説明

コンテンツ提供装置及び方法

【課題】 コンテンツの関連情報を簡易且つ迅速に確認可能なコンテンツ提供装置を提供する。
【解決手段】 コンテンツ提供装置100は、コンテンツの提供処理を行う制御ユニット10と、当該コンテンツの提供処理の際に、発話スイッチ20の押下に応じてマイク30によって集音された音声を認識する音声認識エンジン16と、音声認識結果に基づいてコンテンツのタイトルを読み上げる処理を行う読み上げ制御部12と、読み上げ処理に応じた音声を合成し、その合成した音声をスピーカ40から出力する処理を行う音声合成エンジン18とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のコンテンツを提供するコンテンツ提供装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるナビゲーション装置には、ニュース記事や地点情報等の各種のコンテンツを提供する機能を有するものが存在する(例えば特許文献1参照)。更に、このようなコンテンツ提供を行うナビゲーション装置には、利用者が車両を運転することを考慮して、コンテンツをディスプレイに表示するのみならず、コンテンツを読み上げて音声出力を行うものもある。
【特許文献1】特開2004−309183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のコンテンツ提供を行うナビゲーション装置では、利用者は、コンテンツの関連情報、例えば、コンテンツのタイトルを確認したいような場合、読み上げ処理の終了を待って、ディスプレイのコンテンツの一覧を表示させ、更にいずれかのコンテンツを選択して再度の読み上げ処理を行わせたり、読み上げ処理を停止させ、更にディスプレイにコンテンツのタイトルを表示させる等の操作が必要であった。このため、簡易且つ迅速にコンテンツの関連情報を確認することができなかった。
【0004】
本発明の目的は、上述した問題を解決するものであり、コンテンツの関連情報を簡易且つ迅速に確認可能なコンテンツ提供装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、コンテンツの提供処理を行うコンテンツ提供処理手段と、前記コンテンツ提供処理手段による前記コンテンツの提供処理の際に、前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行う関連情報読み上げ手段とを有するコンテンツ提供装置である。
【0006】
この構成により、コンテンツの提供とともに、当該コンテンツの関連情報の音声出力も可能となり、利用者は、コンテンツの関連情報を簡易且つ迅速に確認することが可能となる。
【0007】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記関連情報読み上げ手段に対して前記コンテンツの関連情報の読み上げを指示する読み上げ指示手段を有し、前記関連情報読み上げ手段は、前記読み上げ指示手段による指示に応じて前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行う。
【0008】
この構成により、利用者の指示に応じてコンテンツ関連情報の音声出力を行うことが可能となる。
【0009】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、音を認識する音認識手段を有し、前記関連情報読み上げ手段が、前記音認識手段により認識された音に関連する前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行う。
【0010】
この構成により、利用者の音声による指示に応じてコンテンツ関連情報の音声出力を行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、前記関連情報読み上げ手段によって前記コンテンツの関連情報が読み上げられて音声出力が行われている間、前記コンテンツの提供処理を中断する。
【0012】
この構成により、利用者は、コンテンツ関連情報の音声を聴きやすくなる。
【0013】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、前記コンテンツにおける中断時に提供処理されていた部分の手前から提供処理を再開する。
【0014】
この構成により、例えば、コンテンツが文字情報の場合には、中断時に提供されていた部分の手前にある文節の先頭から提供処理が開始されるようにすることができ、コンテンツの提供が中断される場合においても、利用者は、コンテンツの内容を把握しやすくなる。
【0015】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、前記関連情報読み上げ手段によって前記コンテンツの関連情報が読み上げられて音声出力が行われている間、前記コンテンツの提供処理の音量を低下させる。
【0016】
この構成により、利用者は、コンテンツ関連情報の音声を聴きやすくなる。
【0017】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記関連情報読み上げ手段によって前記コンテンツの関連情報が読み上げられて音声出力が行われる際に、前記コンテンツの関連情報に対応する画像を表示する関連情報表示手段を有する。
【0018】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、ナビゲーション装置におけるコンテンツの提供処理を行い、前記関連情報読み上げ手段が、前記ナビゲーション装置におけるコンテンツのタイトル情報を読み上げて音声出力を行う。
【0019】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記ナビゲーション装置におけるコンテンツが、観光案内情報及び地点情報のいずれかである。
【0020】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記ナビゲーション装置におけるコンテンツが地点情報の場合、前記関連情報読み上げ手段が、住所、郵便番号、電話番号及び情報作成日時の少なくともいずれかを読み上げて音声出力を行う。
【0021】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、記録媒体に記録されたコンテンツの提供処理を行い、前記関連情報読み上げ手段が、前記記録媒体に記録されたコンテンツのタイトル情報を読み上げて音声出力を行う。
【0022】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、電子メール受信装置における電子メールの本文の提供処理を行い、前記関連情報読み上げ手段が、前記電子メールのタイトル、送信者、受信日時及び添付ファイルの有無情報の少なくともいずれかを読み上げて音声出力を行う。
【0023】
また、本発明に係るコンテンツ提供装置は、前記コンテンツ提供処理手段が、放送受信機における放送の提供処理を行い、前記関連情報読み上げ手段が、前記放送のタイトルを読み上げて音声出力を行う。
【0024】
本発明は、コンテンツの提供処理を行うステップと、前記コンテンツの提供処理の際に、前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行う関連情報読み上げステップとを有するコンテンツ提供方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、コンテンツの提供とともに、当該コンテンツの関連情報の音声出力も可能となり、利用者は、コンテンツの関連情報を簡易且つ迅速に確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
図1は、コンテンツ提供装置の構成を示す図である。同図に示すコンテンツ提供装置100は、例えば車両に搭載されたナビゲーション装置であり、制御ユニット10、発話スイッチ20、マイク30、スピーカ40及びディスプレイ50により構成される。これらのうち、制御ユニット10は、読み上げ制御部12、メモリ14、音声認識エンジン16及び音声合成エンジン18により構成される。
【0028】
制御ユニット10は、メモリ14等に記憶されたコンテンツデータを読み出し、利用者にコンテンツを提供する処理を行う。図2は、コンテンツデータの一例を示す図である。同図に示すコンテンツデータは、文字情報等のコンテンツそのものと、当該コンテンツのタイトル等のコンテンツに関連する情報とによって構成される。例えば、コンテンツが文字情報である場合には、制御ユニット10は、その文字情報を読み上げ、スピーカ40から音声を出力する処理を行う。
【0029】
制御ユニット10内の読み上げ制御部12は、コンテンツデータに含まれるコンテンツの関連情報を読み上げる処理を行う。音声認識エンジン16は、音声認識辞書を内蔵しており、発話スイッチ20が押下された場合に、音声認識辞書に基づいて、マイク30によって集音された音声を認識する。音声合成エンジン18は、読み上げ制御部12の読み上げ処理に応じた音声を合成し、その合成した音声をスピーカ40から出力する処理を行う。
【0030】
次に、フローチャートを参照しつつ、コンテンツ提供装置100の動作を説明する。図2は、コンテンツ提供装置100の動作を示すフローチャートである。なお、以下においては、コンテンツ提供装置100が音声にてコンテンツである観光案内を提供する機能を搭載しており、コンテンツ関連情報がその観光案内のタイトルである場合を例に説明する。
【0031】
制御ユニット10は、メモリ14等に記憶された観光案内に関するコンテンツデータを読み出し(S101)、スピーカ40から観光案内の音声を出力する処理を開始する(S102)。次に、制御ユニット10は、発話スイッチ20が押下されたか否かを判定する(S103)。
【0032】
利用者によって発話スイッチ20が押下された場合、音声認識エンジン16は、マイク30によって集音された音声の認識を行う(S104)。次に、音声認識エンジン16は、内蔵する読み上げ専用音声認識辞書を展開する(S105)。
【0033】
更に、音声認識エンジン16は、S104における音声認識結果を検索し(S106)、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしたか否かを判定する(S107)。図4は、読み上げ専用音声認識辞書の一例を示す図である。同図に示すように、読み上げ専用音声認識辞書には認識すべき音声である「タイトル」に対応する情報が含まれている。音声認識エンジン16は、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書の情報と一致する「タイトル」である場合には、音声認識結果がヒットしたと判定する。
【0034】
音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットした場合、換言すれば、音声認識結果が「タイトル」である場合には、制御ユニット10は、スピーカ40から観光案内の音声を出力する処理を中断する(S108)。
【0035】
次に、読み上げ制御部12は、観光案内の音声出力の対象となっていたコンテンツデータに含まれるコンテンツ関連情報内のタイトル情報を読み上げる処理を行う。音声合成エンジン18は、読み上げ制御部12の読み上げ処理に応じた音声を合成し、その合成した音声をスピーカ40から出力する処理を行う(S109)。なお、制御ユニット10は、タイトルの音声を出力する処理とともに、例えば、車両が停止中の場合には、タイトルの画像をディスプレイ50に表示する処理を行うようにしても良い。
【0036】
タイトル部分の読み上げ終了後、制御ユニット10は、スピーカ40から観光案内の音声を出力する処理を再開する(S110)。なお、S110におけるコンテンツ音声を出力する処理の再開において、制御ユニット10は、中断時に出力されていた部分の手前、具体的には、中断時に出力されていた部分の手前にある文節の先頭から観光案内の音声の出力を再開するようにしても良い。これにより、観光案内の音声の出力が中断された場合においても、利用者は、コンテンツの内容を把握しやすくなる。
【0037】
一方、S107において、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしないと判定された場合、換言すれば、音声認識結果が「タイトル」でない場合には、音声認識エンジン16は、内蔵する従来の音声認識辞書を展開する(S111)。更に、音声認識エンジン16は、S103における音声認識結果を従来の音声認識辞書から検索する(S112)。
【0038】
次に、制御ユニット10は、音声認識結果に対応する処理を行う(S113)。例えば、音声認識結果が「現在地」の場合には、制御ユニット10は、現在地に対応する文字情報を読み上げ、スピーカ40からその読み上げ音声を出力する処理を行う。また、音声認識結果が「目的地」の場合には、現在地に対応する文字情報を読み上げ、スピーカ40からその読み上げ音声を出力する処理を行うとともに、目的地周辺の地図画像をディスプレイ50に表示する処理を行う。
【0039】
このように、コンテンツ提供装置100は、コンテンツである観光案内の音声の出力中に発話スイッチ20が押下された場合、マイク30が集音した音声を認識し、その音声認識結果が「タイトル」である場合には、観光案内の音声を出力する処理を中断し、コンテンツデータに含まれるコンテンツ関連情報内のタイトルを読み上げて音声を出力する処理を行う。従って、観光案内の音声出力のみならず、当該観光案内のタイトルの音声出力も可能となり、利用者は、観光案内のタイトルを簡易且つ迅速に確認することが可能となる。しかも、観光案内のタイトルの音声が出力されている間は、観光案内の音声出力が中断されるため、利用者は、所望する観光案内のタイトルの音声を聴きやすくなる。
【0040】
なお、上述した実施形態では、読み上げ制御部12がコンテンツのタイトルを読み上げる処理を行う際に、制御ユニット10は、コンテンツ音声を出力する処理を中断したが、コンテンツ音声の音量を小さくする処理を行っても良い。この場合にも、利用者は、コンテンツのタイトルの音声を聴きやすくなる。あるいは、コンテンツ音声の出力が終了する直前にタイトルの読み上げが指示されたような場合には、コンテンツ音声の出力終了後に、タイトルの読み上げが行われるようにしても良い。
【0041】
また、上述した実施形態では、利用者によって発話スイッチ20が押下された後にマイク30によって集音された音声によって、コンテンツのタイトルの読み上げが指示される形態となっているが、図5に示すコンテンツ提供装置200のように読み上げ指示のための操作キー60を設け、コンテンツ音声の出力中に、そのキーが利用者によって押下された場合に、コンテンツのタイトルの読み上げが行われるようにしたり、ディスプレイ50の画面をタッチパネル式にしておき、利用者が画面の所定の箇所に触れた場合に、コンテンツのタイトルの読み上げが行われるようにしても良い。
【0042】
また、上述した実施形態では、観光案内の関連情報としてのタイトルを読み上げる場合について説明したが、観光案内の関連情報としての施設名等の観光施設に関連する各種情報を読み上げて音声出力するようにしても良い。この場合には、コンテンツ関連情報に観光施設に関連する各種情報を含まれるとともに、読み上げ専用音声認識辞書に認識すべき音声である「観光施設」等に対応する情報が含まれる。そして、コンテンツ提供装置100は、観光施設の音声を出力している時に、利用者の音声の認識結果が「観光施設」等であった場合には、その音声出力を中断し、施設名等の観光施設に関連する各種情報を読み上げて音声出力する。
【0043】
また、上述した観光案内以外の様々なコンテンツの提供において、本発明を適用することができる。例えば、コンテンツ提供装置100が地点情報を提供する機能を搭載している場合には、地点情報を読み上げて音声を出力するとともに、地点の住所、郵便番号、電話番号等の地点情報やその地点情報の作成日時等の地点情報に関連する各種情報を読み上げて音声出力することができる。この場合には、コンテンツ関連情報に地点情報に関連する各種情報が含まれ、読み上げ専用音声認識辞書に認識すべき音声である「住所」、「電話番号」等に対応する情報が含まれる。そして、コンテンツ提供装置100は、地点情報の音声を出力している時に、利用者の音声の認識結果が「住所」等であった場合には、その音声出力を中断し、住所等の地点情報に関連する各種情報を読み上げて音声出力する。
【0044】
あるいは、コンテンツがコンパクトディスク(CD)に記憶された音楽の場合には、図6に示すコンテンツ提供装置300のように、制御ユニット10内にCD読取部70を設ける。
【0045】
図7は、コンテンツ提供装置300の動作を示すフローチャートである。制御ユニット10内のCD読取部70は、CDに記憶されたコンテンツデータを読み出し(S201)、スピーカ40からCD音声を出力する処理を開始する(S202)。コンテンツデータ内のコンテンツ関連情報には、CDのタイトル情報が含まれる。なお、コンテンツ提供装置100は、無線通信等により外部のサーバに接続して、コンテンツ関連情報であるタイトル情報を取得するようにしても良い。
【0046】
その後は、図3のS103乃至S107と同様の動作が行われる。すなわち、制御ユニット10は、発話スイッチ20が押下されたか否かを判定し(S203)、押下された場合には、音声認識エンジン16は、マイク30によって集音された音声の認識を行う(S204)。次に、音声認識エンジン16は、内蔵する読み上げ専用音声認識辞書を展開し(S205)、S204における音声認識結果を検索することにより(S206)、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしたか否かを判定する(S207)。読み上げ専用音声認識辞書には認識すべき音声である「タイトル」に対応する情報が含まれている。
【0047】
音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットした場合、制御ユニット10は、スピーカ40からCD音声を出力する処理を中断する(S208)。なお、S203乃至S207の代わりに、制御ユニット10が操作キー60が押下されたか否かを判定し、押下された場合にCD音声を出力する処理を中断するようにしても良い。次に、読み上げ制御部12は、CD音声出力の対象となっていたコンテンツデータに含まれるコンテンツ関連情報内のタイトル情報を読み上げ、音声合成エンジン18は、この読み上げ処理に応じた音声を合成し、その合成した音声をスピーカ40から出力する処理を行う(S209)。その後、制御ユニット10は、スピーカ40からCD音声を出力する処理を再開する(S210)。この際、コンテンツ提供装置100は、中断箇所から再生を再開しても良く、中断箇所の手前から再生を再開するようにしても良い。
【0048】
一方、S207において、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしないと判定された場合には、図3のS111乃至S113と同様の動作が行われる。すなわち、音声認識エンジン16は、内蔵する従来の音声認識辞書を展開し(S211)、S203における音声認識結果を従来の音声認識辞書から検索する(S212)。そして、制御ユニット10は、音声認識結果に対応する処理を行う(S213)。
【0049】
また、コンテンツが電子メールの本文の場合には、図8に示すコンテンツ提供装置400のように、制御ユニット10内に電子メール受信部80を設ける。
【0050】
図9は、コンテンツ提供装置400の動作を示すフローチャートである。制御ユニット10内の電子メール受信部80は、コンテンツデータとしての電子メールを受信し(S301)、スピーカ40から電子メール本文の音声を出力する処理を開始する(S302)。コンテンツデータである電子メールには、コンテンツ関連情報としてタイトル情報が含まれる。
【0051】
その後は、図3のS103乃至S107と同様の動作が行われる。すなわち、制御ユニット10は、発話スイッチ20が押下されたか否かを判定し(S303)、押下された場合には、音声認識エンジン16は、マイク30によって集音された音声の認識を行う(S304)。次に、音声認識エンジン16は、内蔵する読み上げ専用音声認識辞書を展開し(S305)、S304における音声認識結果を検索することにより(S306)、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしたか否かを判定する(S307)。読み上げ専用音声認識辞書には認識すべき音声である「タイトル」に対応する情報が含まれている。
【0052】
音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットした場合、制御ユニット10は、スピーカ40から電子メール本文の音声を出力する処理を中断する(S308)。なお、S303乃至S307の代わりに、制御ユニット10が操作キー60が押下されたか否かを判定し、押下された場合に電子メール本文の音声を出力する処理を中断するようにしても良い。次に、読み上げ制御部12は、電子メール本文の音声出力の対象となっていたコンテンツデータである電子メールに含まれるコンテンツ関連情報内のタイトル情報を読み上げ、音声合成エンジン18は、この読み上げ処理に応じた音声を合成し、その合成した音声をスピーカ40から出力する処理を行う(S309)。その後、制御ユニット10は、スピーカ40から電子メール本文の音声を出力する処理を再開する(S310)。
【0053】
一方、S307において、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしないと判定された場合には、図3のS111乃至S113と同様の動作が行われる。
【0054】
なお、コンテンツ関連情報に、送信者、受信日時、添付ファイルの有無等の電子メールに関連する各種情報が含まれるようにするとともに、読み上げ専用音声認識辞書にこれらに対応する情報が含まれるようにし、コンテンツ提供装置100が、電子メール本文の音声を出力している時に、利用者の音声の認識結果が「送信者」等であった場合には、その音声出力を中断し、送信者等の電子メールに関連する各種情報を読み上げて音声出力するようにしても良い。
【0055】
また、コンテンツがテレビやラジオ等の放送の場合には、図10に示すコンテンツ提供装置500のように、制御ユニット10内に放送受信部90を設ける。
【0056】
図11は、コンテンツ提供装置500の動作を示すフローチャートである。制御ユニット10内の放送受信部90は、コンテンツデータとしての放送データを受信し(S401)、スピーカ40から放送音声を出力する処理を開始する(S402)。コンテンツデータである放送データには、コンテンツそのものの映像や音声とともに、コンテンツ関連情報としてタイトル情報が含まれる。
【0057】
その後は、図3のS103乃至S107と同様の動作が行われる。すなわち、制御ユニット10は、発話スイッチ20が押下されたか否かを判定し(S403)、押下された場合には、音声認識エンジン16は、マイク30によって集音された音声の認識を行う(S404)。次に、音声認識エンジン16は、内蔵する読み上げ専用音声認識辞書を展開し(S405)、S404における音声認識結果を検索することにより(S406)、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしたか否かを判定する(S407)。読み上げ専用音声認識辞書には認識すべき音声である「タイトル」に対応する情報が含まれている。
【0058】
音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットした場合、制御ユニット10は、スピーカ40から放送音声を出力する処理を中断する(S408)。なお、S403乃至S407の代わりに、制御ユニット10が操作キー60が押下されたか否かを判定し、押下された場合に放送音声を出力する処理を中断するようにしても良い。次に、読み上げ制御部12は、放送音声出力の対象となっていたコンテンツデータである放送データに含まれるコンテンツ関連情報内のタイトル情報を読み上げ、音声合成エンジン18は、この読み上げ処理に応じた音声を合成し、その合成した音声をスピーカ40から出力する処理を行う(S409)。その後、制御ユニット10は、スピーカ40から放送音声を出力する処理を再開する(S410)。
【0059】
一方、S407において、音声認識結果が読み上げ専用音声認識辞書にヒットしないと判定された場合には、図3のS111乃至S113と同様の動作が行われる。
【0060】
なお、コンテンツ関連情報に、送信者、受信日時、添付ファイルの有無等の電子メールに関連する各種情報が含まれるようにするとともに、読み上げ専用音声認識辞書にこれらに対応する情報が含まれるようにし、コンテンツ提供装置100が、電子メール本文の音声を出力している時に、利用者の音声の認識結果が「送信者」等であった場合には、その音声出力を中断し、送信者等の電子メールに関連する各種情報を読み上げて音声出力するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上、説明したように、本発明に係るコンテンツ提供装置は、コンテンツの関連情報を簡易且つ迅速に確認可能であり、コンテンツ提供装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1のコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
【図2】コンテンツデータの一例を示す図である。
【図3】第1のコンテンツ提供装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】読み上げ専用音声認識辞書の一例を示す図である。
【図5】第2のコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
【図6】第3のコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
【図7】第3のコンテンツ提供装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】第4のコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
【図9】第4のコンテンツ提供装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】第5のコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
【図11】第5のコンテンツ提供装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
100、200、300、400、500 コンテンツ提供装置
10 制御ユニット
12 読み上げ制御部
14 メモリ
16 音声認識エンジン
18 音声合成エンジン
20 発話スイッチ
30 マイク
40 スピーカ
50 ディスプレイ
60 操作キー
70 CD読取部
80 電子メール受信部
90 放送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの提供処理を行うコンテンツ提供処理手段と、
前記コンテンツ提供処理手段による前記コンテンツの提供処理の際に、前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行う関連情報読み上げ手段とを有することを特徴とするコンテンツ提供装置。
【請求項2】
前記関連情報読み上げ手段に対して前記コンテンツの関連情報の読み上げを指示する読み上げ指示手段を有し、
前記関連情報読み上げ手段は、前記読み上げ指示手段による指示に応じて前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項3】
音を認識する音認識手段を有し、
前記関連情報読み上げ手段は、前記音認識手段により認識された音に関連する前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項4】
前記コンテンツ提供処理手段は、前記関連情報読み上げ手段によって前記コンテンツの関連情報が読み上げられて音声出力が行われている間、前記コンテンツの提供処理を中断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項5】
前記コンテンツ提供処理手段は、前記コンテンツにおける中断時に提供処理されていた部分の手前から提供処理を再開することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項6】
前記コンテンツ提供処理手段は、前記関連情報読み上げ手段によって前記コンテンツの関連情報が読み上げられて音声出力が行われている間、前記コンテンツの提供処理の音量を低下させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項7】
前記関連情報読み上げ手段によって前記コンテンツの関連情報が読み上げられて音声出力が行われる際に、前記コンテンツの関連情報に対応する画像を表示する関連情報表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項8】
前記コンテンツ提供処理手段は、ナビゲーション装置におけるコンテンツの提供処理を行い、
前記関連情報読み上げ手段は、前記ナビゲーション装置におけるコンテンツのタイトル情報を読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項9】
前記ナビゲーション装置におけるコンテンツは、観光案内情報であることを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項10】
前記ナビゲーション装置におけるコンテンツは、地点情報であることを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項11】
前記関連情報読み上げ手段は、施設名、住所、郵便番号、電話番号及び情報作成日時の少なくともいずれかを読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項12】
前記コンテンツ提供処理手段は、記録媒体に記録されたコンテンツの提供処理を行い、
前記関連情報読み上げ手段は、前記記録媒体に記録されたコンテンツのタイトル情報を読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項13】
前記コンテンツ提供処理手段は、電子メール受信装置における電子メールの本文の提供処理を行い、
前記関連情報読み上げ手段は、前記電子メールのタイトル、送信者、受信日時及び添付ファイルの有無情報の少なくともいずれかを読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項14】
前記コンテンツ提供処理手段は、放送受信機における放送の提供処理を行い、
前記関連情報読み上げ手段は、前記放送のタイトルを読み上げて音声出力を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項15】
コンテンツの提供処理を行うステップと、
前記コンテンツの提供処理の際に、前記コンテンツの関連情報を読み上げて音声出力を行う関連情報読み上げステップとを有することを特徴とするコンテンツ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−227225(P2006−227225A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39889(P2005−39889)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】