の係合部材はトレーラ上面のコンテナ支持面よりも下方に首振り反転される。兼用タイプのセミトレーラの全長は、2つの小型コンテナを積載し得る長さとなっているので、空ないし収納荷物が少ない小型コンテナであれば2つ積載することができる。
【0005】
その場合には、トレーラの前側に積載される小型コンテナは、トレーラ前部に上方に迫り出して形成されたグースネック部に積載されることになるので、前側の小型コンテナは後側のコンテナが支持される第2の支持面よりも高い位置のグースネック部の上面の第1の支持面に積載されることになる。大型コンテナの前端部にはグースネック部が入り込むトンネル凹部が形成されているので、大型コンテナは第2の支持面に積載されるのに対して、2つの小型コンテナを積載する場合には、前側のコンテナと後側のコンテナとは上下に段差を生じることになる。このため、第2の支持面にはグースネック部の上面の第1の支持面と同じ高さとなって前側の小型コンテナを支持するためのかさ上げ用部材ないし枕用部材としてボルスタをセミトレーラに装着する必要があり、ボルスタにはコンテナの係合孔には入り込んでこれを固定するための係合部材が設けられる。
【0006】
ボルスタは大型コンテナが積載されるときには不要となるので、回転自在にトレーラに装着されており、小型コンテナを支持する際にはコンテナ支持位置に回転され、大型コンテナが積載される際には第2の支持面よりも下側の退避位置に回転される。ボルスタは回転式となっているので、走行時に回転したり振動したりしないように確実に固定する必要がある。そのためには、トレーラに紐を介して止めピンやクランプ部材を取り付けて、ボルスタを固定することが考えられたが、その場合にはボルスタの固定操作および固定解除操作が煩雑となるという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、ボルスタの固定操作および固定解除操作の操作性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、第1のコンテナを支持する第1の支持面、および前記第1のコンテナと種類が相違する第2のコンテナを支持し前記第1の支持面よりも低い第2の支持面を有するトレーラ本体と、当該トレーラ本体に設けられる車輪とを備え、トラクタに牽引されて前記コンテナを運搬するコンテナ積載用セミトレーラであって、前記第1のコンテナの床面に対向する対向面を有し、当該対向面が上方を向いて前記トレーラ本体に設けられた台座部に支持されるコンテナ支持位置と、前記対向面が下側を向くとともに前記第2の支持面よりも下側となる退避位置とに前記台座部に回転自在にヒンジにより取り付けられるボルスタと、前記第1のコンテナに挿入される係合頭部が一端部に設けられ、前記係合頭部が前記コンテナに係合する係合位置と前記係合頭部の前記コンテナとの係合を離脱する開放位置との間で前記ボルスタに回転自在に装着されるシャフトと、前記トレーラ本体に設けられ、前記ボルスタを前記退避位置に回転させるとともに前記シャフトを前記係合位置に回転させると前記係合頭部が係合するボルスタ保持部材とを有し、前記係合頭部が前記コンテナ支持位置のもとで前記第1のコンテナを前記ボルスタに固定する一方、前記退避位置のもとで前記ボルスタを前記トレーラ本体に固定することを特徴とする。
【0009】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記コンテナ支持位置のもとで前記台座部内に入り込み、前記シャフトが係合位置に回転すると前記台座部に噛み合う一方、前記シャフトが開放位置に回転すると前記台座部との噛み合いを解除するロック部材を前記シャフトの他端部に設け、前記コンテナ支持位置のもとで当該ロック部材が前記ボルスタを前記トレーラ本体に固定することを特徴とする。
【0010】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記シャフトに取り付けられるロック用ハンドルを有し、当該ロック用ハンドルの回転により前記シャフトを前記係合位置と前記開放位置とに回転し得ることを特徴とする。
【0011】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記シャフトの回転範囲を前記係合位置と前記開放位置との間で制限するストッパを前記ボルスタに設けることを特徴とする。
【0012】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記ボルスタ内に一端が係止され、他端が前記シャフトの回転とともに回転移動する圧縮コイルばねを有し、当該圧縮コイルばねは前記シャフトの回転に対し回転開始時に回転方向逆向きにばね力を与え、回転終了時に回転方向にばね力を与えることを特徴とする。
【0013】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記ヒンジに一体となって装着される回転用ハンドルを有し、当該回転用ハンドルの回転により前記ボルスタを前記コンテナ支持位置と前記退避位置とに回転し得ることを特徴とする。
【0014】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラは、前記トレーラ本体に一端が係止され、他端が前記ヒンジの回転とともに回転移動する引張コイルばねを有し、当該引張コイルばねは前記ヒンジの回転に対し回転開始時に回転方向にばね力を与え、回転終了時に回転方向逆向きにばね力を与えることを特徴とする。
【0015】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記第1のコンテナを1つ、又は前記第1のコンテナを2つ、又は前記第2のコンテナを1つのいずれかを係合して積載することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ボルスタが退避位置のもとでのボルスタの固定とボルスタがコンテナ支持位置のもとでのコンテナの係合を係合部材により行うことができるので、ボルスタの構造の簡素化および操作性の向上が可能である。ボルスタがコンテナ支持位置のもとでのコンテナの係合と同時にボルスタの固定を行うことができるので、コンテナを運搬する際の脱落や振動が防止できる。
【0017】
本発明によれば、ボルスタの回転を回転用ハンドルにより操作することができるので、操作力を軽減させ、かつ安全に操作することができる。回転用ハンドルの操作に対し、回転開始時に回転方向にばね力を与え、回転終了時に回転方向逆向きにばね力を与えることができるので、回転開始時には補助ばねにより操作力を補助され操作が容易であり、回転終了時には補助ばねにより操作力を補助され操作が容易であるとともに回転速度が減衰されてトレーラの損傷を防止することができる。
【0018】
本発明によれば、係合部材およびロック部材の回転をロック用ハンドルにより操作することができるので、操作を簡便にすることができる。ロック用ハンドルの操作に対し、回転開始時に回転方向逆向きにばね力を与え、回転終了時に回転方向にばね力を与えることができるので、ボルスタおよびコンテナの固定または固定解除を確実に行うことができる。
【0019】
本発明によれば、小型コンテナを1つ、又は小型コンテナを2つ、又は大型コンテナを1つのいずれかを係合して積載することができるので、種々のコンテナの積載に適応できるとともに効率が良く運搬コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態であるコンテナ積載用セミトレーラの側面図であり、図2は図1の平面図であり、図3はコンテナの形状を示す斜視図であり、図4は大型コンテナ11の床面22の形状を示す斜視図である。
【0021】
図1に示す本発明のコンテナ積載用セミトレーラはトラクタに牽引されて積載物であるコンテナを運搬する際に適用され、特に本発明では長さ寸法20フィートの小型コンテナ10a〜10c(第1のコンテナ)と長さ寸法40フィートの大型コンテナ11(第2のコンテナ)とのいずれでも積載できる兼用タイプとなっており、これらのコンテナが積載されるトレーラ本体12が走行方向の前後に延びる縦梁材13とこの縦梁材13を相互に連結し横方向に延びる複数の横梁材14とにより構成されている。縦梁材13の前部は上方に迫り上がるとともに縦梁材13相互間が狭窄されるように側方に迫り出すグースネック部13aを形成している。トレーラ本体12の上面は積載するコンテナを支持するコンテナ支持面15となっており、グースネック部13aの上面に形成される第1の支持面15aとそれよりも下側にグースネック部13aを除くトレーラ本体12の上面で形成される第2の支持面15bとを有している。図1に二点鎖線で示すように、トレーラに空ないし収納荷物が少ない小型コンテナ10a、10bを2つ積載する際には第1の支持面15aと第2の支持面15bとに1つずつ積載され、小型コンテナ10cを1つ積載する際には第2の支持面15bに積載され、大型コンテナ11を1つ積載する際には第2の支持面15bに積載される。
【0022】
トレーラ本体12の前端部下面には牽引車であるトラクタと連結するためのキングピン16が備えてあり、トラクタの後端部に設けられたカプラ(図示省略)とトレーラのキングピン16とが連結される。トレーラには走行するための駆動車輪が設けられておらず、連結されたトラクタに牽引されてトレーラ本体12の後部に設けられた走行車輪17により追従走行をする。
【0023】
トレーラがトラクタと連結されていないときには、トレーラ本体12の後部に設けられた走行車輪17とグースネック部13a後端に設けられたランディングギヤつまり支持脚18とによりトレーラ本体12を支持する。支持脚18は縦梁材13のグースネック部13a後端外側に取り付けられ、上下方向に伸縮自在となっている。トレーラ本体12を支持する際には支持脚18を下方向に延伸し、支持脚18の末端を走行地盤19に接触させトレーラ本体12が水平に保たれるようにする。
【0024】
積載されるコンテナは図3に示すように直方体形状をしており、その長辺をトレーラの走行方向に平行となる状態でコンテナ支持面15に積載される。コンテナ支持面15に対向するコンテナの床面22は、コンテナの荷重をトレーラ本体12に適当に伝達するために図4に示すような長辺と垂直な方向に延びる複数の凹部23を設けた荷重伝達面24を施した床構造をしている。コンテナの四隅にはそれぞれ係合孔25が形成されており、トレーラ本体12の縦梁材13から横方向に突出した横梁材14の両端部14aのコンテナ支持面15に設けられた左右一対の係合ピン30〜35および横梁材14の両端部側面14bから突出させた左右一対の係合ピン36に係合される。コンテナの床面22に形成された係合孔25はコンテナの長辺方向に長軸を有する長孔であり、トレーラの係合ピン30〜35も同様にトレーラの走行方向の長軸を有し係合孔25よりも小径な形状をしている。係合孔25は内部に拡張したスペース25a(図示省略)を有し、各角部26の隣接する係合孔25のスペース25aは連通している。係合ピン30〜35が係合孔25に挿入されたもとで、係合ピン30〜35の先端に回転自在に取り付けられた係合頭部37を係合孔25のスペース25a内で回転させることにより、コンテナをトレーラ本体12に固定する。
【0025】
係合ピン31、33、34は横梁材14内に収容可能な反転式であり、第2の支持面15bに小型コンテナ10cを1つ積載する際には係合ピン33がコンテナの床面22の中央に位置し積載する際の妨げとなり、大型コンテナ11を1つ積載する際には係合ピン31、33、34がコンテナの床面22の中央に位置し積載する際の妨げとなるため、これらは横梁材14内に収容される。係合ピン30、35は横梁材14の両端部14aのコンテナ支持面15に固定された非反転式であり、これらはトレーラ本体12の前後端に位置しコンテナを積載する際の妨げとならないため横梁材14内に収容する必要はない。係合ピン32は横梁材14の両端部14aに形成された台座部40上に積載されたかさ上げ用のボルスタ41に設けられるボルスタ設置式であり、小型コンテナ10aを第1の支持面15aに積載する際に、コンテナの床面22に対向するボルスタ41の対向面41aが第1の支持面15aを形成しコンテナを積載する。一方、小型コンテナ10cまたは大型コンテナ11を積載する際には、かさ上げ用のボルスタ41とともにそれに設けられた係合ピン32が台座部40上から退避され、台座部40の上面が形成する第2の支持面15bにコンテナを積載する。なお、係合ピン30〜35には先端に回転自在な係合頭部37が取り付けてあり、係合孔25のスペース25a内で係合頭部37を回転させることによりコンテナを固定する。一方、係合ピン36は先端に係合頭部37が取り付けられておらず、横梁材14の両端部側面14bに挿入および除去可能な着脱式となっている。
【0026】
本発明のコンテナ積載用セミトレーラに小型コンテナ10a、10bを2つ積載する際には、図1に示すようにコンテナをトレーラ本体12の前後方向に配置して積載する。後側に配置される小型コンテナ10bは床面22の前端の係合孔25に係合ピン33が挿入されるとともに床面22の後端の係合孔25に係合ピン35が挿入されることにより、トレーラ本体12の第2の支持面15bに固定される。このとき、コンテナの床面22の中央に位置する係合ピン34は横梁材14内に収容されるため、小型コンテナ10bを第2の支持面15bに積載する妨げにはならない。前側に配置される小型コンテナ10aは床面22の前端の係合孔25に係合ピン30が挿入されるとともに床面22の後端の係合孔25に係合ピン32が挿入されることにより、トレーラ本体12の第1の支持面15aに固定される。小型コンテナ10aを第1の支持面15aで固定するために、係合ピン32は係合ピン32の位置する横梁材14の両端部14aに有する台座部40に載置されたボルスタ41に設けられ、ボルスタ41は係合ピン32と台座部40との間に介し係合ピン32のかさ上げを担っている。
【0027】
トレーラに小型コンテナ10cを1つ積載する際には、図1に示すようにトレーラ本体12の中央部に配置して積載する。この小型コンテナ10cは床面22の前端の係合孔25に係合ピン31が挿入されるとともに床面22の後端の係合孔25に係合ピン34が挿入されることにより、トレーラ本体12の第2の支持面15bに固定される。このとき、小型コンテナ10cの床面22の中央に位置する係合ピン33は横梁材14内に収容されるため、小型コンテナ10cを第2の支持面15bで積載する妨げにはならない。しかし、小型コンテナ10cの床面22の中央に位置する係合ピン32は小型コンテナ10aを第1の支持面15aで積載するためにボルスタ41によりかさ上げされており、係合ピン32をボルスタ41内に収容できるとしてもボルスタ41が第2の支持面15bより上方に突出しているため、係合ピン32が第2の支持面15bで小型コンテナ10cを積載する妨げとなり、係合ピン32とともにかさ上げ用のボルスタ41自体を退避する必要がある。
【0028】
大型コンテナ11の床面22には荷重伝達面24に加えて、図4に示すように、床面22の前端から複数の凹部23にわたって中央部を開口するトンネル凹部27が形成されており、トレーラ本体12のグースネック部13aに入り込む形状をしている。トレーラに大型コンテナ11を1つ積載する際には、図1に示すようにトレーラ本体12の前端から後端にかけて配置して積載する。この大型コンテナ11はトンネル凹部27がトレーラ本体12のグースネック部13aに入り込み横梁材14から突出させた係合ピン36が床面22の前面の下端の係合孔25に挿入されるとともに床面22の後端の係合孔25に係合ピン35が挿入されることにより、トレーラ本体12の第2の支持面15bに固定される。このときもトレーラに小型コンテナ10cを積載する際と同様に、大型コンテナ11の床面22の中央に位置する係合ピン31、33,34は横梁材14内に収容されるため、大型コンテナ11を第2の支持面15bで積載する妨げにならない。しかし、大型コンテナ11の床面22の中央に位置する係合ピン32は小型コンテナ10aを第1の支持面15aで積載するためにボルスタ41によりかさ上げされており、係合ピン32をボルスタ41内に収容できるとしてもボルスタ41が第2の支持面15bより上方に突出しているため係合ピン32が第2の支持面15bで大型コンテナ11を積載する妨げとなり、係合ピン32とともにかさ上げ用のボルスタ41自体を退避する必要がある。
【0029】
このように、小型コンテナ10a、10bを積載する際にはボルスタ41を設置し係合ピン32をかさ上げする必要があり、小型コンテナ10cまたは大型コンテナ11を積載する際には係合ピン32とともにかさ上げ用のボルスタ41が障害となり退避させる必要がある。本発明のコンテナ積載用セミトレーラはこのかさ上げ用のボルスタ41の設置および退避を容易に行うための構造を有しており、種々のコンテナの積載に対応できる。
【0030】
図5はコンテナ支持位置のもとでのボルスタ41の斜視図であり、図6は退避位置のもとでのボルスタ41の正面図である。
【0031】
係合ピン32が位置する横梁材両端部14aに有する左右一対の台座部40には、ヒンジ43がトレーラ前進方向の台座部側面40aに取り付けられており、このヒンジ43によりボルスタ41が図5に示すコンテナ支持位置と図6に示す退避位置とに回転自在に支持されている。台座部側面40aに取り付けられ、横方向に長く延び中央部が開口したヒンジ受け板42には、2つの筒状のカラー44が間隔をあけて固定されており、その2つのカラー44間の同軸上に筒状のパイプ45が設けられている。カラー44はヒンジ受け板42に側面一端が接して固定されるとともにヒンジ受け板42から突出したカラー支持板46により下方向から固定され支持されている。パイプ45から図5の上方向に2つのパイプ受け板47が間隔をあけて延びており、そのパイプ受け板47間に断面略L字型の補強アングル48が設けられている。図5において台座部40のヒンジ取付側と同じ側のボルスタ41側面には受け板49が取り付けられており、パイプ受け板47と補強アングル48とがこの受け板49に固定されている。台座部40に固定されたカラー44に対しパイプ45を回転移動させることにより、ボルスタ41は台座部40に対し回転移動する。図5に示すようにボルスタ41がコンテナ支持位置のもとではパイプ受け板47は上方向に延び、一方、図6に示すようにボルスタ41が退避位置のもとではパイプ受け板47は下方向に延びており、ボルスタ41はコンテナ支持位置から退避位置へパイプ45の軸を中心としてほぼ180°回転している。
【0032】
カラー44とパイプ45とは同径の筒状をしており、カラー44およびパイプ45の内径とほぼ同径の円柱状のシャフト52がカラー44およびパイプ45内に同軸上に組み込まれている。パイプ45に開口したボルト孔とシャフト52に開口したボルト孔とをボルト53により締結することでシャフト52はパイプ45に固定され、パイプ45とシャフト52とは共に回転移動をする。一方、シャフト52とカラー44とは固定されておらず、シャフト52はカラー44に対し回転自在である。シャフト52はカラー44とパイプ45とを同軸上に貫通しているので、カラー44とパイプ45とが固定されていなくともカラー44とパイプ45とを同軸上に位置することができる。ボルスタ41がコンテナ支持のもとでは図5に示すようにパイプ45に締結されたボルト53は台座部40の反対側に位置しており、ボルスタ41が退避位置のもとではボルト53はヒンジ受け板42の中央に開口した開口部に入り込み台座部40側に位置する。ヒンジ43はヒンジ受け板42とカラー44とパイプ45とカラー支持板46とパイプ受け板47と補強アングル48と受け板49とシャフト52とにより構成されている。
【0033】
シャフト52の両端はカラー44から突出しており、シャフト52のトレーラ外側方向の一端にはシャフト52の径方向に長く延びた回転用ハンドル54が取り付けられている。この回転用ハンドル54によりシャフト52を回転させることで、ヒンジ43を介してボルスタ41を回転させることができる。つまり、ボルスタ41がコンテナ支持位置のもとで回転用ハンドル54がトレーラ前進方向に延びている状態から、この回転用ハンドル54を図6の反時計回りにほぼ180°回転させ回転用ハンドル54がトレーラ後退方向に延びている状態にさせることにより、ボルスタ41を退避位置へ回転させることができる。逆に、回転用ハンドル54をトレーラ後退方向から前進方向へ図6の時計回りにほぼ180°回転させることにより、ボルスタ41を退避位置からコンテナ支持位置へ回転させることができる。
【0034】
シャフト52のトレーラ内側方向の他端には大小2つの孔55a、55bが開口したばね取付板55の大孔55aが嵌め込まれ、ボルトにより固定されている。ばね取付板55の側面は大孔55a開口側から小孔55b開口側へ勾配が設けてあり、孔55a、55bの開口した両端部の側面はその孔55a、55bの大きさに合わせた円弧状となっている。ばね取付板55は大孔55aがシャフト52に嵌め込まれているため、回転用ハンドル54の回転によりばね取付板55は大孔55aを中心として小孔55b開口側が回転移動する。ボルスタ41がコンテナ支持位置のもとではばね取付板55の小孔55b開口側は上方向に位置し、回転用ハンドル54の回転により図6の反時計回りに回転して、ボルスタ41が退避位置のもとではばね取付板55の小孔55b開口側は下方向に位置している。
【0035】
小孔55bには引張コイルばね58の一端が係止されており、他端はばね受け組体59に係止されている。ばね受け組体59は台座部側面40aに固定されトレーラ前進方向に延びたばね受け台60と、その先端にボルト61とナットとにより締結された断面略L字型のばね取付アングル62とにより構成されており、トレーラ後退方向に曲折したばね取付アングル62の先端にはシャフト52の軸と水平な軸を有するばね係止孔62aが開口している。ボルスタ41がコンテナ支持位置または退避位置のもとで、ばね取付板55の小孔55bに一端が係止されるとともにばね取付アングル62のばね係止孔62aに他端が係止された引張コイルばね58は伸張された状態で係止され、両端に引張コイルばね58の軸方向内側にばね力を与えている。
【0036】
ばね取付板55は小孔55bに引張コイルばね58の一端を係止するとともに大孔55aの中心つまりシャフト52の軸中心に回転自在であり、引張コイルばね58の他端はシャフト52の軸と水平な軸を有するばね取付アングル62のばね係止孔62aに係止されているため、ボルスタ41がコンテナ支持位置のもとでは、ばね取付板55の小孔55b開口側は図6の反時計回りの向きにばね力を与えられ、ボルスタ41が退避位置のもとでは、ばね取付板55の小孔55b開口側は図6の時計回りの向きにばね力を与えられる。つまり、ばね取付板55を介してシャフト52に働くばね力は、コンテナ支持位置のもとで反時計回りの向きに最大で回転に伴い徐々に小さくなり、ばね取付板55が水平になると最小となる。さらなる回転に伴い時計回りの向きに徐々に大きくなり、退避位置のもとで最大となる。したがって回転用ハンドル54をコンテナ支持位置から退避位置へ回転する際は、回転用ハンドル54のコンテナ支持位置からの回転開始時にはばね力により操作力が補助され、退避位置への回転終了時にはばね力により操作力が補助されるとともに速度が減衰される。同様に回転用ハンドル54を退避位置からコンテナ支持位置へ回転する際も、回転開始時には操作力が補助され、回転終了時には操作力が補助されるとともに速度が減衰される。
【0037】
本実施の形態では、引張コイルばね58の他端がシャフト52の軸と水平な軸を有するばね取付アングル62のばね係止孔62aに係止されており、ボルスタ41がコンテナ支持位置と退避位置との際に同じ大きさのばね力を与えている。しかし、ボルスタ41を退避位置からコンテナ支持位置へ回転させるには、コンテナ支持位置から退避位置へ回転させるのと比較してより大きな操作力が必要であるため、引張コイルばね58の他端を係止するばね受け組体59の位置を移動させて退避位置の際により大きなばね力を与えるようにしても良い。
【0038】
ボルスタ41は側面に受け板49が取り付けられたU字型のボルスタチャンネル65と、このボルスタチャンネル65の図5の上方向開口部を覆うボルスタ天板66と、ボルスタチャンネル65の両端開口部に挿入される開口部補強板67とにより構成されており、ボルスタ天板66の図5の上方向に係合ピン32が設けられている。小型コンテナ10aは床面22が対向するボルスタ天板66の対向面41aにより形成される第1の支持面15aに支持され、小型コンテナ10aの係合孔25に係合ピン32が挿入される。ボルスタ天板66に固定された係合ピン32は先端に回転自在な係合頭部37が設けられ、係合ピン32と係合頭部37の底面とはほぼ同形となっている。係合頭部37は係合ピン32と係合頭部37の底面とがほぼ合致しコンテナに形成された係合孔25に挿入可能な開放位置と、コンテナ内に挿入された係合ピン32に回転自在に取り付けられた係合頭部37が係合孔25のスペース25aで回転しコンテナを係合する係合位置とに回転自在である。ボルスタ41がコンテナ支持位置のもとでボルスタ天板66の対向面41aが形成する第1の支持面15aに支持された小型コンテナ10aの係合孔25に係合ピン32が挿入され、係合頭部37を係止位置へ回転させることにより係合される。
【0039】
台座部40の下面にはボルスタ保持部材70が突出して取り付けられており、このボルスタ保持部材70は曲折してトレーラ前進方向に延びている。ボルスタ保持部材70の先端中央部には上下方向に係合溝71が開口しており、図6に示すようにボルスタ41が退避位置であるとともに係合頭部37が開放位置のもとで、ボルスタ天板66の対向面41aはボルスタ保持部材70の上面に支持されるとともに係合ピン32がこの係合溝71に挿入される。ボルスタ保持部材70の下面には係合溝71の横方向両端に沿って延びる係合板72が備えてあり、この係合板72は係合ピン32が係合溝71に挿入された状態で係合ピン32の全体をほぼ覆うとともに係合頭部37の全体が係合板72から突出する高さとなっている。
【0040】
ボルスタ41が退避位置であるとともに係合頭部37が開放位置のもとで、ボルスタ41の対向面41aは係合ピン32がボルスタ保持部材70の係合溝72に挿入され、係合頭部37が係合板72より下方に突出した状態で、ボルスタ保持部材70の上面に支持される。この状態で係合頭部37を係合位置に回転させると、係合頭部37が係合板72の下端を横方向に突出し、係合溝71の横方向両端に沿って平行に延びる2つの係合板72に係合頭部37が係止される。したがって、ボルスタ41が退避位置に位置する際に、係合頭部37を係合位置に回転させることにより、係合頭部37を係合板72に係止させボルスタ41をトレーラ本体12に固定することができる。
【0041】
図7は図5の一部拡大正面図であり、図8はボルスタ41の平面断面図であり、図9は図8の9−9線に沿う断面図である。
【0042】
ボルスタ41内には図9に示すように、ボルスタ41から上下方向に突出し上端が係合ピン32を貫通して係合頭部37に連結されたシャフト75が組み込まれ、このシャフト75と係合頭部37とにより係合部材は構成されている。シャフト75はボルスタ41と係合ピン32とに回転自在に支持され、係合頭部37とともに回転移動する。シャフト75は上部75aと下部75bに分割されており、それらを連結するとともにシャフト75の下端に断面略長方形のロック部材76を取り付けるボルト78がシャフト内に挿入され締結している。ロック部材76はシャフト75とともに回転移動し、係合頭部37の長辺とロック部材76の長辺は直交している。図6の実線で示すように係合頭部37の長辺が係合位置となり横梁材14に平行なときには、ロック部材76は縦梁材13に平行となる係合位置となり、図6の二点鎖線で示すように係合頭部37の長辺が開放位置となり縦梁材13と平行なときは、ロック部材76は横梁材14と平行となる開放位置となる。
【0043】
図7に示すように、台座部40の上面にはロック部材76が入り込むロック孔77が開口しており、このロック孔77はロック部材76が開放位置にあるときに入り込める形状つまり横梁材に平行な長辺をもつ長方形の孔である。ロック部材76はボルスタ41がコンテナ支持位置であるとともにロック部材76が開放位置にあるときにロック孔77内に入り込み、ロック部材76を係合位置に回転するとロック部材76の長辺とロック孔77の長辺が直交して噛み合い、ロック部材76を開放位置に回転するとロック部材76とロック孔77との噛み合いは解除される。したがって、ボルスタ41がコンテナ支持位置であるとともにロック部材76が開放位置のもとで、ロック孔77に入り込んだロック部材76を係合位置に回転させることにより、ロック部材76がロック孔77と噛み合いボルスタ41を台座部40に固定することができる。このとき、シャフト75の先端に設けられた係合頭部37はロック部材76とともに係合位置に回転されるため、ボルスタ天板66の対向面41aに支持された小型コンテナ10aの固定も同時に行うことができる。
【0044】
シャフト上部75aの下端部の外周を覆うようにスリーブ80が取り付けられており、シャフト75とスリーブ80とをピン81により連結することでスリーブ80はシャフト75とともに回転移動する。スリーブ80には側面から中央部が曲折したロック用ハンドル82が径方向に延びており、このロック用ハンドル82を回転させることにより、スリーブ80とシャフト75とを介して係合頭部37とロック部材76とを係合位置と開放位置とに回転させることができる。ボルスタチャンネル65の受け板49が取り付けられている側の反対側面にはハンドル孔83が開口しており、ロック用ハンドル82は図8の二点鎖線で示す先端部がこのハンドル孔83から突出する開放位置と、図8の実線で示す先端部がボルスタ41内に納まる係合位置とに回転自在である。
【0045】
ハンドル孔83のトレーラ本体12外側方向の一端にはストッパ棒84が取り付けられており、ハンドル孔83から突出したロック用ハンドル82の図8の時計回りの回転移動を制限している。ロック用ハンドル82がハンドル孔83から突出しストッパ棒84に回転移動が制限される位置が開放位置であり、ロック用ハンドル82がこの開放位置に位置すると、係合頭部37とロック部材76とは開放位置となる。ボルスタ天板66の下面からはストッパアングル85がボルスタ41の中央へ突出して取り付けられており、ボルスタ41内に納まったロック用ハンドル82の図8の反時計回りの回転移動を制限している。ストッパアングル85はロック用ハンドル82と接触するとともに後述する圧縮コイルばね88に接触しない高さとなっている。ロック用ハンドル82がボルスタ41内に入り込みストッパアングル85に回転移動が制限される位置が係合位置であり、ロック用ハンドル82がこの係合位置に位置すると、係合頭部37とロック部材76とは係合位置となる。つまり、ロック用ハンドル82を開放位置に回転させることにより係合頭部37とロック部材76とを開放位置に回転させ、ロック用ハンドル82を係合位置に回転させることにより係合頭部37とロック部材76とを係合位置に回転させることができる。ここで、係合頭部37およびロック部材76の開放位置と係合位置とはほぼ90°の回転角をなしており、ストッパ棒84とストッパアングル85とはロック用ハンドル82を角度θ(ほぼ90°)の回転移動に制限する位置となっている。シャフト75の回転範囲を係合位置と開放位置との間で制限するストッパはストッパ棒とストッパアングルとにより構成されている。
【0046】
シャフト下部75bの中央部には連結板86が組み込まれており、シャフト75より大径のシャフト75の軸と同軸の円弧状の一端から径方向に窄まって延び、他端は小径の円弧状をしている。連結板86の一端はシャフト75内に組み込まれているため、シャフト75の回転により大径の円弧状一端の軸を中心として小径の円弧状一端は回転移動をする。シャフト75が係合位置のもとでは連結板86の小径の円弧状他端は図8のシャフト75の軸を中心としてθ(ほぼ225°)の位置に位置し、ロック用ハンドル82の回転により時計回りに回転してシャフト75が開放位置のもとでは図8のシャフト75の軸を中心としてθ(ほぼ135°)の位置に位置する。
【0047】
連結板86の小径の円弧状他端にはピン87により圧縮コイルばね88の一端が係止されており、他端はばね受け丸棒89に係止されている。ばね受け丸棒89はボルスタチャンネル65の内壁上面に突出して設けられ、図8に示すようにばね受け丸棒89の軸とシャフト75の軸とはトレーラ本体12の横方向に平行となっている。ばね受け丸棒89にはボルスタチャンネル65と圧縮コイルばね88とを介するように筒状のカラー90が挿入され、圧縮コイルばね88が水平となるように高さ調節されている。シャフト75が係合位置および開放位置のもとで、連結板86の小径の円弧状他端に一端が係止されるとともにばね受け丸棒89に他端が係止された圧縮コイルばね88は伸張された状態で係止され、両端に圧縮コイルばね88の軸方向外側にばね力を与えている。
【0048】
連結板86は小径の円弧状他端に圧縮コイルばね88の一端を係止するとともに大径の円弧状一端の中心つまりシャフト75の軸中心に回転自在であり、圧縮コイルばね88の他端はシャフト75の軸とトレーラ本体12の横方向に平行な軸を有するばね受け丸棒89に係止されているため、シャフト75が係合位置のもとでは、連結板86の小径の円弧状一端は図8の反時計回りの向きにばね力が与えられ、シャフト75が開放位置のもとでは、連結板86の小径の円弧状一端は図8の時計回りの向きにばね力を与えられる。つまり、連結板86を介してシャフト75に働くばね力は、係合位置のもとで反時計回りの向きに最小で回転に伴い徐々に大きくなり、連結板86がトレーラ本体12の横方向に平行になると最大となる。さらなる回転に伴い時計回りの向きに徐々に小さくなり、開放位置のもとで最小となる。したがってロック用ハンドル82には回転開始時には回転に抗うばね力が働き、ボルスタ41およびコンテナの固定をまたは固定解除を確実に行うことができる。
【0049】
ここで、ボルスタ41の開口部補強板67には中央に略長方形形状の開口部が形成されており、ロック用ハンドル82がスムーズに動かなくなった場合のグリスアップおよび圧縮コイルばね88のばね力がよく働かなくなった場合の取り替えが容易に行えるようになっている。
【0050】
図10〜13はボルスタ41の動作を示す斜視図であり、図14は図10〜13におけるボルスタ41の上面図と底面図である。
【0051】
図10はボルスタ41がコンテナ支持位置であるとともに係合頭部37とロック部材76とが係合位置のもとでのボルスタ41を示しており、トレーラ本体12に空ないし収納荷物が少ない小型コンテナ10a、10bを2つ積載して運搬する際の状態である。小型コンテナ10aは床面22の前端の係合孔25に係合ピン30が係合されるとともに床面22の後端の係合孔25にボルスタ設置式の係合ピン32が挿入され、係合ピン30、32の先端に回転自在に取り付けられた係合頭部37が係合孔25のスペース25a内で図14(A1)のように係合位置に回転されることにより固定されている。このとき、図14(A2)のように、ロック部材76は台座部40の上面に設けられた点線で示すロック孔77内に入り込み噛み合う係合位置にあり、ボルスタ41を介して小型コンテナ10aをトレーラ本体12に固定している。
【0052】
図11はボルスタ41がコンテナ支持位置であるとともに係合頭部37とロック部材76とが開放位置のもとでのボルスタ41を示しており、図10の状態からロック用ハンドル82を手前に回転させ、係合頭部37とロック部材76とを開放位置に回転させた状態である。このとき、係合頭部37は図14(B1)のようにボルスタ天板66の対向面41aに形成された第1の支持面15aに積載された小型コンテナ10aに係合しておらず、小型コンテナ10aをトレーラ本体12に積み卸し自在である。一方、ロック部材76と点線で示すロック孔77とは図14(B2)のように噛み合っておらず、ボルスタ41は回転自在である。
【0053】
図12はボルスタ41が退避位置であるとともに係合頭部37とロック部材76とが開放位置のもとでのボルスタ41を示しており、図11の状態から回転用ハンドル54を反時計回りに回転させ、ボルスタ41を退避位置へ回転させた状態である。台座部40は上面にコンテナを積載する第2の支持面15bを形成し、ボルスタ41はこの第2の支持面15bよりも下側に位置する。このとき、係合頭部37は図14(C1)のように点線で示すボルスタ保持材70の係合溝71に係合しておらず、ボルスタ41は回転自在である。
【0054】
図13はボルスタ41が退避位置であるとともに係合頭部37とロック部材76とが係合位置のもとでのボルスタ41を示しており、図12の状態からロック用ハンドル82を奥に回転させ、係合頭部37とロック部材76とを係合位置に回転させた状態である。このとき、係合頭部37は図14(D1)のように点線で示すボルスタ保持材70の係合溝71に係合しており、ボルスタ41はボルスタ保持材70を介してトレーラ本体12に固定される。この状態で台座部40の上面に形成された第2の支持面15bに、小型コンテナ10cまたは大型コンテナ11が積載され運搬される。
【0055】
このように、小型コンテナ10a、10bを第1の支持面15aに積載する状態から小型コンテナ10cまたは大型コンテナ11を第2の支持面15bに積載する状態に変更するには、図10〜13のような動作を行えばよい。逆に小型コンテナ10cまたは大型コンテナ11を第2の支持面15bに積載する状態から小型コンテナ10a、10bを第1の支持面15aに積載する状態に変更するには、図10〜13のような動作を逆の手順で行えばよい。ここで、小型コンテナ10a、10bを第1の支持面15aに積載しない場合には、ボルスタ41を必ず退避位置へ移動させるようにし、ボルスタ41がコンテナ支持位置のもとで不注意により大型コンテナ11を積載してトレーラを損傷させるのを防止する。また、ボルスタ41が退避位置のもとでは必ず係合頭部37aを係合位置に回転させボルスタ41をトレーラ本体12に固定するようにし、走行中の振動等によりトレーラを損傷させるのを防止する。
【0056】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、上記実施の形態ではヒンジ43と一体に回転用ハンドル54を設けたが、ボルスタ41に直接把手を設けそれを握ってボルスタ41を回転させるようにしても良い。また、係合頭部37およびロック部材76が走行中に回転するのを防止するためにボルスタ41内に圧縮コイルばね88を設けたが、シャフト75の回転を防止する他のロック機構を用いても良い。さらに、ボルスタ41をトレーラの走行方向に回転させるようにしたが、ボルスタの回転方向や設置向きおよびボルスタ41内の構造の向き等については種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施の形態であるコンテナ積載用セミトレーラの側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】コンテナの形状を示す斜視図である。
【図4】大型コンテナの床面の形状を示す斜視図である。
【図5】コンテナ支持位置のもとでのボルスタの斜視図である。
【図6】退避位置のもとでのボルスタの正面図である。
【図7】図5の一部拡大正面図である。
【図8】ボルスタの平面断面図である。
【図9】図8の9−9線に沿う断面図である。
【図10】ボルスタの動作を示す斜視図である。
【図11】ボルスタの動作を示す斜視図である。
【図12】ボルスタの動作を示す斜視図である。
【図13】ボルスタの動作を示す斜視図である。
【図14】図10〜13におけるボルスタの上面図と底面図である。
【符号の説明】
【0058】
10a〜10c 小型コンテナ(第1のコンテナ)
11 大型コンテナ(第2のコンテナ)
12 トレーラ本体
13 縦梁材
13a グースネック部
14 横梁材
14a 両端部
14b 両端部側面
15 コンテナ支持面
15a 第1の支持面
15b 第2の支持面
16 キングピン
17 走行車輪
18 支持脚
19 走行地盤
22 床面
23 凹部
24 荷重伝達面
25 係合孔
25a スペース
26 角部
27 トンネル凹部
30〜36 係合ピン
37 係合頭部
40 台座部
40a 台座部側面
41 ボルスタ
41a 対向面
42 ヒンジ受け板
43 ヒンジ
44 カラー
45 パイプ
46 カラー支持板
47 パイプ受け板
48 補強アングル
49 受け板
52 シャフト
53 ボルト
54 回転用ハンドル
55 ばね取付板
55a 大孔
55b 小孔
58 引張コイルばね
59 ばね受け組体
60 ばね受け台
61 ボルト
62 ばね取付アングル
62a ばね係止孔
65 ボルスタチャンネル
66 ボルスタ天板
67 開口部補強板
70 ボルスタ保持部材
71 係合溝
72 係合板
75 シャフト
75a 上部
75b 下部
76 ロック部材
77 ロック孔
78 ボルト
80 スリーブ
81 ピン
82 ロック用ハンドル
83 ハンドル孔
84 ストッパ棒
85 ストッパアングル
86 連結板
87 ピン
88 圧縮コイルばね
89 ばね受け丸棒
90 カラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンテナを支持する第1の支持面、および前記第1のコンテナと種類が相違する第2のコンテナを支持し前記第1の支持面よりも低い第2の支持面を有するトレーラ本体と、当該トレーラ本体に設けられる車輪とを備え、トラクタに牽引されて前記コンテナを運搬するコンテナ積載用セミトレーラであって、
前記第1のコンテナの床面に対向する対向面を有し、当該対向面が上方を向いて前記トレーラ本体に設けられた台座部に支持されるコンテナ支持位置と、前記対向面が下側を向くとともに前記第2の支持面よりも下側となる退避位置とに前記台座部に回転自在にヒンジにより取り付けられるボルスタと、
前記第1のコンテナに挿入される係合頭部が一端部に設けられ、前記係合頭部が前記コンテナに係合する係合位置と前記係合頭部の前記コンテナとの係合を離脱する開放位置との間で前記ボルスタに回転自在に装着されるシャフトと、
前記トレーラ本体に設けられ、前記ボルスタを前記退避位置に回転させるとともに前記シャフトを前記係合位置に回転させると前記係合頭部が係合するボルスタ保持部材とを有し、
前記係合頭部が前記コンテナ支持位置のもとで前記第1のコンテナを前記ボルスタに固定する一方、前記退避位置のもとで前記ボルスタを前記トレーラ本体に固定することを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項2】
請求項1記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記コンテナ支持位置のもとで前記台座部内に入り込み、前記シャフトが係合位置に回転すると前記台座部に噛み合う一方、前記シャフトが開放位置に回転すると前記台座部との噛み合いを解除するロック部材を前記シャフトの他端部に設け、前記コンテナ支持位置のもとで当該ロック部材が前記ボルスタを前記トレーラ本体に固定することを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記シャフトに取り付けられるロック用ハンドルを有し、当該ロック用ハンドルの回転により前記シャフトを前記係合位置と前記開放位置とに回転し得ることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記シャフトの回転範囲を前記係合位置と前記開放位置との間で制限するストッパを前記ボルスタに設けることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記ボルスタ内に一端が係止され、他端が前記シャフトの回転とともに回転移動する圧縮コイルばねを有し、当該圧縮コイルばねは前記シャフトの回転に対し回転開始時に回転方向逆向きにばね力を与え、回転終了時に回転方向にばね力を与えることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記ヒンジに一体となって装着される回転用ハンドルを有し、当該回転用ハンドルの回転により前記ボルスタを前記コンテナ支持位置と前記退避位置とに回転し得ることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記トレーラ本体に一端が係止され、他端が前記ヒンジの回転とともに回転移動する引張コイルばねを有し、当該引張コイルばねは前記ヒンジの回転に対し回転開始時に回転方向にばね力を与え、回転終了時に回転方向逆向きにばね力を与えることを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテナ積載用セミトレーラにおいて、前記第1のコンテナを1つ、又は前記第1のコンテナを2つ、又は前記第2のコンテナを1つのいずれかを係合して積載することを特徴とするコンテナ積載用セミトレーラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−6759(P2009−6759A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167828(P2007−167828)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000229357)日本トレクス株式会社 (27)
【Fターム(参考)】