コンバイン
【課題】コンバインによる穀粒排出作業および清掃作業の能率を高める。
【解決手段】穀粒を下方の搬送筒(35)内へ繰り出す繰り出し装置(29)を設け、送風装置(37)から搬送筒(35)側へ向かう送風経路に、送風装置(37)から送られる風を搬送筒(35)内へ案内する第1状態と、送風装置(37)から送られる風を噴出口(70)側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁(68)を設け、切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)の停止状態を維持させる制御装置(92)を設ける。
【解決手段】穀粒を下方の搬送筒(35)内へ繰り出す繰り出し装置(29)を設け、送風装置(37)から搬送筒(35)側へ向かう送風経路に、送風装置(37)から送られる風を搬送筒(35)内へ案内する第1状態と、送風装置(37)から送られる風を噴出口(70)側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁(68)を設け、切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)の停止状態を維持させる制御装置(92)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、走行装置を備えた車台の前側に刈取装置を設け、車台の上側に操縦部と脱穀装置とグレンタンクを設け、このグレンタンクの底部にグレンタンク内の穀粒を下方の搬送筒内へ繰り出す繰り出し装置を設け、搬送筒の入口側に送風装置を設け、搬送筒の出口側には穀粒排出案内用の排出筒を設けたコンバインがある。
【0003】
このコンバインは、主に大豆などの粒径の大きい穀物の収穫に適するもので、収穫された穀粒を風力で排出する構成であるため、穀粒を螺旋で排出する場合のように穀粒の表面に傷がつくことがなく、収穫された穀粒の商品価値を高めることができるものである。
【0004】
そして、このようなコンバインにおいて、下記特許文献1には、送風装置から搬送筒側へ向かう送風経路に、送風装置から送られる風を搬送筒内へ案内する第1状態と、送風装置から送られる風を送風経路の外部へ開口した噴出口側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁を設ける技術が開示されている。
【0005】
この第1状態では穀粒排出作業が行われ、繰り出し装置によって搬送筒内へ繰り出された穀粒を、送風装置から送られる風によって搬送し、排出筒の先端から外部へ排出することができる。
【0006】
また、第2状態では清掃作業が行なわれ、送風装置から送られる風を噴出口から外部へ噴出させ、この風を利用して機体に付着した藁屑などを除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−65047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、切換弁が第2状態に切り換えられている場合には、送風装置から送られる風が搬送筒内へ案内されない。従って、繰り出し装置が駆動してグレンタンク内の穀粒が搬送筒内に繰り出されると、この搬送筒内で穀粒が詰まり、穀粒排出作業が行えなくなるばかりか、コンバインによる収穫作業自体が行なえなくなってしまう。
【0009】
また、例えば、傾斜地にコンバインを停車させている場合には、コンバインが自重で傾斜下がり側へ移動してしまうことがあるため、コンバインの周辺で作業者が清掃作業を行なう際に駐車ブレーキが入り操作されていないと危険である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、走行装置(2)を備えた車台(1)の前側に刈取装置(3)を設け、車台(1)の上側に操縦部(4)と脱穀装置(5)とグレンタンク(6)を設け、該グレンタンク(6)の底部にグレンタンク(6)内の穀粒を下方の搬送筒(35)内へ繰り出す繰り出し装置(29)を設け、前記搬送筒(35)の入口側に送風装置(37)を設け、該送風装置(37)から搬送筒(35)側へ向かう送風経路に、送風装置(37)から送られる風を搬送筒(35)内へ案内する第1状態と、送風装置(37)から送られる風を送風経路の外部へ開口した噴出口(70)側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁(68)を設け、前記搬送筒(35)の出口側には穀粒排出案内用の排出筒(88)を設けたコンバインにおいて、前記切換弁(68)の切換位置を検出する切換位置検出装置(82)を設け、該切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第1状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)も起動させ、切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)の停止状態を維持させる制御装置(92)を設けたことを特徴とするコンバインとする。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記操縦部(4)に、走行装置(2)を停止状態に維持する駐車ブレーキ操作用の駐車ブレーキペダル(26)を設け、該駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキを入り作動させる位置に踏み込み操作されたことを検出する駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)を設け、前記切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている状態で送風装置(37)を起動操作しても、駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)によって駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキの入り作動位置まで踏み込まれたことが検出されていない場合には、該送風装置(37)の停止状態を維持させる構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、切換弁(68)を第1状態に切り換えて送風装置(37)を起動操作すると、送風装置(37)が起動して搬送筒(35)内へ送風され、繰り出し装置(29)の起動によってグレンタンク(6)内の穀粒が搬送筒(35)内へ繰り出されて風力搬送され、排出筒(88)の先端から外部へ排出される。このように、穀粒を風力搬送して排出するため、螺旋で搬送する場合よりも穀粒の表面に傷が付きにくく、収穫された穀粒の商品価値を高めることができる。
【0013】
そして、切換弁(68)を第2状態に切り換えて送風装置(37)を起動操作すると、送風装置(37)が起動して送風経路の外部へ開口した噴出口(70)から風が噴き出し、この風を利用してコンバインの機体の各部の清掃作業を行なうことができる。また、この際、繰り出し装置(29)は起動しないので、グレンタンク(6)内の穀粒が搬送筒(35)内へ繰り出されず、穀粒を搬送できるだけの送風がなされなくなった搬送筒(35)内で、穀粒が詰まることがなくなる。これによって、穀粒排出作業に移行できる状態を維持でき、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するものでありながら、例えば、傾斜地にコンバインを停車させて機体の清掃を行なう場合に、駐車ブレーキが入り作動していない状態では、送風装置(37)を起動操作してもこの送風装置(37)が起動しない。これによって、作業者が駐車ブレーキを入り操作するのを忘れたまま清掃作業を行なうことが防止され、この清掃作業の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】グレンタンクを透視して示す要部の平面図
【図4】繰り出し装置の正面図
【図5】繰り出し装置の背面図
【図6】繰り出し装置の断面図
【図7】繰り出し装置の断面図
【図8】送風装置と切換弁の関係を示す背面図
【図9】送風筒の上半分を断面して示す説明図
【図10】穀粒排出作業状態での切換弁の説明用背面図
【図11】清掃状態での切換弁の説明用背面図
【図12】切換弁周辺の説明用側面図
【図13】穀粒排出作業状態を示す説明用側面図
【図14】清掃作業状態を示す説明用側面図
【図15】ブロック回路図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1、図2に示すように、このコンバインは、平面視で矩形に枠組み形成した車台1の下側に走行装置2を設け、車台1の前側には刈取装置3を設け、車台1上の前部右側に操縦部4を設け、車台1上の後部左側に脱穀装置5を設け、車台1上の後部右側にグレンタンク6を設けた構成とする。
【0017】
前記走行装置2は、走行ミッションケース(図示省略)から駆動される前端部の駆動スプロケット7と、転輪フレーム8に軸支された多数の転輪9と、転輪フレーム8の後端部に軸支された緊張輪10とに、クローラ11を巻き掛けた構成とする。
【0018】
前記刈取装置3は、掻込オーガ(図示省略)を有した枠体12に、穀稈を分草する左右両側の分草体13と、穀稈を掻き込む昇降調節自在の掻込リール14と、掻き込まれた穀稈を切断する刈刃15と、刈り取った穀稈を後方へ搬送する搬送コンベア16とを一体に設けた構成とする。前記搬送コンベア16の後端部は、脱穀装置5の穀稈供給口に接続する。
【0019】
前記操縦部4は、車台1上に搭載したエンジン17を覆うエンジンカバー18の上部に操縦席19を取り付け、この操縦席19の前方に前側操作台20を設け、操縦席19の左側には側部操作盤21を設けた構成とする。前記前側操作台20の上部右側には、前後方向への操作で刈取装置3を昇降調節し、左右方向への操作で機体の走行方向を操作するレバー22を設ける。また、前側操作台20の上側には、車速やグレンタンク6の穀粒貯留量などの作業情報を表示するモニター23を配置し、このモニター23の左側に形成した傾斜面には、自動制御装置用のスイッチを配置する。また、前記側部操作盤21には、車速を調節する変速レバーと、刈取装置3および脱穀装置5を起動操作するクラッチレバー(図示省略)を配置する。これら変速レバーおよびクラッチレバーの後側には、穀粒排出作業用のリモコン24を着脱自在に設置する。
【0020】
また、前記操縦席19の前下方に設けたステップ25の左側の部位には、走行ミッションケース内に設けた駐車ブレーキを入り切り操作する駐車ブレーキペダル26を設ける。この駐車ブレーキペダル26の基部には、この駐車ブレーキペダル26が駐車ブレーキの作動位置まで踏み込まれた状態でONするスイッチ27(駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置)を設ける。
【0021】
前記脱穀装置5は、上側の扱室内に、刈取装置3の搬送コンベア16から送り込まれる穀稈の穂先部を脱穀処理する螺旋式の扱胴を備え、下側の選別室内に、揺動選別式の選別装置を備えた構成とする。
【0022】
図1〜図3に示すように、前記グレンタンク6は、底部を漏斗状に形成した箱型の容器であり、脱穀装置5の選別装置で選別した後の穀粒を、揚穀機28で揚穀して投入する構成である。このグレンタンク6の底部の中央部は、下方に向けて開口させ、この開口部に、穀粒繰り出し用の繰り出し装置29の上部を接続する。
【0023】
図4〜図7に示すように、この繰り出し装置29は、繰り出しケース30の内部に、電動モータ31から伝動チェン32を介して回転駆動する6枚の繰り出し羽根33を備えた構成とする。この繰り出しケース30の上部は、グレンタンク6の底部の開口部に対応して開口しており、グレンタンク6側から流下する穀粒の量を調節するシャッター34を備えている。また、この繰り出しケース30の下部には、この繰り出しケース30の幅よりも長く形成した搬送筒35を一体化し、繰り出しケース30の底部に形成した開口部を、搬送筒35の上面に形成した開口部に連通させる。尚、図7に示すように、繰り出し羽根33の回転軸芯に対して、開口部を備えた繰り出しケース30の上部は、繰り出し羽根33の下降回転側または上昇回転側に偏倚させている。この構成により、グレンタンク6内の穀粒が、6枚の繰り出し羽根33の各羽根の間に形成された6つの室に流入してから下方へ繰り出されるので、電動モータ31を一定速度で駆動すると、常に一定量づつ、搬送筒35内へ繰り出されることとなる。
【0024】
そして、図1〜図3に示すように、前記搬送筒35の入口側となる前側端部に、筒体36を介して送風装置37の送風口46を接続する。
図3、図8に示すように、この送風装置37は、外面に多数の冷却フィン39を備えた一方の前側ケース40の内部に、駆動軸41によって回転自在に支持された円形の回転盤42を設けた構成である。この回転盤42の周縁部に沿って、駆動軸41の軸芯方向に沿う断面形状を円弧状に形成した凹部を設け、この凹部を、円周方向に沿って一定の間隔で仕切る多数の仕切り板43を設ける。仕切り板43の駆動軸41の軸芯方向に沿う方向での断面形状は、半円状に形成される。また、前記前側ケース40に対向する後側ケース44には、前記回転盤42の周縁部に沿って設けた凹部に対向する凹部を形成し、この凹部の円周方向での2箇所に、外気を吸い込む吸気口45と、風を噴き出す送風口46を設ける。そして、前側ケース40と後側ケース44を接合することで、回転盤42の周縁部に沿って設けた凹部と後側ケース44側の凹部を対向して配置する。この構成により、駆動軸41の端部に固定した入力プーリ51にエンジン17の駆動力が入力されると、回転盤42が回転し、仕切り板43の周回によって、吸気口45から外気が吸入され、送風口46から風が噴き出す。
【0025】
図3に示すように、車台1上に固定したベベルギヤケース52の出力軸53に出力プーリ54を固定し、この出力プーリ54と前記入力プーリ51の間に、常時張力を付与した伝動ベルト55を巻き掛ける。また、ベベルギヤケース52の入力軸56は、このベベルギヤケース52内の2つのベベルギヤの噛合いによって、出力軸53に対して平面視で90度だけ姿勢変更し、機体の左右方向を向けて配置する。そして、エンジン17から外側へ向けて突出した出力軸57に出力プーリ58を固定し、この出力プーリ58と、前記入力軸56の端部に固定した入力プーリ59の間に伝動ベルト60を弛緩状態で巻き掛ける。この伝動ベルト60の上側には、この伝動ベルト60を緊張させて出力プーリ58から入力プーリ59へエンジンの駆動力を伝達するテンションローラ61を配置する。このテンションローラ61は、車台1側に上下回動自在に軸支したテンションアーム62の自由端側に軸支され、車台1側に固定した電動モータ63の作動によって上下動する構成とする。この構成により、排出クラッチ64が構成され、電動モータ63の作動によってテンションローラ61が下降し、このテンションローラ61によって伝動ベルト60が緊張すると、エンジン17の駆動力によって送風装置37の回転盤42が回転し、送風口46から風が噴き出す。尚、実体図は省略するが、上記テンションアーム62の回動位置または電動モータ63の作動停止位置から、排出クラッチ64が接続されたことを検出する排出クラッチ入り検出センサ96と、排出クラッチ64が遮断されたことを検出する排出クラッチ切り検出センサ97を設ける。
【0026】
そして、図8に示すように、この吸気口45と送風口46に連通する吸気筒47と送風筒48を一体で備えた取付部材49を、送風装置37の後側ケース44の後側面にボルト50で締結して固定する。前記送風筒48は、搬送筒35の入口側に接続する。
【0027】
図9に示すように、この送風筒48の上面を切り欠いて、平面視で矩形の開放部65を形成し、この開放部65を上側から覆う断面が弧状の閉鎖板66を溶接固定する。また、この閉鎖板66の中央部を切り欠いて、平面視で矩形の開放部67を形成する。そして、図8に示すように、この開放部67を上側から覆うように、切換弁68を備えたバルブブロック69を溶接固定する。
【0028】
図8、図10、図11に示すように、このバルブブロック69の上部には、前記開放部65と開放部67を介して送風筒48の内部に連通する噴出口70を形成する。そして、この噴出口70に連通する噴出筒71を、バルブブロック69の上面から上方へ突出させて設ける。図1に示すように、この噴出筒71には、可撓性を有したホース83を接続し、このホース83を、グレンタンク6の下側空間に設けた係止具84に巻き付けて収納しておく。清掃作業時には、このホース83を引き出して使用すればよい。
【0029】
また、このバルブブロック69には、バルブブロック69を左右方向に貫通し、前記送風筒48の内部および噴出口70に連通する貫通孔72を形成する。そして、この貫通孔72に、軸芯方向に直交する方向に貫通孔73を有した弁軸74を回動自在に挿し込み、この弁軸74の基部に、切換操作レバー75の基部を固定する。
【0030】
この構成により、図13に示すように、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置側に回動操作して、弁軸74の貫通孔73が、送風筒48の内部または噴出口70と連通しない状態になると、噴出筒71から外部への風の噴出が止まる。一方、図14に示すように、切換操作レバー75を清掃作業位置側に回動操作し、弁軸74の貫通孔73を介して送風筒48の内部と噴出口70が連通されると、送風筒48内の風が、噴出筒71から外部へ噴出する状態となる。
【0031】
また、図13、図14に示すように、この弁軸74の外周面には、風向案内板76の上端部を螺子77で締結固定する。この風向案内板76は、閉鎖板66の内面に沿う断面弧状の板体であり、弁軸74の外周面の接線方向に沿う姿勢で取り付けられている。そして、図13に示すように、弁軸74が穀粒排出作業位置へ回動操作された状態では、風向案内板76が送風筒48内の風路から退避し、閉鎖板66の内面に接する状態となる。この状態において、風向案内板76の肉厚は、送風筒48の肉厚より薄いため、風向案内板76は送風筒48の開放部65内に収まって送風筒48内に突出せず、送風筒48内を流れる風の抵抗とならない。これによって、送風筒48内の送風効率が高まる。一方、図14に示すように、弁軸74が清掃作業位置へ回動操作された状態では、風向案内板76が起立方向へ回動して送風筒48内に侵入し、この風向案内板76によって、送風筒48内の風が噴出筒71側へ導かれる。尚、前記弁軸74と風向案内板76を、切換弁68と総称する。また、弁軸74が清掃作業位置へ回動操作された状態で、前記風向案内板76は、送風筒48内の搬送筒35側への送風経路を完全に塞がず、僅かな隙間が残る構成とする。これによって、噴出筒71から噴出する風が、清掃作業に適した風量まで弱まる。
【0032】
また、図8、図10〜図12に示すように、バルブブロック69の外側上部には、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置と清掃作業位置とに係止する断面が逆L字形状の切換操作案内板78を、ボルト79で締結固定する。そして、前記取付部材49または送風筒48の側面にマイクロスイッチ80を固定し、切換操作レバー75の基部に固定したカム板81によって、このマイクロスイッチ80をONまたはOFFさせる構成とする。即ち、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置へ回動操作すると、カム板81の回動によってマイクロスイッチ80がOFFし、切換弁68が穀粒排出作業状態(第1状態)に切り換えられたことが検出される。一方、切換操作レバー75を清掃作業位置へ回動操作すると、カム板81の回動によってマイクロスイッチ80がONし、切換弁68が清掃作業状態(第2状態)に切り換えられたことが検出される。尚、このマイクロスイッチ80とカム板81を、切換位置検出装置82と総称する。
【0033】
また、前記グレンタンク6の後側には、電動モータ104(実体図は省略)によって縦軸回動自在な揚穀用支持筒85を起立させて設け、この揚穀用支持筒85の上端部には、油圧シリンダ87によって横軸回動自在な排出用支持筒86の基部を接続する。そして、前記搬出筒35の出口側に、可撓性を有した排出筒88の入口側を接続し、この排出筒88を、前記揚穀用支持筒85および排出用支持筒86の内部を通して排出用支持筒86の先端部まで設ける。穀粒排出作業を行わない状態では、前記排出用支持筒86の中間部を、脱穀装置5側に固定した支持部材89の上端部に支持させておく。
【0034】
また、図1に示すように、グレンタンク6の外側面の前側下部には、清掃作業時に操作する清掃スイッチ91を設ける。前記切換操作レバー75は、グレンタンク6の下側空間内において、清掃スイッチ91の下方に配置される。
【0035】
そして、前記操縦部4には、リモコン24の操作によって、排出クラッチ64を作動させる電動モータ63と、繰り出し装置29を駆動する電動モータ31の起動および停止を制御する制御装置92を設ける。
【0036】
図15に示すように、この制御装置92は、コントローラ93の入力側に、前記清掃スイッチ91と、マイクロスイッチ80と、スイッチ27と、排出クラッチ入り検出センサ96と、排出クラッチ切り検出センサ97と、エンジン17を始動操作するキースイッチ94と、エンジン17の回転数を検出するエンジン回転センサ95と、排出用支持筒86が支持部材89に支持されて収納された状態を検出する収納検出スイッチ102を接続する。そして、コントローラ93の出力側には、電動モータ63と、電動モータ31と、モニター23と、警報ブザー99と、エンジン17を始動するセルモータ101と、エンジン17のスロットルを開閉調節するスロットル調節モータ103と、電動モータ104と、油圧シリンダ87を接続する。また、排出スイッチ100を有するリモコン24を接続したサブコントローラ98を、コントローラ93と通信回線で接続する。尚、リモコン24には、排出スイッチ100の他に、排出用支持筒86を旋回させる旋回スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86を昇降回動させる昇降スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86を排出作業位置まで自動的に旋回させる自動張出スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86を排出作業位置から支持部材89まで自動的に旋回させて収納する自動収納スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86の自動旋回を停止させる緊急停止スイッチ(図示省略)を設ける。
【0037】
以上の構成により、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置へ切り換えてマイクロスイッチ80がOFFした状態で、排出スイッチ100をON操作すると、コントローラ93から電動モータ63へ出力がなされ、この電動モータ63が起動して排出クラッチ64が接続される。これによって、送風装置37が起動し、送風口38から噴き出された風が、切換弁68部を通過して搬送筒35内へ送られる。このようにして送風装置37が起動してから設定時間経過後に、コントローラ93から電動モータ31へ出力がなされ、この電動モータ31が起動して繰り出し装置29が起動し、グレンタンク6内の穀粒が搬送筒35内へ繰り出される。この搬送筒35内へ繰り出された穀粒は、搬送筒35内に送られてきた風で搬送され、排出筒88内を搬送されて、この排出筒88の先端から外部へ排出される。このように、穀粒を風力搬送して排出するため、螺旋で搬送する場合よりも穀粒の表面に傷が付きにくく、収穫された穀粒の商品価値を高めることができる。
【0038】
そして、駐車ブレーキペダル26を踏み込んでスイッチ27をONし、切換操作レバー75を清掃作業位置に切り換えてマイクロスイッチ80がONした状態で、清掃スイッチ91をON操作すると、コントローラ93から電動モータ63へ出力がなされ、この電動モータ63が起動して排出クラッチ64が接続される。これによって、送風装置37が起動し、送風口38から噴き出された風が噴出筒71から噴出し、ホース83の先端から噴き出す風によって、コンバインの機体の各部の清掃が行なえる。また、この際、コントローラ93から電動モータ31へは出力がなされず、繰り出し装置29の停止状態が維持される。これによって、グレンタンク6内の穀粒が搬送筒35内へ繰り出されず、穀粒を搬送できるだけの送風がなされなくなった搬送筒35内で、穀粒が詰まることがなくなる。これによって、穀粒排出作業に移行できる状態を維持でき、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0039】
また、駐車ブレーキペダル26を踏み込んでいない状態では、スイッチ27がOFFしているため、切換操作レバー75を清掃作業位置に切り換えてマイクロスイッチ80がONした状態で、清掃スイッチ91をON操作しても、コントローラ93から電動モータ63へ出力がなされない。このため、電動モータ63は起動せず、排出クラッチ64が接続されないので、送風装置37は停止状態を維持し、ホース83の先端から風が噴き出さない。これによって、作業者が駐車ブレーキを入り操作するのを忘れたまま清掃作業を行なうことが防止され、この清掃作業の安全性を高めることができる。
【0040】
また、エンジン17を始動する前に、切換操作レバー75が清掃作業位置に切り換えられてマイクロスイッチ80がONしている状態では、キースイッチ94を操作しても、コントローラ93からセルモータ101へ出力がなされず、エンジン17が始動しない。これによって、切換操作レバー75が穀粒排出作業位置に切り換えられていないと、エンジン17が始動しないので、切換操作レバー75の誤操作による搬送筒35内での穀粒の詰まりを防止することができる。
【0041】
また、排出用支持筒86が支持部材89上に支持されて収納された状態を収納検出スイッチ102で検出している状態では、排出スイッチ100をON操作しても、コントローラ93から電動モータ63への出力がなされず、排出クラッチ64が接続されない。一方、この状態で、清掃スイッチ91をON操作すると、コントローラ93から電動モータ63へ出力なされ、排出クラッチ64が接続される。
【0042】
また、清掃スイッチ91をON操作すると、排出クラッチ64が接続される前に、コントローラ93からスロットル調節モータ103へ出力がなされ、エンジン17の回転速度が穀粒排出作業に適した設定回転速度まで自動的に上昇する。但し、清掃スイッチ100をON操作した場合には、コントローラ93からスロットル調節モータ103へ出力はなされず、エンジン17の回転速度は上昇しない。従って、ホース83への送風量が急激に増加することを防止でき、清掃作業を円滑に行なうことができる。
【符号の説明】
【0043】
1 車台
2 走行装置
3 刈取装置
4 操縦部
5 脱穀装置
6 グレンタンク
26 駐車ブレーキペダル
27 駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置
29 繰り出し装置
35 搬送筒
37 送風装置
68 切換弁
70 噴出口
82 切換位置検出装置
88 排出筒
92 制御装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、走行装置を備えた車台の前側に刈取装置を設け、車台の上側に操縦部と脱穀装置とグレンタンクを設け、このグレンタンクの底部にグレンタンク内の穀粒を下方の搬送筒内へ繰り出す繰り出し装置を設け、搬送筒の入口側に送風装置を設け、搬送筒の出口側には穀粒排出案内用の排出筒を設けたコンバインがある。
【0003】
このコンバインは、主に大豆などの粒径の大きい穀物の収穫に適するもので、収穫された穀粒を風力で排出する構成であるため、穀粒を螺旋で排出する場合のように穀粒の表面に傷がつくことがなく、収穫された穀粒の商品価値を高めることができるものである。
【0004】
そして、このようなコンバインにおいて、下記特許文献1には、送風装置から搬送筒側へ向かう送風経路に、送風装置から送られる風を搬送筒内へ案内する第1状態と、送風装置から送られる風を送風経路の外部へ開口した噴出口側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁を設ける技術が開示されている。
【0005】
この第1状態では穀粒排出作業が行われ、繰り出し装置によって搬送筒内へ繰り出された穀粒を、送風装置から送られる風によって搬送し、排出筒の先端から外部へ排出することができる。
【0006】
また、第2状態では清掃作業が行なわれ、送風装置から送られる風を噴出口から外部へ噴出させ、この風を利用して機体に付着した藁屑などを除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−65047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、切換弁が第2状態に切り換えられている場合には、送風装置から送られる風が搬送筒内へ案内されない。従って、繰り出し装置が駆動してグレンタンク内の穀粒が搬送筒内に繰り出されると、この搬送筒内で穀粒が詰まり、穀粒排出作業が行えなくなるばかりか、コンバインによる収穫作業自体が行なえなくなってしまう。
【0009】
また、例えば、傾斜地にコンバインを停車させている場合には、コンバインが自重で傾斜下がり側へ移動してしまうことがあるため、コンバインの周辺で作業者が清掃作業を行なう際に駐車ブレーキが入り操作されていないと危険である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、走行装置(2)を備えた車台(1)の前側に刈取装置(3)を設け、車台(1)の上側に操縦部(4)と脱穀装置(5)とグレンタンク(6)を設け、該グレンタンク(6)の底部にグレンタンク(6)内の穀粒を下方の搬送筒(35)内へ繰り出す繰り出し装置(29)を設け、前記搬送筒(35)の入口側に送風装置(37)を設け、該送風装置(37)から搬送筒(35)側へ向かう送風経路に、送風装置(37)から送られる風を搬送筒(35)内へ案内する第1状態と、送風装置(37)から送られる風を送風経路の外部へ開口した噴出口(70)側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁(68)を設け、前記搬送筒(35)の出口側には穀粒排出案内用の排出筒(88)を設けたコンバインにおいて、前記切換弁(68)の切換位置を検出する切換位置検出装置(82)を設け、該切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第1状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)も起動させ、切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)の停止状態を維持させる制御装置(92)を設けたことを特徴とするコンバインとする。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記操縦部(4)に、走行装置(2)を停止状態に維持する駐車ブレーキ操作用の駐車ブレーキペダル(26)を設け、該駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキを入り作動させる位置に踏み込み操作されたことを検出する駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)を設け、前記切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている状態で送風装置(37)を起動操作しても、駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)によって駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキの入り作動位置まで踏み込まれたことが検出されていない場合には、該送風装置(37)の停止状態を維持させる構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、切換弁(68)を第1状態に切り換えて送風装置(37)を起動操作すると、送風装置(37)が起動して搬送筒(35)内へ送風され、繰り出し装置(29)の起動によってグレンタンク(6)内の穀粒が搬送筒(35)内へ繰り出されて風力搬送され、排出筒(88)の先端から外部へ排出される。このように、穀粒を風力搬送して排出するため、螺旋で搬送する場合よりも穀粒の表面に傷が付きにくく、収穫された穀粒の商品価値を高めることができる。
【0013】
そして、切換弁(68)を第2状態に切り換えて送風装置(37)を起動操作すると、送風装置(37)が起動して送風経路の外部へ開口した噴出口(70)から風が噴き出し、この風を利用してコンバインの機体の各部の清掃作業を行なうことができる。また、この際、繰り出し装置(29)は起動しないので、グレンタンク(6)内の穀粒が搬送筒(35)内へ繰り出されず、穀粒を搬送できるだけの送風がなされなくなった搬送筒(35)内で、穀粒が詰まることがなくなる。これによって、穀粒排出作業に移行できる状態を維持でき、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するものでありながら、例えば、傾斜地にコンバインを停車させて機体の清掃を行なう場合に、駐車ブレーキが入り作動していない状態では、送風装置(37)を起動操作してもこの送風装置(37)が起動しない。これによって、作業者が駐車ブレーキを入り操作するのを忘れたまま清掃作業を行なうことが防止され、この清掃作業の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】グレンタンクを透視して示す要部の平面図
【図4】繰り出し装置の正面図
【図5】繰り出し装置の背面図
【図6】繰り出し装置の断面図
【図7】繰り出し装置の断面図
【図8】送風装置と切換弁の関係を示す背面図
【図9】送風筒の上半分を断面して示す説明図
【図10】穀粒排出作業状態での切換弁の説明用背面図
【図11】清掃状態での切換弁の説明用背面図
【図12】切換弁周辺の説明用側面図
【図13】穀粒排出作業状態を示す説明用側面図
【図14】清掃作業状態を示す説明用側面図
【図15】ブロック回路図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1、図2に示すように、このコンバインは、平面視で矩形に枠組み形成した車台1の下側に走行装置2を設け、車台1の前側には刈取装置3を設け、車台1上の前部右側に操縦部4を設け、車台1上の後部左側に脱穀装置5を設け、車台1上の後部右側にグレンタンク6を設けた構成とする。
【0017】
前記走行装置2は、走行ミッションケース(図示省略)から駆動される前端部の駆動スプロケット7と、転輪フレーム8に軸支された多数の転輪9と、転輪フレーム8の後端部に軸支された緊張輪10とに、クローラ11を巻き掛けた構成とする。
【0018】
前記刈取装置3は、掻込オーガ(図示省略)を有した枠体12に、穀稈を分草する左右両側の分草体13と、穀稈を掻き込む昇降調節自在の掻込リール14と、掻き込まれた穀稈を切断する刈刃15と、刈り取った穀稈を後方へ搬送する搬送コンベア16とを一体に設けた構成とする。前記搬送コンベア16の後端部は、脱穀装置5の穀稈供給口に接続する。
【0019】
前記操縦部4は、車台1上に搭載したエンジン17を覆うエンジンカバー18の上部に操縦席19を取り付け、この操縦席19の前方に前側操作台20を設け、操縦席19の左側には側部操作盤21を設けた構成とする。前記前側操作台20の上部右側には、前後方向への操作で刈取装置3を昇降調節し、左右方向への操作で機体の走行方向を操作するレバー22を設ける。また、前側操作台20の上側には、車速やグレンタンク6の穀粒貯留量などの作業情報を表示するモニター23を配置し、このモニター23の左側に形成した傾斜面には、自動制御装置用のスイッチを配置する。また、前記側部操作盤21には、車速を調節する変速レバーと、刈取装置3および脱穀装置5を起動操作するクラッチレバー(図示省略)を配置する。これら変速レバーおよびクラッチレバーの後側には、穀粒排出作業用のリモコン24を着脱自在に設置する。
【0020】
また、前記操縦席19の前下方に設けたステップ25の左側の部位には、走行ミッションケース内に設けた駐車ブレーキを入り切り操作する駐車ブレーキペダル26を設ける。この駐車ブレーキペダル26の基部には、この駐車ブレーキペダル26が駐車ブレーキの作動位置まで踏み込まれた状態でONするスイッチ27(駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置)を設ける。
【0021】
前記脱穀装置5は、上側の扱室内に、刈取装置3の搬送コンベア16から送り込まれる穀稈の穂先部を脱穀処理する螺旋式の扱胴を備え、下側の選別室内に、揺動選別式の選別装置を備えた構成とする。
【0022】
図1〜図3に示すように、前記グレンタンク6は、底部を漏斗状に形成した箱型の容器であり、脱穀装置5の選別装置で選別した後の穀粒を、揚穀機28で揚穀して投入する構成である。このグレンタンク6の底部の中央部は、下方に向けて開口させ、この開口部に、穀粒繰り出し用の繰り出し装置29の上部を接続する。
【0023】
図4〜図7に示すように、この繰り出し装置29は、繰り出しケース30の内部に、電動モータ31から伝動チェン32を介して回転駆動する6枚の繰り出し羽根33を備えた構成とする。この繰り出しケース30の上部は、グレンタンク6の底部の開口部に対応して開口しており、グレンタンク6側から流下する穀粒の量を調節するシャッター34を備えている。また、この繰り出しケース30の下部には、この繰り出しケース30の幅よりも長く形成した搬送筒35を一体化し、繰り出しケース30の底部に形成した開口部を、搬送筒35の上面に形成した開口部に連通させる。尚、図7に示すように、繰り出し羽根33の回転軸芯に対して、開口部を備えた繰り出しケース30の上部は、繰り出し羽根33の下降回転側または上昇回転側に偏倚させている。この構成により、グレンタンク6内の穀粒が、6枚の繰り出し羽根33の各羽根の間に形成された6つの室に流入してから下方へ繰り出されるので、電動モータ31を一定速度で駆動すると、常に一定量づつ、搬送筒35内へ繰り出されることとなる。
【0024】
そして、図1〜図3に示すように、前記搬送筒35の入口側となる前側端部に、筒体36を介して送風装置37の送風口46を接続する。
図3、図8に示すように、この送風装置37は、外面に多数の冷却フィン39を備えた一方の前側ケース40の内部に、駆動軸41によって回転自在に支持された円形の回転盤42を設けた構成である。この回転盤42の周縁部に沿って、駆動軸41の軸芯方向に沿う断面形状を円弧状に形成した凹部を設け、この凹部を、円周方向に沿って一定の間隔で仕切る多数の仕切り板43を設ける。仕切り板43の駆動軸41の軸芯方向に沿う方向での断面形状は、半円状に形成される。また、前記前側ケース40に対向する後側ケース44には、前記回転盤42の周縁部に沿って設けた凹部に対向する凹部を形成し、この凹部の円周方向での2箇所に、外気を吸い込む吸気口45と、風を噴き出す送風口46を設ける。そして、前側ケース40と後側ケース44を接合することで、回転盤42の周縁部に沿って設けた凹部と後側ケース44側の凹部を対向して配置する。この構成により、駆動軸41の端部に固定した入力プーリ51にエンジン17の駆動力が入力されると、回転盤42が回転し、仕切り板43の周回によって、吸気口45から外気が吸入され、送風口46から風が噴き出す。
【0025】
図3に示すように、車台1上に固定したベベルギヤケース52の出力軸53に出力プーリ54を固定し、この出力プーリ54と前記入力プーリ51の間に、常時張力を付与した伝動ベルト55を巻き掛ける。また、ベベルギヤケース52の入力軸56は、このベベルギヤケース52内の2つのベベルギヤの噛合いによって、出力軸53に対して平面視で90度だけ姿勢変更し、機体の左右方向を向けて配置する。そして、エンジン17から外側へ向けて突出した出力軸57に出力プーリ58を固定し、この出力プーリ58と、前記入力軸56の端部に固定した入力プーリ59の間に伝動ベルト60を弛緩状態で巻き掛ける。この伝動ベルト60の上側には、この伝動ベルト60を緊張させて出力プーリ58から入力プーリ59へエンジンの駆動力を伝達するテンションローラ61を配置する。このテンションローラ61は、車台1側に上下回動自在に軸支したテンションアーム62の自由端側に軸支され、車台1側に固定した電動モータ63の作動によって上下動する構成とする。この構成により、排出クラッチ64が構成され、電動モータ63の作動によってテンションローラ61が下降し、このテンションローラ61によって伝動ベルト60が緊張すると、エンジン17の駆動力によって送風装置37の回転盤42が回転し、送風口46から風が噴き出す。尚、実体図は省略するが、上記テンションアーム62の回動位置または電動モータ63の作動停止位置から、排出クラッチ64が接続されたことを検出する排出クラッチ入り検出センサ96と、排出クラッチ64が遮断されたことを検出する排出クラッチ切り検出センサ97を設ける。
【0026】
そして、図8に示すように、この吸気口45と送風口46に連通する吸気筒47と送風筒48を一体で備えた取付部材49を、送風装置37の後側ケース44の後側面にボルト50で締結して固定する。前記送風筒48は、搬送筒35の入口側に接続する。
【0027】
図9に示すように、この送風筒48の上面を切り欠いて、平面視で矩形の開放部65を形成し、この開放部65を上側から覆う断面が弧状の閉鎖板66を溶接固定する。また、この閉鎖板66の中央部を切り欠いて、平面視で矩形の開放部67を形成する。そして、図8に示すように、この開放部67を上側から覆うように、切換弁68を備えたバルブブロック69を溶接固定する。
【0028】
図8、図10、図11に示すように、このバルブブロック69の上部には、前記開放部65と開放部67を介して送風筒48の内部に連通する噴出口70を形成する。そして、この噴出口70に連通する噴出筒71を、バルブブロック69の上面から上方へ突出させて設ける。図1に示すように、この噴出筒71には、可撓性を有したホース83を接続し、このホース83を、グレンタンク6の下側空間に設けた係止具84に巻き付けて収納しておく。清掃作業時には、このホース83を引き出して使用すればよい。
【0029】
また、このバルブブロック69には、バルブブロック69を左右方向に貫通し、前記送風筒48の内部および噴出口70に連通する貫通孔72を形成する。そして、この貫通孔72に、軸芯方向に直交する方向に貫通孔73を有した弁軸74を回動自在に挿し込み、この弁軸74の基部に、切換操作レバー75の基部を固定する。
【0030】
この構成により、図13に示すように、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置側に回動操作して、弁軸74の貫通孔73が、送風筒48の内部または噴出口70と連通しない状態になると、噴出筒71から外部への風の噴出が止まる。一方、図14に示すように、切換操作レバー75を清掃作業位置側に回動操作し、弁軸74の貫通孔73を介して送風筒48の内部と噴出口70が連通されると、送風筒48内の風が、噴出筒71から外部へ噴出する状態となる。
【0031】
また、図13、図14に示すように、この弁軸74の外周面には、風向案内板76の上端部を螺子77で締結固定する。この風向案内板76は、閉鎖板66の内面に沿う断面弧状の板体であり、弁軸74の外周面の接線方向に沿う姿勢で取り付けられている。そして、図13に示すように、弁軸74が穀粒排出作業位置へ回動操作された状態では、風向案内板76が送風筒48内の風路から退避し、閉鎖板66の内面に接する状態となる。この状態において、風向案内板76の肉厚は、送風筒48の肉厚より薄いため、風向案内板76は送風筒48の開放部65内に収まって送風筒48内に突出せず、送風筒48内を流れる風の抵抗とならない。これによって、送風筒48内の送風効率が高まる。一方、図14に示すように、弁軸74が清掃作業位置へ回動操作された状態では、風向案内板76が起立方向へ回動して送風筒48内に侵入し、この風向案内板76によって、送風筒48内の風が噴出筒71側へ導かれる。尚、前記弁軸74と風向案内板76を、切換弁68と総称する。また、弁軸74が清掃作業位置へ回動操作された状態で、前記風向案内板76は、送風筒48内の搬送筒35側への送風経路を完全に塞がず、僅かな隙間が残る構成とする。これによって、噴出筒71から噴出する風が、清掃作業に適した風量まで弱まる。
【0032】
また、図8、図10〜図12に示すように、バルブブロック69の外側上部には、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置と清掃作業位置とに係止する断面が逆L字形状の切換操作案内板78を、ボルト79で締結固定する。そして、前記取付部材49または送風筒48の側面にマイクロスイッチ80を固定し、切換操作レバー75の基部に固定したカム板81によって、このマイクロスイッチ80をONまたはOFFさせる構成とする。即ち、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置へ回動操作すると、カム板81の回動によってマイクロスイッチ80がOFFし、切換弁68が穀粒排出作業状態(第1状態)に切り換えられたことが検出される。一方、切換操作レバー75を清掃作業位置へ回動操作すると、カム板81の回動によってマイクロスイッチ80がONし、切換弁68が清掃作業状態(第2状態)に切り換えられたことが検出される。尚、このマイクロスイッチ80とカム板81を、切換位置検出装置82と総称する。
【0033】
また、前記グレンタンク6の後側には、電動モータ104(実体図は省略)によって縦軸回動自在な揚穀用支持筒85を起立させて設け、この揚穀用支持筒85の上端部には、油圧シリンダ87によって横軸回動自在な排出用支持筒86の基部を接続する。そして、前記搬出筒35の出口側に、可撓性を有した排出筒88の入口側を接続し、この排出筒88を、前記揚穀用支持筒85および排出用支持筒86の内部を通して排出用支持筒86の先端部まで設ける。穀粒排出作業を行わない状態では、前記排出用支持筒86の中間部を、脱穀装置5側に固定した支持部材89の上端部に支持させておく。
【0034】
また、図1に示すように、グレンタンク6の外側面の前側下部には、清掃作業時に操作する清掃スイッチ91を設ける。前記切換操作レバー75は、グレンタンク6の下側空間内において、清掃スイッチ91の下方に配置される。
【0035】
そして、前記操縦部4には、リモコン24の操作によって、排出クラッチ64を作動させる電動モータ63と、繰り出し装置29を駆動する電動モータ31の起動および停止を制御する制御装置92を設ける。
【0036】
図15に示すように、この制御装置92は、コントローラ93の入力側に、前記清掃スイッチ91と、マイクロスイッチ80と、スイッチ27と、排出クラッチ入り検出センサ96と、排出クラッチ切り検出センサ97と、エンジン17を始動操作するキースイッチ94と、エンジン17の回転数を検出するエンジン回転センサ95と、排出用支持筒86が支持部材89に支持されて収納された状態を検出する収納検出スイッチ102を接続する。そして、コントローラ93の出力側には、電動モータ63と、電動モータ31と、モニター23と、警報ブザー99と、エンジン17を始動するセルモータ101と、エンジン17のスロットルを開閉調節するスロットル調節モータ103と、電動モータ104と、油圧シリンダ87を接続する。また、排出スイッチ100を有するリモコン24を接続したサブコントローラ98を、コントローラ93と通信回線で接続する。尚、リモコン24には、排出スイッチ100の他に、排出用支持筒86を旋回させる旋回スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86を昇降回動させる昇降スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86を排出作業位置まで自動的に旋回させる自動張出スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86を排出作業位置から支持部材89まで自動的に旋回させて収納する自動収納スイッチ(図示省略)と、排出用支持筒86の自動旋回を停止させる緊急停止スイッチ(図示省略)を設ける。
【0037】
以上の構成により、切換操作レバー75を穀粒排出作業位置へ切り換えてマイクロスイッチ80がOFFした状態で、排出スイッチ100をON操作すると、コントローラ93から電動モータ63へ出力がなされ、この電動モータ63が起動して排出クラッチ64が接続される。これによって、送風装置37が起動し、送風口38から噴き出された風が、切換弁68部を通過して搬送筒35内へ送られる。このようにして送風装置37が起動してから設定時間経過後に、コントローラ93から電動モータ31へ出力がなされ、この電動モータ31が起動して繰り出し装置29が起動し、グレンタンク6内の穀粒が搬送筒35内へ繰り出される。この搬送筒35内へ繰り出された穀粒は、搬送筒35内に送られてきた風で搬送され、排出筒88内を搬送されて、この排出筒88の先端から外部へ排出される。このように、穀粒を風力搬送して排出するため、螺旋で搬送する場合よりも穀粒の表面に傷が付きにくく、収穫された穀粒の商品価値を高めることができる。
【0038】
そして、駐車ブレーキペダル26を踏み込んでスイッチ27をONし、切換操作レバー75を清掃作業位置に切り換えてマイクロスイッチ80がONした状態で、清掃スイッチ91をON操作すると、コントローラ93から電動モータ63へ出力がなされ、この電動モータ63が起動して排出クラッチ64が接続される。これによって、送風装置37が起動し、送風口38から噴き出された風が噴出筒71から噴出し、ホース83の先端から噴き出す風によって、コンバインの機体の各部の清掃が行なえる。また、この際、コントローラ93から電動モータ31へは出力がなされず、繰り出し装置29の停止状態が維持される。これによって、グレンタンク6内の穀粒が搬送筒35内へ繰り出されず、穀粒を搬送できるだけの送風がなされなくなった搬送筒35内で、穀粒が詰まることがなくなる。これによって、穀粒排出作業に移行できる状態を維持でき、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0039】
また、駐車ブレーキペダル26を踏み込んでいない状態では、スイッチ27がOFFしているため、切換操作レバー75を清掃作業位置に切り換えてマイクロスイッチ80がONした状態で、清掃スイッチ91をON操作しても、コントローラ93から電動モータ63へ出力がなされない。このため、電動モータ63は起動せず、排出クラッチ64が接続されないので、送風装置37は停止状態を維持し、ホース83の先端から風が噴き出さない。これによって、作業者が駐車ブレーキを入り操作するのを忘れたまま清掃作業を行なうことが防止され、この清掃作業の安全性を高めることができる。
【0040】
また、エンジン17を始動する前に、切換操作レバー75が清掃作業位置に切り換えられてマイクロスイッチ80がONしている状態では、キースイッチ94を操作しても、コントローラ93からセルモータ101へ出力がなされず、エンジン17が始動しない。これによって、切換操作レバー75が穀粒排出作業位置に切り換えられていないと、エンジン17が始動しないので、切換操作レバー75の誤操作による搬送筒35内での穀粒の詰まりを防止することができる。
【0041】
また、排出用支持筒86が支持部材89上に支持されて収納された状態を収納検出スイッチ102で検出している状態では、排出スイッチ100をON操作しても、コントローラ93から電動モータ63への出力がなされず、排出クラッチ64が接続されない。一方、この状態で、清掃スイッチ91をON操作すると、コントローラ93から電動モータ63へ出力なされ、排出クラッチ64が接続される。
【0042】
また、清掃スイッチ91をON操作すると、排出クラッチ64が接続される前に、コントローラ93からスロットル調節モータ103へ出力がなされ、エンジン17の回転速度が穀粒排出作業に適した設定回転速度まで自動的に上昇する。但し、清掃スイッチ100をON操作した場合には、コントローラ93からスロットル調節モータ103へ出力はなされず、エンジン17の回転速度は上昇しない。従って、ホース83への送風量が急激に増加することを防止でき、清掃作業を円滑に行なうことができる。
【符号の説明】
【0043】
1 車台
2 走行装置
3 刈取装置
4 操縦部
5 脱穀装置
6 グレンタンク
26 駐車ブレーキペダル
27 駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置
29 繰り出し装置
35 搬送筒
37 送風装置
68 切換弁
70 噴出口
82 切換位置検出装置
88 排出筒
92 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)を備えた車台(1)の前側に刈取装置(3)を設け、車台(1)の上側に操縦部(4)と脱穀装置(5)とグレンタンク(6)を設け、該グレンタンク(6)の底部にグレンタンク(6)内の穀粒を下方の搬送筒(35)内へ繰り出す繰り出し装置(29)を設け、前記搬送筒(35)の入口側に送風装置(37)を設け、該送風装置(37)から搬送筒(35)側へ向かう送風経路に、送風装置(37)から送られる風を搬送筒(35)内へ案内する第1状態と、送風装置(37)から送られる風を送風経路の外部へ開口した噴出口(70)側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁(68)を設け、前記搬送筒(35)の出口側には穀粒排出案内用の排出筒(88)を設けたコンバインにおいて、前記切換弁(68)の切換位置を検出する切換位置検出装置(82)を設け、該切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第1状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)も起動させ、切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)の停止状態を維持させる制御装置(92)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記操縦部(4)に、走行装置(2)を停止状態に維持する駐車ブレーキ操作用の駐車ブレーキペダル(26)を設け、該駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキを入り作動させる位置に踏み込み操作されたことを検出する駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)を設け、前記切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている状態で送風装置(37)を起動操作しても、駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)によって駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキの入り作動位置まで踏み込まれたことが検出されていない場合には、該送風装置(37)の停止状態を維持させる構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
走行装置(2)を備えた車台(1)の前側に刈取装置(3)を設け、車台(1)の上側に操縦部(4)と脱穀装置(5)とグレンタンク(6)を設け、該グレンタンク(6)の底部にグレンタンク(6)内の穀粒を下方の搬送筒(35)内へ繰り出す繰り出し装置(29)を設け、前記搬送筒(35)の入口側に送風装置(37)を設け、該送風装置(37)から搬送筒(35)側へ向かう送風経路に、送風装置(37)から送られる風を搬送筒(35)内へ案内する第1状態と、送風装置(37)から送られる風を送風経路の外部へ開口した噴出口(70)側へ案内する第2状態とに切り換える切換弁(68)を設け、前記搬送筒(35)の出口側には穀粒排出案内用の排出筒(88)を設けたコンバインにおいて、前記切換弁(68)の切換位置を検出する切換位置検出装置(82)を設け、該切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第1状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)も起動させ、切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている場合に送風装置(37)を起動操作すると、該送風装置(37)を起動させると共に繰り出し装置(29)の停止状態を維持させる制御装置(92)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記操縦部(4)に、走行装置(2)を停止状態に維持する駐車ブレーキ操作用の駐車ブレーキペダル(26)を設け、該駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキを入り作動させる位置に踏み込み操作されたことを検出する駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)を設け、前記切換位置検出装置(82)によって切換弁(68)が第2状態に切り換えられていることが検出されている状態で送風装置(37)を起動操作しても、駐車ブレーキ踏み込み位置検出装置(27)によって駐車ブレーキペダル(26)が駐車ブレーキの入り作動位置まで踏み込まれたことが検出されていない場合には、該送風装置(37)の停止状態を維持させる構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−155895(P2011−155895A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19826(P2010−19826)
【出願日】平成22年1月30日(2010.1.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月30日(2010.1.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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