説明

コンテンツ利用システム

【課題】従来の技術では、ユーザ情報と関連付けてパスワードの登録設定をする必要などがあり、ユーザの手間がかかる、という課題がある。また、ユーザ名やパスワードはそれ自体が個人情報の一つであるため、ユーザはそれら情報の管理に腐心する必要があり、やはりユーザの手間がかかる、という課題もある。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、ユーザが有する再生キーの束をユーザ認証用の情報として利用し、例えばコンテンツA,B,C,Dの再生キーの束であればユーザαと認証し、コンテンツA,C,Eの再生キーの束であればユーザβと認証する、といった機能を備えるコンテンツ利用システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを利用する際のユーザ認証を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばインターネットなどを介して配信される動画の視聴サービスが提供されている。しかし、このような動画の視聴サービスにおいて問題となるのが、著作権を侵害する形での動画データのユーザ利用である。そこで、動画の配信サービスサーバへのログイン時に、ユーザ名とパスワード、あるいはそれらと紐付けられたクッキー(Cookie)データなどを取得することでユーザ認証を行う構成がとられている。
【0003】
また、ネットショッピングなどでコンテンツを含む商品を購入する際にも、不正な利用を防ぐために、上記同様にユーザ名とパスワード、あるいはクッキーデータなどを利用してユーザ認証が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−240344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の技術では、ユーザ情報と関連付けてパスワードの登録設定をする必要などがあり、ユーザの手間がかかる、という課題がある。また、ユーザ名やパスワードはそれ自体が個人情報の一つであるため、ユーザはそれら情報の管理に腐心する必要があり、やはりユーザの手間がかかる、という課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明は以下のようなコンテンツ利用システムを提供する。すなわち、著作権が行使されるコンテンツやネットショッピングで購入の対象となる商品(コンテンツ)は例えば暗号化などされており、再生に際しては復号キーなどの再生用の情報(再生キー)が必要となる。つまりユーザは、コンテンツの再生キーを、コンテンツに合せて保持することになる。
【0007】
そこで、本発明では、ユーザが有する再生キーの束をユーザ認証用の情報として利用し、例えばコンテンツA,B,C,Dの再生キーの束であればユーザαと認証し、コンテンツA,C,Eの再生キーの束であればユーザβと認証する、といった機能を備えるコンテンツ利用システムを提供する。
【0008】
具体的には、コンテンツサーバ装置と、コンテンツサーバ装置から配信されるコンテンツを利用者が再生などして利用するテレビと、テレビにて利用されるユーザ認証をするための認証装置とを含むコンテンツ利用システムであって、前記認証装置は、コンテンツを再生するために用いる再生キー情報を複数コンテンツ分取得する再生キー情報取得部と、取得した複数の再生キー情報を利用して所定のルールで演算を行うことで前記ユーザ認証をするための認証要求情報を算出する認証要求情報算出部と、前記所定のルールを保持するルール保持部と、認証要求情報が正しく認証できる情報か、正しく認証できない情報か判断するための判断情報を保持する判断情報保持部と、保持されている判断情報と、算出された認証要求情報とによりユーザ認証結果を演算する認証部と、を有するコンテンツ利用システムを提供する。
【0009】
このようにして、ユーザ名やパスワードなどを作成、管理しなくとも、複数の再生キー情報を利用してユーザ認証を行うことができる。もちろんパスワードなども合せて利用することで、パスワードの管理の手間がかかる代わりにユーザ認証の精度を上げるよう構成しても良い。
【0010】
また本発明では、さらに上記構成において、前記テレビに代えてHDD記録再生装置、コンテンツ再生可能なパソコン、セットトップボックスのいずれか一または二以上の組み合わせとしたコンテンツ利用システムや、前記コンテンツを再生するために用いる再生キー情報は、暗号化されているコンテンツを再生するために用いられる復号キーを含む再生キー情報であるコンテンツ利用システムなども提供する。
【0011】
また、上記構成に加えて、前記テレビが、暗号化されたコンテンツを復号化する復号化部と、復号化されたコンテンツをAV出力するためのAV出力部と、を有し、復号化部が、再生を希望する暗号されたコンテンツに対応した再生キー情報を利用して復号化処理を実行する再生キー処理手段を有し、AV出力部は、前記復号化部にて復号化された再生を希望するコンテンツを再生するに際して正しく認証されたユーザ認証結果を利用して再生処理を実行するユーザ認証結果処理手段を有するコンテンツ利用システムを提供する。
【0012】
また上記構成に加えて、コンテンツサーバ装置が、特定のテレビに対して配信したコンテンツに応じて、そのテレビからのユーザ認証をするための判断情報を演算し、前記判断情報保持部に記録するための処理をする判断情報演算部を有するコンテンツ利用システムを提供する。
【0013】
また上記構成に加えて、コンテンツサーバ装置が、特定のテレビに対して配信するコンテンツに応じて、そのコンテンツの再生に利用する再生キー情報をテレビに対して出力する再生キー情報出力部を有し、テレビが、コンテンツサーバ装置から受け取った再生キー情報を複数保持する再生キー情報保持部と、保持されている複数の再生キー情報を認証装置に対して出力する再生キー情報出力部と、を有するコンテンツ利用システムも提供する。
【発明の効果】
【0014】
以上のような構成をとる本発明によって、ユーザが有するコンテンツの再生キーの束を利用してコンテンツ利用のためのユーザ認証を行うことができる。したがって、ユーザはユーザ名やパスワードなどを作成、管理しなくとも自身の認証を行い、コンテンツを利用することができる。
【0015】
また、ユーザ認証をユーザ名やパスワードなどの個人情報を利用せずに行うことができる。また、そのような個人情報漏洩に関する不安を持つユーザに対してサービス利用を促す効果も期待できる。もちろん、パスワードなども合せて利用することで、パスワードの管理の手間がかかる代わりにユーザ認証の精度を上げるよう構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のコンテンツ利用システムにおけるユーザ認証の一例を説明するための概念図
【図2】実施例1のコンテンツ利用システムにおける機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1のコンテンツ利用システムにおける複数の再生キー情報の一例を説明するための概念図
【図4】実施例1のコンテンツ利用システムにおける判断情報の一例を説明するための概念図
【図5】実施例1のコンテンツ利用システムにおけるハードウェア構成の一例を表す図
【図6】実施例1のコンテンツ利用システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【図7】実施例2のコンテンツ利用システムにおける機能ブロックの一例を表す図
【図8】実施例2のコンテンツ利用システムにおけるハードウェア構成の一例を表す図
【図9】実施例2のコンテンツ利用システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【図10】実施例3のコンテンツ利用システムにおける機能ブロックの一例を表す図
【図11】実施例3のコンテンツ利用システムにおけるハードウェア構成の一例を表す図
【図12】実施例3のコンテンツ利用システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1,2,3について説明する。また、実施例2は、主に請求項4、6について説明する。また、実施例3は、主に請求項5、6について説明する。
【0018】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例のコンテンツ利用システムにおけるユーザ認証の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、例えばユーザαは暗号化コンテンツA,B,C,Dの再生キーを関連付けた情報を自身の利用するテレビ内に備えている。また別のユーザβは暗号化コンテンツA,C,Eの再生キーを関連付けた情報を自身の利用するテレビ内に備えている。
【0019】
そして、ユーザαがコンテンツAの再生キーを利用して暗号化コンテンツAの再生を行おうとした場合、自身の認証を行うために例えば認証サーバなどに対してコンテンツA,B,C,Dの再生キーの束の情報を送信する。一方、ユーザβが暗号化コンテンツAの再生を行おうとした場合、認証サーバなどに対してコンテンツA,C,Eの再生キーの束の情報を送信する。
【0020】
そして認証サーバでは、再生端末に対して配信したコンテンツの組み合わせ情報を予め保持しておくことで、その再生キーの束(組み合わせ)の違いから各ユーザを認証することができる。そして、その旨の返信情報を認証サーバ装置などから受信したユーザαおよびユーザβでは、それぞれコンテンツAの再生キーを利用したコンテンツAの再生が実行される。
【0021】
一方で、例えばユーザαから勝手にコンテンツA,Bとその再生キーのみをコピーしてもらったユーザγは、たとえ暗号化コンテンツA,Bの再生キーの束を認証サーバに送信したとしても、認証サーバではその組み合わせ情報を保持していないため正規のユーザではないとの認証結果を返すことになる。したがって、ユーザγのテレビでは、たとえ暗号化コンテンツAの再生キーを保持していても、コンテンツAを再生利用することができない、という具合である。
【0022】
このように、本実施例のコンテンツ利用システムでは、ユーザ名やパスワードなどを利用せずに、ユーザの認証を行い、適正なコンテンツ再生を行うことができる。
【0023】
<機能的構成>
図2は、本実施例のコンテンツ利用システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例のコンテンツ利用システムは、「コンテンツサーバ装置」(0200)と、「テレビ」(0210)と、「認証装置」(0220)と、を含む。なお「テレビ」とは、コンテンツサーバ装置から配信されるコンテンツを利用者が再生などして利用するための装置を言うが、同様の装置として、テレビに代えてHDD記録再生装置、コンテンツ再生可能なパソコン、セットトップボックスのいずれか一または二以上の組み合わせとしても良い。
【0024】
また、これら各装置は物理的に別の装置に組み込まれて、ネットワークなどを介して相互に情報を通信し処理を行うよう構成しても良いし、2または全ての組み合わせが物理的に一つの装置に組み込まれて内部的に連動し処理を行うよう構成しても良い。
【0025】
あるいは、後述する認証装置の各構成要件が、コンテンツサーバ装置やテレビに組み込まれる構成としても良い。具体的には、例えば「再生キー情報取得部」と「認証要求情報算出部」と「ルール保持部」がテレビに備えられ、「判断情報保持部」と「認証部」がコンテンツサーバ装置に備えられる、という具合である。
【0026】
また、以下に記載する本システムを構成する各装置の機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。
【0027】
あるいは本システムの機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。
【0028】
また、この発明はシステムおよび装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0029】
そして、図2に示すように、本実施例のコンテンツ利用システムは、その「認証装置」(0220)が、「再生キー情報取得部」(0221)と、「認証要求情報算出部」(0222)と、「ルール保持部」(0223)と、「判断情報保持部」(0224)と、「認証部」(0225)と、を有する。
【0030】
「再生キー情報取得部」(0221)は、再生キー情報を複数コンテンツ分取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、再生キー取得プログラムなどで実現することができる。また、「再生キー情報」とは、コンテンツを再生するために用いる情報をいい、例えば、暗号化されているコンテンツを再生するために用いられる復号キーや、コンテンツを取得するためのURLなどが挙げられる。あるいは、取得される再生キー情報は、再生キーそのものではなく、再生キーの識別情報などであっても良い。そして、本実施例のコンテンツ利用システムでは、この再生キーを利用した再生制限によるデータ保護に加えて、さらに下記のようなユーザ認証を行うことでコンテンツの不正利用を防ぐことを目的としている。
【0031】
具体的に、テレビ内にてコンテンツとその再生キーとが保持されていたとしても、それらは別のユーザから勝手にコピーされたものである可能性がある。そこで本実施例のコンテンツ利用システムでは、正規のユーザであることを認証するために、この再生キー取得部において再生キー情報を一のテレビから複数コンテンツ分取得することを特徴とする。つまり、テレビ(あるいはそれに代わるHDD記録再生装置、コンテンツ再生可能なパソコン、セットトップボックス)には、過去にコンテンツサーバ装置から配信されたコンテンツおよびその再生キー情報が保持されている。そしてコンテンツの数が例えば1000以上など所定数以上あり、その中から偏りなく無作為に2以上(2以上であればその数は問わない)選択するのであれば、テレビA、B、・・・・Xのそれぞれが保持する再生キー情報の組合せが一致する確率は極めて低い。したがって、この再生キー情報取得部で、あるテレビにて保持されている複数コンテンツ分の再生キー情報を取得し、コンテンツサーバ装置の配信履歴(テレビごとの配信履歴)などと比較することで、正規に配信されたコンテンツを保持しているユーザであるのかを認証することができる、という具合である。
【0032】
また、この再生キー情報は、テレビから直接送信されたものでなくても構わない。例えば携帯電話などの携帯端末に再生キー情報が複数コンテンツ分保持されていて、そこから送信された再生キー情報を取得する構成としても良い。
【0033】
具体的に、例えばある雑誌に二次元コードが印刷されており、それを携帯端末のカメラなどを介して読取ることで再生キー情報であるコンテンツのURLが携帯端末に保持される。その後所望のコンテンツを再生する際には、そのURLへのコンテンツリクエストとともに今まで読取った全て(あるいは所定の一部)のURLの組合せを認証装置に送信する。そして、それがこの「再生キー情報取得部」に取得される、という具合である。
【0034】
図3は、この複数の再生キー情報の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、再生キー情報は、例えばコンテンツの復号化処理などに利用するための数字文字・記号列などで構成されている。そしてこれを利用して暗号化コンテンツを復号することで、平文で構成されるコンテンツデータを取得することができる。また各コンテンツの再生キー情報は、この図に示すように各コンテンツに応じて異なったキー情報となっており、その複数の再生キー情報を順列組合せなどに応じて、識別性を有する情報とすることができる。
【0035】
また、この図にある再生キー情報の中に、例えばユーザID(図中のα)などが含まれていても良い。その場合にも、本実施例のコンテンツ利用システムでは、それらをユーザIDとしてではなく、その数字文字・記号列の順列組合せによってユーザを識別しても良いし、あるいはそれらも合せて数字文字・記号列の順列組合せでユーザを識別しても良い。また、前述のように再生キー情報が再生キーの識別情報であった場合でも、その識別情報を示す数字文字・記号列の順列組合せで同様にユーザを識別することができる。
【0036】
「認証要求情報算出部」(0222)は、取得した複数の再生キー情報を利用して所定のルールで演算を行うことで前記ユーザ認証をするための認証要求情報を算出する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、認証要求情報算出プログラムなどによって実現することができる。また「所定のルール」とは、例えば再生キーで示される数字文字・記号列の全てをその再生キーの取得順で並べて組合せて一の数字文字・記号列とする処理ルールや、再生キーで示される数字文字・記号列の所定位置にある一部を、その再生キーの取得順で並べて組合せる処理ルールなどが挙げられる。あるいは、再生キーの識別番号の数字文字・記号列を、その再生キーの取得順で並べて組合せる処理ルールなども挙げられる。また、取得順で再生キー情報を組合せる場合、1,3,5番目の再生キー情報のみ組合せるなどとしても良い。
【0037】
「ルール保持部」(0223)は、前記所定のルールを保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、あるいは光学系の記録媒体とその読取装置などの各種記録装置によって実現することができる。なお、「所定のルール」については上記記載済みであるのでその説明は省略する。また、この所定のルールが、記録装置の耐タンパ領域内に保持されることで、機密性を高めるよう構成されても良い。
【0038】
「判断情報保持部」(0224)は、判断情報を保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、あるいは光学系の記録媒体とその読取装置などの各種記録装置によって実現することができる。また、「判断情報」とは、認証要求情報が正しく認証できる情報か、正しく認証できない情報か判断するための情報をいう。
【0039】
この判断情報については、具体的に以下のようにして生成する方法が挙げられる。例えば、コンテンツサーバ装置からテレビに対してコンテンツおよびコンテンツの再生キー情報を送信すると、テレビのMACアドレスなどの識別情報をキーとして一のテレビに対して送信した再生キー情報をその送信順に組合せ、それを判断情報として生成する、という具合である。また、認証要求情報が、前述のように1,3,5番目に取得された再生キー情報の組合せである場合、この判断情報も1,3,5番目に配信された再生キー情報のみを利用するよう構成すると良い。
【0040】
このようにして生成された判断情報を認証装置が保持することによって、テレビから送信された前述の複数の再生キー情報の組合せなどとの比較を行うことができる、という具合である。また、再生キー情報が期間限定で利用可能なものである場合、例えば図4に示すように、前述の組合せの中からその限定期間が来たものを消去して判断情報を更新するよう構成すると良い。
【0041】
「認証部」(0225)は、保持されている判断情報と、算出された認証要求情報とによりユーザ認証結果を演算する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、認証プログラムなどによって実現することができる。
【0042】
具体的には、保持されている判断情報である例えばあるテレビに配信された再生キー情報の組合せを示す数字文字・記号列と、算出された認証要求情報である認証要求を行うテレビが保持している再生キー情報の組合せを示す数字文字・記号列と、の比較処理をCPUの論理演算によって実行する。そして、両者が一致した場合に、確かに正規の配信によってコンテンツを取得したテレビからの認証要求であるとして、正しい認証要求である旨の認証結果を出力する、という具合である。
【0043】
また、認証結果として、最終的にコンテンツの再生に利用される再生キーが返信されるよう構成しても良い。この場合、取得される複数コンテンツ分の再生キー(すなわちテレビにて当初保持されている再生キー)はダミー又は正しい再生キーの一部のみとすると良い。そして、テレビでは認証結果として返信された再生キーを使って、あるいは当初保持していた再生キーと結合させてコンテンツを再生することができる、という具合である。また、その認証結果として返信された再生キーが、以降のユーザ認証にリサイクル利用されるよう構成しても良い。
【0044】
以上のように本実施例のコンテンツ利用システムによって、ユーザが有するコンテンツの再生キーの束を利用してコンテンツ利用のためのユーザ認証を行うことができる。したがって、ユーザはユーザ名やパスワードなどを作成、管理しなくとも自身の認証を行い、コンテンツを利用することができる。
【0045】
また、ユーザ認証をユーザ名やパスワードなどの個人情報を利用せずに行うことができる。また、そのような個人情報漏洩に関する不安を持つユーザに対してサービス利用を促す効果も期待できる。
【0046】
なお、上記実施例においては暗号化コンテンツを再生するためのコンテンツ利用システムについて説明したが、本実施例におけるコンテンツの利用はコンテンツの再生に限定されない。例えば、ネットショッピングなどでの商品(コンテンツ)の購入なども本実施例におけるコンテンツの利用に含む。その場合、コンテンツの再生キーは購入のための情報であり、その購入用の再生キー情報の束を利用して、コンテンツ購入の際のユーザ認証が実行される、という具合である。また、本実施例のコンテンツ利用システムにおいて、テレビで再生されるコンテンツは、その全てが認証装置で認証されるものである必要はない。認証装置では、テレビからのリクエストに応じて、ユーザ認証を行うよう構成すると良い。
【0047】
<ハードウェア構成>
図5は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、認証装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してユーザ認証処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0048】
この図にあるように、認証装置は、認証要求情報算出部及び認証部であり、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(0501)と、「主メモリ」(0502)と、を備えている。またルール保持部及び判断情報保持部である「HDD」(0503)や、再生キー取得部である「通信回路」(0504)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0049】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0050】
ここで、本実施例の認証装置は、コンテンツサーバ装置から以下のようにして判断情報を取得し保持する。すなわち、コンテンツサーバ装置では、テレビに対してコンテンツおよびコンテンツの再生キー情報を送信すると、テレビのMACアドレスなどの識別情報と合せてインターネット網などを介して認証装置に送信する。そして認証装置では、「通信回路」にて、その再生キー情報を受信すると、合せて受信した識別情報を検索クエリとして、「HDD」にすでに保持されている再生キー情報を検索する。そして同じ識別情報と関連付けられている再生キー情報がある場合、「CPU」の演算処理によって例えばその受信順にて再生キー情報が組合され、それが判断情報として「HDD」に記録される。
【0051】
その後、テレビにてそのコンテンツが利用される際に認証装置ではそのテレビから送信された複数の再生キー情報をインターネット網を介して「通信回路」にて受信する。すると、その複数の再生キー情報を「主メモリ」のアドレス1,2、・・・に格納する。つづいて「CPU」は、認証要求情報算出プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、例えば複数の再生キー情報を組合せるなどのルールにそって再生キー情報から認証要求情報を生成演算し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。
【0052】
そして、「CPU」は認証プログラムに従い、「HDD」に保持されている判断情報で示される文字列などと、「主メモリ」に格納されている認証要求情報で示される文字列などとが一致するか否かの判断するための論理演算処理を行う。そして一致するとの演算結果である場合、正規のユーザである旨を示すユーザ認証結果を生成し、「通信回路」からインターネット網を介して、テレビに対してその認証結果を出力する。
【0053】
そして、テレビでは、規のユーザである旨を示すユーザ認証結果を受信した場合にのみ、再生キー情報を利用してコンテンツの例えば復号化処理などを行い再生を行うことができる、という具合である。
【0054】
<処理の流れ>
図6は、本実施例のコンテンツ利用システムの認証装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0055】
この図にあるように、まず、認証装置では、例えばコンテンツサーバ装置から、当該コンテンツサーバ装置が配信したコンテンツの再生キー情報を、その送信先の識別情報と合せて取得し、それに基づいて判断情報を生成し記録装置(判断情報保持部)に記録する(ステップS0601)。
【0056】
その後、コンテンツを再生するために用いる再生キー情報を、テレビから複数コンテンツ分取得する(ステップS0602)と、取得した複数の再生キー情報を利用して所定のルールで演算を行い、認証要求情報を算出する(ステップS0603)。そして、判断情報保持部に保持されている判断情報と、算出された認証要求情報とによりユーザ認証結果を演算する(ステップS0604)。そして、そのユーザ認証結果がテレビに返信され、正規ユーザである旨のユーザ認証結果であれば、テレビでのコンテンツ利用が可能になる、という具合である。
【0057】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツ利用システムでは、ユーザが有するコンテンツの再生キーの束を利用してコンテンツ利用のためのユーザ認証を行うことができる。したがって、ユーザはユーザ名やパスワードなどを作成、管理しなくとも自身の認証を行い、コンテンツを利用することができる。
【0058】
また、ユーザ認証をユーザ名やパスワードなどの個人情報を利用せずに行うことができる。また、そのような個人情報漏洩に関する不安を持つユーザに対してサービス利用を促す効果も期待できる。なお、もちろん、パスワードなどと合せてユーザ認証を行えば、その管理の手間がかかる代わりに、認証精度を高めることができる、という効果を奏する。
【0059】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記コンテンツ利用システムにおけるテレビに特徴を有するものである。具体的には、テレビは、再生キー情報として復号キーを利用し、上記認証装置でのユーザ認証結果が「正規ユーザである」ことを示す場合にのみコンテンツの再生処理を実行することを特徴とする。
【0060】
<機能的構成>
図7は、本実施例のコンテンツ利用システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例のコンテンツ利用システムは、上記実施例を基本として、「コンテンツサーバ装置」(0700)と、「テレビ」(0710)と、「認証装置」(0720)と、を含む。なお認証装置に関しては、図示およびその説明は省略するが、上記実施例で記載したような「再生キー情報取得部」と、「認証要求情報算出部」と、「ルール保持部」と、「判断情報保持部」と、「認証部」と、を有する。
【0061】
そして、本実施例のコンテンツ利用システムは、図7に示すように、その「テレビ」(0710)が、「復号化部」(0711)と、「AV出力部」(0712)と、を有する。また、その復号化部が「再生キー処理手段」(0713)を有し、AV出力部が「ユーザ認証結果処理手段」(0714)を有することを特徴とする。
【0062】
「復号化部」(0711)は、暗号化されたコンテンツを復号化する機能を有し、例えばCSSやMULT12など所定のコンテンツ暗号化処理に対応する専用のデコーダや、CPUと主メモリ、および前記暗号化処理に対応する復号化プログラムなどで実現することができる。そして、この復号化部は、図に示すように「再生キー処理手段」(0713)を有することを特徴とする。
【0063】
「再生キー処理手段」(0713)は、再生を希望する暗号されたコンテンツに対応した再生キー情報を利用して復号化処理を実行する機能を有する。しかし、本実施例のテレビでは、コンテンツと、この再生キー処理手段で利用される復号化処理用の再生キー情報のみではコンテンツの利用ができないよう構成されていることを特徴とする。なぜならば、正規のユーザから再生キー情報ごとコンテンツをコピーなどして取得した不正ユーザである可能性があるからである。
【0064】
そこで、本実施例のテレビは、さらに以下の「AV出力部」および「ユーザ認証結果処理手段」によって正規のユーザと認証された場合にのみコンテンツの再生利用が可能になる、という具合である。
【0065】
「AV出力部」(0712)は、復号化されたコンテンツをAV出力するための機能を有し、例えばビデオプロセッサやVRAM、ディスプレイ、スピーカ、AV出力プログラムなどで実現することができる。そして、このAV出力部は、図に示すように「ユーザ認証結果処理手段」(0714)を有することを特徴とする。
【0066】
「ユーザ認証結果処理手段」(0714)は、前記復号化部にて復号化された再生を希望するコンテンツを再生するに際して正しく認証されたユーザ認証結果を利用して再生処理を実行する機能を有し、CPUや主メモリ、ユーザ認証結果処理プログラムなどによって実現できる。
【0067】
なお、このユーザ認証結果の取得については、以下の通りである。すなわち、コンテンツサーバ装置からコンテンツと合せて取得した再生キー情報を、すべてまとめて認証装置に送信する。すると、前述の実施例1で記載した処理によってユーザ認証結果が返信されてくる、という具合である。
【0068】
また、そのためにこのテレビは、さらに図示しない以下のような構成を有していてもよい。すなわちコンテンツサーバ装置から受け取った再生キー情報を複数保持する「再生キー情報保持部」と、保持されている複数の再生キー情報を認証装置に対して出力する「再生キー情報出力部」と、を有していてもよい。
【0069】
また、ユーザ認証結果処理手段と、再生キー処理手段の処理順はいずれが先であっても構わない。すなわち、再生キー処理手段によってコンテンツの復号化が行われた後でユーザ認証結果の問合せ、および返信されたユーザ認証結果にしたがった処理を行っても良いし、逆にユーザ認証結果の問合せ後、(正規ユーザである旨の認証結果であれば)再生キー処理手段による暗号化コンテンツの復号化処理が行われても良い。
【0070】
このようにして、本実施例のテレビはユーザ名やパスワードなどの個人情報を送信せずとも、コンテンツを正規に取得し利用可能なユーザか否かの認証を受けることをできる。
【0071】
<ハードウェア構成>
図8は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、テレビにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用してコンテンツの再生処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0072】
この図にあるように、テレビは、復号化部であり、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(0801)と、「主メモリ」(0802)と、を備えている。また、AV出力部である「AV出力回路」(0803)と「ディスプレイ(スピーカ含む)」(0804)や、「HDD」(0805)、「入力デバイス」(0806)、「通信回路」(0807)などを備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0073】
ここで、テレビは、コンテンツサーバ装置から複数の暗号化されたコンテンツ及びその再生キー情報を受信すると、それらを「HDD」に記録、蓄積していく。その後、「入力デバイス」をユーザが操作することで、「HDD」に蓄積されている複数の暗号化コンテンツの1つに対する再生命令を受信すると、「CPU」は認証結果処理プログラムを解釈する。そして、その解釈結果に従い、「HDD」に保持されている全て(あるいは上記実施例1で記載したように1,3,5番目のみなど一部)の再生キー情報を、「通信回路」からインターネット網を介して認証装置に送信する。
【0074】
そして上記実施例1で記載したような処理によって認証装置にて演算され返信されたユーザ認証結果を「通信回路」にて受信すると、テレビはそのユーザ認証結果を「主メモリ」のアドレス1に格納する。そして「CPU」は、認証結果処理プログラムの解釈結果にしたがって、ユーザ認証結果が正規ユーザである旨の結果か否かを判断する。そして、正規ユーザである旨を示すとの判断結果である場合には、「CPU」は復号化プログラムを解釈し、その解釈結果に従って再生キー情報を利用した暗号化コンテンツの復号処理を実行する。そして復号されたコンテンツを「AV出力回路」に転送し、「ディスプレイ」からコンテンツを出力させる、という具合である。
【0075】
<処理の流れ>
図9は、本実施例のコンテンツ利用システムのテレビにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0076】
この図にあるように、まず、テレビでは、例えばコンテンツサーバ装置からコンテンツおよびその再生キー情報を取得し、それを記録装置に記録する(ステップS0901)。
【0077】
その後、コンテンツの利用に際して、記録装置に記録された全てまたは一部の複数の再生キー情報を認証装置に対して送信する(ステップS0902)。そして、それに対する返信として受信したユーザ認証結果が、例えば正規ユーザである旨を示すものであれば(ステップS0903)、再生キー情報を利用したコンテンツの復号化を行い(ステップS0904)、復号化されたコンテンツをディスプレイなどに出力する(ステップS0905)。
【0078】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツ利用システムのテレビでは、ユーザ名やパスワードなどの個人情報を送信せずとも、コンテンツを正規に取得し利用可能なユーザか否かの認証を受けることをできる。
【0079】
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、上記コンテンツ利用システムにおけるコンテンツサーバ装置に特徴を有するものである。具体的には、コンテンツサーバ装置は、例えばMACアドレスなどでテレビを区別し、テレビごとに配信した再生キーをまとめて判断情報を生成することを特徴とする。
【0080】
<機能的構成>
図10は、本実施例のコンテンツ利用システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例のコンテンツ利用システムは、上記実施例を基本として、「コンテンツサーバ装置」(1000)と、「テレビ」(1010)と、「認証装置」(1020)と、を含む。なお認証装置に関しては、図示およびその説明は省略するが、上記実施例で記載したような「再生キー情報取得部」と、「認証要求情報算出部」と、「ルール保持部」と、「判断情報保持部」と、「認証部」と、を有する。またテレビも上記実施例で記載したように「復号化部」と、「AV出力部」と、「再生キー処理手段」と、「ユーザ認証結果処理手段」と、を有するが、これらの図示および説明は省略する。
【0081】
そして、本実施例のコンテンツ利用システムは、図10に示すように、その「コンテンツサーバ装置」(1000)が、「判断情報演算部」(1001)を有することを特徴とする。
【0082】
「判断情報演算部」(1001)は、特定のテレビに対して配信したコンテンツに応じて、そのテレビからのユーザ認証をするための判断情報を演算し、前記判断情報保持部に記録するための処理をする機能を有し、例えばCPUや主メモリ、判断情報演算プログラムなどによって実現できる。
【0083】
具体的には、例えば、本実施例のコンテンツサーバ装置に対して、テレビからコンテンツ配信リクエストが来た場合、そのテレビのMACアドレスなどの識別情報と関連付けて配信するコンテンツの再生キー情報を取得する。そして、そしてその識別情報を検索クエリとして過去の配信履歴を参照し、一のテレビに対して送信した再生キー情報を例えばその送信順に組合せ、それを判断情報として生成する、という具合である。また、認証要求情報を演算するためのルールに合せて、前述のように1,3,5番目に取得された再生キー情報の組合わせを判断情報として生成しても良い。また前述のように、組合せの中からその限定期間が来たものを消去して判断情報を更新するよう構成しても良い。
【0084】
また、そのためにこのコンテンツサーバ装置は、さらに図示しない以下のような構成を有していても良い。すなわち、特定のテレビに対して配信するコンテンツに応じて、そのコンテンツの再生に利用する再生キー情報をテレビに対して出力する「再生キー情報出力部」を有していても良い。
【0085】
このようにして、本実施例のコンテンツサーバ装置によって、認証装置で正しく認証するための判断情報を生成することができる。
【0086】
<ハードウェア構成>
図11は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、コンテンツサーバ装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して判断情報の生成処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0087】
この図にあるように、コンテンツサーバ装置は、判断情報演算部であり、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(1101)と、「主メモリ」(1102)と、を備えている。また、「HDD」(1103)、「通信回路」(1104)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0088】
ここで、コンテンツサーバ装置は、テレビからコンテンツの配信リクエストを「通信回路」にて受信すると、そのリクエストに応じてコンテンツ及びその再生キー情報をテレビに対して配信する。また、「CPU」は判断情報演算プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、例えばリクエストに含まれるテレビの識別情報をキーとして、「HDD」に保持されている過去のコンテンツ配信履歴を検索する。そして、検索にヒットしたコンテンツ配信履歴から、一のテレビに対して配信した複数のコンテンツの再生キー情報を特定し、それらを組合わせて生成した判断情報を「主メモリ」のアドレス1に格納する。そしてその判断情報を、「通信回路」を介して認証装置に適当なタイミングで送信(所定サイクルでの送信や認証装置からのリクエストに応じた返信など)する、という具合である。
【0089】
<処理の流れ>
図12は、本実施例のコンテンツ利用システムのコンテンツサーバ装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0090】
この図にあるように、まず、コンテンツサーバ装置では、例えばテレビからのリクエストに応じてコンテンツとその再生キー情報を配信する(ステップS1201)。またそれに合せて、特定のテレビに対して配信したコンテンツに応じて、そのテレビからのユーザ認証をするための判断情報を演算し(ステップS1202)、前記判断情報保持部に記録するため、例えば認証装置に送信するなどの処理をする(ステップS1203)。
【0091】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツサーバ装置によって、認証装置で正しく認証するための判断情報を生成することができる。
【符号の説明】
【0092】
0200 コンテンツサーバ装置
0210 テレビ
0220 認証装置
0221 再生キー情報取得部
0222 認証要求情報算出部
0223 ルール保持部
0224 判断情報保持部
0225 認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツサーバ装置と、コンテンツサーバ装置から配信されるコンテンツを利用者が再生などして利用するテレビと、テレビにて利用されるユーザ認証をするための認証装置とを含むコンテンツ利用システムであって、
前記認証装置は、
コンテンツを再生するために用いる再生キー情報を複数コンテンツ分取得する再生キー情報取得部と、
取得した複数の再生キー情報を利用して所定のルールで演算を行うことで前記ユーザ認証をするための認証要求情報を算出する認証要求情報算出部と、
前記所定のルールを保持するルール保持部と、
認証要求情報が正しく認証できる情報か、正しく認証できない情報か判断するための判断情報を保持する判断情報保持部と、
保持されている判断情報と、算出された認証要求情報とによりユーザ認証結果を演算する認証部と、
を有するコンテンツ利用システム。
【請求項2】
前記テレビに代えてHDD記録再生装置、コンテンツ再生可能なパソコン、セットトップボックスのいずれか一または二以上の組み合わせとした請求項1に記載のコンテンツ利用システム。
【請求項3】
前記コンテンツを再生するために用いる再生キー情報は、暗号化されているコンテンツを再生するために用いられる復号キーを含む再生キー情報である請求項1または2に記載のコンテンツ利用システム。
【請求項4】
前記テレビは、
暗号化されたコンテンツを復号化する復号化部と、
復号化されたコンテンツをAV出力するためのAV出力部と、を有し、
復号化部は、再生を希望する暗号されたコンテンツに対応した再生キー情報を利用して復号化処理を実行する再生キー処理手段を有し、
AV出力部は、前記復号化部にて復号化された再生を希望するコンテンツを再生するに際して正しく認証されたユーザ認証結果を利用して再生処理を実行するユーザ認証結果処理手段を有する
請求項3に記載のコンテンツ利用システム。
【請求項5】
コンテンツサーバ装置は、
特定のテレビに対して配信したコンテンツに応じて、そのテレビからのユーザ認証をするための判断情報を演算し、
前記判断情報保持部に記録するための処理をする判断情報演算部を有する
請求項1から4のいずれか一に記載のコンテンツ利用システム。
【請求項6】
コンテンツサーバ装置は、
特定のテレビに対して配信するコンテンツに応じて、そのコンテンツの再生に利用する再生キー情報をテレビに対して出力する再生キー情報出力部を有し、
テレビは、
コンテンツサーバ装置から受け取った再生キー情報を複数保持する再生キー情報保持部と、
保持されている複数の再生キー情報を認証装置に対して出力する再生キー情報出力部と、を有する
請求項1から5のいずれか一に記載のコンテンツ利用システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−138359(P2011−138359A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298494(P2009−298494)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(505344720)株式会社アイデンティファイ (7)
【Fターム(参考)】