説明

コンテンツデータ再生装置およびその制御方法、コンテンツデータサーバ装置、コンテンツデータ再生システム、コンテンツデータ再生制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】コンテンツデータを外部から取得して再生を行う再生装置において、効率よくキャッシュ処理を行い、コンテンツデータを迅速に再生する。
【解決手段】携帯通信端末装置20は、通信ネットワーク5を介して接続された外部記録部36に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択部206と、前記キャッシュ対象として選択したコンテンツデータを内部記録部130に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部130に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択部204と、前記削除対象として選択したコンテンツデータを内部記録部130から削除するファイル入出力部220と、前記キャッシュ対象として選択したコンテンツデータを外部記録部36から取得して、内部記録部130に記録するファイル入出力部220とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置およびその制御方法、コンテンツデータサーバ装置、コンテンツデータ再生システム、コンテンツデータ再生装置制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の性能の進歩、特にその多機能化は著しく、もはや電話機と呼ぶよりは、携帯型のコンピュータと呼ぶほうがふさわしい。携帯電話機には、電話機能に加えて、インターネットアクセス機能、音楽再生機能やテレビジョン受像機能(以下、TV機能と略称する)も備えられている。
【0003】
携帯電話機のTV機能の利用シーンとしては、電車やバスなど交通機関利用中や待ち合わせ場所等の外出先で利用することが多い。つまり、見たい番組を視聴するためにTV機能を利用することは少なく、外出先において時間が空いているときに見たい番組を放送していれば視聴するという場合が多い。しかし、外出先において見たい番組をいつも放送しているとは限らず、TV機能が有効に活用されているとは言いがたい。
【0004】
このような問題点に対し、例えば、ハードディスクレコーダのように見たい番組を携帯電話機内のメモリ(脱着可能なメモリカード含む)に録画しておき、時間が空いているときに視聴するといった録画機能も搭載されつつある。また、ハードディスクレコーダなどでは、特許文献1のようにユーザの嗜好情報に基づいて番組を自動録画する機能を備えたものもある。
【0005】
また、特許文献2のように、サーバから配信された番組表を携帯電話機で参照して所望の番組をサーバに録画し、録画した番組データをサーバから携帯電話機に送信して視聴するような方法も提案されている。
【特許文献1】特開平7−135621号公報(1995年5月23日公開)
【特許文献2】特開2003−339041号公報(2003年11月28日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような自動録画に関する技術については、携帯電話機内のメモリのように、動画情報のデータ容量に対して、記録可能な容量の制限が厳しい記録領域に録画する場合、容量的に数番組から十数番組くらいしか録画できないので、すぐに記録可能な容量を使い切ってしまい録画できなくなるという問題がある。さらに携帯電話機のTV機能で受信した番組を録画する場合、ユーザが携帯電話機を持ってビルの内部など放送電波の届きにくい場所に移動したりすると、番組が途中で受信できないといった致命的な問題もある。
【0007】
また、特許文献2の技術のように、サーバに録画する場合は、上記のような携帯電話機内のメモリ容量に関する制限をある程度解決できることが期待できるが、再生する際に毎回サーバに接続して視聴する必要がある。そのため、事前に録画した番組をダウンロードする時間が必要となるか、あるいはリアルタイムで動画データを視聴できるだけの通信速度を確保する必要がある。さらに、携帯電話機がサーバと通信可能な場所になければ、録画した番組を視聴することはできない。
【0008】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテンツデータを外部から取得して再生を行う再生装置において、効率よくキャッシュ処理を行い、コンテンツデータを迅速に再生することができるコンテンツデータ再生装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、コンテンツデータを記録するための内部記録部を備え、該内部記録部に記録したコンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置において、通信ネットワークを介して接続された外部記録部に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択手段と、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択手段と、上記削除対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記内部記録部から削除する削除手段と、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記外部記録部から取得して、上記削除手段によってコンテンツデータが削除された上記内部記録部に記録する記録手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るコンテンツデータ再生装置の制御方法は、上記課題を解決するために、コンテンツデータを記録するための内部記録部を備え、該内部記録部に記録したコンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置の制御方法において、通信ネットワークを介して接続された外部記録部に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択ステップと、上記キャッシュ対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択ステップと、上記削除対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記内部記録部から削除する削除ステップと、上記キャッシュ対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記外部記録部から取得して、上記削除ステップにてコンテンツデータが削除された上記内部記録部に記録する記録ステップと、含むことを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、外部記録領域に記録されているコンテンツデータの中から、キャッシュするべきコンテンツデータを所定の基準に基づき選択する。そして、選択したコンテンツデータを内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータの中から削除するべきものを選択して、削除する。その後、キャッシュ対象として選択されたコンテンツデータを外部記録部から取得して、空き容量を作った内部記録部に記録する。
【0012】
よって、再生する、あるいは、再生する可能性が高いコンテンツデータを、内部記録部にあらかじめ記録しておくことができる。したがって、コンテンツデータを再生するとき、コンテンツデータが内部記録領域にすでに記録されているので、外部記録部から取得する必要がなく、迅速に再生することが可能となる。
【0013】
さらに、上記構成において、上記削除対象選択手段は、上記内部記録部に記録されているコンテンツデータのうち、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを除いたものを選択することが望ましい。
【0014】
上記構成によると、さらに、キャッシュ対象として選択されたコンテンツデータ以外のコンテンツデータを、内部記録部から削除する対象として選択する。すなわち、内部記録部に記録しておかなくてもよいコンテンツデータを選択する。よって、外部記録部から転送するコンテンツデータを最少にできるため、効率的にコンテンツデータを取得することが可能となる。
【0015】
さらに、上記構成において、上記記録手段は、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータのうち、上記内部記録部に記録されているコンテンツデータを除いたものを上記外部記録部から取得して、上記内部記録部に記録することが望ましい。
【0016】
上記構成によると、さらに、キャッシュ対象として選択されたコンテンツデータのうち、内部記録部に記録されているコンテンツデータを除いたものを外部記録部から取得する。すなわち、新たにキャッシュ対象となったコンテンツデータのみを、外部記録部からダウンロードする。よって、コンテンツデータを重複してダウンロードすることがなく効率がよい。
【0017】
さらに、上記構成において、上記外部記録部に記録されているコンテンツデータに関するメタ情報をユーザの嗜好に基づいて分析し、上記外部記録部に記録されているコンテンツデータに対して、上記キャッシュ対象選択手段がコンテンツデータを選択する際の優先度を付与する嗜好性分析手段を備えることが望ましい。
【0018】
上記構成によると、さらに、外部記録部に記録されているコンテンツデータに対して、ユーザの嗜好に基づく優先度を付与できる。よって、キャッシュ対象となるコンテンツデータを選択する際に、上記優先度に従ってコンテンツデータを選択することにより、ユーザの嗜好に合致したコンテンツデータ、すなわち、再生される可能性が高いコンテンツデータを選択することが可能となる。したがって、ユーザが視聴する可能性が高いとコンテンツデータを的確に推測して、コンテンツデータを内部記憶部に記録しておくことが可能となる。
【0019】
さらに、上記構成において、上記外部記録部に記録されているコンテンツデータの一覧を作成し、当該一覧中のコンテンツデータのうちで上記内部記録部に記録されているものに、その旨を示す識別情報を付与するデータ一覧作成手段を備えることが望ましい。
【0020】
上記構成によると、さらに、外部記録部に記録されているコンテンツデータの一覧を、内部記録部に記録されているコンテンツデータについては識別情報を付与して作成する。、よって、外部記録部と内部記録部に記録されているコンテンツデータをユーザに提示することが可能となる。したがって、ユーザは、再生可能なすべてのコンテンツデータを把握することができるとともに、ダウンロード待ちがなく、すぐに再生可能なコンテンツデータを一目で確認することができる。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るコンテンツデータ再生システムは、上記構成において、上記コンテンツデータ再生装置と、上記外部記録部を備えるコンテンツデータサーバ装置とを含むコンテンツデータ再生システムにおいて、上記コンテンツデータサーバ装置は、上記コンテンツデータ再生装置からの要求に応じて、上記外部記録部に記録したコンテンツデータを上記コンテンツデータ再生装置へ送信することを特徴としている。
【0022】
上記構成によると、上記コンテンツデータデータ再生装置と、外部記録部を備える上記コンテンツデータサーバ装置との組み合わせにより、コンテンツデータサーバ装置に記録したコンテンツデータをコンテンツデータデータ再生装置で再生する場合に、通信状況の影響を受けずに、ユーザが視聴したいコンテンツデータを迅速に視聴できるコンテンツデータ再生システムを提供できる。
【0023】
また、上記コンテンツデータサーバ装置は、上記コンテンツデータ再生システムを構成するコンテンツデータサーバ装置において、テレビジョン放送信号によって伝播される番組の情報である番組データを受信し、上記コンテンツデータとして外部記録部に記録するためテレビジョン受信録画手段を備えることが望ましい。
【0024】
上記構成によると、コンテンツデータサーバ装置は、テレビジョン放送信号によって伝播される番組の情報である番組データを受信し、コンテンツデータとして外部記録部に記録する。よって、本発明に係るコンテンツデータ再生システムは、テレビジョン放送の番組データをコンテンツデータとして扱うことが可能となる。例えば、コンテンツデータサーバ装置を、テレビジョン放送信号を安定して受信できる場所に配置すれば、コンテンツデータ再生装置が、テレビジョン受信アンテナを実装する必要はなく、また、テレビジョン放送信号が途切れて、番組データの記録に失敗するという問題も回避することができる。
【0025】
なお、上記コンテンツデータ再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記コンテンツデータ再生装置をコンピュータにて実現させるコンテンツデータ再生装置制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、通信ネットワークを介して接続された外部記録部に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択手段と、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択手段と、上記削除対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記内部記録部から削除する削除手段と、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記外部記録部から取得して、上記削除手段によってコンテンツデータが削除された上記内部記録部に記録する記録手段と、を備える構成である。
【0027】
また、本発明に係るコンテンツデータ再生装置の制御方法は、通信ネットワークを介して接続された外部記録部に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択ステップと、上記キャッシュ対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択ステップと、上記削除対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記内部記録部から削除する削除ステップと、上記キャッシュ対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記外部記録部から取得して、上記削除ステップにてコンテンツデータが削除された上記内部記録部に記録する記録ステップと、含む方法である。
【0028】
よって、再生する、あるいは、再生する可能性が高いコンテンツデータを、内部記録部にあらかじめ記録しておくことができる。したがって、コンテンツデータを再生するとき、コンテンツデータが内部記録領域にすでに記録されているので、外部記録部から取得する必要がなく、迅速に再生することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施の形態について図1〜図16に基づいて説明すると以下の通りである。
【0030】
(放送受信記録再生システムの概略について)
まず、本実施の形態に係る放送受信記録再生システム(コンテンツデータ再生システム)1の概略について説明する。図2は放送受信記録再生システム1の概略を示す説明図である。同図に示すように、本実施の形態では、本発明のコンテンツデータ再生システムは、放送受信記録再生システム1の形態をとっている。放送受信記録再生システム1は、番組放送局10と、コンテンツデータ再生装置の一例である携帯通信端末装置(コンテンツデータ再生装置)20と、録画サーバ装置(コンテンツデータサーバ装置)30とを含む。
【0031】
携帯通信端末装置20は、ネットワーク機能を備え、例えば、インターネットに接続可能な通信装置である。携帯通信端末装置20は、例えば、携帯電話網を介して、インターネット5に接続可能な携帯電話機であってもよい。また、携帯通信端末装置20は、種々の形式の動画データを再生することができる。
【0032】
録画サーバ装置30は、インターネット5を介してアクセス可能なサーバ装置である。録画サーバ装置30は、記録部に記録しているコンテンツデータを、クライアントの要求に応じて要求側に転送するコンテンツ提供サービスを提供するものである。
【0033】
また、本実施の形態においては、録画サーバ装置30は、放送の番組を放送する番組放送局10の送信するテレビジョン放送信号によって伝播される番組等の情報を受信し、自装置の備える記録部に番組データとして記録する機能を備えるサーバ装置である。また、クライアントの要求に応じて、要求された番組を録画する録画サービスを提供できる。上記録画サービスは、特定の番組を録画する指定を受け付けたり、クライアントの嗜好情報に基づいて自動録画したりする等の種々の形態をとることができる。
【0034】
なお、上記のサービスは、不特定多数の者に対してではなく、私的使用の目的の範囲内において、特定の者に対してのみ提供を許可する等の制限のもとで提供されるものである。
【0035】
しかしながら、これに限られず、録画サーバ装置30は、例えば、ネットワーク機能によって、上記のサービスを提供することのできる、ビデオレコーダであってもよい。
【0036】
また、録画サーバ装置30は、動画データをネットワーク経由で提供可能なサーバであってもよく、例えば、動画共有サービスを提供するサーバ装置であってもよい。
【0037】
本実施の形態に係る放送受信記録再生システム1では、例えば、携帯通信端末装置20が、インターネット5を介して、録画サーバ装置30にアクセスし、上記番組データのダウンロード要求をすることができる。該ダウンロード要求に基づいて、録画サーバ装置30から、上記番組データが転送され、携帯通信端末装置20に保存される。
【0038】
しかしながら、上記録画サーバ装置30と、携帯通信端末装置20との間の接続形態は、携帯電話網を介したインターネット接続だけには限られない。例えば、Bluetooth(登録商標)、ジグビー(ZigBee)、UWB(Ultra WideBand)、無線LAN(IEEE802.11)などの無線通信によって接続されていてもよい。
【0039】
すなわち、本実施の形態に係る放送受信記録再生システム1では、録画サーバ装置30が、番組放送局10の送信するテレビジョン放送信号によって伝播される番組を記録部に番組データとして記録する。そして、携帯通信端末装置20が、録画サーバ装置30に対して、記録部に記録されている上記番組データのダウンロード要求をすることで、上記番組データを取得する。そして、携帯通信端末装置20において、上記番組データが再生され、ユーザに視聴させるという形態を採用している。
【0040】
図3は、携帯通信端末装置20の一例である携帯電話機の外観形状を示す説明図である。携帯通信端末装置20は、録画サーバ装置30から受信した録画済みの番組データを、表示部124において再生する動画再生機能を備えている。上記動画再生機能は、所定の操作を、ユーザに行わせることによって動作する。上記所定の操作は、携帯通信端末装置20の備える操作部128において行わせることができる。
【0041】
また、携帯通信端末装置20は、録画サーバ装置30の、各種サービスを受けることができる。例えば、録画サーバ装置30の録画サービスにおいて、ユーザの嗜好情報に基づき番組を自動録画予約する自動録画サービスを受けることができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、例示的に、携帯通信端末装置20が動画再生機能を有する携帯電話機であるときについて説明するが、これに限られない。携帯通信端末装置20は、PDA(Personal Digital Assistant)や、携帯動画プレーヤ等種々の形態をとることができる。
【0043】
(携帯電話機について)
次に、本実施形態の放送受信記録再生システム1を構成する携帯通信端末装置20の構成について説明する。図4は、携帯通信端末装置20の要部のハードウェア構成を示すブロック図である。図示のように、携帯通信端末装置20は、アンテナ160と、アンテナ170と、主制御部100と、通信制御部110と、音声出力部120と、音声入力部122と、表示部124と、リンガ126と、操作部128と、内部記録部130と、音声処理部140と、ベースバンド処理部142と、RF処理部144と、回路閉結部146と、着信信号検出部148と、再生部180と、TV受信部190とを含む。
【0044】
主制御部100は、携帯通信端末装置20内の各種構成を統括的に制御するものである。主制御部100の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。なお、主制御部100の詳細については後述する。
【0045】
音声処理部140は、音声入力部122からの音声信号を所定の音声データに変換してベースバンド処理部142に送信するとともに、ベースバンド処理部142からの音声データを音声信号に変換して音声出力部120に送信するものである。具体的には、音声処理部140は、A/D変換器、D/A変換器、アンプ、音声コーデック回路などを備えるオーディオインタフェース(オーディオI/F)である。
【0046】
音声出力部120は、音声処理部140からの音声信号を音波に変換して外部に出力するものである。具体的には、音声出力部120は、レシーバ、スピーカ、音声出力用コネクタなどを備える構成である。通常、携帯通信端末装置20では、通話を行う場合にはレシーバが利用され、着信の報知やテレビ電話を行う場合にはスピーカが利用される。また、音楽を聴く場合には、周囲の人々に配慮して、音声出力用コネクタにヘッドホンが接続される。なお、音声出力部120は、レシーバ、スピーカ、および音声出力用コネクタの全てを備えている必要はなく、これらの少なくとも1つを備えていればよい。
【0047】
音声入力部122は、外部から入力された音波を、電気信号である音声信号に変換して音声処理部140に送信するものである。具体的には、音声入力部122はマイクロフォンを備える構成である。
【0048】
表示部124は、主制御部100から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて表示画面に画像を表示するものである。具体的には、表示部124は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える構成である。なお、上記画像データは、動画データを含むものである。
【0049】
リンガ126は、主制御部100からの指示に基づき、ユーザへの報知を行うものである。リンガ126が行う報知の例としては、音声出力部120から呼び出し音を出力させたり、偏心モータなどの振動素子を用いて携帯通信端末装置20を振動させたり、LED(light emitting diode)などの発光素子を用いて発光させたりすることが挙げられる。なお、リンガ126は、音声出力部120または表示部124で代用することもできる。
【0050】
操作部128は、携帯通信端末装置20の表面に設けられた操作ボタンなどの入力デバイスであり、ユーザによって操作されると、操作データを作成して主制御部100に送信するものである。入力デバイスとしては、ボタンスイッチの他にタッチパネルやモーションセンサーなどが挙げられる。
【0051】
内部記録部130は、携帯通信端末装置20の初期設定値、及び種々のアプリケーションプログラム等や、番組データを記憶する。内部記録部130は、不揮発性のメモリ132や、着脱可能なメモリカード134を含んでいてもよい。以下、本実施の形態では、番組データを上記メモリカード134に記憶する場合について説明するが、不揮発性のメモリ132に記憶可能であることは言うまでもない。以降、内部記録部130という用語は、基本的にはメモリ132、メモリカード134のいずれかを問わないような場合に、記録領域の総称としてのみ用いる。基本的には、話題となる対象がメモリ132、メモリカード134のいずれか一方にのみについて成り立つような場合は、いずれが対象となっているかを明記する。
【0052】
ここで、メモリ132は、主に各種データおよびプログラムを記憶するものである。メモリ132の例としては、主制御部100が動作するときに必要なプログラムや、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、バーコード認識や通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データ、撮影画像データ、電子メールデータなどを記録する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)とが挙げられる。
【0053】
また、本実施形態において、メモリ132は携帯通信端末装置20の嗜好性に関する情報を記録している。上記嗜好性に関する情報については後述する。
【0054】
メモリカード134は、メモリ132に記録する撮影画像データ、電子メールデータなどを、バックアップ等を目的として、メモリ132の代わりに記録できる外部メモリである。また、一般的に、メモリカード134のほうが携帯通信端末装置20のメモリ132よりも、相対的に大きな記録容量を有しており、メモリ132に記録しきれないような大容量のデータも記録することできるという特徴がある。メモリカード134は、着脱式のICカードの形式をとっており、様々なデータ形式の情報を記録できる。例えば、録画サーバ装置30から取得する番組データも記録可能であるが、詳しくは後述する。
【0055】
回路閉結部146は、所定の制御信号に応答して、アンテナ160を介した通信回線のオン/オフを制御するためのものである。
【0056】
ベースバンド処理部142は、基地局との安全な信号の授受を行うために、RF処理部144に与える信号及びRF処理部144を介して受ける信号に所定の信号処理を施すためのものである。
【0057】
RF処理部144は、回路閉結部146及びアンテナ160を介して基地局との間で授受する信号の強さの制御を行うためのものである。
【0058】
着信信号検出部148は、アンテナ160を介して基地局から受信した信号に基づき、別の拠点にあるほかの携帯電話機からの着信を検出して着信検出信号を出力するためのものである。
【0059】
再生部180は、操作部128によってメモリカード134にキャッシュされている番組データ、あるいは、録画サーバ装置30に備えられている外部記録部36に録画されている番組データが指定されると、該番組データを読み込み、表示部124において閲覧可能なように再生するものである。ただし、番組データを再生するときの動作の詳細については、再生制御部202の説明において述べる。
【0060】
通信制御部110は、上記音声処理部140、ベースバンド処理部142、RF処理部144、回路閉結部146、着信信号検出部148といった通信に関する処理部を統括的に制御するものである。
【0061】
通信制御部110は、上記音声処理部140、ベースバンド処理部142、RF処理部144、回路閉結部146、表示部124、およびリンガ126を制御することにより、ユーザからの要求に応じて電話の呼を発信したり、着呼を処理したりして、ユーザと他の携帯通信端末との間の音声通話を行ったり、文字通信を行ったり、インターネット5への接続を行ったり、ユーザの入力する文字列に対する処理を行ったりする。
【0062】
詳細は後述するが、通信制御部110は、ネットワーク経由で録画サーバ装置30にアクセス可能である。そのため、通信制御部110を介して、録画サーバ装置30に対し、各種サービス要求をすることで、録画サーバ装置30の提供する様々なサービスを受けることができる。
【0063】
また、通信制御部110は、実質的にはCPU(中央演算処理装置)とソフトウェアとからなる。ソフトウェアは本実施の形態ではメモリ132に記憶されていて、適宜、通信制御部110に読出され、実行される。本実施の形態では、詳細は説明しないが、メモリ132の内容を書き換えることが可能であり、それによって携帯通信端末装置20による種々の機能のアップグレード及び追加を行うことができる。
【0064】
TV受信部190は、アンテナ170を介してテレビジョン放送の番組を放送する番組放送局10の送信するテレビジョン放送信号によって伝播される番組の画像・音声(および場合によっては付随する情報)等の情報を含む番組データと、番組の放送時間に関する情報である番組情報とを含む番組情報を受信するものである。後述の録画サーバ装置30が備えるものと同様の機能を有する。
【0065】
なお、本実施の形態において、上記再生部180およびTV受信部190は、主制御部100によって制御されるものとしているが、これに限られず、専用の制御機構を備えていてもよい。すなわち、動画データ再生したり、テレビジョン放送信号を受信したりする機能のために専用の制御部を備えていてもよい。
【0066】
(録画サーバ装置について)
次に、図5を参照しながら、録画サーバ装置30について説明する。図5は、録画サーバ装置30の概略について示したブロック図である。図示の通り、録画サーバ装置30は、TV受信部32、録画部34、外部記録部36、番組データ転送サービス処理部37、削除サービス処理部38および録画サービス処理部39を備える構成である。
【0067】
TV受信部32は、テレビジョン放送の番組を放送する番組放送局10の送信するテレビジョン放送信号によって伝播される番組の画像・音声(および場合によっては付随する情報)等の情報を含む番組データと、番組の放送時間に関する情報である番組情報とを含む番組総合情報を受信するものである。受信したデータは、録画部34に送られる。
【0068】
録画部34は、上記番組総合情報をTV受信部32から受け取り、番組総合情報に含まれる番組データを、外部記録部36に記録するものである。
【0069】
外部記録部36は、番組データや、ユーザのサービス利用に関する情報等を含む種々のデータを記録可能な記録領域である。
【0070】
番組データ転送サービス処理部37は、携帯通信端末装置20からの番組データ転送サービス要求を受け付け、ユーザから要求のあった番組データを、外部記録部36から転送する処理を行うものである。
【0071】
削除サービス処理部38は、携帯通信端末装置20からの削除サービス要求を受け付け、ユーザから指定された番組データを、外部記録部36から削除する処理を行うものである。
【0072】
録画サービス処理部39は、携帯通信端末装置20からの録画サービス要求を受け付けて、録画部34を制御し、ユーザから要求のあった番組を、外部記録部36に記録するよう指示するものである。
【0073】
録画サーバ装置30と、携帯通信端末装置20とは、インターネット5を介して通信を行うことができ、また、録画サーバ装置30は、携帯通信端末装置20からの種々のサービス要求に対応する。
【0074】
(主制御部の詳細)
次に、図1を参照しながら、携帯通信端末装置20における主制御部100の詳細について、以下に説明する。同図は主制御部100の要部構成を示す図である。図示のように、主制御部100は、再生制御部202と、削除対象選択部(削除対象選択手段)204と、キャッシュ対象選択部(キャッシュ対象選択手段)206と、データ一覧作成部(コンテンツデータ一覧作成手段)208と、削除サービス要求部210と、番組データ転送サービス要求部212と、録画サービス要求部214と、ファイル入出力部220と、嗜好性分析部300とを備える構成である。
【0075】
ファイル入出力部220は、主制御部100および内部記録部130の間のファイル入出力処理を制御するものである。具体的には、主制御部100の備える他の構成からのファイル作成、取得、更新および削除等の操作命令を受け付け、内部記録部130に当該操作命令があった旨を通知する。また、削除対象選択部204によって削除対象リストが作成された場合、上記削除対象リストに該当する番組データを、メモリカード134から削除する。
【0076】
キャッシュ対象選択部206は、録画サーバ装置30の保持する番組データの中から、ユーザが利用する可能性の高い番組データを選択したキャッシュ対象リストを作成するものである。作成したキャッシュ対象リストは、番組データ転送サービス要求部212等によって参照される。
【0077】
なお、上記キャッシュ対象リストを作成するとき、具体的には、録画サーバ装置30の保持する番組データの保持リストを、あらかじめ取得するようにしてもよく、上記保持リストの中から、所定の基準に基づいて、キャッシュ対象リストを作成するようにしてもよい。また、上記キャッシュ対象リストは、1つ以上の番組データを対象として含むものとする。
【0078】
キャッシュ対象選択部206が、ユーザが利用する可能性の高い番組データと判断する基準は、例えば、上記番組データの記録日時の新しい順であってもよい。また、キャッシュ対象選択部206は、外部記録部36に記録されている番組データに関連付けられている嗜好度が高い順に基づいて、外部記録部36からメモリカード134への番組データの選択を行ってもよい。
【0079】
上記基準により選択された番組データは、ユーザが参照する可能性が高いものと想定されるため、番組データをあらかじめメモリカード134にキャッシュしておくことが望ましい。このようにキャッシュしておくことで、高い確率でユーザの再生要求に迅速に応じることができる。
【0080】
また、キャッシュ対象選択部206は、メモリカード134の記録容量を超えない範囲で任意の数の番組データを選択し、上記キャッシュ対象リストを作成することができる。
【0081】
削除対象選択部204は、所定の基準にしたがって、メモリカード134に記録されている番組データの中から、削除すべき番組データを選択した削除対象リストを作成するものである。例えば、削除対象選択部204は、メモリカード134にキャッシュされている番組データのうち、キャッシュ対象選択部206によって選択されなかった番組データを削除対象リストとして作成する。また、削除対象選択部204は、外部記録部36に記録されている番組データに関連付けられている嗜好度が低い順に基づいて、番組データを選択してもよい。
【0082】
データ一覧作成部208は、メモリカード134および録画サーバ装置30の保持する番組データに関する情報(メタ情報)を収集し、番組データの一覧を作成して表示させるものである。具体的には、ファイル入出力部220を介してメモリカード134の記録している番組データに関する情報を収集し、通信制御部110を介して、録画サーバ装置30の保持する番組データに関する情報を収集する。なお、データ一覧作成部208は、録画サーバ装置30の保持する番組データに関する情報を収集する際、番組データ転送サービス要求部212の取得する保持リストを参照する構成としてもよい。
【0083】
データ一覧作成部208は、上記データ一覧において、番組データに関連付けられた識別子であって、メモリカード134にキャッシュされているかもしくは外部記録部36に記録されているかを識別可能な識別子(識別情報)を各番組データに付して表示させることが好ましい。これにより、外部記録部36に記録されている番組データが、メモリカード134に記録されているか否かを容易に識別できる。上記識別子としては、例えば、「x」などの記号マークが挙げられる。
【0084】
番組データ転送サービス要求部212は、録画サーバ装置30が保持している番組データをダウンロードして、ファイル入出力部220を介してメモリカード134に保存するものである。ダウンロードは、録画サーバ装置30が備える、番組データ転送サービス処理部37に番組データ転送サービス要求をすることで行う。また、本実施の形態においては、録画サーバ装置30から保持している番組データの保持リストを取得することもできる。
【0085】
例えば、録画サーバ装置30から保持している番組データのダウンロードは、以下のようにして行われる。すなわち、キャッシュ対象選択部206が、キャッシュ対象リストを作成するための、番組データの保持リストを録画サーバ装置30から取得する。そして、キャッシュ対象選択部206が作成する、録画サーバ装置30からダウンロードすべき番組データが列挙されているキャッシュ対象リストを参照し、録画サーバ装置30から、当該番組データ転送リストに含まれる転送対象の番組データのダウンロードを行う。
【0086】
また、再生制御部202が指定した、番組データを録画サーバ装置30からダウンロードすることもできる。
【0087】
録画サービス要求部214は、録画サーバ装置30に対して、録画したい番組データを指定して、録画サービス要求を行うものである。また、嗜好性分析部300の分析結果を用いてユーザに適した番組予約を自動的に行うこともできる。録画サービス要求部214の動作詳細については後述する。
【0088】
削除サービス要求部210は、録画サーバ装置30が保持する番組データを削除するよう、録画サーバ装置30に削除サービス要求を行うものである。本実施の形態においては、削除サービス要求部210は、任意のタイミングで録画サーバ装置30に備えられた外部記録部36の空き領域の容量を問い合わせするものとする。削除サービス要求部210は、上記問い合わせから得られた、空き領域の容量に関する情報に基づいて、上記削除指示を行う。
【0089】
この削除指示が行われる条件として、例えば、上記空き領域の容量に関する情報を分析した結果、録画サーバ装置30に備えられた外部記録部36の空き領域の容量が外部記録部36全体に対して所定の割合、例えば30パーセントを下回ったときというような条件が挙げられる。しかしながら、削除指示が行われる条件は、これに限られず、例えば、外部記録部36の空き領域の容量が所定サイズ、例えば100メガバイトを下回ったときとしてもよい。
【0090】
また、削除サービス要求部210が上記削除指示を行うときに外部記録部36に記録されている番組データを選択する基準は、番組データが録画部34によって外部記録部36に記録された日時について古い順であってもよい。また、削除サービス要求部210は、外部記録部36に記録されている番組データが記録時点から所定日数を過ぎた場合に自動的に削除するようにしてもよい。
【0091】
また、削除サービス要求部210が上記削除指示を行うときに外部記録部36に記録されている番組データを選択する基準は、番組データに関連付けられている嗜好度が低い順であってもよい。
【0092】
嗜好性分析部300は、放送信号を用いて放送される番組の内容に関する情報と、番組のスケジュールに関する情報とを含む番組情報を取得する番組情報取得部302と、ユーザの嗜好性の度合いを示す嗜好度を取得する嗜好度取得部304と、上記嗜好度取得部304が取得した上記嗜好度に応じた番組を抽出する番組抽出部306とを備えている(図12)。上記嗜好度取得部304は、ユーザの番組データに対する嗜好の度合いを示す嗜好度を取得し、番組データに関連付けて、ユーザの番組データに対する嗜好の度合いを示す嗜好度をメモリカード134および外部記録部36に記録させる。嗜好性分析部300の詳細については後述する。
【0093】
再生制御部202は、メモリカード134にキャッシュされている番組データを再生する指示を操作部128から受けた場合は、ファイル入出力部220を介して、メモリカード134から指示された番組データを取得し、取得した番組データを再生部180に転送する。そして、再生部180に、転送した番組データを再生するように指示をする。
【0094】
一方、再生制御部202は、メモリカード134にキャッシュされていない番組データを再生する指示を操作部128から受けた場合は、キャッシュ対象選択部206に当該番組データの識別情報を通知し、さらに、番組データ転送サービス要求部212を介して、当該番組データをメモリカード134にダウンロードするよう指示する。その後、再生制御部202は、ダウンロードした番組データを再生する。
【0095】
したがって、本実施の形態における、携帯通信端末装置20において、番組データを視聴するとき、再生部180は、メモリカード134に記録されている番組データを再生することになる。
【0096】
また、再生制御部202は、再生部180による番組データの再生が完了すると、当該番組データに対する削除命令を、ファイル入出力部220に通知するようにしてもよい。
【0097】
また、ここで、再生制御部202は、再生部180による番組データの再生が完了すると、録画サーバ装置30に対し、上記番組データの再生が完了した旨通知してもよい。詳しくは、後述するが、録画サーバ装置30は、該通知を受け取ると、外部記録部36に記録されている、上記番組データについて、番組データの再生が完了したことを示すための再生フラグを付加してもよい。
【0098】
(番組キャッシュ処理)
上記構成において、番組データのキャッシュ処理について、図6を参照して説明すると以下の通りである。同図は携帯通信端末装置20が録画サーバ装置30に録画されている番組データをキャッシュする処理手順を説明した動作フローである。
【0099】
まず、番組データ転送サービス要求部212が、通信制御部110を介してインターネット通信機能を利用して、録画サーバ装置30に接続し、録画サーバ装置30内の外部記録部36に録画されている番組データの保持リストを取得する(S100)。そして、キャッシュ対象選択部206は、メモリカード134に割り当てられたキャッシュ用の容量に納まる範囲内で、番組データのリストの中からユーザが再生して視聴する可能性の高い番組を決定し、キャッシュ対象選択リストを作成する。(S102)。ここで、視聴する可能性が高い番組データを決定する条件としては、例えば、「録画された日時の新しい順」という条件や、「嗜好度が高い順」という条件などが挙げられる。
【0100】
そして、削除対象選択部204は、メモリカード134内のキャッシュ済み番組データと、キャッシュ対象選択リストに含まれる番組データとを比較し、メモリカード134にキャッシュされている番組データの中から、キャッシュ対象選択リストに含まれない番組データを削除対象として選択し、削除対象リストを作成する。上記削除対象リストに基づいてファイル入出力部220がメモリカード134から番組データを削除する。(S104)。
【0101】
このようにして、メモリカード134内にキャッシュに必要な記録領域を確保した後、ステップS102で抽出された番組データのうち、まだメモリカード134にキャッシュされていない番組データを録画サーバ装置30からダウンロードする(S106)。
【0102】
ここで、本実施の形態のキャッシュ処理の一例として、より具体的に、2007年7月22日の22:00から23:48までの時間帯にチャンネル10において放送される予定の番組、「日曜・バラエティ」の番組データが録画された後にキャッシュ処理を実行する場合について説明する。
【0103】
以下では、メモリカード134にキャッシュできる番組データの総容量は1GB(Giga Byte)として説明する。
【0104】
まず、録画サーバ装置30の外部記録部36に格納される、番組データのデータ格納形式の一例について図7を用いて説明する。同図の(a)は、外部記録部36に多数の番組データが録画されている状態について示した図である。図7の(a)に示すようなデータ格納形式で、外部記録部36に録画されている番組データを格納する。
【0105】
すなわち、上記データ格納形式は、番組データの放送チャンネルを示す「ch」と、番組データのタイトルを示す「タイトル」と、番組データを録画した日時を示す「録画日時」と、番組データの録画時間を示す「録画時間」と、録画された番組データの容量を示す「データサイズ」と、ユーザが再生したか否かを示す「再生フラグ」の項目を含む。以降、番組データを特定する際は、「タイトル」で特定する。
【0106】
なお、「録画時間」の単位は、「YYYY/MM/DD HH:MM」形式で、それぞれ西暦/月/日 時:分を表しており、「データサイズ」の単位は、メガバイト(MB:Mega Byte)を採用している。また、データ一覧作成部208は、上記データ格納形式に基づいて、外部記録部36に録画されている番組データのリストを作成し、表示部124を介してユーザに提示できるものとする。
【0107】
ここで、外部記録部36にはすでに番組データ、「映画・ヒューマンドラマ」、「バラエティ・土曜」、「スポーツ・サッカー・2007大会」、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」「バラエティ・火曜」、・・・が録画されており、それぞれの録画日時は、「2007/7/20 21:00」、「2007/7/14 22:00」、「2007/7/13 22:30」、「2007/7/12 19:00」、「2007/7/10 22:00」、・・・であり、それぞれのデータサイズは、「220」、「108」、「255」、「238」、「109」、・・・である。また、ユーザは「バラエティ・土曜」と「音楽・金曜」を既に再生済みであり、再生フラグはこの2つの番組データについては再生済みを表す「1」、その他の番組データは未再生を表す「0」である。
【0108】
また、図7の(b)は、同図の(a)の番組データの内、ユーザが再生する可能性が高い番組データを、メモリカード134にキャッシュした状態について示した図である。
【0109】
ここで、メモリカード134には5つの番組データ、「映画・ヒューマンドラマ」、「スポーツ・サッカー・2007大会」、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」、「バラエティ・火曜」、「ドラマ・日曜・コメディ」がキャッシュされており、総記録容量はそれぞれのデータサイズである「220」、「255」、「238」、「109」、「112」を加算して934MBである。
【0110】
ここで、「日曜・バラエティ」の番組データが録画部34によって録画されると、外部記録部36の状態は図8の(a)のようになる。
【0111】
キャッシュ対象選択部206は、録画サービス要求部214を介して、外部記録部36に記録されている各番組データの保持リストを取得する。この保持リストの形式は、上記データ格納形式と同型のものとする。
【0112】
そして、キャッシュ対象選択部206は、取得した保持リストを参照し、再生フラグが「0」で録画日時が新しい番組を、メモリカード134の総容量内に収まるように順に選択する。この場合、「バラエティ・日曜」、「映画・ヒューマンドラマ」、「スポーツ・サッカー・2007大会」、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」が選択され、総記録容量はそれぞれのデータサイズである「215」、「220」、「255」、「238」を加算した928MBである。キャッシュ対象選択部206は、上記の4つの番組データを含むキャッシュ対象リストを作成する。
【0113】
ここで、削除対象選択部204は、キャッシュ対象リストに含まれる4つの番組データとメモリカード134にキャッシュされている番組データとを比較し、キャッシュ対象リストに含まれない、番組データ「ドラマ・火曜」と「ドラマ・日曜・コメディ」を削除対象として選択し、削除対象リストを作成する。ファイル入出力部220は、削除対象リストに基づき、「ドラマ・火曜」と「ドラマ・日曜・コメディ」を削除する。上記番組データを削除することで、メモリカード134に109MB+112MB+66MBを加算した総計287MBの空き容量が確保できる。
【0114】
ここで、番組データ転送サービス要求部212は、選択された4つの番組データのうち、メモリカード134にキャッシュされていない「バラエティ・日曜」を、録画サーバ装置30からメモリカード134にダウンロードする。図8の(b)は、「バラエティ・日曜」をメモリカード134にキャッシュした状態を示す図である。
【0115】
次に、本実施形態の番組録画処理のさらに別の一例として、番組データに関連付けられて録画サーバ装置30の外部記録部36に記録された嗜好度が高い番組を選択する場合について説明する。ここで、録画サーバ装置30の外部記録部36およびメモリカード134に記録されている番組データは、上記の例と同様、図7の(a)および(b)に示す状態であるとする。また、上記の状態において、図示しない嗜好度が、番組データに関連付けられて設定されているものとする。メモリカード134にキャッシュされた番組データ「映画・ヒューマンドラマ」、「スポーツ・サッカー・2007大会」、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」、「バラエティ・火曜」、「ドラマ・日曜・コメディ」の嗜好度がそれぞれ「85」、「90」、「83」、「81」、「89」であるとする。
【0116】
ここで、録画サーバ装置30において、録画部34が「日曜・バラエティ」の番組データを外部記録部36に録画したとする。このとき、番組データ転送サービス要求部212が、録画サーバ装置30が保持する各番組データの情報を取得し、キャッシュ対象選択部206が、保持リストを参照し、再生フラグが「0」で嗜好度が高い番組を、メモリカード134の総容量内に収まるように順に選択する。新しく録画された番組データ「日曜・バラエティ」の嗜好度を「86」とすると、この場合、「バラエティ・日曜」、「映画・ヒューマンドラマ」、「スポーツ・サッカー・2007大会」、「ドラマ・日曜・コメディ」が選択され、総記録容量はそれぞれのデータサイズである「215」、「220」、「255」、「112」を加算した802MBである。キャッシュ対象選択部206は上記4つの番組データを含むキャッシュ対象リストを作成する。
【0117】
ここで、削除対象選択部204は、上記キャッシュ対象リストとメモリカード134にキャッシュされている番組データとを比較し、メモリカード134内で不要となる番組データ「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」と「ドラマ・火曜」を削除対象として選択し、削除対象リストを作成する。上記削除対象リストに基づいて、ファイル入出力部220が上記2つの番組データを削除する。この結果、メモリカード134に238MB+109MB+66MBを加算した総計413MBの空き容量が確保できる。そして、録画サービス要求部214は、選択された4つの番組データのうち、メモリカード134にキャッシュされていない「バラエティ・日曜」を、録画サーバ装置30からメモリカード134にダウンロードする。
【0118】
以上のように、メモリカード134にユーザが再生する可能性の高い番組から順にキャッシュするようにしているので、ユーザが再生したいと考える番組データがメモリカード134内に存在しないという事態が生じる可能性は低い。
【0119】
(番組再生処理)
次に、上記構成において、番組データの再生処理について、図9を参照して説明すると以下の通りである。同図は携帯通信端末装置20が番組データを再生する処理手順を説明した動作フローである。
【0120】
すなわち、録画されている番組データを再生する際、携帯通信端末装置20は、図8の(a)および(b)に示すような、メモリカード134および録画サーバ装置30の保持する番組データに関する情報を提示し(S200)、ユーザからの選択を受け付ける。そして、再生制御部202が、ユーザの選択した内容から、再生すべき番組データを特定し(S202)、上記再生すべき番組データがメモリカード134にキャッシュされている番組か否かを判定する(S204)。
【0121】
このとき、上記再生すべき番組データがメモリカード134に存在すると判定された場合(S204においてYES)は、再生制御部202が、メモリカード134に存在する番組データを再生するよう再生部180に指示する。そして、再生部180において上記番組データが再生され(S214)、処理は終了する。
【0122】
一方、S204において、上記再生すべき番組データがメモリカード134に存在しないと判定された場合(S204においてNO)、再生制御部202が、上記再生すべき番組データを録画サーバ装置30からメモリカード134にダウンロードしなければならないと判定する。
【0123】
そこで、まず、削除対象選択部204はメモリカード134内に既にキャッシュされている番組データの中から、ユーザが再生して視聴する可能性の低い番組データを決定する(S206)。ここで、視聴する可能性の低い番組データを決定する条件としては、例えば、録画してから最も時間が経過している番組データなどが挙げられる。削除対象選択部204は、上記の要領によって選択された番組データを含む削除対象リストを作成する。上記削除対象リストには、2つ以上の番組データが含まれていてもよい。そして、ファイル入出力部220は、上記削除対象リストに基づいて、番組データを削除する。(S208)。
【0124】
このようにして、削除対象選択部204がメモリカード134内にキャッシュに必要な記録領域の容量を確保した後、再生制御部202は、番組データ転送サービス要求部212を介して、上記再生すべき番組データを録画サーバ装置30からメモリカード134にダウンロードする。(S210)。そして、再生制御部202は、再生部180がメモリカード134から番組データを再生するよう制御する。再生部180において上記再生すべき番組データが再生され(S212)、その後、処理は終了する。
【0125】
なお、S212において、番組データを再生したあと、該番組データを削除し、キャッシュ対象選択部206が新たに再生する可能性が高い番組データを録画サーバ装置30からキャッシュするようにしてもよい。
【0126】
また、S200において提示する、メモリカード134および録画サーバ装置30の外部記録部36に録画されている番組データに関する情報の提示形式について好ましい例を、図10を用いて説明する。同図は、図8の(a)および(b)が示す番組データに関する情報の提示形式の一例を示している。同図は、表示部124において、メモリカード134および録画サーバ装置30の外部記録部36に録画されている番組データをリスト表示するときの一例である。
【0127】
上記リスト表示は、データ一覧作成部208が、メモリカード134および録画サーバ装置30の外部記録部36に録画されている番組データに関する情報を収集することによって作成したデータ一覧に基づいて表示する。また、上記リスト表示のためのデータ一覧は、前述した番組データのデータ格納形式の項目に基づいて作成される。上記データ一覧に含まれる項目の一例としては、「ch」、「録画日時」、「タイトル」、および、メモリカード134の番組データがキャッシュされているか否かを示す「マーク」等が挙げられる。
【0128】
なお、携帯通信端末装置20が、録画サーバ装置30にアクセスできない場合は、データ一覧作成部208は、メモリカード134の保持する番組データに関する情報のみ収集しデータ一覧を作成してもよい。そして、該データ一覧に基づいて、メモリカード134の保持する番組データのみリスト表示をするようにしてもよい。
【0129】
上記リスト表示の項目としては、放送チャンネルを示す「ch」と、番組データを録画した日付を示す「録画日付」と、番組データのタイトルを示す「タイトル」と、メモリカード134の番組データがキャッシュされているか否かを示す「マーク」を含む。「マーク」に「x」が付されている番組データについては、該番組データがメモリカード134にキャッシュされていることを示している。
【0130】
また、上記リスト表示は、録画日付の降順にソートされている。そのため、「録画日付」の項目には、表示上、その項目が降順にソートされていることを示す矢印マークが付されている。
【0131】
スクロールバー50は、メモリカード134および録画サーバ装置30の保持する番組データをリスト表示する際、表示部124の表示可能領域にリスト表示が収まらない、すなわち、一画面に収まらなかった場合に表示されるものであり、画面に表示されているリスト部分のリスト全体に対する相対的な位置を示している。上記スクロールバー50が表示されているとき、操作部128からの操作に連動し、画面をスクロールできるものである。なお、図10に示すようなリスト表示において、番組データに対応した、番組に関する解説を、後述する番組情報管理データベース402から取得し表示させるようにしてもよい。
【0132】
ここで、番組データの再生処理の一例について説明する。前述のように録画処理を行った後の、メモリカード134および録画サーバ装置30の外部記録部36の状態に基づいて番組データの再生処理について説明する。すなわち、図8の(b)に示すとおり、メモリカード134において、「バラエティ・日曜」、「映画・ヒューマンドラマ」、「スポーツ・サッカー・2007大会」、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」の番組データがキャッシュされているものとし、録画サーバ装置30の外部記録部36においては、図8の(a)に示すとおり、「ドラマ・土曜」を含む番組データが録画されているものとする。
【0133】
この例では、図8の(a)における「ドラマ・土曜」を携帯通信端末装置20において再生するものとする。
【0134】
まず、図10のような録画番組リストを前述の番組データのリスト表示として表示させる。ここで、操作部128は、上記リストから、「ドラマ・土曜」の番組データの選択を受け付ける。「ドラマ・土曜」はメモリカード134にキャッシュされておらず、録画サーバ装置30の外部記録部36に存在する番組データであるので、再生部180において上記番組データを再生するには、メモリカード134に上記番組データをダウンロードする必要がある。装置内にキャッシュされているか、録画サーバ装置30内に録画されているかは、タイトルの右側のマークに「x」のマークが付してあるかどうかで、簡単にユーザは判断できる。
【0135】
メモリカード134に録画できる番組データの総容量は1GBであるため、このとき、メモリカード134の空き領域の容量は72MBである。録画サーバ装置30に保持する番組データ「ドラマ・土曜」をメモリカード134に転送するためには、メモリカード134の空き領域の容量が89MB必要である。したがって、メモリカード134の空き領域の容量が不足していることが判明する。ここで、キャッシュ対象選択部206は、メモリカード134の空き領域の容量を確保するため、ユーザが再生する可能性が低い番組データをメモリカード134から削除する。
【0136】
この場合、録画日時が最も古い、すなわち、録画してから最も時間が経過している番組「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」の番組データを削除することで、新たに238MBの容量の空き領域を確保できるため、メモリカード134の空き領域の容量は総計310MBとなる。そのため、ファイル入出力部220によって、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」の番組データがメモリカード134から削除され、番組データ転送サービス要求部212によって、「ドラマ・土曜」の番組データがメモリカード134にコピーされる。そして、再生部180において、「ドラマ・土曜」の番組データが再生された後、メモリカード134から削除される。なお、ここでは、録画日時が最も古い番組データを削除したが、嗜好度が最も低い番組データを削除してもよい。
【0137】
録画サーバ装置30の外部記録部36およびメモリカード134に記録されている番組データを、図11を参照して説明する。同図は、それぞれ、録画サーバ装置30の外部記録部36に記録されている番組データと、メモリカード134にキャッシュされている番組データの状態の一例であって、上記再生処理を行った後の状態を示すものである。上記の処理を行ったあと、録画サーバ装置30が保持する番組データの状態は同図に示すとおり、図8(a)に比べて、録画サーバ装置30の外部記録部36に記録されている番組データ「ドラマ・土曜」の再生フラグが「1」にかわっている。
【0138】
一方、メモリカード134の状態は同図(b)に示すとおり、図8(b)に比べて、「スポーツ・野球・Aチーム vs Bチーム」の番組データが無くなっている。また、「ドラマ・土曜」の番組データは、既に削除されているため同図の(b)には含まれない。
【0139】
以上のように、録画サーバ装置30に存在する番組データを、メモリカード134に転送してから番組データを再生することができる。
【0140】
(自動録画予約処理)
ところで、本発明の利点を最大限に享受するには、放送受信記録再生システムが自動的に録画予約情報を作成する機能を備えていることが望ましい。自動的に録画予約情報を作成する機能において、ユーザの関心の対象となるような番組を、番組情報から選択的に抽出することができれば、さらに好適であることはいうまでもない。
【0141】
以下においては、録画サーバ装置30において、TV受信部32が受信した番組データを、外部記録部36に記録する方法の一例について説明する。
【0142】
なお、以下に説明する例示においては、携帯通信端末装置20はTV受信部190が受信した放送信号によって伝播される番組情報を取得するものとする。上記番組情報は、録画サーバ装置30において、TV受信部32が受信したものと同等のものであるものとする。しかしながら、これに限られず、携帯通信端末装置20の通信機能を介してインターネット上において提供されている番組情報を取得してもよい。また、番組情報は、メモリカード134などの記録媒体等により供給されるものとしてよい。
【0143】
以下に、ユーザの嗜好性を分析し、ユーザの関心の対象となるような番組を、番組情報から自動的に選出する方法について、図12を参照しながら説明する。
【0144】
図12は、図1の主制御部100における、嗜好性分析部300を詳細に表したものである。嗜好性分析部300は、図示のとおり、番組情報取得部302と、嗜好度取得部304と、番組抽出部306とを備えている。また、図示のとおり、嗜好性の分析のため、メモリ132において、番組情報管理データベース(以下「DB」と略記する)402、履歴情報管理DB404、ユーザプロファイルDB406を保持するものとする。なお、本実施の形態において、番組情報管理DB402、履歴情報管理DB404、ユーザプロファイルDB406のDB群をメモリ132に備える構成としているが、これに限られず、ネットワーク経由でアクセス可能な、例えば録画サーバ装置30の外部記録部36に備えていてもかまわない。
【0145】
より具体的には、番組情報管理DB402は、TV受信部190において受信した番組情報を格納するものである。なお、本実施の形態においては、番組情報をTV受信部190から取得するものとしたが、上記に限られず、番組情報がインターネット上において、提供されている場合は、通信制御部110を介して、インターネットから取得するようにしてもよい。番組情報管理DB402は、番組抽出部306または番組情報取得部302からのアクセスに応じて、番組抽出部306または番組情報取得部302に番組情報を送信する。本実施の形態において、上記番組情報は、番組の識別情報と、番組の名称と、番組の放送時間帯と、番組のジャンルと、および番組の内容とを含む情報である。しかしながら、上記の形態に限られず、例えば、番組情報の内容として、出演者や、番組制作者に関する情報を保持するものとしてもよい。
【0146】
履歴情報管理DB404は、操作部128がユーザから受け付けた操作であって、TVを視聴した、番組データを再生した、手動で録画予約したといった操作に関する操作履歴情報を格納するものである。
【0147】
上記操作履歴情報は、番組情報を特定可能な番組の識別子と、操作を行った時間の開始および終了を示す操作時間と、TVを視聴した、番組データを再生した、手動で録画予約したといった操作内容とを含む情報である。番組の識別子の例としては、番組タイトルが挙げられる。
【0148】
ユーザプロファイルDB406は、ユーザの嗜好性を示す嗜好性情報を格納するためのものである。ユーザプロファイルDB406は、後述するユーザ嗜好学習処理および録画番組抽出処理において利用される。
【0149】
本実施の形態において、ユーザプロファイルDB406は、上記番組情報管理DB402の「番組のジャンル」の項目に基づく「ジャンル」、「番組の内容」に基づく「キーワード」、および上記「ジャンル」、「キーワード」に関する「統計情報」の項目を含む情報である。「統計情報」については、具体的には、対応する「ジャンル」および「キーワード」の組に関して、「出現頻度」、「放送回数」およびこれらから導き出される「嗜好度」の項目をさらに含んでいる。上記の項目の関連性については後に詳しく述べる。
【0150】
嗜好性分析部300は、番組情報取得部302と、嗜好度取得部304と、番組抽出部306とを含む構成である。
【0151】
番組情報取得部302は、履歴情報管理DB404から、ユーザが視聴した番組データである再生履歴から、番組の識別子を抽出し、さらに該番組の識別子に対応づけて、番組情報管理DB402を読み出すことで、番組のジャンルおよび番組の内容を取得するものである。番組情報取得部302は、取得した番組のジャンルおよび番組の内容を、嗜好度取得部304に転送する。
【0152】
嗜好度取得部304は、番組情報取得部302から転送された、番組のジャンルおよび番組の内容を分析するものである。具体的には、「SF」や、「出演者の名称」など、特定の単語を、番組の内容からキーワードとして検出し、頻度および放送回数といった統計情報を算出し、さらに上記統計情報に基づいて番組のジャンルごとに嗜好度を算出する。
【0153】
嗜好度取得部304は、さらに、算出したキーワードごとの嗜好度を番組のジャンルに関連付けて、頻度、放送回数、嗜好度をユーザプロファイルDB406に格納する。
【0154】
また、嗜好度取得部304は、ユーザプロファイルDB406に格納されたキーワードごとの嗜好度と、録画サーバ装置30の外部記録部36に記録された番組データに対応する番組情報に含まれるキーワードとから、外部記録部36に記録された番組データについて、番組データごとの嗜好度を算出することができる。番組データごとの嗜好度の算出方法については、後述する。算出した番組データについての嗜好度は、番組データに関連付けて外部記録部36に記録させてもよい。
【0155】
番組抽出部306は、番組情報管理DB402の管理する番組情報の中から、嗜好情報に応じた番組情報を抽出するものである。具体的には、ユーザプロファイルDB406に記録されている、キーワードおよび嗜好度を読み出し、嗜好度に基づいてキーワードを選択する。さらに、番組抽出部306は、番組情報管理DB402から、番組情報を読み出し、番組情報に関して上記キーワードの検索を行うことによって、キーワードが検出された番組情報をユーザの嗜好に合致するものとして抽出する。
【0156】
そして、番組抽出部306は、ユーザの嗜好に合致する番組を特定する情報(例えば番組情報)を録画サービス要求部214および表示部124へ出力する。
【0157】
録画サービス要求部214を介して、録画サーバ装置30に録画サービス要求をすることで、録画サーバ装置30では、録画部34において、番組データの記録が行われる。
【0158】
また、番組抽出部306によって、抽出された番組の視聴や、抽出された番組の番組情報の閲覧を表示部124へ指示したりすることができる。
【0159】
(ユーザ嗜好学習処理)
次に、上記構成において、番組データの自動録画予約のための、ユーザ嗜好学習処理について、図13を参照して説明すると以下の通りである。同図は嗜好性分析部300がユーザの嗜好度を分析しユーザプロファイルDB406を更新する処理手順を説明した動作フローである。
【0160】
なお、当該処理を行う時点は、例えば、操作部128が操作を受け付けた時点など、種々の時点が考えられるが、本実施形態では、一例として、前回、学習処理を行った時点からあらかじめ定められた期間が経過した時点の場合について説明する。
【0161】
すなわち、学習処理を行う時点になると、番組情報取得部302が、履歴情報管理DB404を読み出し、操作履歴情報を取得する(S300)。ここで、処理すべき操作履歴情報が存在すれば(S302においてNO)、番組情報取得部302は、当該操作履歴情報に含まれる番組情報の放送期間とチャンネルとを関連付けて番組情報管理DB402を参照し、対応する番組情報を取得する(S304)。
【0162】
そして、嗜好度取得部304が上記番組情報から「番組のジャンル」を取得し(S306)、さらに「キーワード」の抽出を行う(S308)。番組のジャンル、抽出された各キーワードに関連付けて、ユーザプロファイルDB406における当該キーワードの出現頻度を更新する(S310)。
【0163】
上記S300からS310までの処理は、未学習の履歴情報が存在する間、繰り返される。処理すべき履歴情報がなくなると(S302において、YES)、番組情報取得部302は、前回、学習処理を行った時点以降に放送された番組の番組情報を番組情報管理DB402から取得し、嗜好度取得部304に転送する。嗜好度取得部304は、これらの番組情報に基づいて、ユーザプロファイルDB406に記憶する各キーワードの放送回数を更新する(S312)。そして、ユーザプロファイルDB406にて各キーワードに関連付けて記憶された出現頻度および放送回数に基づいて、当該キーワードの嗜好度が更新され、さらにユーザプロファイルDB406に結果が書き込まれる(S314)。
【0164】
ここで、ユーザ嗜好学習処理の例について、図14を参照しながら説明する。同図は、履歴情報管理DB404に格納されるデータの一例である。履歴情報管理DB404に格納されるデータは、前述の通り、番組の識別子(図14の例では番組タイトル)、操作時間(開始時間および終了時間)、および操作内容の項目を含んでいる。
【0165】
図14に示すとおり、履歴情報管理DB404に格納されている履歴情報は、6件あり、番組タイトルはそれぞれ「バラエティ・デイリー・早朝」、「バラエティ・デイリー・朝」、「バラエティ・木曜・生活」、「バラエティ・木曜・トーク」、「バラエティ・木曜・占い」、「映画・SF・宇宙」である。
【0166】
「バラエティ・デイリー・早朝」の履歴情報の操作時間は、「2007/7/17 6:50」から「2007/7/17 7:42」までの期間である。以降順に、「バラエティ・デイリー・朝」は、「2007/7/18 8:05」から「2007/7/18 8:32」まで、「バラエティ・木曜・生活」は、「2007/7/19 19:05」から「2007/7/19 19:58」まで、「バラエティ・木曜・トーク」は、「2007/7/19 19:58」から「2007/7/19 20:54」まで、「バラエティ・木曜・占い」は、「2007/7/19 21:03」から「2007/7/19 21:53」まで、「映画・SF・宇宙」は、「2007/7/20 0:50」から「2007/7/20 2:30」まで、という操作時間が設定されている。
【0167】
また、操作内容としては、各々の履歴情報において、番組が放送されるスケジュールにおいてリアルタイムで番組を視聴する操作が行われたことを示す「ライブ視聴」が設定されている。
【0168】
なお、「映画・SF・宇宙」の番組情報は、番組のジャンルが「映画」であり、番組の内容として「SF」というキーワードを含むものとする。
【0169】
上記履歴情報を履歴情報管理DB404が保持している場合、番組情報取得部302は、上記履歴情報を読み出すとともに、番組情報管理DB402から対応する番組情報を取得する。そして、嗜好度取得部304は、上記6件の履歴情報を順番に読み出して、該履歴情報に関する番組のジャンルを読み出す。ここで、6件目の「映画・SF・宇宙」の履歴情報から、該履歴情報に対応する番組情報についてジャンルは「映画」であることを認識し、さらにキーワードとして「SF」を検出する。その結果、嗜好度取得部304は、ジャンルが「映画」に属する番組について、キーワード「SF」について出現頻度を更新する。この例では、キーワード「SF」が検出された履歴情報が1件ある、すなわちキーワード「SF」にマッチした番組情報が1回視聴されているので、嗜好度取得部304は、出現頻度を1増加させる。
【0170】
こうして、すべての履歴情報を処理すると、嗜好度取得部304は、放送回数を更新する。ここでは、番組情報取得部302が取得した番組情報から、ジャンル「映画」においてキーワード「SF」を検出した番組情報は6件あったものとする。いいかえれば、キーワード「SF」にマッチし、しかも、ジャンルが「映画」に属する番組が、6回放送されたということである。この場合、嗜好度取得部304は、放送回数を6増加させる。
【0171】
ここで、ユーザプロファイルDB406のユーザの嗜好性に関する情報の更新について図15を用いて説明する。図15の(a)は、上記ユーザ嗜好学習処理を行った場合における、ユーザプロファイルDB406の更新前の状態を示しており、一方図15の(b)はその更新後の状態を示している。図15の(a)に示すとおり、ユーザプロファイルDB406は、ジャンルが「映画」、「スポーツ」である嗜好性情報を含んでいる。それぞれにおいてさらに詳しく見ていくと、ジャンルが「映画」である嗜好性情報は、「キーワード」が「女優」である嗜好性情報と、「SF」である嗜好性情報とにさらに分かれている。このほか、ジャンルが「映画」である嗜好性情報は、いくつもの「キーワード」に関する情報を保持できるが、説明は省略する。
【0172】
また、ジャンルが「映画」であって、「キーワード」が「女優」である嗜好性情報については、「出現頻度」および「放送回数」に、それぞれ、「5」および「10」という値が保持されている。また、その「嗜好度」は「50」である。
【0173】
本実施の形態において、嗜好度は、「出現頻度」の「放送回数」に対する割合に基づいて算出されるものとする。このため、「5」を「10」で割った値「0.5」から、この値に100を乗算し、嗜好度「50」を得る。
【0174】
同様に、ジャンルが「映画」であって、キーワードが「SF」である嗜好性情報については、「出現頻度」、「放送回数」および「嗜好度」は、「4」、「9」および「44」の値が保持されている。
【0175】
ここで、先ほどの結果である、ジャンル「映画」のキーワード「SF」の放送回数が6回であり、履歴情報から検出したキーワードの回数は1回であるという統計情報に基づいて、図15の(a)に示すユーザプロファイルDB406を更新すると、出現頻度が1増加し、放送回数が6増加して、図15の(b)に示す状態となる。すなわち、ジャンルが「映画」であって、キーワードが「SF」である嗜好性情報が更新され、「出現頻度」は、4に1を加えた値である「5」、「放送回数」は、9に6を加えた値である「15」、および「嗜好度」は、5を15で割った値である、「0.33・・・」に100を乗算し、小数点以下を四捨五入した値である「33」に更新される。
【0176】
なお、上述した実施形態では、放送回数に対する出現回数の割合によって嗜好度を算出する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、出現頻度のみ、あるいは、出現頻度と時間との割合など、他の算出方法で嗜好度を算出してもよい。
【0177】
ただし、上述した実施形態では、嗜好度を算出する際に、全番組の番組情報にキーワードが含まれる頻度に応じて変化する情報である放送回数などを用いるので、全番組の番組情報にキーワードが含まれる頻度に応じて、嗜好度情報を変更できる。したがって、例えば、頻度の高いキーワードは、一般的なキーワードとして、嗜好度を低く推定するなど、頻度に応じた推定が可能になり、嗜好度を推定する際の精度を向上できる。
【0178】
また、上述した実施形態では、嗜好度を算出する際に、操作された番組の番組情報にキーワードが含まれる頻度に応じて変化する情報である出現回数などを用いているので、操作された番組の番組情報にキーワードが含まれる頻度に応じて、嗜好度情報を変更できる。したがって、例えば、操作対象の番組の番組情報により頻繁に出現するキーワードの嗜好度をより高く推定するなど、操作の回数に応じた推定が可能になり、嗜好度を推定する際の精度を向上できる。
【0179】
(録画番組抽出処理)
次に、上記構成において、番組データの自動録画予約のための、録画予約すべき番組の自動抽出処理について、図16を参照して説明すると以下の通りである。同図は嗜好性分析部300がユーザの嗜好度の分析結果に基づいて録画予約すべき番組を自動抽出する処理手順を説明した動作フローである。
【0180】
まず、番組抽出部306は、番組情報管理DB402を参照することで番組情報を読み出す(S400)。そして、番組抽出部308は、ユーザプロファイルDB406から、嗜好度の項目に所定の閾値以上の値を保持している嗜好性情報を抽出しキーワードを特定する(S402)。
【0181】
S402にて読み出されたキーワードがなくなるまでの間(S404においてNOの間)、S402からS406までの処理を繰り返し、逐次、番組情報の「番組のタイトル」や「番組の内容」に記載されている番組の内容を説明する文章からキーワードを検索する(S406)。ここで、キーワードが検出された番組情報については、自動録画予約の対象の候補となる。
【0182】
一方、読み出されたキーワード全てについて、処理が完了すると(S404においてYES)、自動録画予約の対象の番組が決定される(S410)。
【0183】
なお、S410において録画対象となる番組の数を制限しておくことも可能である。そして、S410の前に、番組を並べ替える処理を行っても良い。すなわち、検索したキーワードに対応する嗜好度によって、番組を並べ替え、嗜好度の高いキーワードによって検出された番組を優先的に自動録画予約の対象として選択してもよい。
【0184】
次に、嗜好度取得部304が番組データごとの嗜好度を取得する方法について説明する。
【0185】
嗜好度取得部304は、各番組データについて、その番組データの番組情報に含まれるキーワードの嗜好度の総計を求め、求めた総計をその番組データの嗜好度とする。例えば、ある番組データの番組情報が「SF」というキーワードを含み、図15(a)に示すように「SF」というキーワードの嗜好度が44であったとすれば、その番組データの嗜好度は、44となる。また、他の番組データの番組情報が「女優」というキーワードと「SF」というキーワードとを含み、図15(a)に示すように「女優」というキーワードの嗜好度が50、「SF」というキーワードの嗜好度が44であったとすれば、その番組データの嗜好度は、50+44=94となる。
【0186】
上記のようにして算出された番組データの嗜好度は、内部記録部130に記録してもよい。また、録画番組抽出処理を実行するたび、各番組データの嗜好度を算出し、常に最新のユーザプロファイルを反映するようにしてもよい。
【0187】
以上のように、上記録画番組抽出処理によって抽出された番組に基づいて、録画サービス要求部214は、録画サーバ装置30に録画サービス要求をする。録画サーバ装置30では、録画サービス処理部39が、上記要求に応じて、指定された番組の録画を行うよう録画部34に指示する。本実施の形態においては、以上のようにして番組の自動録画を実現している。
【0188】
また、以上のようにして、嗜好性分析部300は、各番組データの嗜好度を算出し、キャッシュ対象選択部206が、嗜好度の高い順に基づいて、録画サーバ装置30からダウンロードする番組データを選択できるような情報を提供する。また、削除対象選択部204が、嗜好度の低い順に基づいて、削除すべき番組データを選択できるような情報を提供する。
【0189】
本発明の実施の形態に係る別の変形例を以下に開示する。すなわち、再生済み番組データを削除することで、メモリカード134に所定以上の空き領域の容量が確保できた場合、録画サーバ装置30の外部記録部36に録画されている番組データの中から再生する可能性が高い番組を選択し直し、メモリカード134にまだキャッシュされていない番組データが存在する場合、そのデータをメモリカード134にダウンロードするようにすることが可能である。
【0190】
このとき、録画サーバ装置30の外部記録部36の番組データを選択する基準としては、嗜好度が高い順や、録画日時が最も新しい順などが挙げられる。上記のような選択基準によって選択された番組データは、ユーザが再生する可能性が高いと考えられるので、ユーザの要求に迅速に対応できるようになることが期待される。
【0191】
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0192】
なお、上述した実施の形態では、コンテンツデータ再生装置が携帯通信端末装置20であった場合について説明した、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、これに限られるものではなく、例えばノートパソコンなどであってもよく、据え置き型の通信端末装置、例えば、記録再生機能を持つ据え置き型のテレビ受像機などであってもよい。
【0193】
また、本発明に係るコンテンツデータ再生装置が備える内部記録部は、例えば、自装置の備えるハードディスク装置や、半導体メモリ、着脱可能な書き込み可能記録媒体、などが挙げられる。また、着脱可能な書き込み可能な補助記憶装置としては、例示的には、フラッシュメモリが挙げられるが、USB接続端子等の外部接続端子を介して接続可能なハードディスクを始めとする外部記憶装置等であってもよい。
【0194】
また、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、ネットワークにアクセスすることが可能である。上記ネットワークには、例えば、携帯電話通信、無線LANを始めとする無線通信等によって接続することを想定している。なお、イーサネット(登録商標)を始めとする有線の接続形態をとるネットワークであってもよい。そして、上記ネットワークは、携帯電話網であってもよく、インターネットであってもよく、および、それらの複合的なネットワークを含んでいてもよい。
【0195】
また、コンテンツデータ再生装置は、携帯できるような装置として実現されてもよい。この場合、無線LANによってネットワークに接続する形態が考えられる。さらに、コンテンツデータ再生装置は、携帯電話機として実現されていてもよい。この場合は、携帯電話網を介してネットワークに接続する形態が想定される。上記の場合においても、効率よくコンテンツデータをキャッシュするので、コンテンツデータをダウンロードしなければならない頻度が軽減され、効率よく動画を再生することができる。また、上記のようにあらかじめユーザが再生する可能性の高いコンテンツデータを、ネットワークに接続可能なときにキャッシュしておくので、再生するコンテンツデータがキャッシュに存在する場合には、ネットワークに接続可能することなく迅速にコンテンツデータを再生することができる。また、ネットワークに接続可能な場所に移動する手間も省ける。
【0196】
そして、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、内部記録部から記録されているコンテンツデータを再生する。一般的には、データ通信速度は、上記内部記録部のほうが、ネットワーク接続よりも高速である。そのため、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、内部記録部からコンテンツデータを再生する方式を採用することが望ましい。
【0197】
また、上記コンテンツデータ再生装置の再生するコンテンツには、文字データ、音声データ、静止画像データ、動画データ、および、その他のバイナリデータからなるデジタルコンテンツが含まれる。この中でも、例えば、動画データは種々の動画・音声形式をとることが可能である。例えば、映像がITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication)で規格化されたH.264で符号化され、音声がMPEG(Moving Picture Expert Group)で規格化されたMPEG−2AAC(MPEG Phase 2 Advanced Audio Coding)で符号化され、それら映像音声符号化データがMPEG−2TS(MPEG Phase 2 Transport Stream)フォーマットで多重化された符号化データであってもよい。
【0198】
また、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、外部記録部に記録されているコンテンツデータを、内部記録部に転送する(以下、この動作をダウンロードと称する。)ことが可能である。しかし、前述のように、再生するコンテンツデータは、あらかじめ内部記録部に存在することが望ましい。なぜならば、コンテンツデータをダウンロードして再生する場合、ダウンロード完了までの間、待たなければならないため効率がよくないからである。
【0199】
これに対して、本発明に係るコンテンツデータ再生装置は、上記のとおり、ユーザがダウンロードして再生することになる可能性が高いコンテンツデータを、あらかじめキャッシュ対象として選択する。このため、上記キャッシュ対象をあらかじめダウンロードしておけば、ユーザがコンテンツデータを再生するとき、内部記録部に記録されているコンテンツデータを迅速に再生することができるという効果を奏する。
【0200】
また、上述した実施形態では、コンテンツデータ再生装置を構成する各部材が、「CPUなどの演算手段がROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することで実現される機能ブロックである」場合を例にして説明した。したがって、上述した実施形態に係るコンテンツデータ再生装置20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。
【0201】
しかしながら、コンテンツデータ再生装置は、上述した各部材と同様の処理を行うハードウェアで実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせてもコンテンツデータ再生装置を実現することができる。さらに、上記各部材のうち、ハードウェアとして説明した部材であっても、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することができる。なお、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムコードを実行してもよい。
【0202】
上記演算手段によって直接実行可能なプログラムコード自体、または、後述する解凍などの処理によってプログラムコードを生成可能なデータとしてのプログラムは、当該プログラム(プログラムコードまたは上記データ)を記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムを、有線または無線の通信路を介して伝送するための通信手段で送信したりして、携帯電話機等のコンテンツデータ再生装置に配付され、上記演算手段が記録媒体に格納されたプログラムまたは受信したプログラムを実行することによって、コンテンツデータ再生装置が実現される。
【0203】
通信路を介して伝送する場合、通信路を構成する各伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。この場合、プログラムは、上記伝送媒体または通信経路を構成する装置において、流動的に坦持される。また、信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。すなわち、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって信号列が復元される。一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割して伝送してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送してもよい。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、個々の信号列を抽出して復元する。いずれの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果が得られる。
【0204】
なお、コンピュータがモデム等を備えて通信ネットワークと接続できる場合、コンピュータが上記通信ネットワークから上記プログラムをダウンロードしてもよい。すなわち、コンテンツデータ再生装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムを通信ネットワークを介してコンテンツデータ再生装置に供給してもよい。上記通信ネットワークから上記プログラムをダウンロードするためのダウンロードプログラムは、あらかじめ本体装置に格納されていてもよいし、あるいは、別の記録媒体からインストールされてもよい。上記通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0205】
ここで、プログラムを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROM、CD−Rや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(デジタル多用途ディスク)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、IC(集積回路)カードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM(紫外線消去型ROM)、EEPROM(電気的消去型ROM)またはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。あるいは、CPUなどの演算手段内に形成されたメモリであってもよい。また、上記記録媒体には、上記プログラムだけではなく、当該プログラムによってアクセスされるデータや他の任意のデータを記憶していてもよい。
【0206】
なお、上記プログラムコードは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
【0207】
また、上記記録媒体にプログラムを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。また、プログラムは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮された情報の解凍、符号化された情報の復号、インタプリト、コンパイル、リンク、または、実メモリへの配置などの処理、あるいは、各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
【0208】
一例として、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどの演算手段が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって、上述した実施の形態の各機能を実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明は、コンテンツデータ再生装置が、コンテンツデータサーバからコンテンツをダウンロードしキャッシュ処理を行うような、コンテンツデータ再生システムに広く適用が可能である。特に、コンテンツデータ再生システムとして、放送受信記録再生システムに適用がされるとき、ユーザが好きな時に好きな場所で録画された番組を視聴できるコンテンツデータ再生装置を実現でき、携帯電話機を始めとする種々の装置を対象としたシステムに広く好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生システムの利用形態を概念的に示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生装置の一例である携帯端末装置の外観を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生装置の一例である携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータサーバ装置の一例である録画サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態を示すものであり、番組キャッシュ処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生システムの各記録部における番組データの記録状態を示す図である。(a)は録画サーバ装置の外部記録部の状態であり、(b)はメモリカードの状態を示している。
【図8】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生システムの記録部における番組データの記録状態を示す図である。(a)は録画サーバ装置の外部記録部の状態であり、(b)はメモリカードの状態を示している。
【図9】本発明の実施の形態を示すものであり、番組再生処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態を示すものであり、番組データのデータ一覧の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る放送受信記録再生システムの記録領域における番組データの記録状態を示す図である。(a)は録画サーバ装置の外部記録部の状態であり、(b)はメモリカードの状態を示している。
【図12】本発明の実施の形態に係るコンテンツデータ再生装置の一例である携帯通信端末の制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態を示すものであり、ユーザ嗜好学習処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る履歴情報管理データベースに格納されている再生履歴の状態を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るユーザプロファイルデータベースに格納されている嗜好性情報の状態を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態を示すものであり、録画番組抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0211】
1 放送受信記録再生システム(コンテンツデータ再生システム)
5 インターネット(通信ネットワーク)
20 携帯通信端末装置(コンテンツデータ再生装置)
30 録画サーバ装置(コンテンツデータサーバ装置)
36 外部記録部
130 内部記録部
206 キャッシュ対象選択部(キャッシュ対象選択手段)
204 削除対象選択部(削除対象選択手段)
212 番組データ転送サービス要求部(記録手段)
220 ファイル入出力部(記録手段、削除手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを記録するための内部記録部を備え、該内部記録部に記録したコンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置において、
通信ネットワークを介して接続された外部記録部に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択手段と、
上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択手段と、
上記削除対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記内部記録部から削除する削除手段と、
上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを上記外部記録部から取得して、上記削除手段によってコンテンツデータが削除された上記内部記録部に記録する記録手段とを備えることを特徴とするコンテンツデータ再生装置。
【請求項2】
上記削除対象選択手段は、上記内部記録部に記録されているコンテンツデータのうち、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータを除いたものを選択することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項3】
上記記録手段は、上記キャッシュ対象選択手段が選択したコンテンツデータのうち、上記内部記録部に記録されているコンテンツデータを除いたものを上記外部記録部から取得して、上記内部記録部に記録することを特徴とする請求項2に記載のコンンテンツデータ再生装置。
【請求項4】
上記外部記録部に記録されているコンテンツデータに関するメタ情報をユーザの嗜好に基づいて分析し、上記外部記録部に記録されているコンテンツデータに対して、上記キャッシュ対象選択手段がコンテンツデータを選択する際の優先度を付与する嗜好性分析手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項5】
上記外部記録部に記録されているコンテンツデータの一覧を作成し、当該一覧中のコンテンツデータのうちで上記内部記録部に記録されているものに、その旨を示す識別情報を付与するデータ一覧作成手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテンツデータ再生装置と、上記外部記録部を備えるコンテンツデータサーバ装置とを含むコンテンツデータ再生システムにおいて、
上記コンテンツデータサーバ装置は、上記コンテンツデータ再生装置からの要求に応じて、上記外部記録部に記録したコンテンツデータを上記コンテンツデータ再生装置へ送信することを特徴とするコンテンツデータ再生システム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンテンツデータ再生システムを構成するコンテンツデータサーバ装置において、
テレビジョン放送信号によって伝播される番組の情報である番組データを受信し、上記コンテンツデータとして外部記録部に記録するためテレビジョン受信録画手段を備えることを特徴とするコンテンツデータサーバ装置。
【請求項8】
コンテンツデータを記録するための内部記録部を備え、該内部記録部に記録したコンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置の制御方法において、
通信ネットワークを介して接続された外部記録部に記録されているコンテンツデータを、所定の基準に基づき選択するキャッシュ対象選択ステップと、
上記キャッシュ対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記内部記録部に記録可能な空き容量を確保するために、内部記録部に記録されているコンテンツデータから削除するべきものを選択する削除対象選択ステップと、
上記削除対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記内部記録部から削除する削除ステップと、
上記キャッシュ対象選択ステップにて選択したコンテンツデータを上記外部記録部から取得して、上記削除ステップにてコンテンツデータが削除された上記内部記録部に記録する記録ステップとを含むことを特徴とするコンテンツデータ再生装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のコンテンツデータ再生装置を動作させるコンテンツデータ再生装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのコンテンツデータ再生装置制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンテンツデータ再生装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−130645(P2009−130645A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303751(P2007−303751)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】